JP2000238162A - 積層板 - Google Patents

積層板

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JP2000238162A
JP2000238162A JP11045427A JP4542799A JP2000238162A JP 2000238162 A JP2000238162 A JP 2000238162A JP 11045427 A JP11045427 A JP 11045427A JP 4542799 A JP4542799 A JP 4542799A JP 2000238162 A JP2000238162 A JP 2000238162A
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JP
Japan
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resin
ceramic
ceramics
thermoplastic resin
weight
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Withdrawn
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JP11045427A
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English (en)
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Takayoshi Koseki
高好 小関
Toshiyuki Akamatsu
資幸 赤松
Yukio Matsushita
幸生 松下
Isato Inada
勇人 稲田
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Panasonic Electric Works Co Ltd
Original Assignee
Matsushita Electric Works Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 積層板の作製において絶縁層を形成するため
に広く用いられている樹脂を用いて作製され、誘電率が
高く、かつ取り扱い性が良好な積層板を提供する。 【解決手段】 熱可塑性樹脂とセラミックを含む不織布
1に、熱硬化性樹脂とセラミックを配合した熱硬化性樹
脂組成物2を含浸させた後、乾燥してプリプレグを得
る。このプリプレグを積層成形する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンピュータ、通
信機器器等の電子機器に用いられるプリント配線板を作
製するための積層板に関し、詳しくは高誘電率の絶縁層
を有する積層板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電子機器の小型化、高密度化に伴い、プ
リント配線板には多層板が多く使用されるようになって
きた。この多層板の内層または外層に高誘電率の層を設
けることにより、この層をコンデンサとして積極的に利
用し、例えば回路導体のストレーキャパシティーにより
バイパスコンデンサとして高周波成分をグランド層に流
したり、導体をコンデンサやインダクタンスとして更に
印刷により抵抗を形成し、コンデンサ、抵抗及びインダ
クタンスを内層表面又は外層表面に形成し、実装密度を
向上させることができる。
【0003】従来、このような高誘電率の層が設けられ
たプリント配線板を作製するために使用される高誘電率
積層板には、絶縁層としてアルミナ、窒化ケイ素等のセ
ラミック基板が用いられてきた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のように
して絶縁層をアルミナ、窒化ケイ素等のセラミックにて
形成すると、多層化、軽量化が困難であり、またセラミ
ックは脆性材料であるため割れやすく、大面積の絶縁層
を形成することが困難であるといる生産性の点での問題
があって、樹脂積層板による高誘電率積層板が強く要望
されていた。このように樹脂積層板の誘電率を向上され
るためには、絶縁層を形成するプリプレグの樹脂中に、
高誘電率を有するセラミックを含有させることが考えら
れるが、単に絶縁層中のセラミック含有量を増やしただ
けでは、プリプレグ中の樹脂の脆性が増大し、BU時、
すなわちプリプレグを銅箔等の金属箔とを積み重ねる工
程などにおけるプリプレグの取り扱い時にプリプレグに
割れが生じたり、あるいは、プリプレグ中の基材と樹脂
が剥離したりするおそれがあり、取り扱い性が悪いもの
である。
【0005】本発明は上記の点に鑑みてなされたもので
あり、積層板の作製において絶縁層を形成するために広
く用いられている樹脂を用いて作製され、誘電率が高
く、かつ取り扱い性が良好な積層板を提供することを目
的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に記載
の積層板は、熱可塑性樹脂とセラミックを含む不織布1
に、熱硬化性樹脂とセラミックを配合した熱硬化性樹脂
組成物2を含浸させた後、乾燥して得られるプリプレグ
を積層成形して成ることを特徴とするものである。
【0007】また本発明の請求項2に記載の積層板は、
請求項1の構成に加えて、熱硬化性樹脂としてエポキシ
樹脂を用いて成ることを特徴とするものである。
【0008】また本発明の請求項3に記載の積層板は、
請求項1又は2のいずれかの構成に加えて、セラミック
として、チタン酸ジルコン酸バリウム系セラミック、二
酸化チタン系セラミック、チタン酸バリウム系セラミッ
ク、チタン酸鉛系セラミック、チタン酸ストロンチウム
系セラミック、チタン酸カルシウム系セラミック、チタ
ン酸ビスマス系セラミック、チタン酸マグネシウム系セ
ラミック、及びジルコン酸系セラミックからなる群から
選択される少なくとも一種のものを用いて成ることを特
徴とするものである。
【0009】また本発明の請求項4に記載の積層板は、
請求項1乃至3のいずれかの構成に加えて、熱可塑性樹
脂として、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリ
アミド系樹脂及びフッ素系樹脂からなる群から選択され
る少なくとも一種のものを用いて成ることを特徴とする
ものである。
【0010】また本発明の請求項5に記載の積層板は、
請求項1乃至4のいずれかの構成に加えて、熱可塑性樹
脂とセラミックを含む不織布1として、熱可塑性樹脂と
セラミックを配合してなる熱可塑性樹脂組成物を成分と
する繊維からなる不織布1、又は熱可塑性樹脂を配合し
てなる熱可塑性樹脂組成物を成分とする繊維と、セラミ
ックとからなる不織布1を用いて成ることを特徴とする
ものである。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。
【0012】熱硬化性樹脂組成物2を調製するにあたっ
て用いられる熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、ポ
リイミド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、変性ポリイミ
ド樹脂、ビスマレイミド・トリアジン樹脂(BT樹
脂)、変性ポリフェニレンエーテル樹脂等が挙げられ
る。これらの熱硬化性樹脂は、一種又は二種以上を適宜
配合して用いることができ、その配合割合は、熱硬化性
樹脂組成物2全量に対して30〜70重量%とすること
が好ましい。ここで熱硬化性樹脂としてエポキシ樹脂を
含むものを用いると、積層板の絶縁層の誘電率を効果的
に向上することができると共に、成形時の接着性が良好
となり、好ましい。
【0013】またセラミックとしては、誘電率が50以
上の高誘電率セラミックを用いることができ、例えばチ
タン酸ジルコン酸バリウム系セラミック、二酸化チタン
系セラミック、チタン酸バリウム系セラミック、チタン
酸鉛系セラミック、チタン酸ストロンチウム系セラミッ
ク、チタン酸カルシウム系セラミック、チタン酸ビスマ
ス系セラミック、チタン酸マグネシウム系セラミック、
ジルコン酸系セラミック等の高誘電率セラミックを用い
ることができる。例えば二酸化チタンの誘電率は約10
0であり、チタン酸バリウムの誘電率は、種々の条件に
より変動するが数千から1万の範囲である。このセラミ
ックの誘電率の上限は特に限定されず、高ければ高いほ
ど好ましいものであるが、実際に使用可能のセラミック
における誘電率の実際上の上限は、20000となる。
これらのセラミックは、一種又は二種以上を適宜混合し
たものを用いることができ、その配合割合は、熱硬化性
樹脂組成物2全量に対して20〜80重量%とすること
が好ましい。また、このセラミックは、平均粒径が0.
3〜15μmのものを用いることが好ましい。
【0014】ここで「〜系セラミック」と表現している
のは、表記の化合物をそのまま用いる場合の他に、表記
の化合物の結晶構造の異なる種々の相を用いる場合、及
び表記の化合物に種々の添加物を配合する場合を含むこ
とを意味するものである。結晶構造の異なるものを用い
る場合に関しては、例えば二酸化チタンには3種の結晶
構造の異なる相が存在し、そのいずれのものも使用する
ことができるものである。また添加剤を配合する場合に
関しては、例えばセラミックの焼結温度を下げるために
配合する焼結助剤や、キュリー点を常温付近まで下げる
ための添加剤を配合することができるものである。ここ
で焼結助剤としては、例えばチタン酸バリウムに対して
はマンガン等を配合することができるものであり、また
キュリー点を常温付近まで下げるための添加剤として
は、例えばチタン酸バリウムに対してはSrTiO3
CaSnO3、BaSnO3等を配合することができる。
【0015】またこの熱硬化性樹脂組成物2には、必要
に応じて硬化剤、硬化促進剤、その他各種添加剤を適宜
配合することができる。
【0016】硬化剤としては、例えばジシアンジアミ
ド、脂肪族ポリアミド等のアミド系硬化剤や、アンモニ
ア、トリエチルアミン、ジエチルアミン等のアミン系硬
化剤や、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラ
ック樹脂、p−キシレン−ノボラック樹脂等のフェノー
ル系硬化剤や、酸無水物等が挙げられる。
【0017】また硬化促進剤としては、2−エチル−4
−メチルイミダゾール等のイミダゾール化合物等を用い
ることができる。
【0018】また基材として使用される不織布1は、構
成成分として、熱可塑性樹脂とセラミックを含むものを
用いる。
【0019】熱可塑性樹脂としては、ポリエステル系樹
脂、アクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、フッ素系樹脂
等を用いることができる。これらの熱可塑性樹脂は、一
種又は二種以上を適宜混合したものを用いることができ
る。
【0020】またセラミックとしては、上記の熱硬化性
樹脂組成物2を調製する際に用いられるセラミックとし
て例示したものと同様の高誘電率を有するセラミックを
用いることができる。このセラミックの平均粒径は、
0.3〜15μmのものを用いることが好ましい。
【0021】このような熱可塑性樹脂とセラミックにて
不織布1を作製するにあたっては、次の二通りの方法を
例示することができる。
【0022】第一の不織布1の作製方法では、まず熱可
塑性樹脂とセラミックを配合した熱可塑性樹脂組成物を
調製する。この熱可塑性樹脂組成物を適宜の方法にて紡
糸する等して繊維中にセラミックを含む熱可塑性樹脂繊
維を得る。そしてこの熱可塑性樹脂繊維を抄造するもの
である。ここで、熱可塑性樹脂繊維中の熱可塑性樹脂の
含有量は20〜80重量%とすることが好ましく、また
セラミックの含有量は20〜80重量%とすることが好
ましいものであり、このようにすると、積層板の絶縁層
の誘電率を効果的に向上することができるものである。
【0023】第二の不織布1の作製方法では、まず熱可
塑性樹脂を配合した熱可塑性樹脂組成物を調製する。こ
の熱可塑性樹脂組成物を適宜の方法にて紡糸して熱可塑
性樹脂繊維を得る。そしてこの熱可塑性樹脂繊維とセラ
ミックとを配合した混合物を抄造するものである。ここ
で、熱可塑性樹脂繊維中の熱可塑性樹脂の含有量は20
〜80重量%とすることが好ましく、また不織布1中の
セラミックの含有量は20〜80重量%とすることが好
ましいものであり、このようにすると、積層板の絶縁層
の誘電率を効果的に向上することができるものである。
【0024】そして図1に示すように、上記のような不
織布1に、熱硬化性樹脂組成物2を含浸させた後、乾燥
してプリプレグを得るものである。熱硬化性樹脂組成物
2及び不織布1からプリプレグを製造する方法として
は、特に限定するものではなく、例えば上記不織布1
を、上記熱硬化性樹脂組成物2を溶剤で粘度調整した樹
脂ワニスに浸漬して含浸した後、必要に応じて加熱乾燥
して半硬化して得られる。このとき熱硬化性樹脂として
エポキシ樹脂を含むものを用いる場合は、加熱温度を1
60〜170℃、加熱時間を3〜10分間とすることが
好ましい。ここで熱硬化性樹脂組成物2の粘度調整に用
いることができる溶剤としては、N,N−ジメチルホル
ムアミド等のアミド類、エチレングリコールモノメチル
エーテル等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケト
ン等のケトン類、メタノール、エタノール等のアルコー
ル類、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類等が挙
げられる。この熱硬化性樹脂ワニス中の溶剤の配合量
は、10〜40重量%とすることが好ましい。
【0025】また、プリプレグ中の樹脂量を、プリプレ
グの重量(熱硬化性樹脂組成物2及び不織布1の合計重
量)100重量部に対し、20〜70重量部とすること
が好ましい。20重量部未満である場合は、積層板を成
形するにあたってプリプレグと金属箔との密着性が低下
する場合があり、70重量部を超える場合は、プリプレ
グにて形成される絶縁樹脂層の誘電率を充分に向上する
ことが困難になる場合がある。
【0026】積層板を作製するにあたっては、上記のよ
うにして得られる一枚のプリプレグ、又はプリプレグを
複数枚積層したものに、必要に応じてその片側又は両側
に金属箔を配置して積層物を作製する。また必要に応じ
て積層物間にステンレススチール製の鏡面板等の成形用
プレートを介在させて複数枚重ねて積層体を形成する。
そしてこの積層物又は積層体を成型プレスの熱板間に挟
んで加熱・加圧して積層一体化するものである。
【0027】ここで金属箔としては、銅、アルミニウ
ム、真鍮、ニッケル等の単独、合金、複合の金属箔を用
いることができ、金属箔の代わりに、絶縁層に金属箔が
積層成形された片面金属箔張積層板、両面金属箔張積層
板を用いることもできる。この金属箔の厚みは特に限定
されないが、12〜70μmが一般的である。
【0028】積層物を加熱加圧する条件としては、熱硬
化性樹脂組成物2が硬化する条件で適宜調整して加熱加
圧すればよいが、加圧の圧力があまり低いと、得られる
積層板の内部に気泡が残留し、電気的特性が低下する場
合があるため、成形性を満足する条件で加圧することが
好ましい。たとえばエポキシ樹脂を含む熱硬化性樹脂組
成物2を用いる場合は、温度を160〜170℃、圧力
を2〜3MPa、加熱加圧時間を60〜90分間にそれ
ぞれ設定することができる。
【0029】このようにして作製される積層板は絶縁層
の誘電率が高く、内層または外層の絶縁層をコンデンサ
として利用するプリント配線板の作製に好適に用いるこ
とができるものである。また絶縁層を樹脂層にて形成し
たため多層化、軽量化が容易であり、かつ生産性も良好
なものである。またプリプレグ中の樹脂の脆性が増大す
ることを防ぎ、BU時、すなわちプリプレグを銅箔等の
金属箔とを積み重ねる工程などのプリプレグの取り扱い
時におけるプリプレグの割れの発生や、あるいは、プリ
プレグ中の基材と樹脂との剥離の発生が抑制され、取り
扱い性が良好なものである。
【0030】
【実施例】以下、本発明を実施例によって詳述する。
【0031】(実施例1)ベクトラン(商品名、株式会
社クラレ製の全芳香族ポリエステル繊維)と酸化チタン
の混合物を抄造して、ベクトラン40重量部に対して酸
化チタンを10重量部含む不織布1を得た。
【0032】一方、下記の組成を有する組成物25重量
部に対して、酸化チタンを25重量部配合して、熱硬化
性樹脂組成物2を調製した。 ・臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当
量500、東都化成株式会社製、商品名 YDB−50
0) 400重量部 ・クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(エポキシ当量
220、東都化成株式会社製、商品名 YDCN−70
1) 44重量部 ・ジシアンジアミド 10.5重量部 ・2−エチル−4−メチルイミダゾール 0.44重量
部 この熱硬化性樹脂組成物2に、メチルセロソルブを50
重量%、N,N−ジメチルホルムアミドを50重量%含
む溶剤を加えて、樹脂固形分とセラミック成分の総量が
80重量%である樹脂ワニスを調製した。
【0033】上記不織布1をこの樹脂ワニスに浸漬した
後、160℃で5分間加熱乾燥して、不織布1の重量5
0重量部に対して熱硬化性樹脂組成物2を50重量部含
む、厚み0.05mmのプリプレグを得た。
【0034】このプリプレグ1枚の両側に厚み18μm
の金属箔を配置して、積層物を形成した。この積層物
を、成形圧力30kg/cm2、成形温度165℃、成
形時間90分間の条件下で加熱加圧成形して、厚み0.
05mmの積層板を得た。
【0035】(実施例2)不織布1として、ベクトラン
中にあらかじめ酸化チタンを、ベクトラン40重量部に
対して10重量部配合した熱可塑性樹脂繊維を抄造して
得られたものを用い、またプリプレグを、不織布1の重
量40重量部に対して熱硬化性樹脂組成物2を50重量
部含むものとした以外は、実施例1と同様にして積層板
を得た。
【0036】(実施例3)ベクトランとチタン酸バリウ
ムの混合物を抄造して、ベクトラン30重量部に対して
チタン酸バリウムを10重量部含む不織布1を得た。
【0037】一方、上記の実施例1の場合と同様の組成
を有する組成物20重量部に対して、チタン酸バリウム
を40重量部配合して、熱硬化性樹脂組成物2を調製し
た。
【0038】この熱硬化性樹脂組成物2に、メチルセロ
ソルブを50重量%、N,N−ジメチルホルムアミドを
50重量%含む溶剤を加えて、樹脂固形分とセラミック
成分の総量が80重量%である樹脂ワニスを調製した。
【0039】上記不織布1をこの樹脂ワニスに浸漬した
後、160℃で5分間加熱乾燥して、不織布1の重量4
0重量部に対して熱硬化性樹脂組成物2を60重量部含
む、厚み0.05mmのプリプレグを得た。
【0040】このプリプレグを用い、実施例1と同様に
して積層板を得た。
【0041】(実施例4)不織布1として、ベクトラン
中にあらかじめチタン酸バリウムを、ベクトラン30重
量部に対して10重量部配合した熱可塑性樹脂繊維を抄
造して得られたものを用い、またプリプレグを、不織布
1の重量40重量部に対して熱硬化性樹脂組成物2を6
0重量部含むものとした以外は、実施例3と同様にして
積層板を得た。
【0042】(比較例1)不織布1としてベクトランの
みを抄造して得られたものを用い、熱硬化性樹脂組成物
2として酸化チタンを配合しないものを用い、プリプレ
グを、不織布150重量部に対して熱硬化性樹脂組成物
2を50重量部含むものとした以外は、実施例1と同様
にして積層板を得た。
【0043】(比較例2)不織布1としてベクトランの
みを抄造して得られたものを用い、熱硬化性樹脂組成物
2として実施例1における組成物25重量部に対する酸
化チタンの配合量を35重量部としたものを用い、プリ
プレグを、不織布1の重量40重量部に対して熱硬化性
樹脂組成物2を60重量部含むものとした以外は、実施
例1と同様にして積層板を得た。
【0044】(比較例3)不織布1としてベクトランの
みを抄造して得られたものを用い、熱硬化性樹脂組成物
2として実施例1における組成物20重量部に対するチ
タン酸バリウムの配合量を50重量部としたものを用
い、プリプレグを、不織布1の重量30重量部に対して
熱硬化性樹脂組成物2を70重量部含むものとした以外
は、実施例1と同様にして積層板を得た。
【0045】(評価試験)JIS C6481に準拠し
て積層板の絶縁層の、測定時の周波数を1MHzとした
場合の誘電率を測定した。
【0046】また各実施例及び比較例の場合と同様の条
件にて作製したA4サイズのプリプレグに応力を加えて
両端部が接触するまで湾曲させた後、応力を解除して元
の形状に復元する操作を3回続けて行い、プリプレグの
割れや、プリプレグ中の樹脂と基材との間の剥離を観察
し、割れ及び剥離が生じなかったものを「良」、生じた
ものを「不良」として、取り扱い性を評価した。
【0047】以上の結果を表1に示す。
【0048】
【表1】
【0049】表1から明らかなように、比較例1では誘
電率が低く、また比較例2、3では取り扱い性が悪いも
のであった。それに対して実施例1乃至4では、誘電
率、取り扱い性が共に良好なものであった。
【0050】
【発明の効果】上記のように本発明の請求項1に記載の
積層板は、熱可塑性樹脂とセラミックを含む不織布に、
熱硬化性樹脂とセラミックを配合した熱硬化性樹脂組成
物を含浸させた後、乾燥して得られるプリプレグを積層
成形するため、絶縁層の誘電率が高く、内層または外層
の絶縁層をコンデンサとして利用するプリント配線板の
作製に好適に用いることができるものであり、また絶縁
層を樹脂層にて形成したため多層化、軽量化が容易であ
り、かつ生産性も良好なものであり、また取り扱い時に
おけるプリプレグの割れやプリプレグにおける基材と樹
脂との剥離が抑制され、取り扱い性が良好なものであ
る。
【0051】また本発明の請求項2に記載の積層板は、
請求項1の構成に加えて、熱硬化性樹脂としてエポキシ
樹脂を用いるため、絶縁層の誘電率を更に向上すること
ができるものである。
【0052】また本発明の請求項3に記載の積層板は、
請求項1又は2のいずれかの構成に加えて、セラミック
として、チタン酸ジルコン酸バリウム系セラミック、二
酸化チタン系セラミック、チタン酸バリウム系セラミッ
ク、チタン酸鉛系セラミック、チタン酸ストロンチウム
系セラミック、チタン酸カルシウム系セラミック、チタ
ン酸ビスマス系セラミック、チタン酸マグネシウム系セ
ラミック、及びジルコン酸系セラミックからなる群から
選択される少なくとも一種のものを用いるため、絶縁層
の誘電率を更に向上することができるものである。
【0053】また本発明の請求項4に記載の積層板は、
請求項1乃至3のいずれかの構成に加えて、熱可塑性樹
脂として、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリ
アミド系樹脂及びフッ素系樹脂からなる群から選択され
る少なくとも一種のものを用いるため、絶縁層の誘電率
を更に向上することができるものである。
【0054】また本発明の請求項5に記載の積層板は、
請求項1乃至4のいずれかの構成に加えて、熱可塑性樹
脂とセラミックを含む不織布として、熱可塑性樹脂とセ
ラミックを配合してなる熱可塑性樹脂組成物を成分とす
る繊維からなる不織布、又は熱可塑性樹脂を配合してな
る熱可塑性樹脂組成物を成分とする繊維と、セラミック
とからなる不織布を用いるため、このような熱可塑性樹
脂とセラミックを含む不織布を用いて、絶縁層の誘電率
を向上することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例を示す概略の断面図
である。
【符号の説明】
1 不織布 2 熱硬化性樹脂組成物
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H05K 1/03 610 H05K 1/03 610R 610L (72)発明者 松下 幸生 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内 (72)発明者 稲田 勇人 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内 Fターム(参考) 4F100 AA21H AB01 AB33 AD00A AD00B AK01A AK01B AK17A AK17B AK25A AK25B AK41A AK41B AK46A AK46B AK53A AK53B BA02 BA03 DG15A DG15B EJ82A EJ82B EJ86A EJ86B GB43 JB13A JB13B JB16A JB16B JG04 JG05 JL03

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂とセラミックを含む不織布
    に、熱硬化性樹脂とセラミックを配合した熱硬化性樹脂
    組成物を含浸させた後、乾燥して得られるプリプレグを
    積層成形して成ることを特徴とする積層板。
  2. 【請求項2】 熱硬化性樹脂としてエポキシ樹脂を用い
    て成ることを特徴とする請求項1に記載の積層板。
  3. 【請求項3】 セラミックとして、チタン酸ジルコン酸
    バリウム系セラミック、二酸化チタン系セラミック、チ
    タン酸バリウム系セラミック、チタン酸鉛系セラミッ
    ク、チタン酸ストロンチウム系セラミック、チタン酸カ
    ルシウム系セラミック、チタン酸ビスマス系セラミッ
    ク、チタン酸マグネシウム系セラミック、及びジルコン
    酸系セラミックからなる群から選択される少なくとも一
    種のものを用いて成ることを特徴とする請求項1又は2
    に記載の積層板。
  4. 【請求項4】 熱可塑性樹脂として、ポリエステル系樹
    脂、アクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂及びフッ素系樹
    脂からなる群から選択される少なくとも一種のものを用
    いて成ることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに
    記載の積層板。
  5. 【請求項5】 熱可塑性樹脂とセラミックを含む不織布
    として、熱可塑性樹脂とセラミックを配合してなる熱可
    塑性樹脂組成物を成分とする繊維からなる不織布、又は
    熱可塑性樹脂を配合してなる熱可塑性樹脂組成物を成分
    とする繊維と、セラミックとからなる不織布を用いて成
    ることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の
    積層板。
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