JP2000255016A - 透明導電フィルム - Google Patents

透明導電フィルム

Info

Publication number
JP2000255016A
JP2000255016A JP11064174A JP6417499A JP2000255016A JP 2000255016 A JP2000255016 A JP 2000255016A JP 11064174 A JP11064174 A JP 11064174A JP 6417499 A JP6417499 A JP 6417499A JP 2000255016 A JP2000255016 A JP 2000255016A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
transparent conductive
bis
hydroxyphenyl
conductive film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11064174A
Other languages
English (en)
Inventor
Mitsunobu Sato
光伸 佐藤
Masaaki Fujiwara
正明 藤原
Tomohiro Hamada
知宏 濱田
Shinya Takagi
伸哉 高木
Akihiko Hasegawa
明彦 長谷川
Takamasa Akizuki
隆昌 秋月
Koichi Motoume
孝一 本梅
Toru Tanaka
亨 田中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Unitika Ltd
Original Assignee
Unitika Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Unitika Ltd filed Critical Unitika Ltd
Priority to JP11064174A priority Critical patent/JP2000255016A/ja
Publication of JP2000255016A publication Critical patent/JP2000255016A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 基材としてポリアリレートフィルムを用い、
透明導電膜の成膜後に、加熱処理や、ガスバリア層や他
の機能性薄膜を蒸着するなどの処理を経ても、面抵抗値
が低く、面抵抗値の劣化といった性能低下現象が少ない
透明導電フィルムを提供する。 【解決手段】 ガラス転移温度(Tg)が190℃以上
であるポリアリレートフィルム上に、酸化インジュウム
スズ(ITO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(Sn
2 )、インジュウムスズ−金属合金(ITM)及びこ
れらの合金から選ばれた透明導電膜が形成されている透
明導電フィルムであって、透明導電膜が(Tg−50)
〜(Tg+10)(℃)のフィルム温度範囲で構築され
たものであることを特徴とする透明導電フィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、基材としてポリア
リレートフィルムを用い、性能低下現象が少ない透明導
電フィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】軽量且つコンパクトであるという特徴を
生かした液晶ディスプレーは、表示装置として汎用され
ており、特に、携帯電話や、電子手帳、ラップトップ型
パソコンなど携帯情報端末などの移動型情報通信機器用
表示装置として、不可欠なものとなっている。また、前
記のような携帯情報端末などには、画面に直接情報を書
き込んだり、また画面にふれることにより操作するタッ
チパネルを具備したものが多く用いられている。
【0003】これらのような表示装置やタッチパネルと
しては、酸化インジュウムスズ(ITO)、酸化亜鉛
(ZnO)、酸化スズ(SnO2 )、インジュウムスズ
−金属合金(ITM)及びこれらの合金などの透明導電
膜をスパッタリング法、真空蒸着法、CVD(化学蒸
着)法などの乾式成膜法、もしくはゾルゲル法などの湿
式成膜法でガラスやプラスチックフィルムにコーティン
グしたものが広く使用されている。
【0004】ところで、これら透明導電材料を前述のよ
うな表示装置へ応用するためには、通常、比抵抗1×1
-3Ω・cm以下、シート抵抗10Ω/□以下、光線透
過率80%以上という性能を必要とする。このような性
能は、例えばITOをガラスにコーティングする場合、
高温処理を用いたITO膜の結晶化促進と、構造欠陥の
補修、すなわち、次に述べる(1)〜(3)により実現
される。 (1)ガラスを400℃程度に加熱しつつ乾式成膜法に
よりITOを構築する。 (2)200℃以下の温度でガラス基板にITOを構築
した後に、これを300〜400℃にて処理する。 (3)湿式成膜法にて得られたITOゾル膜を、200
〜400℃でキュアリングする。
【0005】また、近年、ガラスに比べて軽量であると
いった特徴から、透明導電プラスチックフィルム、すな
わち、プラスチックフィルム上に透明導電層を構築した
透明導電材料が広く用いられるようになってきた。とこ
ろが、このような透明導電材料では、プラスチック自身
の耐熱性に限界があることから、前述のような熱処理が
行えず、プラスチックフィルムに、単に乾式成膜法、あ
るいは湿式成膜法で透明導電層を構築しても、比抵抗値
やシート抵抗値が必要性能を満たさないといった問題が
あった。
【0006】このような問題を解決するために、例え
ば、ITO膜を形成する際に基材を加熱して結晶性のI
TO膜を得る方法と、室温でITO膜を形成した後に熱
処理を施して結晶性ITO膜を得る方法とが知られてい
る(例えば、特開平2-276630号公報、特開平2-194943号
公報、特開平1-10026 号公報、特公平3-15536 号公報な
ど)。通常、ITO膜が結晶化する温度は180℃以上
であるが、結晶が小さいとITO膜中に多数の結晶境界
が存在することになる。このような結晶境界は、ガスの
浸入を容易とするため、ITO膜全体としての耐湿熱性
が悪化する。このような現象を起こさない充分な大きさ
の結晶を保持するITO膜を形成するためには、前述の
ように400℃以上の熱処理温度が必要と言われてお
り、この処理温度では、殆どの汎用プラスチックフィル
ムは使用できない。
【0007】また、特開平9-286070号公報では、室温で
プラスチック基材上に非晶質のITO膜を形成し、これ
を、ITOの非晶性を保ったまま、大気中、窒素雰囲気
下で80℃以上180℃以下で熱処理を行うといった方
法が開示されている。ところが本手法を試行しても、I
TO結晶の成長度合いや安定化の差によると思われる、
サンプル間、サンプル内での初期面抵抗値偏差が生じ
る。このような現象は、工業的な生産における信頼性に
大きな課題となり得る。
【0008】さらに、これら透明導電膜の成膜対象であ
るプラスチックフィルムの中には、透明導電膜を形成し
た後のさらなる加工、例えば、ハードコート層をキュア
リングする際の加熱処理や、ガスバリア層や他の機能性
薄膜を蒸着するなどの処理などを経ると、比抵抗値や面
抵抗値が劣化していくといった性能低下現象が見られ
た。さらには、同種のプラスチックフィルム間において
も同様の現象が見られた。このような現象は、最終製品
の品質に大きなばらつきを与える結果となり、重大な問
題であった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記状況に鑑み、本発
明の課題は、基材としてポリアリレートフィルムを用
い、透明導電膜の成膜後に、加熱処理や、ガスバリア層
や他の機能性薄膜を蒸着するなどの処理を経ても、面抵
抗値が低く、面抵抗値の劣化といった性能低下現象が少
ない透明導電フィルムを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、このよう
な課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、用いる
ポリアリレート樹脂のガラス転移点(Tg)を基準とし
たある一定の温度範囲で、ポリアリレートフィルムに乾
式成膜法もしくは湿式成膜法により透明導電層を構築す
ることにより、初期比抵抗値が1×10-3Ω・cm以
下、シート抵抗10Ω/□以下であり、面抵抗値の劣化
といった性能低下現象が少ない透明導電フィルムを製造
できることを見出した。さらに、該フィルム中のモノマ
ー量や残留溶媒量、残留水分量、残留アルカリ量、残留
触媒量、さらには樹脂中のカルボキシル価を制御するこ
とにより、経時的もしくは後処理での熱的影響による比
抵抗値や面抵抗値の低下をより抑えることができること
を見いだし、本発明に到達した。
【0011】すなわち、本発明の要旨は、ガラス転移温
度(Tg)が180℃以上であるポリアリレートフィル
ム上に、酸化インジュウムスズ(ITO)、酸化亜鉛
(ZnO)、酸化スズ(SnO2 )、インジュウムスズ
−金属合金(ITM)及びこれらの合金から選ばれた透
明導電膜が形成されている透明導電フィルムであって、
透明導電膜が式(1)に示すフィルム温度範囲で構築さ
れたものであることを特徴とする透明導電フィルムであ
る。 Tg−50<フィルム温度<Tg+10(℃) (1)
【0012】そして、さらに、残留モノマー量が200
0ppm以下であるポリアリレートフィルムを用いた透
明導電フィルム、残留溶媒及び水分の量が、常温、常圧
でそれぞれ2000ppm以下であるポリアリレートフ
ィルムを用いた透明導電フィルム、カルボキシル価が3
0モル/トン以下であるポリアリレートフィルムを用い
た透明導電フィルム、残留触媒量が1000ppm以
下、残留アルカリ量が30ppm以下であるポリアリレ
ートフィルムを用いた透明導電フィルムは好ましい態様
のものである。
【0013】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を詳細に説明す
る。本発明に用いられるポリアリレートは、二価フェノ
ール成分と二価ジカルボン酸成分とから得られるもので
あって、ポリアリレートを構成する二価フェノールとし
ては例えば次に示すものが用いられる。すなわち、2−
メチル−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、3−メチ
ル−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、2−クロロ−
4,4’−ジヒドロキシビフェニル、3−クロロ−4,
4’−ジヒドロキシビフェニル、3,3’−ジメチル−
4,4’−ジヒドロキシビフェニル、2,2’−ジメチ
ル−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、2,3’−ジ
メチル−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、3,3’
−ジクロロ−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、3,
3’−ジ−tert−ブチル−4,4’−ジヒドロキシ
ビフェニル、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジヒド
ロキシビフェニル、2,2−ビス(3,5−ジメチル−
4−ヒドロキシフェニル)プロパン(テトラメチルビス
フェノールA)、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)フルオレン、9,9−ビスクレゾールフルオレン、
9,9−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)フルオレン、3,3’,5,5’−テトラメチル
−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、3,3’,5,
5’−テトラ−tert−ブチル−4,4’−ジヒドロ
キシビフェニル、3,3’,5,5’−テトラクロロ−
4,4’−ジヒドロキシビフェニル、2,2’−ジヒド
ロキシ−3,3’−ジメチルビフェニル、 3,3’−ジ
フルオロ−4,4’−ビフェノール、
【0014】2,2’−ジヒドロキシ−3,3’,5,
5’−テトラメチルビフェニル、3,3’,5,5’−
テトラフルオロ−4,4’−ビフェノール、2,2’,
3,3’,5,5’−ヘキサメチル−4,4’−ビフェ
ノール、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,
1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、ビス(4
−メチル−2−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス
(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)メタ
ン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘ
キサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4
−メチルペンタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)エチルベンゼン(ビスフェノールAP)、2,2−
ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシ
フェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)−1−フェニルエタン、 1,1−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)−2−エチルヘキサン、2,2−ビ
ス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン、ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)メタ
ン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−メチル
プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメ
タン、
【0015】2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
オクタン、1,1−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシ
フェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(3−アリル
−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、 2,2−ビス
(3−イソプロピル−4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン、2,2−ビス(3−tert−ブチル−4−ヒドロ
キシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−sec−
ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−
ビス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブ
チルフェニル)−2−メチルプロパン、4,4’−
〔1,4−フェニレン−ビス(1−メチルエチリデ
ン)〕ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)、
1,1−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニ
ル)シクロヘキサン、ビス(2−ヒドロキシフェニル)
メタン、2,4’−メチレンビスフェノール、ビス(3
−メチル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビ
ス(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)エタン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチル
−ブタン、ビス(2−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフ
ェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)シクロペンタン、1,1−ビス(3−メチル−4−
ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、3,3−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、3,3−ビス
(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、
【0016】3,3−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒ
ドロキシフェニル)ペンタン、2,2−ビス(2−ヒド
ロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、2,2
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ノナン、1,1−ビ
ス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−1−フェ
ニルエタン、1,1−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒ
ドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)デカン、1,1−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)デカン、1,1−ビス(2−ヒドロ
キシ−3−tert−ブチル−5−メチルフェニル)メ
タン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタ
ン、テルペンジフェノール、1,1−ビス(3−ter
t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサ
ン、1,1−ビス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−
tert−ブチルフェニル)−2−メチルプロパン、
2,2−ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフ
ェニル)プロパン、ビス(3,5−ジ−tert−ブチ
ル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(3,5−
ジ−sec−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)メタ
ン、1,1−ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキ
シフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(2−ヒド
ロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルフェニル)エタ
ン、1,1−ビス(3−ノニル−4−ヒドロキシフェニ
ル)メタン、2,2−ビス(3,5−ジ−tert−ブ
チル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
【0017】1,1−ビス(2−ヒドロキシ−3,5−
ジ−tert−ブチル−6−メチルフェニル)メタン、
1,1−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニ
ル)−1−フェニルエタン、α,α’−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)酢酸ブチルエステル、1,1−ビス
(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビ
ス(2−ヒドロキシ−5−フルオロフェニル)メタン、
2,2−ビス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン、1,1−ビス(3−フルオロ−4−ヒド
ロキシフェニル)−1−フェニルメタン、1,1−ビス
(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−1−(p
−フルオロフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)−1−(p−フルオロフェニル)メタ
ン、2,2−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシ−5−
メチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジ
クロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−
ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン、1,1−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシ
フェニル)メタン、2,2−ビス(3,5−ジブロモ−
4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3
−ニトロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス
(4−ヒドロキシフェニル)ジメチルシラン、ビス
(2,3,5−トリメチル−4−ヒドロキシフェニル)
−1−フェニルメタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)ドデカン、2,2−ビス(3−メチル−4−
ヒドロキシフェニル)ドデカン、 2,2−ビス(3,5
−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)ドデカン、1,
1−ビス(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)−1−フェニルエタン、1,1−ビス(3,5−
ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−1
−フェニルエタン、
【0018】1,1−ビス(2−メチル−4−ヒドロキ
シ−5−シクロヘキシルフェニル)−2−メチルプロパ
ン、1,1−ビス(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−te
rt−ブチルフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)プロパン酸メチルエステル、2,2
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン酸エチルエ
ステル、2,2’,3,3’,5,5’−ヘキサメチル
−4,4’−ビフェノール、ビス(2−ヒドロキシフェ
ニル)メタン、2,4’−メチレンビスフェノール、
1,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2−
(4−ヒドロキシフェニル)−2−(2−ヒドロキシフ
ェニル)プロパン、ビス(2−ヒドロキシ−3−アリル
フェニル)メタン、1,1−ビス(2−ヒドロキシ−
3,5−ジメチルフェニル)−2−メチルプロパン、
1,1−ビス(2−ヒドロキシ−5−tert−ブチル
フェニル)エタン、ビス(2−ヒドロキシ−5−フェニ
ルフェニル)メタン、1,1−ビス(2−メチル−4−
ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、
ビス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシ
ルフェニル)メタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)ペンタデカン、2,2−ビス(3−メチル−4
−ヒドロキシフェニル)ペンタデカン、2,2−ビス
(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)ペンタ
デカン、1,2−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル
−4−ヒドロキシフェニル)エタン、ビス(2−ヒドロ
キシ−3,5−ジ−tert−ブチルフェニル)メタ
ン、2,2−ビス(3−スチリル−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)−1−(p−ニトロフェニル)エタン、ビス(3,
5−ジフルオロ−4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビ
ス(3,5−ジフルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−
1−フェニルメタン、ビス(3,5−ジフルオロ−4−
ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、
【0019】ビス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェ
ニル)ジフェニルメタン、2,2−ビス(3−クロロ−
4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)−3,3−ジメチル−5−メチ
ル−シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)−3,3−ジメチル−5,5−ジメチル−シク
ロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
−3, 3−ジメチル−4−メチル−シクロヘキサン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3−ジ
メチル−5−エチル−シクロヘキサン、1,1−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)−3,3−ジメチル−5−
メチル−シクロペンタン、1,1−ビス(3,5−ジメ
チル−4−ヒドロキシフェニル)−3,3−ジメチル−
5−メチル−シクロヘキサン、1,1−ビス(3,5−
ジフェニル−4−ヒドロキシフェニル)−3,3−ジメ
チル−5−メチル−シクロヘキサン、1,1−ビス(3
−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−3,3−ジメチ
ル−5−メチル−シクロヘキサン、1,1−ビス(3−
フェニル−4−ヒドロキシフェニル)−3,3−ジメチ
ル−5−メチル−シクロヘキサン、1,1−ビス(3,
5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)−3,3−ジ
メチル−5−メチル−シクロヘキサン、1,1−ビス
(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)−3,
3−ジメチル−5−メチル−シクロヘキサンなどのジフ
ェノール類から1種類以上を選ぶことができる。
【0020】特に好ましい二価フェノールとしては、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビ
スフェノールA)、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)エチルベンゼン(ビスフェノールAP)、2,2
−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン(ビスフェノールC)、1,1−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)シクロヘキサン(ビスフェノールZ)、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニ
ルエタン(ビスフェノールAZ)、2,2−ビス(3,
5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン(テ
トラメチルビスフェノールA)、9,9−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビスクレゾー
ルフルオレン、9,9−ビス(3,5−ジメチル−4−
ヒドロキシフェニル)フルオレンなどが挙げられる。
【0021】また、ポリアリレートを構成する二価カル
ボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸及びフタ
ル酸等が挙げられ、テレフタル酸、イソフタル酸及びこ
れらの混合物が好ましく、テレフタル酸が10〜90モ
ル%とイソフタル酸90〜10モル%からなる混合物が
より好ましく、特に好ましくは、テレフタル酸とイソフ
タル酸の等量混合物である。実際の製造には、これらの
誘導体、例えば、フタル酸クロライドやフタル酸ブロマ
イド等のような二価カルボン酸ハライドが好ましく用い
られる。
【0022】また樹脂の末端は、フェノール、クレゾー
ル、p−tert−ブチルフェノール、o−フェニルフ
ェノールなどの一価のフェノール類、安息香酸クロライ
ド、メタンスルホニルクロライド、フェニルクロロホル
メートなどの一価の酸クロライド類、メタノール、エタ
ノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブ
タノール、2−ブタノール、ペンタノール、ヘキサノー
ル、ドデシルアルコール、ステアリルアルコール、ベン
ジルアルコール、フェネチルアルコールなどの一価のア
ルコール類、酢酸、プロピオン酸、オクタン酸、シクロ
ヘキサンカルボン酸、安息香酸、トルイル酸、フェニル
酢酸、p−tert−ブチル安息香酸、p−メトキシフ
ェニル酢酸などの一価のカルボン酸などで封止されてい
てもよい。
【0023】本発明においては、常法で製造したポリア
リレートを用いることができ、水と相溶しない有機溶剤
に溶解せしめた二価のフタル酸ハライドとアルカリ水溶
液に溶解せしめた二価のフェノールとを混合する界面重
合法(W.M.Eareckson J.Poly.Sci.XL399 1959 年,特公
昭40-1959 号公報)で製造したものが好適に採用され
る。界面重合法は、溶液重合法と比較して反応が速く、
そのためフタル酸ハライドの加水分解を最小限に抑える
ことが可能である。しかしながら、フタル酸の副生を完
全に抑えることはできない。また、特に後述する重合触
媒を選ぶことにより高分子量のポリマーを得ることはで
きるが、その分子量分布は時として高分子量領域と低分
子量領域とに分かれるなど、オリゴマーが発生しやすい
ことは良く知られている。
【0024】界面重合法での製造方法をさらに詳細に説
明すると、二価フェノールのアルカリ水溶液を調製し、
続いて重合触媒を添加する。重合触媒としては、分子量
が高いポリマーが得られるものであれば特に限定はされ
ないが、トリブチルベンジルアンモニウムハライド、テ
トラブチルアンモニウムハライド、テトラブチルホスホ
ニウムハライド、トリブチルベンジルアンモニウムハラ
イドが高分子量でカルボキシル価の低いポリマーを与え
る点で好ましい。第4級アンモニウム塩のアルキル鎖の
短い、トリメチルベンジルアンモニウムハライド、トリ
エチルベンジルアンモニウムハライド等では、重合する
二価フェノールの種類によっては高分子量のポリマーを
得ることができないので好ましくない。
【0025】一方、水と相溶せず、かつポリアリレート
を溶解するような溶媒、例えば塩化メチレン、1,2−
ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素、クロロベ
ンゼン、1,1,2,2−テトラクロロエタン、1,
1,1−トリクロロエタン、o−、m−、p−、ジクロ
ロベンゼンなどの塩素系溶媒、トルエン、ベンゼン、キ
シレンなどの芳香族系炭化水素などに二価のカルボン酸
ハライドを溶解させた溶液を先のアルカリ溶液に混合す
る。25℃以下の温度で1時間〜5時間撹拌しながら反
応を行うことによってポリアリレートを得ることができ
る。ここで用いることができるアルカリには、水酸化ナ
トリウムや水酸化カリウム等がある。
【0026】ポリマー中に残留するモノマー、残留する
オリゴマー、残留触媒、残留アルカリ等を低減させる方
法としては、再沈法、遠心分離法とニーダー法の組み合
わせ、遠心分離法と温水造粒法との組み合わせなどが採
られる。特に特願平9-219147号などに示されているよう
な温水造粒法は、界面重合で得られるポリアリレート樹
脂から残留不純物を除くのに有用である。ポリマー中に
残留モノマーやオリゴマーが多く存在する場合、これら
はこのポリマーの成形体中において空気との界面、すな
わち、表面に集中して存在することが、既に報告されて
いる(T. Kajiyama, et. al., Macromolecule, 28 巻,
3482〜3484ページ, 1995年など)。したがって、残留モ
ノマーやオリゴマー、特に残留モノマーは、ポリアリレ
ートフィルム成膜時に該フィルム表面に移行し、これが
透明導電膜形成時以降の熱処理により透明導電膜に悪影
響を及ぼすものと考えられ、この点を考慮して検討した
結果、ポリアリレートフィルムの残留モノマー量はそれ
ぞれ2000ppm以下であることが好ましいことが分
かった。さらに残留二価フェノール量が1000ppm
以下であり、残留二価カルボン酸量が500ppm以下
であることがより好ましく、残留二価フェノール量が5
00ppm以下であり、残留二価カルボン酸量が100
ppm以下であることが特に好ましい。
【0027】ポリアリレートの製造に用いている触媒
は、界面活性剤の一種である。従って、これらがポリア
リレートフィルム中に多く存在すると、吸湿によるフィ
ルム寸法変化などに悪影響を与える。従って残留触媒量
は、1000ppm未満、好ましくは400ppm未満
であることが望ましい。また、残留アルカリ量は30p
pm未満であることが望ましい。ポリアリレートを製造
する界面重合法は可逆反応であり、充分な水分とアルカ
リ、さらに熱が存在すると解重合反応を引き起こし、樹
脂中の残留モノマー量を増大させる。残留アルカリ量が
30ppm以上であると透明導電フィルムの性能劣化が
無視できなくなるのはこのためと考えられる。
【0028】ポリアリレートの分子量は、前述した末端
封止材料の添加量によってコントロールすることができ
る。本発明に好適なポリアリレートの分子量としては、
テトラクロロエタンを粘度測定溶媒に用いた25℃にお
ける1g/dl溶液のインヘレント粘度は0.7以上が
好ましく、0.8〜2.5がより好ましい。インヘレン
ト粘度が0.7未満であると耐熱安定性が不十分な場合
があり、また後述するようなキャストフィルム製造方法
を経る場合、フィルム製造のためのポリマードープ液に
十分な粘度を与えることができず、フィルム成膜性に劣
ることがある。一方2.5を超えると該ドープ液粘度が
上がりすぎてドープ液の吐出が不可能になることがあ
る。また、このドープ液には、耐熱性をさらに改良する
ためにその特性を損なわない範囲で、ヒンダードフェノ
ール系、ヒンダードアミン系、チオエーテル系、燐系等
各種酸化防止剤を添加することができる。
【0029】また、ポリアリレートはカルボキシル価が
30モル/トン以下であることが好ましく、20モル/
トン以下がより好ましい。カルボキシル価が30モル/
トンを超えると、湿熱時にフィルム寸法の変化が著しく
なる場合があり、透明導電膜の割れ、ひびにつながる。
ポリアリレートフィルム中のカルボキシル価はポリアリ
レート製造時に使用するフタル酸ハライドと二価フェノ
ールのモル比や反応時間を制御することによって調製す
ることができる。
【0030】本発明で用いられるポリアリレートは、塩
化メチレンやクロロホルムなどのようなハロゲン系溶
媒、テトラヒドロフラン、トルエン等の汎用溶媒への高
い溶解性を有している。 従って、ポリアリレートフィル
ムの製造方法としては、このような性質を応用したキャ
スティング法が好適に用いられる。キャスティング法と
は、ポリアリレートを溶媒に溶解させてドープ液を作
り、これをスチールベルトや、ポリアリレートを溶解さ
せた溶媒に侵されないポリマーフィルム、もしくは硝子
上に展開させ、溶媒を除去してフィルムを得るという方
法である。
【0031】フィルム中に残留している溶媒や水分の量
は、できるだけ少ないように制御すべきであることは、
透明導電層を構築する際のアウトガスによる蒸着抜けを
抑制するために重要である。その量は、常温、常圧でそ
れぞれ2000ppm以下が好ましく、1000ppm
以下にすることがより好ましい。残留溶媒や水分がそれ
ぞれ2000ppmより多いと、透明導電層を構築した
時点で、既に十分な抵抗値を示さないことがある。残留
溶媒や水分の量は乾燥条件により大きく作用され、通
常、常圧以下の圧力で、用いた溶媒の沸点より高い温度
で1〜24時間乾燥して除去することが好ましい。
【0032】ポリアリレートフィルムの膜厚は1〜10
00μmが好ましく、5〜500μmがより好ましい。
1μm未満では得られたフィルムの強度が充分でない場
合が多く、1000μmを越えると、フィルム乾燥時
に、一様に脱溶媒しにくいため、乾燥ムラや、無視でき
ない大きさの表面凹凸が生じる傾向がある。
【0033】透明導電膜は、酸化インジュウムスズ(I
TO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO2 )、
インジュウムスズ−金属合金(ITM)及びこれらの合
金などの透明導電膜を、DCスパッタリング法、デュア
ルマグネトロンスパッタリング法、アンバランスドマグ
ネトロンスパッタリング法、真空蒸着法、CVD(化学
蒸着)法、ゾルゲル法、分子線エピタキシー法、プラズ
マガンによる成膜などの成膜方法を用いて構築される。
特に、DCマグネトロンスパッタリング法、デュアルマ
グネトロンスパッタリング法などが、得られる透明導電
膜の密度が大きく、また基板であるプラスチックフィル
ムとの密着性に優れ、成膜速度が大きいため、好適に用
いられる。
【0034】透明導電膜を構築するためのポリアリレー
トフィルムのポリアリレートのTgは180℃以上、好
ましくは190℃以上のものを用いる。結晶性が良好で
低抵抗の透明導電膜を構築するためには、例えばITO
では、結晶化に150℃以上(S. Muranaka et. al., T
hin Solid Films, 151号 355頁) 、実質的には180℃
以上の温度が必要といわれている。したがって、Tgが
180℃未満のポリアリレートを用いて、180℃以上
で透明導電膜を構築する場合、フィルムの変形が無視で
きなくなり、透明導電膜にひびや割れが生じて、好まし
い結果が得られないことがある。
【0035】また、透明導電膜を構築する際には、ポリ
アリレートフィルムの温度は、式(1)の温度範囲、す
なわち、(Tg−50)〜(Tg+10)℃、好ましく
は(Tg−30)〜(Tg+5)℃で行う。ポリアリレ
ートは、透明導電フィルムとして汎用されているポリエ
チレンフタレートフィルムやポリカーボネートフィルム
と比較し、そのTgが高いため、高基板温度での透明導
電層の成膜に耐えうるが、成膜温度が、Tg−50
(℃)未満であると、一般に、比抵抗値や面抵抗値が低
くならないことがある。これは、前述のようにITO膜
などが結晶化温度に至らないためであると考えられる。
また、成膜温度がTg+10(℃)より高いと、成膜
中、あるいは成膜後のフィルムの寸法変化が無視できな
くなり、その結果、透明導電膜のひびや割れにつなが
る。
【0036】透明導電膜の厚さは、通常5〜750n
m、好ましくは10〜500nmであることが好まし
い。透明導電膜の厚さが5nm未満であると、透明性は
高いが導電性が悪くなる。これは、透明導電膜を形成す
る酸化物もしくは合金が、膜状にならず、いわゆるアイ
ランド構造を部分的に構成しているためと考えられる。
逆に厚みが750nm以上であると、透明性が悪くな
り、かつ、得られる透明導電膜の構造が柱状構造とな
り、ひびや割れを引き起こしやすくなる。その結果、導
電性に悪影響を及ぼす。
【0037】なお、本発明の効果を損なわない範囲で、
ガスバリア性や接着性を向上させるために、透明導電フ
ィルムの片面あるいは両面に、酸化珪素膜、酸化アルミ
膜などの金属酸化物膜層や窒化物層、炭化物層、ダイヤ
モンド薄膜層、高分子薄膜層、有機物薄膜層、無機物微
粒子層、有機物微粒子層のうちの少なくとも一層を形成
させてもよく、また、ポリアリレートフィルムの片面あ
るいは両面に、これらの層を形成させておいて、これら
の層を介してあるいは介さずに透明導電層を形成させて
もよい。
【0038】
【実施例】次に、本発明を実施例及び比較例によって具
体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるもので
はなく、本発明の思想を逸脱しない範囲で種々の変形及
び応用が可能である。
【0039】キャストフィルムの製造条件は、用いるポ
リアリレートの種類や製造するポリアリレートフィルム
の厚さにより変化する。スパッタリングの条件も同様で
ある。従って、ここでは、一般的な条件を示した。ポリ
アリレート樹脂、及びそれより得られたポリアリレート
フィルムについては、以下のような方法でその特性値を
測定した。
【0040】(1)溶液粘度 溶媒として、1,1,2,2−テトラクロロエタンを用
い、温度25℃、濃度1g/dLの条件で測定した。 (2)カルボキシル価 試験管に樹脂0.15gを精秤し、ベンジルアルコール
5mlを加えて加熱溶解させ、これをクロロホルム10
mlと混合して試験サンプルとした。フェノールレッド
を指示薬として用い、撹拌下、0.1NのKOHベンジ
ルアルコール溶液で中和適定を行い、カルボキシル価を
求めた。 (3)残留モノマー量 ポリアリレートフィルム10gを100mLのn−ヘキ
サンで12時間、ソックスレー抽出を行い、抽出したn
−ヘキサンを濃縮して抽出物を得た。これをH−NMR
により定量分析することにより、残留モノマー量を決定
した。
【0041】(4)面抵抗値 4探針式抵抗測定装置を用い、単位面積当たりの抵抗値
を測定した。 (5)残留溶媒量 ポリアリレートフィルム10gを一定量のヘキサフルオ
ロイソプロパノールで溶解させた。これをn−ヘキサン
中に滴下してポリマーを析出させ、続いてポリマーを濾
別した。得られた濾液をガスクロマトグラフィー(ヒュ
ーレットパッカード社製 HP−5890 Serie
sll)にて定量し、フィルム中の残留溶媒量とした。 (6)残留水分量 ポリアリレートフィルムを一定量の乾燥有機溶媒に溶解
させ、これを用いてカールフィッシャー法によりフィル
ム中の残留水分量とした。
【0042】(7)残留触媒量 ポリアリレート樹脂5gをクロロホルム100mlに溶
解させ、これを5Lのメタノールに滴下して樹脂を沈殿
させた。次に、樹脂を分離してメタノールを濃縮し、こ
の中に存在する触媒の量をガスクロマトグラフィー(ヒ
ューレットパッカード社製 HP−5890 Seri
es II )にて以下の条件で定量し、樹脂中の残量とし
た。 測定条件 カラム:メチルシリコンキャピラリー (5m×i.d. 0.53mm) カラム温度:250℃ キャリアガス:He 検出器:FID (8)残留アルカリ金属量 原子吸光法により測定した。
【0043】実施例1〜6 撹拌装置を備えた反応容器中に、2,2−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)もし
くは2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エチルベ
ンゼン(ビスフェノールAP)もしくは2,2−ビス
(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン(TMBPA)などの二価フェノールモノマーと、こ
れに対して水を30〜50重量倍、1.7モルパーセン
トのp−tert−ブチルフェノール(PTBPと略
す)、水酸化ナトリウムを210〜400モルパーセン
ト、重合触媒であるトリ−n−ブチルベンジルアンモニ
ウムクロライドを1モルパーセント仕込んだ(水相)。
これとは別に、二価フェノールモノマーと当モルのテレ
フタル酸クロライド/イソフタル酸クロライド=1/1
混合物(MPCと略す)を、MPCに対して15〜30
重量倍の塩化メチレンに溶解させた有機相を調製し、先
の水相中に強撹拌下で添加して、20℃で3時間重合反
応を行った。この後、反応溶液が弱酸性となるように酢
酸を添加して反応を停止し、水相と有機相を分離した。
これを、有機相が中性となるまで水洗を繰り返し、その
後、メタノールを再沈溶媒とした再沈法を用いてポリア
リレート樹脂を得た。この樹脂を、塩化メチレンもしく
はクロロホルムに溶解させ、50〜200μmのキャス
トフィルムを製造した。このフィルムにDCマグネトロ
ンスパッタリング法により50〜200nmのITO
膜、もしくはZnO膜、SnO 2 膜を構築した。スパッ
タリング時には、酸素とアルゴンの混合ガス(酸素分圧
は0.1〜5.0%)を用い、チャンバー内圧力は0.
10Pa〜0.50Paであった。また、そのときのフ
ィルム温度は180℃〜200℃であり、投入電力密度
は0.1〜3W/cm2 であった。このようにして得ら
れた透明導電フィルムを、大気下で100、150℃に
3時間加熱し、面抵抗値の変化を検討した。
【0044】実施例7、8 撹拌装置を備えた反応容器中に、9,9−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)フルオレン(BPF)、9,9−ビ
スクレゾールフルオレン(BCF)と、これに対し、水
を30〜50重量倍、1.7モルパーセントのPTB
P、水酸化ナトリウムを250〜400モルパーセン
ト、重合触媒であるトリ−n−ブチルベンジルアンモニ
ウムクロライドを1モルパーセント仕込んだ(水相)。
これとは別に、二価フェノールモノマーと当モルのMP
C、MPCに対して15〜30重量倍の塩化メチレンに
溶解させた有機相を調製し、先の水相中に強撹拌下で添
加して、20℃で3時間重合反応を行った。この後、反
応溶液が弱酸性となるように酢酸を添加して反応を停止
し、水相と有機相を分離した。これを、有機相が中性と
なるまで水洗を繰り返し、その後、温水造粒法を用いて
ポリアリレート樹脂を得た。この樹脂を用い、フィルム
温度240℃〜290℃とした以外は、実施例1〜6と
同様の方法により透明導電フィルムを製造し、大気下で
100、150℃に3時間加熱して面抵抗値の変化を検
討した。
【0045】実施例9、10 撹拌装置を備えた反応容器中に2,2−ビス(3,5−
ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン(テトラ
メチルビスフェノールA)30モルパーセントと9,9
−ビスクレゾールフルオレン(BCF)70モルパーセ
ントの混合物、この全量に対して水を30〜50重量
倍、1.7モルパーセントのPTBP、水酸化ナトリウ
ムを250〜400モルパーセント、重合触媒であるト
リ−n−ブチルベンジルアンモニウムクロライドを1モ
ルパーセント仕込んだ(水相)。これとは別に、二価フ
ェノールモノマーと当モルのMPCを、MPCに対して
15〜30重量倍の塩化メチレンに溶解させた有機相を
調製し、先の水相中に強撹拌下で添加して、20℃で3
時間重合反応を行った。この後、反応溶液が弱酸性とな
るように酢酸を添加して反応を停止し、水相と有機相を
分離した。これを、有機相が中性となるまで水洗を繰り
返し、その後、メタノールを再沈溶媒とした再沈法を用
いてポリアリレート樹脂を得た。この樹脂を用い、フィ
ルム温度230℃〜280℃とした以外は、実施例1〜
6と同様の方法により透明導電フィルムを製造し、大気
下で100、150℃に3時間加熱して面抵抗値の変化
を検討した。
【0046】比較例1〜5 実施例1〜10で用いたモノマーより数種を選び、フィ
ルム温度を本発明で規定した範囲外とした以外は、実施
例1〜10と同様の方法により透明導電フィルムを製造
し、大気下で100、150℃に3時間加熱して面抵抗
値の変化を検討した。
【0047】比較例6〜15 実施例1〜10と同様の方法で重合して得たポリマー
を、有機相を中性となるまで洗浄し、そのまま有機層を
分離、乾燥して樹脂を得た。これらの樹脂を用いて実施
例1〜6と同様の方法により透明導電フィルムを製造
し、大気下で100、150℃に3時間加熱して面抵抗
値の変化を検討した。
【0048】比較例16〜20 実施例1〜10で用いたモノマーより数種を選び、これ
を用い、MPCを1.1〜1.25等量用いる以外は、
実施例と同様の方法により透明導電フィルムを製造し、
大気下で100、150℃に3時間加熱して面抵抗値の
変化を検討した。
【0049】比較例21〜25 実施例1〜10で用いたモノマーより数種を選び、キャ
ストフィルムの乾燥時間を、実施例の1/10〜1/2
とした以外は実施例と同様の方法により透明導電フィル
ムを製造し、大気下で100、150℃に3時間加熱し
て面抵抗値の変化を検討した。以下に、実施例1〜10
と比較例1〜25の結果を示す。
【0050】
【表1】
【0051】
【発明の効果】以上のように、本発明の透明導電フィル
ムは、基材としてポリアリレートフィルムを用いたもの
であり、この透明導電フィルムは、透明導電膜の成膜後
に、加熱処理や、ガスバリア層や他の機能性薄膜を蒸着
するなどの処理を経ても、面抵抗値が低く、面抵抗値の
劣化といった性能低下現象が少ないものである。したが
って、本発明の透明導電フィルムは、移動型情報通信機
器用表示装置や、タッチパネルに好適に用いることがで
きる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G02F 1/1343 G02F 1/1343 G09F 9/30 316 G09F 9/30 316C H01B 5/14 H01B 5/14 A (72)発明者 高木 伸哉 京都府宇治市宇治小桜23番地 ユニチカ株 式会社中央研究所内 (72)発明者 長谷川 明彦 京都府宇治市宇治小桜23番地 ユニチカ株 式会社中央研究所内 (72)発明者 秋月 隆昌 京都府宇治市宇治小桜23番地 ユニチカ株 式会社中央研究所内 (72)発明者 本梅 孝一 京都府宇治市宇治小桜23番地 ユニチカ株 式会社中央研究所内 (72)発明者 田中 亨 京都府宇治市宇治小桜23番地 ユニチカ株 式会社中央研究所内 Fターム(参考) 2H092 KB15 MA05 MA29 NA25 NA28 PA01 4F006 AA35 AB73 AB74 BA07 CA08 DA01 EA02 4F100 AA25B AA28B AA33B AB31B AK43A BA02 EH66 EH662 GB41 JA05A JG01 JG01B JL03 JN01 JN01B YY00A 5C094 AA04 AA21 AA42 AA43 BA43 DA06 DA13 DB04 EA05 EB02 FB01 FB02 FB12 FB15 GB10 JA01 JA20 5G307 FA02 FB01 FC03 FC10

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガラス転移温度(Tg)が180℃以上
    であるポリアリレートフィルム上に、酸化インジュウム
    スズ(ITO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(Sn
    2 )、インジュウムスズ−金属合金(ITM)及びこ
    れらの合金から選ばれた透明導電膜が形成されている透
    明導電フィルムであって、透明導電膜が式(1)に示す
    フィルム温度範囲で構築されたものであることを特徴と
    する透明導電フィルム。 Tg−50<フィルム温度<Tg+10(℃) (1)
  2. 【請求項2】 残留モノマー量として存在する二価フェ
    ノールと二価カルボン酸がそれぞれ2000ppm以下
    であるポリアリレートフィルムを用いてなる請求項1記
    載の透明導電フィルム。
  3. 【請求項3】 残留溶媒及び水分の量が、常温、常圧で
    それぞれ2000ppm以下であるポリアリレートフィ
    ルムを用いてなる請求項1又は2記載の透明導電フィル
    ム。
  4. 【請求項4】 カルボキシル価が30モル/トン以下で
    あるポリアリレートフィルムを用いてなる請求項1〜3
    のいずれかに記載の透明導電フィルム。
  5. 【請求項5】 残留触媒量が1000ppm以下、残留
    アルカリ量が30ppm以下であるポリアリレートフィ
    ルムを用いてなる請求項1〜4のいずれかに記載の透明
    導電フィルム。
JP11064174A 1999-03-11 1999-03-11 透明導電フィルム Pending JP2000255016A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11064174A JP2000255016A (ja) 1999-03-11 1999-03-11 透明導電フィルム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11064174A JP2000255016A (ja) 1999-03-11 1999-03-11 透明導電フィルム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000255016A true JP2000255016A (ja) 2000-09-19

Family

ID=13250448

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11064174A Pending JP2000255016A (ja) 1999-03-11 1999-03-11 透明導電フィルム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000255016A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007037899A (ja) * 2005-08-05 2007-02-15 Nippon Sheet Glass Co Ltd リーダ用アンテナ付き棚板を備えた物品棚
JP2011203762A (ja) * 2011-07-14 2011-10-13 Nlt Technologies Ltd 液晶表示装置及びその製造方法
US8610857B2 (en) 2001-03-29 2013-12-17 Nlt Technologies, Ltd. Liquid crystal display having transparent conductive film on interlayer insulating film formed by coating
JP2015056337A (ja) * 2013-09-13 2015-03-23 東ソー株式会社 透明導電性フィルム及びその製造方法
WO2018163884A1 (ja) * 2017-03-10 2018-09-13 コニカミノルタ株式会社 透明電極用基材フィルムおよびその製造方法

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8610857B2 (en) 2001-03-29 2013-12-17 Nlt Technologies, Ltd. Liquid crystal display having transparent conductive film on interlayer insulating film formed by coating
JP2007037899A (ja) * 2005-08-05 2007-02-15 Nippon Sheet Glass Co Ltd リーダ用アンテナ付き棚板を備えた物品棚
JP2011203762A (ja) * 2011-07-14 2011-10-13 Nlt Technologies Ltd 液晶表示装置及びその製造方法
JP2015056337A (ja) * 2013-09-13 2015-03-23 東ソー株式会社 透明導電性フィルム及びその製造方法
WO2018163884A1 (ja) * 2017-03-10 2018-09-13 コニカミノルタ株式会社 透明電極用基材フィルムおよびその製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4739571B2 (ja) 延伸フィルム
JP6820661B2 (ja) ポリアリレート樹脂およびそれからなるフィルム
JP5283442B2 (ja) オルガノシロキサン共重合ポリエステルアミド樹脂
JP6899586B2 (ja) ポリアリレート樹脂、それからなるフィルムおよび積層体
JP2000255016A (ja) 透明導電フィルム
JP4551503B2 (ja) 高耐熱性高純度ポリアリレート及び該ポリアリレートからなるフィルム
JP5571297B2 (ja) オルガノシロキサン共重合ポリエステル樹脂
JP2000243144A (ja) 透明導電フィルム
JPWO2019004279A1 (ja) 位相差フィルム
TW201139510A (en) Polyester resin, and optical materials, films and image display devices using the same
JP5583987B2 (ja) 光弾性定数が低いポリカーボネート樹脂および光学フィルム
JPH11209687A (ja) 被膜形成用樹脂及びその製造方法、並びにそれから得られる塗工液
JP3509322B2 (ja) ポリエステル樹脂およびそれを含有するフィルム
JP2012077128A (ja) オルガノシロキサン共重合樹脂
US5902872A (en) Resin for coating formation and method for producing the same
JP4339432B2 (ja) 被膜形成用樹脂
JP2001148551A (ja) フレキシブルプリント基板
JP5317564B2 (ja) オルガノシロキサン共重合樹脂
JP6271824B2 (ja) ポリアリレート樹脂およびそれからなるフィルム
JP2002080734A (ja) ポリマーの製造方法
JP6780527B2 (ja) フィルム
JP2000136234A (ja) 被膜形成用樹脂
JP2012196809A (ja) ポリエステル樹脂フィルムの製造方法
JP2000302853A (ja) ポリアリレート樹脂の製造方法
JP5547617B2 (ja) 光学フィルム