JP2000152719A - 緑化植生袋体および浅水域法面の緑化植生保護工法 - Google Patents

緑化植生袋体および浅水域法面の緑化植生保護工法

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JP2000152719A
JP2000152719A JP10346620A JP34662098A JP2000152719A JP 2000152719 A JP2000152719 A JP 2000152719A JP 10346620 A JP10346620 A JP 10346620A JP 34662098 A JP34662098 A JP 34662098A JP 2000152719 A JP2000152719 A JP 2000152719A
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English (en)
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Tomoyuki Yahagi
智之 矢作
Osamu Goto
修 後藤
Hideaki Miyaki
英昭 宮木
Kinya Azumi
欣哉 安住
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KANTOU REGIONAL CONSTR BUREAU
KANTOU REGIONAL CONSTR BUREAU MINISTRY OF CONSTR
SENI DOBOKU KAIHATSU KK
Ohmoto Gumi Co Ltd
Original Assignee
KANTOU REGIONAL CONSTR BUREAU
KANTOU REGIONAL CONSTR BUREAU MINISTRY OF CONSTR
SENI DOBOKU KAIHATSU KK
Ohmoto Gumi Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 比較的簡単な設備と工法とにより河川,ダム
湖等の浅水域法面の緑化植生保護工を行いうる緑化植生
袋体とそれを用いた保護工法とを提供すること。 【解決手段】 合成樹脂線条のごとく高強度の紐条体で
粗目に形成した函形主体内に、バックホウで湿生植物,
抽水植物等の根茎類の混在する土壌を投入,充填し、そ
の上層に植物の種子の混在する腐食性の繊維マットを配
設して形成した緑化植生袋体を、根茎,種子が発芽し、
所定の生長度合となるまで養生したのち、クローラクレ
ーン等で予め地盤整備の完工した浅水域法面に列設す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、河川,湖沼,ダム
湖,感潮河川あるいは海岸等における浅水域の法面を、
水中から高水敷にわたって、湿生植物や抽水植物等の主
として草本類を植生させ、該法面を保護する際に使用す
る緑化植生袋体と、この袋体を利用する浅水域法面の緑
化植生保護工法との改良に関する。なお、本発明では、
深さ1m程度の水中に達する法先部分から高水敷に至る
法面を浅水域の法面と指称することとする。
【0002】
【従来の技術】浅水域法面の緑化工法としては、既に特
開平8ー199528号公報、特開平9ー88038号
公報あるいは特開平9ー287146号公報等に開示さ
れた緑化護岸材とその工法とが提案されている。
【0003】前記特開平8ー199528号公報に開示
されている緑化護岸材と工法とは、太いポリエチレン系
の編地で成形した袋体の分散した複数箇所に接合部を形
成し、接合部間を土壌の通路とした一連の袋体を河川の
法面の河床部から陸上部に至る間に展設し、該袋体内へ
各部に適した種子、苗、球根等を含む土壌を順次注入す
るという構造,工法のものであり、扁平で広面積の緑化
護岸材の展設,固定は、水中作業を伴うため、作業の困
難が大であると共に、緑化護岸材内への土壌の注入に
は、大規模なポンプ圧入装置を施工現場に設置しなけれ
ばならない等の問題を有し、さらには緑化護岸材内の土
壌の発芽,生長状態が、完工後でなければ確認できない
問題も有している。
【0004】また特開平9ー88038号公報に開示さ
れている緑化護岸材と緑化工法とは、布帛製の長い二重
の筒状袋体内に、1端から土壌と種子,茎葉部,根株等
の混合物を充填して形成した可撓性護岸材の複数本を基
布に列設して護岸材ユニットとし、これを河床部から陸
上部に至る間に展設する構造,工法のものであり、前記
特開平8ー199528号公報に開示されているものと
全く同様の問題点を有している。
【0005】特開平9ー287146号公報に開示され
ている緑化用フトンかごと緑化工法とは、金網製の函状
のかごの前面に通芽可能なシート状体を設け、内部に詰
石したかご体を階段状に積み重ね、石詰めの隙間に湿式
吹付法で有機土壌に種子や肥料を混合した植生材料を吹
き付けるという構造,工法のものであり、浅水域の法面
における水中から高水敷までの間の緑化は不可能である
のみでなく、大規模な装置を必要とするという問題点を
有している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前記従来の緑化資材と
緑化工法との有する問題点に鑑み、本発明は、河川,湖
沼,ダム湖,感潮河川あるいは海岸等における浅水域の
法面における水中から高水敷にわたる区間に、必要とさ
れる湿生植物や抽水植物等の主として草本類が既に所定
の生長段階に達している緑化植生袋体を列設するのみで
緑化作業が完結し、しかも施工現場で、バックホウによ
る土壌の充填、クローラクレーン等による吊り上げ、敷
設という比較的簡単な装置の使用のみで緑化工事を完結
できる緑化植生袋体と緑化植生保護工法とを提供するこ
とを課題としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、請求項1の発明では、緑化植生袋体の函形主体を、
合成樹脂線条や合成繊維糸条に代表されるごとき高強度
の紐条体で粗目に構成された布帛により、上面が開口さ
れた函形に形成し、その内部に多年性の湿生植物とか抽
水植物等の主として草本の発芽可能な根茎を多数包含す
る土壌を充填し、その上層に多数の植物種子の混在させ
られ、かつ腐食性を有する繊維を構成繊維の少なくとも
一部として包含する繊維マットを配設するという構成と
した。
【0008】請求項2の発明では、請求項1発明に、函
形主体の底壁,周壁の内面に水は透過させるものの、土
砂粒の通過は阻止できるシート体を張設するという構成
を付加した。
【0009】請求項3の発明では、請求項1または請求
項2の発明に、繊維マットの少なくとも上面が、函形主
体を形成している布帛より開口度合が大きく、かつ腐食
性を有する繊維を少なくとも構成繊維の一部として包含
する粗目のネットで被覆するという構成を付加した。
【0010】請求項4の発明では請求項1,請求項2ま
たは請求項3の発明に、土壌の上層に配設されている繊
維マットを、函形主体の開口部周縁に連続する掩蓋片で
被覆,掩蔽し、掩蓋片同士の結合によって固定すると共
に、掩蓋片で被覆,掩蔽された開口部の少なくとも長手
方向両側に被吊持部を形成するという構成を付加した。
【0011】請求項5の発明では、請求項4の発明に、
掩蓋片を、函形主体を形成している布帛より開口度合が
大きな粗目布帛で形成するという構成を付加した。
【0012】請求項6の発明では、請求項4または請求
項5の発明に、函形主体の開口部周縁に連続する掩蓋片
が、函形主体を形成している布帛とは異なる繊維を混織
した布帛であり、この布帛の構成繊維の一部が腐食性の
繊維であるという構成を付加した。
【0013】請求項7の発明では、浅水域法面の緑化植
生保護工法を、高強度の紐条体で粗目に構成された布帛
よりなる函形主体内に、多年性の湿生植物,抽水植物等
の主として草本類の発芽可能な根茎類を多数包含する土
壌を、開口部から投入,充填する第1工程と、充填した
土壌の上層に多数の植物種子を混在させられ、かつ少な
くとも構成繊維の一部として腐食性を有する繊維を包含
させられた繊維マットを配設して緑化植生袋体を形成す
る第2工程と、根茎類および植物種子が発芽し、所定生
長段階まで緑化植生袋体を養生する第3工程と、前記養
生期間中に河岸,海岸等の浅水域の法面保護工施工現場
の地盤整備を行う工程と、地盤整備の完工した浅水域の
法面保護工施工現場に、第3工程で養生された緑化植生
袋体を列設する第4工程で完工する構成とした。
【0014】請求項8の発明では、請求項7の発明に、
函形主体への土壌の投入,充填に先立って、函形主体を
剛性の大きな型枠内に配置して土壌の投入,充填を行
い、土壌の上層に配置した繊維マットを、函形主体の開
口部周縁に連続し、かつ函形主体の布帛より開口度合が
大きな粗目の掩蓋片で被覆,掩蔽し、該掩蓋片同士の結
合によって固定したのち、前記型枠から土壌の充填され
た函形主体を取り出し、養生させるという工程を付加し
た。
【0015】請求項9の発明では、請求項7または請求
項8の発明に、緑化植生袋体の長手方向を河道の中心線
と直交する方向と、波法面線方向とのいずれか一方向と
概ね合致させて列設するという工程を付加した。
【0016】
【発明の実施の形態】図1ないし図6は、請求項1ない
し請求項6の各発明を併せ適用した実施の一例を示して
おり、緑化植生袋体1は、図2および図3に示される函
形主体2で外郭体を形成されており、この函形主体2
は、合成樹脂線条や合成繊維糸条で代表されるごとき高
強度の紐条体、例えば高強度のポリエステル線条または
繊維の合撚糸等で織成または編成されたり、同樹脂の押
し出し成形された粗目3のネット体で、図示例では、L
方向たる長手方向に長い函形状、図示例では、長さ3
m、高さ0.5m、幅0.6mの直六面体形状とされ、粗目3
の目合いは4mmとされているが、この形状,寸法に限定
されるものではない。また函形主体2の形状は、直六面
体形状に限定されるものではなく、袋形状,円筒形状等
の設計上必要とされる任意の形状としうることは勿論で
あると共に、紐条体の材質も必要とされる強度さえ保有
できれば、合成樹脂線条や合成繊維糸条に限定されるも
のではない。
【0017】函形主体2の前後および左右両側の周壁
4,5,6,7の開口部周縁8には、掩蓋片9,10,
11,12が縫接等の手段で連続されており、各掩蓋片
9,10,11,12は、函形主体2と同一材料で、函
形主体2のネット体の粗目3より開口度合の大きい粗目
13のネット体で形成されており、図示実施例の場合、
粗目13の目合いは20mmとされているが、この寸法に
限定されるものではない。
【0018】掩蓋片9,10,11,12は、函形主体
2を形成している布帛の繊維と、これと異なる繊維との
混織、または函形主体を形成している布帛の繊維とは異
別の複数の繊維の混織によって形成された布帛が採用さ
れることがあり、該掩蓋片9,10,11,12を形成
している布帛の構成繊維の一部は、腐食性の繊維とされ
る。
【0019】前記各掩蓋片9〜12は、面ファスナー、
結紐その他の任意の結合具14で、図1に示すごとく開
口部15を掩蔽したうえで互いに結合され、また函形主
体2の左右の周壁6,7等に結合されている。
【0020】函形主体2の底壁16および前記周壁4,
5,6,7の内面には、合成樹脂繊維の不織布のごと
く、水は透過させるものの土砂粒の通過は阻止できるシ
ート体17が、接着,結着等の手段で張設されている。
【0021】函形主体2の開口部15の外側、すなわち
掩蓋片9,10,11,12が連続させられている周壁
4〜7の上部外側のうち、少なくとも長手方向の周壁
4,5の上部外側には、被吊持部18,19が形成され
ている。図1ないし図7に示される実施例の被吊持部1
8,19は、函形主体2の周壁4,5の上縁を輪奈状に
折曲し、縫合して形成したパイプ状部20,21とされ
ているが、かかる構造に限定されるものではない。
【0022】前記被吊持部18,19としては、図1
0,図11に示す第2の実施例のごとく、長手方向の周
壁22,23の外側と底壁24の外側辺側との間に、ジ
グザグ状に縫着したバンド帯25の上部の輪奈状の折り
返し部26を被吊持部27としてもよい。
【0023】函形主体2内には、後述するごとく、多年
性の湿生植物,抽水植物等の主として草本の発芽可能な
根茎類を多数包含する土壌28が図6に示すごとく充填
されるが、充填された土壌28の上層29には、多数の
植物種子を混在させられ、かつ少なくとも構成繊維の一
部として腐食性を有する繊維を包含する繊維マット30
が配設されている。
【0024】繊維マット30は、図4,図5の実施例で
は、腐食性のある繊維群のみの単純な積層体であるマッ
ト部31と、その上下両面に重ねられた粗目32のネッ
ト部33とで構成されており、マット部31としては、
例えばジュートのごとき天然繊維のごとく吸湿性,放湿
性,通気性,耐久性,耐熱性に優れ、空気中でも水中で
も数カ月から1年未満の時間経過で腐食が進行する材質
のものが好ましく、ネット部33も、同種の繊維糸条で
粗目32の目合いが20〜50mmのものが使用され
る。なお、ネット部33はマット部31の上面にのみ重
ねられてもよい。
【0025】前記ネット部33の内部には、施工現場の
気候,風土,河川,湖沼等の浅水域の生態等に適応した
主として多年草本類の多数の種子が混在させられてい
る。
【0026】マット部31およびネット部33を構成す
る繊維の種類としては、バクテリヤの作用あるいは紫外
線の作用で腐食の進行する合成繊維でもよく、また腐食
性の繊維が、非腐食性か腐食に長日時を要する繊維中
に、マット部構成繊維の一部として混在させられた繊維
マットでもよく、目合いの寸法も前記寸法に限定される
ものではない。
【0027】図6に示されるごとく、土壌28が充填さ
れ、その上層に繊維マット30が配設されたのち、函形
主体2の開口部周縁8に連続されている掩蓋片9,1
0,11,12は、図1に示されるごとく、折り重ねら
れ、結合具14で結合されて前記繊維マット30が被
覆,掩蔽されて固定されることにより被吊持部18,1
9が長手方向の周壁4,5の上部外側に位置した緑化植
生袋体1が完成される。
【0028】図1に示される緑化植生袋体1は、請求項
7および請求項8の発明によって製造され、請求項9の
発明によって、浅水域法面の緑化植生保護に使用され
る。
【0029】図6は、請求項7および請求項8の両発明
を併せ適用した緑化植生袋体1を示しており、第1工程
における土壌28の充填に先立ち、使用する函形主体2
の外形寸法に対応する形状に構造した金属等の剛性の大
きな型枠34内に函形主体2を配置し、掩蓋片9,1
0,11,12を外側に垂下させ、開口部15を全開さ
せておく。
【0030】次いで第1工程として、緑化植生保護工施
工現場の、湿生植物,抽水植物等の草本類の発芽可能な
根茎類を多数包含する土壌を、バックホウ等を利用して
掘り採り、開口部15から函形主体2内へ投入し、充填
する。この充填される土壌は施工現場の土壌が好ましい
が、必ずしも当該土壌に限定されるものではない。
【0031】続いて第2工程として、予め工場作業とし
て生産されたところの、多数の植物種子を混在させられ
た繊維マット30を、土壌28の上層29に配設し、掩
蓋片9,10,11,12により被覆,掩蔽し、固定
し、緑化植生袋体1とする。
【0032】次ぎに第3工程として、所定数生産された
前記緑化植生袋体1を、法面保護工施工現場近傍の養生
エリアに整列配置し、繊維マット30内の種子と土壌2
8内の根茎類とが発芽し、所定生長段階になるまでの期
間養生する。
【0033】前記養生期間の終了するまでの間に、図9
に一例として略示したごとく、施工現場の地盤35と、
必要に応じて法先36との地盤整備を完工しておく。
【0034】次いで第4工程として、図7に示すごと
く、前記養生の完了した緑化植生袋体1の被吊持部1
8,19に図示例では金属パイプ37A,37Bを挿通
すると共に、該パイプの引抜側に、金属パイプ37Cを
横架,固定し、クレーンフック装置38のオートマチッ
クフック38Aを金属パイプ37Aの突出端37Dに掛
け、フック38Bを前記引抜側の金属パイプ37Aと3
7Cとに掛けて吊り上げる。図示例ではワイヤロープで
形成した輪奈38C,38Dを使用し、輪奈38Cの一
端38Eは、オートマチックフック38Aに固定してあ
るが、かかる使用態様に限定されるものではない。
【0035】吊り上げられた緑化植生袋体1は、図8に
示すごとく、施工面39に吊り下げ、列設する。この
際、前記オートマチックフック38Aは、緑化植生袋体
1が施工面39に接し、負荷が無くなると、フック部が
図8に示されるごとく回動変位し、輪奈38Cは自動的
に外れ、クレーンフック装置38の矢印A方向への移動
に伴い、金属パイプ37A,37B,38Cは矢印B方
向へ引き抜かれ、緑化植生袋体1の列設が完了する。な
お、施工面39に対する緑化植生袋体1の固定は、アン
カーの打ち込み等で滑落防止を行ってもよい。
【0036】この緑化植生袋体1の列設は、図1,図3
に符号Lで示した長手方向が、河川の場合には河道の中
心線と直交する方向とし、ダム湖,湖沼あるいは海岸等
の場合には、図9に符号Pで示す波面法線方向とし、緑
化植生袋体1の敷設区間は、図9中符号Hで示す高水敷
までの間に選定され、浅水域法面の緑化植生保護工が完
成する。なお、図9において符号Mは保護工を必要とし
ない法面を示している。
【0037】
【発明の効果】請求項1の発明によると、高強度の紐条
体で粗目に構成された布帛で上面開口の函形に函形主体
が形成されているので、該主体内への土壌の投入,充填
をバックホウ等を用いて容易かつ迅速に、しかも目視し
ながら確実に充填できるし、投入,充填する土壌を、施
工現場における湿生植物や抽水植物等の発芽可能な根茎
類を多数包含する土壌としたので、土壌の採取が容易で
あり、緑化植生保護工を施工したにも拘らず、緑化状態
を旧景観の復元に近いものとしうる等の効果を奏するの
みでなく、函形主体が布帛製であるため、土壌充填後に
おいても可撓性を有するので、施工面の形状に順応でき
るし、施工後における施工地盤の形状の変化にも良好に
追随できる効果を奏する。
【0038】また函形主体内に充填された土壌の上層に
は、多数の植物種子が混在し、構成繊維の少なくとも一
部として、腐食性繊維を有する繊維マットが配設されて
いるので、地表面を形成する部位の緑化植生袋体の表面
は土壌中の根茎類から、発芽生長した湿生植物等の生長
が不十分であっても、その上層に種子から発芽した植物
が生育することにより、十分な緑化効果を奏すると共
に、緑化植生袋体の上面からの充填土壌流出を防止する
等、施工主体の希望する湿性植物や抽水植物等の生育環
境を保護する等の効果もある。
【0039】更に函形主体は高強度の粗目の布帛で形成
されているので、水流,波浪による破損を防止できる
し、函形主体内の土壌の最上層に位置する繊維マットの
構成繊維の少なくとも一部は腐食性を有するので設置
後、1年以内には腐食し、消滅するため、湿生植物や抽
水植物の発芽,生長を阻害したり、外観を損ねる等の弊
害を生ずることは無く、繊維マット構成繊維全部が腐食
性の場合には、該マット全部が消滅する。
【0040】請求項2の発明によると、函形主体の底
壁,周壁の内面に水は透過させるものの土砂粒の通過は
阻止できるシート体が張設されているので、施工現場の
土質が荒木田土等を多量に含むものであったとしても、
降雨,流水の波浪等による充填土壌の流失を良好に防止
できる効果を奏する。
【0041】請求項3の発明によると、緑化植生袋体の
土壌の最上層に位置する繊維マットの少なくとも上面を
被覆する粗目のネットにより、種子が混在する繊維マッ
トの剥脱が防止され、さらには発芽植物は粗目部分を通
って伸びうるので、その成育が阻害されないと共に、ネ
ット自体の構成繊維の少なくとも一部は、時間遅れは存
するとしても腐食消失するので、外観を阻害することが
無い等の効果を奏する。ネット構成繊維全部が腐食性の
場合は、ネット全部が消滅する。
【0042】請求項4の発明によると、繊維マットが掩
蓋片で被覆,掩蔽されているので、流れや波浪に対して
も繊維マットの流失,破損等を防止できるし、掩蓋片が
形成されていても、被吊持部は函形主体の少なくとも長
手方向両側に位置するので、クレーントラック等による
吊持に支障を来すことが無く、特に被吊持部が函形主体
の長手方向両側に形成されていることと、函形主体が高
強度の紐条体で構成されていることとあいまち、1〜2
トン程度の土壌が充填されても、被吊持部の強度さえ十
分であれば、破断等を伴うことなく緑化植生袋体の移動
設置を行いうる効果を奏する。
【0043】請求項5の発明によると、掩蓋片によっ
て、土壌上層に配置された繊維マットが被覆,掩蔽され
ていても、該掩蓋片の粗目の目合いが函形主体の布帛の
粗目の目合いすなわち開口度より大とされているので、
植物が上方へ伸びるのを阻害しない効果を奏する。
【0044】請求項6の発明によると、掩蓋片の構造の
一部が腐食によって消失するので、組織がゆるむか、目
合いが大となり、植物の伸長,肥大を阻害しない可能性
がより一層確実となる。
【0045】請求項7の発明によると、函形主体内への
土壌の投入,充填を、施工現場の土壌を用い、バックホ
ウ等による掘り採り、投入等により簡単に行いうる効果
を奏し、しかも施工現場に適した湿生植物、抽水植物等
の発芽可能な根茎類を利用できる効果もある。
【0046】しかも前記土壌の上層には腐食性を有し、
多数の植物種子を混在させた緑化植生袋体を配設したう
えで養生させるので、根茎、種子を共に発芽させ、所要
生長度合としたうえで施工法面に配設するため、緑化植
生袋体の形成工程と養生工程とを、緑化植生保護工施工
現場の地盤整備工程とを併行して行うことが可能とな
り、地盤整備工程の完了後は、クローラクレーン等によ
る緑化植生袋体の配設と、必要に応じてのアンカー等に
よる該袋体の固定のみの作業で完工するので、施工期間
を短縮できる等の効果を奏する。
【0047】請求項8の発明によると、剛性の大きな型
枠内に、高強度の紐条体で構成された函形主体を配置し
て土壌の投入,充填を行うので土壌の充填された函形主
体を、型枠で規制される一定形状に成形できるし、土壌
上層に配置した繊維マットは掩蓋片で被覆,掩蔽される
ので、整然とした緑化植生袋体の配置と均斉な緑化植生
表面の形成とを可能とする効果を奏する。
【0048】請求項9の発明によると、緑化植生袋体に
作用する水流あるいは波浪による外力を、個々の緑化植
生袋体に分散して受支させうるので、個々の緑化植生袋
体の耐用年数を著しく長期間たらしめることが可能とな
る。
【0049】さらに本発明に係る緑化植生袋体と緑化植
生保護工法では、施工現場で必要とされる装置は、バッ
クホウとクローラクレーンと、養生広場の外には、一般
資材の搬入,搬出に要するトラック類のみで足りるの
で、設備経費を著しく節減できる効果も有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の一例たる緑化植生袋体の一部省略斜視
図である。
【図2】 函形主体の縦断端面略示図である。
【図3】 函形主体の略示斜視図である。
【図4】 繊維マットの略示端面図である。
【図5】 繊維マットの一部省略斜視図である。
【図6】 緑化植生袋体の掩蓋片が開かれている時点で
の略示縦断面図である。
【図7】 緑化植生袋体の吊持状態の略示斜側面図であ
る。
【図8】 緑化植生袋体の設置時における金属パイプの
引き抜き状態を示す略示斜面図である。
【図9】 緑化植生保護工施工状態の略示縦断面図であ
る。
【図10】 函形主体の別の実施例の掩蓋片を開いた状
態の平面図である。
【図11】 図10に示すものの掩蓋片を閉じた状態に
おける側面図である。
【符号の説明】
1 緑化植生袋体 2 函形主体 3,13,32 粗目 4,5,6,7 周壁 8 開口部周縁 9,10,11,12 掩蓋片 15 開口部 16 底壁 17 シート体 18,19 被吊持部 28 土壌 29 上層 30 繊維マット 33 ネット体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 矢作 智之 東京都北区志茂5ー41ー1 建設省荒川下 流工事事務所内 (72)発明者 後藤 修 東京都北区志茂5ー41ー1 建設省荒川下 流工事事務所内 (72)発明者 宮木 英昭 東京都千代田区永田町2ー17ー3 株式会 社大本組内 (72)発明者 安住 欣哉 東京都目黒区下目黒2丁目2番16号 繊維 土木開発株式会社内 Fターム(参考) 2B022 AB02 AB08 BA02 BB05 2D018 DA06 2D044 DA02 DA05

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】合成樹脂線条や合成繊維糸条で代表される
    ごとき高強度の紐条体で粗目に構成された布帛により、
    上面が開口部とされた函形に形成された函形主体内に、 多年性の湿生植物,抽水植物等の主として草本の発芽可
    能な根茎類を多数包含する土壌が前記開口部直近位置ま
    で充填され、 前記充填された土壌の上層には多数の植物種子を混在さ
    せられ、かつ腐食性を有する繊維を少なくとも構成繊維
    の一部として包含させられた繊維マットが配設されてい
    る緑化植生袋体。
  2. 【請求項2】粗目の函形主体の底壁および周壁の内面に
    水は透過させるものの、土砂粒の通過は阻止できるシー
    ト体が張設されている請求項1記載の緑化植生袋体。
  3. 【請求項3】繊維マットの少なくとも上面が、函形主体
    を形成している布帛より開口度合が大きく、腐食性を有
    する繊維を少なくとも構成繊維の一部として包含する粗
    目のネットで被覆されている請求項1または請求項2記
    載の緑化植生袋体。
  4. 【請求項4】函形主体内に充填された土壌の上層に配設
    された繊維マットが、函形主体の開口部周縁に連続する
    掩蓋片で被覆,掩蔽され、該掩蓋片同士の結合で固定さ
    れており、 掩蓋片で被覆,掩蔽された開口部の少なくとも長手方向
    両側には、被吊持部が形成されている請求項1,請求項
    2または請求項3記載の緑化植生袋体。
  5. 【請求項5】函形主体の開口部周縁に連続する掩蓋片
    が、函形主体を形成している布帛より開口度合が大きな
    粗目の布帛で形成されている請求項4記載の緑化植生袋
    体。
  6. 【請求項6】函形主体の開口部周縁に連続する掩蓋片
    が、函形主体を形成している布帛とは異なる繊維を混織
    した布帛であり、この布帛の構成繊維の一部が、腐食性
    の繊維である請求項4または請求項5記載の緑化植生袋
    体。
  7. 【請求項7】合成樹脂線条や合成樹脂糸条に代表される
    ごとき高強度の紐条体で粗目に構成された布帛よりなる
    函形主体内に、多年性の湿生植物,抽水植物等の、主と
    して草本類の発芽可能な根茎類を多数包含する土壌を、
    函形主体の開口部から投入,充填し、 充填した土壌の上層に、多数の植物種子を混在させら
    れ、かつ少なくとも構成繊維の一部として腐食性を有す
    る繊維を包含させられた繊維マットを配設して緑化植生
    袋体を形成し、根茎類および植物種子が発芽し、所定生
    長段階となるまで緑化植生袋体を養生し、 前記養生期間中に、河岸,海岸等の浅水域の法面保護工
    施工現場の地盤整備を行い、 地盤整備の完工した浅水域の法面保護工施工現場に前記
    養生された緑化植生袋体を列設することを特徴とする浅
    水域法面の緑化植生保護工法。
  8. 【請求項8】 草本類の発芽可能な根茎類を多数包含す
    る土壌を函形主体内へ投入,充填するに先立ち、該函形
    主体を、剛性の大きな型枠内に配置したのち土壌の投
    入,充填を行い、土壌の上層に配置された繊維マット
    を、函形主体の開口部周縁に連続し、かつ函形主体の布
    帛より開口度合が大きな粗目とされた掩蓋片で被覆,掩
    蔽し、該掩蓋片同士の結合によって固定したのち、土壌
    の充填されている函形主体を型枠内より取り出し、養生
    させる請求項7記載の浅水域法面の緑化植生保護工法。
  9. 【請求項9】緑化植生袋体の長さ方向を、河道の中心線
    と直交する方向と、波面法線方向とのいずれか一方向と
    概ね合致させて列設する請求項7または請求項8記載の
    浅水域法面の緑化植生保護工法。
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010133155A (ja) * 2008-12-04 2010-06-17 Mecc Miyazaki:Kk 斜面安定擬似受圧体設置工法及びその設置工法に用いる擬似受圧体
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