JP3922866B2 - プリント基板用フッ素樹脂繊維紙及びその製造方法 - Google Patents

プリント基板用フッ素樹脂繊維紙及びその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、耐熱性、耐薬品性並びに電気絶縁性に優れた、フッ素樹脂繊維紙及びその製造方法に関するものである。更に詳しくは、低誘電特性或いは高誘電特性を有して高周波用の誘電体基板として用いられるような高周波プリント基板等のプリント基板用フッ素樹脂繊維紙及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のプリント基板関連分野に於いて、低誘電特性を有するプリント配線基板及びその製造方法としては、例えば次のようなものが知られている。すなわち、ガラスクロスを基材として用いて、この基材にポリテトラフルオロエチレン(以下,PTFEと称す)樹脂の含浸及び焼成処理を数回繰り返したシートを重ね、加えて該シート間にテトラフルオロエチレンとパーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体樹脂層(PFA樹脂層)もしくはパーフルオロエチレンとヘキサフルオロプロピレン共重合体樹脂層(FEP樹脂層)を形成し、さらに最外層に配置される金属箔との間にも上述の樹脂層をフィルム状に形成するか或いはコーティング法により形成し、積み重ねられたシート、金属箔を一体的に加熱圧着して一体化形成するものである。
【0003】
高周波用のプリント配線基板等に於いて比誘電率、誘電正接の小さいものが要求される場合には、フッ素樹脂をベースとし、このフッ素樹脂に対してガラスクロス等の充填材を組み合わせて、比誘電率εが3以下、誘電正接 tanδが0.0010程度のものが構成されていた。
【0004】
しかし、フッ素樹脂は一般にPTFE樹脂ディスパージョンを用いるので高価となるのみでなく、ガラスクロスに対してPTFE樹脂ディスパージョンを含浸し、含浸後に於いて乾燥及び焼成する処理を数回繰り返す工程が必要であって、さらに形成すべき基板の厚さに応じて樹脂含浸シートを所定枚数重ねて積層板を得るので、製造工程が複雑化し、製造コストが高くなるという問題点があった。
【0005】
また、従来の積層板はその熱膨張係数が積層板の面方向では15〜20×10−6/℃であり、積層板の厚さ方向では150〜200×10−6/℃であって、面方向(以下XY方向と呼ぶ)と厚さ方向(以下Z方向と呼ぶ)との熱膨張係数に大差が存在するため、温度変化による積層板の寸法変化が大で、ねじれが発生し、さらにプリント配線基板の場合スルーホールなどの電気導通不良の発生原因となる問題があった。
又、高密度配線や基板の小型化が進むにあたって、前記ガラスクロスにフッ素樹脂を含浸させたプリント基板は、ガラスクロスの編み目が基板の均一性を阻害するために、高周波対応プリント基板には適さない。
【0006】
一方、高密度配線や基板の小型化には基板内の信号の波長を短くできることから、誘電体材料の高誘電率化も求められている。勿論、高周波対応となるために低誘電正接であることも同時に必要となり、高誘電率でかつ低誘電正接なプリント基板が求められている。
高周波数対応の高誘電率タイプとしては、フッ素樹脂に高誘電率な無機フィラーを含有させる方法が提案されていた。
しかし、この場合はフッ素樹脂をエマルジョンとしてガラス繊維等の織布に担持させるので、得られたシートの表面がミクロ的に不均一に形成される。その結果、微細な配線回路の形成が出来ない問題点を有するものであった。
【0007】
【0008】
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明が解決しようとする課題は、簡単な製造方法でプリント基板が作製でき、プリント基板のXY方向の熱膨張係数とZ方向の熱膨張係数の差が小さく、低誘電率・低誘電正接或いは高誘電率・低誘電正接のプリント基板の芯材として適用できるプリント基板用フッ素樹脂繊維紙を提供することである。
【0010】
又、上記プリント基板用フッ素樹脂繊維紙を製造するにあたり、微粒子とフッ素樹脂繊維を分散させて湿式抄造法で抄紙する際に、微粒子の粒径が小さく、フッ素樹脂繊維が微粒子を保持できないために微粒子が脱落する問題点を解決するために微粒子を凝集剤で凝集させ、その凝集微粒子をフッ素樹脂繊維と共に分散、混合し、湿式抄造法により抄紙してフッ素樹脂繊維紙中に微粒子を含有する製造方法を提供する。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記問題点を解決するために種々検討の結果、まず微粒子を凝集剤により凝集させておき、つぎにフッ素樹脂繊維と凝集微粒子を一緒に分散させ、その分散原材料水溶液を湿式抄造法により抄紙することによって、フッ素樹脂繊維紙に任意の量の微粒子を均一に含有させた微粒子含有プリント基板用フッ素樹脂繊維紙及びその製造方法を生み出すに至ったものである。
【0012】
本発明は具体的には以下に記載のとおりである。
本発明のフッ素樹脂繊維紙は、フッ素樹脂繊維を主成分とする紙状物に於いて、該紙状物にチタン系セラミック微粒子又はシリカからなる無機微粒子を凝集してなる凝集微粒子及び耐熱性絶縁繊維が含有されていることを特徴とするプリント基板用フッ素樹脂繊維紙(請求項1)であり、前記フッ素樹脂繊維間及び該繊維と無機微粒子との結合点が融着されていることを特徴とする請求項1記載のプリント基板用フッ素樹脂繊維紙(請求項2)であり、フッ素樹脂繊維がフィブリル化されていることを特徴とする請求項1乃至2のいずれかに記載のプリント基板用フッ素樹脂繊維紙(請求項3)であり、フッ素樹脂繊維がフィブリル化されていないことを特徴とする請求項1乃至3いずれかに記載のプリント基板用フッ素樹脂繊維紙(請求項4)である。
【0013】
又、本発明の微粒子含有フッ素樹脂繊維紙の製造方法は、無機微粒子を凝集させて凝集微粒子を作成し、しかる後該凝集微粒子及び耐熱性絶縁繊維をフッ素樹脂繊維と混合し、湿式抄造法により混抄し乾燥して得た混抄紙を、フッ素樹脂繊維の融点以上で加熱し、該繊維間及び繊維と微粒子の結合点を融着することを特徴とするプリント基板用フッ素樹脂繊維紙の製造方法(請求項5)であり、無機微粒子を凝集させて凝集微粒子を作成し、しかる後該凝集微粒子及び耐熱性絶縁繊維をフッ素樹脂繊維と混合し、湿式抄造法により混抄し乾燥して得た混抄紙を、熱圧着処理して該繊維間及び繊維と微粒子の結合点を結着させることを特徴とするプリント基板用フッ素樹脂繊維紙の製造方法(請求項6)である。
【0014】
本発明に於いて用いられるフッ素樹脂繊維としては、PTFE繊維が使用でき、PTFE繊維はビスコース中にPTFE粉末を分散させエマルジョン紡糸することにより得ることができる。
本発明に使用できるフッ素樹脂繊維は、上記PTFE繊維以外に、テトラフルオロエチレン/パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン/パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレン、エチレン/テトラフルオロエチレン共重合体、エチレン/クロロトリフルオロエチレン共重合体の含フッ素樹脂系高分子の繊維も使用できる。
中でも本発明に適した微粒子含有フッ素樹脂繊維紙を得るには、耐熱性、耐薬品性で優れ、酸化チタン等の光触媒効果の影響を受けないPTFE繊維を用いることが好ましい。
又、微粒子含有フッ素樹脂繊維紙の使用用途に応じて上記フッ素樹脂繊維を1種類或いは複数種類混合して使用することもできる。
【0015】
又、フッ素樹脂繊維として、無機微粒子含有フッ素樹脂繊維紙に要求される特性、具体的には通気性やシート強度等によって、フッ素樹脂繊維の形態がフィブリル化されているものとフィブリル化されていないものを選択して使用し、場合によっては混合して使用することができる。例えば、無機微粒子含有フッ素樹脂繊維紙にシート強度が要求される場合、フッ素樹脂繊維の絡み合いが増しシート強度が向上することから、フィブリル化したフッ素樹脂繊維を使用するのが好ましい。無機微粒子含有フッ素樹脂繊維紙に通気性が要求される場合は、フッ素樹脂繊維をフィブリル化すると気密度が高くなり通気性が悪くなるので、フィブリル化していないフッ素樹脂繊維を使用するのが好ましい。上記シート強度と通気性のバランスをとるためには、フィブリル化したフッ素樹脂繊維とフィブリル化していないフッ素樹脂繊維を要求される特性に応じて、適宜混合して使用することもできる。
【0016】
フィブリル化のための手段としては、一般的な叩解機であるボールミル、ビーター、ランペンミル、PFIミル、SDR(シングルディスクリファイナー)、DDR(ダブルディスクリファイナー)、その他リファイナー等を使用することができる。
フィブリル化の度合いは、無機微粒子含有フッ素樹脂繊維紙のシート強度と密度の関係で決定される。より強いシート強度を必要とする場合には、フィブリル化の程度を進めた繊維を使用することが好ましい。又、それによってフッ素樹脂繊維の微粒子の保持力も向上する。
なお、上記フッ素樹脂繊維の直径は、1μm〜50μm、長さは0.1mm〜10mm、好ましくは2mm〜6mmのものを用いる。
【0017】
又、本発明に於いて使用される無機微粒子は、具体的には、フッ素樹脂プリント基板用途には、二酸化チタン系セラミック、チタン酸バリウム系セラミック、チタン酸鉛系セラミック、チタン酸ストロンチウム系セラミック、チタン酸カルシウム系セラミック、チタン酸ビスマス系セラミック、チタン酸マグネシウム系セラミック等チタン系セラミック微粒子等のチタン系セラミック微粒子又はシリカを挙げることができる。これらは、単独又は2種類以上を混合して用いてもよい。なお、前記二酸化チタン系セラミックとは、組成的には二酸化チタンのみを含む系、又は二酸化チタンに他の少量の添加物を含む系で、主成分である二酸化チタンの結晶構造が保持されているものである。他の系のセラミックもこれと同様である。
【0018】
無機微粒子の粒径としては、約50μm以下のものを用いることができるが、好ましくは0.1〜20μm、さらに好ましくは0.1〜15μmの範囲のものである。これは微粒子の粒子径が、上記範囲の上限より大きいとフッ素樹脂繊維紙への均一分散、混合が困難になり、逆に上記範囲の下限より小さいと取り扱いがむずかしくなり、湿式抄造する場合に微粒子が脱落してしまい、フッ素樹脂繊維紙に残らなくなるおそれがあるためである。
【0019】
無機微粒子のフッ素樹脂繊維紙への添加量は、具体的には、プリント基板用途としては、チタン系セラミック微粒子の含有量が多いほど、プリント基板のXY方向とZ方向との熱膨張係数の差が無くなり、温度変化による積層板の寸法変化が抑えられる。しかし、添加量が増加するに従い、フッ素樹脂繊維紙への均一分散、混合が困難になる。又、添加する微粒子の種類によって、高誘電率タイプや低誘電率タイプのフッ素樹脂プリント基板が作製できるために、微粒子の添加量をコントロールすることによりプリント基板の誘電率の値を所望の値にコントロールすることができる。
【0020】
【0021】
又、本発明に於いて、耐熱性絶縁繊維としては、ガラス繊維、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維、芳香族ポリエステル繊維、ポリフェニレンスルフィド繊維、全芳香族ポリアミド繊維等を使用できる。前記耐熱性絶縁繊維の添加によって、本発明のフッ素樹脂繊維紙のシート強度向上や耐熱性を付与することができる。又、プリント基板用途に於いては、プリント基板のXY方向の熱膨張係数を抑えたり、プリント基板の曲げ強度及び曲げ弾性などの機械的強度の向上を図ることができる上、前記耐熱性絶縁繊維の配合量によって誘電率の調整も可能となる。
【0022】
前記耐熱性絶縁繊維に於いて、ガラス繊維以外の高分子繊維はフィブリル化させて使用することもでき、それによって繊維間の絡み合いが強固になり、さらにシート強度が向上する。フィブリル化のための手段としては、一般的な叩解機であるボールミル、ビーター、ランペンミル、PFIミル、SDR(シングルディスクリファイナー)、DDR(ダブルディスクリファイナー)、その他リファイナー等を使用することができる。
フィブリル化の度合いは、フッ素樹脂繊維紙のシート強度と密度の関係で決定される。より強いシート強度を必要とする場合には、フィブリル化の程度を進めた繊維を使用することが好ましい。
なお、上記耐熱性絶縁繊維の直径は、通常1μm〜50μm、長さは0.1mm〜10mm好ましくは3mm〜6mmのものが用いられる。
【0023】
本発明のフッ素樹脂繊維紙の製造方法は、通常の製紙に用いられる湿式抄造法が用いられる。すなわち、本発明の製造方法は、無機微粒子を規定量秤量し、凝集剤とともに水中で攪拌し、凝集微粒子を作成する。その凝集微粒子と規定量のフッ素樹脂繊維を水中で攪拌、混合し、好ましくは、固形分濃度が0.5%以下になるように濃度調整したスラリーを長網式、円網式等の湿式抄造機に適用し、連続したワイヤーメッシュ状の脱水パートで脱水し、その後、多筒式ドライヤーやヤンキードライヤーで乾燥して一次シートを得る。次に該一次シートをフッ素繊維の融点以上の温度で加熱処理、或いは熱圧着ロールに適用することによってフッ素樹脂繊維の溶融による繊維間の融着、結着及び繊維間の絡み合いを強固にし、又凝集微粒子とフッ素樹脂繊維を融着、結着させて本発明のフッ素樹脂繊維紙を得る。
【0024】
本発明に使用する凝集剤は、通常の製紙や産業廃水や生活廃水の凝集処理等に用いられる一般的な凝集剤が使用できる。具体的には、硫酸バンド、ポリ塩化アルミニウム、塩化第2鉄、ポリ硫酸第2鉄、硫酸第1鉄、ジメチルジアリルアンモニウムクロライド、アルキルアミン・エピクロルヒドリン縮合物、エチレンイミン、アルキレンジクロライドとポリアルキレンポリアミンの縮合物、ジシアンジアミド・ホルマリン縮合物、ポリアクリルアミド系、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリ(メタ)アクリル酸アミノアルキルエステル系、ポリアクリルアミドのマンニッヒ変性物、キトサン、その他の無機凝集剤、有機凝集剤、高分子凝集剤があり、フッ素樹脂繊維に含有する無機微粒子の種類に応じて、それに適した凝集剤を選択することができる。又、微粒子の凝集効果を上げて歩留まりを向上させるためには、無機凝集剤と有機凝集剤或いは高分子凝集剤の併用、さらにはポリアクリルアミド系、ポリエチレンオキサイド系等の合成粘剤の添加が好ましい。又、凝集剤の添加量は、微粒子の凝集状態に応じて決定される。
【0025】
又、本発明のフッ素樹脂繊維紙には通常の製紙で用いられる各種の紙力増強剤、分散剤、消泡剤、合成粘剤や顔料成分等の添加剤を配合することができる。
本発明におけるフッ素樹脂繊維紙の厚さ及び坪量は、使用する用途に応じて適切な厚さ及び坪量が決定される。
このようにして得られた本発明のフッ素樹脂繊維紙は、不織布の製造に使われる乾式法と比較して、均一に微粒子を含有できるために、地合が均一であるという優れた特徴を有している。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施例について説明する。
【0027】
(実施例1)
5リットルの水を入れた容器中に往復回転式アジテーターの羽根を入れて攪拌し、この中に、シリカ(水澤化学工業社製、商品名:ミズカシルP−78D、平均粒子径7.0〜9.0μm)微粒子と、該微粒子に対して2.0重量%の無機凝集剤(日本軽金属社製、商品名:硫酸バンド)と、該微粒子に対して1.0重量%の高分子凝集剤(栗田工業社製、商品名:ハイホルダー−109)と、該微粒子に対して1.5重量%の合成粘剤(ダイヤフロック社製、商品名:ACRYPERSE)とを添加して、攪拌し、シリカ微粒子を凝集させる。攪拌を止めて、上澄みである凝集剤水溶液を除去し、10リットルの水を入れた容器中にその凝集シリカ微粒子とフッ素樹脂繊維としてPTFE繊維(東レファインケミカル社製、商品名:トヨフロン、繊維長3mm)と、耐熱性絶縁繊維としてガラス繊維(ユニチカグラスファイバー社製、繊維径6μm,繊維長3mm)を35重量%対65重量%対5重量%の比率で添加し、往復回転式アジテーターで攪拌し、均一に分散させる。この原材料分散液から規定量採取し、TAPPIに規定する標準型手抄き装置を用いて湿紙を作成した。その後、プレス脱水を行い、130℃に加熱調整したヤンキー式ドライヤーを用いて、湿紙の乾燥を行い一次シートを得た。その後該一次シートを320℃以上に加熱調整した電気炉に入れて5分間熱処理して、繊維間及び繊維と微粒子間を融着して、厚さ500μmの本発明のフッ素樹脂繊維紙を得た。
【0028】
(参考例1)
5リットルの水を入れた容器中に往復回転式アジテーターの羽根を入れて攪拌し、この中に、チタン酸ストロンチウム(堺化学工業社、平均粒子径0.5μm)微粒子と、該微粒子に対して2.0重量%の無機凝集剤(日本軽金属社製、商品名:硫酸バンド)と、該微粒子に対して1.0重量%の高分子凝集剤(栗田工業社製、商品名:ハイホルダー−109)と、該微粒子に対して1.5重量%の合成粘剤(ダイヤフロック社製、商品名:ACRYPERSE)とを添加して、攪拌し、チタン酸ストロンチウム微粒子を凝集させる 。攪拌を止めて、上澄みである凝集剤水溶液を除去し、10リットルの水を入れた容器中にその凝集チタン酸ストロンチウム微粒子とフッ素樹脂繊維としてPTFE繊維(東レファインケミカル社製、商品名:トヨフロン、繊維長3mm)を80重量%対20重量%の比率で添加し、往復回転式アジテーターで攪拌し、均一に分散させる。この原材料分散液から規定量採取し、TAPPIに規定する標準型手抄き装置を用いて湿紙を作成した。その後、プレス脱水を行い、130℃に加熱調整したヤンキー式ドライヤーを用いて、湿紙の乾燥を行い一次シートを得た。その後該一次シートを320℃以上に加熱調整した電気炉に入れて5分間熱処理して、繊維間及び繊維と微粒子間を融着して、厚さ500μmの参考用のフッ素樹脂繊維紙を得た。
【0029】
(参考例2)
微粒子としてチタン酸ストロンチウム(堺化学工業社製、平均粒子径0.5μm)微粒子を40重量%、PTFE繊維を60重量%の比率で用いた以外は実施例1と同様にして、厚さ500μmの参考用のフッ素樹脂繊維紙を得た。
【0030】
(参考例3)
微粒子としてシリカ(水澤化学工業社製、商品名:ミズカシルP−78D、平均粒子径7.0〜9.0μm)微粒子を40重量%、PTFE繊維を60重量%の比率で用いた以外は実施例1と同様にして、厚さ500μmの参考用のフッ素樹脂繊維紙を得た。
【0031】
【0032】
(参考例4)
叩解によってカナダ標準型ろ水度を400mlにしたPTFE繊維(東レファインケミカル社製、商品名:トヨフロン、繊維長3mm)を用いた以外は参考例1と同様にして、厚さ400μmの参考用のフッ素樹脂繊維紙を得た。
【0033】
(比較例1)
フッ素樹脂繊維としてPTFE繊維(東レファインケミカル社製、商品名:トヨフロン、繊維長3mm)のみを用い、TAPPIに規定する標準型手抄き装置を用いて、湿紙を作成した。その後、プレス脱水を行い、130℃に加熱調整したヤンキー式ドライヤーを用いて、湿紙の乾燥を行い一次シートを得た。その後該一次シートを320℃以上に加熱調整した電気炉に入れて5分間熱処理して、繊維間及び繊維と微粒子間を融着して、厚さ400μmの比較用のフッ素樹脂繊維紙を得た。
【0034】
(比較例2)
【0035】
(比較例3)
フッ素樹脂繊維としてPTFE繊維(東レファインケミカル社製、商品名:トヨフロン、繊維長3mm)を用い、微粒子としてチタン酸ストロンチウム(堺化学工業社製、平均粒子径0.5μm)微粒子を凝集させずにそのまま用い、PTFE繊維とチタン酸ストロンチウムの比率を20重量%対80重量%の割合で用い、水中で攪拌、混合し、TAPPIに規定する標準型手抄き装置を用いて抄紙したところ、微粒子を凝集剤で凝集させていないので、抄紙時に微粒子が水と共に抜けてしまいフッ素樹脂繊維紙に殆ど残らなかった。一方実施例1、参考例1〜のように凝集剤を使用して微粒子を凝集させてフッ素樹脂繊維と混合抄紙することにより、フッ素樹脂繊維紙に微粒子を含有することが可能であった。
【0036】
得られた本発明のフッ素樹脂繊維紙、参考例及び比較例で得られた繊維紙に対して下記の評価を行った。但し、(1)熱膨張係数及び(2)比誘電率の測定には、フッ素樹脂繊維紙の両面に厚さ18μmの電解銅箔を配置し、PTFEの融点327℃以上の温度、例えば380℃でかつ圧力1MPaの条件下にて約90分間、真空プレスによる加熱圧縮処理を行い、一体形成した両面銅張板を用いた。
【0037】
(1)熱膨張係数:銅箔と加熱圧縮処理によって一体化された両面銅張板の銅箔をエッチングにより除去した試料を、熱分析装置TMAを用いて、20℃〜250℃まで2℃/minで昇温させて、水平方向及び厚さ方向の寸法変化率を測定した。
(2)比誘電率:銅箔と加熱圧縮処理によって一体化された両面銅張板の銅箔をエッチングにより除去し、JISC 6481に準じて測定した。
)通気性:フッ素樹脂繊維紙に所定流量(5m/min)の空気を流し込み、そのフッ素樹脂繊維紙の前後の空気圧力の損失を微差圧検出器で測定した。
)シート強度:湿式抄造法で抄造した混抄紙を乾燥して得た一次シートを、JIS P 8113に準じて測定した。
実施例及び比較例の繊維紙の配合組成と特性の評価結果を表1に示す。
【0038】
【表1】
Figure 0003922866
【0039】
表1により、次の諸点が確認された。すなわち、参考例1〜3のデータを比較例1と比べると、微粒子の配合量が増加すると共に、プリント基板にした場合のZ方向の熱膨張係数が低くなっている。又、配合量によって誘電率の値をコントロールできる。実施例のデータより、耐熱性絶縁繊維であるガラス繊維の混入によって、プリント基板にした場合のXY方向の熱膨張係数が改良されている。
又、参考のデータより、フッ素繊維をフィブリル化したために、繊維間の絡み合いが向上し、シート強度が強くなっている。比較例1のデータより、微粒子が含有されていないと、プリント基板にした場合の熱膨張係数が大きくなっている。
【0040】
【発明の効果】
本発明に係るフッ素樹脂繊維紙に於いては、凝集剤により微粒子を凝集させ、その凝集微粒子とフッ素樹脂繊維を混合し、湿式抄紙法により抄紙し、熱処理或いは熱圧処理することによって、任意の量の微粒子をフッ素樹脂繊維紙に含有することが可能である。

Claims (6)

  1. フッ素樹脂繊維を主成分とする紙状物に於いて、該紙状物にチタン系セラミック微粒子又はシリカからなる無機微粒子を凝集してなる凝集微粒子及び耐熱性絶縁繊維が含有されていることを特徴とするプリント基板用フッ素樹脂繊維紙。
  2. 前記フッ素樹脂繊維間及び該繊維と無機微粒子との結合点が融着されていることを特徴とする請求項1記載のプリント基板用フッ素樹脂繊維紙。
  3. フッ素樹脂繊維がフィブリル化されていることを特徴とする請求項1乃至2のいずれかに記載のプリント基板用フッ素樹脂繊維紙。
  4. フッ素樹脂繊維がフィブリル化されていないことを特徴とする請求項1乃至3いずれかに記載のプリント基板用フッ素樹脂繊維紙。
  5. 無機微粒子を凝集させて凝集微粒子を作成し、しかる後該凝集微粒子及び耐熱性絶縁繊維をフッ素樹脂繊維と混合し、湿式抄造法により混抄し乾燥して得た混抄紙を、フッ素樹脂繊維の融点以上で加熱し、該繊維間及び繊維と微粒子の結合点を融着することを特徴とするプリント基板用フッ素樹脂繊維紙の製造方法。
  6. 無機微粒子を凝集させて凝集微粒子を作成し、しかる後該凝集微粒子及び耐熱性絶縁繊維をフッ素樹脂繊維と混合し、湿式抄造法により混抄し乾燥して得た混抄紙を、熱圧着処理して該繊維間及び繊維と微粒子の結合点を結着させることを特徴とするプリント基板用フッ素樹脂繊維紙の製造方法。
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