JP3942489B2 - フッ素樹脂プリント配線板及びその製造方法 - Google Patents

フッ素樹脂プリント配線板及びその製造方法 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明のフッ素樹脂プリント配線板は、高比誘電率を有するプリント配線板、及びその製造方法に関する。特に情報通信機器などにおいて高周波帯で使用されるアンテナ部品の配線、ICパッケージ等の半導体の高密度配線及び小型機器の精密配線等に好適なプリント配線板及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のプリント配線板関連分野において、誘電特性が優れたプリント配線板用基板及びその製造方法としては、例えば特開平7−323501号公報に開示された次のようなものが一般的である。すなわち、ガラスクロスを基材として用いて、この基材にポリテトラフルオロエチレン(以下,PTFEと称す)樹脂ディスパージョンの含浸および焼成処理を数回繰り返して作製したシートを銅箔と重ね、加熱プレスして一体化して基板とする。前記シートを複数枚重ねて基板とする場合は、該シート間にテトラフルオロエチレン/パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体樹脂層もしくはテトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体樹脂層を、フィルムとして介在させるか、もしくはコーティング等により形成し、さらに最外層に配置される銅箔との間にも上記の樹脂層を形成し、積み重ねられたシートと、銅箔とを加熱プレスして一体化形成するものである。このような方法で、比誘電率が2〜3.5、誘電正接0.0010程度のプリント基板が作製されている。
【0003】
上記のような従来のガラスクロスを用いたフッ素樹脂プリント配線板は、基板の長尺方向(縦方向)、幅方向(横方向)及び厚さ方向とをそれぞれX方向、Y方向及びZ方向とすると、ガラスクロスの存在によりX方向及びY方向の寸法変化率は小さいが、Z方向は大きい。また、ガラスクロスにおいて経糸と緯糸に残留するテンションの差により、回路パターンの導電層形成時や熱処理時等に、X方向とY方向の寸法変化に差が生じ基板に歪みが発生したり、ガラスクロスの編み目部分でのガラス繊維同士のずれや動きによって寸法変化の値が大きくなることがある。また、プリント配線板の表面に編み目による微小な凹凸が存在する。
これらによりパターン形成やスルーホール形成の精度が低下したり、導電部が伸縮して損傷を生じたりするため、特に小型な配線板において性能の信頼性に欠けるという問題がある。
【0004】
更に、従来のガラスクロスを用いたフッ素樹脂プリント配線板は、ガラスクロスが編み目構造になっているために、材料構成が部分部分で不均一であるがため、比誘電率及び誘電正接が部分部分で不均一である。すなわち、配線板上の回路から見て、その真下が目開き部分であるか、ガラス繊維部分であるか、或いは経糸と緯糸の交差部分であるかによって比誘電率及び誘電正接にばらつきを生じる。このために、配線板上に設けられた高周波フィルター等の特性が安定しないという問題点がある。編み目構造による不均一性による問題は、プリント配線板のZ方向についても生じ、例えばスルーホールのメッキ層が均一に形成されないばかりでなく、フッ素樹脂が多い部分でメッキ層が欠落する場合もある。
また、ガラスクロスとPTFEとの界面に微細な空隙が残存し、空隙にエッチング液が入りやすく吸水率が大きいとか、大気中の水分を取り込みやすく、比誘電率及び誘電正接が大きくなるという問題もある。
【0005】
また、従来の高周波用プリント配線板においては、基板内の信号の波長が短いために、特に高密度配線や基板の小型化には誘電体材料の高比誘電率化が求められている。勿論、高周波対応のプリント配線板を得るために低誘電正接である事も同時に必要となり、高比誘電率でかつ低誘電正接なプリント配線板が求められている。具体的には、移動通信、無線通信及び高速通信などの高い周波数帯を使用する分野である。
【0006】
そこで、高比誘電率を有するプリント配線板の製造方法としては例えば次のような方法がある。比誘電率を高くするためにPTFEディスパージョンに高比誘電率を有する無機微粒子を分散させてガラスクロスに含浸させる。この場合、PTFE粒子と無機微粒子の比重の差、ガラスクロス編み目などにより均一にガラスクロスに含浸させることが困難であり、シート表面に無機微粒子が不均一に存在するので微細な配線パターン形成ができないという問題が生じた。また、厚さ方向に関しては、無機微粒子が最外層に露出するため銅箔の密着力が低下し、吸水率も大きくなるという問題が生じた。
【0007】
また、特開平3−218690号公報には、ポリテトラフルオロエチレン繊維と無機繊維とを混合して湿式抄造して作製したシートを加熱焼結したプリント配線板用基材シートが開示されている。湿式抄造により得られたシートは繊維の分布が均一であるので、プリント配線板とした場合、ガラスクロスタイプの場合のような誘電特性の部分的ばらつきの問題はないし、Z方向の寸法変化率は小さい。しかし、X方向及びY方向に関しては、ガラスクロスタイプより大きく、しかも、X方向とY方向の寸法変化率の差を小さくするために、繊維の配向性という点で外観的にはランダムとなるような抄造条件を選択しても、抄造方向(縦方向)または幅方向(横方向)へ繊維が偏って配向する傾向を抑え切ることはできず、その結果、プリント配線板とした場合、繊維が配向した方向に寸法変化率が小さく、逆にその直角方向に大きくなり、そのために、プリント配線板が変形するという問題を有していた。
さらに、プリント配線板の比誘電率の調整のために、フッ素樹脂繊維一次シートに無機微粒子を含有させようとすると、該一次シート中への歩留りが低く所望の比誘電率を有するプリント配線板が得にくいという問題や、一次シート表面に存在する無機微粒子が表面から脱離し易く、また金属箔の密着力が劣り、吸水率も大きいという問題があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明が解決しようとする課題は、高比誘電率を有し、比誘電率及び誘電正接の部分的ばらつきが小さく、プリント配線板の表面に微小な凹凸もなく平滑で、かつ、X方向、Y方向及びZ方向の寸法安定性に優れたフッ素樹脂プリント配線板及びその製造方法を提供することにある。さらには上記特性に加えて、金属箔の密着力に優れ、吸水率の小さいフッ素樹脂プリント配線板、及びその製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記課題を解決するために種々検討の結果、下記手段を見出した。本発明は、フッ素樹脂繊維を主成分とし、少なくとも無機微粒子及び耐熱性絶縁繊維を含有する水系スラリーを湿式抄造して得た一次シートの少なくとも一方の表面部分にフッ素樹脂ディスパージョンを付着させた後、フッ素樹脂の融点以上で熱処理して紙状物とし、該紙状物の少なくとも2枚を縦方向または横方向を基準として90°に直交させて積層した絶縁層と、該絶縁層の少なくとも片面に設けた回路パターンの導電層とを有することを特徴とするフッ素樹脂プリント配線板である(請求項1)。また、比誘電率が5〜20であることを特徴とする請求項1に記載のフッ素樹脂プリント配線板であり(請求項)、前記フッ素樹脂繊維は、ポリテトラフルオロエチレン繊維であることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載のフッ素樹脂プリント配線板であり(請求項)、前記無機微粒子は、チタン系セラミック微粒子であることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載のフッ素樹脂プリント配線板であり(請求項)、 前記耐熱性絶縁繊維は、ガラス繊維であることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載のフッ素樹脂プリント配線板であり(請求項)、前記耐熱性絶縁繊維は、ガラス繊維及びポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のフッ素樹脂プリント配線板であり(請求項)、前記無機微粒子の配合量は、フッ素樹脂繊維と無機微粒子と耐熱性絶縁繊維の合計量に対して10〜70重量%であることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載のフッ素樹脂プリント配線板であり(請求項)、前記耐熱性絶縁繊維の配合量は、フッ素樹脂繊維と無機微粒子と耐熱性絶縁繊維の合計に対して3〜40重量%であることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載のフッ素樹脂プリント配線板である(請求項)。
【0010】
また、本発明は、フッ素樹脂繊維を主成分とし、少なくとも無機微粒子及び耐熱性絶縁繊維を含有する水系スラリーを湿式抄造して一次シート化する工程、該一次シートの少なくとも一方の表面部分にフッ素樹脂ディスパージョンを付着させる工程、該フッ素樹脂の融点以上の温度で熱処理してフッ素樹脂繊維同士及びフッ素樹脂繊維と表面部分のフッ素樹脂とを融着して紙状物とする工程、及び該紙状物の少なくとも2枚を縦方向または横方向を基準として90°に直交させて積層し絶縁層とし、かつ該絶縁層の少なくとも片面に導電性金属箔を配置し導電層とする工程、フッ素樹脂の融点以上の温度で真空加熱プレスしプリント配線板用フッ素樹脂積層板を作製する工程、及び導電層を所望の回路パターンとする工程よりなるフッ素樹脂プリント配線板の製造方法であ(請求項9)。
【0011】
以下本発明において用いられる各材料について説明する。
本発明において用いられるフッ素樹脂繊維は、上記PTFE繊維の他に、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン/パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリフッ化ビニル、エチレン/テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、エチレン/クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン/パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(FEPPFA)の繊維が挙げられる。中でも、PTFE繊維は、比誘電率及び誘電正接が低く、耐熱性、耐薬品性にも優れているので、本発明のフッ素樹脂プリント配線板を得るのに好ましい。
なお、本発明で用いるフッ素樹脂繊維には、その2種以上を混合して使用することもできる。
【0012】
なお、本発明で用いられるフッ素樹脂繊維の直径及び繊維長は、特に限定されず、本発明の湿式抄造法によって抄造が可能であればよく、形状は単純な繊維状あるいは、粒状(球状、不定形など)、フィブリッド状、パルプ状、その他様々な形状等、特に限定されるものではないが、例えば、直径は1μm〜50μm、長さは0.1mm〜10mmのものが使用される。直径及び長さが、上記範囲の下限未満では抄造時の脱水性が悪く生産性が低下し、上限を超えると薄いシートを作製しにくくなる。
【0013】
また、フッ素樹脂繊維として、フッ素樹脂繊維紙状物に要求される特性、具体的には本発明におけるシート強度、寸法安定性、及び無機微粒子や耐熱性絶縁繊維の含有量等によって、フッ素樹脂繊維の形態がフィブリル化されているものとフィブリル化されていないものを選択して使用でき、場合によっては混合して使用することができる。
【0014】
フィブリル化の度合いは、フッ素樹脂繊維紙状物の平均孔径、最大孔径やシート強度などとの関係で決定される。例えば、より強いシート強度を必要とする場合には、フィブリル化の程度を進めた繊維を使用することが好ましい。また、それによってフッ素樹脂繊維と他の材料との接着力も向上する。
フィブリル化の度合いは、JIS P8121:1995に記載のろ水度によって表わすことができる。
フィブリル化のための手段としては、一般的な叩解機であるボールミル、ビーター、ランペンミル、PFIミル、SDR(シングルディスクリファイナー)、DDR(ダブルデスクリファイナー)、その他のリファイナー等を使用することができる。
【0015】
本発明に使用できるPTFE繊維の例としては、PTFE微粒子をビスコース、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコールなどの親水性の結着剤マトリックス中に分散し、細孔から凝固浴に紡出させて得られた延伸または未延伸の繊維が挙げられる。この場合、得られた延伸または未延伸のPTFE繊維を3〜15mmの長さに切断し、無機微粒子、耐熱性絶縁繊維やその他原料とともに、ポリアクリルアミドなどの分散剤を用いて水に分散して抄紙原料を調整する。
この抄紙原料を円網抄紙機、長網抄紙機、短網式、傾斜式などの抄紙機で抄紙し、PTFE繊維の一次シートを作製する。PTFE繊維の一次シート化において、PTFE繊維に配合されているマトリックス物質が、抄紙の際に繊維間の結着機能を発揮する。
【0016】
また、本発明においては、プリント配線板の比誘電率を上げ、かつ寸法安定性を向上させる目的で無機微粒子を使用する。無機微粒子の種類の選択や配合によって、プリント配線板の誘電正接は低いまま比誘電率を高くし、かつプリント配線板のX方向、Y方向及びZ方向の熱膨張係数や寸法変化を抑えたり、プリント配線板の曲げ強度および曲げ弾性率などの機械的強度も向上させることができる。
【0017】
本発明において、無機微粒子は高比誘電率を有することが好ましく、具体的には二酸化チタン系セラミック、チタン酸バリウム系セラミック、チタン酸鉛系セラミック、チタン酸ストロンチウム系セラミック、チタン酸カルシウム系セラミック、チタン酸ビスマス系セラミック、チタン酸マグネシウム系セラミックなどのチタン系セラミック、ジルコン酸鉛系セラミック等や二酸化チタン、酸化銀、酸化亜鉛などを挙げることができる。なお、前記二酸化チタン系セラミックとは、組成的には二酸化チタンのみを含む系、または二酸化チタンに他の少量の添加物を含む系で、主成分である二酸化チタンの結晶構造が保持されているものである。他の系のセラミックもこれと同様である。
上記無機微粒子の中で、比誘電率の面でチタン系セラミック微粒子が好ましい。
また、上記無機微粒子を複数種類混合して用いることもできる。
【0018】
無機微粒子の形状及び寸法は特に限定されず、本発明での湿式抄造法により一次シートの形成が可能であればよく、形状は球状、粒状、中空状、繊維状、異形状、不定形、その他様々な形状のものがあるが、例えば、球状のものが一般的であり、粒子径としては、好ましくは約50μm以下のものが使用され、より好ましくは0.1〜20μm、さらに好ましくは0.1〜15μmの範囲のものである。無機微粒子の粒子径が大きいと抄造用スラリーでの均一分散がしにくく、フッ素樹脂繊維一次シートで不均一な分布をし易くなる。逆に小さすぎると取り扱い性が悪く、また、湿式抄造の際、一次シート中への歩留りが悪く、一次シート中の含有量の制御がしにくくなる。
【0019】
無機微粒子の配合量は、プリント配線板の比誘電率の値と寸法安定性のバランスによって決定される。上記バランスを考慮すると、無機微粒子の配合量はフッ素樹脂繊維、無機微粒子及び耐熱性絶縁繊維の合計量に対して10〜70重量%であることが好ましい。10重量%未満ではプリント配線板の比誘電率を上げる効果が不足する傾向となり、70重量%を超えると抄造用スラリー中で均一な分散をし難くなるため、フッ素樹脂繊維一次シートでの分布が不均一になり易いし、一次シートから脱離し易くなったり、一次シートの強度が低下して作業性が悪くなるなどの問題が出てくる。また、プリント配線板にした場合に機械的強度の低下がみられるようになり好ましくない。なお、プリント配線板の比誘電率は具体的用途毎に適正範囲が細分化されるので、具体的用途に応じて無機微粒子配合量もより狭い範囲に定めることになる。
【0020】
本発明においては、プリント配線板の寸法安定性をさらに向上させる目的で、抄紙原料中には、耐熱性絶縁繊維を使用する。耐熱性絶縁繊維の配合することによって、プリント配線板のX方向、Y方向及び厚さ方向(Z方向)の熱膨張係数や寸法変化率を格段と抑えたり、プリント配線板の曲げ強度および曲げ弾性率などの機械的強度も向上させることが出来る。また、耐熱性絶縁繊維の種類や配合量によってプリント配線板の比誘電率の調整も可能である。
【0021】
耐熱性絶縁繊維としては無機繊維と有機繊維とがあるが、プリント配線板の熱膨張係数や寸法変化率を抑えるためには、繊維自身の弾性率が大きく剛直であることが好ましい。
無機繊維としてガラス繊維、シリカ繊維、アルミナ繊維、アルミニウムシリケート繊維などがあるが、目的を十分に達成でき、かつ価額が安いガラス繊維が好ましく使用される。
有機繊維としては、いわゆるスーパー繊維と称せられる高耐熱性、高強度・高弾性率繊維が使用でき、例えばポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維(以下、PBO繊維と称す)、芳香族ポリエステル繊維、ポリフェニレンスルフィド繊維、全芳香族ポリアミド繊維等を使用できるが、最も弾性率が大きいPBO繊維が好ましい。
また、上記耐熱性絶縁繊維を複数種類混合して用いることもできる。
【0022】
上記耐熱性絶縁繊維の形状は、特に限定されるものではないが、直径は50μm以下が好ましく、長さは0.1〜20mmが好ましい。直径が50μmを超えて大きいと薄いシートを作成しにくくなる。長さが0.1mm未満では寸法安定性の効果が出にくく、20mmを超えて大きいと均一に分散しにくくなる。
【0023】
耐熱性絶縁繊維の配合量は、プリント配線板に求められる特性つまり誘電特性、及び寸法安定性によって決定される。通常、耐熱性絶縁繊維の配合量が少ない場合は、寸法安定性より誘電特性が優先され、逆に寸法安定性を優先させたい場合には耐熱性絶縁繊維の配合量を増やせばよい。一般的には耐熱性絶縁繊維の配合量が多くなると誘電特性、特に誘電正接の値が大きくなり、高周波対応プリント配線板として適応しにくくなる。よって、耐熱性絶縁繊維の配合量は、誘電特性及び寸法安定性のバランスによって決定される。上記バランスを考慮すると、耐熱性絶縁繊維の配合量は、フッ素樹脂繊維、無機微粒子及び耐熱性絶縁繊維の合計に対して3〜40重量%であることが好ましい。耐熱性絶縁繊維の配合量が、3重量%未満では寸法安定化の効果が出にくく、40重量%を超えて大きいとフッ素樹脂繊維紙状物の強度が低下し、後の工程で取り扱いにくくなるとともに、プリント配線板の誘電正接が大きくなり過ぎる傾向となる。
【0024】
前記耐熱性絶縁繊維が有機繊維の場合はフィブリル化させて使用することもでき、それによって繊維間の絡み合いが強固になり、3次元方向の絡み合いも強化され、プリント配線板において、Z方向の熱膨張性を含めた寸法安定性が非常に向上する。
フィブリル化の度合いは、フッ素樹脂繊維紙状物のシート強度や無機微粒子含有量などとの関係で決定される。例えば、より強いシート強度を必要とする場合、或いは無機微粒子添加量が多い場合には、フィブリル化の程度を進めた繊維を使用する事が望ましい。これにより無機微粒子の歩留りも向上する。
【0025】
本発明のフッ素樹脂繊維の一次シートの製造方法は、通常の製紙に用いられる湿式抄造法が用いられる。すなわち、規定量のフッ素樹脂繊維、無機微粒子及び耐熱性絶縁繊維等を水中で攪拌、混合し、好ましくは、固体分濃度が0.5%以下になるように濃度調整したスラリーを、円網式、長網式、短網式、傾斜式などの湿式抄紙機に適用し、連続したワイヤメッシュ状の脱水パートで脱水し、その後、多筒式ドライヤーやヤンキードライヤーなどで乾燥して一次シートを得る。
プリント配線板のX方向及びY方向の寸法変化率の差を小さくするという点で、繊維配向がランダムになり易い長網式、短網式、傾斜式が好ましく、傾斜式がより好ましい。特に傾斜式の場合は耐熱性絶縁繊維を厚さ方向に配向させる、つまり紙状物内において厚さ方向に繊維を立たせることも可能であり、プリント配線板におけるZ方向の寸法安定性に効果を発揮する。
【0026】
なお、無機微粒子は、湿式抄造時の流失を防ぎ歩留りを確保し所定の量を一次シート中に含有させるために、下記のように前もって凝集させることが好ましい。すなわち、無機微粒子を規定量秤量し、凝集剤とともに水中で攪拌し、無機微粒子を凝集させる。 その凝集粒子と規定量のフッ素樹脂繊維及び耐熱性絶縁繊維とを水中で攪拌、混合し抄造用スラリーとする。
【0027】
本発明において用いられる凝集剤は、通常の製紙や産業排水や生活廃水の凝集処理などに使用される一般的な凝集剤が適用できる。具体的には、硫酸バンド、ポリ塩化アルミニウム、塩化第2鉄、ポリ硫酸第2鉄、硫酸第1鉄、ジメチルジアリルアンモニウムクロライド、アルキルアミン・エピクロルヒドリン縮合物、エチレンイミン・アルキレンジクロライドポリアルキレンポリアミンの縮合物、ジシアンジアミド・ホルマリン縮合物、ポリアクリルアミド系、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリ(メタ)アクリル酸アミノアルキルエステル系、ポリアクリルアミドのマンニッヒ変性物、キトサン、その他の無機凝集剤、有機凝集剤、高分子凝集剤があり、フッ素樹脂繊維一次シートに含有させる無機微粒子の種類に応じて、それに適した凝集剤を選択して用いることができる。
また、無機微粒子の凝集効果を上げて歩溜まりを向上させるためには、特に、無機凝集剤と有機凝集剤あるいは高分子凝集剤の併用、さらにはポリアクリルアミド系、ポリエチレンオキサイド系などの合成粘剤の添加が好ましい。また、凝集剤の添加量は微粒子の凝集状態に応じて決定される。
【0028】
また、本発明のフッ素樹脂繊維一次シートには通常の製紙で用いられる各種の紙力増強剤、分散剤、消泡剤、合成粘剤や顔料などの添加剤を配合することができる。
【0029】
このように得られた本発明のフッ素樹脂繊維一次シートは、ガラスクロスを基材とするシートや乾式法不織布と比較して、各種原料の分布がX方向、Y方向及びZ方向において均一であり、かつ、地合いが均一であるという優れた特徴を有していて、その結果、プリント配線板の誘電特性も部分的ばらつきが小さいという利点を有する。
【0030】
本発明のフッ素樹脂プリント配線板において、金属箔の密着力が特に大きいことが要求される場合は、一次シートの少なくとも一方の表面部分にフッ素樹脂を付着させる。その付随的作用として、一次シート表面からの無機微粒子の脱離防ぎ、またプリント配線板の吸水率を下げる効果もある。その工程は脱水パートで脱水した一次シートの乾燥前であっても、乾燥後であってもよい。また、一次シート全面を覆う事は必ずしも必要ではなく、均一に存在するスポット状、網状、格子状などでもよい。一次シート表面部分にフッ素樹脂を付着させる方法としては、フッ素樹脂ディスパージョンのスプレーによる塗工、塗布機によるコーティング及び含浸、印刷による方法がある。例えば、フッ素樹脂ディスパージョンを湿紙にスプレーし、その後多筒式ドライヤー、ヤンキードライヤー、エアードライヤーや赤外線ドライヤー等の乾燥機で乾燥してフッ素樹脂が付着した一次シートを得る
【0031】
また、フッ素樹脂の付着量は、銅箔との密着力を確保し、一次シート表面からの無機微粒子の脱離防止が可能であればよいが、片面1g/m〜100g/mが好ましく、5g/m〜50g/mがより好ましい。1g/m未満では、銅箔との密着力向上効果が得られにくく、また一次シート表面から無機微粒子が脱離することを抑え切れない。100g/mを超えると、比誘電率が低いフッ素樹脂の割合が非常に大きくなり、プリント配線板の比誘電率を所望の値にしにくくなる。
【0032】
次に得られたフッ素樹脂繊維一次シートをフッ素樹脂の融点以上の温度で、電気炉等で焼成し、フッ素樹脂繊維紙状物とする。焼成によりフッ素樹脂繊維同士間、フッ素樹脂繊維と無機微粒子間、及びフッ素樹脂繊維と耐熱性絶縁繊維間、さらに一次シートの表面部分にフッ素樹脂を付着させた場合はフッ素樹脂繊維とフッ素樹脂間を融着せしめると共に、有機物質は熱分解され除去される。前記のPTFE繊維を使用した場合は、PTFE繊維中のマトリックス樹脂はこの工程で熱分解し除去される。
【0033】
本発明におけるフッ素樹脂繊維紙状物の坪量は、10〜1500g/mであり、使用用途に応じて適切な坪量が決定される。
【0034】
このようにして得られる多孔性のフッ素樹脂繊維紙状物を金属箔と貼り合わせるのは次のように行われる。
【0035】
上記紙状物をある大きさに裁断し、例えば同―方向から裁断した2枚以上の紙状物を縦方向または横方向を基準として90°に直交させて重ね合わせる。つまり、積層板において、抄造の流れ方向(縦方向)と抄造の幅方向(横方向)とが交互に90°に直交して重なり合うようにする。本発明では重ね合わせる枚数は特に限定されず、目的とする積層板の厚さ及び使用する紙状物の厚さあるいは坪量によって決められる。ただし、配線板のX方向及びY方向での寸法変化率、及びその差を出来るだけ小さくするためには重ねる枚数は偶数が好ましい。このようにして得られたものを絶縁層とし、その絶縁層の上下両面、或は片面に導電体層としての金属箔を重ねて、フッ素樹脂の融点以上の温度で熱プレスする。なお、金属箔の裏面、つまり絶縁層と接触する面には、多数の微小な突起が設けられており、これらが、絶縁層つまりフッ素樹脂繊維を主成分とする紙状物の繊維間に存在する空隙に入り込んだ状態で熱プレスされる。これにより金属箔が絶縁層と密に接着し、導電層となる。
【0036】
PTFE繊維紙状物を用いた場合の成型条件の例は、PTFE繊維紙状物の両面(場合によっては片面)に銅箔を配置し、PTFEの融点327℃以上の温度、例えば380℃でかつ圧力1MPaの条件下にて90分間真空プレスによる加熱圧縮処理を行い、一体成形したプリント配線板用両面銅張板とすることができる。
【0037】
その後、回路パターンの導電層形成のための後工程を施し、所望のパターンの導電路を設けたフッ素樹脂プリント配線板を得ることができる。パターン形成は、剥離現像型ホトレジスト、溶融現像型ホトレジスト等を用いて行われる。例えば、銅箔表面にアルカリ現像型ホトレジスト膜を形成し、ホトマスクを介して所望のパターンを露光する。次に、銅箔の露出部をエッチングなどにより除去し、さらにホトレジストの露光部を溶解除去して、所望のパターンの導電層を有するフッ素樹脂プリント配線板が得られる。
【0038】
また、本発明の導電層に使用される金属箔としては、銅、アルミニウム、真鍮、ニッケル、鉄等の単独の箔、合金箔、複合箔などを用いることができるが、特に銅箔が電気伝導性が良好な点で好ましい。この場合、電解銅箔、圧延銅箔いずれでもよく限定するものではない。また、これら銅箔を含む上記金属箔に回路を形成した金属箔を用いることもできる。また、必要に応じて金属箔の片面に接着剤層を設けておくことができる。
【0039】
金属箔の厚みは特に限定されるものではないが、 厚み9〜35μmが高周波プリント回路の加工精度を確保する面で好ましい。
【0040】
上記の如く作製された本発明のフッ素樹脂プリント配線板の比誘電率は、5〜20が好ましい。プリント配線板の比誘電率は、主として無機微粒子の種類と配合量で調整することが多いが、耐熱性絶縁繊維の種類と配合量での調整も可能である。また、プリント配線板の比誘電率の適正範囲は具体的用途によりそれぞれ異なるので、本発明においても具体的用途に応じて上記範囲の中でより狭い範囲に設定することになる。
【0041】
【発明の実施の形態】
実施例
以下、さらに本発明を実施例を以って説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0042】
<実施例1>
水中に無機微粒子としてチタン酸ストロンチウム微粒子(堺化学工業社製、商品名:ST−03、平均粒子径0.3μm)と無機凝集剤(日本軽金属社製、商品名:硫酸バンド)を上記微粒子に対して2.0重量%、高分子凝集剤(栗田工業社製、商品名:ハイホルダー109)を上記微粒子に対して1.0重%と合成粘剤(ダイヤフロック社製、商品名:ACRYPERSE PMP)を上記微粒子に対して1.5重%添加して、攪拌し、チタン酸ストロンチウム微粒子を凝集させた懸濁液とした。該懸濁液に、フッ素樹脂繊維としてPTFE繊維(東レファインケミカル社製、商品名:トヨフロン、直径15μm、繊維長3mm)と耐熱性絶縁繊維としてガラス繊維(ユニチカグラスファイバー社製、商品名:PDE1/8ZA509、直径6μm、繊維長3mm)を、重量比でPTFE繊維:チタン酸ストロンチウム微粒子:耐熱性絶縁繊維=45:50:5となるように添加し、攪拌し、均一に分散させる。この原材料分散液をスラリー濃度0.5%に調整し、傾斜式湿式抄紙機を用いて抄造し、脱水した後、PTFE樹脂ディスパージョン液(三井デュポンフロロケミカル社製、商品名:30−J、濃度30%)をスプレーを用いて片面に固形分で10g/mのPTFE樹脂が付着するように吹き付け、130℃に加熱調整したヤンキー式ドライヤーを用いての乾燥工程を経て一次シートを得た。その後、該一次シートを350℃に加熱調整した電気炉を通して熱処理し、繊維間を融着して、坪量250/mのフッ素樹脂繊維を主成分とした紙状物を得た。その得られた紙状物から300×300mmの大きさのシートを縦方向に2枚切り出し、それらを縦方向を基準として90°に直交させて重ね合わせた。その際、フッ素樹脂を付着させた面を最外層とし、フッ素樹脂を付着させなかった面同士を向かい合わせた。さらにその上下に金属箔として電解銅箔(福田金属箔工業社製、商品名:CF−T9、厚さ18μm)を重ねて配置し、真空下で、1MPaの加圧、380℃の加熱で90分間プレスを行い本発明のプリント配線板用フッ素樹脂積層板を得た。引き続き、銅箔表面にアルカリ現像型ホトレジスト膜を形成し、ホトマスクを介してパターンを露光し、銅箔の露出部をエッチングで除去し、ホトレジストの露光部を溶解除去して、回路パターンを有する本発明のフッ素樹脂プリント配線板を得た。
【0043】
<実施例2>
PTFE繊維とチタン酸ストロンチウム微粒子とガラス繊維の配合比を50:10:40とした以外は実施例1と同様にして、本発明のフッ素樹脂プリント配線板を得た。
【0044】
<実施例3>
PTFE繊維とチタン酸ストロンチウム微粒子とガラス繊維の配合比を27:70:3とした以外は実施例1と同様にして、本発明のフッ素樹脂プリント配線板を得た。
【0045】
<実施例4>
耐熱性絶縁繊維としてガラス繊維の他にPBO繊維(東洋紡績社製、商品名:ザイロンAS、直径12μm、繊維長3mm)を叩解処理によりろ水度500mlにフィブリル化したPBOパルプを用い、PTFE繊維とチタン酸ストロンチウム微粒子とガラス繊維とPBOパルプの配合比を40:50:5:5とした以外は実施例1と同様にして、本発明のフッ素樹脂プリント配線板を得た。
【0047】
<比較例1>
フッ素樹脂繊維紙状物の重ね合せを同一方向とした以外は、実施例1と同様にして比較用のフッ素樹脂プリント配線板を得た。
【0048】
<比較例2>
チタン酸ストロンチウムを使用せず、PTFE繊維とチタン酸ストロンチウム微粒子とガラス繊維の配合比を60:0:40とした以外は、実施例1と同様にして比較用のフッ素樹脂プリント配線板を得た。
【0049】
<比較例3>
ガラス繊維を使用せず、PTFE繊維とチタン酸ストロンチウム微粒子とガラス繊維の配合比を50:50:0とし、かつフッ素樹脂繊維一次シートにPTFE樹脂ディスパージョンを吹き付けなかった以外は比較例1と同様にして、比較用のフッ素樹脂プリント配線板を得た。
【0050】
<比較例4>
プリント配線板として、ガラスクロスを基材とし、フッ素樹脂ディスパージョンを含浸して作製された高比誘電率タイプの市販のプリント配線用フッ素樹脂銅張板であるAR1000(アーロン社製)に、比較例1と同様にしてパターンを形成し比較用のフッ素樹脂プリント配線板を得た。
【0051】
実施例1〜、比較例1〜4のフッ素樹脂プリント配線板のパターン形成前の銅張基板に対して下記の評価を行った。
1.比誘電率:JIS C6481に準じて、10MHzにて測定した。
2.吸水率:JIS C6481に準じて測定した。
3.銅箔密着力(引きはがし強さ):JIS C6481に準じて測定した。
4.Z方向熱膨張係数:JIS C6481に準じて測定した。得られたフッ素樹脂プリント配線板の銅箔をエッチングにより除去した試料を、熱分析装置TMAを用いて、25℃から150℃まで2℃/minで昇温させて、厚さ方向(Z方向)の寸法変化を測定し、熱膨張係数を算出した。
5.寸法変化率:加熱処理(150℃/30分)後のX方向、Y方向の寸法変化率をJIS C6481に準じて測定した。
上記項目での評価結果を表1に示す。
【0052】
【表1】
Figure 0003942489
【0053】
表1より、次の諸点が確認された。すなわち、縦方向に採取したフッ素繊維紙状物を90°に直交させて重ね合わせて作製したフッ素樹脂銅張基板の寸法変化率が、同方向に重ね合わせたものより極めて小さく、かつ、X方向とY方向との差がほとんど無いことが明らかとなった。しかも、比較例4のガラスクロスタイプと比較してもX方向、Y方向で、寸法変化率が小さく、かつX方向とY方向との差が小さく、Z方向の熱膨張係数も、同等以下となり得ることが明らかとなった。
また、耐熱性絶縁繊維としてガラス繊維に加えてPBOパルプを使用することにより、基板のZ方向の寸法変化が抑えられることが明らかとなった。
また、無機微粒子を使用しないとZ方向の熱膨張係数が大きくなることが明らかとなった。
また、フッ素樹脂繊維一次シートの表面部分にフッ素樹脂を付着させることにより吸水率が小さく、かつ銅箔密着力が向上することが明らかとなった。
【0054】
【発明の効果】
本発明は、従来の技術に比べて簡単な方法で、比誘電率及び誘電正接の部分的ばらつきがなく、プリント配線板の表面に微少な凹凸がなく平滑で、かつ、X方向、Y方向及びZ方向の寸法安定性が画期的に優れた高比誘電率のフッ素樹脂プリント配線板及びその製造方法を提供することができる。さらには上記特性に加えて、吸水率が小さく、金属箔密着力に優れた高比誘電率のフッ素樹脂プリント配線板及びその製造方法を提供することができる。また、Z方向での原材料の分布が均一で、スルーホールでのメッキ層が均一に形成できるフッ素樹脂プリント配線板及びその製造方法を提供することが出来る。

Claims (9)

  1. フッ素樹脂繊維を主成分とし、少なくとも無機微粒子及び耐熱性絶縁繊維を含有する水系スラリーを湿式抄造して得た一次シートの少なくとも一方の表面部分にフッ素樹脂ディスパージョンを付着させた後、フッ素樹脂の融点以上で熱処理して紙状物とし、該紙状物の少なくとも2枚を縦方向または横方向を基準として90°に直交させて積層した絶縁層と、該絶縁層の少なくとも片面に設けた回路パターンの導電層とを有することを特徴とするフッ素樹脂プリント配線板。
  2. 比誘電率が5〜20であることを特徴とする請求項1に記載のフッ素樹脂プリント配線板。
  3. 前記フッ素樹脂繊維は、ポリテトラフルオロエチレン繊維であることを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載のフッ素樹脂プリント配線板。
  4. 前記無機微粒子は、チタン系セラミック微粒子であることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載のフッ素樹脂プリント配線板。
  5. 前記耐熱性絶縁繊維は、ガラス繊維であることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載のフッ素樹脂プリント配線板。
  6. 前記耐熱性絶縁繊維は、ガラス繊維及びポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のフッ素樹脂プリント配線板。
  7. 前記無機微粒子の配合量は、フッ素樹脂繊維と無機微粒子と耐熱性絶縁繊維の合計量に対して10〜70重量%であることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載のフッ素樹脂プリント配線板。
  8. 前記耐熱性絶縁繊維の配合量は、フッ素樹脂繊維と無機微粒子と耐熱性絶縁繊維の合計に対して3〜40重量%であることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載のプリント配線板用フッ素樹脂積層板。
  9. フッ素樹脂繊維を主成分とし、少なくとも無機微粒子及び耐熱性絶縁繊維を含有する水系スラリーを湿式抄造して一次シート化する工程、該一次シートの少なくとも一方の表面部分にフッ素樹脂ディスパージョンを付着させる工程、該フッ素樹脂の融点以上の温度で熱処理してフッ素樹脂繊維同士及びフッ素樹脂繊維と表面部分のフッ素樹脂とを融着して紙状物とする工程、及び該紙状物の少なくとも2枚を縦方向または横方向を基準として90°に直交させて積層し絶縁層とし、かつ該絶縁層の少なくとも片面に導電性金属箔を配置し導電層とする工程、フッ素樹脂の融点以上の温度で真空加熱プレスしプリント配線板用フッ素樹脂積層板を作製する工程、及び導電層を所望の回路パターンとする工程よりなるフッ素樹脂プリント配線板の製造方法。
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