JP2001035259A - 低誘電性絶縁紙及びその製造方法 - Google Patents

低誘電性絶縁紙及びその製造方法

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JP2001035259A
JP2001035259A JP11205601A JP20560199A JP2001035259A JP 2001035259 A JP2001035259 A JP 2001035259A JP 11205601 A JP11205601 A JP 11205601A JP 20560199 A JP20560199 A JP 20560199A JP 2001035259 A JP2001035259 A JP 2001035259A
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low dielectric
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Takanori Suzuki
孝典 鈴木
Osamu Tsuda
統 津田
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Tomoegawa Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低誘電性で、耐熱性に優れ、シートの寸法安
定性の優れたシートを提供する提供する。 【解決手段】 フッ素樹脂繊維とポリパラフェニレンベ
ンゾビスオキサゾール繊維を主成分とする紙状物におい
て、該紙状物の全重量中に占める該フッ素樹脂繊維の量
が95〜5重量%であり、ポリパラフェニレンベンゾビ
スオキサゾール繊維の量が5〜95重量%であることを
特徴とする低誘電性絶縁紙。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、低誘電率・低誘電
損失率(以下、低誘電性と称する)の絶縁シートに関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】周知のとおり、絶縁体の誘電損失は誘電
率及び誘電損失率に依存し、電磁波伝送の減衰率や伝送
速度も伝送路の誘電特性に左右される。近年、コンピュ
ーター等の高速伝送や衛星放送・通信、移動無線等に要
求される高度の低伝送損失や伝送速度の高速化に対処す
るために、それらに使用する機器の絶縁材、特にプリン
ト回路板のより一層の低誘電率化及び低誘電損失化が要
求されている。高電圧機器の分野では、電力損失の低減
等のために、伝統的に低誘電率化及び低誘電損失化が求
められている。
【0003】
【本発明が解決しようとする課題】周知の通り、有機絶
縁材料中、ポリテトラフルオロエチレンは代表的な低誘
電性材料であり、その誘電率は2.1以下、誘電正接は
0.02%以下であり、通常、フィルムの形態で実用さ
れている。しかしながらポリテトラフルオロエチレンは
非極性材料に属し、併用される含浸樹脂との接着性に劣
り、使用上の制約がある。例えば、プリント回路板の用
途では銅箔との強固な接着性が要求されるが、ポリテト
ラフルオロエチレンではこの対応が難しい。また、機器
の絶縁では低吸湿化等のために樹脂を含浸することが要
求されるが、ポリテトラフルオロエチレンではこの対応
も難しい。従来、フッ素樹脂繊維布に樹脂を含浸した絶
縁シートは公知であるが、フッ素樹脂繊維布の難含浸性
もしくは難接着性のために使用可能な含浸樹脂が制限さ
れ(特公昭63−46098号)、含浸樹脂に起因する
使用条件の制約を免れ得ない。
【0004】上記問題を解決するために、フッ素樹脂繊
維より含浸樹脂に対する親和性若しくは接着性に優れた
絶縁繊維を混抄することが提案されている。そして絶縁
繊維としては、ガラス繊維、芳香族ポリエステル繊維、
全芳香族ポリアミド繊維、ポリフェニレンスルフィド繊
維、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維が
使用できるとされている。しかし、ポリパラフェニレン
ベンゾビスオキサゾール繊維以外の上記絶縁繊維を使用
することに対して以下に示す問題点が挙げられる。
【0005】すなわち、フッ素樹脂繊維と絶縁繊維とを
シート化する工程においては、まず地合及び薄葉化のた
めに湿式抄紙法を用い、フッ素樹脂繊維と絶縁繊維との
混抄シートを作製する。次にフッ素樹脂繊維の融点以上
の温度で熱処理して紡糸時のビスコース及び抄紙時の結
着材を熱分解させ除去すると共に繊維の交点を融着させ
る焼成工程、およびその後のフッ素樹脂繊維の融点以上
の温度にて残存カーボンを酸化除去する漂白工程の両工
程を経てシート化される。この場合、絶縁繊維にガラス
繊維を使用すると、ガラス繊維は上記温度下での耐熱性
が十分であり、フッ素繊維の熱収縮によるシートの収縮
を抑える支持体としての機能を有する反面、ガラス繊維
は誘電率が高く、混抄によってシートの誘電率を上げて
しまう欠点がある。また、絶縁繊維に芳香族ポリエステ
ル繊維、全芳香族ポリアミド繊維、ポリフェニレンスル
フィド繊維を使用した場合、上記焼成工程及び漂白工程
での熱処理温度下での耐熱性に問題があり、溶融、熱分
解または熱劣化によってシートの熱収縮を抑える支持体
の役割を果たさなくなる。
【0006】また、フッ素樹脂繊維に混抄する絶縁繊維
としてポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維
を使用する場合も、樹脂の含浸を前提とすると、どの程
度の混抄が良いか明確ではなかった。本発明者らは、ポ
リパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維は分解温
度650℃、誘電率3.0、その他耐熱性・耐炎性・耐
薬品性・耐湿性・強度等に優れた高分子繊維であるの
で、フッ素樹脂繊維とポリパラフェニレンベンゾビスオ
キサゾール繊維の混抄によって上記誘電率を上げる問題
及び熱処理でのシートの熱収縮の問題に対して改善でき
る点に着目し、かつ、ポリパラフェニレンベンゾビスオ
キサゾール繊維をフィブリル化することによりシート強
度を上げることができる点に着目し、より優れた低誘電
性絶縁紙を生みだしたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明者らは
前記問題点を解決するために種々の検討の結果、フッ素
樹脂繊維とポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール
繊維とを混抄することにより、シート化の熱処理工程で
のシートの寸法安定性、シート化後の寸法安定性に優
れ、シート強度が強く、且つ低誘電率である低誘電性絶
縁紙及びその製造方法を生み出すに至ったものである。
【0008】本発明は具体的には以下に記載のとおりで
ある。請求項1の発明は、フッ素樹脂繊維とポリパラフ
ェニレンベンゾビスオキサゾール繊維を主成分とする紙
状物において、該紙状物の全重量中に占める該フッ素樹
脂繊維の量が95〜5重量%であり、ポリパラフェニレ
ンベンゾビスオキサゾール繊維の量が5〜95重量%で
あることを特徴とする低誘電性絶縁紙であり、請求項2
の発明は、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール
繊維がフィブリル化されていることを特徴とする請求項
1記載の低誘電性絶縁紙であり、請求項3の発明は、ポ
リパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維がフィブ
リル化されていないことを特徴とする請求項1記載の低
誘電性絶縁紙であり、請求項4の発明は、低誘電性絶縁
紙の誘電率が2.90以下であることを特徴とする請求
項1記載の低誘電性絶縁紙であり、請求項5の発明は、
フッ素樹脂繊維とポリパラフェニレンベンゾビスオキサ
ゾール繊維とを湿式抄造法により混抄し乾燥して得た混
抄紙を、フッ素樹脂繊維の融点以上、ポリパラフェニレ
ンベンゾビスオキサゾール繊維の分解点以下の温度内で
加熱し、該繊維の結合点を融着して得る低誘電性絶縁紙
の製造方法であり、請求項6の発明は、フッ素樹脂繊維
とポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維とを
湿式抄造法により混抄し乾燥して得た混抄紙を、フッ素
樹脂繊維の融点以上、ポリパラフェニレンベンゾビスオ
キサゾール繊維の分解点以下の温度で加熱し、該繊維の
結合点を融着した後に、熱圧着処理を施して得ることを
特徴とする低誘電性絶縁紙の製造方法である。
【0009】本発明に於て、フッ素樹脂繊維としてはポ
リテトラフルオロエチレン繊維が使用でき、このポリテ
トラフルオロエチレン繊維はビスコース中にポリテトラ
フルオロエチレン粉末を分散させエマルジョン紡糸する
ことにより得ることができる。本発明に使用できるフッ
素樹脂繊維は、上記ポリテトラフルオロエチレン繊維以
外に、テトラフルオロエチレン/パーフルオロアルキル
ビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン/ヘ
キサフルオロプロピレン/パーフルオロアルキルビニル
エーテル共重合体、テトラフルオロエチレン/ヘキサフ
ルオロプロピレン共重合体、ポリクロロトリフルオロエ
チレン、テトラフルオロエチレン/エチレン共重合体、
クロロトリフルオロエチレン/エチレン共重合体の含フ
ッ素系高分子の繊維も使用できる。中でもより低い誘電
率の絶縁紙を得るには、フッ素樹脂繊維としてポリテト
ラフルオロエチレン繊維を用いることが好ましい。
【0010】絶縁繊維として使用するポリパラフェニレ
ンベンゾビスオキサゾール繊維は、引張り強度等のシー
ト強度を上げるためには、フィブリル化したものを使用
することが好ましい。フィブリル化のための手段として
は、一般的な叩解機であるボールミル、ビーター、ラン
ペンミル、PFIミル、SDR、DDR、その他リファ
イナー等を使用する。叩解度合いは、シート強度との関
係で決定される。強いシート強度が必要な場合は、叩解
の程度を進めたポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾ
ール繊維を用いるのが好ましい。また、熱処理工程での
シートの熱収縮を防止し、又、樹脂の含浸性を向上する
ためにはフィブリル化をしない方が好ましい。
【0011】上記フッ素樹脂繊維やポリパラフェニレン
ベンゾビスオキサゾール繊維の直径は、通常5μm〜1
00μm、好ましくは10μm〜50μm、長さは0.
1mm〜10mm、好ましくは3mm〜6mmを用い
る。低誘電性絶縁紙の地合を良くするために、ポリパラ
フェニレンベンゾビスオキサゾール繊維の叩解を進め
て、より短い繊維長の繊維を混合して用いることができ
る。
【0012】本発明における低誘電性絶縁紙の誘電率
は、JIS C6481(比誘電率及び誘電正接)に準
拠した測定方法で行い、周波数1MHzの静電容量を測
定して求めた値が2.90以下であることが好ましい。
なお、この場合における誘電率の測定は、低誘電性絶縁
紙を真空プレス機を用いて、温度380℃,圧力50K
g/cm2 の条件で熱圧着処理を施したものに対して
行った。この場合フッ素樹脂繊維より絶縁繊維として使
用するポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維
の誘電率の方が高いので、ポリパラフェニレンベンゾビ
スオキサゾール繊維の含有量が多いほど誘電率が高くな
り、フッ素樹脂繊維が少ないほど熱処理後の繊維間の融
着が不十分でシート強度が弱くなる。逆に、ポリパラフ
ェニレンベンゾビスオキサゾール繊維の含有量が少ない
と、寸法安定性及び樹脂含浸性が困難になる。
【0013】本発明者の検討したところによれば、フッ
素樹脂繊維が95重量%より多く、、ポリパラフェニレ
ンベンゾビスオキサゾール繊維が5重量%より少ない場
合は、誘電率は小さいが製品の寸法安定性が悪く、樹脂
含浸性も悪くなり過ぎ好ましくない。また逆にフッ素樹
脂繊維が5重量%より少なく、ポリパラフェニレンベン
ゾビスオキサゾール繊維が95重量%より多い場合は、
寸法安定性及び樹脂含浸性はよいが誘電率が大きくなり
過ぎ好ましくない。よって本発明ではフッ素樹脂繊維の
量が95〜5重量%、ポリパラフェニレンベンゾビスオ
キサゾール繊維の量が5〜95重量%が好ましい。より
好ましくはフッ素樹脂繊維の量が90〜10重量%、ポ
リパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維の量が1
0〜90重量%である。
【0014】本発明の低誘電性絶縁紙の製造方法は、通
常の製紙に用いられる湿式抄造法が用いられる。すなわ
ち、本発明の製造方法は、原材料繊維であるフッ素樹脂
繊維及び絶縁繊維であるポリパラフェニレンベンゾビス
オキサゾール繊維をそれぞれ規定量秤量し、水中で攪拌
し混合離解し、好ましくは、固形分濃度が0.5%以下
になるように濃度調整したスラリーを長網式、円網式等
の湿式抄造機に適用し、連続したワイヤーメッシュ状の
脱水パートで脱水し、その後、多筒式ドライヤーやヤン
キードライヤーで乾燥し一次シートを得る。該一次シー
トをフッ素樹脂繊維の融点以上の温度で熱処理して紡糸
時のビスコース及び抄紙時の結着材を熱分解させ除去す
ると共に繊維の交点を融着させ、低誘電性絶縁紙を得
る。あるいは、その後、フッ素樹脂繊維の融点以下の温
度にて残存カーボンを酸化除去する漂白工程を経て、低
誘電性絶縁紙を得る。
【0015】更にシート強度を向上させるために、熱処
理後にシートを熱圧着ロールあるいはプレス機に適用す
ることもできる。熱圧処理することによって、ポリパラ
フェニレンベンゾビスオキサゾール繊維の絡み合いが強
固になりシート強度が向上する。
【0016】また、本発明の低誘電性絶縁紙には通常の
製紙に用いられる各種の紙力増強剤、分散剤、消泡剤、
合成粘剤や顔料成分等の添加剤を配合することができ
る。このようにして得られた本発明の低誘電性絶縁紙
は、不織布の製造に使われる乾式法と比較して、厚みが
薄く地合が均一という優れた特長を有している。
【0017】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施例について説
明する。
【0018】(実施例1)ポリテトラフルオロエチレン
繊維(東レファインケミカル社製、商品名:トヨフロ
ン、繊維長3mm)(PTFE繊維)50重量%とフィ
ブリル化したポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾー
ル繊維(東洋紡績社製、商品名:ザイロン、繊維長5m
m)(PBO繊維)50重量%を水に分散させ、この水
分散液を長網式抄紙機にて抄紙して、混抄紙を得、この
混抄紙をポリテトラフルオロエチレン繊維の融点以上で
ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維の分解
温度以下の温度、すなわち500℃で2分間熱処理して
紡糸時のビスコースを熱分解させ除去すると共に繊維の
交点を融着させ、更にポリテトラフルオロエチレン繊維
の融点以下の温度(300℃)にて数10時間加熱し残
存カーボンを酸化除去して厚さ100μmの本発明の低
誘電性絶縁紙を得た。
【0019】(実施例2)混抄紙の配合比率をポリテト
ラフルオロエチレン繊維90重量%とポリパラフェニレ
ンベンゾビスオキサゾール繊維10重量%とした以外は
実施例1と同様にして本発明の低誘電性絶縁紙を得た。
【0020】(実施例3)混抄紙の配合比率をポリテト
ラフルオロエチレン繊維70重量%とポリパラフェニレ
ンベンゾビスオキサゾール繊維30重量%とした以外は
実施例1と同様にして本発明の低誘電性絶縁紙を得た。
【0021】(実施例4)混抄紙の配合比率をポリテト
ラフルオロエチレン繊維30重量%とポリパラフェニレ
ンベンゾビスオキサゾール繊維70重量%とした以外は
実施例1と同様にして本発明の低誘電性絶縁紙を得た。
【0022】(実施例5)混抄紙の配合比率をポリテト
ラフルオロエチレン繊維10重量%とポリパラフェニレ
ンベンゾビスオキサゾール繊維90重量%とした以外は
実施例1と同様にして本発明の低誘電性絶縁紙を得た。
【0023】(実施例6)実施例1で得た絶縁紙に対
し、熱処理を行って得た低誘電率絶縁紙を、約270℃
に加熱調整した熱カレンダーを用いて、圧力200Kg
/cmの条件で熱圧着処理を行った以外は、実施例1と
同様にして本発明の低誘電性絶縁紙を得た。
【0024】(比較例1)混抄紙の配合比率をポリテト
ラフルオロエチレン繊維97重量%、ポリパラフェニレ
ンベンゾビスオキサゾール繊維3重量%とした以外は実
施例1と同様にして比較用の低誘電性絶縁紙を得た。
【0025】(比較例2)混抄紙の配合比率をポリテト
ラフルオロエチレン繊維3重量%、ポリパラフェニレン
ベンゾビスオキサゾール繊維97重量%とした以外は、
実施例1と同様にして比較用の低誘電性絶縁紙を得た。
【0026】これらの実施例及び比較例の各低誘電性絶
縁紙について、シート強度及び熱処理前後の寸法変化率
を測定したところ、表1のとおりであった。また、電気
特性に関しては、実施例及び比較例の各低誘電性絶縁紙
を、真空プレス機を用いて、温度380℃,圧力50K
g/cm2 の条件で熱圧着処理を行った後に、25
℃、50Hz、1MHzで誘電率及び誘電正接を測定し
た。その結果も表1に示す。表1に於いてPTFE繊維
はポリテトラフルオロエチレン繊維、PBO繊維はポリ
パラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維を示す。こ
の場合のシート強度はJIS P8113に準拠した方
法により測定し、一方,寸法変化率は下記の方法で測定
した。すなわち、試料を200mm(ヨコ)×250m
m(タテ)に裁断し、熱風乾燥炉に500℃で2分間放
置後のタテ方向の寸法(X)を測定し、下記式で算出し
た。 寸法変化率(%)=(250−X)×100/250
【0027】
【表1】
【0028】上記比較例1によるものでは寸法安定性が
悪くなり、比較例2によるものではシート強度が悪くな
った。これに対して、実施例の品に於ては、誘電率が低
く、かつシート強度及び寸法安定性に優れた低誘電性絶
縁紙となった。また実施例6のように熱圧処理を施すこ
とによってシート強度の向上が認められた。
【0029】(比較例3)実施例1に対し、ポリパラフ
ェニレンベンゾビスオキサゾール繊維に代えて、溶融液
晶芳香族ポリエステル繊維(クラレ社製、商品名:ベク
トラン、繊維長5mm、耐熱温度260℃)を使用した
以外、実施例1と同様にしてシートを得た。
【0030】(比較例4)実施例1に対し、ポリパラフ
ェニレンベンゾビスオキサゾール繊維に代えて、ガラス
繊維(ユニチカグラスファイバー社製、商品名:UPD
E06ZA508、繊維長6mm)を使用した以外、実
施例1と同様にしてシートを得た。
【0031】表2に比較例3及び4の試験結果を示す
が、比較例3によるものでは寸法安定性が悪くなり、比
較例4によるものでは誘電率が2.90より高くなっ
た。
【0032】
【表2】
【0033】
【発明の効果】本発明に係る低誘電性絶縁紙において
は、繊維基材に低誘電率・低誘電損失率のよい特長をも
つフッ素樹脂繊維と耐熱性・低誘電率のよい特長をもつ
ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維を含有
する混抄紙を用いているため、そのフッ素樹脂繊維のた
めに低誘電性を保証でき、また混抄紙にフッ素樹脂繊維
より含浸樹脂にたいする親和性若しくは結着性に優れた
ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維を含有
しているために、繊維基材と含浸樹脂とを強固に且つ安
定に結着でき、また、ポリパラフェニレンベンゾビスオ
キサゾール繊維は耐熱性に優れているために、熱処理工
程でのシートの寸法安定化、シートの低誘電率化が可能
となる。また、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾ
ール繊維をフィブリル化することによって、更なるシー
トの強度向上が可能となる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フッ素樹脂繊維とポリパラフェニレンベ
    ンゾビスオキサゾール繊維を主成分とする紙状物におい
    て、該紙状物の全重量中に占める該フッ素樹脂繊維の量
    が95〜5重量%であり、ポリパラフェニレンベンゾビ
    スオキサゾール繊維の量が5〜95重量%であることを
    特徴とする低誘電性絶縁紙。
  2. 【請求項2】 ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾ
    ール繊維がフィブリル化されていることを特徴とする請
    求項1記載の低誘電性絶縁紙。
  3. 【請求項3】 ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾ
    ール繊維がフィブリル化されていないことを特徴とする
    請求項1記載の低誘電性絶縁紙。
  4. 【請求項4】 低誘電性絶縁紙の誘電率が2.90以下
    であることを特徴とする請求項1記載の低誘電性絶縁
    紙。
  5. 【請求項5】 フッ素樹脂繊維とポリパラフェニレンベ
    ンゾビスオキサゾール繊維とを湿式抄造法により混抄し
    乾燥して得た混抄紙を、フッ素樹脂繊維の融点以上、ポ
    リパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維の分解点
    以下の温度で加熱し、該繊維の結合点を融着して得るこ
    とを特徴とする低誘電性絶縁紙の製造方法。
  6. 【請求項6】 フッ素樹脂繊維とポリパラフェニレンベ
    ンゾビスオキサゾール繊維とを湿式抄造法により混抄し
    乾燥して得た混抄紙を、フッ素樹脂繊維の融点以上、ポ
    リパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維の分解点
    以下の温度で加熱し、該繊維の結合点を融着した後に、
    熱圧着処理を施して得ることを特徴とする低誘電性絶縁
    紙の製造方法。
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