JP2000243144A - 透明導電フィルム - Google Patents

透明導電フィルム

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JP2000243144A
JP2000243144A JP11038019A JP3801999A JP2000243144A JP 2000243144 A JP2000243144 A JP 2000243144A JP 11038019 A JP11038019 A JP 11038019A JP 3801999 A JP3801999 A JP 3801999A JP 2000243144 A JP2000243144 A JP 2000243144A
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bis
hydroxyphenyl
film
transparent conductive
polyarylate
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JP11038019A
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Mitsunobu Sato
光伸 佐藤
Masaaki Fujiwara
正明 藤原
Shinya Takagi
伸哉 高木
Tomohiro Hamada
知宏 濱田
Akihiko Hasegawa
明彦 長谷川
Takamasa Akizuki
隆昌 秋月
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Unitika Ltd
Original Assignee
Unitika Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 抵抗値変化が少なく、性能低下の少ない透明
導電フィルムを提供する。 【課題解決手段】 ポリアリレートフィルム上に、酸化
インジウムスズ(ITO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化
スズ(SnO2 )、インジウムスズ−金属合金(IT
M)及びこれらの合金から選ばれた透明導電膜を形成さ
せた透明導電フィルムであって、前記ポリアリレートフ
ィルムの残留モノマー量が2000ppm以下である透
明導電フィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、抵抗値変化が少な
く、性能低下の少ない透明導電フィルムに関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】近年、軽量且つコンパクトであるという
特徴を生かした液晶ディスプレーは、表示装置として汎
用されており、特に、携帯電話や、電子手帳、ラップト
ップ型パソコンなど携帯情報端末などの移動型情報通信
機器用表示装置として、不可欠なものとなっている。ま
た、前記のような携帯情報端末などには、画面に直接情
報を書き込んだり、また画面にふれることにより操作す
るタッチパネルを具備したものが多く用いられている。
【0003】このような表示装置やタッチパネルの基材
としては、スパッタリング法、真空蒸着法、CVD(化
学蒸着)法、ゾルゲル法などの成膜方法で、酸化インジ
ュウムスズ(ITO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ
(SnO2 )、インジュウムスズ−金属合金(ITM)
及びこれらの合金などの透明導電膜をプラスチックフィ
ルム表面に形成させた透明導電フィルムが、その軽さや
生産性のよさから、近年、広く使用されるようになっ
た。
【0004】ところで、これら透明導電膜の成膜対象で
あるプラスチックフィルムの中には、透明導電膜を形成
した後のさらなる加工、例えば、ハードコート層をキュ
アリングする際の加熱処理や、ガスバリア層や他の機能
性薄膜を蒸着するなどの処理などを経ると、面抵抗値が
劣化していくといった性能低下現象が見られた。さらに
は、同種のプラスチックフィルム間においても同様の現
象が見られた。このような現象は、最終製品の品質に大
きなばらつきを与える結果となり、重大な問題であっ
た。
【0005】このような問題を解決するために、例え
ば、ITO膜を形成する際に基材を加熱して結晶性のI
TO膜を得る方法と、室温でITO膜を形成した後に熱
処理を施して結晶性ITO膜を得る方法とが知られてい
る(例えば、特開平2-276630号、特開平2-194943号公
報、特開平1-10026 号公報、特公平3-15536 号公報な
ど)。これらの方法はITO膜を結晶化することにより
熱的に安定化させる方法である。ここで、通常、ITO
膜が結晶化する温度は180℃以上であるが、結晶が小
さいとITO膜中に多数の結晶境界が存在することにな
る。このような結晶境界は、ガスの浸入を容易とするた
め、ITO膜全体としての耐湿熱性が悪化する。このよ
うな現象を起こさない充分な大きさの結晶を保持するI
TO膜を形成するためには、400℃以上の熱処理温度
が必要と言われており、この処理温度では、殆どの汎用
プラスチックフィルムは使用できない。
【0006】また、特開平10-195637 号公報には、透明
導電膜を形成する際に、まず基板であるプラスチックフ
ィルムに、極薄の透明導電膜を高速度で成膜し、その
後、通常の成膜速度で透明導電膜を構築するといった方
法が開示されている。この方法は、第一層である極薄の
透明導電膜中にフィルムからの不純物を閉じこめること
により、熱処理による抵抗値の悪化を防ごうとするもの
である。しかしながらこの方法では、操作が複雑であ
り、場合によっては特殊な機器を必要とし、さらに第一
層形成時においてプラズマのイオンシースに閉じこめら
れたフィルム由来の有機物や炭素の濃度が徐々に増加
し、極薄透明導電膜へ悪影響を与えることが予想され
る。
【0007】さらに特開平9-286070号公報には、室温で
プラスチック基材上に非晶質のITO膜を形成し、これ
を、ITOの非晶性を保ったまま、大気中、窒素雰囲気
下で80℃以上180℃以下の熱処理を行うといった方
法が開示されている。ところが本手法を試行しても、面
抵抗値の保持に効果の出る場合と出ない場合があり、工
業的な生産における信頼性に乏しいことがわかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】このような状況に鑑
み、本発明の課題は、抵抗値変化が少なく、性能低下の
少ない透明導電フィルムの提供にある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、このよう
な問題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、ポリア
リレートフィルム表面の低分子化合物、特に未反応の残
留モノマーがこのような現象に大きく係わることをつき
とめ、さらに、ポリアリレートフィルム中の残留モノマ
ーを2000ppm以下まで減少させることにより、上
記のような問題が大幅に改善できることを見いだし、本
発明に到達した。
【0010】すなわち、本発明の要旨は、ポリアリレー
トフィルム上に、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化
亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO2 )、インジウムス
ズ−金属合金(ITM)及びこれらの合金から選ばれる
透明導電膜を形成させた透明導電フィルムであって、前
記ポリアリレートフィルムの残留モノマー量が2000
ppm以下であることを特徴とする透明導電フィルムで
ある。
【0011】さらに、ポリアリレートフィルムの残留モ
ノマー量が2000ppm以下であるうえに、ポリアリ
レートフィルムの残留溶媒量及び水分量が、常温、常圧
でそれぞれ2000ppm以下である透明導電フィル
ム、ポリアリレートフィルムのカルボキシル価が30モ
ル/トン以下である透明導電フィルム、ポリアリレート
フィルムの残留触媒量が1000ppm未満であり、残
留アルカリ量が30ppm未満である透明導電フィルム
は、より好ましい態様である。さらに、ポリアリレート
フィルムの残留モノマー量が2000ppm以下、残留
溶媒量及び水分量が、常温、常圧でそれぞれ2000p
pm以下、カルボキシル価が30モル/トン以下、残留
触媒量が1000ppm未満、残留アルカリ量が30p
pm未満である透明導電フィルムは、最も好ましい態様
である。
【0012】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を詳細に説明す
る。本発明で用いられるポリアリレートは、二価フェノ
ール成分と二価のカルボン酸成分とから得られるポリア
リレートであり、ポリアリレートを構成する二価フェノ
ール成分としては次のものが挙げられる。二価フェノー
ル成分としては、例えば2−メチル−4,4’−ジヒド
ロキシビフェニル、3−メチル−4,4’−ジヒドロキ
シビフェニル、2−クロロ−4,4’−ジヒドロキシビ
フェニル、3−クロロ−4,4’−ジヒドロキシビフェ
ニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジヒドロキシビ
フェニル、 2,2’−ジメチル−4,4’−ジヒドロキ
シビフェニル、 2,3’−ジメチル−4,4’−ジヒド
ロキシビフェニル、 3,3’−ジクロロ−4,4’−ジ
ヒドロキシビフェニル、 3,3’−ジ−tert−ブチ
ル−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、3,3’−ジ
メトキシ−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、2,2
−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)
プロパン(テトラメチルビスフェノールA)、9,9−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−
ビスクレゾールフルオレン、9,9−ビス(3,5−ジ
メチル−4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、
【0013】3,3’,5,5’−テトラメチル−4,
4’−ジヒドロキシビフェニル、3,3’,5,5’−
テトラ−tert−ブチル−4,4’−ジヒドロキシビ
フェニル、3,3’,5,5’−テトラクロロ−4,
4’−ジヒドロキシビフェニル、2,2’−ジヒドロキ
シ−3,3’−ジメチルビフェニル、3,3’−ジフル
オロ−4,4’−ビフェノール、2,2’−ジヒドロキ
シ−3,3’,5,5’−テトラメチルビフェニル、
3,3’,5,5’−テトラフルオロ−4,4’−ビフ
ェノール、2,2’,3,3’,5,5’−ヘキサメチ
ル−4,4’−ビフェノール、ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)エタン、ビス(4−メチル−2−ヒドロキシフェニ
ル)メタン、ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシ
フェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)−4−メチルペンタン、2,2−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−メ
チル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、 2,2−ビ
ス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロ
パン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル) −1−
フェニルエタン、
【0014】1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
−2−エチルヘキサン、2,2−ビス(3−フェニル−
4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(3−メチル
−4−ヒドロキシフェニル)メタン、2,2−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル) −2−メチルプロパン、ビス(4−
ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、2,2−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、 1,1−ビス
(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサ
ン、2,2−ビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン、2,2−ビス(3−イソプロピル−4−
ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス( 3−t
ert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2−ビス(3−sec−ブチル−4−ヒドロキシフ
ェニル)プロパン、 1,1−ビス(2−メチル−4−ヒ
ドロキシ−5−tert−ブチルフェニル) −2−メチ
ルプロパン、4,4’−〔1,4−フェニレン−ビス
(1−メチルエチリデン)〕ビス(3−メチル−4−ヒ
ドロキシフェニル)、1,1−ビス(3−フェニル−4
−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、
【0015】ビス(2−ヒドロキシフェニル)メタン、
2,4’−メチレンビスフェノール、ビス(3−メチル
−4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(2−
ヒドロキシ−5−メチルフェニル)エタン、1,1−ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチル−ブタン、
ビス(2−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)メ
タン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロ
ペンタン、1,1−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシ
フェニル)シクロペンタン、3,3−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)ペンタン、3,3−ビス(3−メチル−
4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、3,3−ビス
(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)ペンタ
ン、 2,2−ビス(2−ヒドロキシ−3,5−ジメチル
フェニル)プロパン、 2,2−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)ノナン、1,1−ビス(3−メチル−4−ヒド
ロキシフェニル) −1−フェニルエタン、1,1−ビス
(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロ
ヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)デ
カン、 1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)デカ
ン、1,1−ビス(2−ヒドロキシ−3−tert−ブ
チル−5−メチルフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)ジフェニルメタン、テルペンジフェノー
ル、1,1−ビス(3−tert−ブチル−4−ヒドロ
キシフェニル)シクロヘキサン、
【0016】1,1−ビス(2−メチル−4−ヒドロキ
シ−5−tert−ブチルフェニル)−2−メチルプロ
パン、2,2−ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロ
キシフェニル)プロパン、ビス(3,5−ジ−tert
−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス
(3,5−ジ−sec−ブチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)メタン、1,1−ビス(3−シクロヘキシル−4−
ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス
(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルフェ
ニル)エタン、1,1−ビス(3−ノニル−4−ヒドロ
キシフェニル)メタン、2,2−ビス(3,5−ジ−t
ert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
1,1−ビス(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert
−ブチル−6−メチルフェニル)メタン、 1,1−ビス
(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル) −1−フェ
ニルエタン、α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)酢酸ブチルエステル、1,1−ビス(3−フルオロ
−4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(2−ヒドロ
キシ−5−フルオロフェニル)メタン、2,2−ビス
(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
1,1- ビス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニ
ル) −1−フェニルメタン、1,1−ビス(3−フルオ
ロ−4−ヒドロキシフェニル) −1−(p−フルオロフ
ェニル)メタン、
【0017】1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
−1−(p−フルオロフェニル)メタン、2,2−ビス
(3−クロロ−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)
プロパン、2,2−ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒド
ロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−クロロ
−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス
(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)メタ
ン、2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシ
フェニル)プロパン、2,2−ビス(3−ニトロ−4−
ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)ジメチルシラン、ビス(2,3,5−トリメ
チル−4−ヒドロキシフェニル) −1−フェニルメタ
ン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ドデカ
ン、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)ドデカン、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−
ヒドロキシフェニル)ドデカン、1,1−ビス(3−t
ert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル) −1−フェ
ニルエタン、1,1−ビス(3,5−ジ−tert−ブ
チル−4−ヒドロキシフェニル) −1−フェニルエタ
ン、
【0018】1,1−ビス(2−メチル−4−ヒドロキ
シ−5−シクロヘキシルフェニル) −2−メチルプロパ
ン、1,1−ビス(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−te
rt−ブチルフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)プロパン酸メチルエステル、2,2
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン酸エチルエ
ステル、2,2’,3,3’,5,5’−ヘキサメチル
−4,4’−ビフェノール、ビス(2−ヒドロキシフェ
ニル)メタン、2,4’−メチレンビスフェノール、
1,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2−
(4−ヒドロキシフェニル) −2−(2−ヒドロキシフ
ェニル)プロパン、ビス(2−ヒドロキシ−3−アリル
フェニル)メタン、1,1−ビス(2−ヒドロキシ−
3,3−ジメチルフェニル) −2−メチルプロパン、
1,1−ビス(2−ヒドロキシ−5−tert−ブチル
フェニル)エタン、ビス(2−ヒドロキシ−5−フェニ
ルフェニル)メタン、1,1−ビス(2−メチル−4−
ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、
ビス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシ
ルフェニル)メタン、 2,2−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)ペンタデカン、
【0019】2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキ
シフェニル)ペンタデカン、2,2−ビス(3,5−ジ
メチル−4−ヒドロキシフェニル)ペンタデカン、1,
2−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロ
キシフェニル)エタン、ビス(2−ヒドロキシ−3,5
−ジ−tert−ブチルフェニル)メタン、2,2−ビ
ス(3−スチリル−4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル) −1−
(p−ニトロフェニル)エタン、ビス(3,5−ジフル
オロ−4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(3,5
−ジフルオロ−4−ヒドロキシフェニル) −1−フェニ
ルメタン、ビス(3,5−ジフルオロ−4−ヒドロキシ
フェニル)ジフェニルメタン、ビス(3−フルオロ−4
−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、 2,2−ビ
ス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3−ジ
メチル−5−メチル−シクロヘキサン、 1,1−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)−3,3−ジメチル−5,
5−ジメチル−シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)−3,3−ジメチル−4−メチル−
シクロヘキサン、
【0020】1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
−3,3−ジメチル−5−エチル−シクロヘキサン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3−ジ
メチル−5−メチル−シクロペンタン、1,1−ビス
(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−3,
3−ジメチル−5−メチル−シクロヘキサン、 1,1−
ビス(3,5−ジフェニル−4−ヒドロキシフェニル)
−3,3−ジメチル−5−メチル−シクロヘキサン、
1,1−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)
−3,3−ジメチル−5−メチル−シクロヘキサン、
1,1−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニ
ル)−3,3−ジメチル−5−メチル−シクロヘキサ
ン、1,1−ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシ
フェニル)−3,3−ジメチル−5−メチル−シクロヘ
キサン、 1,1−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロ
キシフェニル)−3,3−ジメチル−5−メチル−シク
ロヘキサン等が挙げられ、これらの二価フェノールから
1種類以上を選ぶことができる。
【0021】中でも好ましい二価フェノールとしては、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビ
スフェノールA)、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒ
ドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールC)、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサ
ン(ビスフェノールZ)、1,1−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル) −1−フェニルエタン(ビスフェノールA
P)、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキ
シフェニル)プロパン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)フルオレン、9,9−ビスクレゾールフルオ
レン、9,9−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキ
シフェニル)フルオレン等が挙げられる。
【0022】また、本発明におけるポリアリレートを構
成する二価のカルボン酸成分としては、テレフタル酸、
イソフタル酸及びフタル酸等が挙げられ、テレフタル
酸、イソフタル酸が好ましく、テレフタル酸10〜90
モル%とイソフタル酸90〜10モル%からなる混合物
がより好ましく、特に好ましくはテレフタル酸とイソフ
タル酸の等量混合物である。実際の製造には、これらの
誘導体、例えばフタル酸クロライドやフタル酸ブロライ
ドのような二価カルボン酸ハライドが、コスト的要因に
より好ましく用いられる。
【0023】またポリアリレートの末端は、フェノー
ル、クレゾール、p−tert−ブチルフェノール、o
−フェニルフェノールなどの一価のフェノール類、安息
香酸クロライド、メタンスルホニルクロライド、フェニ
ルクロロホルメートなどの一価の酸クロライド類、メタ
ノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノ
ール、n−ブタノール、2−ブタノール、ペンタノー
ル、ヘキサノール、ドデシルアルコール、ステアリルア
ルコール、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール
などの一価のアルコール類、酢酸、プロピオン酸、オク
タン酸、シクロヘキサンカルボン酸、安息香酸、トルイ
ル酸、フェニル酢酸、p−tert−ブチル安息香酸、
p−メトキシフェニル酢酸などの一価のカルボン酸など
で封止されていてもよい。
【0024】本発明におけるポリアリレートの製造方法
としては、特に限定されず、通常の方法で製造されたも
のを用いることができるが、水と相溶しない有機溶剤に
溶解せしめた二価のフタル酸ハライドとアルカリ水溶液
に溶解せしめた二価のフェノールとを混合する界面重合
法(W.M.Eareckson J.Poly.Sci.XL399 1959年、特公昭40
-1959 号公報)が好適に採用される。界面重合法は、溶
液重合法と比較して反応が速く、そのためフタル酸ハラ
イドの加水分解を最小限に抑えることが可能である。し
かしながら、フタル酸の副生を完全に抑えることはでき
ない。また、特に後述する重合触媒を選ぶことにより高
分子量のポリマーを得ることはできるが、その分子量分
布は時として高分子量領域と低分子量領域とに分かれる
など、オリゴマーが発生しやすいことは良く知られてい
る。
【0025】界面重合法での製造方法をさらに詳細に説
明すると、二価フェノールのアルカリ水溶液を調製し、
続いて重合触媒を添加する。重合触媒としては、分子量
が高いポリマーが得られるものであれば特に限定はされ
ないが、トリブチルベンジルアンモニウムハライド、テ
トラブチルアンモニウムハライド、テトラブチルホスホ
ニウムハライド、トリブチルベンジルアンモニウムハラ
イドが高分子量でカルボキシル価の低いポリマーを与え
る点で好ましい。第4級アンモニウム塩のアルキル鎖の
短い、トリメチルベンジルアンモニウムハライド、トリ
エチルベンジルアンモニウムハライド等では、重合する
二価フェノールの種類によっては高分子量のポリマーを
得ることができないので好ましくない。
【0026】一方、水と相溶せず、かつポリアリレート
を溶解するような溶媒、例えば塩化メチレン、1,2−
ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素、クロロベ
ンゼン、 1,1, 2,2−テトラクロロエタン、1,
1,1−トリクロロエタン、o−、m−,p−ジクロロ
ベンゼンなどの塩素系溶媒、トルエン、ベンゼン、キシ
レンなどの芳香族系炭化水素などに二価のカルボン酸ハ
ライドを溶解させた溶液を先のアルカリ溶液に混合す
る。25℃以下の温度で1〜5時間撹拌しながら反応を
行うことによってポリアリレートを得ることができる。
ここで用いることができるアルカリには、水酸化ナトリ
ウムや水酸化カリウム等がある。
【0027】残留モノマー、残留オリゴマー、残留触
媒、残留アルカリを低減させる方法としては、再沈法、
遠心分離法とニーダー法の組み合わせ、遠心分離法と温
水造粒法との組み合わせなどが採られる。特に特願平9-
219147号などに示されているような温水造粒法は、これ
らの成分を除くのに有用である。ポリマー成形体中に残
留モノマーやオリゴマーが多く存在する場合、これらは
このポリマーの成形体中において空気との界面、すなわ
ち、表面に集中して存在することが、既に報告されてい
る(T. Kajiyama, et. al., Macromolecule, 28巻, 348
2〜3484ページ, 1995年など)。したがって、残留モノ
マーやオリゴマー、特に残留モノマーは、ポリアリレー
トフィルム成膜時に該フィルム表面に移行し、これが透
明導電膜形成時以降の熱処理により透明導電膜に悪影響
を及ぼすものと考えられ、この点を考慮して検討した結
果、ポリアリレートフィルムの残留モノマー量はそれぞ
れ2000ppm以下であれば良いことが分かった。さ
らに残量二価フェノール1000ppm以下であり、残
量二価カルボン酸量が500ppm以下であることが好
ましく、残量二価フェノール500ppm以下であり、
残量二価カルボン酸量が100ppm以下であることが
より好ましい。
【0028】本発明においてポリアリレートの製造に用
いている触媒は、界面活性剤の1種であるので、これら
がポリアリレートフィルムの表面に多く存在すると、吸
湿によるフィルム寸法変化などに悪影響を与える。この
点を考慮して、残留触媒量は1000ppm未満とする
ことが好ましく、400ppm未満とすることがより好
ましい。
【0029】ポリアリレートを製造する界面重合法は可
逆反応であり、水分、アルカリ、熱が十分に存在する
と、解重合反応を引き起こし、樹脂中の残留モノマー量
を増大させる。残留アルカリ量が30ppm以上である
とポリアリレートフィルムの性能劣化が無視できなくな
る。この点を考慮してポリアリレートフィルム中の残留
アルカリ量は30ppm未満であることが好ましい。
【0030】さらに、ポリアリレートフィルムのカルボ
キシル価は30モル/トン以下であることが好ましい。
カルボキシル価が30モル/トンを超えると、湿熱時に
フィルム寸法の変化が著しくなる場合があり、透明導電
膜の割れ、ひびにつながることがある。ポリアリレート
フィルム中のカルボキシル価は、ポリアリレート製造時
に使用するフタル酸ハライドと二価フェノールのモル比
や反応時間を制御することによって調製することができ
る。
【0031】本発明で用いられるポリアリレートの分子
量は、前述した末端封止材料の添加量によってコントロ
ールすることができる。本発明に好適なポリアリレート
の分子量としては、テトラクロロエタンを粘度測定溶媒
に用いた、25℃における1g/dl溶液のインヘレン
ト粘度が0.7以上、好ましくは0.8〜2.5である
ものが好ましい。インヘレント粘度が0.7未満である
と耐熱安定性が不十分な場合がある。また後述するよう
なキャストフィルム製造方法を経る場合、フィルム製造
のためのポリマードープ液に十分な粘度を与えることが
できずフィルム成膜性に劣る。一方2.5を超えると該
ドープ液粘度が上がりすぎてドープ液の吐出が不可能に
なる。また、このドープ液には、耐熱性をさらに改良す
るためにその特性を損なわない範囲で、ヒンダードフェ
ノール系、ヒンダードアミン系、チオエーテル系、燐系
等各種酸化防止剤を添加することができる。
【0032】本発明におけるポリアリレートは、塩化メ
チレンやクロロホルムなどのようなハロゲン系溶媒:テ
トラヒドロフラン:トルエン等の汎用溶媒への高い溶解
性を有している。 したがって、ポリアリレートフィルム
の製造方法としては、このような性質を応用したキャス
トフィルム成膜法が好適に用いられる。キャストフィル
ム成膜法とは、ポリアリレートを溶媒に溶解させてドー
プ液を作り、これをスチールベルトや、ポリアリレート
を溶解させた溶媒に侵されないポリマーフィルム、もし
くは硝子上に展開させ、溶媒を除去してフィルムを得る
という方法である。ポリアリレートフィルムの膜厚は1
〜1000μmが好ましく、5〜500μmがより好ま
しい。1μm未満では強度が十分でなく、1000μm
を超えるとフィルム乾燥時に一様に溶媒を除去しにくい
ので、乾燥ムラや、表面に無視できない大きさの凹凸が
生ずることがある。
【0033】さらに、ポリアリレートフィルム中に残留
している溶媒や水分の量は、できるだけ少ないように制
御すべきであることは、透明導電層を構築する際のアウ
トガスによる蒸着抜けを抑制するために重要であり、こ
の点を考慮して、その量は、常温、常圧でそれぞれが2
000ppm以下とすることが好ましい。残留溶媒及び
水分がそれぞれ2000ppmより多いと、透明導電層
を構築したときに、十分な抵抗値を示さないことがあ
る。このような残留溶媒や水分の量は、乾燥条件により
大きく左右される。通常、常圧以下の圧力で、用いた溶
媒の沸点より高い温度で1〜24時間乾燥することが好
ましい。
【0034】透明導電膜は、酸化インジュウムスズ(I
TO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO2 )、
インジュウムスズ−金属合金(ITM)及びこれらの合
金などの透明導電膜を、スパッタリング法、真空蒸着
法、CVD法、ゾルゲル法、分子線エピタキシー法、プ
ラズマガンによる成膜などの成膜方法を用いて構築され
る。特に、DCマグネトロンスパッタリング法、デュア
ルマグネトロンスパッタリング法などが、得られる透明
導電膜の密度が高く、また基板であるプラスチックフィ
ルムとの密着性に優れ、成膜速度が高いため、好適に用
いられる。
【0035】透明導電膜の厚さは、通常5〜750nm
が好ましく、10〜500nmがより好ましい。透明導
電膜の厚さが5nm未満であると、透明性は高いが導電
性が悪くなる。これは、透明導電膜を形成する酸化物も
しくは合金が、膜状にならず、いわゆるアイランド構造
を部分的に構成しているためと考えられる。逆に厚みが
750nm以上であると、透明性が悪くなり、かつ、得
られる透明導電膜の構造が柱状構造となり、割れ、ひび
を引き起こしやすくなる。その結果、導電性に悪影響を
及ぼす。
【0036】なお、本発明の効果や生産性を損なわない
範囲で、ポリアリレートフィルムの片面あるいは両面
に、ガスバリア性や接着性を向上させるために酸化珪素
膜、酸化アルミ膜などの金属酸化物膜層や窒化物層、炭
化物層、ダイヤモンド薄膜層、高分子薄膜層、有機物薄
膜層、無機物微粒子層、有機物微粒子層のうちの少なく
とも一層を形成させておいてもよく、これらの層を介し
てあるいは介さずに透明導電膜を形成させてもよい。
【0037】
【実施例】次に、本発明を実施例、参考例及び比較例に
よって詳細に説明するが、本発明はこれらに限定される
ものではなく、本発明の思想を逸脱しない範囲で種々の
変形及び応用が可能である。 キャストフィルムの製造条件は、用いるポリアリレート
の種類や製造するポリアリレートフィルムの厚さにより
変化する。スパッタリングの条件も同様である。従っ
て、ここでは、一般的な条件を示した
【0038】ポリアリレート樹脂、及びそれより得られ
たポリアリレートフィルムについては、以下のような方
法でその特性値を測定した。 1)溶液粘度 溶媒として、1,1,2,2−テトラクロロエタンを用
い、温度25℃、濃度1g/dLの条件で測定した。 2)カルボキシル価 試験管に樹脂0.15gを精秤し、ベンジルアルコール
5mlを加えて加熱溶解させ、これをクロロホルム10
mlと混合して試験サンプルとした。フェノールレッド
を指示薬として用い、撹拌下、0.1NのKOHベンジ
ルアルコール溶液で中和適定を行い、カルボキシル価を
求めた。
【0039】3)残留モノマー量 ポリアリレートフィルム10gを100mLのn−ヘキ
サンで12時間、ソックスレー抽出を行い、抽出したn
−ヘキサンを濃縮して抽出物を得た。これをH−NMR
により定量分析することにより、残留モノマー量を決定
した。 4)面抵抗値 4探針式抵抗測定装置を用い、単位面積当たりの抵抗値
を測定した。 5)透明導電膜の膜厚 透明導電膜の膜厚は、触針式膜厚測定装置を用いるか、
走査型電子顕微鏡で透明導電フィルムの断面写真を撮影
することにより求めた。
【0040】6)残留溶媒量 ポリアリレートフィルム10gを一定量のヘキサフルオ
ロイソプロパノールで溶解させた。これをn−ヘキサン
中に滴下することにより、ポリマーを析出させ、続いて
ポリマーを濾別した。得られた濾液をガスクロマトグラ
フィー(ヒューレットパッカード社製,HP−5890
SeriesII)にて、以下の条件で定量し、樹脂の
残量とした。 測定条件 カラム:メチルシリコンキャピラリー(5m×i.d.0.
53mm) キャリアガス:He 検出器:FID 7)残留水分量 ポリアリレートフィルム10gを一定量の無水有機溶媒
に溶解させ、この溶媒中の水分量をカールフィッシャー
法により分析した。
【0041】実施例1〜6 撹拌装置を備えた反応容器中に、2,2−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)もし
くは2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン(ビスフェノールC)もしくは2,2−ビ
ス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロ
パン(TMBPA)などの二価フェノールモノマーに対
して、水を30〜50重量倍、1.7モルパーセントの
p−tert−ブチルフェノール(PTBPと略す) 、
水酸化ナトリウムを210〜400モルパーセント、重
合触媒であるトリ−n−ブチルベンジルアンモニウムク
ロライドを1モルパーセント仕込んだ(水相)。これと
は別に、前記二価フェノールモノマーと当モルのテレフ
タル酸クロライド/イソフタル酸クロライド=1/1混
合物(MPCと略す)を、MPCに対して15〜30重
量倍の塩化メチレンに溶解させた有機相を調製し、先の
水相中に強撹拌下で添加して、20℃で3時間重合反応
を行った。この後、反応溶液が弱酸性となるように酢酸
を添加して反応を停止し、水相と有機相を分離した。こ
れを、有機相が中性となるまで水洗を繰り返し、その
後、メタノールを再沈溶媒とした再沈法を用いてポリア
リレート樹脂を得た。
【0042】この樹脂を、塩化メチレンもしくはクロロ
ホルムに溶解させ、厚さ50〜200μmのキャストフ
ィルムを製造した。このフィルムにDCマグネトロンス
パッタリング法により、50〜200nmのITO膜、
ZnO膜又はSnO膜を形成させた。スパッタリング時
には、酸素とアルゴンの混合ガス(酸素分圧は0.1〜
5.0%)を用い、チャンバー内圧力は0.10〜0.
50Paであった。また、そのときのフィルム温度は4
5〜150℃であり、投入電力密度は0.1〜3W/c
2 であった。このようにして得られた透明導電フィル
ムを、大気下で50、100、150℃に3時間加熱
し、面抵抗値の変化を検討した。
【0043】実施例7、8 撹拌装置を備えた反応容器中に、9,9−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)フルオレン(BPF)又は9,9−
ビスクレゾールフルオレン(BCF)に対し、水を30
〜50重量倍、1.7モルパーセントのPTBP、水酸
化ナトリウムを250〜400モルパーセント、重合触
媒であるトリ−n−ブチルベンジルアンモニウムクロラ
イドを1モルパーセント仕込んだ(水相)。これとは別
に、前記二価フェノールモノマーと当モルのMPCを、
MPCに対して15〜30重量倍の塩化メチレンに溶解
させた有機相を調製し、先の水相中に強撹拌下で添加し
て、20℃で3時間重合反応を行った。この後、反応溶
液が弱酸性となるように酢酸を添加して反応を停止し、
水相と有機相を分離した。これを、有機相が中性となる
まで水洗を繰り返し、その後、温水造粒法を用いてポリ
アリレート樹脂を得た。この樹脂を用いて実施例1〜6
と同様の方法により透明導電フィルムを製造し大気下で
100、150℃に3時間加熱して面抵抗値の変化を検
討した。
【0044】実施例9、10 撹拌装置を備えた反応容器中に2,2−ビス(3,5−
ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン(TMB
PA)30モルパーセントと9,9−ビスクレゾールフ
ルオレン(BCF)70モルパーセントの混合物を用
い、この全量に対して水を30〜50重量倍、1.7モ
ルパーセントのPTBP、水酸化ナトリウムを250〜
400モルパーセント、重合触媒であるトリ−n−ブチ
ルベンジルアンモニウムクロライドを1モルパーセント
仕込んだ(水相)。これとは別に、二価フェノールモノ
マーと当モルのMPCを、MPCに対して15〜30重
量倍の塩化メチレンに溶解させた有機相を調製し、先の
水相中に強撹拌下で添加して、20℃で3時間重合反応
を行った。この後、反応溶液が弱酸性となるように酢酸
を添加して反応を停止し、水相と有機相を分離した。こ
れを、有機相が中性となるまで水洗を繰り返し、その
後、メタノールを再沈溶媒とした再沈法を用いてポリア
リレート樹脂を得た。この樹脂を用いて実施例1〜6と
同様の方法により透明導電フィルムを製造し、大気下で
100、150℃に3時間加熱して面抵抗値の変化を検
討した。
【0045】比較例1〜10 実施例1〜10と同様の方法で重合して得たポリマー
を、有機相を中性となるまで洗浄し、そのまま有機層を
分離、乾燥して樹脂を得た。これらの樹脂を用いて実施
例1〜6と同様の方法により透明導電フィルムを製造
し、大気下で100、150℃に3時間加熱して面抵抗
値変化を検討した。
【0046】比較例11〜15 実施例1〜10で用いたモノマーより数種を選び、これ
を用い、MPCを1.1〜1.25等量用いる以外は、
実施例と同様の方法により透明導電フィルムを製造し、
大気下で100、150℃に3時間加熱して面抵抗値変
化を検討した。
【0047】比較例16〜20 実施例1〜10で用いたモノマーより数種を選び、キャ
ストフィルムの乾燥時間を実施例の1/10〜1/2と
いた以外は実施例と同様の方法により透明導電フィルム
を製造し、大気下で100、150℃に3時間加熱して
面抵抗値変化を検討した。以下に、実施例1〜10と比
較例1〜20の結果を示す。
【0048】
【表1】
【0049】
【発明の効果】以上のように、本発明の透明導電フィル
ムは、抵抗値変化が少なく、性能低下が少ない。したが
って、本発明の透明導電フィルムは、移動型情報通信機
器用表示装置や、タッチパネルの基材として有用なもの
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08G 63/183 C08G 63/183 63/193 63/193 C08J 7/06 CFD C08J 7/06 CFDB G02F 1/1343 G02F 1/1343 // C08L 67:03 (72)発明者 濱田 知宏 京都府宇治市宇治小桜23番地 ユニチカ株 式会社中央研究所内 (72)発明者 長谷川 明彦 京都府宇治市宇治小桜23番地 ユニチカ株 式会社中央研究所内 (72)発明者 秋月 隆昌 京都府宇治市宇治小桜23番地 ユニチカ株 式会社中央研究所内 Fターム(参考) 2H092 HA04 HA28 MA05 NA18 NA25 NA28 PA07 4F006 AA35 AB73 AB74 DA01 4F100 AA25B AA33B AB40B AK43A BA02 BA26 GB41 JA20 JG01 JG04 JM02B JN01 YY00 4J029 AA04 AB01 AC01 AD02 AE03 BB10B BB12A BB12B BB12C BB13A BB13B BD08 BD09A BD09B BE03 BF03 BG07X BG08X BG08Y BH01 BH04 CB04A CB05A CB06A CG06 DA01 FA02 FA03 FA06 FA07 FB02 FB03 FB06 FB07 FB09 FB15 GA02 HA01 HB01 JC091 KE11 KH05 5G307 FA02 FB01 FC02

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリアリレートフィルム上に、酸化イン
    ジウムスズ(ITO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ
    (SnO2 )、インジウムスズ−金属合金(ITM)及
    びこれらの合金から選ばれる透明導電膜を形成させた透
    明導電フィルムであって、前記ポリアリレートフィルム
    の残留モノマー量が2000ppm以下であることを特
    徴とする透明導電フィルム。
  2. 【請求項2】 ポリアリレートフィルムの残留溶媒量及
    び水分量が、常温、常圧でそれぞれ2000ppm以下
    である請求項1記載の透明導電フィルム。
  3. 【請求項3】 ポリアリレートフィルムのカルボキシル
    価が30モル/トン以下である請求項1又は2記載の透
    明導電フィルム。
  4. 【請求項4】 ポリアリレートフィルムの残留触媒量が
    1000ppm未満であり、残留アルカリ量が30pp
    m未満である請求項1〜3のいずれかに記載の透明導電
    フィルム。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002356544A (ja) * 2001-03-30 2002-12-13 Dainippon Ink & Chem Inc 低誘電性電子材料および電子材料用樹脂組成物
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JP2006117910A (ja) * 2004-09-27 2006-05-11 Fuji Photo Film Co Ltd 耐熱樹脂、光学フィルムおよび画像表示装置
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