JP2000256927A - 芯鞘型長短複合紡績糸およびそれを用いてなる布帛 - Google Patents
芯鞘型長短複合紡績糸およびそれを用いてなる布帛Info
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Abstract
族ポリアミド繊維が、仕立て栄え、プリーツ保持性、防
しわ性などの形態保持性は芯成分のポリエステル繊維が
はたすもので、炎や高温にさらされる作業である消防服
や高熱作業服において耐熱性、耐切創性などの機能を充
分に発揮し、仕立て栄え、プリーツ保持性、防しわ性な
どの形態保持性を持ち、審美性をも兼ね備えたスポーツ
用衣料、耐熱作業服や消防服等の防護被服用素材を安定
的に供給することのできる芯鞘型長短複合紡績糸および
それを用いてなる布帛を提供する。 【解決手段】芯鞘型長短複合紡績糸であって、鞘成分が
全芳香族ポリアミド短繊維50〜90重量%で構成さ
れ、芯成分がポリエステルフィラメント糸10〜50重
量%で構成され、かつポリエステル繊維の複合糸に占め
る割合が10〜35重量%であることを特徴とする芯鞘
型長短複合紡績糸。
Description
に優れた芯鞘型長短複合紡績糸および該紡績糸からなる
プリーツ性、防しわ性などの形態保持性に優れ、仕立て
栄えの良好な布帛に関する。さらに詳しくは、切創、擦
過溶融、火傷の危険の高い職場に用いられる防護被服や
スポーツなどの過酷な環境下で着用に耐えうる防護被服
素材に関する。
が進み、労働、交通災害の危険性が高くなり、人命尊重
の観点から安全性向上が強く望まれている。一方スポー
ツにおいても多岐に渡り参加人数も増え活発になり、ス
ノーボード、フィッシング、登山などのアウトドアスポ
ーツへの参加人口の伸びが著しく、それにともないスポ
ーツ衣料素材も従来以上に耐久性、機能性が要求される
ようになり、特に、耐切創性、耐熱性などの機能性に優
れ、プリーツ性、防しわ性、形態保持性などの審美性の
優れたものが望まれている。また溶接や製鉄工場などで
用いる耐熱作業服や消防服等においても高度の耐熱性が
要求されている。
高く、耐薬品性、糸強度が高い全芳香族ポリアミド繊維
が幅広く用いられるている。例えばパラ系アラミド繊維
100%のフィラメント糸や紡績糸を部分的に用いて交
織した実公平1−36600号公報や特公昭62−26
900号公報、特開平2−292036号公報などで提
案されている。
向上するが、パラ系アラミド繊維は本質的に耐熱性繊維
であるがため熱セット性が乏しく、縫製された衣服の仕
立て栄え、着用中のプリーツの消去としわの発生という
形態保持性が劣る欠点がある。これら欠点を解決するも
のとして、特開平3−830号公報では芯部にパラ系ア
ラミド繊維、鞘部にポリエステル繊維を配置した芯鞘型
複合紡績糸やポリエステル短繊維とパラ系アラミド短繊
維の均一混紡として特開平6−220730号公報、ポ
リエステル短繊維と芳香族ポリアミド繊維とセルロース
系繊維の均一混紡として特開平4−50340号公報が
提案されている。しかしながらこれらは、防護衣服の形
態保持性は改善されるものの、布帛表面へのパラ系アラ
ミド繊維の被覆が少なく、パラ系アラミド繊維100%
と比較すると耐切創性、耐熱性が劣っているのが現状で
ある。
術の欠点を解決せんとするものであって、鞘成分は全芳
香族ポリアミド短繊維で構成され、芯成分はポリエステ
ルフィラメント糸で構成されてなり、耐切創、耐熱など
の機能特性は鞘成分の全芳香族ポリアミド繊維が、仕立
て栄え、プリーツ保持性、防しわ性などの形態保持性は
芯成分のポリエステル繊維がはたすもので、炎や高温に
さらされる作業である消防服や高熱作業服において耐熱
性、耐切創性などの機能を充分に発揮し、仕立て栄え、
プリーツ保持性、防しわ性などの形態保持性を持ち、審
美性をも兼ね備えたスポーツ用衣料、耐熱作業服や消防
服等の防護被服用素材を安定的に供給することのできる
芯鞘型長短複合紡績糸およびそれを用いてなる布帛を提
供せんとするものである。
本発明は、次の構成からなる。すなわち、 (1)芯鞘型長短複合紡績糸であって、鞘成分が全芳香
族ポリアミド短繊維50〜90重量%で構成され、芯成
分がポリエステルフィラメント糸10〜50重量%で構
成され、かつポリエステル繊維の複合糸に占める割合が
10〜35重量%であることを特徴とする芯鞘型長短複
合紡績糸。
の単繊維繊度が0.5〜4.5デニールであり、撚係数
がK=2.6〜6であることを特徴とする前記(1)に
記載の芯鞘型長短複合紡績糸。
がパラ系アラミド繊維であることを特徴とする前記
(1)または(2)に記載の芯鞘型長短複合紡績糸。
がメタ系アラミド繊維であることを特徴とする前記
(1)または(2)に記載の芯鞘型長短複合紡績糸。
がメタ系アラミド繊維とパラ系アラミド繊維の混紡品で
あることを特徴とする前記(1)または(2)に記載の
芯鞘型長短複合紡績糸。
ニレンテレフタルアミド繊維であることを特徴とする前
記(3)または(5)に記載の芯鞘型長短複合紡績糸。
載の芯鞘型長短複合紡績糸を布帛重量の30〜100重
量%の範囲で用いてなることを特徴とする布帛。
短複合紡績糸の芯部にポリエステルフィラメント糸を配
し、鞘部を全芳香族ポリアミド短繊維100%を配し、
ポリエステル繊維を全芳香族ポリアミド繊維で覆いポリ
エステル繊維の耐切創、耐熱の低さをカバーして、全芳
香族ポリアミド繊維を複合糸表面に出すことにより、全
芳香族ポリアミド繊維の機能性を十分に発揮させ、芯部
のポリエステルフィラメント糸により、仕立て栄え、プ
リーツ保持性、防しわ性などの形態保持性を付与させる
ものである。
族ポリアミド繊維の衣料用途使用の大きな欠点である仕
立て栄え、プリーツ性、防しわ性などの形態保持性を持
ち、審美性を備え、かつ全芳香族ポリアミド繊維の持つ
機能特性を損なうことなく実現すべく鋭意検討し、全芳
香族ポリアミド繊維の特徴である、耐切創性、耐熱性の
機能を十分に発揮させるには、種々検討した結果、紡績
糸、布帛の表面に全芳香族ポリアミド繊維を配置するの
が効果が高く最適であることを見出したのである。また
防護衣服の仕立て栄え、プリーツ保持性、防しわ性など
の形態保持性を得るにはポリエステル繊維の優れた熱セ
ット性を利用するのが効果が高く最適であり、いかに全
芳香族ポリアミド繊維と混紡組み合わせるか種々検討し
た結果、紡績糸の中心部に配置して、外周部を全芳香族
ポリアミド短繊維で覆うことで、ポリエステル繊維の耐
切創、耐熱性の低さを防護し、かつポリエステル繊維の
持つ熱セット性を十分発揮できることを見出したのであ
る。
をポリエステルフィラメント糸で構成され、複合糸に占
める芯成分の割合が10〜50重量%の範囲で、かつ複
合糸に占めるポリエステル繊維の割合が10〜35重量
%で構成されるものである。ポリエステル繊維が10重
量%未満では防護衣服への満足する熱セット性、形態保
持性を付与することができにくくなる。また、ポリエス
テル繊維が35重量%を越えるとポリエステル繊維の弱
点である耐切創、耐熱の低下が現われ、全芳香族ポリア
ミド繊維の優れた高機能特性を損なう。好ましくは連続
糸条が複合糸に占める割合が15〜40重量%、複合加
工性、熱セット性の面から、15〜30重量%の範囲が
より好ましい。
100重量%で構成されている。全芳香族ポリアミド短
繊維の量が少ないと全芳香族ポリアミド繊維の優れた機
能特性を十分に発揮させることができず好ましくない、
また鞘成分の複合糸に占める割合は50〜90重量%の
範囲が好ましい、50重量%未満では芯成分のポリエス
テル繊維を鞘成分の全芳香族ポリアミド繊維で十分に覆
うことが難しくなり、全芳香族ポリアミド繊維の優れた
機能特性を十分に発揮させることができにくく好ましく
ない、90重量%を越えると芯成部のポリエステル繊維
の割合が低くなり十分な熱セット性が得られず好ましく
ない、好ましくは65〜80重量%である。
は、パラ系アラミド繊維、メタ系アラミド繊維であるこ
とが好ましく、両繊維を任意の混紡率で混紡した混紡品
であってもよく、あるいは各々100%でも、要求され
る防護被服特性により選定するのが良い。
ばポリパラフェニレンテレフタルアミド繊維やコポリパ
ラフェニレン−3,4′オキシジフェニレンテレフタル
アミド繊維があげられる。
ばポリメタフェニレンイソフタルアミド繊維があげられ
る。
を構成する短繊維束について説明する。本発明において
鞘成分を構成する短繊維束は、全芳香族ポリアミド短繊
維を通常の短繊維紡績工程である打綿、梳綿、練条、粗
紡、精紡などの工程を通すことにより得られるスライバ
ーや粗糸からなる。また、繊維長を長くして(76〜1
60mm)一般のソ毛紡績を通したスライバーや粗糸の
短繊維束を作成してもよい、短繊維の繊度は0.5〜
4.5デニールが好ましく0.8〜2.5デニールがよ
り好ましい。繊維長については特に限定しないが紡績方
法に合わせ最適な繊維長を選ぶのが良い。
ルフィラメント糸であって、フィラメントカバリング糸
を含み、フィラメント糸はモノフィラメント、マルチフ
ィラメントいずれでも良いが、複合加工性、芯、鞘のず
れ防止の観点からマルチフィラメント糸がより好まし
い。
S、Zいずれでも良く、撚係数K(撚数=K・番
手1/2 )は一般の紡績糸よりやや高めにするのが芯部を
全芳香族ポリアミド短繊維で覆う点で好ましく、K=
2.6〜6.0の範囲が望ましい。撚係数Kを2.6よ
り低くすると、芯、鞘の複合加工性が悪化し好ましくな
い。また、撚係数Kを6より高くすると強撚になりすぎ
て二重撚の発生が強くなって加工性が悪化し好ましくな
い。より好ましくはK=3.0〜4.5の範囲である。
造方法について説明する。
鞘成分の短繊維束がスライバーや粗糸の場合、例えば一
対のテーパーローラーからなるフロントトップローラー
およびフロントボトムローラーを有するリング精紡機に
より、トランペットを介してバックローラー、エプロン
ローラーを経て、フロントローラーの送り出し量の高い
側へ通し、芯成分の連続糸条をフロントローラーの送り
出し量の低い側へガイドを介して通した後、短繊維束と
同時にフロントローラーより紡出し、連続糸条を中心に
短繊維束が実撚付与時に順時巻回され、芯成部の連続糸
条をこより状に包み込む状態で糸形成させることにより
得ることができる。
製造方法の一例を示す工程図である。精紡機のドラフ
ト、加撚の概要を示すもので、精紡機に供給される短繊
維束1がトランペット3を介してバックローラー4に供
給され、エプロンドラフトローラー5を経て一対のテー
パーフロントローラー6の送り出し量の高い側(径の大
きい側)に把持される。一方、連続糸条2はフロントロ
ーラーの送り出し量の低い側(径の小さい側)へガイド
7を介して供給する。フロントローラーに把持され出て
きた両成分を間隔3〜15mmの範囲にとり合体させ、
リング、トラベラで実撚を付与し通常の方法で管糸に巻
き取る。
糸中に占める鞘成分の全芳香族ポリアミド短繊維の割合
が50〜90重量%であり、全芳香族ポリアミド短繊維
束と連続糸条のポリエステルフィラメント糸の構成比率
を適宜設定することによって本発明の芯鞘型長短複合紡
績糸を得ることができる。
の送り出し量の差、すなわち短繊維束の巻回状態を変え
るものであり、重なり状態や複合糸の物性をみて決める
のがよい。
糸あるいは双糸として、織、編物加工してもよく、該糸
100%使いでも良いが、フィラメント、加工糸、弾性
繊維などとの交編、交織さらには、耐熱、耐切創が要求
される特定の部分に本発明紡績糸を用い、常法により
織、編物製品を得ることができるが、織、編物製品全体
の重量の30〜100%の範囲で用いてなるものであ
る。上記本発明の紡績糸が織、編物など製品全体の重量
の30%未満ではたとえ特定の部分に本発明糸を用いて
も十分な耐切創性、耐熱性が得られない。好ましくは
織、編物など製品全体の重量の50〜100%の範囲で
ある。
的に説明する。なお、実施例における特性値等の測定法
は次の通りである。 <切創抵抗力>枠体の中央部に約3mmの間隔で2枚の
試料シートを把持し、この試料シートのスリット部に角
度60度で2辺に刃のあるセラミックス製の刃を垂直に
立てて当て、この刃先に500mm/分の速度で荷重を
かけていったときの該試料シートが切創される最大荷重
を測定する。 <プリーツ性>織、編物のタテ方向に長さ25cmの試
料を切り取り、長さ方向5cm間隔で印をつけ(4箇
所)中央部の15cmを折り込み、5cmの長さで試料
が3重になるように折り、通常のプレス機でプレス温度
140℃、プレス圧力0.5kg/cm2 で10秒間プ
レスしたのちバキューム処理を10分間行い試料を冷却
する。プリーツ性(プリーツのつき方)は肉眼で級判定
した。判定基準を下記する。(5級:非常にシャープな
プリーツ、4級:シャープなプリーツ、3級:プリーツ
がある、2級:プリーツが少しある、1級:プリーツが
ほとんどない、) <プリーツ保持性>プリーツ性を評価した試料を用いJ
IS L0217−103法にもとずき洗濯後試料のプ
リーツ性を評価した、結果をプリーツ保持性として級判
定した。 <難溶融性(熱溶融性)>500℃に加熱された金属棒
(直径約0.6cm)の先端に試料を5秒間接触させた
時の穴開きの程度を5級(穴開きなし)〜1級(完全に
穴が開く)の5段階で級判定する。 <布帛風合い(官能評価)>布帛を次の4段階に官能評
価した。(◎:ソフトでふくらみがあり適度の張り、腰
があるもの、○:これに準ずる良好なもの、△:ソフト
感、ふくらみに欠け、硬く劣るもの、×:粗硬で劣るも
の)。 [実施例1〜3、比較例1〜4]鞘成分の短繊維糸条と
して、繊度1.5d、繊維長51mmの引張強度23g
/d、破断伸度3.7%、熱分解温度500℃のパラ系
アラミド短繊維〔東レ・デュポン(株)製“ケブラー”
(デュポン社登録商標)〕100%を通常の2インチ紡
績方法で、太さ0.3g/mの粗糸を作成した。芯成分
として連続糸条であるポリエステルマルチフィラメント
糸〔東レ(株)製“テトロン”(登録商標)〕、90、
70、60、40、20、10デニール各々を用い、一
対のフロントテーパーローラーを有する2インチリング
精紡機に仕掛け、短繊維糸条の粗糸をトランペットを通
してフロントローラーの送り出し量の高い側へバックロ
ーラーから供給し、フロントローラーの送り出し量の低
い供給側へ連続糸条のポリエステルマルチフィラメント
糸をガイドを通して供給した。精紡トータルドラフト3
1.1〜16.2倍で、芯鞘型長短複合紡績糸の番手を
30s(綿番手)、撚係数はK=3.5(19.2T/
in)Z撚りとした。両糸条の間隔を5mmになるよう
にトランペットとガイドの間隔およびコレクターで調整
した後ドラフトし合体させ通常の方法で管糸に巻き取
り、鞘成分のパラ系アラミド繊維が複合糸に占める割合
が49.2、60.5、66.1、77.4、88.
7、94.4%の6種(比較例1、比較例2、実施例1
〜3、比較例3)ポリエステル繊維の複合糸に占める割
合が50.8%、39.5%、33.9%、22.6
%、11.3%、5.6%であった。
パラ系アラミド繊維100%の60s、K=3.0、鞘
成分として、パラ系アラミド繊維100%、0.4g/
mの粗糸を作成して実施例1と同様にして、パラ系アラ
ミド繊維100%、30s、K=3.5の複合糸を得
た。
作成した、織成に際して経糸には糊剤を付与した、織密
度は経糸78本/in、緯糸65本/in、織幅98c
mを作成後、パラ系アラミド繊維の織物表面への出現状
態(被覆状態)、耐切創性、耐熱性、プリーツ性を評価
した。
テル繊維の割合が50.8%の比較例1と39.5%の
比較例2、プリーツ性、防しわ性などの形態保持性は良
好であるが、複合糸に占める芯成分のポリエステル繊維
の混率が高くパラ系アラミド繊維による被覆不足によ
り、パラ系アラミド繊維の特性が十分に発揮できず、耐
切創性、耐熱性などの高機能性が劣るものであった。複
合糸に占めるパラ系アラミド繊維の割合が94.4%の
比較例3、100%の比較例4の複合糸はパラ系アラミ
ド繊維の特性、すなわち耐切創性、耐熱性は発揮される
が複合糸中のポリエステル繊維の割合が5.6%と0%
と少なく、プリーツ保持性などの形態保持性が劣るもの
であった。本発明の実施例1〜3は複合糸に占めるパラ
系アラミド繊維の混紡率が高く、ポリエステル繊維の被
覆性が良く、糸、織物表面をパラ系アラミド繊維が覆い
パラ系アラミド繊維の特性を発揮し、プリーツ保持性な
どの形態保持性をも兼ね備えた良好なものであった。 [実施例4、比較例5]鞘成分の短繊維束として、繊度
1.5d、繊維長38mmのパラ系アラミド短繊維ケブ
ラーと、繊度1.5d、繊維長38mmのメタ系アラミ
ド短繊維[デュポン社製“ノーメックス”(登録商
標)]を50/50%(実施例6)の比率で混紡したも
のを通常の綿紡績方法で、太さ0.3g/mの粗糸を作
成し、実施例1と同様にポリエステルマルチフィラメン
ト糸60デニールを芯成分として複合加工してポリエス
テル繊維の複合糸に占める割合が33.9%の30s、
K=3.5の複合糸を得た。
“ケブラー”を、繊度6d、繊維長89mm、メタ系ア
ラミド短繊維“ノーメックス”を繊度1.5d、繊維長
76mmにして50/50%(比較例5)の比率で混紡
し、実施例1と同様に複合加工してポリエステル繊維の
複合糸に占める割合が33.9%の30s、K=3.5
の複合糸を得て実施例1と同様に織物に加工後布帛評価
し、結果を表1に示した。
デニールにした比較例5は、耐熱、耐切創などの機能
性、プリーツ性などの形態保持は良好であるが、布帛が
粗硬で防護衣服としては劣るものであった。“ケブラ
ー”と“ノーメックス”1.5d、38mmをそれぞ
れ、50/50%混紡した実施例4は全芳香族ポリアミ
ド繊維の特性である耐熱性、耐切創性などの高機能特性
を十分に発揮し、プリーツ性などの形態保持性をも兼ね
備え、布帛がソフトでしなやかで防護被服に適した優れ
た布帛であった。 [比較例6、比較例7]芯、鞘成分繊維および混紡率、
複合方法を実施例1と同様にして、撚係数をK=2.5
(13.7T/in)にした比較例6、K=6.2(3
4.0T/in)の比較例7の複合糸を作成した、撚係
数K=2.5の比較例6は複合加工後の巻糸工程におけ
るガイド類による擦過により芯成分だけとなるヌードヤ
ーンの発生が起こり好ましくなかった。K=6.2の比
較例7は精紡工程における複合加工において二重撚りの
発生が起こり、異常張力によるトラベラー飛散、糸切れ
が起こり好ましくなく両水準ともに評価水準より削除し
た。 [実施例5〜6、比較例8]実施例1の30s複合紡績
糸を織物全体重量の25%(比較例8)、30%(実施
例5)、100%(実施例6)になるように経糸、緯糸
に均一に用い平織地を作成した、ベース糸としてポリエ
ステル65%木綿35%(米綿コーマ綿)30s、K=
3.4を用い、織成に際して経糸には糊剤を付与した。
織密度は経糸78本/in、緯糸65本/inであり織
幅98cmのものであった、布帛評価結果を表2に示し
た。
ーツ保持性などの形態保持性は良好であったが、耐熱、
耐切創の全芳香族ポリアミド繊維の高機能特性が劣るも
のであった。実施例5、実施例6は全芳香族ポリアミド
繊維の高機能特性を十分に発揮し、プリーツ性などの形
態保持性をも兼ね備えた優れた布帛であった。
スに仕立て、仕立て栄えを目視評価した、ポリエステル
フィラメント糸の持つシャープなプリーツであり、仕立
て栄えの良さが現われた良好なスラックスであり着用評
価を10名にて実施した結果耐熱性、耐切創性はもちろ
んプリーツ保持性も良好であり好評を得た。
紡績糸および布帛は、芯部を構成するポリエステルフィ
ラメント糸からなる連続糸条を、鞘部を構成する全芳香
族ポリアミド短繊維で被覆させることにより、全芳香族
ポリアミド繊維の持つ耐切創性、耐熱性、などの優れた
高機能特性を損なうことなく、全芳香族ポリアミド繊維
の持つ欠点であるプリーツ性、防しわ性などの形態保持
性を大幅に改善して高機能特性の要求される消防服、作
業服等の防護被服用分野やアウトドアスポーツ衣料に好
適な布帛を提供することができるものである。
例を示す工程図である。
Claims (7)
- 【請求項1】芯鞘型長短複合紡績糸であって、鞘成分が
全芳香族ポリアミド短繊維50〜90重量%で構成さ
れ、芯成分がポリエステルフィラメント糸10〜50重
量%で構成され、かつポリエステル繊維の複合糸に占め
る割合が10〜35重量%であることを特徴とする芯鞘
型長短複合紡績糸。 - 【請求項2】鞘成分の全芳香族ポリアミド短繊維の単繊
維繊度が0.5〜4.5デニールであり、撚係数がK=
2.6〜6であることを特徴とする請求項1に記載の芯
鞘型長短複合紡績糸。 - 【請求項3】鞘成分の全芳香族ポリアミド短繊維がパラ
系アラミド繊維であることを特徴とする請求項1または
2に記載の芯鞘型長短複合紡績糸。 - 【請求項4】鞘成分の全芳香族ポリアミド短繊維がメタ
系アラミド繊維であることを特徴とする請求項1または
2に記載の芯鞘型長短複合紡績糸。 - 【請求項5】鞘成分の全芳香族ポリアミド短繊維がメタ
系アラミド繊維とパラ系アラミド繊維の混紡品であるこ
とを特徴とする請求項1または2に記載の芯鞘型長短複
合紡績糸。 - 【請求項6】パラ系アラミド繊維がポリパラフェニレン
テレフタルアミド繊維であることを特徴とする請求項3
または5に記載の芯鞘型長短複合紡績糸。 - 【請求項7】請求項1〜6のいずれかに記載の芯鞘型長
短複合紡績糸を布帛重量の30〜100重量%の範囲で
用いてなることを特徴とする布帛。
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