JP2001355193A - フッ素樹脂繊維紙及びその製造方法 - Google Patents

フッ素樹脂繊維紙及びその製造方法

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JP2001355193A
JP2001355193A JP2000172525A JP2000172525A JP2001355193A JP 2001355193 A JP2001355193 A JP 2001355193A JP 2000172525 A JP2000172525 A JP 2000172525A JP 2000172525 A JP2000172525 A JP 2000172525A JP 2001355193 A JP2001355193 A JP 2001355193A
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fluororesin
hollow inorganic
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fluororesin fiber
fiber paper
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Osamu Tsuda
統 津田
Takanori Suzuki
孝典 鈴木
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Tomoegawa Co Ltd
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Tomoegawa Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた低誘電率及び低誘電正接を有し、プリ
ント配線基板の芯材として使用することができるフッ素
樹脂繊維紙及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 フッ素樹脂繊維紙は、フッ素樹脂繊維を
主成分とし、中空無機微粒子を含有する。そしてフッ素
樹脂繊維間及び該フッ素樹脂繊維と中空無機微粒子との
接合点は融着されている。このフッ素樹脂繊維紙は、中
空無機微粒子を凝集させて中空無機微粒子凝集体を作製
し、該中空無機微粒子凝集体をフッ素樹脂繊維と混合
し、湿式抄造法により混抄し乾燥して混抄紙を作製し、
該混抄紙をフッ素樹脂繊維の融点以上の温度に加熱し
て、フッ素樹脂繊維間及びフッ素樹脂繊維と中空無機微
粒子の接合点を融着することによって作製される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐熱性並びに電気
絶縁性に優れた、中空無機微粒子含有フッ素樹脂繊維紙
及びその製造方法、及びそれを用いて作製されたプリン
ト配線基板に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、プリント基板関連分野において、
低誘電特性を有するプリント配線基板及びその製造方法
としては、例えば次のようなものが知られている。すな
わち、ガラスクロスを基材として用い、この基材にポリ
テトラフルオロエチレン樹脂(以下、「PTFE樹脂」
という。)の含浸及び焼成処理を数回繰り返し、得られ
たシートを、これらシート間に、ポリテトラフルオロエ
チレンとパーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体
樹脂層またはポリテトラフルオロエチレンとヘキサフル
オロプロピレン共重合体樹脂層を介在させて重ね、更に
最外層として配置される金属箔との間にも上述の樹脂層
をフィルム状に形成し、またはコーティング法により形
成し、積み重ねられたシート及び金属箔を加熱圧着し
て、一体化することによりプリント配線基板が形成され
る。
【0003】また、高周波用のプリント配線基板等にお
いて、比誘電率、誘電正接の小さいものが要求される場
合には、フッ素樹脂をベースとし、このフッ素樹脂に対
してガラスクロス等の充填材を組み合わせて、比誘電率
が3.0以下、誘電正接が0.0010程度のものを作
製している。
【0004】しかしながら、PTFE樹脂は高価である
上に、PTFE樹脂のディスバージョンが使用されるの
で、ガラスクロスに含浸し、含浸後において乾燥及び焼
成する処理を数回繰り返す必要があり、更に形成される
基板の厚さに応じて樹脂含浸シートを所定枚数重ね、所
定の厚さの積層板を作製するので、製造工程が複雑化
し、製造コストが高くなるという問題点があった。
【0005】また、従来の積層板は、その熱膨張係数が
積層板の面方向では15〜20×10-6/℃であり、積
層板の厚さ方向では150〜200×10-6/℃であっ
て、面方向と厚さ方向との熱膨張係数に大差が存在する
ため、温度変化による積層板の寸法変化が大きく、ねじ
れが発生し、更にプリント配線基板のスルーホール等の
電気導通不良の発生原因となるという問題があった。
【0006】さらにまた、高密度配線や基板の小型化を
進めるに際して、前記ガラスクロスにフッ素樹脂を含浸
させたプリント配線基板は、ガラスクロスの編み目が基
板の均一性を阻害するために、高周波対応プリント配線
基板としては適したものではないという問題もある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明
は、従来の技術における上記のような問題を解決するこ
とを目的とするものである。すなわち、本発明の目的
は、優れた低誘電率及び低誘電正接を有し、プリント配
線基板の芯材として使用することができるフッ素樹脂繊
維紙及びその製造方法を提供することにある。本発明の
他の目的は、簡単な製造方法でプリント配線基板を作製
することができるフッ素樹脂繊維紙を提供することにあ
る。本発明のさらに他の目的は、プリント配線基板の面
方向の熱膨張係数と厚さ方向の熱膨張係数の差が小さ
く、周波数1MHzにおける比誘電率が2.0以下とな
るような非常に優れた低誘電率及び低誘電正接を有する
もので、プリント配線基板の機能を向上せしめる芯材と
して使用できるフッ素樹脂繊維紙、及びそれを用いたプ
リント配線基板を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、前記問題
点を解決するために種々検討の結果、まず中空無機微粒
子を凝集剤により凝集させておき、次にフッ素樹脂繊維
と凝集中空無機微粒子を一緒に分散させ、その分散原材
料水溶液を湿式抄造法により抄紙することによって、フ
ッ素樹脂繊維紙に任意の量の中空無機微粒子を均一に含
有させたフッ素樹脂繊維紙を作製することができること
を見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】すなわち、本発明のフッ素樹脂繊維紙は、
フッ素樹脂繊維を主成分とし、中空無機微粒子を含有す
ることを特徴とする。本発明の上記フッ素樹脂繊維紙に
おいて、フッ素樹脂繊維間及び該フッ素樹脂繊維と中空
無機微粒子との接合点は融着されているのが好ましい。
また、フッ素樹脂繊維と共に、耐熱性絶縁繊維を含有し
てもよい。また、本発明の上記フッ素樹脂繊維紙は、特
にプリント配線基板の作製用としての用途に用いるのが
好ましい。
【0010】本発明のプリント配線基板は、上記のフッ
素樹脂繊維紙及びその少なくとも一面に設けた金属層よ
りなるものであって、周波数1MHzにおけるフッ素樹
脂繊維紙の比誘電率が2.0以下であることを特徴とす
る。
【0011】本発明のフッ素樹脂繊維の第1の製造方法
は、中空無機微粒子を凝集させて中空無機微粒子凝集体
を作製し、該中空無機微粒子凝集体をフッ素樹脂繊維と
混合し、湿式抄造法により混抄し乾燥して混抄紙を作製
し、該混抄紙をフッ素樹脂繊維の融点以上の温度に加熱
して、フッ素樹脂繊維間及びフッ素樹脂繊維と中空無機
微粒子の接合点を融着することを特徴とする。また、第
2の製造方法は、中空無機微粒子を凝集させて中空無機
微粒子凝集体を作製し、該中空無機微粒子凝集体をフッ
素樹脂繊維と混合し、湿式抄造法より混抄し乾燥して混
抄紙を作製し、該混抄紙を熱圧着処理してフッ素樹脂繊
維間及びフッ素樹脂繊維と中空無機微粒子の接合点を融
着することを特徴とする。
【0012】中空無機微粒子凝集体を用いる本発明の上
記の製造方法によれば、中空無機微粒子とフッ素樹脂繊
維を分散させて湿式抄造法で抄紙する際に、中空無機微
粒子の粒径が小さく、フッ素樹脂繊維が中空無機微粒子
を保持できないために中空無機微粒子が脱落するという
問題がなくなり、フッ素樹脂繊維紙に任意の量の中空無
機微粒子を均一に含有させたフッ素樹脂繊維紙を作製す
ることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明について以下に具体的に説
明する。本発明において、主成分となるフッ素樹脂繊維
としては、上記ポリテトラフルオロエチレン、テトラフ
ルオロエチレン/パーフルオロアルキルビニルエーテル
共重合体、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプ
ロピレン/パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合
体、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレ
ン共重合体、ポリ(クロロトリフルオロエチレン)、テ
トラフルオロエチレン/エチレン共重合体、クロロトリ
フルオロエチレン/エチレン共重合体等の含フッ素樹脂
系高分子の繊維をあげることができる。これらの中で
も、PTFE繊維は、耐熱性、耐薬品性で優れているの
で、本発明の中空微粒子含有フッ素樹脂繊維紙を得るの
に特に好適に使用することができる。なお、PTFE繊
維は、ビスコース中にポリテトラフルオロエチレン粉末
を分散させエマルジョン紡糸することにより得ることが
できる。上記フッ素樹脂繊維は、フッ素樹脂繊維紙の使
用用途に応じて、それらの1種類または複数種類混合し
て使用することもできる。
【0014】また、フッ素樹脂繊維として、フッ素樹脂
繊維紙に要求される特性、具体的にはシート強度及び中
空無機微粒子保持力等によって、フッ素樹脂繊維の形態
がフィブリル化されているものとフィブリル化されてい
ないものを選択して使用し、場合によっては混合して使
用することができる。例えば、フッ素樹脂繊維紙に更な
るシート強度及び高い中空無機微粒子含有量が要求され
る場合には、フッ素繊維の絡み合いを増してシート強度
を向上させ、また中空無機微粒子を保持しやすくするた
めに、フィブリル化したフッ素樹脂繊維を使用するのが
好ましい。フィブリル化したフッ素樹脂繊維とフィブリ
ル化されていないフッ素樹脂繊維は、要求される特性に
応じて任意に混合して使用することもできる。
【0015】フッ素樹脂繊維のフィブリル化のための手
段としては、一般的な叩解機であるボールミル、ビータ
ー、ランペンミル、PFIミル、シングルディスクリフ
ァイナー(SDR)、ダブルディスクリファイナー(D
DR)、その他のリファイナー等を使用することができ
る。
【0016】フッ素樹脂繊維のフィブリル化の度合い
は、フッ素樹脂繊維紙のシート強度と密度の関係で決定
される。より強いシート強度を必要とする場合には、フ
ィブリル化の程度を進めた繊維を使用することが好まし
い。また、それによってフッ素樹脂繊維の中空無機微粒
子に対する保持力も向上する。
【0017】なお、上記フッ素樹脂繊維としては、直径
1μm〜50μm、長さ0.1mm〜10mm、好まし
くは2mm〜6mmの範囲のものが用いられる。
【0018】本発明において、フッ素樹脂繊維に配合さ
れる中空無機微粒子とは、粒子の内部が空洞になってい
るものであって、具体的には天然火山性ガラス粒子を加
熱発泡させたシラスバルーン、ガラス微小中空球である
ガラスバルーン、シリカバルーン等をあげることができ
る。
【0019】中空無機微粒子の粒径としては、約200
μm以下のものを用いることができる。好ましくは0.
1〜50μm、更に好ましくは1〜20μmの範囲のも
のである。
【0020】中空無機微粒子のフッ素樹脂繊維紙への添
加量は、フッ素樹脂繊維紙の用途に応じて決定される。
具体的には、中空無機微粒子の含有量が多いほど、プリ
ント基板の面方向と厚さ方向との熱膨張係数の差が無く
なり、温度変化による積層板の寸法変化が抑えられる。
また、低誘電率化が進む。しかしながら、添加量が増加
するに従い、フッ素樹脂繊維紙への均一分散、混合が困
難になり、また、プリント配線基板にした場合に、機械
的強度の低下が生じる。したがって、一般にはフッ素樹
脂繊維紙中に20〜95体積%の範囲が好ましい。ま
た、中空無機微粒子の添加量を制御することによってプ
リント配線基板の誘電率の値をコントロールすることが
できる。
【0021】本発明のフッ素樹脂繊維紙は、繊維成分と
してはフッ素樹脂繊維を主成分とするが、更に耐熱性絶
縁繊維を含有させてもよい。本発明において含有させる
ことができる耐熱性絶縁繊維としては、ガラス繊維、ポ
リパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維、芳香族
ポリエステル繊維、ポリフェニレンスルフィド繊維、全
芳香族ポリアミド繊維等があげられる。これら耐熱性絶
縁繊維の添加によって、フッ素樹脂繊維紙のシート強度
の向上や耐熱性をさらに向上することができる。また、
プリント配線基板とする場合において、プリント配線基
板の面方向の熱膨張係数を抑えたり、プリント配線基板
の曲げ強度及び曲げ弾性等の機械的強度の向上を図るこ
とができると共に、配合量によって比誘電率の調整も可
能になる。
【0022】前記耐熱性絶縁繊維は、ガラス繊維以外の
高分子繊維の場合はフィブリル化させて使用することが
でき、それによって繊維間の絡み合いが強固になり、更
にシート強度が向上するので望ましい。フィブリル化の
ための手段としては、一般的な叩解機であるボールミ
ル、ビーター、ランペンミル、PFIミル、シングルデ
ィスクリファイナー(SDR)、ダブルディスクリファ
イナー(DDR)、その他のリファイナー等を使用する
ことができる。
【0023】フィブリル化の度合いは、中空無機微粒子
含有フッ素樹脂繊維紙のシート強度と密度の関係で決定
される。より強いシート強度を必要とする場合には、フ
ィブリル化の程度を進めた繊維を使用することが好まし
い。また、中空無機微粒子に対する保持力も向上する。
なお、上記耐熱性絶縁繊維は、直径1μm〜50μm、
長さ0.1mm〜10mmの範囲のものが用いられる。
また、耐熱性絶縁繊維を配合する場合、その配合割合
は、一般にはフッ素繊維紙中に1〜20体積%までの範
囲が好ましい。
【0024】次に、本発明のフッ素樹脂繊維紙の製造方
法について説明する。本発明のフッ素樹脂繊維紙の製造
のためには、通常の製紙に用いられる湿式抄造法が用い
られる。まず、中空無機微粒子を規定量秤量し、凝集剤
と共に水中で撹拌し、中空無機微粒子を凝集させる。形
成される凝集体は、通常、1μm〜5mm、好ましくは
5〜500μm、特に好ましくは10〜100μmのサ
イズを有するものとなる。形成された中空無機微粒子の
凝集体と規定量のフッ素樹脂繊維とを水中で撹拌、混合
し、好ましくは、固形分濃度が0.5%以下になるよう
に濃度調整し、得られたスラリーを長綱式、円綱式等の
湿式抄造機に適用し、連続したワイヤーメッシュ状の脱
水パートで脱水し、その後、多筒式ドライヤーまたはヤ
ンキードライヤーで乾燥して、一次シートを得る。次に
この一次シートをフッ素樹脂繊維の融点以上の温度で加
熱処理し、または熱圧着ロールで処理する。それによっ
てフッ素樹脂繊維の溶融によるフッ素樹脂繊維間の融着
及び繊維間の絡み合いが強固になり、また中空無機微粒
子とフッ素繊維とが接合点において融着して、本発明の
フッ素樹脂繊維紙を得ることができる。
【0025】本発明において用いる凝集剤としては、通
常の製紙、産業排水、生活排水の凝集処理等に用いられ
る一般的な凝集剤が使用できる。具体的には、硫酸バン
ド、ポリ塩化アルミニウム、塩化第2鉄、ポリ硫酸第2
鉄,硫酸第1鉄、ジメチルジアリルアンモニウムクロラ
イド、アルキルアミン・エピクロルヒドリン縮合物、エ
チレンイミン、アルキレンジクロライドとポリアルキレ
ンポリアミンの縮合物、ジシアンジアミド・ホルマリン
縮合物、ポリアクリルアミド類、ポリアクリル酸ナトリ
ウム、ポリ(メタ)アクリル酸アミノアルキルエステル
類、ポリアクリルアミドのマンニッヒ変性物、キトサ
ン、その他の無機凝集剤、有機凝集剤、高分子凝集剤が
あげられ、中空無機微粒子の種類に応じて、それに適し
た凝集剤を選択して使用することができる。また、中空
無機微粒子の凝集効果を上げて歩留まりを向上させるた
めには、無機凝集剤と有機凝集剤または高分子凝集剤と
の併用、更にはポリアクリルアミド類、ポリエチレンオ
キサイド類等の合成粘剤の添加が好ましい。また、凝集
剤の添加量は、中空無機微粒子の凝集状態に応じて決定
される。
【0026】また、本発明のフッ素樹脂繊維紙には、通
常の製紙で用いられる各種の紙力増強剤、分散剤、消泡
剤、合成粘剤や顔料成分等の添加剤を配合することがで
きる。
【0027】本発明のフッ素樹脂繊維紙の厚さ及び坪量
は、使用用途に応じて適切な厚さ及び坪量が決定され
る。例えば、プリント配線基板として用いる場合には、
一般に200〜600μmの厚さ及び50〜400g/
2の坪量が適当である。
【0028】次に、本発明のプリント配線基板について
説明する。本発明の上記フッ素樹脂繊維紙をプリント配
線基板の芯材として用い、その一枚または複数枚を重ね
てその一面または両面に銅箔等の金属箔を載置し、真空
プレスによってポリテトラフルオロエチレンの融点以上
の温度で加圧下に保持する。それによりプリント配線基
板を作製することができる。
【0029】
【実施例】以下、本発明を実施例によってさらに詳細に
説明する。 実施例1 5リットルの水を入れた容器中に、往復回転式アジテー
ターの羽根を入れて撹拌し、この中に、中空無機微粒子
であるシラスバルーン(シラックスウ社製、商品名:サ
イラックスファインバルーンSFB−101、平均粒子
径10μm)微粒子を添加し、また、無機凝集剤(日本
軽金属社製、商品名:硫酸バンド)を上記微粒子に対し
て6重量%、高分子凝集剤(栗田工業社製、商品名:ハ
イホルダー109)を上記微粒子に対して3重量%、及
び合成粘剤(ダイヤフロック社製、商品名:ACRYP
ERSE)を上記微粒子に対して2.5重量%添加し
て、撹拌し、中空無機微粒子を凝集させた。撹拌を止め
て、凝集剤水溶液を除去して中空無機微粒子の凝集体を
得た。10リットルの水を入れた容器中に中空無機微粒
子の凝集体とフッ素樹脂繊維としてポリテトラフルオロ
エチレン繊維(東レファインケミカル社製、商品名:ト
ヨフロン、繊維長3mm)(以下「PTFE繊維」とい
う)を50体積%対50体積%の比率で添加し、往復回
転式アジテーターで撹拌し、均一に分散させた。この原
材料分散液からサンプルを規定量採取し、TAPPIに
規定する標準型手抄き装置を用いて湿紙を作製した。そ
の後、プレス脱水を行い、130℃に加熱調整したヤン
キー式ドライヤーを用いて、湿紙の乾燥を行い、一次シ
ートを得た。その後、この一次シートを320℃以上に
加熱調整した電気炉に入れて10分間熱処理し、繊維間
及び繊維と微粒子間を融着して、厚さ400μmの本発
明のフッ素樹脂繊維紙を得た。
【0030】実施例2 中空無機微粒子として、シラスバルーン(シラックスウ
社製、商品名:サイラックスファインバルーンSFB−
101、平均粒子径10μm)微粒子の凝集体を70体
積%、PTFE繊維を30体積%の比率で用いた以外
は、実施例1と同様にして、厚さ400μmの本発明の
フッ素樹脂繊維紙を得た。 実施例3 中空無機微粒子として、シラスバルーン(シラックスウ
社製、商品名:サイラックスファインバルーンSFB−
101、平均粒子径10μm)微粒子の凝集体を30体
積%、PTFE繊維を70体積%の比率で用いた以外
は、実施例1と同様にして、厚さ400μmの本発明の
フッ素樹脂繊維紙を得た。
【0031】実施例4 中空無機微粒子として、ガラスバルーン(住友スリーエ
ム社製、商品名:スコッチライトグラスバブルズフィラ
ーS60、平均粒子径30μm)微粒子を用いた以外
は、実施例1と同様にして、厚さ400μmの本発明の
フッ素樹脂繊維紙を得た。 実施例5 中空無機微粒子として、シラスバルーン(シラックスウ
社製、商品名:サイラックスファインバルーンSFB−
101、平均粒子径10μm)微粒子の凝集体を50体
積%、PTFE繊維を45体積%、ガラス繊維(ユニチ
カグラスファイバー社製、繊維径6μm、繊維長3m
m)を5体積%を用いた以外は、実施例1と同様にし
て、厚さ400μmの本発明のフッ素樹脂繊維紙を得
た。
【0032】比較例1 微粒子として、シリカ(水澤化学工業社製、商品名:ミ
ズカシルP−78D、平均粒子径0.5μm)微粒子の
凝集体を50体積%、PTFE繊維を50体積%の比率
で用いた以外は、実施例1と同様にして、厚さ400μ
mの比較用のフッ素樹脂繊維紙を得た。
【0033】上記のようにして得られたフッ素樹脂繊維
紙に対して、下記の評価を行った。ただし、(1)熱膨
張係数及び(2)比誘電率の測定には、フッ素樹脂繊維
紙の両面に厚さ18μmの電解銅箔を配置し、ポリテト
ラフルオロエチレンの融点327℃以上の温度、例えば
385℃でかつ圧力1MPaの条件下にて約90分間、
真空プレスによる加熱圧縮処理を行い、一体形成して得
られた一体化された両面銅張板を用いた。 (1)熱膨張係数:銅箔と加熱圧縮処理によって一体化
された両面銅張板の銅箔をエッチングにより除去した試
料を、熱分析装置TMAを用いて、20℃〜250℃ま
で2℃/minで昇温させて、面方向及び厚さ方向の寸
法変化率を測定した。 (2)比誘電率 :銅箔と加熱圧縮処理によって一体化
された両面銅張板の銅箔をエッチングにより除去し、J
ISC6481に準じて測定した。
【0034】実施例及び比較例で得られた中空無機微粒
子含有フッ素樹脂繊維紙の評価結果を表1に示す。
【表1】
【0035】表1に示す結果から、次の諸点が確認され
た。即ち、実施例1〜5のデータを比較例1と比べる
と、中空無機微粒子の配合量が増加すると共に、プリン
ト配線基板とした場合の比誘電率が低くなり、中空無機
微粒子の使用により誘電率が2.0以下となっている。
また、配合量によって比誘電率の値を任意にコントロー
ルすることができる。また、中空無機微粒子の配合量が
増加すると共に熱膨張係数の値も低くなる傾向となって
いる。また、実施例5のデータより、耐熱性絶縁繊維で
あるガラス繊維の混入によって、プリント配線基板にし
た場合の面方向の熱膨張係数が改良されている。
【0036】
【発明の効果】本発明のフッ素樹脂繊維紙は、中空無機
微粒子を含有するから、優れた低誘電率及び低誘電正接
を有し、プリント配線基板の芯材として好適に使用する
ことができる。したがって、本発明のフッ素樹脂繊維紙
を用いて作製したプリント基板は、1MHzの周波数で
比誘電率2.0以下の優れた低誘電率特性を有し、高周
波対応の低誘電率プリント基板としての利用が可能であ
る。また、本発明の製造方法によれば、凝集剤により中
空無機微粒子を凝集させ、得られた中空無機微粒子の凝
集物とフッ素樹脂繊維とを混合して、湿式抄紙法により
抄紙し、その後加熱処理または熱圧処理を施すから、そ
れによって得られる本発明のフッ素樹脂繊維紙は、不織
布の製造に用いられる乾式法による場合と比較して、中
空無機微粒子を均一に含有させることができるために、
地合が均一であるという優れた特徴を有している。した
がって、本発明の製造方法は、中空無機微粒子が均一に
分散してフッ素樹脂繊維に融着または結着した、優れた
特性を有するフッ素樹脂繊維紙を非常に容易に作製する
ことができるという優れた効果を有する。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フッ素樹脂繊維を主成分とし、中空無機
    微粒子を含有することを特徴とするフッ素樹脂繊維紙。
  2. 【請求項2】 フッ素樹脂繊維間及び該フッ素樹脂繊維
    と中空無機微粒子との接合点が融着していることを特徴
    とする請求項1に記載のフッ素樹脂繊維紙。
  3. 【請求項3】 耐熱性絶縁繊維が含有されることを特徴
    とする請求項1また2に記載のフッ素樹脂繊維紙。
  4. 【請求項4】 フッ素樹脂繊維紙がプリント配線基板用
    であることを特徴とする請求項1に記載のフッ素樹脂繊
    維紙。
  5. 【請求項5】 中空無機微粒子がシラスバルーン、ガラ
    スバルーン、シリカバルーンのいずれかである請求項1
    または2に記載のフッ素樹脂繊維紙。
  6. 【請求項6】 中空無機微粒子を凝集させて中空無機微
    粒子凝集体を作製し、該中空無機微粒子凝集体をフッ素
    樹脂繊維と混合し、湿式抄造法により混抄し乾燥して混
    抄紙を作製し、該混抄紙をフッ素樹脂繊維の融点以上の
    温度に加熱して、フッ素樹脂繊維間及びフッ素樹脂繊維
    と中空無機微粒子の接合点を融着することを特徴とする
    フッ素樹脂繊維紙の製造方法。
  7. 【請求項7】 中空無機微粒子を凝集させて中空無機微
    粒子凝集体を作製し、該中空無機微粒子凝集体をフッ素
    樹脂繊維と混合し、湿式抄造法により混抄し乾燥して混
    抄紙を作製し、該混抄紙を熱圧着処理してフッ素樹脂繊
    維間及びフッ素樹脂繊維と中空無機微粒子の接合点を融
    着することを特徴とするフッ素樹脂繊維紙の製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項1または2に記載のフッ素樹脂繊
    維紙、及び該フッ素樹脂繊維紙の少なくとも一面に設け
    た金属層よりなり、周波数1MHzにおける該フッ素樹
    脂繊維紙の比誘電率が2.0以下であることを特徴とす
    るプリント配線基板。
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JP2005515922A (ja) * 2002-01-25 2005-06-02 ダヴィラ,ミルトン マルチメディアギフトカード

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