JPH11323938A - 緑化工法 - Google Patents

緑化工法

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JPH11323938A
JPH11323938A JP15205598A JP15205598A JPH11323938A JP H11323938 A JPH11323938 A JP H11323938A JP 15205598 A JP15205598 A JP 15205598A JP 15205598 A JP15205598 A JP 15205598A JP H11323938 A JPH11323938 A JP H11323938A
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JP
Japan
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net
tubular portion
flexible
plant
mesh
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JP15205598A
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English (en)
Inventor
Mitsuo Taniguchi
美津男 谷口
Sumiji Kobashi
澄治 小橋
Tomoyuki Morisono
智之 森園
Kazumasa Shibata
和正 柴田
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Nisshoku Corp
Original Assignee
Nisshoku Corp
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Publication date
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  • Pit Excavations, Shoring, Fill Or Stabilisation Of Slopes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 堤体の法面等を被覆保護すると共に、植生に
よる水際の積極的な緑化を行って、水生動植物の棲息環
境の創出や水質の浄化機能を持たせた多自然型水路・護
岸を能率良く構築できるばかりでなく、石と植物生育用
土壌と植物種子,茎葉部,根株等との混合物を充填する
作業を人力で行え、簡易に施工できる緑化工法を提供す
る。 【解決手段】 耐久性に劣る繊維で構成された布帛1を
河川,湖沼,調整池等の岸辺の法面に敷設する一方、引
張強度が高くて耐久性に富む線材で構成された網状基材
2aと、その上面から突出した形状で且つ適当間隔を隔
てて互いに平行に形成された複数の網状筒部2bとから
成る可撓性グリッド材2の前記網状筒部に、各々、石4
と、植物生育用土壌5と、植物種子6,茎葉部7a,根
株7b等との混合物が充填され且つ人力で持ち運べる大
きさに設定された土嚢3を収容して可撓性護岸材Aを構
成し、当該可撓性護岸材を前記布帛の上に前記網状筒部
が等高線に沿うように敷設する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、河川,湖沼,調整
池等の岸辺の法面(例えば、堤体の法面,河川の低水位
敷き等である。)を植生護岸する緑化工法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】河川や湖沼等の堤体法覆工や護岸工とし
ては、従来より、石張り工法、コンクリートの張りブロ
ック工法、法枠工法、ブロックマット工法、布製型枠モ
ルタル注入工法、蛇かご工等々、多くの工法が用いられ
て来た。しかしながら、洪水に対する安全度や維持管理
の容易性を過度に重視したために、三面張り水路に代表
されるように、河川,湖沼等が本来有していた動植物の
生育環境や自然景観を損なう結果となっている。
【0003】このため、近年では、法面を被覆保護する
と共に、植生による水際の積極的な緑化を行って、水生
動植物の棲息環境の創出や水質の浄化機能を持たせた多
自然型水路・護岸の構築が種々、試みられている。
【0004】その代表的な工法の一つは、ナイロン製の
筒状袋体の内部にヤシ繊維を高密度に充填してなる可撓
性護岸材を河川,湖沼,調整池等の岸辺に敷設して、こ
れを水生植物の生育基盤とする一方、圃場で十分に成長
させた植物を、前記可撓性護岸材に植栽することによ
り、水辺の緑化や生態系の復元・修復を行う緑化工法で
ある。
【0005】上述した従来の緑化工法では、植栽する植
物の維持管理や運搬に多大の手間が必要である上、工事
現場において、植物を可撓性護岸材に植栽するため、施
工性が悪い。しかも、筒状袋体にヤシ繊維を充填した可
撓性護岸材であるが故に、比重が小さくて、急流部や砂
質土壌の河岸においては、可撓性護岸材の固定が困難で
あり、ナイロンネットに石を充填した蛇かご状の護岸材
と組み合わせて使用することが必要とされ、二種類の護
岸材を準備して組み合わすので、施工が非常に面倒であ
る。また、植物が植栽された可撓性護岸材と蛇かご状の
護岸材とを交互に敷設した場合、蛇かご状の護岸材には
植生が無く、縞状の緑化となって、不自然な印象を与え
ることになる。
【0006】そこで、このような問題点の解決策とし
て、筒状袋体の内部に、石と、植物生育用土壌と、植物
種子,茎葉部,根株等との混合物を充填してなる可撓性
護岸材を、河川等の岸辺に敷設する緑化工法が開発さ
れ、特開平9−88038号公報によって提案されるに
至っている。
【0007】この緑化工法によれば、次のような利点が
ある。 筒状袋体の内部に、石と、植物生育用土壌と、植物種
子,茎葉部,根株等との混合物を充填して成る可撓性護
岸材を使用するので、地形に合わせて湾曲させた状態に
敷設できるばかりでなく、充填物の骨材となる石の重量
によって、可撓性護岸材が安定良く敷設され、水流のあ
る場所や砂質土壌の河岸でも可撓性護岸材の固定が容易
であり、ナイロンネットに石を充填した蛇かご状のもの
と組み合わせる必要がない。 可撓性護岸材が敷設されて、所定の期間が経過する
と、筒状袋体に充填された植物種子,茎葉部,根株等
は、河川や湖沼の水、雨水、植物生育用土壌に含まれる
養分等を吸収することにより、植物生育用土壌を培地と
して発芽・発根し、これらの植物の成長により、法面や
水際の緑化が行われることになる。 上記,の結果として、堤体の法面や河川の低水位
敷き等を被覆保護すると共に、植生による水際の積極的
な緑化を行って、水生動植物の棲息環境の創出や水質の
浄化機能を持たせた多自然型水路・護岸を能率良く構築
できる。
【0008】しかしながら、上記の緑化工法では、可撓
性護岸材を構成する筒状袋体が、袋径10〜30cm、長
さ2〜10m(一般的には4m)に設定されているの
で、これに石を含む上記混合物を充填するにあたって
は、上記の公開公報に詳細に記載されているとおり、エ
アーコンプレッサーから送られる圧搾空気の一部を充填
方向に沿ったジェット気流として噴出させ、当該ジェッ
ト気流によるコアンダ効果により、圧搾空気で送られる
混合物を吸引して、土砂詰まりを防止するようにした特
殊な充填機が必要とされ、施工が大掛かりとなるという
問題点があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
従来技術の問題点をふまえてなされたものであって、堤
体の法面や河川の低水位敷き等を被覆保護すると共に、
植生による水際の積極的な緑化を行って、水生動植物の
棲息環境の創出や水質の浄化機能を持たせた多自然型水
路・護岸を能率良く構築できるばかりでなく、石を含む
混合物(石と、植物生育用土壌と、植物種子,茎葉部,
根株等との混合物)の充填を人力で行え、簡易に施工で
きるようにした緑化工法を提供することを課題としてい
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明では、耐久性に劣る繊維で構成された布帛
を河川,湖沼,調整池等の岸辺の法面に敷設する一方、
引張強度が高くて耐久性に富む線材で構成された網状基
材と、その上面から突出した形状で且つ適当間隔を隔て
て互いに平行に形成された複数の網状筒部とから成る可
撓性グリッド材の前記網状筒部に、各々、石と、植物生
育用土壌と、植物種子,茎葉部,根株等との混合物が充
填され且つ人力で持ち運べる大きさに設定された土嚢を
収容して可撓性護岸材を構成し、当該可撓性護岸材を前
記布帛の上に前記網状筒部が等高線に沿うように敷設し
ている。
【0011】上記の構成によれば、可撓性グリッド材の
各網状筒部に長尺の筒状袋体を収容するのではなく、人
力で持ち運べる大きさに設定された土嚢を収容するよう
にしたので、土嚢を形成するための個々の袋体に対する
石を含む混合物(石と、植物生育用土壌と、植物種子,
茎葉部,根株等との混合物)の充填が人力で行え、ジェ
ット気流によるコアンダ効果を利用した特殊な充填機を
使用する必要がなくなり、簡易に施工できる。
【0012】可撓性グリッド材の網状筒部は、網状基材
の上面から突出した形状に形成されているので、網状筒
部に土嚢を収容した状態において、網状筒部や網状筒部
の間に位置する網状基材が法面に良く密着し、充填物の
骨材となる石の重量によって法面の押さえが確実に行わ
れ、しかも、法面には、先ず耐久性に劣る繊維で構成さ
れた布帛を敷設し、その上に、上記の可撓性護岸材を敷
設するので、網状筒部の間に位置する法面の表面が布帛
で保護され、雨水や流水による表面の侵食が防止される
ことになる。
【0013】可撓性護岸材が敷設されて、所定の期間が
経過すると、網状筒部内の土嚢に充填されている植物種
子,茎葉部,根株等は、河川や湖沼の水、雨水、植物生
育用土壌に含まれる養分等を吸収することにより、植物
生育用土壌を培地として発芽・発根し、これらの植物の
成長により、法面の緑化が行われるだけでなく、土嚢が
収容された網状筒部と網状筒部の間に、耐久性に劣る繊
維で構成された布帛と可撓性グリッド材の網状基材が重
ねて敷設されているため、漂流種子や飛来種子が定着し
やすく、網状筒部内の土嚢で成長した植物と、網状筒部
と網状筒部の間で自然に成長した植物とによって、法面
全体を緑化保護することができる。
【0014】尚、網状筒部は、網状基材の上面に予め形
成されている筒状部に土嚢を挿入した後、筒状部の開口
部を閉じることによって形成してもよく、網状基材の上
に置いた土嚢を網状筒部構成用部材で巻き込むことによ
って形成してもよい。また、請求項4に記載の発明のよ
うに、可撓性護岸材の敷設後、網状筒部の上から前記土
嚢にヤナギ類等の挿し木又は植栽を行うことにより、施
工後、早期に、つまり、土嚢に充填した混合物中の植物
種子,茎葉部,根株等が発芽・発根して、これらの植物
が成長し、且つ、網状筒部と網状筒部の間に自然に定着
した植物が成長して、これらの植物により、最終的な緑
化が達成される前に、ある程度の緑化を行うことができ
る。
【0015】可撓性護岸材の各網状筒部の土嚢に充填す
る石としては、砕石や砂利である。植物生育用土壌とし
ては、バーク堆肥,ピートモス等の人工客土,焼却灰を
原料にした園芸用土,現場発生土等や、それらに肥料や
活性炭等の水質浄化材を混合したものが任意に選択して
使用される。植物種子としては、例えば、ケンタッキー
31フェスク,バミューダグラス,リードキャナリーグ
ラス等、植物種子のうち、木本種子としてはイタチハギ
等が使用され、萌芽性茎葉あるいは根株としては、セ
リ,ヨシ,イタチハギ,ヤナギ等が使用される。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図1〜図5は、本発明に係る緑化
工法の一例を示す。図において、1は、河川,湖沼,調
整池等の岸辺の法面に敷設された耐久性に劣る繊維で構
成された布帛、Aは布帛1の上に敷設された可撓性護岸
材である。布帛1としては、例えば、ヤシネット(ヤシ
果実の繊維で編まれたネット)、シュロ縄で編まれたネ
ット、ヤシマット、不織布(生分解性のあるものが望ま
しい。)等が用いられる。
【0017】可撓性護岸材Aは、引張強度が高くて耐久
性に富む線材で構成された網状基材2aと、その上面か
ら突出した形状で且つ適当間隔を隔てて互いに平行に形
成された複数の網状筒部2bとから成る可撓性グリッド
材2と、前記網状筒部2bに、各々、複数個(図示の例
では3個)ずつ収容した人力で持ち運べる大きさの土嚢
3とで構成されている。可撓性グリッド材2は、土嚢3
が腐蝕、溶解等によって強度を失った後も、土嚢3の収
納物(特に、後述する石4)の保持、可撓性護岸材Aの
吊り込み等の施工時に作用する荷重、水制等に必要な強
度を負担するものであって、例えば、金網であってもよ
いが、この実施の形態では、高張力プラスチック線材を
格子状に織編したプラスチック製の網を使用しており、
線材幅は3〜10mm、目合いは5〜10cm程度に設定し
てある。
【0018】土嚢3には、粒径50〜70mm程度の石
(砕石を使用しているが、砂利でもよい。)4と、バー
ク堆肥,ピートモス等の人工客土,焼却灰を原料にした
園芸用土,現場発生土等や、それらに肥料や活性炭等の
水質浄化材を混合したものから任意に選択して使用され
る植物生育用土壌5と、植物種子6,茎葉部7a,根株
7b等(植物種子,茎葉部,根株の三種類でも良く、そ
れらのうち、任意の一種類又は二種類でも良いと言う意
味である。植物種子としては、例えば、ケンタッキー3
1フェスク,バミューダグラス,リードキャナリーグラ
ス等、植物種子のうち、木本種子としてはイタチハギ等
が使用され、萌芽性茎葉あるいは根株としては、セリ,
ヨシ,イタチハギ,ヤナギ等が使用される。)との混合
物を充填してある。
【0019】土嚢3は、充填中に破断しない程度の引張
強度とした耐久性に劣る繊維で構成した布帛(例えば、
補強のためのナイロン等のフィラメント長繊維、耐候性
強化および土壌流出防止のためのケバのあるアクリル繊
維等の紡績糸、目ずれ促進のために易劣化性のセルロー
ス,スフ繊維、目合い拡大のためのポリビニールアルコ
ール等水溶性繊維を混織して製作した布帛)からなり、
初期の布帛目合いは、植物生育用土壌5や植物種子6,
茎葉部7a,根株7b等の流出を阻止できる大きさ(具
体的には、0.1〜2mm)に設定されている。そして、
水分に接した状態においては、時間の経過につれて、上
記の目合いが、繊維の腐蝕や溶解、目ずれ等により植物
の生育の妨げとならない大きさに拡大するようになって
いる。
【0020】可撓性護岸材Aの寸法は任意に設定できる
が、この実施の形態では、可撓性グリッド材2を構成す
る網状基材2aの横幅L1 が1200mm、縦幅L2 が1
0000mmに設定されている。網状筒部2bの長さL3
は1000mmに設定され、網状筒部2bの一端からはみ
出した幅200mmの網状基材部分が可撓性グリッド材2
どうしの重ね代となっている。網状筒部2bの網状基材
2aからの突出高さTは130〜150mm、太さHは2
00〜230mmに設定され、網状筒部2bのピッチ(中
心間の距離)は400mmに設定されている。土嚢3は網
状筒部2bにピッタリ収まる太さと、網状筒部2bの中
に3個を直列させて収容できる長さ(330mm程度)に
設定されている。
【0021】土嚢3に上記の混合物を充填するにあたっ
ては、図3に示すように、30数センチメートルに裁断
した適当な太さの塩ビパイプ8を多数本立て並べてお
き、各塩ビパイプ8には、一端が開口した土嚢用の袋体
を挿入し、その開口縁3aを塩ビパイプ8の上端に引っ
かける等して開口状態が保たれるようにしておけば、バ
ックフォー9やスコップの使用等の人為作業により、上
記の混合物を容易に投入できる。そして、この実施の形
態では、混合物の投入後、袋体の開口部3aを接着、縫
着、ステープル止め等の手段により閉止して土嚢3とな
し、塩ビパイプ8から取り出した土嚢3を網状基材2a
の上面に予め形成されている一端の開口した筒状部に、
樋状のガイド10aと押し棒10bを使って挿入した
後、当該筒状部の開口部を接着、縫着、ステープル止め
等の手段により閉止して前記網状筒部2bを形成してい
る。
【0022】次に、施工手順の一例を説明すると、図
1、図2に示すように、河川,湖沼,調整池等の岸辺の
法面に前記布帛1を敷設し、その上に、前記可撓性護岸
材Aを、前記網状筒部2bが等高線に沿うように敷設す
る。図2中のLWLは通常時の水位(低水位)、HWL
は増水時の水位(高水位)である。可撓性護岸材Aの法
面への固定は、図1に示すように、所々にアンカー11
を打ち込むことによって行う。アンカー11としては、
例えば、直径16mm、長さ400mmの鉄筋が使用され、
100平方メートルあたり390本程度使用される。
【0023】しかる後、網状筒部2bの上から土嚢3に
ヤナギ類の挿し木12を行ない、緑化の工事を完了する
のである。ヤナギ類の挿し木12は、100平方メート
ルあたり520本程度が適当である。
【0024】この緑化工法によれば、可撓性グリッド材
2の各網状筒部2bに長尺の筒状袋体を収容するのでは
なく、人力で持ち運べる大きさに設定された土嚢3を収
容するようにしたので、土嚢3を形成するための個々の
袋体に対する上記混合物の充填が人力で行え、ジェット
気流によるコアンダ効果を利用した特殊な充填機を使用
する必要がなくなり、簡易に施工できる。
【0025】可撓性グリッド材2の網状筒部2bは、網
状基材2aの上面から突出した形状に形成されているの
で、図4(A)に示すように、網状筒部2bに土嚢3を
収容した状態において、網状筒部2bや網状筒部2bの
間に位置する網状基材2aが法面に良く密着し、充填物
の骨材となる石4の重量によって法面の押さえが確実に
行われ、しかも、法面には、先ず耐久性に劣る繊維で構
成された布帛1を敷設し、その上に、上記の可撓性護岸
材Aを敷設するので、網状筒部2bの間に位置する法面
の表面が布帛1で保護され、雨水や流水による表面の侵
食が防止されることになる。
【0026】可撓性護岸材Aが敷設されて、所定の期間
が経過すると、網状筒部2b内の土嚢3に充填されてい
る植物種子6,茎葉部7a,根株7b等は、河川や湖沼
の水、雨水、植物生育用土壌5に含まれる養分等を吸収
することにより、図4(B)に示すように、植物生育用
土壌5を培地として発芽・発根し、これらの植物の成長
により、法面の緑化が行われるだけでなく、土嚢3が収
容された網状筒部2bと網状筒部2bの間に、耐久性に
劣る繊維で構成された布帛1と可撓性グリッド材2の網
状基材2aとが重ねて敷設されているため、漂流種子や
飛来種子が定着しやすく、網状筒部2b内の土嚢3で成
長した植物aと、網状筒部2bと網状筒部2bの間で自
然に成長した植物bとによって、法面全体を緑化保護す
ることができる。
【0027】しかも、この実施の形態では、可撓性護岸
材Aの敷設後、網状筒部2bの上から前記土嚢3にヤナ
ギ類の挿し木12を行うことにより、施工後、早期に、
つまり、土嚢3に充填した混合物中の植物種子6,茎葉
部7a,根株7b等が発芽・発根して、これらの植物a
が成長し、且つ、網状筒部2bと網状筒部2bの間に自
然に定着した漂流種子や飛来種子による植物bが成長し
て、これらの植物a,bにより最終的な法面全体の緑化
が達成される前に、ある程度の緑化を行ない、景観の修
復を行うことができる。図示しないが、挿し木12に代
えて、網状筒部2bの網目から所々の土嚢3の上面を切
り開き、圃場で十分に成長させた植物とか、河川等の水
際で採取したキショウブ、セキショウ、ヨシ等を植栽す
ることも可能である。
【0028】図6は、本発明の他の実施の形態を示す。
この実施の形態は、可撓性グリッド材2の網状基材2a
の要所要所に矩形状をなす網状筒部構成用部材20を、
その一辺が網状基材2aに固着された状態に設けてお
き、網状基材2aの上に置いた土嚢3を網状筒部構成用
部材20で巻き込むことによって、網状筒部2bを形成
した点に特徴がある。
【0029】尚、上述した何れの実施の形態において
も、土嚢3を網状筒部2bに収容した後、可撓性護岸材
Aを布帛1上に敷設しているが、土嚢3が人力で持ち運
べる大きさであり、可撓性グリッド材2を法面に敷設し
た後でも、容易に土嚢3を網状筒部2bに収容すること
ができるから、例えば、布帛1を法面に敷設し、次い
で、その上に可撓性グリッド材2を敷設した後、土嚢3
を網状筒部2bに横から挿入するか、あるいは、土嚢3
を可撓性グリッド材2の所要位置に仮置きし、網状筒部
構成用部材20で土嚢3を巻き込んで、土嚢3の収容さ
れた網状筒部2bを形成するといった施工手順を採用す
ることが可能であり、このようにすれば、機械力による
大重量物の持ち上げが不要になるので、充填から可撓性
護岸材Aの敷設完了での全工程を人力のみによって行え
ることになる。
【0030】
【発明の効果】本発明によれば、堤体の法面や河川の低
水位敷き等を被覆保護すると共に、植生による水際の積
極的な緑化を行って、水生動植物の棲息環境の創出や水
質の浄化機能を持たせた多自然型水路・護岸を能率良く
構築でき、しかも、可撓性グリッド材の各網状筒部に長
尺の筒状袋体を収容するのではなく、人力で持ち運べる
大きさに設定された土嚢を収容するようにしたので、土
嚢を形成するための個々の袋体に対する石を含む混合物
の充填や、土嚢を可撓性グリッド材の網状筒部に収容す
る作業を人力で行え、簡易に施工できる等の効果があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る緑化工法の実施の形態を示す要部
の斜視図である。
【図2】緑化工法の説明図である。
【図3】可撓性護岸材の製造工程の説明図である。
【図4】緑化工法を説明する要部の縦断側面図である。
【図5】可撓性グリッド材の説明図である。
【図6】別の実施の形態を示す可撓性グリッド材の説明
図である。
【符号の説明】
A…可撓性護岸材、1…布帛、2…可撓性グリッド材、
2a…網状基材、2b…網状筒部、3…土嚢、4…石、
5…植物生育用土壌、6…植物種子、7a…茎葉部、7
b…根株。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 柴田 和正 岡山県津山市高尾590番地の1 日本植生 株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 耐久性に劣る繊維で構成された布帛を河
    川,湖沼,調整池等の岸辺の法面に敷設する一方、引張
    強度が高くて耐久性に富む線材で構成された網状基材
    と、その上面から突出した形状で且つ適当間隔を隔てて
    互いに平行に形成された複数の網状筒部とから成る可撓
    性グリッド材の前記網状筒部に、各々、石と、植物生育
    用土壌と、植物種子,茎葉部,根株等との混合物が充填
    され且つ人力で持ち運べる大きさに設定された土嚢を収
    容して可撓性護岸材を構成し、当該可撓性護岸材を前記
    布帛の上に前記網状筒部が等高線に沿うように敷設する
    ことを特徴とする緑化工法。
  2. 【請求項2】 前記網状筒部が、網状基材の上面に予め
    形成されている筒状部に土嚢を挿入した後、筒状部の開
    口部を閉じることによって形成されることを特徴とする
    請求項1に記載の緑化工法。
  3. 【請求項3】 前記網状筒部が、網状基材の上に置いた
    土嚢を網状筒部構成用部材で巻き込むことによって形成
    されることを特徴とする請求項1に記載の緑化工法。
  4. 【請求項4】 可撓性護岸材の敷設後、網状筒部の上か
    ら前記土壌に挿し木又は植栽を行うことを特徴とする請
    求項1〜3の何れかに記載の緑化工法。
JP15205598A 1998-05-16 1998-05-16 緑化工法 Pending JPH11323938A (ja)

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