JP2003020591A - フッ素樹脂繊維紙及びその製造方法 - Google Patents
フッ素樹脂繊維紙及びその製造方法Info
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Abstract
箔との密着力が優れ、且つ低吸水率な高誘電率・低誘電
正接の高周波用に適したプリント基板基材として使用で
きるフッ素樹脂繊維紙を提供する。 【解決手段】フッ素樹脂繊維を主成分とする紙状物に於
いて、該紙状物に無機微粒子が含有され、更に該紙状物
の表面部にフッ素樹脂が付着していることを特徴とする
フッ素樹脂繊維紙を提供し、かつ、又、無機微粒子を凝
集させて凝集粒子を作製し、しかる後該凝集粒子をフッ
素樹脂繊維と混合し、湿式抄造法により混抄し、得られ
た混抄紙の表面部にフッ素樹脂を付着させて得た混抄紙
を、フッ素樹脂繊維の融点以上の温度で加熱し、該繊維
同士間及び繊維と無機微粒子及び繊維と耐熱性絶縁繊維
の結合点を融着することを特徴とするフッ素樹脂繊維紙
の製造方法を提供する。
Description
性、低吸水率並びに電気絶縁性に優れ、銅箔とのプレス
により銅張基板を作製した場合、銅箔との密着力が極め
て高いフッ素樹脂繊維紙及びその製造方法に関するもの
である。更に詳しくは、高誘電特性を有していて、特に
高周波用の誘電体基板に適し、高密度配線や小型化を必
要とする高周波用プリント基板などに好適に使用できる
フッ素樹脂繊維紙及びその製造方法に関するものであ
る。
は、基板内の信号の波長が短いために、特に高密度配線
や基板の小型化には誘電体材料の高誘電率化が求められ
ている。勿論、高周波対応のプリント基板を得るために
低誘電正接であることも同時に必要となり、高誘電率で
かつ低誘電正接なプリント基板が求められている。具体
的には、移動通信、無線通信や高速通信機用基板など高
い周波数帯を使用する分野である。高周波対応の高誘電
率タイプとしては、フッ素樹脂繊維紙に高誘電率な無機
フィラーを含有させる方法が例えば特願2000−97
761号により提案されている。高誘電特性を有するプ
リント基板及びその製造方法としては、例えば次のよう
な構成がある。すなわち、ガラスクロスを基材として用
いて、この基材にポリテトラフルオロエチレン(以下P
TFEと称す)に代表されるフッ素樹脂ディスパージョ
ン及び高誘電特性を有する無機微粒子の混合液を用い、
含浸及び焼成処理を数回繰り返して形成したシートを重
ね、銅箔のごとき金属箔を重ねて一体的に加熱圧着して
一体化形成するものである。このように、高周波用のプ
リント配線基板等に於いて誘電率が高く、誘電正接が低
いものが要求される場合には、誘電正接が低いフッ素樹
脂をベースとし、このフッ素樹脂に対してガラスクロス
及び無機微粒子等の充填材を組み合わせて、誘電率εが
6以上、誘電正接tanδが0.0050以下のものを
構成している。
にあたって、ガラスクロスを基材としたプリント基板
は、ガラスクロスの編み目が基板の均一性を阻害するた
めに、高周波対応のプリント基板には適さないという問
題点が生じた。又、一般的には、フッ素樹脂としてPT
FE樹脂ディスパージョン及び無機微粒子の混合液を用
い、ガラスクロスに対してPTFE樹脂ディスパージョ
ン及び無機微粒子の混合液を含浸し、含浸後乾燥及び焼
成する処理を数回繰り返す工程が必要であり、更に形成
すべき基板の厚さに応じて樹脂含浸シートを所定枚数重
ねて積層板を得るが、この際、無機微粒子が最外層表面
に露出するために銅箔との密着力が不足するという問題
点があった。
しようとする課題は、簡単な製造方法でプリント基板が
作製でき、銅箔との密着力が優れ、且つ低吸水率で高誘
電率・低誘電正接の高周波用に適したプリント基板基材
として使用できるフッ素樹脂繊維紙を提供することにあ
る。又、上記フッ素樹脂繊維紙を製造するにあたり、無
機微粒子とフッ素樹脂繊維を分散させて湿式抄造法で抄
紙する際に、無機微粒子の粒径が小さく、該無機微粒子
を繊維で保持できないため、無機微粒子が紙層から脱落
し、所定の量の無機微粒子を含有させることが難しいと
いう問題がある。この問題を解決するために無機微粒子
を凝集させ、その凝集粒子をフッ素樹脂繊維と混合分散
し、湿式抄造法により抄紙し、更にフッ素樹脂繊維紙の
表面部にフッ素樹脂を付着させ銅張基板での銅箔との密
着力を向上させることを目的とするものである。
を解決するために種々検討の結果、まず無機微粒子を凝
集剤により凝集させておき、次にフッ素樹脂繊維と凝集
粒子を混合し分散させ、その分散原材料スラリーを湿式
抄造法により抄紙することによって、フッ素樹脂繊維紙
に任意の量の微粒子を均一に含有させ、更に該フッ素樹
脂繊維紙の表面部にフッ素樹脂を付着させた無機微粒子
含有フッ素樹脂繊維紙及びその製造方法を生み出すに至
ったものである。
ある。すなわち、請求項1に記載の発明は、フッ素樹脂
繊維を主成分とする紙状物に於いて、該紙状物に無機微
粒子が含有され、更に、該紙状物の表面部にフッ素樹脂
が付着していることを特徴とするフッ素樹脂繊維紙であ
り、請求項2に記載の発明は、フッ素樹脂繊維紙を主成
分とする紙状物に於いて、該紙状物に無機微粒子及び耐
熱性絶縁繊維が含有され、更に該紙状物の表面部にフッ
素樹脂が付着していることを特徴とするフッ素樹脂繊維
紙であり、請求項3に記載の発明は、前記無機微粒子が
チタン系セラミック粒子であることを特徴とする請求項
1もしくは2記載のフッ素樹脂繊維紙である。又、請求
項4に記載の発明は、前記フッ素樹脂繊維がポリテトラ
フルオロエチレン繊維であることを特徴とする請求項
1,2もしくは3記載のフッ素樹脂繊維紙で、請求項5
に記載の発明は、前記フッ素樹脂繊維紙の表面部に付着
するフッ素樹脂がポリテトラフルオロエチレンであるこ
とを特徴とする請求項1,2,3もしくは4記載のフッ
素樹脂繊維紙である。
させて凝集粒子を作製し、しかる後該凝集粒子をフッ素
樹脂繊維と混合し、湿式抄造法により混抄し、得られた
紙状物の表面にフッ素樹脂を付着させた後、フッ素樹脂
繊維の融点以上の温度で加熱し、該繊維同士間、繊維と
無機微粒子の結合点を融着することを特徴とするフッ素
樹脂繊維紙の製造方法であり、請求項7に記載の発明
は、無機微粒子を凝集させて凝集粒子を作製し、しかる
後該凝集粒子をフッ素樹脂繊維及び耐熱性絶縁繊維と混
合し、湿式抄造法により混抄し、得られた紙状物の表面
部にフッ素樹脂を付着させた後、フッ素樹脂繊維の融点
以上の温度で加熱し、該繊維同士間及び繊維と無機微粒
子及び繊維と耐熱性絶縁繊維の結合点を融着することを
特徴とするフッ素樹脂繊維紙の製造方法であり、請求項
8に記載の発明は、前記紙状物の表面部に付着させるフ
ッ素樹脂としてフッ素樹脂ディスパージョンを用いるこ
とを特徴とする請求項6もしくは7に記載のフッ素樹脂
繊維紙の製造方法である。
は、PTFE繊維が使用でき、PTFE繊維はビスコー
ス中にPTFE粉末を分散させエマルジョン紡糸するこ
とにより得ることができる。
記PTFE繊維以外に、テトラフルオロエチレン/ヘキ
サフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフル
オロエチレン/パーフルオロアルキルビニルエーテル共
重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン/ヘキサフ
ルオロプロピレン/パーフルオロアルキルビニルエーテ
ル共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCT
FE)、エチレン/テトラフルオロエチレン共重合体
(ETFE)、エチレン/クロロトリフルオロエチレン
共重合体(ECTFE)等のフッ素樹脂系のフッ素樹脂
繊維も使用できる。中でも本発明に適した無機微粒子含
有フッ素樹脂繊維紙を得るには、耐熱性、耐薬品性で優
れたPTFE繊維を用いることが最も好ましい。又、無
機微粒子含有フッ素樹脂繊維紙の使用用途に応じて上記
フッ素樹脂繊維を1種類或いは複数種類混合して使用す
ることもできる。
有フッ素樹脂繊維紙に要求される特性、具体的にはシー
ト強度及び無機微粒子の含有量等によって、フッ素樹脂
繊維の形態がフィブリル化されているものとフィブリル
化されていないものを選択して使用し、場合によっては
両者を混合して使用することができる。例えば、無機微
粒子含有フッ素樹脂繊維紙にシート強度が要求される場
合や多量の無機微粒子を含有させることが必要な場合、
フッ素樹脂繊維の絡み合いが増しシート強度が向上し、
多くの粒子を含有させることができることから、フィブ
リル化したフッ素樹脂繊維を使用するのが好ましい。フ
ィブリル化したフッ素樹脂繊維とフィブリル化していな
いフッ素樹脂繊維は、要求される特性に応じて、任意の
割合で混合して使用することもできる。
的な叩解機であるボールミル、ビーター、ランペンミ
ル、PFIミル、SDR(シングルディスクリファイナ
ー)、DDR(ダブルディスクリファイナー)、その他
リファイナ等を使用することができる。フィブリル化の
程度は、無機微粒子含有フッ素樹脂繊維紙のシート強度
の関係で決定される。より強いシート強度を必要とする
場合には、フィブリル化の程度を進めた繊維を使用する
ことが好ましい。又それによってフッ素樹脂繊維の無機
微粒子の保持力も向上する。なお、上記フッ素樹脂繊維
の直径は、1μm〜50μm、長さは0.1mm〜10
mm好ましくは2mm〜6mmのものを用いる。
とは、二酸化チタン系セラミック、チタン酸バリウム系
セラミック、チタン酸鉛系セラミックセラミック、チタ
ン酸ストロンチウム系セラミック、チタン酸カルシウム
系セラミック、チタン酸ビスマス系セラミック、チタン
酸マグネシウム系セラミック、ジルコン酸鉛系セラミッ
ク等を挙げることができる。これらは、単独または2種
類以上を混合して用いてもよい。なお、例えば前記二酸
化チタン系セラミックとは、組成的には二酸化チタンの
みを含む系、または二酸化チタンに他の少量の添加物を
含む系で、主成分である二酸化チタンの結晶構造が保持
されているものである。他の系のセラミックもこれと同
様である。
下のものを用いることができるが、好ましくは0.1〜
20μm、さらに好ましくは0.1〜15μmの範囲の
ものである。これは微粒子の粒子径が上記範囲より大き
いとフッ素樹脂繊維との均一分散、混合が困難になる。
逆に上記範囲より小さいと凝集し難く、取り扱いが悪く
なり、湿式抄造する場合に無機微粒子が抜けてしまい、
フッ素樹脂繊維紙に残らなくなるおそれがある。
の添加量は、具体的には、プリント基板で求められる誘
電率の値によって決定される。以上のように、無機微粒
子含有フッ素樹脂繊維紙より作製されるプリント基板の
要求特性に応じて、添加される微粒子の種類と添加量が
決定される。又、本発明に於いて、耐熱性絶縁繊維とし
ては、ガラス繊維、ポリパラフェニレンベンゾビスオキ
サゾール繊維、芳香族ポリエステル繊維、ポリフェニレ
ンスルフィド繊維、全芳香族ポリアミド繊維等が使用で
きる。前記耐熱性絶縁繊維の添加によって、無機微粒子
含有フッ素樹脂繊維紙のシート強度向上や更に耐熱性を
付与することができる。又、プリント基板の面方向(以
下XY方向と称す)の熱膨張係数を抑えたり、プリント
基板の曲げ強度及び曲げ弾性などの機械的強度の向上を
図ることができる上、配合量によって誘電率の調整も可
能となる。
以外の高分子繊維はフィブリル化させて使用することも
でき、それによって繊維間の絡み合いが強固になり、更
にシート強度が向上する。又、無機微粒子を保持し易く
するために無機微粒子の含有量の増加及び歩留まり向上
にも貢献できる。フィブリル化のための手段としては、
一般的な叩解機であるボールミル、ピーター、ランペン
ミル、PFIミル、SDR(シングルディスクリファイ
ナー)、DDR(ダブルディスクリファイナー)、その
他リファイナー等を使用することができる。フィブリル
化の度合いは、微粒子含有フッ素樹脂繊維紙のシート強
度の関係で決定される。より強いシート強度を必要とす
る場合には、フィブリル化の程度を進めた繊維を使用す
ることが好ましい。なお、上記耐熱性絶縁繊維の直径
は、1μm〜50μm、長さは0.1mm〜10mm好
ましくは3mm〜6mmのものを用いる。
造方法は、通常の製紙に用いられる湿式抄造法が用いら
れる。すなわち、本発明のフッ素樹脂繊維紙の製造方法
は、無機微粒子を規定量秤量し、凝集剤とともに水中で
攪拌し、無機微粒子を凝集させる。その凝集粒子と規定
量のフッ素樹脂繊維を水中で攪拌、混合し、好ましく
は、固形分濃度が0.5%以下になるように濃度調整し
たスラリーを、長網式、円網式等の湿式抄造機に適用
し、連続したワイヤメッシュ状の脱水パートで脱水し、
得られた紙状物の表面部にフッ素樹脂を付着させる。そ
の工程は紙状物の乾燥前であってもよいし、乾燥後であ
ってもよい。又、紙状物表面全面を覆うことは必要では
なく、均一に存在するスポット状、網状、格子状などで
もよい。紙状物の表面部にフッ素樹脂を付着させる方法
としては、フッ素樹脂ディスパージョンのスプレーによ
る塗工、塗布機によるコーティング及び含浸、印刷その
他の方法がある。例えば、フッ素樹脂ディスパージョン
を湿紙にスプレーし、その後多筒式ドライヤーやヤンキ
ードライヤー及びエアードライヤ等で乾燥して一次シー
トを得る。なお表面部にフッ素樹脂を付着させる方法は
文中で記述した内容に限定されるものではなく、又、フ
ッ素樹脂ディスパージョンを使用することに限定されな
い。
力を確保できればよいが、片面5g/m2〜100g/
m2が好ましい。5g/m2未満では、銅箔との密着力
向上効果が得られず、100g/m2を超えると、誘電
率が低いフッ素樹脂の割合が非常に大きくなり、誘電率
を上げるために添加した無機微粒子の効果が薄まり、所
望の高誘電率にするために多量の無機微粒子の添加が必
要で、抄紙工程が困難になる。次に該一次シートをフッ
素樹脂の融点以上の温度で加熱処理することによって、
フッ素樹脂繊維同士、フッ素樹脂繊維と無機微粒子及び
フッ素樹脂繊維と耐熱製繊維とを融着させて無機微粒子
含有フッ素樹脂繊維紙を得る。又、表面に付着したフッ
素樹脂も融着した状態となる。
の製紙や産業排水や生活排水の凝集処理等に使用される
一般的な凝集剤が適用できる。具体的には、硫酸バン
ド、ポリ塩化アルミニウム、塩化第2鉄、ポリ硫酸第2
鉄、硫酸第1鉄、ジメチルジアリルアンモニウムクロラ
イド、アルキルアミン・エピクロルヒドリン縮合物、エ
チレンイミン、アルキレンジクロライドとポリアルキレ
ンポリアミンの縮合物、ジシアンジアミド・ホルマリン
縮合物、ポリアクリルアミド系、ポリアクリル酸ナトリ
ウム、ポリ(メタ)アクリル酸アミノアルキルエステル
系、ポリアクリルアミドのマンニッヒ変性物、キトサ
ン、その他の無機凝集剤、有機凝集剤、高分子凝集剤が
あり、フッ素樹脂繊維に含有させる無機微粒子の種類に
応じて、それに適した凝集剤を選択して用いることがで
きる。又、無機微粒子の凝集効果を上げて歩留まりを向
上させるためには、無機凝集剤と有機凝集剤あるいは高
分子凝集剤の併用、さらにはポリアクリルアミド系、ポ
リエチレンオキサイド系等の合成粘剤の添加が好まし
い。又、凝集剤の添加量は、微粒子の凝集状態に応じて
決定される。又、本発明の無機微粒子含有フッ素樹脂繊
維紙には通常の製紙で用いられる各種の紙力増強剤、分
散剤、消泡剤、合成粘剤や顔料成分等の添加剤を配合す
ることができる。本発明における無機微粒子含有フッ素
樹脂繊維紙の厚さ及び坪量は、使用用途に応じて適切な
厚さ及び坪量が決定される。
有フッ素樹脂繊維紙は、不織布の製造に使われる乾式法
と比較して、均一に無機微粒子を含有でき、かつ、地合
が均一であるという優れた特徴を有している。又、本発
明のフッ素樹脂繊維紙は、表面部に、フッ素樹脂が付着
しているために、該フッ素樹脂繊維紙を使用して作製さ
れた銅張プリント基板における、銅箔密着力が優れ、且
つ低吸水率化も同時に可能となる。
明する。
式アジテーターの攪拌羽根を入れ攪拌し、この中に、チ
タン酸ストロンチウム(堺化学工業社製、平均粒子径
0.5μm)微粒子と、無機凝集剤(日本軽金属社製、
商品名:硫酸バンド)を上記無機微粒子に対して2.0
重量%、高分子凝集剤(栗田工業社製、商品名:ハイホ
ルダー109)を上記微粒子に対して1.0重量%と、
合成粘剤(ダイヤフロック社製、商品名:ACRYPE
RSE PMP)を上記無機微粒子に対して1.5重量
%添加して、攪拌し、チタン酸ストロンチウム微粒子を
凝集させる。攪拌を止めて、その容器中にフッ素樹脂繊
維としてPTFE繊維(東レファインケミカル社製 商
品名:トヨフロン、繊維長3mm)とガラス繊維(ユニ
チカガラスファイバ社製、商品名:PDE1/8 ZA
508,繊維長3mm)を、PTFE繊維と無機微粒子
と、ガラス繊維の比率が40重量%対50重量%対10
重量%になるように添加し、往復回転式アジテーターで
攪拌し、均一に分散させる。この原材料分散液から規定
量採取し、JIS P8222に規定する標準型手抄き
装置を用いて湿紙を作成した。その後、プレス脱水を行
い、その表と裏の表面部に、PTFEディスパージョン
液(濃度20%)をスプレーを用いて片面20g/m2
の量のPTFE樹脂が該混抄紙に付着するように吹きか
け、表面部にフッ素樹脂層を形成せしめ、その後、13
0℃に加熱調整したヤンキー式ドライヤーを用いて、湿
紙の乾燥を行い一次シートを得た。その後、該一次シー
トを350℃に加熱調整した電気炉に入れて5分間熱処
理して、フッ素樹脂繊維同士間、フッ素樹脂繊維と無機
微粒子間、及びフッ素樹脂繊維とガラス繊維間を融着し
て、又、PTFEディスパージョンの粒子を一次シート
に融着せしめて坪量500g/m2の本発明の無機微粒
子含有フッ素樹脂繊維紙を得た。
トロンチウム(堺化学工業社製、平均粒子径0.5μ
m)微粒子を30重量%、PTFE繊維を60重量%、
ガラス繊維を10重量%の比率で用いた以外は実施例1
と同様にして、坪量500g/m2の本発明のフッ素樹
脂繊維紙を得た。
トロンチウム(堺化学工業社製、平均粒子径0.5μ
m)微粒子を70重量%、PTFE繊維を20重量%、
ガラス繊維を10重量%の比率で用いた以外は実施例1
と同様にして、坪量500g/m2の本発明のフッ素素
樹脂繊維紙を得た。
を付着させなかった以外は、実施例1と同様にして坪量
500g/m2の比較例の微粒子含有フッ素素樹脂繊維
紙を得た。
トロンチウム(堺化学工業社製、平均粒子径0.5μ
m)微粒子を70重量%、PTFE繊維を20重量%、
ガラス繊維を10重量%の比率で用いた以外は比較例1
と同様にして、坪量500g/m2の比較例のフッ素樹
脂繊維紙を得た。
子含有フッ素樹脂繊維紙について銅張基板を作製し、下
記の評価を行った。ただし、無機微粒子含有フッ素樹脂
繊維紙の両面に厚さ18μmの電解銅箔を配置し、PT
FEの融点327℃以上の温度である380℃で、かつ
圧力1MPaの条件下にて約90分間、真空プレスによ
る加熱圧縮処理を行い、一体形成した両面銅張基板を用
いた。そしてJIS C6481に準じて下記特性を測
定した。 (1) 誘電率:銅箔と加熱圧縮処理によって一体化さ
れた両面銅張基板の銅箔をエッチングにより除去し、J
IS C6481に準じて測定した。 (2) 銅箔密着力:銅箔と加熱処理によって一体化さ
れた両面銅張基板を用いてJIS C6481に準じて
引き剥がし強さを測定した。 (3)吸水率:銅箔と加熱処理によって一体化された両
面銅張板の銅箔をエッチングにより除去し、JIS C
6481に準じて測定した。 実施例及び比較例で得られた微粒子含有フッ素樹脂繊維
紙の評価結果を表1に示す。表1より、次の点が確認さ
れた。すなわち、本発明のフッ素樹脂繊維紙は表面部に
フッ素樹脂が付着していることにより、高い銅箔密着力
が得られ、同時に吸水率も低くなった。又、含有する無
機微粒子の量により銅張基板の誘電率をコントロールす
ることができた。
は、凝集剤により無機微粒子を凝集させ、その凝集粒子
とフッ素樹脂繊維を混合し、湿式抄紙法により抄紙し、
更に該混抄紙の表面部にフッ素樹脂を付着せしめ、熱処
理することによって、任意の量の無機微粒子をフッ素樹
脂繊維紙に含有することが可能であり、銅箔とのプレス
により銅張基板を作製した場合、高誘電率・低誘電正接
で、銅箔との密着力が優れ、且つ低吸水率であるため
に、高周波用で高密度配線や小型の高誘電率プリント基
板等に最適である。
Claims (8)
- 【請求項1】 フッ素樹脂繊維を主成分とする紙状物に
於いて、該紙状物に無機微粒子が含有され、更に該紙状
物の表面部にフッ素樹脂が付着していることを特徴とす
るフッ素樹脂繊維紙。 - 【請求項2】 フッ素樹脂繊維を主成分とする紙状物に
於いて、該紙状物に無機微粒子及び耐熱性絶縁繊維が含
有され、更に該紙状物の表面部にフッ素樹脂が付着して
いることを特徴とするフッ素樹脂繊維紙。 - 【請求項3】 前記無機微粒子がチタン系セラミック微
粒子であることを特徴とする請求項1もしくは2記載の
フッ素樹脂繊維紙。 - 【請求項4】 前記フッ素樹脂繊維がポリテトラフルオ
ロエチレン繊維であることを特徴とする請求項1,2も
しくは3記載のフッ素樹脂繊維紙。 - 【請求項5】 前記フッ素樹脂繊維紙の表面部に付着す
るフッ素樹脂が、ポリテトラフルオロエチレンであるこ
とを特徴とする請求項1,2,3もしくは4に記載のフ
ッ素樹脂繊維紙。 - 【請求項6】 無機微粒子を凝集させて凝集粒子を作製
し、しかる後該凝集粒子をフッ素樹脂繊維と混合し、湿
式抄造法により混抄し、得られた紙状物の表面部にフッ
素樹脂を付着させた後、フッ素樹脂繊維の融点以上の温
度で加熱し、該繊維同士間及び繊維と無機微粒子の結合
点を融着することを特徴とするフッ素樹脂繊維紙の製造
方法。 - 【請求項7】 無機微粒子を凝集させて凝集粒子を作製
し、しかる後該凝集粒子をフッ素樹脂繊維及び耐熱性絶
縁繊維と混合し、湿式抄造法により混抄し、得られた紙
状物の表面部にフッ素樹脂を付着させた後、フッ素樹脂
繊維の融点以上の温度で加熱し、該繊維同士間、繊維と
無機微粒子及び繊維と耐熱性絶縁繊維の結合点を融着す
ることを特徴とするフッ素樹脂繊維紙の製造方法。 - 【請求項8】 前記紙状物の表面部に付着させるフッ素
樹脂としてフッ素樹脂ディスパージョンを用いることを
特徴とする請求項6もしくは7記載のフッ素樹脂繊維紙
の製造方法。
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