JP3335061B2 - カレンダー加工用樹脂組成物およびそれから得られるシート状成形品 - Google Patents
カレンダー加工用樹脂組成物およびそれから得られるシート状成形品Info
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Description
適した樹脂組成物およびそれから得られるシート状成形
品に関する。
ニトリル-スチレン共重合体いわゆるABS樹脂、およ
びそれに類するゴム変性熱可塑性樹脂は、優れた成形加
工性を有しており、また優れた機械的強度や耐薬品性を
も合わせ持つことから幅広い用途分野で使用されてい
る。他方、薄いシート状物を成形するには、カレンダー
加工法が最も生産性が高い。そこで、カレンダー加工に
よりABS樹脂をその性能を損なうことなくシート状物
に成形したいという要望があった。しかしながらABS
樹脂は、加熱ロール上でのバンク(原料樹脂)の回り方
が不規則となり得られるシート状物の表面が荒れて外観
が悪くなる(バンク回りが悪い)、あるいは高温ロール
に巻き付いて剥がれにくくなる(ロールからの剥離性が
悪い)といった問題があるため、カレンダー加工による
ABS樹脂のシート状物の成形は困難なのが現状であっ
た。
能であることから、カレンダー加工が可能になればより
多くの分野で利用が可能となる。それゆえ、ABS樹脂
本来の性能を損なわず、かつバンク回りやロールからの
剥離性の良い、カレンダー加工に適したABS樹脂の開
発が望まれていた。
解決する樹脂組成物を提供するためのものである。
共役ジエン系単位を主成分とするゴム状(共)重合体2
5〜70重量%に、シアン化ビニル化合物10〜45重
量部および芳香族ビニル化合物55〜90重量部からな
る混合物30〜75重量%がグラフト重合されてなるグ
ラフト共重合体ゴム(I−1)10〜90重量部とシア
ン化ビニル化合物単位10〜45重量%および芳香族ビ
ニル化合物単位55〜90重量%からなる共重合体(I
−2)10〜90重量部とからなるゴム変性熱可塑性樹
脂(I)100重量部に、メタクリル酸メチル単位10
〜95重量%、アクリル酸アルキルエステル単位5〜6
0重量%、およびこれらと共重合可能な単量体単位0〜
50重量%からなる共重合体(II)0.1〜15重量部
を配合してなるカレンダー加工用樹脂組成物およびそれ
から得られるシート状成形品にある。
樹脂(I)は、共役ジエン系単位を主成分とするゴム状
(共)重合体25〜70重量%に、シアン化ビニル化合
物10〜45重量部および芳香族ビニル化合物55〜9
0重量部からなる混合物30〜75重量%がグラフト重
合されてなるグラフトゴム共重合体(I−1)10〜9
0重量部とシアン化ビニル化合物単位10〜45重量%
および芳香族ビニル化合物単位55〜90重量%からな
る共重合体(I−2)10〜90重量部とからなる。
(共)重合体とは、1,3-ブタジエン等の共役ジエンを
主成分とした架橋構造を有する重合体である。より具体
的には、共役ジエンを70重量部以上とこれと共重合可
能な単量体30重量部以下とからなる(共)重合体であ
る。共役ジエンとしては、1,3-ブタジエン、イソプレ
ン、およびクロロプレンが例示され、共重合可能な単量
体としては、アクリロニトリル等の不飽和シアン化合物
やスチレン等の芳香族ビニル化合物が例示される。共役
ジエン系単位を主成分とするゴム状(共)重合体の好ま
しい例としては、ポリブタジエンゴム、アクリロニトリ
ル-ブタジエン共重合ゴム、スチレン-ブタジエン共重合
ゴム等が挙げられる。ゴム変性熱可塑性樹脂(I)中に
しめる共役ジエン系単位を主成分とするゴム状(共)重
合体の割合は、5〜70重量%が適当である。5重量%
未満では得られるシート状物の(面)衝撃強さが劣り、
70重量%を超えると得られるシート状物の外観が悪く
なるので好ましくない。
て、使用されるシアン化ビニル化合物としては、アクリ
ロニトリル、メタクリロニトリル、エタクリロニトリ
ル、マレオニトリル、フマロニトリル等が挙げられる
が、特にアクリロニトリルが好ましい。また、芳香族ビ
ニル化合物としては、スチレン、α-メチルスチレン、
o-メチルスチレン、p-メチルスチレン、2,4-ジメ
チルスチレン、p-tert-ブチルスチレン、ハロゲン化ス
チレン等が挙げられるが、特にスチレンおよび/または
α-メチルスチレンが好ましい。
ニル化合物との割合は、ゴム変性熱可塑性樹脂(I)の
耐薬品性等の物性面と耐熱着色性等の加工面との理由に
より、シアン化ビニル化合物 10〜45重量部と芳香
族ビニル化合物 55〜90重量部の範囲が好ましい。
法については特に制限はないが、共役ジエン系単位を主
成分とするゴム状(共)重合体の存在下にシアン化ビニ
ル化合物と芳香族ビニル化合物を乳化もしくは塊状でグ
ラフト共重合させる方法が挙げられる。
物単位10〜45重量%および芳香族ビニル化合物単位
55〜90重量%からなるものである。この範囲以外の
共重合体を用いると、衝撃強さと外観が低下する傾向が
ある。
ル化合物単位および芳香族ビニル化合物単位は、それぞ
れシアン化ビニル化合物および芳香族ビニル化合物から
誘導されるものであり、使用されるシアン化ビニル化合
物および芳香族ビニル化合物としては、グラフトゴム共
重合体(I−1)において使用されるものが挙げられ
る。
特に制限はないが、懸濁重合あるいは溶液重合などが挙
げられる。
シアン化ビニル化合物単位と芳香族ビニル化合物単位と
からなる共重合体(I−2)は、グラフトゴム共重合体
(I−1)を得る際に、共役ジエン系単位を主成分とす
るゴム状(共)重合体にグラフト重合せずに、シアン化
ビニル化合物単位と芳香族ビニル化合物単位とからなる
共重合体として得られるものも含む。
変性熱可塑性樹脂(I)として、グラフトゴム共重合体
(I−1)10〜80重量部、共重合体(I−2)10
〜70重量部およびシアン化ビニル化合物単位5〜40
重量%、芳香族ビニル化合物単位30〜90重量%およ
びマレイミド化合物単位5〜45重量%から得られる共
重合体(I−3)10〜80重量部〔但し、(I−1)
〜(I−3)の合計量は100重量部〕とからなるもの
を使用するのが好ましい。
物単位5〜40重量%、芳香族ビニル化合物単位30〜
90重量%およびマレイミド化合物単位5〜45重量%
からなるものである。
ル化合物単位および芳香族ビニル化合物単位は、それぞ
れシアン化ビニル化合物および芳香族ビニル化合物から
誘導されるものであり、使用されるシアン化ビニル化合
物と芳香族ビニル化合物としては、グラフトゴム共重合
体(I−1)において使用されるものが挙げられる。
ド化合物単位はマレイミド化合物から誘導されるもので
あり、そのマレイミド化合物としては、マレイミド、N
−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−プロ
ピルマレイミド、N−イソプロピルマレイミド、N−シ
クロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N
−トルイルマレイミド、N−キシリルマレイミド、N−
ナフチルマレイミド、N−tert−ブチルマレイミ
ド、N−o−クロルフェニルマレイミド、N−o−メト
キシフェニルマレイミド、N−o−ブロモフェニルマレ
イミド等が挙げられるが、特にN−フェニルマレイミド
またはN−シクロヘキシルマレイミドが好ましい。
化合物単位およびマレイミド化合物単位からなる共重合
体(I−3)中にしめるマレイミド化合物単位は、得ら
れるシート状物の耐熱性と(面)衝撃強さのバランスか
ら5〜45重量%が適当である。
特に制限はないが、溶液重合で製造する方法が好まし
い。共重合体(I−3)は、耐熱性と(面)衝撃強さの
バランスからゴム変性熱可塑性樹脂(I)中に10〜8
0重量%の範囲で配合されるのが好ましい。
は、メタクリル酸メチル単位10〜95重量%、アクリ
ル酸アルキルエステル単位5〜60重量%、およびこれ
らと共重合可能な単量体単位0〜50重量%からなる共
重合体である。
クリル酸メチル単位およびアクリル酸アルキルエステル
単位を必須成分として有していることが必要である。こ
れらを含まない共重合体は、ゴム変性熱可塑性樹脂に対
してバンク回りやロールからの剥離性を向上させる効果
を有しない。
クリル酸アルキルエステル単位は、それぞれメタクリル
酸エステルおよびアクリル酸アルキルエステルから誘導
されるるものであり、アクリル酸アルキルエステルと
は、アクリル酸と炭素数1〜18のアルキル基とのエス
テルであり、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、ア
クリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ヘキ
シル、アクリル酸-2-エチルヘキシル、アクリル酸シク
ロヘキシル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸フェニル
等が挙げられる。これらの内アクリル酸ブチル、アクリ
ル酸エチルを用いるのが好ましい。
位として、必要に応じてメタクリル酸メチルを除くメタ
クリル酸アルキルエステル単位や、メタクリル酸メチル
およびアクリル酸アルキルエステルと共重合可能な単量
体単位を導入することが可能である。上記の構成単位を
誘導するメタクリル酸メチルを除くメタクリル酸アルキ
ルエステルとしては、メタクリル酸と炭素数1〜18の
アルキル基とのエステルであり、メタクリル酸エチル、
メタクリル酸ブチル、メタクリル酸-2-エチルヘキシ
ル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ベンジ
ル、メタクリル酸フェニル等が挙げられ、メタクリル酸
メチルおよびアクリル酸アルキルエステルと共重合可能
な単量体としては、アクリロニトリル、スチレン、α-
メチルスチレン、酢酸ビニル等の単官能性の単量体や、
メタクリル酸アリル、シアヌル酸トリアリル等の多官能
性単量体が挙げられる。
合体(II)中2重量%以下であることが好ましい。
制限はないが、乳化重合で製造されたものが好ましい。
リル酸メチルを40〜95重量%と、アクリル酸アルキ
ルエステル5〜60重量%および共重合可能な他の単量
体0〜30重量%からなり、かつその1g/1クロロホ
ルム溶液の25℃で測定した還元粘度(ηsp/C)が
0.1〜20(1/g)の共重合体(II−1)である。
より好ましい形態としては、メタクリル酸メチル70〜
95重量%、アクリル酸エチルもしくはアクリル酸ブチ
ル5〜30重量%からなり、ηsp/Cが0.3〜15
(1/g)の共重合体である。メタクリル酸メチルとア
クリル酸アルキルエステルの割合については、該共重合
体(II)のゴム変性熱可塑性樹脂(I)の加工時におけ
る分散性と樹脂組成物のロール上でのバンク回りとのバ
ランスを優れたものにするという観点からこの範囲であ
ることが好ましい。また、ηsp/Cについては、0.1
(1/g)未満であるとゴム変性熱可塑性樹脂(I)の
性能を損なうため好ましくなく、20(1/g)を超え
ると共重合体(II)のゴム変性熱可塑性樹脂(I)への
加工時における分散性が悪くなるため好ましくない。
下に記述する3段重合体(共重合体II−2)である。す
なわち、(A)その構成単位の少なくとも80重量%が
メタクリル酸メチルである(共)重合体であって、該
(共)重合体のηsp/Cが 2(1/g)以上であるも
の、10〜45重量部の存在下で、(B)いずれも炭素
数1〜18のアルキル基を有するメタクリル酸アルキル
エステル 30〜70重量%とアクリル酸アルキルエス
テル 30〜70重量%との混合物、40〜70重量部
を、(B)成分単独でのηsp/Cが1(1/g)以下に
なるような条件で重合して得られる(A)成分および
(B)成分を構成単位とする重合体からなる2段重合体
の存在下で、さらに(C)メタクリル酸メチル 50〜
100重量%と、メタクリル酸メチルと共重合可能な単
量体0〜50重量%とからなる単量体(混合物)、5〜
40重量部〔但し、(A)、(B)および(C)成分の
合計量は100重量部〕を(C)成分単独でのηsp/C
が2(1/g)以上になるような条件で重合して得られ
る3段重合体である。ここで、炭素数1〜18のアルキ
ル基を有するメタクリル酸アルキルエステルの例として
は、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタク
リル酸ブチル、メタクリル酸-2-エチルヘキシル、メタ
クリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ベンジル、メタ
クリル酸フェニル等が挙げられる。また、炭素数1〜1
8のアルキル基を有するアクリル酸アルキルエステルと
しては、前述のアクリル酸アルキルエステルの例として
挙げたものが例示される。さらにメタクリル酸メチルと
共重合可能な単量体についても前述したものが例示され
る。以上の様な3段重合体という形態を持たせることに
より、該共重合体(II)のゴム変性熱可塑性樹脂(I)
への分散性(均一相溶性)とゴム変性熱可塑性樹脂
(I)のロールからの剥離性を高くするという該共重合
体(II)の両性能が共に優れたものにすることが可能と
なる。
共重合体(II−2)を併用して使用することができる。
共重合体(II−1)はバンク回りを良くする効果が大き
く、ロールからの剥離性を良くする効果は共重合体(II
−2)より小さい。また、共重合体(II−2)はロール
からの剥離性を良くする効果が大きく、バンク回りを良
くする効果は共重合体(II−1)より小さい。従って、
共重合体(II−1)と共重合体(II−2)を併用して使
用することは、より少ない共重合体(II)の使用量でゴ
ム変性熱可塑性樹脂(I)のバンク回りとロールからの
剥離性を共に優れたものにすることができる。
(I)100重量部に、0.1〜15重量部の範囲で配
合され、目的とする熱可塑性樹脂組成物となる。共重合
体(II)の配合量が0.1重量部未満であると熱可塑性
樹脂組成物のバンク回りあるいは加熱ロールからの剥離
性が劣るため好ましくなく、15重量部を超えるとゴム
変性熱可塑性樹脂(I)の性能が損なわれ、得られる熱
可塑性樹脂組成物の性能が見劣りするため好ましくな
い。また、共重合体(II)を2種以上併用する場合に
は、それらの合計量を上記範囲内にする必要がある。
キルエステルを必須成分とする共重合体(II)をゴム変
性熱可塑性樹脂(I)に配合する方法については特に制
限はない。例として挙げるなら、()乳化重合によっ
て製造されたゴム変性熱可塑性樹脂(I)ラテックス
に、共重合体(II)ラテックスを混合した後、凝固して
熱可塑性樹脂組成物を得る方法、()ゴム変性熱可塑
性樹脂(I)のパウダーもしくはペレットと共重合体
(II)のパウダーとを均一に混合して熱可塑性樹脂組成
物とする方法、()の方法で得られる熱可塑性樹脂
組成物をバンバリーミキサー、スクリュー式押出機など
で溶融混練後ペレット化して熱可塑性樹脂組成物とする
方法、等である。これらの内、の方法で製造するのが
好ましい。
(II)とを配合する際には、必要に応じて各種安定剤を
添加することが可能である。安定剤の例としては、ヒン
ダードフェノール系、フォスファイト系、チオエーテル
系の抗酸化剤、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン
系の紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系光安定剤が挙げ
られる。また安定剤以外にも、各種着色剤、金属石鹸、
可塑剤等を添加することができる。これらの内の金属石
鹸を添加することは、本発明の熱可塑性樹脂組成物にと
って望ましい。特に、ゴム変性熱可塑性樹脂(I)中の
ゴム状(共)重合体の割合が少ない場合には、共重合体
(II)によるロールからの剥離性向上効果が小さくなる
ことがあるが、金属石鹸を添加することによりロールか
らの剥離性向上効果をより大きく発現することができ
る。金属石鹸の例としては、ステアリン酸のマグネシウ
ム、カルシウム、バリウム、亜鉛等の塩が挙げられる。
剤、抗菌・防カビ剤等を配合することができる。難燃剤
および難燃助剤の例としては、テトラブロモビスフェノ
ールA、ビス(ジブロモプロピル)テトラブロモビスフ
ェノールA、オクタブロモジフェニルエーテル、デカブ
ロモジフェニルエーテル、ヘキサブロモシクロドデカ
ン、臭素化ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、末端変
性・未変性の臭素化エポキシ系難燃剤(例えば、テトラ
ブロモビスフェノールAのグリシジルエーテルの重合
体)、リン酸エステル類(トリブチルホスフェート、ト
リクレジルホスフェート等)、ハロゲン化リン酸エステ
ル類(トリス(2,3-ジブロモプロピル)ホスフェー
ト、トリス(ブロモクロロプロピル)ホスフェート
等)、三酸化アンチモン、塩素化ポリエチレン、テフロ
ン等が挙げられる。帯電防止剤の例としては、アミン
系、アンモニウム塩系、スルホン酸塩系、ポリオキシエ
チレン系、ポリエーテル-ポリアミドブロック系等が挙
げられる。抗菌・防カビ剤の例としては、イミダゾール
系、チアゾール系、ニトリル系、ハロアルキル系、ピリ
ジン系等の有機系のものや、銀系、亜鉛系、銅系、チタ
ン系等の無機系のものが例示される。これらの内、熱的
に安定で性能の高い銀系のものを使用するのが好まし
い。銀系の抗菌剤としては、ゼオライト、シリカゲル、
リン酸ジルコニウム、リン酸カルシウム、ハイドロタル
サイト、ヒドロキシアパタイト、ケイ酸カルシウム等の
多孔性構造体に銀、銀イオン、銀錯体、銀化合物を担持
させたものが好例として挙げられ、他に、脂肪酸の銀
塩、リン酸アルキルエステルの銀塩等が例示される。
に石目調やパール調、メタリック調等の外観を持たせる
ため、着色されたフッ素樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ
樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、ポリエステル樹脂
・繊維、アラミド樹脂・繊維、ガラス繊維、炭素繊維、
セラミック繊維や、アルミ、ステンレス、銅等の金属粒
子・繊維、イリオジン、タルク、マイカ等を添加するこ
とも可能である。
明するが、この実施例によって本発明はなんら制限され
るものではない。また、実施例中の「部」は、特にこと
わりのない限り「重量部」を表すものとする。
ウベローデ管を用いて25℃の温度で測定した。
を、ロール混練温度190℃(耐熱品については 22
0℃)、ロール回転数14×16rpm、ロール間隔
0.8mmにてロールを回転させ、ロール上のバンクの
状態を観察した。評価は5段階法を用い、5はバンクが
棒状で滑らかに回転しバンク回りが良いことを、1はバ
ンクが波打ち空気を巻き込んでバンク回り悪いことを表
す。数字が5に近いほどバンク回りが良く外観の良いシ
ートが得られることを示す。
を、ロール混練温度190℃(耐熱品については 22
0℃)、ロール回転数14×17rpm、ロール間隔
0.3mmにて混練し、5分後にロール表面からの剥離
性を評価した。評価は5段階法を用い、5が剥離性最高
で1が剥離性最低、数値が5に近いほどロールからの剥
離性が良くなることを示す。
ら剥離したシートを2枚の鉄板で挟み荷重下冷却するこ
とによりシート状成形品を得た。このシート状成形品の
表面外観を評価した。評価の表記を以下に示す。
悪い ・熱変形温度 熱可塑性樹脂組成物を 6.4×12.7×127mmの
試片に成形し、ASTM D−648の試験法により、
荷重18.5kgf/cm2の条件で測定した。
いては、その中に含まれる酸素を窒素で置換し、事実上
反応を阻害しない状態とした。その後、全ての物質を5
0リットルオートクレーブに仕込み、激しく攪拌しなが
ら55℃まで昇温した。これに、下記混合物を投入し、
55℃で8時間かけて重合を行った。その結果、モノマ
ー転化率99%、粒子径0.07μmの共役ジエン系ゴ
ム状重合体(a)ラテックスが得られた。
リットルセパラブルフラスコ内に仕込み、攪拌しながら
アクリル酸ブチル−メタクリル酸(85-15重量%)
共重合体ラテックスを固形分で 1.2部添加し、そのま
ま攪拌しながら30分保持した後蒸留水80部を添加し
た。その結果、平均粒子径が 0.28μmにまで肥大化
されたゴム状重合体(a')ラテックスが得られた。
成物を加え、攪拌しながら60℃まで昇温した。これ
に、下記単量体混合物を2時間かけて滴下投入させるこ
とにより、グラフト共重合を行った。
とによりグラフト共重合体ラテックスが得られた。この
グラフト共重合体ラテックスを、希硫酸水溶液に投入し
て凝固させた後、脱水、洗浄、乾燥させることによりグ
ラフト共重合体(b)が得られた。
激しく攪拌した。系内の分散を確認した後、75℃に昇
温し、3時間かけて重合させた。その後、110℃まで
昇温し、30分間熟成させた。冷却後に脱水、洗浄、乾
燥することにより、粉末の共重合体(c)を得た。
合釜の器内を、真空ポンプで減圧した後窒素ガスを器内
に導入する、という操作を数回繰り返した後、窒素雰囲
気下で上記混合物を器内に仕込んだ。これを、100℃
まで昇温した後、下記混合物を60分かけて器内に滴下
供給することで溶液重合を行った。
N-フェニルマレイミドの残存量を大幅に減少させた。
そして、重合禁止剤を投入し急冷した後、重合反応物を
ギヤポンプを用いて脱揮押出機へと定量的に供給した。
脱揮押出機で、残存単量体や有機溶剤などを除去した
後、共重合体はストランド状で押し出した。これをペレ
タイザーで処理することにより、ペレット状の共重合体
(d)が得られた。
み、器内を窒素で置換した後、攪拌しながら65℃に昇
温した。窒素雰囲気下、65℃にて4時間攪拌を続ける
ことにより重合反応を完結させた。得られたラテックス
を塩化アルミニウム水溶液で凝固し、洗浄、乾燥するこ
とにより粉末の共重合体(II−a)が得られた。ηsp/
Cを測定したところ 11.8(1/g)であった。
み、器内を窒素で置換した後、攪拌しながら65℃に昇
温した。窒素雰囲気下、65℃にて4時間攪拌を続ける
ことにより重合させた。(ηsp/Cは5.0(1/g)
であった)続いてこの重合系を窒素雰囲気下65℃の状
態に保ったまま、 (B)メタクリル酸ブチル 30部 アクリル酸ブチル 20部 n-オクチルメルカプタン 0.5部 からなる混合物を1時間かけて滴下投入し、その後2時
間攪拌を続けた。((B)成分のみ別途同様の条件で重
合したもののηsp/Cは0.6(1/g)であった)し
かる後、この反応系に、 (C)メタクリル酸メチル 20部 n-オクチルメルカプタン 0.002部 からなる混合物を30分かけて滴下投入した。その後、
さらに2時間攪拌を続け重合を終了した。((C)成分
のみ別途同様の条件で重合したもののηsp/Cは5.0
(1/g)であった)得られたラテックスを塩化アルミ
ニウム水溶液で凝固し、洗浄、乾燥することにより粉末
の共重合体(II−b)が得られた。
外は共重合体(II−a)の合成と同様にして粉末の共重
合体(II−c)を得た。ηsp/Cを測定した結果9.9
(1/g)であった。
チル50部とする以外は(II−b)の合成と同様にして
粉末の共重合体(II−d)を得た。(B)成分のみのη
sp/Cは0.5(1/g)であった。
ラフト共重合体(b)、共重合体(c)(d)(II−
a)(II−b)(II−c)(II−d)を表1および表2
に示す配合で混合し、さらにホスファイト系抗酸化剤
(PEP−8;旭電化製)0.5部、ステアリン酸マグ
ネシウム0.5部、エチレンビスステアロアミド(EB
S)0.5部を添加したものをヘンシェルミキサーでブ
レンド後、ベント付きスクリュー押出機で溶融混練し
た。得られた熱可塑性樹脂組成物をペレタイザーにてペ
レットとし各評価に使用した。
リル酸アルキルエステルを必須成分とする共重合体(I
I)を添加しないものはバンク回りやロールからの剥離
性が悪いのに対し、本発明に従う熱可塑性樹脂組成物は
加熱ロールからの剥離性が良くカレンダー加工に適して
おり、得られるシート状成形品の外観も良好であること
が判る。また、アクリル酸アルキルエステルを含まずメ
タクリル酸メチルのみあるいはメタクリル酸アルキルエ
ステルだけからなる(共)重合体を添加したものでは、
バンク回りの向上やロールからの剥離性を高める効果が
得られなかった。
塑性樹脂に対しても本発明のメタクリル酸メチルおよび
アクリル酸アルキルエステルを必須成分とする共重合体
(II)を添加することによりそのバンク回りやロールか
らの剥離性を高める効果が得られる。しかしながら、過
剰の共重合体(II)の添加ではゴム変性熱可塑性樹脂の
性能(耐熱性)が損なわれてしまう。
ルキルエステルを必須成分とする共重合体をABS樹脂
等のゴム変性熱可塑性樹脂に配合することにより、それ
らの優れた性能を損なうことなくバンク回りや加熱ロー
ルからの剥離性を高め、これまで困難であったカレンダ
ー加工でのシート状物の成形を可能にすることができ
る。
Claims (6)
- 【請求項1】 共役ジエン系単位を主成分とするゴム状
(共)重合体25〜70重量%に、シアン化ビニル化合
物10〜45重量部および芳香族ビニル化合物55〜9
0重量部からなる混合物30〜75重量%がグラフト重
合されてなるグラフトゴム共重合体(I−1)10〜9
0重量部とシアン化ビニル化合物単位10〜45重量%
および芳香族ビニル化合物単位55〜90重量%からな
る共重合体(I−2)10〜90重量部とからなるゴム
変性熱可塑性樹脂(I)100重量部に、メタクリル酸
メチル単位10〜95重量%、アクリル酸アルキルエス
テル単位5〜60重量%、およびこれらと共重合可能な
単量体単位0〜50重量%からなる共重合体(II)0.
1〜15重量部を配合してなるカレンダー加工用樹脂組
成物。 - 【請求項2】 共重合体(II)が、メタクリル酸メチル
単位40〜95重量%とアクリル酸アルキルエステル単
位5〜60重量%およびこれらと共重合可能な単量体単
位0〜30重量%からなり、かつ1g/lクロロホルム
溶液25℃で測定した還元粘度(ηsp/C)が 0.1〜
20(l/g)である共重合体(II−1)である請求項
1記載のカレンダー加工用樹脂組成物。 - 【請求項3】 共重合体(II)が、(A)その構成単位
の少なくとも80重量%がメタクリル酸メチルである
(共)重合体であり、該(共)重合体 1g/lクロロ
ホルム溶液の25℃で測定したηsp/Cが 2(l/
g)以上である(共)重合体10〜45重量部の存在下
で(B)炭素数1〜18のアルキル基を有するメタクリ
ル酸アルキルエステル30〜70重量%と炭素数1〜1
8のアクリル酸アルキルエステル30〜70重量%との
混合物40〜70重量部を、(B)成分単独でのηsp/
Cが1(l/g)以下になるような条件で重合して得ら
れる(A)成分および(B)成分を構成単位とする重合
体からなる2段重合体の存在下で、さらに(C)メタク
リル酸メチル 50〜100重量%と、該メタクリル酸
メチルと共重合可能な単量体 0〜50重量%とからな
る単量体(混合物)5〜40重量部〔但し、(A)、
(B)および(C)成分の合計量は100重量部〕を
(C)成分単独でのηsp/Cが2(l/g)以上になる
ような条件で重合して得られる3段重合体(II−2)で
ある請求項1記載のカレンダー加工用樹脂組成物。 - 【請求項4】 共重合体(II)が、請求項2記載の共重
合体(II−1)と請求項3記載の3段共重合体(II−
2)との混合物である請求項1記載のカレンダー加工用
樹脂組成物。 - 【請求項5】 ゴム変性熱可塑性樹脂(I)が、グラフ
トゴム共重合体(I−1)10〜80重量部、共重合体
(I−2)10〜70重量部およびシアン化ビニル化合
物単位5〜40重量%、芳香族ビニル化合物単位30〜
90重量%およびマレイミド化合物単位5〜45重量%
からなる共重合体(I−3)10〜80重量部〔但し、
(I−1)〜(I−3)の合計量は100重量部〕から
なる請求項1〜3記載のカレンダー加工用樹脂組成物。 - 【請求項6】 請求項1〜5に記載のカレンダー加工用
樹脂組成物を使用して、カレンダー加工法によって得ら
れるシート状成形品。
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JP2005296A JP3335061B2 (ja) | 1996-02-06 | 1996-02-06 | カレンダー加工用樹脂組成物およびそれから得られるシート状成形品 |
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JPH09208798A JPH09208798A (ja) | 1997-08-12 |
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US7029750B2 (en) | 2003-07-14 | 2006-04-18 | Mitsubishi Rayon Co., Ltd. | Thermoplastic resin composition and production method thereof |
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- 1996-02-06 JP JP2005296A patent/JP3335061B2/ja not_active Expired - Lifetime
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