JP2000248148A - ブロー成形用熱可塑性樹脂組成物およびそのブロー成形品 - Google Patents

ブロー成形用熱可塑性樹脂組成物およびそのブロー成形品

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JP2000248148A JP11052407A JP5240799A JP2000248148A JP 2000248148 A JP2000248148 A JP 2000248148A JP 11052407 A JP11052407 A JP 11052407A JP 5240799 A JP5240799 A JP 5240799A JP 2000248148 A JP2000248148 A JP 2000248148A
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高男 柴田
Kazuaki Hashimoto
和明 橋本
Shigemi Matsumoto
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ブロー成形品の表面性に優れ、同時にブロー
成形加工性、耐衝撃性のバランスに優れたブロー成形体
を与える熱可塑性樹脂組成物を提供する。 【解決手段】 (A)重量平均粒子径が0.3〜1.0
μmのゴム状重合体40〜95重量部にビニル系化合物
60〜5重量部を重合させる際に、シアン化ビニル化合
物10〜40重量%、芳香族ビニル化合物60〜90重
量%、他の共重合可能なビニル化合物を0〜30重量%
を反応させてなるグラフト共重合体80〜5重量部と、
(B)シアン化ビニル化合物10〜40重量%、芳香族
ビニル化合物60〜90重量%、他の共重合可能なビニ
ル化合物0〜30重量%を反応させてなる共重合体20
〜95重量部からなりかつメチルエチルケトン可溶分の
還元粘度が0.8〜1.2dl/gである請求項1記載
のブロー成形用ABS系樹脂組成物を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ブロー成形品の表
面性に優れかつブロー成形加工性、耐衝撃性のバランス
に優れたブロー成形用ABS系樹脂組成物およびそれか
らなるブロー成形品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、ボトルなどを得るためのブロ
ー成形(吹込成形)用材料としては、高密度ポリエチレ
ン、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレンおよ
びポリ塩化ビニルなどの熱可塑性樹脂が用いられてい
る。また最近では、エアーダクトおよび照明用器具など
の電気・電子部品、エアースポイラーおよびコンソール
などの自動車用部品、机の天板などの家具などを得るた
めには、熱的性質および機械的性質に優れた、いわゆる
エンジニアリングプラスチック(例えば、特開平7−0
32454号公報に記載のものなど)が用いられる。従
来、特開平3−243646号公報に記載のブロー成形
用樹脂組成物は、ブロー成形品の塗装性を改良している
ものの、得られるブロー成形品では成形品表面に小さい
ながらも多量の凹(以降ヘコ)が発生し、エアースポイ
ラーの様に平滑な塗装表面を要求される用途では、サン
ディングによる二次加工が必要となるケースが多かっ
た。そこで、ブロー成形用金型の表面をシボ面化した
り、特開平7−108534号公報のように、加熱する
手段と冷却する手段を備えたブロー成形用金型が提案さ
れている。しかし、このようなブロー成形用金型は高価
なばかりでなく、成形サイクルが従来に比べ長くなり生
産性を犠牲にするだけでなく、必ずしも満足できる状況
に至っていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ブロー成形
品の艶消し表面をもち、かつ表面性に優れ、同時にブロ
ー成形加工性、耐衝撃性のバランスに優れるABS系樹
脂組成物およびそのブロー成形品を提供することを目的
とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】これらの課題を解決する
ため本発明者らは鋭意検討した結果、特定の粒子径を有
するゴム状重合体を用いたグラフト共重合体(A)と特
定の還元粘度を有するビニル系共重合体(B)とを配合
して得た組成物が、ブロー成形品の表面を均一にし、サ
ンディング工程をなくし塗装を行っても良品を得ること
が出来、しかも耐衝撃性、ブロー成形加工性に優れるこ
とを見出し本発明を完成するに至った。本発明における
重量平均粒子径は、超薄膜切片(500〜1000Å)
による透過型電子顕微鏡により測定された値である。
【0005】即ち、本発明の第1は、(A)重量平均粒
子径が0.3〜1.0μmのゴム状重合体40〜95重
量部にビニル系化合物60〜5重量部を重合させる際
に、シアン化ビニル化合物10〜40重量%、芳香族ビ
ニル化合物60〜90重量%、他の共重合可能なビニル
化合物0〜30重量%を反応させてなるグラフト共重合
体80〜5重量部と、(B)シアン化ビニル化合物10
〜40重量%、芳香族ビニル化合物60〜90重量%、
他の共重合可能なビニル化合物0〜30重量%を反応さ
せてなる共重合体20〜95重量部からなりかつメチル
エチルケトン可溶分の還元粘度が0.8〜1.2dl/
gの範囲である組成物を、本発明の第2は、上記熱可塑
性樹脂組成物をブロー成形してなる艶消し表面をもった
熱可塑性樹脂ブロー成形品を、それぞれ内容とする。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明のグラフト共重合体(A)
は、重量平均粒子径が0.3〜1.0μmのゴム状重合
体40〜95重量部にビニル系化合物60〜5重量部を
重合させる際に、シアン化ビニル化合物10〜40重量
%、芳香族ビニル化合物60〜90重量%、他の共重合
可能なビニル化合物0〜30重量%を反応させてなるグ
ラフト共重合体である。このグラフト共重合体(A)に
おいて、ゴム状重合体の重量平均粒子径は0.3〜1.
0μmの範囲が好ましい。より好ましくは0.3〜0.
95μmであり、更に好ましくは0.33〜0.9μm
である。0.3μm未満ではブロー成形品表面が均一に
ならずヘコが多量に発生し、1.0μmを越えるとグラ
フト共重合体を重合させる際重合安定性が低下するので
好ましくない。ゴム状重合体が、40重量部未満では耐
衝撃性が低下し、95重量部を越えると成形加工性が低
下するので好ましくない。
【0007】シアン化ビニル化合物が10重量%未満で
は耐衝撃性が低下し、40重量%を越えると成形時の熱
着色が生じるので好ましくない。芳香族ビニル化合物が
60重量%未満では成形加工性の低下が生じ、90重量
%を越えると耐衝撃性が低下するので好ましくない。グ
ラフト共重合体(A)で使用されるゴム状重合体は、ポ
リブタジエン、ブタジエン−スチレン共重合体(SB
R)、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体(NB
R)、ブタジエン−アクリル酸エステル共重合体などの
ジエン系ゴム、スチレン−プロピレン共重合体(EP
R)、エチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合体
(EPDM)などのオレフィン系ゴム、ポリブチルアク
リレート、ポリ2−エチルヘキシルアクリレートなどの
アクリル系ゴム、シリコンゴム、シリコン−アクリル複
合ゴムなどのシリコーン系ゴムなどが挙げられ、特に好
ましくはポリブタジエンである。シアン化ビニル化合物
としては、アクリロニトリル、メタクリルニトリルなど
が挙げられ、芳香族ビニル化合物としては、スチレン、
α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、クロロスチ
レン、ブロモスチレン、ビニルナフタレンなどが挙げら
れる。さらに共重合可能なビニル化合物としては、メチ
ルメタクリレート、エチルメタクリレート、ブチルアク
リレート、2−エチルヘキシルアクリレート、メチルメ
タクリレート、エチルメタクリレート、ブチルメタクリ
レートなどの(メタ)アクリル酸エステルやマレイミ
ド、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N
−プロピルマレイミド、N−ブチルマレイミド、N−フ
ェニルマレイミド、N−(p−メチルフェニル)マレイ
ミドなどが挙げられる。
【0008】本発明における共重合体(B)において、
シアン化ビニル化合物は10〜40重量%が好ましく、
10重量%未満では耐衝撃性が低下し、40重量%を越
えると成形時の熱着色が生じるので好ましくない。芳香
族ビニル化合物は90〜60重量%が好ましく、60重
量%未満では成形加工性の低下が生じ、90重量%を越
えると耐衝撃性が低下するので好ましくない。シアン化
ビニル化合物としては、アクリロニトリル、メタクリル
ニトリルなどが挙げられ、芳香族ビニル化合物として
は、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレ
ン、クロロスチレン、ブロモスチレン、ビニルナフタレ
ンなどが挙げられる。さらに共重合可能なビニル化合物
としては、メチルメタクリレート、エチルメタクリレー
ト、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレ
ート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、
ブチルメタクリレートなどの(メタ)アクリル酸エステ
ル、マレイミド、N−メチルマレイミド、N−エチルマ
レイミド、N−プロピルマレイミド、N−ブチルマレイ
ミド、N−フェニルマレイミド、N−(p−メチルフェ
ニル)マレイミドなどが挙げられる。上記グラフト共重
合体(A)および共重合体(B)の製造法は特に限定さ
れず、乳化重合法、懸濁重合法、溶液重合法等が適用で
きるが、乳化重合法がゴム粒子の粒子径をコントロール
しやすく、成形体の耐衝撃性の点から好ましく用いられ
る。乳化重合法は通常の方法が適用可能である。即ち前
記化合物を水性媒体中、ラジカル開始剤の存在下に反応
させればよい。その際、前記化合物を混合物として使用
しても、また必要に応じ、分割して使用してもよい。更
に、前記化合物の添加方法としては一度に全量仕込んで
も、また逐時添加してもよく、特に制限されるものでは
ない。
【0009】ラジカル開始剤としては過硫酸カリ、過硫
酸アンモニウム、キュメンハイドロパーオキサイド、パ
ラメンタンハイドロパーオキサイドなどの水溶性または
油溶性の過酸化物が挙げられる。その他重合促進剤、重
合度調整剤、乳化剤も公知の乳化重合法で使用されてい
るものを適宣選択しうる。
【0010】本発明のグラフト共重合体(A)と共重合
体(B)からなる組成物の成形品表面性、耐衝撃性、耐
熱性、剛性、および成形加工性は、前記(A)、(B)
の組成、重合度のみならず、それらのブレンド比率によ
って左右される。従って目的とする特性を得るためにブ
レンド比率を決定すればよいが、グラフト共重合体
(A)が、80〜5重量部、共重合体(B)が20〜9
5重量部の配合が好ましい。即ち、グラフト共重合体
(A)が80重量部を越えると成形加工性、剛性、耐熱
変形性が低下し好ましくなく、5重量部未満では耐衝撃
性が低下し好ましくない。
【0011】グラフト共重合体(A)と共重合体(B)
からなる本発明組成物のメチルエチルケトン可溶分の還
元粘度が0.8〜1.2dl/g(N,N−ジメチルホ
ルムアミド0.3%溶液、30℃)の範囲が好ましい。
より好ましくは0.8〜1.1dl/gであり、更に好
ましくは0.8〜1.0dl/gである。0.8dl/
g未満ではブロー成形品の表面光沢が5%以下の表面性
に優れた艶消し表面にならず、1.2dl/gを越える
とブロー成形性が低下する。
【0012】樹脂組成物の成分や配合物のブレンド、そ
の造粒化(ペレット化)、ブロー成形はそれ自体公知の
方法で実施すればよい。例えば、グラフト共重合体
(A)と共重合体(B)の各々のラテックスの混合物を
塩析し、凝固、脱水、乾燥して得たパウダーをヘンシェ
ルミキサーで混合し、単軸または多軸の押出機で溶融押
出しペレット化し、ブロー成形してもよい。
【0013】また、熱可塑性樹脂組成物には、滑剤、酸
化防止剤、タルク、アルカリ金属の水酸化物または炭酸
塩、更に必要に応じて、顔料、可塑剤、紫外線吸収剤、
光安定剤などを1種または2種以上混合してもよい。
【0014】前記樹脂組成物は、スチレン系樹脂、ポリ
カーボネート、ポリアミド、ポリブチレンテレフタレー
ト等の1種または2種以上と組み合わせて用いてもよ
い。前記スチレン系樹脂としては、一般用(GP)ポリ
スチレン、耐衝撃性(HIPS)ポリスチレン、スチレ
ンとアクリロニトリルとの共重合体であるAS樹脂、ス
チレン−ブタジエン−アクリロニトリルからなるABS
樹脂、前記ABS樹脂のスチレンの一部または大部分を
α−メチルスチレンまたはマレイミド等に置き換えた耐
熱ABS樹脂、前記ブタジエンをエチレン−プロピレン
系ゴムやポリブチルアクリレート等に置き換えた(耐
熱)AES樹脂や(耐熱)AAS樹脂等のABS系樹
脂、前記ブタジエンをシリコーンゴム、シリコーン−ア
クリル複合ゴムに置き換えた(耐熱)ABS系樹脂が挙
げられる。
【0015】ブロー成形成形方法としては、通常のブロ
ー成形の他、シートパリソン法、コールドパリソン法、
ボトルパック法、インジェクションブロー成形法、延伸
ブロー成形法など各種の方法があるが、いずれの方法も
採用できる。このブロー成形工程では、ブローアップ
性、表面性等の点から、得られた樹脂組成物を200℃
以上のパリソンまたはシートでブロー成形することが好
ましい。更に、より良い効果を得るためには、パリソン
およびシートを膨らませる際に、空気に代えて、窒素、
二酸化炭素、ヘリウム、アルゴン、ネオンなどの不活性
ガスを用いてもよい。
【0016】本発明の熱可塑性樹脂組成物は、上記のよ
うなブロー成形に特に好適であるが、押出成形において
もブロー成形の場合と同様、優れた成形品を提供するこ
とが出来る。
【0017】
【実施例】以下に実施例および比較例を示すが、本発明
はこれらに何ら限定されるものではない。なお、本実施
例および比較例における評価方法を以下にまとめて示
す。 (還元粘度)えられたペレットをメチルエチルケトンに
23℃で12時間溶解させたのち、遠心分離し、可溶分
をメタノールで析出させた。析出物を真空乾燥機で乾燥
させ、サンプルをえた。えられたサンプルをN,N−ジ
メチルホルムアミド0.3%溶液とし、ウベ・ローデ粘
度計で30℃で測定した。 (熱変形温度:HDT)ASTM D−648に準拠し
て4.6kg/cm2荷重で測定した。 (曲げ強度および曲げ弾性率)ASTM D−790に
準拠して23℃で測定した。 (ブロー成形評価)得られたペレット状の樹脂組成物を
プラコー(株)製のDA−50型ブロー成形機でブロー
成形し、成形体をえた。成形条件は、パリソン温度が約
240℃、射出速度(指数)が150、スクリュー回転
数が60rpm、ブロー圧が6kg/cm2G(エ
ア)、冷却時間が100秒、金型温度が60℃であっ
た。得られたブロー成形体について、以下の評価を行っ
た。
【0018】ドローダウン性 パリソンを長さ約500mm(パリソン重量500g)
を射出後放置し、パリソンがダイスからはずれ、落下す
るまでの時間を測定し評価した。 ○:パリソン射出後、パリソン落下までの時間が60秒
をこえる。 △:パリソン射出後、パリソン落下までの時間が20〜
60秒。 ×:パリソン射出後、パリソン落下までの時間が20秒
未満。
【0019】表面外観 (W)60×(L)400×(H)30(mm)、平均
肉厚3.5mmの箱型状ブロー成形を用い、成形品表面
に40×80(mm)の長方形を描き、長方形内のヘコ
(大きさは、0.02〜0.2mm)を目視で数え、長方
形5点のヘコ数の平均値を求めた。以下の基準により評
価した。 ○:平均ヘコ数が1個以下である。 ×:平均ヘコ数が1個以上である。
【0020】表面光沢 60(W)×400(L)×30(H)(mm)、平均
肉厚3.5mmの箱型状ブロー成形体を得て、その成形
体表面の60度反射率(%)を測定した。 落錘強度 外径70mm、長さ400mm、平均肉厚3.2mmの
円筒状ブロー成形体を用い、−30℃での落錘強度(錘
の重量×半数破壊高さ(kg・m))を測定した。な
お、以下に示す「部」はいずれも「重量部」を意味す
る。 (実施例1)攪拌機付き重合器に、水280部および重
量平均粒子径0.35μm、ゲル分率90%のポリブタ
ジエンラテックス60部(固形分換算)、ナトリウムホ
ルムアルデヒドスルホキシレート0.3部、硫酸第一鉄
0.0025部、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム
0.01部を仕込み、脱酸素後、窒素気流中で撹拌しな
がら60℃に加熱した後、アクリロニトリル10部、ス
チレン30部、キュメンハイドロパーオキサイド0.3
部からなる単量体混合物を60℃で5時間かけて連続的
に滴下した。滴下終了後、重合温度を65℃にし、1時
間撹拌続けた後、重合を終了させ、グラフト共重合体
(I)のラテックスをえた。重合転化率は98%、グラ
フト率は50%であった。また、別途撹拌機付き重合容
器に、水250部およびアルキルベンゼンスルホン酸ナ
トリウム2部を仕込み、脱酸素後、窒素気流中で撹拌し
ながら70℃まで加熱した。さらに過硫酸カリウム0.
2部を添加した後、アクリロニトリル29部、スチレン
71部、t−ドデシルメルカプタン0.15部からなる
単量体混合物を、重合温度70℃で連続的に7時間かけ
て滴下した。滴下終了後、重合温度を75℃にし、1時
間撹拌を続けて重合を終了させ、共重合体(I)のラテ
ックスをえた。重合転化率は98%であった。グラフト
共重合体(I)30部と共重合体(I)70部とをラテ
ックスのまま混合した。得られた混合物を塩化カルシウ
ムで塩析し、洗浄、濾過および乾燥工程を経てパウダー
状の樹脂組成物(1)をえた。えられたパウダー状の樹
脂組成物(1)100部に対して、リン系安定剤(アデ
カスタブHP−10、旭電化工業(株)製)0.3部、
フェノール系安定剤(アデカスタブAO−30旭電化工
業(株)製)0.3部、滑剤としてエチレンビスステア
リルアミド0.5部、タルク(ミクロエースL−1、日
本タルク(株)製)0.5部、アルカリ金属の水酸化物
として水酸化カルシウム(スーパーミクロスター、丸尾
カルシウム(株)製)1.0部を添加し、ヘンシェルミ
キサーで混合し、ベント式単軸押出機(HV−40−2
8、田端機械工業(株)製)で270℃の設定温度で押
し出し、樹脂組成物(1)のペレットをえた。得られた
樹脂組成物(1)は、MEK可溶分の還元粘度0.98
dl/g、HDT(ブロー成形体を切り出してテストピ
ースを作成し測定した)104℃、曲げ強度(ブロー成
形体を切り出してテストピースを作成し測定した)73
0kg/cm2、曲げ弾性率23000kg/cm2であ
った。その他、ドローダウン性、表面外観、表面光沢、
落錘強度を測定した。結果を表1に示す。 (実施例2)共重合体(I)のかわりに、下記の方法で
製造した共重合体(II)を用いた以外は実施例1と同様
にして行った。えられた樹脂組成物(2)は、MEK可
溶分の還元粘度0.85dl/g、HDT115℃、曲
げ強度740kg/cm2、曲げ弾性率23500kg
/cm2であった。ドローダウン性、表面外観、表面光
沢、落錘強度を測定した。結果を表1に示す。共重合体
(I)の単量体混合物をα−メチルスチレン50部、ア
クリロニトリル20部およびスチレン30部に変更して
製造した共重合体(II)を共重合体(I)のかわりに用
いた以外は実施例1と同様にして行った。共重合体(I
I)の重合転化率は97%であった。 (実施例3)共重合体(II)35部とグラフト共重合体
(I)65部に配合を変更した以外は実施例1と同様に
して行った。えられた樹脂組成物(3)のMEK可溶分
の還元粘度は0.86dl/g、HDTは93℃、曲げ
強度は320kg/cm2、曲げ弾性率は10500k
g/cm2であった。その他の特性値を同様に測定し
た。結果を表1に示す。 (実施例4)グラフト共重合体(I)のかわりに、下記
の方法で製造したグラフト共重合体(II)を用いた以外
実施例1と同様にして行った。得られた樹脂組成物
(4)は、MEK可溶分の還元粘度0.97dl/g、
HDT116℃、曲げ強度745kg/cm2、曲げ弾
性率24000kg/cm2であった。同様にその他の
測定結果を表1に示す。グラフト共重合体(II)の重量
平均粒子径0.8μm、ゲル分率88%のポリブタジエ
ンラテックスを70部(固形分換算)、アクリロニトリ
ル7部、スチレン23部からなる単量体混合物に変更し
て製造したグラフト共重合体(II)をグラフト共重合体
(I)のかわりに用いた以外は実施例1と同様にして行
った。グラフト共重合体(II)の重合転化率は98%、
グラフト率は40%であった。 (実施例5)共重合体(I)のかわりに、下記の方法で
製造した共重合体(III)を用いた以外は実施例1と同
様にして行った。えられた樹脂組成物(5)は、MEK
可溶分の還元粘度0.90dl/g、HDT125℃、
曲げ強度750kg/cm2、曲げ弾性率24500k
g/cm2であった。ドローダウン性、表面外観、表面
光沢、落錘強度を測定した。結果を表1に示す。共重合
体(I)の単量体混合物をフェニルマレイミド23部、
アクリロニトリル20部およびスチレン57部に変更し
て製造した共重合体(III)を共重合体(I)のかわり
に用いた以外は実施例1と同様にして行った。共重合体
(III)の重合転化率は97%であった。 (比較例1)グラフト共重合体(I)のかわりに、以下
の方法で製造したグラフト共重合体(III)を用いた以
外実施例1と同様にして行った。えられた樹脂組成物
(6)は、MEK可溶分の還元粘度0.99dl/g、
HDT105℃、曲げ強度725kg/cm2、曲げ弾
性率23000kg/cm2であった。同様にその他の
測定結果を表1に示す。グラフト共重合体(I)の重量
平均粒子径0.25μm、ゲル分率90%のポリブタジ
エンラテックス60部(固形分換算)に変更して製造し
たグラフト共重合体(III)をグラフト共重合体(I)
のかわりに用いた以外は実施例1と同様にして行った。
グラフト共重合体(III)の重合転化率は98%、グラ
フト率は42%であった。 (比較例2)共重合体(I)のかわりに、共重合体(I
V)を用いた以外は実施例1と同様にして行った。えら
れた樹脂組成物(7)は、MEK可溶分の還元粘度0.
75dl/g、HDT104℃、曲げ強度730kg/
cm2、曲げ弾性率23000kg/cm2であった。同
様にその他の測定結果を表1に示す。共重合体(I)の
単量体混合物をアクリロニトリル29部、スチレン71
部、t−ドデシルメルカプタン0.3部に変更して製造
した共重合体(IV)を共重合体(I)のかわりに用いた
以外は実施例1と同様にして行った。共重合体(IV)の
重合転化率は98%であった。
【0021】
【表1】 表1の結果から明らかのように、本発明のブロー成形用
樹脂組成物はブロー成形品の表面性、ブロー成形加工性
に優れていることがわかる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F208 AA13 AA14 AA45 AG07 AR12 AR17 LB01 LG01 4J002 BC06X BC09X BC11X BC13X BG10X BG11X BN14W BN15W FD010

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)重量平均粒子径が0.3〜1.0μ
    mのゴム状重合体40〜95重量部にビニル系化合物6
    0〜5重量部を重合させる際に、シアン化ビニル化合物
    10〜40重量%、芳香族ビニル化合物60〜90重量
    %、他の共重合可能なビニル化合物を0〜30重量%を
    反応させてなるグラフト共重合体80〜5重量部と、
    (B)シアン化ビニル化合物10〜40重量%、芳香族
    ビニル化合物60〜90重量%、他の共重合可能なビニ
    ル化合物0〜30重量%を反応させてなる共重合体20
    〜95重量部からなりかつメチルエチルケトン可溶分の
    還元粘度が0.8〜1.2dl/gである請求項1記載
    のブロー成形用ABS系樹脂組成物。
  2. 【請求項2】請求項1記載のブロー成形用ABS樹脂組
    成物を成形してなるブロー成形品。
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