JP6405583B2 - 絶縁紙 - Google Patents
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Description
本発明において「アラミド」とは芳香族ポリアミドを意味する。本発明において「アラミド」とは、化学構造的には、アミド結合の60モル%以上、好ましくは70モル%以上、より好ましくは80モル%以上、更により好ましくは90モル%以上が芳香環に直接結合した線状高分子化合物を意味する。
「アラミドフロック」とは、アラミドからなる短繊維である。本発明におけるアラミドフロックの(数)平均繊維長は2〜10mmの範囲であり、2〜8mmの範囲がより好ましく、3〜6mmの範囲が更により好ましい。平均繊維長が2mmよりも小さいと絶縁紙の強度が低減するおそれがある。平均繊維長が10mmを超えると絶縁紙においてフロック同士の「絡み」、「結束」が発生しやすくなり、欠陥の原因となりやすいため、好ましくない。
「アラミドフィブリッド」とは、アラミドからなるフィルム状又は繊維状の微小粒子であり、アラミドパルプと称されることもある(アラミドフィブリッドについては特公昭35−11851号、特公昭37−5752号等を参照)。フィブリッドは、通常の木材(セルロース)パルプと同じように抄紙性を有するため、水中分散後、抄紙機にてシート状に成形することができる。
本発明の絶縁紙は前記アラミドフロック及び前記アラミドフィブリッドから主に構成される多孔性のシート状物であり、絶縁耐力が16kV/mm以上であり、且つ、比引裂強度が28mN・m2/g以上である。本発明の絶縁紙の絶縁耐力は18kV/mm以上が好ましく、20kV/mm以上がより好ましく、22kV/mm以上が更により好ましい。本発明の絶縁紙の比引裂強度は30mN・m2/g以上が好ましく、32mN・m2/g以上がより好ましく、34mN・m2/g以上が更により好ましい。
本発明の絶縁紙は、必要に応じて、アラミド以外のポリマーからなる少なくとも1種のバインダーを更に含むことができる。バインダーとして使用される樹脂は、製紙用分散体に直接添加される水溶性又は分散性ポリマーの形態でもよいし、あるいは乾燥又は次の更なる圧縮及び/又は加熱処理の間に加えられる熱によりバインダーとして活性化されるようにアラミド繊維と混ぜられた樹脂材料の熱可塑性バインダー繊維の形態でもよい。水溶性又は分散性ポリマーとしては、例えば、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、ウレタン樹脂、メラミンホルムアルデヒド樹脂、熱硬化性ポリエステル樹脂、アルキド樹脂等の水溶性又は水分散性の熱硬化性樹脂を挙げることができる。特に有用なのは水溶性ポリアミド樹脂である。ポリ(ビニルアルコール)、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリ(酢酸ビニル)等の熱可塑性樹脂の水溶液又は水分散体も同様に使用することができる。
本発明の絶縁紙は、必要に応じて、少なくとも1種のフィラーを更に含むことができる。フィラーの種類は特に限定されるものではないが、無機系フィラーが好ましく、例えば、雲母、グラファイト、カオリン、ベントナイト等の粘土、カーボンナノチューブ、窒化アルミニウム、酸化アルミニウム、窒化ホウ素、酸化マグネシウム、酸化亜鉛等の熱伝導性フィラーを挙げることができる。
本発明の絶縁紙は、必要に応じて、アラミド以外の材質からなる他の繊維を含んでもよい。他の繊維としては、例えば、芳香族ポリエステル繊維、芳香族ポリエーテルケトン繊維、パラアラミド繊維等の耐熱性繊維を挙げることができる。
(平均繊維幅)
下記実施例及び比較例より得られた各手抄用原料スラリーを希釈して、プレパラート上に均一な薄膜となるよう滴下して乾燥させ、走査型電子顕微鏡で100〜400倍に拡大してランダムに3視野を観察し、各視野から無作為に30本の繊維径を測定し数平均繊維幅(径)を算出した。
手抄脱水後にコーチィングしたワイヤー上繊維シートのワイヤーからの剥がし易さを以下3段階で評価した。
○:ワイヤーへの繊維付着がほとんど無く容易に剥がすことが出来る。
△:ワイヤーへの繊維付着が若干見られるが容易に剥がすことが出来る。
×:ワイヤーへの繊維付着が多く慎重に剥がす必要がある。
はじめに、下記実施例と比較例により得たアラミドフィブリッド繊維スラリーとアラミドフロック繊維スラリーを絶乾繊維重量で55:45の比率で混合し、115g/m2分の混合原料にて手抄を行った。この手抄後の絶乾シート坪量を測定した。このとき、歩留り100%であればシート中にアラミドフロック繊維は52g/m2、アラミドフィブリッド繊維は63g/m2が含まれることとなる(この時のフィブリッド繊維重量63g/m2を(A)とする。)。しかし、手抄後の絶乾シート坪量が実測で115g/m2よりも少ない場合、坪量が減少した分は手抄時にワイヤーから流出した微細化フィブリッド繊維の重量分と考えられる。そこで、次に、配合するフロック繊維重量46g/m2分は変えず、フィブリッド繊維配合量を適量増加させて絶乾シート坪量が115g/m2になるよう再度手抄きを行った。この際に配合したアラミドフィブリッド繊維の絶乾繊維重量を(B)とする。以上の(A)と(B)をもとに、アラミドフィブリッド繊維歩留りを次の式から算出した。
アラミドフィブリッド繊維歩留り(%)=(A/B)×100
ASTM D−149に準拠して測定した。
メタ−アラミドフィブリッド繊維を、水中にて標準型離解機を用いて絶乾繊維重量濃度1.2%にて30分間離解処理を行い、処理後原料スラリーを8カットスクリーンにてゴーザムスクリーン処理を行い、大型の未離解状繊維の除去を行った。次いで未離解状繊維を除去した原料スラリーを絶乾繊維重量濃度1.2%のまま低圧ホモジナイザーを用いて、バルブ圧10〜20MPaにて10回掛け処理を行い平均繊維幅7μmの手抄用第1のアラミドフィブリッド繊維スラリーを得た。
それぞれ得られた第1のアラミドフィブリッド繊維スラリー、第2のアラミドフィブリッド繊維スラリーと手抄用アラミドフロック繊維スラリーを順に、絶乾繊維重量で44:11:45の比率で混合して手抄用原料混合スラリーを得た。(アラミドフィブリッド全重量に対して第1のアラミドフィブリッドは80重量%、第2のアラミドフィブリッドは20重量%となる。)
第1のアラミドフィブリッド繊維スラリー、第2のアラミドフィブリッド繊維スラリーとアラミドフロック繊維スラリーを順に絶乾重量で33:22:45の比率で混合し手抄用原料混合スラリーを得た以外は実施例1と同様にして試験用シートを得た。(アラミドフィブリッド全重量に対して第1のアラミドフィブリッドは60重量%、第2のアラミドフィブリッドは40重量%となる。)
第1のアラミドフィブリッド繊維スラリーとアラミドフロック繊維スラリーを絶乾重量で55:45の比率で混合し手抄用原料混合スラリーを得た以外は実施例1と同様にして試験用シートを得た。
第2のアラミドフィブリッド繊維スラリーとアラミドフロック繊維スラリーを絶乾重量で55:45の比率で混合し手抄用原料混合スラリーを得た以外は実施例1と同様にして試験用シートを得た。
Claims (15)
- 2〜10mmの平均繊維長及び10〜30μmの平均繊維径を有するアラミドフロック、及び、
5〜20μmの平均幅を有する第1のアラミドフィブリッド、及び、20超〜40μmの平均幅を有する第2のアラミドフィブリッドを含むアラミドフィブリッド
からなり、
絶縁耐力が16kV/mm以上であり、且つ、比引裂強度が28mN・m2/g以上である絶縁紙。 - 前記アラミドフィブリッドが、5〜20μmの平均幅を有する第1のアラミドフィブリッド、及び、20超〜40μmの平均幅を有する第2のアラミドフィブリッドのみからなる、請求項1記載の絶縁紙。
- 前記第1のアラミドフィブリッドがホモジナイザー処理を受けたものである、請求項1又は2記載の絶縁紙。
- 前記アラミドフロックがメタアラミドからなる、請求項1〜3のいずれかに記載の絶縁紙。
- 前記第1のアラミドフィブリッド及び第2のアラミドフィブリッドがメタアラミドからなる、請求項1〜4のいずれかに記載の絶縁紙。
- 絶縁紙の全重量に対して前記アラミドフロックを20〜80重量%含む、請求項1〜5のいずれかに記載の絶縁紙。
- 前記アラミドフィブリッドの全重量に対して前記第1のアラミドフィブリッドを50〜90重量%含む、請求項1〜6のいずれかに記載の絶縁紙。
- 前記アラミドフィブリッドの全重量に対して前記第2のアラミドフィブリッドを50〜10重量%含む、請求項1〜7のいずれかに記載の絶縁紙。
- アラミド以外のポリマーからなる少なくとも1種のバインダーを更に含む、請求項1〜8のいずれかに記載の絶縁紙。
- 少なくとも1種のフィラーを更に含む、請求項1〜9のいずれかに記載の絶縁紙。
- 前記アラミドフロックの一部、前記第1のアラミドフィブリッドの一部、及び、前記第2のアラミドフィブリッドの一部が熱接着している、請求項1〜10のいずれかに記載の絶縁紙。
- 20〜500g/m2の坪量を有する、請求項1〜11のいずれかに記載の絶縁紙。
- 請求項1〜12のいずれかに記載の絶縁紙を備える電気絶縁体。
- 請求項13記載の電気絶縁体を備える電気デバイス。
- 変圧器、発電機又は電動機である請求項14記載の電気デバイス。
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