JP2000255176A - 感熱孔版印刷用マスター、その製造方法及び孔版製版印刷方法 - Google Patents

感熱孔版印刷用マスター、その製造方法及び孔版製版印刷方法

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JP2000255176A JP11120022A JP12002299A JP2000255176A JP 2000255176 A JP2000255176 A JP 2000255176A JP 11120022 A JP11120022 A JP 11120022A JP 12002299 A JP12002299 A JP 12002299A JP 2000255176 A JP2000255176 A JP 2000255176A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 特に製版印刷機上での搬送性が良好で、良質
の印刷物が得られる感熱孔版印刷用マスターを提供す
る。 【解決手段】 熱可塑性樹脂フィルムの一方の面に多孔
性樹脂膜を設けた感熱孔版印刷用マスターにおいて、該
多孔性樹脂膜中に針状フィラー(又は高分子分散剤及び
針状フィラー)を含むことを特徴とする感熱孔版印刷用
原紙。ここでの針状フィラーには針状ホウ酸アルミニウ
ム、針状酸化チタン、針状チタン酸カリウムが、また高
分子分散剤にはカルボキシル基を含む高分子物質がそれ
ぞれ好ましく用いられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は感熱孔版印刷用マス
ター、その製造方法及び孔版製版印刷方法に関するもの
であり、詳しくは、熱可塑性樹脂フィルム上に針状フィ
ラーを含む多孔性樹脂膜を形成した感熱孔版印刷用マス
ター、その製造方法及び孔版製版印刷方法に関わるもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来、熱可塑性樹脂フィルムの一方の面
にインキ透過性支持体としての多孔性薄葉紙などを接着
剤で貼り合わせ、且つ該熱可塑性樹脂フィルムの他方面
にサーマルヘッドとのスティキング防止のためのスティ
ック防止層を設けた感熱孔版印刷用マスターが一般に知
られている。実際上は、多孔性薄葉紙として和紙の他、
麻繊維と合成繊維、木材繊維とを混抄したものに熱可塑
性樹脂フィルムを接着剤で貼り合せ、更に熱可塑性樹脂
フィルム表面にスティック防止層を設けた感熱孔版印刷
用マスターが広く用いられている。
【0003】しかし、こうした従来の感熱孔版印刷用マ
スターには次のような問題点がある。(1)繊維の重な
ったところと熱可塑性樹脂フィルムが接する部分に接着
剤が大量に“鳥の水かき状”に集積し、その部分のサー
マルヘッドによる穿孔が行われにくくなる。また、繊維
の重なったところはインキの通過を妨げ、印刷ムラが発
生する。 (2)繊維自体がインキの通過を妨げ、印刷ムラを生起
させる。 (3)繊維は高価であり、また感熱孔版印刷用マスター
製造時の不良品のロスも大きく、感熱孔版印刷用マスタ
ーが高価となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このような従来の感熱
孔版印刷用マスターに対して、熱可塑性樹脂フィルムの
一方の面に多孔性樹脂膜を積層した感熱孔版印刷用マス
ターが考案されている(特開平3−193445号、特
開平8−332785号、特開平10−24667号な
ど)。しかしながら、熱可塑性樹脂フィルムに多孔性樹
脂膜を積層した感熱孔版印刷用マスターは、熱可塑性樹
脂フィルムと多孔性樹脂膜の温湿度による伸縮に差があ
るためカール(以下、温湿度のカールという)が発生す
るという問題が生じており、その時は製版印刷機上での
搬送性に支障をきたしていた。
【0005】本発明の目的は、温湿度カールの発生が殆
どなく、製版印刷機上で良好な搬送性が得られ、さらに
良好な画質が維持される感熱孔版印刷用マスター、その
マスター製造方法、並びに孔版製版印刷方法を提供する
ものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、熱可塑性
樹脂フィルムの一方の面に多孔性樹脂膜を有する感熱孔
版印刷用マスターをいろいろな角度から検討した結果、
温湿度によるカールの発生が少なく、且つ、印刷機内部
での搬送に支障のないコシの強さをもった感熱孔版印刷
用マスターが多孔性樹脂膜中に針状フィラーを含有させ
ることによって得られることを見出した。本発明はこれ
に基づいてなされたものである。
【0007】本発明によれば、第一に、熱可塑性樹脂フ
ィルムの一方の面に多孔性樹脂膜を設けた感熱孔版印刷
用マスターにおいて、該多孔性樹脂膜がモース硬度4.
0以上の針状フィラーを含むことを特徴とする感熱孔版
印用マスターが提供される。
【0008】第二に、熱可塑性樹脂フィルムの一方の面
に多孔性樹脂膜を設けた感熱孔版印刷用マスターにおい
て、該多孔性樹脂膜がモース硬度4.0以上の針状フィ
ラー及び高分子分散剤を含むことを特徴とする感熱孔版
印刷用マスターが提供される。
【0009】第三に、前記針状フィラーの直径が0.1
〜1μm、長さが1.0〜100.0μmであることを
特徴とする上記第一又は第二の感熱孔版印刷用マスター
が提供される。
【0010】第四に、前記針状フィラーの前記多孔性樹
脂に対する割合が13〜200重量%であることを特徴
とする上記第一〜三のいずれかの感熱孔版印刷用マスタ
ーが提供される。
【0011】第五に、前記針状フィラーが、針状ホウ酸
アルミニウム、針状酸化チタンまたは針状チタン酸カリ
ウムであることを特徴とする上記第一〜四のいずれかの
感熱孔版印刷用マスターが提供される。
【0012】第六に、前記高分子分散剤が、高分子中に
カルボキシル基を含む高分子物質であることを特徴とす
る上記第二〜五のいずれかの感熱孔版印刷用マスターが
提供される。
【0013】第七に、前記高分子分散剤の添加量が、針
状フィラーに対し10重量%以下であることを特徴とす
る上記第二〜第六のいずれかの感熱孔版印刷用マスター
が提供される。
【0014】また、本発明によれば、第八に、良溶媒と
貧溶媒との混合溶液中に樹脂を溶解し、これにモース硬
度4.0以上の針状フィラーを分散混合して塗布液を調
製し、この塗布液を熱可塑性樹脂フィルムの一方の面に
塗布した後、乾燥して多孔性樹脂膜を形成することを特
徴とする上記第一、第三〜五のいずれかの感熱孔版印刷
用マスターの製造方法が提供される。
【0015】第九に、良溶媒と貧溶媒との混合溶液中に
樹脂を溶解し、これにモース硬度4.0以上の針状フィ
ラー及び高分子分散剤を分散混合して塗布液を調製し、
この塗布液を熱可塑性樹脂フィルムの一方の面に塗布し
た後、乾燥して多孔性樹脂膜を形成することを特徴とす
る上記第二〜七のいずれかの感熱孔版印刷用マスターの
製造方法が提供される。
【0016】また本発明によれば、第十に、上記第一〜
七のいずれかに記載の感熱孔版印刷用マスター又は上記
第八又は第九の方法で製造された感熱孔版印刷用マスタ
ーを製版し、孔版印刷に供することを特徴とする孔版製
版印刷方法が提供される。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明をさらに詳細に説明
する。本発明の感熱孔版印刷用マスターは、熱可塑性樹
脂フィルムの一方の面に多孔性樹脂膜を有し、その多孔
性樹脂膜がモース硬度4.0以上の針状フィラー(針状
ホウ酸アルミニウム、針状酸化チタン、針状チタン酸カ
リウム等)を含むことを特徴としている。
【0018】本発明でいう多孔性樹脂膜は、膜の内部及
び表面に多数の空隙をもつ構造を有するものであれば良
く、該空隙がインキの通過性の点から多孔質樹脂膜内に
おいて厚さ方向に連続構造であり、膜の層方向に貫通し
ているものが望ましい。ただし多孔質樹脂膜と熱可塑性
樹脂フィルムとの境界においてはサーマルヘッドによる
穿孔を阻害しない範囲で多孔性樹脂成分の連続被膜が熱
可塑性樹脂フィルムを覆って閉鎖していても良い。
【0019】多孔性樹脂膜の平均孔径は、一般に1μm
以上100μm以下が好ましい。平均孔径が1μmに満
たない場合にはインキの通過性が悪い。その対策とし
て、十分なインキ通過量を得るために低粘度インキを用
いることも考えられるが、画像にじみや印刷中に印刷ド
ラムの側部や巻装されているマスターの後端から印刷イ
ンキがしみ出す現象が発生する。また、多孔性樹脂膜内
の空隙率が低くなることから多くサーマルヘッドによる
穿孔を阻害しやすくなる。逆に、多孔性樹脂膜の平均孔
径が100μmを超える場合には多孔性樹脂膜によるイ
ンキの抑制効果が低くなり、印刷時に印刷ドラムと熱可
塑性樹脂フィルムの間のインキが過剰に押し出され裏汚
れやにじみ等の不都合が発生する。そのため、多孔性樹
脂膜のピーク孔径は小さすぎても大きすぎても良好な印
刷画質が得られない。
【0020】多孔性樹脂膜の密度は、通常0.01g/
cm3以上2g/cm3以下が適当である。密度が0.0
1g/cm3以下であると膜の強度が不足し、所望のコ
シが得られにくく、インキが過剰に透過する。逆に2g
/cm3以上であるとインキの透過性が不十分となり、
また膜自体も壊れやすい。
【0021】本発明において多孔性樹脂膜の付着量は
0.5g/m2以上25g/m2以下が適当である。付着
量の増大はインキの通過を妨げて画質を悪くし、少なす
ぎるとコシの強さが不十分となる。
【0022】多孔性樹脂膜を構成する樹脂材料は一般に
熱可塑性樹脂からなり、好ましい樹脂としては、ポリ酢
酸ビニル、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセター
ル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−塩
化ビニリデン共重合体、塩化ビニル−アクリロニトリル
共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体等のビ
ニル樹脂、ポリブチレン、ナイロン等のポリアミド、ポ
リフェニレンオキサイド、(メタ)アクリル酸エステ
ル、ポリカーボネート、アセチルセルロース、アセチル
ブチルセルロース、アセチルプロピルセルロース等のセ
ルロース誘導体等が挙げられる。中でもブチラール樹脂
が最も好ましい。
【0023】本発明に使用される熱可塑性樹脂フィルム
としては、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体フィル
ム、ポリプロピレンフィルム、ポリエステルフィルム等
の従来より感熱孔版印刷用マスターに使用されているも
のが使用できるが、融解エネルギーが3〜11cal/
gのポリエステルフィルム(特開昭62−149496
号公報参照)、結晶化度が30%以下のポリエステルフ
ィルム(特開昭62−282983号公報参照)、ブチ
レンテレフタレート単位を50mol以上含むポリエス
テルフィルム(特開平2−158391号公報参照)等
の低エネルギーで穿孔可能なポリエステルフィルムが好
ましい。熱可塑性樹脂フィルムの厚さは0.5〜10μ
mが適当である。0.5μm未満では薄すぎて樹脂液の
塗布が困難であり、10μmを越えると、サーマルヘッ
ドでの穿孔が困難となる。
【0024】本発明の感熱孔版印刷用マスターにおいて
は、熱可塑性樹脂フィルムの表面(多孔性樹脂膜とは反
対の面)にサーマルヘッドとのスティック防止のための
スティック防止層を設けることができる。この場合、使
用されるスティック防止剤としては、従来の感熱孔版印
刷用原紙で一般的に使用されているものが使用できる。
例えばシリコーン系離型剤、フッ素離型剤、リン酸エス
テル系界面活性剤等が例示できる。
【0025】上記熱可塑性樹脂から形成した多孔性樹脂
膜は、一般に曲げ剛度が低く、しかもコシを上げようと
して多孔性樹脂膜を厚くすると剛度は上がるが印刷用イ
ンキの通過性が悪くなり、所望の印刷画像濃度が得られ
にくい。そこで、印刷画像濃度を下げずにコシを上げ、
且つ、温湿度変化によるカール量の影響を少なくするに
は、熱可塑性樹脂膜中にモース硬度4.0以上の針状フ
ィラーを添加することが極めて有効なものとなる。針状
フィラーを添加することは、多孔性樹脂膜の機械的強度
すなわち剛度の向上に寄与する。フィラーの絡み合い網
を作り又は配向することによって配向方向の剛度を高め
ることから、「針状フィラー」であることが要求され、
またフィラー自体の剛度も一定以上(モース硬度4.0
以上)であることが求められる。
【0026】本発明で用いられるモース硬度4.0以上
の針状フィラーの代表例としては、針状ホウ酸アルミニ
ウム、針状酸化チタン、針状チタン酸カリウムが挙げら
れ、これらは単独で又は2種以上が併用される。針状フ
ィラーの添加量は熱可塑性樹脂に対し13〜200重量
%であり、より好ましくは20〜100重量%である。
13重量%以下ではコシの改良が認められにくく、20
0重量%以上であると樹脂液を熱可塑性樹脂フィルム上
に塗布したときに多孔性樹脂膜が形成されにくいことが
あり、また、多孔性樹脂膜の接着性が低下し得られた感
熱孔版印刷用マスターのハンドリング中や製版中に熱可
塑性樹脂フイルムから剥離しやすくなる。
【0027】針状ホウ酸アルミニウム、針状酸化チタ
ン、針状チタン酸カリウムのモース硬度は4.0以上で
あるが、4.0よりも低いと剛性の向上に寄与せず、従
って、温湿度カールに対する抑止効果が少なくなる。
【0028】これら針状ホウ酸アルミニウム、針状酸化
チタン、針状チタン酸カリウムの直径は0.1〜1μ
m、長さは1.0〜100.0μmが好ましい。直径が
0.1よりも小さい場合または長さが1.0μmよりも
短い場合には、温湿度カールに対する抑止効果が少なく
なる。また、直径が1.0よりも大きい場合または長さ
が100.0μmよりも長い場合には、樹脂溶液中に均
一に分散することが困難となり、均一な塗工膜が得られ
にくくなる。
【0029】針状ホウ酸アルミニウム、針状酸化チタン
及び/又は針状チタン酸カリウムを添加することによ
り、感熱孔版印刷用マスターの温湿度によるカールの発
生が抑止される理由としては、多孔性樹脂膜を形成して
いる樹脂の中に異形状を示す針状フィラーを混在させる
ことで多孔膜の網を強化し、多孔性樹脂膜の強度を強く
しているためと考えられる。
【0030】上記の針状フィラー及び熱可塑性樹脂膜を
主成分とする多孔性樹脂膜の製膜は、良溶媒に熱可塑性
樹脂を溶解し、これに針状フィラーを分散し、さらに貧
溶媒を添加して塗布液を調製し、この塗布液の熱可塑性
樹脂フィルムに塗布した後、乾燥することにより行なわ
れる。ところが、この熱可塑性樹脂、針状フィラー、良
溶媒、貧溶媒からなる塗布液は、その調製時、強力な攪
拌を続けると針状フィラーが凝集、沈降して塗布に適さ
ない溶液になってしまうことがある。
【0031】このような思わしくない現象は、高分子分
散剤を添加することで解消しうる。すなわち、高分子分
散剤の添加によって強力な攪拌によっても針状フィラー
の分散が安定化しており、長期間にわたって沈降が起こ
らないため、解消し得る。フィラーの沈降が何故起こら
ないかの明確な答えは出されていないが、フィラーに高
分子分散剤の分子中の脂肪族基がくっ付き、反対側にC
OOH基が張り出され、そのCOOH基とブチラール樹
脂中の基との親和性が良く、溶解した樹脂成分にCOO
Hを張り出すことにより溶液中で安定化すると思われ
る。こうしたことにより、特別な溶解樹脂の存在下でフ
ィラーは高分子分散剤があることにより分散安定化する
と考えられる。
【0032】本発明で用いられる代表的な高分子分散剤
としては、スチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−
アクリル酸共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、
アクリル酸エステル−アクリル酸共重合体、メタアクリ
ル酸エステル−メタアクリル酸共重合体、スチレン−マ
レイン酸(部分メチルエステル)共重合体、スチレン−
マレイン酸(部分イソブチルエステル)共重合体などが
挙げられる。
【0033】針状フィラー、高分子分散剤及び熱可塑性
樹脂を主成分とする多孔性樹脂膜の製膜は、良溶媒に熱
可塑性樹脂を溶解し、これに針状フィラー及び高分子分
散剤を分散溶解し、さらに貧溶媒を添加して塗布液を調
製し、この塗布液を熱可塑性樹脂フィルムに塗布した
後、乾燥することにより行なわれる。
【0034】本発明の多孔性樹脂膜には、本発明の効果
を阻害しない範囲内で帯電防止剤、スティック防止剤、
界面活性剤、防腐剤、消泡剤などを添加することができ
る。
【0035】本発明の多孔性樹脂膜は、膜の内部及び表
面に多数の空隙を有し、該空隙が層方向に対してつなが
った構造をもつものである。多孔性樹脂膜と熱可塑性樹
脂フィルムとの境界においては該空隙部分又は樹脂部分
が接することになる。サーマルヘッドによる穿孔とイン
キ透過性を阻害しない範囲で界面に接着層を設けてもよ
い。
【0036】感熱孔版印刷用マスターの構成を図1に示
し、製版工程を図2に示し、得られた孔版印刷版を図3
に示す。本発明の感熱孔版印刷用マスター1は図1に示
すように熱可塑性樹脂フィルム102、多孔性樹脂膜1
03から構成する。図2は、感熱孔版印刷用マスター1
をサーマルヘッド201とプラテンローラ301の間に
配置して製版する構成を示す。図3は、サーマルヘッド
への通電により熱可塑性樹脂フィルムを溶融して穿孔1
02aを形成した孔版印刷版である。
【0037】次に、感熱孔版印刷用マスターの製造方法
について説明する。本発明の感熱孔版印刷用マスターの
製造方法は、良溶媒溶液中に樹脂を溶解した後、針状フ
ィラーを分散混合して又は高分子分散剤を添加しフィラ
ーを分散混合して、撹拌しながら一定量の貧溶媒を加え
て塗布液(多孔性樹脂膜形成液)を調製し、この塗布液
を熱可塑性樹脂フィルム上に塗布し、その乾燥中に樹脂
濃度が高くなることにより、樹脂を析出させ、多孔性樹
脂膜を形成する。ここで、高分子分散剤が添加されてい
る場合、その添加量はフィラーの分散安定性(非沈降
性)を良好ならしめることから、針状フィラーに対し1
0重量%が適当である。
【0038】混合溶媒の条件として良溶媒が貧溶媒に対
して相対的に低温で蒸発しやすい組み合わせが好まし
い。代表的な熱可塑性樹脂の良溶媒・貧溶媒の種類、液
温20℃での良溶媒・貧溶媒の混合化、熱可塑性樹脂の
濃度の具体例を表1に列記する。
【0039】
【表1】
【0040】上記のように、多孔性樹脂膜は熱可塑性樹
脂(又は熱可塑性樹脂及び高分子分散剤)の溶解、針状
フィラーの分散、塗工により形成される。より具体的に
は、良溶媒/貧溶媒の混合溶液中に熱可塑性樹脂(又は
熱可塑性樹脂及び高分子分散剤)を溶解した後、この溶
液にフィラーを添加し、ボールミル、サンドミル、ビー
ズミル、超音波分散機等の粉砕分散手段により均一分散
液を作成する。その後一定量の貧溶媒を添加して多孔性
樹脂膜形成のための塗布液とする。続いて、この塗布液
をブレードコーター、トランスファーロールコーター、
ワイヤーバーコーター、リバースロールコーター、グラ
ビアロールコーター、ダイコーター等の塗布手段によ
り、熱可塑性樹脂フィルムに均一に塗布し、熱風、赤外
線等の手段で乾燥する。熱可塑性樹脂フィルムは、高温
に曝すと熱収縮が発生し製版時の熱感度を低下させるの
で、乾燥は熱収縮の発生しない温度以下、具体的には6
0℃以下で乾燥することが望ましい。
【0041】製版において用いられる半導体レーザは発
振波長が紫外領域から赤外領域までのいずれのものも用
いることができ、非線形光学材料と組み合わせて用いて
も良い。半導体レーザは単独で用いても良いし、複数で
用いても良い。
【0042】本発明の孔版製版印刷方法の実施に有用な
装置の例を図4に示すが、本発明の感熱孔版印刷用マス
ター、孔版製版印刷方法はこれらに限定されるものでは
ない。なお、図4の例では版胴に巻き付ける前に感熱孔
版印刷用原紙を製版しているが、版胴に巻き付けた後に
感熱孔版印刷用原紙を製版しても良い。
【0043】本発明の多色刷り孔版製版印刷方法の実施
に有用な装置の例を図5に示すが、本発明の多色刷り孔
版製版印刷方法はこれに限定されるものではない。図5
の例では版胴に巻き付ける前に感熱孔版印刷用原紙を製
版しているが、版胴に巻き付けた後に感熱孔版印刷用原
紙を製版しても良い。また、図5では各色独立した版胴
を設けているが、1つの版胴を複数のインキ室に分けた
構造としても良い。
【0044】本発明の孔版製版印刷方法を用いる(殊に
多色刷り孔版製版印刷方法を用いる)場合、受像用紙に
転移した1色目のインクが2つ目以後の版胴に逆転移す
ることで版胴を汚すことが考えられる。逆転移したイン
キが受像用紙の再転移すると、受像用紙の搬送位置精度
が低い場合には印刷画像のダブリ(ゴースト)となり画
質低下が生じる。そこで、この画質低下を防止するため
に、本発明の孔版製版印刷方法には、紫外線硬化型イン
キを用い紫外線照射する、温度変化により粘性変化する
インキを用いる、剪断応力により粘性変化するインキを
用いる、等のインキ定着手段を組み合わせることができ
る。
【0045】
【実施例】次に本発明の実施例を挙げるが、本発明はこ
れに限定されるものではない。
【0046】(評価方法)実施例及び比較例で得られた
感熱孔版印刷用マスターの多孔性樹脂膜の温湿度カー
ル、コシの強さ、並びに印刷画像を評価する。
【0047】(1)温湿度カール 実施例及び比較例で得られた感熱孔版印刷用マスターを
100mm×100mmの大きさに切り取り、50℃の
恒温槽で2時間エージングを行い、さらに20℃90%
RHの環境下で10分間調湿を行なった後、20℃10
%RHの環境下に10分間放置した後のカール量(mm
φ)をカールした形状の径で測定する。その後、20℃
90%RHの環境下に10分間放置した後のカール量
(mmφ)を測定する。カールの判定は、15mmφ以
上を○、15mmφ未満を×とする。
【0048】(2)剛性(コシの強さ) Stiffness Tester(Lorentze
n&Wettre社製品)で測定する。
【0049】(3)印刷画像品質 サーマルヘッドを用いた製版装置を用いて画像製版を行
い、PRIPORTVT3820((株)リコー製)で
印刷(印刷速度:3速、印刷環境20℃65%RH)し
て、黒ベタ部分の画像濃度を測定した。画像性に関して
は、黒ベタ画像の白ヌケ等の発生のないものを○、発生
のあるものを×とした。
【0050】(4)印刷画像濃度 印刷画像をマクベス反射濃度計(Macbeth社製
品)で測定する。
【0051】(5)接着性 耐折り曲げ試験で評価した。(感熱孔版印刷用マスター
の多孔性樹脂膜面を外側にして折り曲げ、剥れの発生の
ないものを〇、発生したものを×とした。)
【0052】(6)付着量 実施例及び比較例で得られた感熱孔版印刷用マスターを
100mm×100mmの大きさに切り取りその重量を
測定した。同様に、熱可塑性樹脂フィルムのみの重量を
測定してその値を感熱孔版印刷用マスターの値から引
き、多孔性樹脂膜の重量の値を求めた。次にその値をg
/m2に換算した。
【0053】(7)沈降性 試験管中に液面に高さを80mmになるように試験液
(塗布液)を入れ、静止放置した。その後、一定時間を
経た後の沈降面の高さを測定した。
【0054】 実施例1 ポリビニルブチラール 5.0重量部 メチルアルコール 45.0重量部 水 3.0重量部 針状ホウ酸アルミニウム 2.5重量部 (モース硬度7、アルボレックスW、四国化成工業(株)製) ポリビニルブチラール樹脂をメチルアルコール中に溶解
し、その後撹拌を行ないながら水を滴下した。更にその
溶液中に針状ホウ酸アルミニウムを添加し、ボールミル
で3hr分散混合して塗布液(多孔性樹脂膜形成液)と
した。その後、厚さ2.0μmの2軸延伸ポリエステル
フィルム上にワイヤーバーコーター(ワイヤー径1.4
mm)で塗布を行なった。塗布後直ちに50℃の熱風中
に3分間乾燥してポリエステルフィルム上に厚さ23μ
mの多孔性樹脂膜を形成した。更に多孔性樹脂膜とは反
対側のポリエステルフィルム面に厚さ0.01μmのシ
リコン樹脂層(スティック防止層)を設けて感熱孔版印
刷用マスターを作成した。これについて測定評価した結
果を表2に示す。
【0055】 実施例2 ポリビニルブチラール 5.0重量部 メチルアルコール 45.0重量部 水 3.0重量部 針状導電性酸化チタン 2.5重量部 (モース硬度6.5、FT−3000、石原産業(株)製) ポリビニルブチラール樹脂をメチルアルコール中に溶解
し、その後撹拌を行ないながら水を滴下した。更にその
溶液中に針状導電性酸化チタンを添加し、ボールミルで
3hr分散混合して塗布液(多孔性樹脂膜形成液)とし
た。以後、実施例1と同様に感熱孔版印刷用マスターを
作成した。この感熱孔版印刷用マスターについて測定評
価した結果を表2に示す。
【0056】 実施例3 ポリビニルブチラール 5.0重量部 メチルアルコール 45.0重量部 水 3.0重量部 針状チタン酸カリウム 2.5重量部 (モース硬度4、トフィカーY、大塚化学(株)製) ポリビニルブチラール樹脂をメチルアルコール中に溶解
し、その後撹拌を行ないながら水を滴下した。更にその
溶液中に針状チタン酸カリウムを添加し、ボールミルで
3hr分散混合して塗布液(多孔性樹脂膜形成液)とし
た。以後、実施例1と同様に感熱孔版印刷用マスターを
作成した。この感熱孔版印刷用マスターについて測定評
価した結果を表2に示す。
【0057】 実施例4 酢ビ/塩ビ共重合体 3.3重量部 (ユニオンカーバイト社製、VYHH) ポリビニルブチラール 0.1重量部 アセトン 20.0重量部 エチルアルコール 8.0重量部 針状ホウ酸アルミニウム 2.5重量部 (モース硬度7、アルボレックスW、四国化成工業(株)製) 酢ビ/塩ビ共重合体をアセトン及びエチルアルコールの
混合液中に溶解し、更に、多孔性樹脂膜と熱可塑性フィ
ルムとの接着性材料としてポリビニルブチラールを添加
し溶解した樹脂液に針状ホウ酸アルミニウムを添加し、
ボールミルで3hr分散混合して塗布液(多孔性樹脂膜
形成液)とした。以後、実施例1と同様に感熱孔版印刷
用マスターを作成した。この感熱孔版印刷用マスターに
ついて測定評価した結果を表2に示す。
【0058】 比較例1 ポリビニルブチラール 5.0重量部 メチルアルコール 45.0重量部 水 3.0重量部 ポリビニルブチラール樹脂をメチルアルコール及び水の
混合液中に溶解し、その後、厚さ2.0μmの2軸延伸
ポリエステルフィルム上にワイヤーバーコーター(ワイ
ヤー径1.4mm)で塗布した。塗布後直ちに50℃の
熱風中に3分間乾燥してポリエステルフィルム上に厚さ
21μmの多孔性樹脂膜を形成した。更に実施例1と同
様に多孔性樹脂膜と反対の面にスティック防止層を設け
た。この感熱孔版印刷用マスターについて測定評価した
結果を表2に示す。
【0059】 比較例2 ポリビニルブチラール 5.0重量部 メチルアルコール 45.0重量部 水 3.0重量部 板状珪酸マグネシウム(タルク) 0.8重量部 (モース硬度1、日本タルク社製、ミクロエースP4) ポリビニルブチラール樹脂をメチルアルコール中に溶解
し、その後撹拌を行ないながら水を滴下した。更にその
溶液中に板状珪酸マグネシウムを添加し、ボールミルで
3hr分散混合して塗布液(多孔性樹脂膜形成液)とし
た。その後、厚さ2.0μmの2軸延伸ポリエステルフ
ィルム上にワイヤーバーコーター(ワイヤー径1.4m
m)で塗布を行なった。塗布後直ちに50℃の熱風中に
3分間乾燥して、ポリエステルフィルム上に厚さ23μ
mの多孔性樹脂膜を形成した。更に実施例1と同様に多
孔性樹脂膜と反対の面にスティック防止層を設けた。こ
の感熱孔版印刷用マスターについて測定評価した結果を
表2に示す。
【0060】 比較例3 ポリビニルブチラール 5.0重量部 メチルアルコール 45.0重量部 水 3.0重量部 針状珪酸マグネシウム 2.5重量部 (モース硬度2、水沢化学工業(株)製、エードプラスSP) ポリビニルブチラール樹脂をメチルアルコール中に溶解
し、その後撹拌を行ないながら水を滴下した。更にその
溶液中に針状珪酸マグネシウムを添加し、ボールミルで
3hr分散混合して塗布液(多孔性樹脂膜形成液)とし
た。その後、厚さ2.0μmの2軸延伸ポリエステルフ
ィルム上にワイヤーバーコーター(ワイヤー径1.4m
m)で塗布を行なった。塗布後直ちに50℃の熱風中に
3分間乾燥して、ポリエステルフィルム上に厚さ23μ
mの多孔性樹脂膜を形成した。更に実施例1と同様に多
孔性樹脂膜と反対の面にスティック防止層を設けた。こ
の感熱孔版印刷用マスターについて測定評価した結果を
表2に示す。
【0061】
【表2】
【0062】 実施例5 ポリビニルブチラール 5.0重量部 メチルアルコール 45.0重量部 水 3.0重量部 針状チタン酸カリウム 5.0重量部 (モース硬度4、トフィカーY、大塚化学(株)製) 高分子分散剤 0.05重量部 (ジョンソンポリマー社製、ジョンクリルエマルジョン74J) ポリビニルブチラール樹脂をメチルアルコール中に溶解
し、更に高分子分散剤を溶解混合する。この溶液中に針
状チタン酸カリウムを添加しボールミルで3時間分散混
合してフィラー分散液を作る。この分散液中に貧溶媒で
ある水を撹拌しながら滴下して添加し塗布液(多孔性樹
脂膜形成液)とした。この塗布液は、非常に安定で静置
しても殆ど変化しない。沈降測定データを表3に示す。
その後、上記の塗布液を厚さ2.0μmの2軸延伸ポリ
エステルフィルム上にワイヤーバーコーター(ワイヤー
バー径1.4mm)で塗布を行なった。塗布後ただちに
50℃の熱風中に3分間乾燥して、ポリエステルフィル
ム上に厚さ23μmの多孔性樹脂膜を形成した。更に、
多孔性樹脂膜とは反対側のポリエステルフィルム面に厚
さ0.01μmのシリコン樹脂層(スティック防止層)
を設けて感熱孔版印刷用マスターを作成した。この感熱
孔版印刷用マスターについて特性値を評価した結果を表
4に示す。
【0063】 実施例6 ポリビニルブチラール 4.0重量部 メチルアルコール 46.0重量部 水 2.0重量部 針状ホウ酸アルミニウム 4.0重量部 (モース硬度7、アルボレックスW、四国化成工業(株)製) 高分子分散剤 0.1重量部 (川原油化社製、SMA2000: スチレンマレイン酸部分メチルエステル重合体) これら材料を用い実施例5と同様にして塗布液(多孔性
樹脂膜形成液)を調製した。沈降測定では20分静置後
でも殆ど変化なく、60分後、77mmと非常に良い結
果を示した(表3)。この液で作成した感熱孔版印刷用
マスターについて特性値を評価した結果を表4に示す。
【0064】 実施例7 ポリビニルブチラール 4.0重量部 メチルアルコール 46.0重量部 水 2.0重量部 針状ホウ酸アルミニウム 4.0重量部 (モース硬度7、アルボレックスW、四国化成工業(株)製) 高分子分散剤 0.6重量部 (ジョンソンポリマー社製、ジョンクリルエマルジョン74J) 高分子分散剤の添加量を0.6重量部にした以外、実施
例6と同様にして塗布液(多孔性樹脂膜形成液)を調製
した。沈降測定では、60分後、77mmと良い結果を
示した(表3)。この液を用いて作成した感熱孔版印刷
用マスターは、接着性が幾分劣る感熱孔版印刷用マスタ
ーとなった。この感熱孔版印刷用マスターの特性評価の
果を表4に示す。
【0065】 比較例4 ポリビニルブチラール 5.0重量部 メチルアルコール 45.0重量部 水 3.0重量部 ウィスカル 5.0重量部 (モース硬度3.5、ウィスカル、丸尾カルシウム(株)製) 高分子分散剤を除き、及び、針状フィラーをウィスカル
に変更した以外は、実施例5と同じ方法で塗布液(多孔
性樹脂形成液)を調製した。この塗布液の静置安定性は
実施例5より非常に悪く、その結果を表3に示した。す
なわち、沈降測定で20分後に63.0mmと一部液の
分離が発生し、60分後に25.0mmと液の分離が発
生した。また、上記処方より作成した感熱孔版印刷用マ
スターの特性評価の結果を表4に示した。この塗布液の
放置時間は20分後塗布した結果である(この塗布液を
60分後静置後は、感熱孔版印刷用マスターを作成でき
なかった)。その特性値評価結果では、画質が悪い感熱
孔版印刷用マスターとなった。
【0066】
【表3】
【0067】
【表4】
【0068】
【発明の効果】本発明の感熱孔版印刷用マスターは熱可
塑性フィルムと多孔性樹脂膜とを積層してなるが、該多
孔性樹脂膜にはフィラーがほぼ均一に分散されているた
め多孔性が均一であり、良質の印刷画像が得られるとと
もに、製版印刷機上での搬送性が良好である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の感熱孔版印刷用マスターの断面図。
【図2】感熱製版がなされている様子を表わした図。
【図3】製版された孔版印刷版の断面図。
【図4】本発明の実態に有用な孔版製版印刷製造の図。
【図5】本発明の実態に有用な多色刷り孔版製版印刷製
造の図。
【符号の説明】
1 感熱孔版印刷用原紙 2 電磁波照射部 3 送りローラー 4 原紙切断手段 5 製版部 6 レーザ制御部 7 クランパー 8 印刷ドラム 9 インキローラー 10 ドクターローラー 11 インキ溜り 12 排版コロ 13 排版ボックス 14 印刷用紙 15 給紙コロ 16 歯つきベルト 17 分離ローラー 18 分離コロ 19 用紙ガイド板 20 レジストローラー 21 プレスローラー 22 用紙搬送ベルト 23 排紙トレイ 102 熱可塑性樹脂フィルム 102a 穿孔 103 多孔性樹脂膜 201 サーマルヘッド 301 プラテンローラ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 利元 正則 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 名取 裕二 宮城県柴田郡柴田町大字中名生字神明堂3 番地の1 東北リコー株式会社内 (72)発明者 岩岡 武彦 神奈川県横浜市保土ヶ谷区境木本町35−9 Fターム(参考) 2H114 AB23 AB25 BA06 DA05 DA08 DA09 DA50 DA52 DA53 DA57 DA61 DA64 EA00 EA04 FA01 FA02 GA11 GA34 GA38

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂フィルムの一方の面に多孔
    性樹脂膜を設けた感熱孔版印刷用マスターにおいて、該
    多孔性樹脂膜がモース硬度4.0以上の針状フィラーを
    含むことを特徴とする感熱孔版印刷用マスター。
  2. 【請求項2】熱可塑性樹脂フィルムの一方の面に多孔性
    樹脂膜を設けた感熱孔版印刷用マスターにおいて、該多
    孔性樹脂膜がモース硬度4.0以上の針状フィラー及び
    高分子分散剤を含むことを特徴とする感熱孔版印刷用マ
    スター。
  3. 【請求項3】 前記針状フィラーの直径が0.1〜1μ
    m、長さが1.0〜100.0μmであることを特徴と
    する請求項1又は2記載の感熱孔版印刷用マスター。
  4. 【請求項4】 前記針状フィラーの前記多孔性樹脂に対
    する割合が13〜200重量%であることを特徴とする
    請求項1〜3のいずれかに記載の感熱孔版印刷用マスタ
    ー。
  5. 【請求項5】 前記針状フィラーが、針状ホウ酸アルミ
    ニウム、針状酸化チタンまたは針状チタン酸カリウムで
    あることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の
    感熱孔版印刷用マスター。
  6. 【請求項6】 前記高分子分散剤が、高分子中にカルボ
    キシル基を含む高分子物質であることを特徴とする請求
    項2〜5のいずれかに記載の感熱孔版印刷用マスター。
  7. 【請求項7】 前記高分子分散剤の添加量が、前記針状
    フィラーに対し10重量%以下であることを特徴とする
    請求項2〜6のいずれかに記載の感熱孔版印刷用マスタ
    ー。
  8. 【請求項8】 良溶媒と貧溶媒との混合溶液中に樹脂を
    溶解し、これにモース硬度4.0以上の針状フィラーを
    分散混合して塗布液を調製し、この塗布液を熱可塑性樹
    脂フィルムの一方に面に塗布した後、乾燥して多孔性樹
    脂膜を形成することを特徴とする請求項1、3〜5のい
    ずれかに記載の感熱孔版印刷用マスターの製造方法。
  9. 【請求項9】 良溶媒と貧溶媒との混合溶液中に樹脂を
    溶解し、これにモース硬度4.0以上の針状フィラー及
    び前記高分子分散剤を分散混合して塗布液を調製し、こ
    の塗布液を熱可塑性樹脂フィルムの一方の面に塗布した
    後、乾燥して多孔性樹脂膜を形成することを特徴とする
    請求項2〜7のいずれかに記載の感熱孔版印刷用マスタ
    ーの製造方法。
  10. 【請求項10】 請求項1〜7のいずれかに記載の感熱
    孔版印刷用マスター又は請求項8又は9記載の方法で製
    造された感熱孔版印刷用マスターを製版し、孔版印刷に
    供することを特徴とする孔版製版印刷方法。
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KR100436103B1 (ko) * 2001-01-19 2004-06-14 리소 가가쿠 고교 카부시키가이샤 스텐실 시트와 그 제조방법 및 스텐실판의 제조방법
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