JP2000249017A - 特に自動車の直噴式内燃機関をスタート運転において運転する方法及び装置 - Google Patents

特に自動車の直噴式内燃機関をスタート運転において運転する方法及び装置

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 燃料を直接に燃焼室内に噴射する内燃機関に
おいて、スタート運転の場合にも噴射される燃料が可及
的に正確にコントロールされるようにする。 【解決手段】 燃料が低圧範囲で働く前搬送ポンプ
(2)と高圧範囲で働く主搬送ポンプ(5)とによって
圧力貯蔵器(6)内に搬送され、この圧力貯蔵器(6)
から少なくとも1つの噴射弁(11)によって直接に内
燃機関(1)の燃焼室内に噴射され、圧力貯蔵器(6)
内で燃料に作用する圧力が、高圧範囲のために構成され
ている圧力センサ(8)によって測定される。圧力セン
サ(8)を、前搬送ポンプ(2)により生ぜしめられる
低圧によって、低圧範囲の測定のために校正する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、燃料が低圧範囲で
働く前搬送ポンプと高圧範囲で働く主搬送ポンプとによ
って圧力貯蔵器内に搬送され、この圧力貯蔵器から少な
くとも1つの噴射弁によって直接に内燃機関の燃焼室内
に噴射され、かつ圧力貯蔵器内で燃料に作用する圧力
が、高圧範囲のために構成されている圧力センサによっ
て測定される形式の特に自動車の内燃機関を運転する方
法に関する。更に本発明は、この方法を実施するための
制御エレメント並びに相応する内燃機関に関する。
【0002】
【従来の技術】燃料が直接に燃焼室内に噴射される内燃
機関においては、例えばディーゼル機関あるいは最近開
発された直噴式のガソリン機関においては、周知のよう
に、必要な燃焼室条件を準備し得るようにするために、
比較的に高い噴射圧力が必要である。
【0003】周知のようにこのような内燃機関において
は、必要な高圧(ほぼ140バール)は、内燃機関自体
を介して機械的に駆動されるいわゆる主搬送ポンプによ
って生ぜしめられる。
【0004】直噴式のガソリン機関においては、燃料圧
力は次第に重要になっている。それは燃料圧力は混合気
形成の品度及び燃焼室内への燃料の侵入深さを左右する
からである。特にいわゆる「層運転」(燃料は圧縮スト
ローク中に噴射される)においては、「均質運転」(燃
料は吸気ストローク中に噴射される)と異なって、燃料
を時間的及び空間的に極めて精密に燃焼室内に入れるこ
とが必要である。原則的に直噴式の燃焼において役立て
られる圧力の全ポテンシャルを利用し得るようにするた
めに、燃焼の運転点に応じて、燃料の種々異なる圧力が
燃焼室内への噴射の際に生ぜしめられる。
【0005】噴射の前に燃料は先ずいわゆる圧力貯蔵器
に供給され、この圧力貯蔵器には、内燃機関の燃焼室が
単数又は複数の噴射弁を介して空間的に接続されてい
る。ところで圧力貯蔵器内では、直噴に必要な燃料圧力
は、主搬送ポンプにより搬送される燃料によって形成さ
れる。
【0006】もちろん主搬送ポンプは、内燃機関の回転
数が充分に増大して初めて、その全有効出力を生ぜしめ
ることができるので、付加的にいわゆる前搬送ポンプが
必要であり、この前搬送ポンプによって内燃機関のスタ
ート運転においても、特に低温スタートにとって充分な
量の燃料を圧力貯蔵器内に搬送することができる。もち
ろん前搬送ポンプは電気的に運転され、燃料をコンスタ
ントに単にほぼ4バールの低圧で搬送するに過ぎない。
【0007】更に、圧力を生ぜしめるほかに、燃料圧力
の制御も可能にするために、圧力貯蔵器内で燃料に作用
する圧力を圧力センサによって調べることが公知であ
る。この圧力が分かれば、噴射弁を制御することによっ
て、換言すれば弁を規定された時間にわたって開くこと
によって、噴射過程を可及的にコントロールして行わせ
ることが可能である。
【0008】相応する噴射装置は例えば DE 43 11 731
A1 に記載されている。この装置においては、圧力セン
サによって測定された噴射圧力が、内燃機関の運転状態
を表す値と一緒に、噴射弁の必要な開放時間を調べるた
めの電子的制御器に、別の値として供給される。
【0009】しかし圧力センサは原則的に、内燃機関の
連続運転において主として存在する高圧に合わせて構成
されていて、この高圧においてその最大の測定精度を有
している。したがって低圧範囲において調べられた圧力
値は相応して不正確であり、このため極めて不充分にし
かコントロールできない噴射を生ぜしめる。
【0010】内燃機関は大抵は単にスタート運転中にだ
け低圧範囲内で運転される。もちろん、内燃機関が主搬
送ポンプの技術的な故障によって少なくとも限定された
時間にわたって専ら低圧範囲内で運転されることもあ
る。更に、層運転において必要な圧力はしばしば前述の
140バールよりも著しく下であって、ほぼ40バール
の低圧範囲〜中圧範囲に達することさえある。
【0011】圧力貯蔵器の構成に関しては、既に技術的
な理由から、貯蔵容積を増大させることが必要である。
例えば、噴射弁の近くにおける燃料内の温度に基づく気
泡の形成は圧力貯蔵器容積の増大によって著しく減少さ
せることができる。しかしこれとは逆に、特に費用の理
由から主搬送ポンプの構造大きさひいては出力を減少さ
せようとする傾向も認められる。この結果、スタート運
転中における圧力貯蔵器内の圧力形成のために必要な時
間が短縮されるどころか、むしろ延長せしめられる。
【0012】ところでこのような問題は、主搬送ポンプ
が単シリンダポンプとして構成されている場合に、次の
ことによって更に尖鋭化される。すなわち特に、例えば
内燃機関の始動段階中において回転数が低い場合に、ポ
ンプによって生ぜしめられる搬送流が時間的な、場合に
より例えば周期的な、強い変動を受けることである。更
に公知の内燃機関においては、主搬送ポンプは圧力上昇
のためには利用されない。むしろ圧力は、例えば制御器
による相応する制御によって、弁を介して前搬送圧力に
減少せしめられる。それは、圧力が回転数、量、時点な
どの関数として、前搬送圧力とほぼ120バールとの間
で生ぜしめられ、このため噴射される燃料の量が計算可
能でないからである。
【0013】更に、直噴式機関(ガソリン、ディーゼ
ル)においては、噴射時間は時間的に制限されている。
それは、燃焼室の出口弁の閉鎖とシリンダ圧力が圧力貯
蔵器内の圧力よりも小さい時点との間でしか、噴射を行
うことができないからである。したがって噴射量にとっ
ては、圧力貯蔵器内に支配する燃料圧力が極めて重要な
値である。
【0014】更に、まさに低温スタートの場合には、汚
染物質がほとんどそのまま燃焼室から排出されるのであ
る。したがって、低温スタートの終了後に初めて効力を
もつEURO2−排気基準と異なって、これからのEURO3−排
気基準及びEURO4−排気基準においては、スタート時の
汚染物質についても考慮されることが予定されている。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】したがって本発明の根
底をなす課題は、最初に述べた形式の方法並びに相応す
る内燃機関を改善して、従来技術の前述の欠点が回避さ
れ、燃料を直接に燃焼室内に噴射する内燃機関におい
て、スタート運転の場合にも噴射される燃料が可及的に
正確にコントロールされるようにすることである。
【0016】
【課題を解決するための手段】この課題は、本発明によ
る方法においては、圧力センサを、前搬送ポンプにより
生ぜしめられる低圧によって、低圧範囲の測定のために
校正することによって解決される。この提案された校正
によって、圧力センサは今や低圧範囲においても高い測
定精度をもって使用することができ、ひいてはこの圧力
範囲においても、噴射量、換言すれば噴射時間のコント
ロールされた制御のために必要な圧力値を生ぜしめるこ
とができる。これにより既に内燃機関のスタート運転に
おいて、燃料を大きな精度で割り振ることができる。こ
れによってスタート時間が短く、確実になり、かつ汚染
物質の放出がわずかになり、その際付加的な製作費を必
要とすることはない。なぜなら、低圧範囲のための第2
の圧力センサ並びに相応して技術的に高価な制御がもは
や必要でないからである。主搬送ポンプは内燃機関の運
転の開始から接続させて、特に、全圧力スペクトル(ほ
ぼ4〜140バール)を可及的に早期にかつ完全に使い
尽くすことができる。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明による方法の有利な1つの
実施の形態によれば、圧力センサの校正を、内燃機関の
休止時に、特に内燃機関の遮断後に、行う。この場合校
正は内燃機関が遮断された直後に、主搬送圧力がゼロに
近づき、圧力貯蔵器内には単に前搬送ポンプによって生
ぜしめられた前搬送圧力しか支配しておらず、若しくは
もはや圧力が存在していないときに、行う。
【0018】1つの代替的な実施の形態によれば、圧力
センサの校正を、内燃機関のスタート直後に行う。この
場合、圧力センサの校正中に主搬送ポンプの圧力制御弁
を開き、これによりポンプを相応する時間的な遅れをも
ってスタートさせることが必要なことがある。
【0019】原則的には圧力センサの校正を、内燃機関
の遮断又はスタートが行われたごとに、あるいは単に規
則的な時間間隔をおいて、実施することができる。
【0020】本発明により提案された方法はこれによ
り、一面では、前搬送圧力のための良好に再現可能な圧
力値を生ぜしめ、その際最大の前搬送圧力は、例えばそ
の都度使用されている電気ポンプのデータシートから公
知のものとして前提することができる。他面では、方法
を実施するために、技術的な実現のための特別な費用、
例えば高価な制御システムを必要としない。
【0021】別の1つの代替的な実施の形態によれば、
圧力センサの校正を、主搬送ポンプの遮断、有利には一
時的な遮断、あるいは主制御弁の開放によって、行う。
この実施の形態の利点は、圧力センサの校正を内燃機関
の運転中に行うことができることである。もちろんこの
ことの前提は、例えば前述の均質運転において圧力貯蔵
器内の一時的な圧力低下を少なくとも短時間甘受するこ
とができる運転状態である。
【0022】更に、本発明の思想を展開させて、前搬送
圧力を測定し、かつ低圧範囲と高圧範囲との間で、圧力
センサにより発せられた圧力値の補間、特に直線的な補
間を行うことができる。これにより圧力センサの校正後
に、物理的に役立てられる全圧力範囲内で圧力測定を高
い測定精度で実施することができ、これによって、圧力
センサの本来の測定値(例えば電圧)と測定値から調べ
られる圧力値との間に直線的な関係があると仮定する
と、更に、高圧範囲における圧力測定の測定精度が増大
する。
【0023】本発明の別の1つの実施の形態では、特に
内燃機関のスタート運転中に、内燃機関の燃焼室内に噴
射される燃料質量を、燃料圧力と小さな若しくは無限小
の時間間隔との積の総計若しくは積分によって調べる。
特に低温スタートの際に、積分によって燃料を配分する
ことによって、その都度の圧力値のより高い精度に基づ
いて、噴射弁ひいては噴射される燃料量の更に正確な制
御が可能になる。
【0024】本発明により提案された制御器において
は、前記の課題を解決するために、圧力センサを、低圧
範囲の測定のために、前搬送ポンプにより生ぜしめられ
る前搬送圧力によって、校正するためのプロセッサ手段
が設けられている。
【0025】制御ユニットの1つの実施の形態によれ
ば、圧力センサから発せられる圧力値を、測定された前
搬送圧力の値と高圧力範囲のために定められている圧力
値との間で、補間するための手段が設けられている。
【0026】最後に、別の1つの実施の形態によれば、
それによって、内燃機関のスタート運転中に燃焼室内に
噴射された燃料質量が、燃料圧力と小さな若しくは無限
小の時間間隔との積の総計若しくは積分から計算可能で
あるところのプロセッサ手段が設けられている。
【0027】本発明の更なる特徴及び利点は図面に示し
た実施例についての以下の説明から明らかである。
【0028】
【実施例】図1は、特に自動車に使用するための本発明
による内燃機関の燃料供給システム1を示す。この内燃
機関は4つのシリンダ、ひいては4つの燃焼室を有して
いる。この内燃機関は、燃料、有利にはガソリン、が直
接に燃焼室内に噴射される内燃機関である。
【0029】燃料は内蔵された圧力制御器を有する前搬
送ポンプ2によって、燃料タンク3から燃料フィルタ4
を介して主搬送ポンプ5に搬送され、そこから燃料は圧
力室(圧力貯蔵器)6に送られる。前搬送ポンプ2及び
主搬送ポンプ5によって、圧力室6内には、燃料に作用
する比較的に高い圧力が存在する。
【0030】圧力室6には圧力制御弁7と圧力センサ8
とが接続されており、その際圧力センサによって、圧力
室6内に存在して燃料に作用する圧力を測定することが
できる。圧力センサ8は電気信号“prail”を生ぜ
しめ、この電気信号は圧力室6内で測定された圧力に相
応し、導線9を介して電気的な制御器10に供給され
る。圧力制御弁7及び圧力センサ8によって、圧力室6
内の圧力、要するに燃料に作用する圧力、を制御器10
によりほぼコンスタントな高い圧力に制御することがで
きる。
【0031】制御器10は有利にはプログラミング可能
なマイクロプロセッサであって、記憶器及びその他の必
要な構成部材を備えており、自動車内に内蔵されてい
る。この場合制御器10は本発明による方法を実施する
のに必要な信号を、なかんずくその都度のセンサ、例え
ば圧力センサ8、から受け取って、これから、例えばア
クチュエータの制御のため、例えば噴射弁11の、ある
いは圧力制御弁7の制御のために必要な信号を生ぜしめ
る。
【0032】圧力室6には、この実施例では4つの噴射
弁11が接続されている。噴射弁11のそれぞれは直接
に内燃機関の1つの燃焼室に配属されている。閉じた噴
射弁11によって、圧力室6はその都度の燃焼室から分
離される。電気導線12を介して、噴射弁11は制御器
10と接続されている。噴射弁11の1つを制御するた
めに、制御器10は電気信号tiを生ぜしめ、この電気
信号により、相応する噴射弁がその開かれた状態に制御
される。信号tiの長さは噴射期間に相応し、この噴射
期間中に燃料が圧力室6から相応する噴射弁11を介し
て内燃機関の所属の燃焼室内に噴射される。
【0033】ところで図示の内燃機関においては、電気
的な前搬送ポンプが設けられており、この前搬送ポンプ
は機関回転数に無関係なほぼ4バールの圧力を生ぜしめ
る。この圧力は、内燃機関により直接に駆動される主搬
送ポンプによって、ほぼ40〜120バールの高圧にさ
れる。これによりこの高圧は大体において、機関回転数
及びポンプピストンの数に関連している。
【0034】機械的な圧力センサは高圧範囲で使用する
ように、例えば140バールの圧力に対して使用するよ
うに、構成されている。すなわち機械的な圧力センサは
最大の精度を、設けられている圧力発生器の最大行程で
有している。高圧の範囲では測定誤差は最大圧力値のほ
ぼ3%である。本来の測定信号(電圧U)と発せられる
圧力値との間の直線性を仮定すると、このことは、最大
のふれにおいては、測定された圧力値のほぼ3%の精度
を意味する。これにより低圧範囲、例えば最大圧力の1
0分の1(14バール)においては、測定された圧力値
の30%の相対的誤差が生じる。これにより圧力はこの
範囲においては単に不充分な精度でしか把握されない。
【0035】ガソリンの直噴においては、まず、前搬送
圧力が形成される。この圧力は内燃機関が休止している
場合には変化せしめられない。これによって圧力発生器
はこの休止状態では前搬送圧力(例えば4バール)で校
正、換言すれば目盛り付け、をすることができる。
【0036】図2のaにおいては、本発明による内燃機
関(1)の圧力室(6)(=圧力貯蔵器)内にスタート
運転中に存在する圧力経過の典型的な時間的経過が示さ
れている。内燃機関のスタート時(t=0)において、
代替的に、圧力室内に支配する圧力に関する2つの異な
った出発条件が存在することができる。
【0037】通常の場合、それも内燃機関がスタートの
前に充分に長く運転されておらず、したがって圧力室内
にその間にほぼ1バールの通常圧力(周囲圧力)が生ぜ
しめられている場合に、出発圧力はゼロになる。この場
合、校正中に主搬送ポンプ(5)が主制御弁の開放によ
って何ら付加的な圧力を形成せず、したがって最初は単
にほぼ4バールの前搬送圧力だけが形成若しくは生ぜし
められるようにすることができる。校正は破線で仕切っ
た時間窓内で行うことができる。次いで、校正が行われ
た後に、主搬送ポンプを追加接続することができ、これ
により圧力が図2のaに示した経過に相応して増大す
る。
【0038】スタート運転のこの時間枠は普通はほぼ2
ないし5秒である。この時間枠の内部において、圧力は
出発値から、主搬送ポンプによって生ぜしめられるほぼ
120〜140バールの最大圧力に上昇する。図示の線
図は2つの大きさ範囲を包含している圧力範囲をy軸に
プロットしてある。
【0039】ところで本発明にとって更に重要なこと
は、内燃機関のスタート段階中の主搬送ポンプの搬送圧
力にとって特徴的な経過であり、この経過は大体におい
て、主搬送ポンプが内燃機関によって機械的に駆動され
ていることから生ずるものである。これにより波状の若
しくは脈動する経過は機関回転数にほぼ関連しており、
機関回転数はスタート運転においては同じように変動す
る。いずれにせよこの圧力変動は、スタート段階中に正
確な圧力値を、知られている高圧値から、直線的な外挿
によって簡単に得ることができないことの原因であり、
これにより、比較的に大きな圧力変動にもかかわらず、
コントロール可能な燃料量を燃焼室内に噴射し得るよう
にするために、低圧範囲においても可及的に正確な圧力
測定が必要である。
【0040】例外的な場合には代替的に、内燃機関のス
タートの際に、例えば内燃機関の遮断後、比較的に短い
時間で新しいスタート(暖機時スタート)が行われる場
合に、まだほぼ4バールの前搬送圧力が存在しているこ
とがある。すなわち、比較的に短い期間、例えば数秒か
ら数分の範囲の期間内では、先行する遮断の後に圧力室
内にまだ支配している前搬送圧力がまだ消滅せず、その
場合本発明による校正のために直接に役立てられること
がある。この場合においても、校正は図2のaにおいて
破線で仕切った時間窓内で行うことができる。
【0041】ところで図2のbは、図2のaに相応して
いるが、しかし内燃機関の遮断後の圧力貯蔵器内の圧力
経過を示した線図である。この線図は可能な圧力値の大
きさが目盛られているために、図2のaに相応するよう
に目盛りが中断されている。内燃機関の遮断後、ほぼ1
〜5秒で、圧力室(6)内にほぼ4バールの前搬送圧力
が生じ、破線で仕切った時間窓内で本発明による校正を
実施することができる。更に、この時間線図はx軸にお
いても目盛りの中断を有している。なぜならほぼ数分
(あるいはそれ以上)の長い時間後に圧力室(6)内
に、例えば漏えいに基づいてほぼ1バールの周囲圧力が
生じるからである。したがって校正は、過度に遅く行わ
れることがないようにする。代替的に機関の遮断後に前
搬送ポンプを短時間再び接続して、これにより4バール
の圧力を形成することができる。この場合主弁は閉じら
れている。この場合の利点は、「リタードレス」システ
ムにおいても、惰走において圧力を低圧力範囲内に読み
とることができることである。
【0042】最後に図3は、低圧範囲における圧力セン
サ(8)の、直線的な外挿による校正若しくは目盛り付
けの例を示す。この場合圧力センサの本来の測定信号、
すなわち電圧U、はその都度所属の絶対圧力値で校正若
しくは目盛り付けされる。この例では校正は、高圧範囲
で知られている値、特に最大圧力、と、定圧範囲におい
て前搬送圧力で得られた値、やはり特に最大の前搬送圧
力、との間の直線的な補間によって行われる。これらの
値は例えばデータシートから取り出すことができ、ある
いは別個の目盛り付けステップで把握することができ
る。更に、これらの値、特に低圧値、は複数の測定値の
適当な平均によって得ることができ、その際複数の測定
値は種々の時間において得られた測定によることができ
る。更に補間は、例えば特性曲線が非直線的な経過(電
圧U対圧力p)である場合に、非直線的に行うこともで
きる。
【0043】本発明による方法及び相応する制御器は、
直噴式ガソリン機関の場合には、本出願人が開発し、販
売している点火と噴射の統合制御システム「モトロニッ
ク」の一部として補足することができ、あるいはディー
ゼル機関技術の場合には公知の制御ユニットにおいて適
用することができる。もちろん強調すべきことは、本発
明により提案された方法及び制御器の使用は自動車工業
の範囲に限定されるものではなく、請求項上位概念に記
載した直噴内燃機関が使用されるすべての場合、例えば
これからの発電機又は船舶用機関において、使用される
ことである。しかしながら本発明による方法及び相応す
る制御器は、主として、比較的に頻繁に接続及び遮断し
なければならない内燃機関及び又は燃焼が比較的に幅広
い圧力範囲内で行われる内燃機関、例えば前述の層運転
において運転することのできる内燃機関において使用さ
れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による自動車内燃機関の1実施例のブロ
ック線図である。
【図2】aはスタート運転中に本発明による内燃機関の
圧力貯蔵器内における圧力経過の典型的な時間経過を示
し、bはaに相応しているが、内燃機関の遮断後の圧力
経過の時間経過を示す。
【図3】本発明による内燃機関の圧力センサの、低圧範
囲における直線的な外挿による校正を例示する。
【符号の説明】
1 燃料供給システム、 2 前搬送ポンプ、 3 燃
料タンク、 4 燃料フィルタ、 5 主搬送ポンプ、
6 圧力室(圧力貯蔵器)、 7 圧力制御弁、 8
圧力センサ、 9 導線、 10 制御器、 11
噴射弁、 12導線、 prail 電気信号、 ti
電気信号
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F02M 63/00 F02M 63/00 U

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃料が低圧範囲で働く前搬送ポンプ
    (2)と高圧範囲で働く主搬送ポンプ(5)とによって
    圧力貯蔵器(6)内に搬送され、この圧力貯蔵器(6)
    から少なくとも1つの噴射弁(11)によって直接に内
    燃機関(1)の燃焼室内に噴射され、その際圧力貯蔵器
    (6)内で燃料に作用する圧力が、高圧範囲のために構
    成されている圧力センサ(8)によって測定される形式
    の特に自動車の内燃機関(1)を運転する方法におい
    て、圧力センサ(8)を、前搬送ポンプ(2)により生
    ぜしめられる低圧によって、低圧範囲の測定のために校
    正することを特徴とする、特に自動車の直噴式内燃機関
    を運転する方法。
  2. 【請求項2】 圧力センサ(8)の校正を、内燃機関
    (1)の休止時に、特に内燃機関の遮断後に、行うこと
    を特徴とする、請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 圧力センサ(8)の校正を、有利には制
    御弁を開いた状態で、主搬送ポンプ(5)の遮断、有利
    には一時的な遮断、によって行うことを特徴とする、請
    求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】 圧力センサ(8)の校正を、内燃機関
    (1)の休止時に、かつ主制御弁を開いた状態で、前搬
    送ポンプ(2)の接続によって行うことを特徴とする、
    請求項1記載の方法。
  5. 【請求項5】 前搬送圧力を測定し、かつ低圧範囲と高
    圧範囲との間で、圧力センサ(8)により発せられた圧
    力値の補間、特に直線的な補間を行うことを特徴とす
    る、請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。
  6. 【請求項6】 特に内燃機関(1)のスタート運転中
    に、内燃機関の燃焼室内に噴射される燃料質量を、燃料
    圧力と小さな若しくは無限小の時間間隔との積の総計若
    しくは積分によって調べることを特徴とする、請求項1
    から5までのいずれか1項記載の方法。
  7. 【請求項7】 特に自動車の内燃機関(1)の制御器
    (10)のための制御エレメント、特にROMであっ
    て、その上に、計算器上で、特にマイクロプロセッサ上
    で、実施可能なプログラムが貯蔵されていて、請求項1
    から5までのいずれか1項記載の方法を実施するのに適
    している、制御エレメント。
  8. 【請求項8】 燃焼室を有し、この燃焼室内に燃料が低
    圧範囲で働く前搬送ポンプ(2)と高圧範囲で働く主搬
    送ポンプ(5)とによって、圧力貯蔵器(6)を介し
    て、かつ少なくとも1つの噴射弁(11)により直接に
    噴射可能であり、かつ燃料に作用する圧力が、高圧範囲
    のために構成されている圧力センサ(8)によって測定
    可能である形式の特に自動車の内燃機関(1)のための
    制御器において、圧力センサ(8)を、低圧範囲の測定
    のために、前搬送ポンプ(2)により生ぜしめられる前
    搬送圧力によって、校正するためのプロセッサ手段が設
    けられていることを特徴とする、内燃機関のための制御
    器。
  9. 【請求項9】 圧力センサ(8)から発せられる圧力値
    を、測定された前搬送圧力の値と高圧力範囲のために定
    められている圧力値との間で、補間するための手段が設
    けられていることを特徴とする、請求項8記載の制御
    器。
  10. 【請求項10】 それによって、内燃機関(1)のスタ
    ート運転中に燃焼室内に噴射された燃料質量が、燃料圧
    力と小さな若しくは無限小の時間間隔との積の総計若し
    くは積分から計算可能であるところのプロセッサ手段が
    設けられていることを特徴とする、請求項8又は9記載
    の制御器。
  11. 【請求項11】 請求項1から6までのいずれか1項記
    載の方法にしたがって働き、かつ又は、請求項7による
    制御エレメント並びに請求項8から10までのいずれか
    1項記載の制御器(10)がそれに設けられているとこ
    ろの内燃機関。
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