JP2014095216A - ユニット化された土のう - Google Patents

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Shinzo Tsunemoto
信三 常本
Hiroki Kamiyama
浩樹 神山
Takaaki Ishikawa
隆彰 石川
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Abstract


【課題】 現場での施工を短時間且つ円滑に行うことが可能であるとともに、特に寒冷地にて生じる法面の不陸に対して追従性のよいユニット化された土のうの提供。
【解決手段】 土のうを備えて構成されているとともに、法面に設置された法面保護工の法枠内に敷き詰められ、或いは法面に沿って設置されるユニット化された土のう11であって、土のう袋12を上下方向から包み込むようにして保持する1枚の網状部材14を有し、網状部材14は、その下端部側が有底状となるよう、重ね合わされて折り込まれているとともに、網状部材14の上端部側並びに側端部側を結合素線16A〜Fによって連結することにより、その内側に土のう袋用の収容空間が形成されていることを特徴としている。
【選択図】 図3

Description

本発明は、ユニット化された土のうに係り、例えば、法面保護工を構成する方形又は矩形状のコンクリート法枠の内部に設置される「植生土のう」として利用可能であるとともに、通常の法面の地盤に対しても設置することが可能なユニット化された土のうに関する。
一般に、山間部や切通しを利用した道路工事などでは、道路に沿った部分に、傾斜を有する法面が形成される場合が多いが、このような法面からの落石、崩落を防止するために、いわゆる法面保護工を施工したり、法面を変状から保護するために植生を施したりしている。このうち、法面保護工には、コンクリートによって形成された構造物保護工、その内部を緑化した植生工がある。
構造物保護工としてはコンクリート吹付工や現場打ちコンクリート枠工、ブロック積擁壁工、石積工などが存在する。しかし、法面がコンクリート等で覆われた構造物保護工は無機質な印象を与えるために、近年では自然環境・景観保全の観点から、法面保護とともに植生が同時に施されることが多い。或いは、構造物保護工と植生工とを併用する場合もある。
植生工には、種子吹付工、張芝工、植生土のう工など各種の工法があるが、この植生土のう工は、繊維袋に土、種子等を充填してなる植生土のうを、法枠内に敷き詰めていく工法であり、既に設置されている既存の保護工にも適用可能で、同時に法面を緑化することも可能である等の長所を有している。このような植生土のう工では、例えば内寸が1.0m四方のコンクリート法枠に土のうを使用する場合、標準的な容量の土のう袋を利用して作製された15体程度の土のうを法枠内に隙間なく配置し、これによって法枠内部に間隙が生じないようにしている。
一方で、法枠内に設置された土のうは、年月の経過により内部の土が圧密化して硬化が進むため、植物の根が張りづらくなり結果的に植生の衰退をもたらしていた。また、傾斜面という設置箇所の特殊性から、敷き詰められた土のうのうち、法枠内部の上部に位置する土のうは、重力の影響によって下方へと徐々に移動し、法枠の上方に隙間が生じるという現象が発生していた。
前述の土の圧密化、植生の衰退等の現象に鑑み、特開平7−123855号公報(特許文献1)記載の「植生基盤形成方法」に関する発明が提案されている。同文献記載の発明は、急こう配の法面の緑化に用いられる植生基盤用の土のう工にて、安定的に、土のうを傾斜面上に配置することが可能とされる植生基盤の形成方法である。
具体的には、水に濡れても形状を保持することが可能な耐水性、剛性を備え、且つ有孔板からなる略直方体状の容器内部に、植生基盤材を充填することによって構成される。
そして、この略直方体状の容器を法面に敷き並べることによって法面が緑化されるようになっている。
つまり、この略直方体状の容器を利用した法面の保護は、一般的には「じゃ籠工法」と呼ばれる施工方法であり、従来の土のう袋とは異なり、耐水性、剛性を有する容器内に土、若しくは砂利などを充填していることから、容器の変形を防止することが可能であり、これによって法面上での各容器の下方へのずれを防止して、植生を安定化させることができるとされている。
また、植生機能を有しない工法として、金属製のドレン籠に砕石を充填し、そのドレン籠を法面に設置して、崩落部分の補修を行うことも行われている。
特開平7−123855号公報
前述した特許文献1記載の「植生基盤形成方法」で用いられる容器としては、太さ5mmのプラスチック製の線材からなるネットで構成された直方体状の容器が同文献に例示されている。このような容器に植生基盤材を充填し、法面上に固定する作業は現場での作業を余儀なくされるが、道路などの現場での充填作業並びに法面への設置作業は長時間を要し、特に道路脇の法面に設置する際は、交通規制を長時間、行う必要が生じるなどの課題があった。
また、寒冷地の法面の場合、冬期間の寒暖の激しさから法面の地盤は凍結・融解を繰り返し、そのため不陸が必然的に生じるが、このような直方体状の容器は、それ自体が一定の剛性を有していることから法面の不陸に追随することができず、植生の衰退を招く原因となり、ひいては法面の地盤が軟弱化し、変状や浸食に対する耐性が損なわれるという課題があった。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、現場での施工を短時間且つ円滑に行うことが可能であるとともに、特に寒冷地にて生じる法面の不陸に対して追従性のよいユニット化された土のうを提供することを目的とする。
また、長期に亘る使用に際しても、法枠内での下方へのずり下がりを防止することが可能であり、耐久性に優れたユニット化された土のうを提供することを目的とする。
請求項1記載の発明は、土のうを備えて構成されているとともに、法面に設置された法面保護工の法枠内に敷き詰められ、或いは法面に沿って設置されるユニット化された土のうであって、前記土のうを上下方向から包み込むようにして保持する1枚の網状部材を有し、該網状部材は、その下端部側が有底状となるよう、重ね合わされて折り込まれているとともに、該網状部材の上端部側並びに側端部側を結合素線によって連結することにより、その内側に土のう用の収容空間が形成され、該網状部材をアンカーによって法面に固定することにより、該土のうをユニットとして法面に設置可能としたことを特徴とする。
請求項2記載の発明は、上記1項において、前記網状部材の内部に収容される前記土のうの主要構成部材である土のう袋には、その内部が二以上の空間に分割された区画部が設けられており、それらの各区画部に土、種子類が充填されていることを特徴とする。
請求項3記載の発明は、上記1項又は2項において、前記網状部材の底面部と、設置される法枠の底部、或いは法面との間には、吸出し防止材が介在されていることを特徴とする。
請求項4記載の発明は、上記1項〜3項のうち、何れか1項において、前記網状部材の内部に収容される前記土のうのうち、縦方向に二段以上に並列して配置される土のう同士を間隔を隔てて設置することにより、上段並びに下段における土のうとの間に横溝が形成され、該横溝に対応する部分における該網状部材の底部及び頂部との間を、前記結合素線によって連結することにより、土のうを該網状部材に対し、固定した状態で収容してなることを特徴とする。
請求項5記載の発明は、上記1項〜4項のうち、何れか1項において、前記網状部材の内部に収容される前記土のうのうち、横方向に二列以上に並列して配置される土のう同士を間隔を隔てて設置することにより、隣り合う土のうとの間に縦溝が形成されていることを特徴とする。
本発明によれば、法面表層の保護・補修に際し、短工期での施工が可能であり、例えば、道路法面では現場作業による交通等への影響を低減することができる。
また、耐久性に優れているため、長期使用に耐える他、再使用にも対応可能であるという長所を有する。
さらに、地盤に対する追従性に優れているので、凍上による不陸や浸食等に対しても表層の崩壊をより確実に防止することが可能である。加えて、植生基盤の圧密・硬化・変状・剥落による植生の衰退を防止することができる。
道路沿いに形成された法面を示した概略図である。 本発明に係るユニット化された土のうによって法面保護工の法枠内に緑化工事が施された法面の概略平面図である。 本発明の第一の実施形態に係るユニット化された土のうを示す平面図である。 同じく、本発明の第一の実施形態に係るユニット化された土のうの分解斜視図である。 同じく、本発明の第一の実施形態に係るユニット化された土のうの側面断面図である。 同じく、本発明の第一の実施形態に係るユニット化された土のうの斜視図である。 法面保護工へ、第一の実施形態に係るユニット化された土のうを設置した状態を示す側面断面図である。 法面に本実施形態に係るユニット化された土のうを設置した場合を示す側面断面図である。 本発明の第二の実施形態に係るユニット化された土のうの側面断面図である。 本発明の第三の実施形態に係るユニット化された土のうの側面断面図である。 本発明に係るユニット化された土のうの変形例を示した図であり、法面に沿って設置する場合に適するユニット化された土のうを示した図である。 本発明に係るユニット化された土のうの変形例を示した図であり、図10に示されるユニット化された土のうを法面に対して設置した場合を示す側断面図である。
以下、本発明に係るユニット化された土のうの好適な実施形態について添付図面を参照して説明する。
図1は道路沿いに形成された法面を示した概略図、図2は本発明に係るユニット化された土のうによって法面保護工の法枠内に緑化工事が施された法面の概略平面図である。前述したように、山間部における道路工事、丘陵地などの造成工事などでは、傾斜を有する法面が形成される場合が多い。
図1及び図2に示されるように、このような法面1を変状から保護するために、法面保護工が設置されるが、かかる法面保護工は、方形や矩形の枠状部を、法面1に沿ってコンクリートを現場で打設する、或いは法面1に型枠を設置しコンクリートで吹付施工する、又は工場製品のプレキャスト枠工を現地にて組立てる等、幾つかの施工方法がある。そして、図2に示されるように、法面1に沿って形成された法枠10,10・・には、例えば土、種子や肥料等を含む用土を充填してなる植生土のうを法枠10の内部に敷き詰める緑化工事も同時に行われ、植生土のうから植物が生育し、結果的に法面1が緑化されることとなる。
図3は本発明に係るユニット化された土のうの第一の実施形態を示す平面図、図4は本実施形態のユニット化された土のうの分解斜視図、図5は本実施形態のユニット化された土のうの側面断面図である。
また、図6は、前述のように構成された本実施形態のユニット化された土のう11の斜視図、図7−1は法面保護工へ本実施形態のユニット化された土のう11を設置した状態を示す概略側面図である。
図3及び図4に示されるように、本実施形態のユニット化された土のう11は、合計12体の土のう袋12,12・・と、1枚の網状部材14と、複数の結合素線(結合コイル)16A,16B・・等とを具備して構成され、複数の土のうがユニット化されたパック状の形状をなしている。各土のう袋12は、その長手方向の中央部を縫い合わせることによって、一つの袋につき、2つの区画部12A,12Bが形成されて内部が分割された形状を備え、それぞれの区画部12A,12Bに独立して、土、並びに種子類を充填することができるようになっており、発芽する植物が生えることのできる微小な孔が袋の表面に形成されている。当該土のう袋12としては、意匠登録第1318945号の「法面緑化工法用の土嚢袋」が好適に利用可能である。
網状部材14としては、例えば、ポリエチレン製のジオグリッドが利用可能であり、この網状部材14は規則的な格子形状に形成されている。その他、利用可能な網材としては、高強度繊維のアラミド繊維、高分子材料からなる高密度ポリエチレンを長手方向に延伸した一軸延伸タイプ、ポリプロピレンを二方向(長手方向と横断方向)に熱延伸した二軸延伸タイプのもの、実際の製品としては、三井化学産資製の「テンサー(登録商標)」を使用することができる。
一方で、ポリエチレン製のジオグリッドの他、網目が亀甲状の樹脂製ネットなども使用可能である。この樹脂製ネットは、ポリエステル製のプラスチックモノフィラメントを素線として網目が亀甲状となるように撚り合わせて形成されたネットなど、耐腐食性、紫外線に対する耐候性など、長期使用に耐えうる特性を有しているものが好ましい。
また、亜鉛メッキなどの表面処理の施された鋼製の菱型金網、亀甲金網も勿論利用可能である。さらに、凹凸のない法面に設置する場合は、底面部のみを溶接金網とし、上面側に可撓性を有する網材を取り付けてなる網状部材を利用することも可能である。
図4に示されるように、この網状部材14は、その下端部側が有底状となるよう、重ね合わされて折り込まれているとともに、網状部材14の上端部側並びに側端部側を結合素線16A〜16Fによって連結することにより、その内側に土のう用の収容空間が形成される。各結合素線はコイル状に形成された金属製、若しくは樹脂製の線材である。
なお、本実施形態では、網状部材14同士の連結にコイル状の素線を利用しているが、例えば、ポリエチレン製のロープなどを使用することも可能である。これによれば、網状部材14間の締結を強固に行うことができる。
図3〜図5に示されるように、縦方向に多段(本実施形態では4段)に亘って、並列して配置されている土のう袋12のうち、1段目並びに2段目における土のう袋12X1Y1と、12X1Y2との間は、所定の間隔を隔てて設置されている。その結果、これらの上下の土のう袋12X1Y1と、12X1Y2との間には、間隙を有する横溝M1が形成される。網状部材14における横溝M1に対応する部分には、その網状部材14の底部及び頂部との間を、結合素線16G,16Hによって連結することにより、土のう袋12X1Y1,12X1Y2を網状部材14に対し、固定した状態で収容するようになっている。これによって、土のう袋12の下方へのズレを防止することが可能となり、個々の土のう袋12が重力の影響により、ずれ下がることを防止して独立性が保持されるため、土の圧密化、植生の衰退の防止を図ることができる。
また、他の土のう袋12X2Y1と12X2Y2、12X3Y1と12X3Y2との間にも同様の横溝M1が横方向に延出して形成されている。また、2段目並びに3段目、3段目並びに4段目に配置されている各土のう袋12間についても、前述した土のう袋12X1Y1と、12X1Y2と同様な構成により、横溝M2,M3が横方向に形成されている。これらの横溝M1,M2,M3は、上方から流出してくる土壌を、上段及び下段の土のう12との間に滞留させることができるため、法面からの土壌流出を抑制することができる。この滞留した土砂は、長期的には植生基盤としても機能するため、植生の維持に寄与する。
さらに、図3及び図4に示されるように、横方向に多列状(本実施形態では3列)に並列して配置される土のう袋12同士を間隔を隔てて設置することにより、隣り合う土のうとの間に縦溝N1,N2が形成されている。これらの縦溝N1,N2は、雨天時や融雪時における表流水・浸透水を導いて、法面に沿って下方へスムーズに排水することを可能ならしめるという効果を有し、前述した横溝M1,M2,M3とも相まって、排水性、土壌流出の抑制効果を確実ならしめている。
なお、本実施形態では、縦溝N1,N2の箇所には、結合素線による網状部材14間の連結は行っていないが、勿論、縦溝N1,N2に沿うようにして、網状部材14の上下間を連結することも可能である。
ユニット化された土のう11を製作する場合の手順は、以下の通りである。
先ず、土のうの製作を行うが、この際、土のう袋12の内部の各区画部12A,12Bに用土(土並びに種子類を含む)が均等に分割するように袋詰めを行う。
次に、図4に示すように、網状部材14の内部へ、用土が充填された土のう袋12を順次配置する。その後、網状部材14を重ね合わせて、土のう袋12を包み込むようにして折り込んでパック状に形成し、このパック状となった網状部材14の上端部側並びに側端部側を、結合素線16A〜16Fによって連結する。また、横溝M1,M2,M3に相当する部分についても、結合素線16G〜16Lによって網状部材14間を連結し、各土のう袋12を網状部材14の内部に、しっかりと緊縛して固定する。
ユニット化された土のう11は、施行現場ではなく、工場などのバックヤードで事前に製作しておくことができ、施行現場ではクレーン等で吊り上げて作業を行うことができるため、低コスト、短工期で施工を終えることが可能になっている。
そして、ユニット化された土のう11を法面保護工へ施工する場合は以下のように行う。図6に示されるように、ユニット化された土のう11を法面保護工の法枠10に設置する場合は、トラックによって施工現場へ運搬・搬入し、ユニット化された土のう11の上部をクレーン等によって2点吊りしながら、法枠10へ配置していく。
次いで、ユニット化された土のう11の下部(法尻)より、順次、アンカーピン18を、網状部材14の端部に挿通しつつ、コンクリートの法枠10の内部の所定位置に打込んで固定していく。すると、図7−1に示されるように、それぞれのユニット化された土のう11は、法枠10内に固定される。なお、アンカーピン18は、杭頭がL型に加工が施されている。
図7−2は、法面保護工ではなく、法面の地盤に本実施形態に係るユニット化された土のうを設置した場合を示す側面断面図である。同図に示されるように、法面の地盤に直接、ユニット化された土のう11を設置する際は、法肩並びに法尻との間の土砂を切り下げ、その切り下げ部分に、順次アンカーピンによって固定していけばよい。
図2に示される法面保護工の法枠10の内側寸法は、L1:1,300mm×L2:1,300mmに形成されているが、この法枠10の内部に本実施形態におけるユニット化された土のう11を設置した場合は、合計12体の土のう袋12が使用されている。
ここで、従来の標準的な植生土のうと、本実施形態におけるユニット化された土のう11に使用されている土のう袋の容量について比較する。まず、従来における標準的な植生土のうの標準寸法、容積は下記の通りである。
標準寸法:幅30cm×長さ50cm×高さ10cm=0.015m
一方、本実施形態で使用している土のう袋12の寸法、容積は下記の通りである。
土のう袋12の寸法:25cm×長さ35cm×高さ8cm=0.007m
このように、本実施形態における土のう袋12は、0.015−0.007=0.0087mと、容積が従来比53パーセントとなり、大幅に減少している。
これは、土のう袋12を中央部分で分割したことによって得られる減量分であり、従来の植生土のうに比較し、大幅な軽量化、低容積化が図られている。このため、搬入・運搬や法面への設置に際しての利便性が向上し、作業手間の低減を図ることが可能であり、又、使用する重機類も比較的小型の機器を使用することが可能になるため、設置工事に要するコストを低減することができる。
次いで、本発明に係るユニット化された土のうの第二の実施形態について説明する。
図8は第二の実施形態に係るユニット化された土のうの側面断面図である。ここで、前述した第一の実施形態と同一の部材については同一の符号を付す。
同図に示されるユニット化された土のう20は、網状部材14の底面部と、設置される法枠下面又は法面の地盤との間に、吸出し防止材22が介在されている点が、前述した第一の実施形態と相違する。この吸出し防止材22は、例えば、ポリプロピレンからなる連続長繊維不織布を素材として構成され、法枠10内に滞留する余剰水の排水性を改善する役目を有し、三井化学産資製の「ポリフェルト(商標)」を利用することができる。これによって、土のう袋12内に充填されている用土類が、下方へ吸い出されることを防止することが可能となる。
図9は第三の実施形態に係るユニット化された土のうの側面断面図である。同図に示されるユニット化された土のう30は、網状部材14の底面部と、設置される法枠下面又は法面の地盤との間に、吸出し防止材32が介在されている点で、第一及び第二の実施形態と相違する。吸出し防止材32は、有孔シート32Aと、エンボス状の板材32Bとを有し、集排水並びに管路機能を備えた板状排水材である。有孔シート32Aは、フィルタ機能を具備し、エンボス構造の板材32Bとの間に形成される空間から水を排出することができるようになっている。このため、法面に堆積する雪などの融水、雨水を効率的に下方へ逃がすことが可能である。
図10は本発明に係るユニット化された土のうの変形例を示した図であり、法面に沿って設置する場合に適するユニット化された土のうを示した図、図11は図10に示されるユニット化された土のうを法面の地盤に対して設置した場合を示す側断面図である。
図10に示されるユニット化された土のう40は、法面の法尻、若しくは法肩に設置する際に利用され、横方向に並列配置された土のう袋42が、網状部材44によって、その下端部に包み込まれるようにして内部に収容して設置されている。網状部材44は、前述した実施形態と同様に、結合素線46によって重ね合わせ部分が連結されて下端部分が袋状に形成され、その内部に土のう袋42が収容されている。このユニット化された土のう40は、前述した法面保護工の法枠の内部ではなく、法面に直接設置する場合に適している。
また、このユニット化された土のう40並びに、前述した第一乃至第三の実施形態に係るユニット化された土のう11,20,30は、法面の地盤上に直接設置した場合、寒冷地にて問題となる土壌の凍結・融解による不陸に対して追従可能な特性を有している。つまり、植生時に基盤となる土のう袋は、樹脂製の網など、可撓性を備えた網状部材の内部に収容されていることにより、設置後もしなやかさを備え、設置された土壌の凍上にも追従して対応できるというメリットを有している。
また、不陸を補修する場合でも、法面上から既に設置されているユニット化された土のうを一旦引き揚げ、不陸を修正した後に再び設置することができ、リユースを容易に行い得るという長所を備えている。
以上説明したように、前述した実施形態によれば、現場での施工作業を短時間・短工期で行うことが可能であり、長期に亘る使用に際しても耐久性に優れ、ライフサイクルコストの低減に寄与する。
なお、以上の実施形態では土のう袋として、内部が分割され、二以上の区画部を有するものを使用しているが、これに限らず、内部が分割されていない通常の土のう袋を使用してもよい。要は、土のう袋同士を独立して網状部材内部に設置することが可能であれば、土のう袋の形状は問わない。
また、土のう内部には、植生基盤となる用土類を充填しているが、植生の必要のない箇所に設置する場合には、土のう袋内部に、砕石などを充填するようにしてもよい。
以上説明したように、本発明によれば、短工期での施工が可能であるとともに、耐久性に優れ、長期使用や再使用にも対応可能である。
また、地盤に対する追従性に優れ、凍上による不陸や、雨による浸食等に対しても表層を確実に保護することができ、植生基盤の圧密・硬化・変状・剥落を防止して、植生の衰退を防ぐことができる。
1 法面
10 法枠
11 ユニット化された土のう
12 土のう袋
14 網状部材
16A〜16J 結合素線
18 アンカーピン
M1 M2 M3 横溝
N1 N2 縦溝
20 ユニット化された土のう
22 吸出し防止材
30 ユニット化された土のう
32 吸出し防止材
32A 有孔シート
32B 板材
40 ユニット化された土のう
42 土のう袋
44 網状部材
46 結合素線

Claims (5)

  1. 土のうを備えて構成されているとともに、法面に設置された法面保護工の法枠内に敷き詰められ、或いは法面に沿って設置されるユニット化された土のうであって、
    前記土のうを上下方向から包み込むようにして保持する1枚の網状部材を有し、該網状部材は、その下端部側が有底状となるよう、重ね合わされて折り込まれているとともに、該網状部材の上端部側並びに側端部側を結合素線によって連結することにより、その内側に土のう用の収容空間が形成され、該網状部材をアンカーによって法面に固定することにより、該土のうをユニットとして法面に設置可能としたことを特徴とするユニット化された土のう。
  2. 前記網状部材の内部に収容される前記土のうの主要構成部材である土のう袋には、その内部が二以上の空間に分割された区画部が設けられており、それらの各区画部に土、種子類が充填されていることを特徴とする請求項1に記載のユニット化された土のう。
  3. 前記網状部材の底面部と、設置される法枠の底部、或いは法面との間には、吸出し防止材が介在されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のユニット化された土のう。
  4. 前記網状部材の内部に収容される前記土のうのうち、縦方向に二段以上に並列して配置される土のう同士を間隔を隔てて設置することにより、上段並びに下段における土のうとの間に横溝が形成され、該横溝に対応する部分における該網状部材の底部及び頂部との間を、前記結合素線によって連結することにより、土のうを該網状部材に対し、固定した状態で収容してなることを特徴とする請求項1〜3のうち、何れか1項に記載のユニット化された土のう。
  5. 前記網状部材の内部に収容される前記土のうのうち、横方向に二列以上に並列して配置される土のう同士を間隔を隔てて設置することにより、隣り合う土のうとの間に縦溝が形成されていることを特徴とする請求項1〜4のうち、何れか1項に記載のユニット化された土のう。
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