JP3590783B2 - フッ素樹脂繊維紙及びその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、耐熱性、耐薬品性、低吸水率並びに電気絶縁性に優れ、銅箔とのプレスにより銅張基板を作製した場合、銅箔との密着力が極めて高いフッ素樹脂繊維紙及びその製造方法に関するものである。更に詳しくは、高誘電特性を有していて、特に高周波用の誘電体基板に適し、高密度配線や小型化を必要とする高周波用プリント基板などに好適に使用できるフッ素樹脂繊維紙及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の高周波対応プリント基板に於いては、基板内の信号の波長が短いために、特に高密度配線や基板の小型化には誘電体材料の高誘電率化が求められている。勿論、高周波対応のプリント基板を得るために低誘電正接であることも同時に必要となり、高誘電率でかつ低誘電正接なプリント基板が求められている。具体的には、移動通信、無線通信や高速通信機用基板など高い周波数帯を使用する分野である。
高周波対応の高誘電率タイプとしては、フッ素樹脂繊維紙に高誘電率な無機フィラーを含有させる方法が例えば特願2000−97761号により提案されている。
高誘電特性を有するプリント基板及びその製造方法としては、例えば次のような構成がある。すなわち、ガラスクロスを基材として用いて、この基材にポリテトラフルオロエチレン(以下PTFEと称す)に代表されるフッ素樹脂ディスパージョン及び高誘電特性を有する無機微粒子の混合液を用い、含浸及び焼成処理を数回繰り返して形成したシートを重ね、銅箔のごとき金属箔を重ねて一体的に加熱圧着して一体化形成するものである。
このように、高周波用のプリント配線基板等に於いて誘電率が高く、誘電正接が低いものが要求される場合には、誘電正接が低いフッ素樹脂をベースとし、このフッ素樹脂に対してガラスクロス及び無機微粒子等の充填材を組み合わせて、誘電率εが6以上、誘電正接tanδが0.0050以下のものを構成している。
【0003】
しかし、高密度配線や基板の小型化が進むにあたって、ガラスクロスを基材としたプリント基板は、ガラスクロスの編み目が基板の均一性を阻害するために、高周波対応のプリント基板には適さないという問題点が生じた。
又、一般的には、フッ素樹脂としてPTFE樹脂ディスパージョン及び無機微粒子の混合液を用い、ガラスクロスに対してPTFE樹脂ディスパージョン及び無機微粒子の混合液を含浸し、含浸後乾燥及び焼成する処理を数回繰り返す工程が必要であり、更に形成すべき基板の厚さに応じて樹脂含浸シートを所定枚数重ねて積層板を得るが、この際、無機微粒子が最外層表面に露出するために銅箔との密着力が不足するという問題点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明が解決しようとする課題は、簡単な製造方法でプリント基板が作製でき、銅箔との密着力が優れ、且つ低吸水率で高誘電率・低誘電正接の高周波用に適したプリント基板基材として使用できるフッ素樹脂繊維紙を提供することにある。
又、上記フッ素樹脂繊維紙を製造するにあたり、無機微粒子とフッ素樹脂繊維を分散させて湿式抄造法で抄紙する際に、無機微粒子の粒径が小さく、該無機微粒子を繊維で保持できないため、無機微粒子が紙層から脱落し、所定の量の無機微粒子を含有させることが難しいという問題がある。この問題を解決するために無機微粒子を凝集させ、その凝集粒子をフッ素樹脂繊維と混合分散し、湿式抄造法により抄紙し、更にフッ素樹脂繊維紙の表面部にフッ素樹脂を付着させ銅張基板での銅箔との密着力を向上させることを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
発明者らは、前記問題点を解決するために種々検討の結果、まず無機微粒子を凝集剤により凝集させておき、次にフッ素樹脂繊維と凝集粒子を混合し分散させ、その分散原材料スラリーを湿式抄造法により抄紙することによって、フッ素樹脂繊維紙に任意の量の微粒子を均一に含有させ、更に該フッ素樹脂繊維紙の表面部にフッ素樹脂を付着させた無機微粒子含有フッ素樹脂繊維紙及びその製造方法を生み出すに至ったものである。
【0006】
本発明は具体的には以下に記載のとおりである。すなわち、請求項1に記載の発明は、フッ素樹脂繊維を主成分とする紙状物に於いて、該紙状物に凝集剤により凝集した無機微粒子が含有され、更に、該紙状物の表面部にフッ素樹脂が付着していることを特徴とするフッ素樹脂繊維紙であり、請求項2に記載の発明は、フッ素樹脂繊維を主成分とする紙状物に於いて、該紙状物に凝集剤により凝集した無機微粒子及び耐熱性絶縁繊維が含有され、更に該紙状物の表面部にフッ素樹脂が付着していることを特徴とするフッ素樹脂繊維紙であり、請求項3に記載の発明は、前記無機微粒子がチタン系セラミック粒子であることを特徴とする請求項1もしくは2記載のフッ素樹脂繊維紙である。
又、請求項4に記載の発明は、前記フッ素樹脂繊維がポリテトラフルオロエチレン繊維であることを特徴とする請求項1,2もしくは3記載のフッ素樹脂繊維紙で、請求項5に記載の発明は、前記フッ素樹脂繊維紙の表面部に付着するフッ素樹脂がポリテトラフルオロエチレンであることを特徴とする請求項1,2,3もしくは4記載のフッ素樹脂繊維紙である。
【0007】
請求項6に記載の発明は、無機粒子を凝集させて凝集粒子を作製し、しかる後該凝集粒子をフッ素樹脂繊維と混合し、湿式抄造法により混抄し、得られた紙状物の表面にフッ素樹脂を付着させた後、フッ素樹脂繊維の融点以上の温度で加熱し、該繊維同士間、繊維と無機微粒子の結合点を融着することを特徴とするフッ素樹脂繊維紙の製造方法であり、請求項7に記載の発明は、無機微粒子を凝集させて凝集粒子を作製し、しかる後該凝集粒子をフッ素樹脂繊維及び耐熱性絶縁繊維と混合し、湿式抄造法により混抄し、得られた紙状物の表面部にフッ素樹脂を付着させた後、フッ素樹脂繊維の融点以上の温度で加熱し、該繊維同士間及び繊維と無機微粒子及び繊維と耐熱性絶縁繊維の結合点を融着することを特徴とするフッ素樹脂繊維紙の製造方法であり、請求項8に記載の発明は、前記紙状物の表面部に付着させるフッ素樹脂としてフッ素樹脂ディスパージョンを用いることを特徴とする請求項6もしくは7に記載のフッ素樹脂繊維紙の製造方法である。
【0008】
本発明に於いて、フッ素樹脂繊維としては、PTFE繊維が使用でき、PTFE繊維はビスコース中にPTFE粉末を分散させエマルジョン紡糸することにより得ることができる。
【0009】
本発明に使用できるフッ素樹脂繊維は、上記PTFE繊維以外に、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン/パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン/パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、エチレン/テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、エチレン/クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)等のフッ素樹脂系のフッ素樹脂繊維も使用できる。
中でも本発明に適した無機微粒子含有フッ素樹脂繊維紙を得るには、耐熱性、耐薬品性で優れたPTFE繊維を用いることが最も好ましい。
又、無機微粒子含有フッ素樹脂繊維紙の使用用途に応じて上記フッ素樹脂繊維を1種類或いは複数種類混合して使用することもできる。
【0010】
又、フッ素樹脂繊維として、無機微粒子含有フッ素樹脂繊維紙に要求される特性、具体的にはシート強度及び無機微粒子の含有量等によって、フッ素樹脂繊維の形態がフィブリル化されているものとフィブリル化されていないものを選択して使用し、場合によっては両者を混合して使用することができる。例えば、無機微粒子含有フッ素樹脂繊維紙にシート強度が要求される場合や多量の無機微粒子を含有させることが必要な場合、フッ素樹脂繊維の絡み合いが増しシート強度が向上し、多くの粒子を含有させることができることから、フィブリル化したフッ素樹脂繊維を使用するのが好ましい。フィブリル化したフッ素樹脂繊維とフィブリル化していないフッ素樹脂繊維は、要求される特性に応じて、任意の割合で混合して使用することもできる。
【0011】
フィブリル化のための手段としては、一般的な叩解機であるボールミル、ビーター、ランペンミル、PFIミル、SDR(シングルディスクリファイナー)、DDR(ダブルディスクリファイナー)、その他リファイナ等を使用することができる。
フィブリル化の程度は、無機微粒子含有フッ素樹脂繊維紙のシート強度の関係で決定される。より強いシート強度を必要とする場合には、フィブリル化の程度を進めた繊維を使用することが好ましい。又それによってフッ素樹脂繊維の無機微粒子の保持力も向上する。
なお、上記フッ素樹脂繊維の直径は、1μm〜50μm、長さは0.1mm〜10mm好ましくは2mm〜6mmのものを用いる。
【0012】
又、本発明に於いて使用される無機微粒子とは、二酸化チタン系セラミック、チタン酸バリウム系セラミック、チタン酸鉛系セラミック、チタン酸ストロンチウム系セラミック、チタン酸カルシウム系セラミック、チタン酸ビスマス系セラミック、チタン酸マグネシウム系セラミック、ジルコン酸鉛系セラミック等を挙げることができる。これらは、単独または2種類以上を混合して用いてもよい。なお、例えば前記二酸化チタン系セラミックとは、組成的には二酸化チタンのみを含む系、または二酸化チタンに他の少量の添加物を含む系で、主成分である二酸化チタンの結晶構造が保持されているものである。他の系のセラミックもこれと同様である。
【0013】
無機微粒子の粒径としては、約50μm以下のものを用いることができるが、好ましくは0.1〜20μm、さらに好ましくは0.1〜15μmの範囲のものである。これは微粒子の粒子径が上記範囲より大きいとフッ素樹脂繊維との均一分散、混合が困難になる。逆に上記範囲より小さいと凝集し難く、取り扱いが悪くなり、湿式抄造する場合に無機微粒子が抜けてしまい、フッ素樹脂繊維紙に残らなくなるおそれがある。
【0014】
無機微粒子の種類及びフッ素樹脂繊維紙への添加量は、具体的には、プリント基板で求められる誘電率の値によって決定される。
以上のように、無機微粒子含有フッ素樹脂繊維紙より作製されるプリント基板の要求特性に応じて、添加される微粒子の種類と添加量が決定される。
又、本発明に於いて、耐熱性絶縁繊維としては、ガラス繊維、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維、芳香族ポリエステル繊維、ポリフェニレンスルフィド繊維、全芳香族ポリアミド繊維等が使用できる。前記耐熱性絶縁繊維の添加によって、無機微粒子含有フッ素樹脂繊維紙のシート強度向上や更に耐熱性を付与することができる。又、プリント基板の面方向(以下XY方向と称す)の熱膨張係数を抑えたり、プリント基板の曲げ強度及び曲げ弾性などの機械的強度の向上を図ることができる上、配合量によって誘電率の調整も可能となる。
【0015】
前記耐熱性絶縁繊維に於いて、ガラス繊維以外の高分子繊維はフィブリル化させて使用することもでき、それによって繊維間の絡み合いが強固になり、更にシート強度が向上する。又、無機微粒子を保持し易くするために無機微粒子の含有量の増加及び歩留まり向上にも貢献できる。フィブリル化のための手段としては、一般的な叩解機であるボールミル、ピーター、ランペンミル、PFIミル、SDR(シングルディスクリファイナー)、DDR(ダブルディスクリファイナー)、その他リファイナー等を使用することができる。
フィブリル化の度合いは、微粒子含有フッ素樹脂繊維紙のシート強度の関係で決定される。より強いシート強度を必要とする場合には、フィブリル化の程度を進めた繊維を使用することが好ましい。
なお、上記耐熱性絶縁繊維の直径は、1μm〜50μm、長さは0.1mm〜10mm好ましくは3mm〜6mmのものを用いる。
【0016】
本発明の微粒子含有フッ素樹脂繊維紙の製造方法は、通常の製紙に用いられる湿式抄造法が用いられる。すなわち、本発明のフッ素樹脂繊維紙の製造方法は、無機微粒子を規定量秤量し、凝集剤とともに水中で攪拌し、無機微粒子を凝集させる。その凝集粒子と規定量のフッ素樹脂繊維を水中で攪拌、混合し、好ましくは、固形分濃度が0.5%以下になるように濃度調整したスラリーを、長網式、円網式等の湿式抄造機に適用し、連続したワイヤメッシュ状の脱水パートで脱水し、得られた紙状物の表面部にフッ素樹脂を付着させる。その工程は紙状物の乾燥前であってもよいし、乾燥後であってもよい。又、紙状物表面全面を覆うことは必要ではなく、均一に存在するスポット状、網状、格子状などでもよい。紙状物の表面部にフッ素樹脂を付着させる方法としては、フッ素樹脂ディスパージョンのスプレーによる塗工、塗布機によるコーティング及び含浸、印刷その他の方法がある。例えば、フッ素樹脂ディスパージョンを湿紙にスプレーし、その後多筒式ドライヤーやヤンキードライヤー及びエアードライヤ等で乾燥して一次シートを得る。なお表面部にフッ素樹脂を付着させる方法は文中で記述した内容に限定されるものではなく、又、フッ素樹脂ディスパージョンを使用することに限定されない。
【0017】
又、フッ素樹脂の付着量は、銅箔との密着力を確保できればよいが、片面5g/m〜100g/mが好ましい。5g/m未満では、銅箔との密着力向上効果が得られず、100g/mを超えると、誘電率が低いフッ素樹脂の割合が非常に大きくなり、誘電率を上げるために添加した無機微粒子の効果が薄まり、所望の高誘電率にするために多量の無機微粒子の添加が必要で、抄紙工程が困難になる。次に該一次シートをフッ素樹脂の融点以上の温度で加熱処理することによって、フッ素樹脂繊維同士、フッ素樹脂繊維と無機微粒子及びフッ素樹脂繊維と耐熱性絶縁繊維とを融着させて無機微粒子含有フッ素樹脂繊維紙を得る。又、表面に付着したフッ素樹脂も融着した状態となる。
【0018】
本発明に於いて用いられる凝集剤は、通常の製紙や産業排水や生活排水の凝集処理等に使用される一般的な凝集剤が適用できる。具体的には、硫酸バンド、ポリ塩化アルミニウム、塩化第2鉄、ポリ硫酸第2鉄、硫酸第1鉄、ジメチルジアリルアンモニウムクロライド、アルキルアミン・エピクロルヒドリン縮合物、エチレンイミン、アルキレンジクロライドとポリアルキレンポリアミンの縮合物、ジシアンジアミド・ホルマリン縮合物、ポリアクリルアミド系、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリ(メタ)アクリル酸アミノアルキルエステル系、ポリアクリルアミドのマンニッヒ変性物、キトサン、その他の無機凝集剤、有機凝集剤、高分子凝集剤があり、フッ素樹脂繊維に含有させる無機微粒子の種類に応じて、それに適した凝集剤を選択して用いることができる。
又、無機微粒子の凝集効果を上げて歩留まりを向上させるためには、無機凝集剤と有機凝集剤あるいは高分子凝集剤の併用、さらにはポリアクリルアミド系、ポリエチレンオキサイド系等の合成粘剤の添加が好ましい。又、凝集剤の添加量は、微粒子の凝集状態に応じて決定される。
又、本発明の無機微粒子含有フッ素樹脂繊維紙には通常の製紙で用いられる各種の紙力増強剤、分散剤、消泡剤、合成粘剤や顔料成分等の添加剤を配合することができる。
本発明における無機微粒子含有フッ素樹脂繊維紙の厚さ及び坪量は、使用用途に応じて適切な厚さ及び坪量が決定される。
【0019】
このようにして得られた本発明の微粒子含有フッ素樹脂繊維紙は、不織布の製造に使われる乾式法と比較して、均一に無機微粒子を含有でき、かつ、地合が均一であるという優れた特徴を有している。
又、本発明のフッ素樹脂繊維紙は、表面部に、フッ素樹脂が付着しているために、該フッ素樹脂繊維紙を使用して作製された銅張プリント基板における、銅箔密着力が優れ、且つ低吸水率化も同時に可能となる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施例について説明する。
【0021】
(実施例1)
水を入れた容器中に往復回転式アジテーターの攪拌羽根を入れ攪拌し、この中に、チタン酸ストロンチウム(堺化学工業社製、平均粒子径0.5μm)微粒子と、無機凝集剤(日本軽金属社製、商品名:硫酸バンド)を上記無機微粒子に対して2.0重量%、高分子凝集剤(栗田工業社製、商品名:ハイホルダー109)を上記微粒子に対して1.0重量%と、合成粘剤(ダイヤフロック社製、商品名:ACRYPERSE PMP)を上記無機微粒子に対して1.5重量%添加して、攪拌し、チタン酸ストロンチウム微粒子を凝集させる。攪拌を止めて、その容器中にフッ素樹脂繊維としてPTFE繊維(東レファインケミカル社製 商品名:トヨフロン、繊維長3mm)とガラス繊維(ユニチカガラスファイバ社製、商品名:PDE1/8 ZA508,繊維長3mm)を、PTFE繊維と無機微粒子と、ガラス繊維の比率が40重量%対50重量%対10重量%になるように添加し、往復回転式アジテーターで攪拌し、均一に分散させる。この原材料分散液から規定量採取し、JIS P8222に規定する標準型手抄き装置を用いて湿紙を作成した。その後、プレス脱水を行い、その表と裏の表面部に、PTFEディスパージョン液(濃度20%)をスプレーを用いて片面20g/mの量のPTFE樹脂が該混抄紙に付着するように吹きかけ、表面部にフッ素樹脂層を形成せしめ、その後、130℃に加熱調整したヤンキー式ドライヤーを用いて、湿紙の乾燥を行い一次シートを得た。その後、該一次シートを350℃に加熱調整した電気炉に入れて5分間熱処理して、フッ素樹脂繊維同士間、フッ素樹脂繊維と無機微粒子間、及びフッ素樹脂繊維とガラス繊維間を融着して、又、PTFEディスパージョンの粒子を一次シートに融着せしめて坪量500g/mの本発明の無機微粒子含有フッ素樹脂繊維紙を得た。
【0022】
(実施例2)
無機微粒子としてチタン酸ストロンチウム(堺化学工業社製、平均粒子径0.5μm)微粒子を30重量%、PTFE繊維を60重量%、ガラス繊維を10重量%の比率で用いた以外は実施例1と同様にして、坪量500g/mの本発明のフッ素樹脂繊維紙を得た。
【0023】
(実施例3)
無機微粒子としてチタン酸ストロンチウム(堺化学工業社製、平均粒子径0.5μm)微粒子を70重量%、PTFE繊維を20重量%、ガラス繊維を10重量%の比率で用いた以外は実施例1と同様にして、坪量500g/mの本発明のフッ素素樹脂繊維紙を得た。
【0024】
(比較例1)
PETFディスパージョン液を付着させなかった以外は、実施例1と同様にして坪量500g/mの比較例の微粒子含有フッ素素樹脂繊維紙を得た。
【0025】
(比較例2)
無機微粒子としてチタン酸ストロンチウム(堺化学工業社製、平均粒子径0.5μm)微粒子を70重量%、PTFE繊維を20重量%、ガラス繊維を10重量%の比率で用いた以外は比較例1と同様にして、坪量500g/mの比較例のフッ素樹脂繊維紙を得た。
【0026】
得られた本発明の実施例及び比較例の微粒子含有フッ素樹脂繊維紙について銅張基板を作製し、下記の評価を行った。
ただし、無機微粒子含有フッ素樹脂繊維紙の両面に厚さ18μmの電解銅箔を配置し、PTFEの融点327℃以上の温度である380℃で、かつ圧力1MPaの条件下にて約90分間、真空プレスによる加熱圧縮処理を行い、一体形成した両面銅張基板を用いた。そしてJIS C6481に準じて下記特性を測定した。
(1) 誘電率:銅箔と加熱圧縮処理によって一体化された両面銅張基板の銅箔をエッチングにより除去し、JIS C6481に準じて測定した。
(2) 銅箔密着力:銅箔と加熱処理によって一体化された両面銅張基板を用いてJIS C6481に準じて引き剥がし強さを測定した。
(3)吸水率:銅箔と加熱処理によって一体化された両面銅張板の銅箔をエッチングにより除去し、JIS C6481に準じて測定した。
実施例及び比較例で得られた微粒子含有フッ素樹脂繊維紙の評価結果を表1に示す。表1より、次の点が確認された。すなわち、本発明のフッ素樹脂繊維紙は表面部にフッ素樹脂が付着していることにより、高い銅箔密着力が得られ、同時に吸水率も低くなった。又、含有する無機微粒子の量により銅張基板の誘電率をコントロールすることができた。
【0027】
【表1】
Figure 0003590783
【0028】
【発明の効果】
本発明に係るフッ素樹脂繊維紙においては、凝集剤により無機微粒子を凝集させ、その凝集粒子とフッ素樹脂繊維を混合し、湿式抄紙法により抄紙し、更に該混抄紙の表面部にフッ素樹脂を付着せしめ、熱処理することによって、任意の量の無機微粒子をフッ素樹脂繊維紙に含有することが可能であり、銅箔とのプレスにより銅張基板を作製した場合、高誘電率・低誘電正接で、銅箔との密着力が優れ、且つ低吸水率であるために、高周波用で高密度配線や小型の高誘電率プリント基板等に最適である。

Claims (8)

  1. フッ素樹脂繊維を主成分とする紙状物に於いて、該紙状物に凝集剤により凝集した無機微粒子が含有され、更に該紙状物の表面部にフッ素樹脂が付着していることを特徴とするフッ素樹脂繊維紙。
  2. フッ素樹脂繊維を主成分とする紙状物に於いて、該紙状物に凝集剤により凝集した無機微粒子及び耐熱性絶縁繊維が含有され、更に該紙状物の表面部にフッ素樹脂が付着していることを特徴とするフッ素樹脂繊維紙。
  3. 前記無機微粒子がチタン系セラミック微粒子であることを特徴とする請求項1もしくは2記載のフッ素樹脂繊維紙。
  4. 前記フッ素樹脂繊維がポリテトラフルオロエチレン繊維であることを特徴とする請求項1,2もしくは3記載のフッ素樹脂繊維紙。
  5. 前記フッ素樹脂繊維紙の表面部に付着するフッ素樹脂が、ポリテトラフルオロエチレンであることを特徴とする請求項1,2,3もしくは4に記載のフッ素樹脂繊維紙。
  6. 無機微粒子を凝集させて凝集粒子を作製し、しかる後該凝集粒子をフッ素樹脂繊維と混合し、湿式抄造法により混抄し、得られた紙状物の表面部にフッ素樹脂を付着させた後、フッ素樹脂繊維の融点以上の温度で加熱し、該繊維同士間及び繊維と無機微粒子の結合点を融着することを特徴とするフッ素樹脂繊維紙の製造方法。
  7. 無機微粒子を凝集させて凝集粒子を作製し、しかる後該凝集粒子をフッ素樹脂繊維及び耐熱性絶縁繊維と混合し、湿式抄造法により混抄し、得られた紙状物の表面部にフッ素樹脂を付着させた後、フッ素樹脂繊維の融点以上の温度で加熱し、該繊維同士間、繊維と無機微粒子及び繊維と耐熱性絶縁繊維の結合点を融着することを特徴とするフッ素樹脂繊維紙の製造方法。
  8. 前記紙状物の表面部に付着させるフッ素樹脂としてフッ素樹脂ディスパージョンを用いることを特徴とする請求項6もしくは7記載のフッ素樹脂繊維紙の製造方法。
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