JP3840070B2 - 光触媒能を有するプリント回路基板 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、耐熱性、耐薬品性、電気絶縁性並びに厚さ方向の熱膨張係数に優れ、かつ表面に付着した汚染物質を光触媒作用で分解し、自浄作用をする光触媒能を有するプリント回路基板に関し、特に紫外線雰囲気下で好適に使用され、かつ高周波を使用する情報通信分野で好適に用いることができるプリント回路基板に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のプリント回路基板関連分野に於いて、低誘電特性を有するプリント回路基板としては、例えば次のようなものが知られている。すなわち、ガラスクロスを基材として用いて、この基材にポリテトラフルオロエチレン(以下,PTFEと称す)樹脂の含浸及び焼成処理を数回繰り返したシートを重ね、加えて該シート間にテトラフルオロエチレンとパーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体樹脂層(PFA樹脂層)もしくはパーフルオロエチレンとヘキサフルオロプロピレン共重合体樹脂層(FEP樹脂層)を形成し、更に最外層に配置される金属箔との間にも上述の樹脂層をフィルム状に形成するか或いはコーティング法により形成し、積み重ねられた積層シート、金属箔を一体的に加熱圧着して一体化形成したものである。
特に、高周波用プリント配線板には、誘電率εが3以下、誘電正接tan δが0.010程度のものがフッ素樹脂にガラスクロスを組合わせて作製されている。
【0003】
しかし、フッ素樹脂は一般にPTFE樹脂ディスパージョンを用いるので高価となるのみでなく、ガラスクロスに対してPTFE樹脂ディスパージョンを含浸し、含浸後に於いて乾燥及び焼成する処理を数回繰り返す工程が必要であって、さらに形成すべき基板の厚さに応じて樹脂含浸シートを所定枚数重ねて積層板を得るので、製造工程が複雑化し、製造コストが高くなるという問題点があった。
【0004】
又、従来の積層板はその熱膨張係数が積層板の面方向では15〜20×10−6/℃であり、積層板の厚さ方向では150〜200×10−6/℃であって、面方向(以下XY方向と呼ぶ)と厚さ方向(以下Z方向と呼ぶ)との熱膨張係数に大差が存在するため、温度変化による積層板の寸法変化が大で、ねじれが発生し、さらにプリント回路基板のスルーホールなどの電気導通不良の発生原因となる問題があった。
【0005】
又、高密度配線板や基板の小型化が進むに当たって、前記のガラスクロスを基材として用い、これにPTFE樹脂を含浸し焼成したものの場合には、ガラスクロスの網目が基板の均一性を阻害するため、高周波対応のプリント回路基板には適当ではなかった。
【0006】
一方高周波対応の高誘電率タイプの基板では、フッ素樹脂に高誘電率の無機フィラーを含有させる提案もあるが、フッ素樹脂をエマルジョンとしてガラス繊維の織布に担持させるため、得られたシートの表面が不均一で、その結果微細な配線回路の形成ができないものである。
【0007】
又、プリント回路基板は、屋外は勿論のこと、屋内に於いても大気汚染物質に曝され、それらの汚染物質がプリント回路基板表面に付着し堆積する。近年、情報通信分野の発展に伴って、コンピューターや通信機器の高周波化が進んでいる。この高周波化に対応するために、伝送損失の少ない低誘電性のプリント回路基板が求められている。しかし、このプリント回路基板の表面に汚染物質が付着すると、誘電正接が大きくなり、それに伴って伝送損失が大きくなる。情報通信機器は今後更に高周波化が進むために、大気汚染されたプリント回路基板はその能力が低下し、誤作動などの不具合が発生することが予想される。しかし、汚染したプリント基板の保守は不可能に近く、不具合が生じたプリント回路基板は交換するしかないのが現状である。
【0008】
一方、酸化チタンは光触媒機能があり、紫外線によりフッ素樹脂以外の有機物を分解するために、環境分野での利用が増加している。しかし、酸化チタンを有機物基材に付着させて使用した場合、基材が酸化チタンの触媒効果で分解され酸化チタンが脱離し、その効果が損なわれる。その改良のために有機基材の表面に酸化チタンの触媒作用に耐え得るプライマー層を設けて、そのプライマー層を介して酸化チタンを付着させる方法が提案されているが、この方法ではプライマー層を設けるための余計な工程が必要となり、又、プライマー層が有機系であると結局酸化チタンの光触媒作用の分解効果でプライマー層が壊れてしまい、酸化チタンが脱離する問題を生ずる。
【0009】
又、有機基材としては、フッ素樹脂を用い、これに酸化チタン粉末を添加して用いることも検討されている。フッ素樹脂は酸化チタンの触媒効果による分解を起こし難いので好ましいが、特にPTFE樹脂は酸化チタンの触媒効果による分解の影響を全く受けないと言う特徴がある。
しかし、フッ素樹脂は表面エネルギーが小さいので、他の材料に対して粘着又は接着せず、かつ化学的に安定で界面がフッ素樹脂と化学結合することがないために、酸化チタンをフッ素樹脂界面に付着させるのは極めて困難であり、特に酸化チタンを多量に付着させることは到底不可能であるという問題があった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明が解決しようとする課題は、簡単な製造方法でプリント回路基板が作製でき、プリント回路基板のXY方向の熱膨張係数とZ方向の熱膨張係数の差が小さく、低誘電率・低誘電正接或いは高誘電率・低誘電正接のプリント回路基板の芯材として適用できるフッ素樹脂繊維紙を提供することであり、又、光触媒能を有する粒子又は繊維を湿式抄造法によって直接フッ素樹脂繊維に対して絡み合わせ、融着で物理的に高密度に付着させることにより、光触媒能を有するプリント回路基板を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記問題点を解決するために種々検討の結果、以下に記載の光触媒能を有するプリント回路基板を生み出したものである。
すなわち、請求項1の発明は、フッ素樹脂繊維紙を主成分とするプリント回路基板に於いて、該フッ素樹脂繊維紙が、フッ素樹脂繊維及び全固形分に対して5〜70重量%のアナターゼ型酸化チタン粒子又は繊維を含有するスラリーを湿式抄造してなることを特徴とする光触媒能を有するプリント回路基板であり、請求項の発明は、請求項1に記載のフッ素樹脂繊維紙に於いて、フッ素樹脂がポリテトラフルオロエチレン(PTFE)であることを特徴とする光触媒能を有するプリント回路基板である。
【0012】
本発明に於いて、フッ素樹脂繊維及びアナターゼ型酸化チタン粒子又は繊維を含有したフッ素樹脂繊維シートを製造するが、特にアナターゼ型酸化チタン粒子を用いる場合は、アナターゼ型酸化チタン粒子を凝集させて凝集粒子を作製し、しかる後該凝集粒子をフッ素樹脂繊維と混合し、湿式抄造法により混抄し乾燥して得た混抄紙を、フッ素樹脂繊維の融点以上で加熱し、該繊維間及び繊維とアナターゼ型酸化チタン粒子の結合点を融着することにより得ることができる。
【0013】
ここに本発明のプリント回路基板の特性は、XY方向の熱膨張係数は50×10−6/℃以下好ましくは30×10−6/℃以下、Z方向の熱膨張係数は100×10−6/℃以下、誘電率は2.5〜10.0好ましくは4.0〜7.0、誘電正接は0.001〜0.010である。
これによって、高誘電率で低誘電正接の基板を得て、高周波用、屋外用、アンテナ用、具体的には、例えば無線基地局アンテナ、携帯電話の中継局、FWA,カーナビゲーション、自動車レーダー、衛星デジタル音声放送システム、無線LAN,自動車電送用、等々に用いられるプリント回路基板を提供することができる。
【0014】
本発明に使用できるフッ素樹脂繊維は、テトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン/パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン/パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレン、エチレン/テトラフルオロエチレン共重合体、エチレン/クロロトリフルオロエチレン共重合体等の含フッ素樹脂系高分子の繊維が上げられるが特にポリテトラフルオロエチレン(PTFE)繊維が、好ましい誘電率や誘電正接を有するほか、アナターゼ型酸化チタン粒子又は繊維を含有保持させた場合に全く分解しないので好ましい。尚、PTFE繊維はビスコース中にPTFE粉末を分散させエマルジョン紡糸することにより得ることができ、耐熱性、耐薬品性に優れ、酸化チタン等の光触媒作用の影響を全く受けないので好ましい。又、上記のフッ素樹脂繊維紙は、PTFE繊維等の各種フッ素樹脂繊維を混抄して使用することもできる。
【0015】
又、フッ素樹脂繊維としては、アナターゼ型酸化チタン粒子又は繊維含有フッ素樹脂繊維紙に要求される特性、具体的にはシート強度等によって、フッ素樹脂繊維の形態がフィブリル化されているものとフィブリル化されていないものを選択して使用し、場合によっては混合して使用することができる。例えば、アナターゼ型酸化チタン粒子又は繊維含有フッ素樹脂繊維紙にシート強度が要求される場合、フッ素樹脂繊維の絡み合いが増しシート強度が向上することから、フィブリル化したフッ素樹脂繊維を使用するのが好ましい。又、フィブリル化したフッ素樹脂繊維とフィブリル化していないフッ素樹脂繊維を要求される特性に応じて、適宜混合して使用することもできる。
【0016】
フィブリル化のための手段としては、一般的な叩解機であるボールミル、ビーター、ランペンミル、PFIミル、SDR(シングルディスクリファイナー)、DDR(ダブルディスクリファイナー)、その他リファイナー等を使用することができる。
フィブリル化の度合いは、アナターゼ型酸化チタン粒子又は繊維含有フッ素樹脂繊維紙のシート強度との関係で決定される。より強いシート強度を必要とする場合には、フィブリル化の程度を進めた繊維を使用することが好ましい。又、それによってフッ素樹脂繊維のアナターゼ型酸化チタン粒子又は繊維の保持力も向上する。
なお、上記フッ素樹脂繊維の直径は、1μm〜50μm、長さは0.1mm〜10mm、好ましくは2mm〜6mmのものを用いる。
【0017】
又、本発明に於いて使用されるアナターゼ型酸化チタン粒子又は繊維には、アナターゼ型酸化チタン系セラミックも含まれる。又、フッ素樹脂プリント基板の用途に応じて他の無機微粒子又は繊維を併用してもよい。それらにはルチル型酸化チタン系セラミック、チタン酸バリウム系セラミック、チタン酸鉛系セラミック、チタン酸ストロンチウム系セラミック、チタン酸カルシウム系セラミック、チタン酸ビスマス系セラミック、チタン酸マグネシウム系セラミック等のチタン系セラミック、シリカ又はガラス粒子又は繊維を挙げることができる。なお、前記酸化チタン系セラミックとは、組成的には酸化チタンのみを含む系、又は酸化チタンに他の少量の添加物を含む系で、主成分である酸化チタンの結晶構造が保持されているものである。
【0018】
アナターゼ型酸化チタン粒子の粒径としては、約50μm以下のものを用いることができるが、好ましくは0.1〜20μm、さらに好ましくは0.1〜15μmの範囲のものである。これは粒子の粒子径が、上記範囲の上限より大きいとフッ素樹脂繊維紙への均一分散、混合が困難になり、逆に上記範囲の下限より小さいと取り扱いがむずかしくなり、湿式抄造する場合に粒子が脱落してしまい、フッ素樹脂繊維紙に残らなくなるおそれがあるためである。
【0019】
アナターゼ型酸化チタン粒子又は繊維含有フッ素樹脂繊維紙をプリント回路基板に用いる場合、アナターゼ型酸化チタンを含めた無機粒子又は繊維の含有量が多いほど、プリント基板のXY方向とZ方向との熱膨張係数の差が無くなり、温度変化による積層板の寸法変化が抑えられる。しかし、添加量が増加するに従い、フッ素樹脂繊維紙への均一分散、混合が困難になる。又、添加する無機粒子又は繊維の種類及び量によって、高誘電率タイプや低誘電率タイプのフッ素樹脂プリント基板が作製できるために、粒子の添加量をコントロールすることによりプリント基板の誘電率の値を所望の値にコントロールすることができる。
【0020】
本発明のフッ素樹脂繊維紙に於いては、アナターゼ型酸化チタン粒子又は繊維の配合量を、抄紙スラリー中の全固形物に対して5〜70重量%とすることが好ましく、20〜70重量%がより好ましい。アナターゼ型酸化チタンの配合量が5重量%未満であると光触媒作用が不足し、プリント回路基板表面に付着した汚染物質が多いと完全に分解できない。アナターゼ型酸化チタンの配合量が70重量%を超えて多いとフッ素繊維紙の強度が弱くなったり、紙表面や紙層内から脱離する。なお、アナターゼ型酸化チタン以外の無機粒子又は繊維を併用する場合は、前記理由でそれらの合計が70重量%以内であることが好ましい。
【0021】
本発明のフッ素樹脂繊維紙を基材とするプリント回路基板を製造するには、通常の製紙に用いられる湿式抄造法が用いられる。例えば、酸化チタン粒子を規定量秤量し、凝集剤とともに水中で攪拌し、凝集粒子を作成する。その凝集粒子と規定量のフッ素樹脂繊維を水中で攪拌、混合し、好ましくは、固形物濃度が0.5%以下になるように濃度調整したスラリーを長網式、円網式等の湿式抄造機に適用し、連続したワイヤーメッシュ状の脱水パートで脱水し、その後、多筒式ドライヤーやヤンキードライヤーで乾燥して一次シートを得る。次に該一次シートをフッ素繊維の融点以上の温度で加熱処理、或いは熱圧着ロールに適用することによってフッ素樹脂繊維の溶融による繊維間の融着、結着及び繊維間の絡み合いを強固にし、又凝集粒子とフッ素樹脂繊維を融着、結着させて本発明のフッ素樹脂繊維紙を得ることができる。
【0022】
上記に於いて使用される凝集剤は、通常の製紙や産業廃水や生活廃水の凝集処理等に用いられる一般的な凝集剤が使用できる。具体的には、硫酸バンド、ポリ塩化アルミニウム、塩化第2鉄、ポリ硫酸第2鉄、硫酸第1鉄、ジメチルジアリルアンモニウムクロライド、アルキルアミン・エピクロルヒドリン縮合物、エチレンイミン、アルキレンジクロライドとポリアルキレンポリアミンの縮合物、ジシアンジアミド・ホルマリン縮合物、ポリアクリルアミド系、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリ(メタ)アクリル酸アミノアルキルエステル系、ポリアクリルアミドのマンニッヒ変性物、キトサン、その他の無機凝集剤、有機凝集剤、高分子凝集剤があり、凝集効果を上げて歩留まりを向上させるためには、無機凝集剤と有機凝集剤或いは高分子凝集剤の併用、更にはポリアクリルアミド系、ポリエチレンオキサイド系等の合成粘剤の添加が好ましい。又、凝集剤の添加量は、粒子の凝集状態に応じて決定される。
【0023】
又、本発明で用いられるフッ素樹脂繊維紙には通常の製紙で用いられる各種の紙力増強剤、分散剤、消泡剤、合成粘剤や顔料成分等の添加剤を配合することができる。
本発明におけるフッ素樹脂繊維紙の厚さ及び坪量は、使用する用途に応じて適切な厚さ及び坪量が決定される。
このようにして得られた本発明のフッ素樹脂繊維紙は、不織布の製造に使われる乾式法と比較して、均一に酸化チタン粒子又は繊維を含有させることができ、地合が均一であるという優れた特徴を有している。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施例について説明する。例中の%は重量%を意味する。
【0025】
(実施例1)
先ず、ビスコースをマトリックスとしたPTFE粉末の分散体から得られた未延伸のPTFE繊維(東レ・ファインケミカル社製 商品名;トヨフロン,繊維径15μm)を6mmの長さに切断して用意する。
次に、水を入れた容器中に、往復回転式アジテーターの羽根を入れて攪拌しながら、この中に、アナターゼ型酸化チタン(多木化学社製、商品名;タイノックA−100,平均粒子径1μm)の粒子と、該粒子に対して2.0重量%の無機凝集剤(日本軽金属社製、商品名;硫酸バンド)と、該粒子に対して1.0重量%の高分子凝集剤(栗田工業社製、商品名;ハイホルダー109)と、該粒子に対して1.5重量%の合成粘剤(ダイヤフロック社製、商品;ACRYPERSE PMP)とを添加して攪拌し、アナターゼ型酸化チタン粒子を凝集させる。攪拌を止めて、上澄みを除去し、水を入れた容器中にその凝集酸化チタン粒子と予め用意しておいたフッ素繊維とを70重量%対30重量%の比率で添加し、往復回転式アジテーターで攪拌し、均一に分散させる。
【0026】
この原材料分散液から規定量採取し、JIS P8222:1998に規定する標準型手抄き装置を用いて湿紙を作成した。その後、プレス脱水を行い、130℃に加熱調整したヤンキー式ドライヤーを用いて、湿紙の乾燥を行い一次シートを得た。その後該一次シートを320℃以上に加熱調整した電気炉に入れて5分間熱処理して、繊維間及び繊維と粒子間を融着して、フッ素樹脂繊維紙を得た。このフッ素樹脂繊維紙の両面に厚さ18μmの電解銅箔を配置し、PTFEの融点327℃以上の温度、例えば380℃でかつ圧力1MPaの条件下にて約90分間、真空プレスによる加熱圧縮を行い、一体形成した両面銅張り板(芯材厚み150μm)を作製した。
【0027】
(実施例2)
実施例1と同じアナターゼ型酸化チタンとPTFE繊維との混抄割合を50%対50%にした以外は、実施例1とすべて同じ作製法で両面銅張り板を作製した。
【0028】
(実施例3)
実施例1と同じアナターゼ型酸化チタンとPTFE繊維との混抄割合を20%対80%にした以外は、実施例1とすべて同じ作製法で両面銅張り板を作製した。
【0029】
(実施例4)
吸着機能を持つシリカゲルにアナターゼ型酸化チタンを担持した粒子(新東Vセラックス社製、商品名;HQA84,平均粒子径10μm)とPTFE繊維との混抄割合を50%対50%にした以外は、実施例1とすべて同じ作製法で両面銅張り板を作製した。
【0030】
(比較例1)
ルチル型酸化チタン(金生興業社製、商品名;ルチルフラワーS、平均粒子径20μm)とPTFE繊維との混抄割合を50%対50%にした以外は、実施例1とすべて同じ作製法で両面銅張り板を作製した。
【0031】
(比較例2)
酸化チタンを配合しないでPTFE繊維100%にした以外は実施例1とすべて同じ作製法で両面銅張り板を作製した。
【0032】
上記実施例及び比較例について、以下の評価を行った。その結果は表1に示すとおりである。
【0033】
(1)誘電率及び誘電正接の測定:基板から銅箔をエッチングによって除去しJIS C 6481に準拠して測定した。
(2)メチレンブルー脱色試験:上記銅箔を除去した基板を20×30mmに切り、100ppmのメチレンブルー水溶液100mlを入れた光学測定用石英セルに投入し、500WHgランプで光を60分間照射し、メチレンブルーの脱色を目視観察し、光触媒能の有無を確認した。
(3)トルエンの光分解度:20W(紫外線強度0.6mV/cm)のブラックライトを内部に設置した試験函(1900ml)にサンプル80cmを入れて、ガス濃度測定器で検知し、初期濃度10ppmから1ppmに減少するまでの時間を測定した。
【0034】
【表1】
Figure 0003840070
【0035】
表1により、次の諸点が確認された。すなわち、実施例1〜4のデータを比較例1〜2と比べると、誘電率はいずれも小さく、誘電正接も余り変わらないが、メチレンブルー脱色試験の結果、実施例は脱色されるのに対して比較例は全く脱色されない。トルエンの光分解度は、実施例が30〜60minで分解するので、触媒性能を発揮しているが、比較例は変化がなく触媒性能がないことを示している。
【0036】
【発明の効果】
本発明によれば、誘電率2.5〜10.0、誘電正接0.001〜0.010であり、熱膨張係数もXY方向50×10−6/℃以下、Z方向100×10−6/℃以下というXY方向とZ方向で差が大きくないプリント回路基板であって、光触媒能を有するアナターゼ型酸化チタン粒子又は繊維を光触媒作用を受けないフッ素樹脂繊維紙中に含有したことにより、紫外線による自浄作用があり、電気的性能の低下がなく、保守の容易なプリント回路基板を提供することができ、ミリ波利用の分野としての、FWA,CATV,IMT−2000,PHS,無線LAN等のワイヤレス分野、及びカーナビゲーション、ETC,自動車レーダ、衛星デジタル音声放送システム等のITS分野に広く応用が可能なプリント回路基板を提供することができる。

Claims (2)

  1. フッ素樹脂繊維紙を主成分とするプリント回路基板に於いて、該フッ素樹脂繊維紙が、フッ素樹脂繊維及び全固形分に対して5〜70重量%のアナターゼ型酸化チタン粒子又は繊維を含有するスラリーを湿式抄造してなることを特徴とする光触媒能を有するプリント回路基板。
  2. 請求項1に記載のフッ素樹脂繊維紙に於いて、フッ素樹脂がポリテトラフルオロエチレン(PTFE)であることを特徴とする光触媒能を有するプリント回路基板。
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