JP2000231935A - ポリマー電解質及びそれを用いた非水系電池 - Google Patents
ポリマー電解質及びそれを用いた非水系電池Info
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Abstract
適した、高耐熱性、高膜強度、高保液性、良薄膜形成性
および高電気化学的安定性を有するポリマー電解質を得
る。 【解決手段】 下記フッ化ビニリデン共重合体(A)3
0〜95重量%と下記フッ化ビニリデン共重合体(B)
70〜5重量%とからなるフッ化ビニリデン系重合体組
成物と、非水系電解液とからなるポリマー電解質; フッ化ビニリデン共重合体(A):フッ化ビニリデン単
量体を70〜97重量%含み、フッ化ビニリデンと共重
合可能な少なくとも一種の単量体を3〜30重量%含
み、固有粘度が1.0〜10dl/gであり、且つ溶融
結晶化熱量が24J/g以上であるフッ化ビニリデン共
重合体、およびフッ化ビニリデン共重合体(B):フッ
化ビニリデン単量体を50〜95重量%含み、フッ化ビ
ニリデンと共重合可能な少なくとも一種の単量体を5〜
50重量%含み、固有粘度が1.0〜20dl/gであ
り、且つ溶融結晶化熱量が20J/g以下であるフッ化
ビニリデン共重合体。
Description
リチウムイオン電池、を形成するに適したポリマー電解
質及び該電解質を含む非水系電池に関する。
の機器が小型軽量化されてきている。この電子機器の小
型軽量化と相まって、その電源となる電池の小型軽量化
の要望も非常に大きくなってきている。少ない容積及び
重量でより大きなエネルギーを得ることが出来る電池と
して、リチウムを用いた非水系二次電池が、主として携
帯電話やパーソナルコンピュータ、ビデオカムコーダー
などの家庭で用いられる小型電子機器の電源として用い
られてきた。このリチウム非水系二次電池の0.5mm
程度の超薄型化などの形状自由度を高めることを目的
に、ポリマー電解質電池の開発が活発に行われている。
ン伝導率が低く電池の放電容量が小さくなるなど電池へ
の応用に要求される特性を満たしがたい。これに対し、
電解液を含んだポリマーゲル電解質は、イオン伝導率が
高いことから注目されている。このようなポリマー電解
質として、米国特許5296318号明細書に、8重量
%以上25重量%以下の6フッ化プロピレンを共重合し
たフッ化ビニリデン系共重合体を用いたポリマー電解質
が報告されている。また、前記共重合体により多くの電
解液を含浸する技術として、米国特許5456000号
明細書に、前記共重合体と可塑剤を混合後、可塑剤を抽
出し、非水系電解液を含浸する技術が開示されている。
この技術によれば、非水系電解液を多く含浸することが
可能であるが、非水系電解液を多く含浸した場合、ポリ
マー電解質の強度が低下し、超薄型化などの形状自由度
が失われる問題点があった。また、この技術では、可塑
剤抽出工程が必須であり、生産性に劣る問題がある。さ
らに、可塑剤を完全に抽出することは困難であり、ポリ
マー電解質中に残存した可塑剤が、それを用いて作製し
た電池の性能に悪影響を与えるという問題もあった。
るためには、イオン伝導率を高めるために多くの電解液
を含有することが出来、かつ強度の強いポリマーゲル電
解質が必須である。しかしながら、ゲルの強度は多くの
電解液を含有すると低下し、ゲル強度と電解液の含有量
を両立することが出来ず、形状自由度の高いポリマー電
解質電池を得るための適したポリマーゲル電解質は知ら
れていなかった。
めることが重要と考えられる。ゲルの弾性率の支配因子
に関しては、ポリマー濃度を高くすると高弾性率化する
こと(この場合、ポリマー電解質中の非水系電解液量が
減るので実用的でない)以外は不明な点が多く、Roc
has C.et al CarbohydrateP
olymers 12,255−266(1990)で
はκ.carrageenanns ゲルで、ポリマー
の分子量を高めても弾性率が変わらない事が報告されて
いる。このように、ゲル強度を上げる一般的指導原理と
しては、ポリマー濃度を高くすること以外知られていな
いのが実情である。したがって、実用的な、非水系電解
液を多く含浸することができ、かつ強度が優れたポリマ
ー電解質は知られていなかった。
は、これを安定に保持して、ポリマー電解質外に漏出す
ることを防止する必要がある。もし非水系電解液を安定
に保持できずに漏液が多量に起るとすれば、周辺機器の
損傷並びに電気的特性の悪化が避けられないからであ
る。
液を多く含浸して安定に保持することができ、かつ強度
が優れたポリマー電解質を提供し、更にこれを用いて形
状自由度が大きな非水系電池を提供することを目的とす
る。
ば、上述の目的達成のためには、組成、分子量および結
晶化度を特定した少なくとも二種のフッ化ビニリデン共
重合体からなるフッ化ビニリデン系重合体組成物を用い
て、ポリマー電解質を形成することが極めて好ましいこ
とが見出された。すなわち、本発明のポリマー電解質
は、下記フッ化ビニリデン共重合体(A)30〜95重
量%と下記フッ化ビニリデン共重合体(B)70〜5重
量%とからなるフッ化ビニリデン系重合体組成物と、非
水系電解液とからなることを特徴とするものである。
ビニリデン単量体を70〜97重量%含み、フッ化ビニ
リデンと共重合可能な少なくとも一種の単量体を3〜3
0重量%含み、インヘレント粘度が1.0〜10dl/
gであり、且つ溶融結晶化熱量が24J/g以上である
フッ化ビニリデン共重合体、および フッ化ビニリデン共重合体(B):フッ化ビニリデン単
量体を50〜95重量%含み、フッ化ビニリデンと共重
合可能な少なくとも一種の単量体を5〜50重量%含
み、インヘレント粘度が1.0〜20dl/gであり、
且つ溶融結晶化熱量が20J/g以下であるフッ化ビニ
リデン共重合体。ここでいうインヘレント粘度とは、ポ
リマーの分子量の目安として用いるものであり、試料樹
脂ないしは共重合体4gを1リットルのN,N−ジメチ
ルホルムアミドに溶解させた溶液の30℃における対数
粘度をいう。また、溶融結晶化熱量とは、試料樹脂ない
しフッ化ビニリデン共重合体を200℃の溶融状態から
20℃/分で冷却して固化した際の結晶化に伴う単位重
量当りの放出熱量をいい、大なる程高い結晶化度である
ことを示す。
発明のポリマー電解質のマトリクス樹脂として機能する
フッ化ビニリデン系重合体組成物は、上記したような特
定のフッ化ビニリデン共重合体(A)と(B)とから形
成される。
ー電解質の機械強度向上のために必須の成分であり、フ
ッ化ビニリデン単量体を70重量%以上97重量%以下
含み、かつフッ化ビニリデン単量体と共重合可能な一種
または複数種からなる単量体を3重量%以上30重量%
以下含み、かつインヘレント粘度が1.0dl/g以上
10dl/g以下、かつ溶融結晶化熱量が24J/g以
上であるフッ化ビニリデン系共重合体である。(なお、
共重合体中における、単量体とは、当然に重合された形
態での単量体単位のことであるが、本明細書では、便宜
上、単に単量体と表現する。)共重合体(A)中のフッ
化ビニリデン単量体量が、70重量%未満では得られる
ポリマー電解質の機械強度が弱くなる傾向にあり、97
重量%を超えると得られるポリマー電解質の柔軟性が欠
ける傾向にあり、好ましくない。インヘレント粘度が高
い方が強度の強いポリマー電解質が得られる傾向にある
が、ある程度以上のインヘレント粘度で強度は飽和傾向
にあり、またインヘレント粘度が10dl/gを越える
と揮発性溶媒に溶解して濃厚溶液にし難いという、ポリ
マー電解質作製上の問題が生じる。共重合体(A)のイ
ンヘレント粘度が1.0dl/g未満であると、ゲル強
度が弱く、薄型電池にして折り曲げた場合に正極・負極
の短絡の恐れがあり、また液保持性が悪くなり、液の滲
みだしの恐れがある。溶融結晶化熱量が24J/g未満
では得られるポリマー電解質の機械強度が弱くなる傾向
にある。
液保持性向上のために必須の成分であり、フッ化ビニリ
デン単量体を50重量%以上95重量%以下含み、かつ
フッ化ビニリデン単量体と共重合可能な一種または複数
種からなる単量体を5重量%以上50重量%以下含み、
かつインヘレント粘度が1.0dl/g以上20dl/
g以下、かつ溶融結晶化熱量が20J/g以下であるフ
ッ化ビニリデン共重合体である。共重合体(B)中のフ
ッ化ビニリデン単量体が、50重量%未満では得られる
ポリマー電解質の機械強度が弱くなる傾向にあり、95
重量%を超えると、得られるポリマー電解質の柔軟性が
欠ける傾向にあり、好ましくない。インヘレント粘度が
高い方が強度の強いポリマー電解質が得られる傾向にあ
るが、ある程度以上のインヘレント粘度で強度は飽和傾
向にあり、またインヘレント粘度が20dl/gを越え
ると比較的結晶化度の低い共重合体(B)であっても揮
発性溶媒に溶解して濃厚溶液にし難いという、ポリマー
電解質作製上の問題が生じる。共重合体(B)のインヘ
レント粘度が1.0dl/g未満であると、ゲル強度が
弱く、薄型電池にして折り曲げた場合に正極・負極の短
絡の恐れがあり、また液保持性が悪くなり、液の滲みだ
しの恐れがある。溶融結晶化熱量が20J/gを超える
と、液保持性が悪くなり、液の滲みだしの恐れがある。
(A)30〜95重量%と、上記共重合体(B)70〜
5重量%とからなるフッ化ビニリデン系重合体組成物を
使用することが必須である。A成分量が30重量%未満
では得られるポリマー電解質の機械強度が弱くなる傾向
にあり、95重量%を超えると、得られるポリマー電解
質の電解液保持性が欠ける傾向にあり、好ましくない。
本発明のポリマー電解質を構成するフッ化ビニリデン系
重合体組成物は、上記共重合体(A)および(B)のみ
からなることが好ましいが、これら共重合体の個々の組
成を満たす範囲で比較的少量(例えば全量の30重量%
まで)のフッ化ビニリデン単独重合体または/および他
のフッ化ビニリデン共重合体等の他の樹脂を使用するこ
とは差し支えない。
ニリデン共重合体は、ゲル膜の作製が容易な上、例えば
ポリマーの300重量%以上という多量の電解液を保持
したゲル状態(ゲル中の電解液量75重量%以上)で
も、液保持性が良くかつ強い膜強度を示すので、ポリマ
ー電解質を有する非水系電池に好適に用いることができ
る。本発明のポリマー電解質は通常50重量%から85
重量%の多量の電解液を保持した状態で使用可能なもの
である。
は、電解液量が増えるほど高くなる傾向があり、例えば
前記米国特許5296318号明細書中の記載を例に挙
げれば、ゲル中の電解液量が20重量%から70重量
%、実質的には40重量%から60重量%の範囲におい
ては10-5S/cmから10-3S/cmを示すことが明
らかにされている。したがって電解液量がポリマー電解
質中の50重量%から85重量%というより高い電解液
含浸量が得られる本発明のポリマー電解質のゲルが実電
池材料として十分に機能するイオン導電率が保証され
る。特に本発明では実施例に示すように75重量%もの
電解液量を安定に保持した上に、十分なゲル強度を実現
できるという利点がある。
しては、例えばエチレン、プロピレン、等の炭化水素系
単量体、フッ化ビニル、3フッ化エチレン、3フッ化塩
化エチレン、4フッ化エチレン、6フッ化プロピレン、
フルオロアルキルビニルエーテル、等の含フッ素単量
体、マレイン酸モノメチル、シトラコン酸モノメチル、
等のカルボキシル基含有単量体、またはアリルグリシジ
ルエーテル、クロトン酸グリシジルエステル、等のエポ
キシ基含有ビニル単量体、が挙げられるが、必ずしもこ
れらに限定されるものではない。中でも6フッ化プロピ
レンや3フッ化塩化エチレンを含むフッ化ビニリデン系
共重合体が好ましく用いられる。
なるマトリックス樹脂とともに本発明のゲル状ポリマー
電解質を形成する非水系電解液としては、例えばリチウ
ム塩などの電解質を、非水系溶媒(有機溶媒)100重
量部に対し、5〜30重量部の割合で溶解させたものを
用いることができる。
AsF6、LiClO4、LiBF4、LiCl、LiB
r、LiCH3SO3、LiCF3SO3、LiN(CF3
SO2) 2、LiC(CF3SO2)3、等がある。また、
電解質の有機溶媒としてはプロピレンカーボネート、エ
チレンカーボネート、1,2−ジメトキシエタン、1,
2−ジエトキシエタン、ジメチルカーボネート、ジエチ
ルカーボネート、メチルエチルカーボネート、γ−ブチ
ロラクトン、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチ
ル、及びこれらの混合溶媒などが用いられるが、必ずし
もこれらに限定されるものではない。
ニリデン系重合体組成物と、非水電解液とから、例えば
以下のようにして形成される。まず、前記のように電解
質を有機溶媒に溶解して非水電解液を形成する。次にフ
ッ化ビニリデン系重合体組成物あるいはその成分樹脂
を、揮発性の有機溶媒に溶解した溶液を調製し、上記非
水電解液と混合する。更に前記揮発性の有機溶媒を揮発
させる工程を経てフィルム状のポリマー電解質を得る。
このとき用いる揮発性の有機溶媒としては、比較的低い
温度で高い蒸気圧を有し、揮発しやすく且つフッ化ビニ
リデン系共重合体をよく溶解するものが好ましい。テト
ラヒドロフラン、メチルテトラヒドロフラン、アセト
ン、メチルエチルケトン、1,3−ジオキソラン、シク
ロヘキサノン、等が用いられるが、必ずしもこれらに限
定されるものではない。
く用いられるプロピレンカーボネート、エチレンカーボ
ネート、ジメチルカーボネートなどはそれ自身がフッ化
ビニリデン系共重合体の溶媒として用いることが可能で
あるので、揮発性の有機溶媒を用いることなくポリマー
電解質を構成することが可能である。この場合は、予め
フッ化ビニリデン系共重合体を有機溶媒で溶解した溶液
の中に電解質を加えて更に溶解することも可能である
し、フッ化ビニリデン系共重合体と電解質を同時に有機
溶媒で溶解することも可能である。フッ化ビニリデン系
共重合体と電解質を溶解させた溶液を室温に冷やしてゲ
ル化させフィルム状のポリマー電解質からなる膜構造物
を得る。
断面図を示すように、一般的にはシート状に形成された
ポリマー電解質1を一対の正極2(2a:集電基体、2
b:正極合剤層)および負極3(3a:集電基体、3
b:負極合剤層)間に挾持された形態で配置することに
より得られる。
った場合、シート状ポリマー電解質1は、厚さ2〜10
00μm、特に10〜200μm程度であることが好ま
しく、フッ化ビニリデン系共重合体100重量部に対し
て、10〜1000重量部、特に100〜500重量部
の割合で非水電解液を含浸させたものが好ましく用いら
れる。
電解質を架橋することが可能である。化学的に架橋する
手段としては、フッ化ビニリデン系と他の単量体を共重
合して得られたフッ素ゴムの加硫法が好適に用いられ
る。即ち、より具体的にはポリアミン類や、ポリオール
類や、多官能性架橋剤と、ラジカル発生剤を添加して行
うことが可能である。
法としては、電子線やガンマー線を照射して架橋構造を
導入する手段が好適に用いられる。このときの放射線量
としては10〜500kGy程度が好適である。また、
この放射線架橋の効果を増大するために、予め、ポリマ
ー電解質の中に多官能性架橋剤を添加することも好適に
用いられる。
銅、アルミニウム、ニッケル、チタン等の金属箔あるい
は金属網等からなり、厚さが5〜100μm、小規模の
場合には例えば5〜20μmとなるような集電基体2
a、3aの例えば一面に、例えば厚さが10〜1000
μmの正極合剤層2b、負極合剤層3bを形成すること
により得られる。
方法の一例としては、上述したフッ化ビニリデン系共重
合体を含む一般的なフッ化ビニリデン系重合体と電解液
を揮発性の有機溶媒に溶解した溶液、例えば100重量
部に対し、粉末電極材料(正極または負極活物質及び必
要に応じて加えられる導電助剤、その他の助剤)1〜2
0重量部を分散させて得られた電極合剤スラリーを塗布
乾燥する方法を挙げることができる。
は、正極の場合は、一般式LiMY 2(Mは、Co、N
i、Fe、Mn、Cr、V等の遷移金属の少なくとも一
種:YはO、S等のカルコゲン元素)で表わされる複合
金属カルコゲン化合物、特にLiNixCo1-xO2(0
≦x≦1)をはじめとする複合金属酸化物やLiMn2
O4などのスピネル構造をとる複合金属酸化物が好まし
い。
るいはフェノール樹脂やピッチ等を焼成炭化したもの、
さらには椰子殻活性炭等の炭素質物質に加えて、金属酸
化物系のGeO、GeO2、SnO、SnO2、PbO、
PbO2、SiO、SiO2等、或いはこれらの複合金属
酸化物等が用いられる。
積層シート状電池体は、必要に応じて、捲回し、折り返
し等により更に積層して、容積当たりの電極面積を増大
させ、さらには比較的簡単な容器に収容して取り出し電
極を形成する等の処理により、例えば、角形、円筒型、
コイン型、ペーパー型等の全体構造を有する非水系電池
が形成される。
更に具体的に説明する。 <特性の評価方法> [溶融結晶化熱量]Mettler社製「DSC30」
で試料樹脂を200℃から20℃/分で冷却したときの
結晶化熱量を測定した。 [強度]ASTM D882に準じて、試験長さ20m
m、試験幅10mmでTOYOBALDWIN製TEN
SILON UTM−III−100を用いて引張速度
100mm/minで引っ張り強度を測定した。 [電解液保持性]50mm×50mmの試験片を切り取
り秤量後、−18℃で2週間保存した後、室温に戻し膜
表面を軽く拭いて膜表面の電解液を除去し秤量すること
により、滲み出しによる重量減少率を求め、電解液保持
性を評価した。ここで重量減少率とは、((保存前重量
−保存後重量)/保存前重量)×100であり、数値が
小さいほど電解液保持性が経時的に安定であることを示
す。
ブに、イオン交換水1075g、メチルセルロース0.
21g、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート2.
94g、フッ化ビニリデン382g及び6フッ化プロピ
レン38gを仕込み、29℃で9時間懸濁重合を行っ
た。重合完了後、重合体スラリーを脱水、水洗後80℃
で20時間乾燥して重合体粉末を得た。重合率は、89
重量%で、得られた重合体のインヘレント粘度は1.9
であり、溶融結晶化熱量は、26.1J/gであった。
以下、上記で得られたフッ化ビニリデン共重合体(A)
相当のポリマーをポリマーAと呼ぶ。
B〜Eで得られたポリマーB〜Eのそれとともにまとめ
て後記表1に示す。
オートクレーブに、イオン交換水1075g、メチルセ
ルロース0.42g、ジイソプロピルパーオキシジカー
ボネート3.15g、フッ化ビニリデン336g及び6
フッ化プロピレン84gを仕込み、29℃で18時間懸
濁重合を行った。重合完了後、重合体スラリーを脱水、
水洗後80℃で20時間乾燥して重合体粉末を得た。重
合率は、88重量%で、得られた重合体のインヘレント
粘度は1.9であり、溶融結晶化熱量は、18.6J/
gであった。以下、上記で得られたフッ化ビニリデン共
重合体(B)相当のポリマーをポリマーBと呼ぶ。
オートクレーブに、イオン交換水1075g、メチルセ
ルロース0.42g、ジイソプロピルパーオキシジカー
ボネート2.52g、フッ化ビニリデン294g及び6
フッ化プロピレン126gを仕込み、28℃で27時間
懸濁重合を行った。重合完了後、重合体スラリーを脱
水、水洗後80℃で20時間乾燥して重合体粉末を得
た。重合率は、81重量%で、得られた重合体のインヘ
レント粘度は1.6であり、溶融結晶化熱量は、12.
5J/gであった。以下、上記で得られた共重合体
(B)相当のポリマーをポリマーCと呼ぶ。
オートクレーブに、イオン交換水1075g、メチルセ
ルロース0.42g、ジイソプロピルパーオキシジカー
ボネート3.78g、フッ化ビニリデン252g及び6
フッ化プロピレン168gを仕込み、29℃で42時間
懸濁重合を行った。重合完了後、重合体スラリーを脱
水、水洗後80℃で20時間乾燥して重合体粉末を得
た。重合率は、89重量%で、得られた重合体のインヘ
レント粘度は1.0であり、溶融結晶化熱量は、10.
2J/gであった。以下、上記で得られた共重合体
(B)相当のポリマーをポリマーDと呼ぶ。
オートクレーブに、イオン交換水1140g、メチルセ
ルロース1.16g、ジイソプロピルパーオキシジカー
ボネート2.0g、フッ化ビニリデン314g及び6フ
ッ化プロピレン64gを仕込み、更にフッ化ビニリデン
204gを連続的に添加しながら26℃で18時間懸濁
重合を行った。重合完了後、重合体スラリーを脱水、水
洗後80℃で20時間乾燥して重合体粉末を得た。重合
率は、88重量%で、得られた重合体のインヘレント粘
度は1.9であり、溶融結晶化熱量は、25.0J/g
であった。以下、上記で得られた共重合体(A)と共重
合体(B)の中間的溶融結晶化熱量を有するポリマーを
ポリマーEと呼ぶ。
ポリマーAを9gと重合体調製例−Bで得られたポリマ
ーBを1gと、エチレンカーボネート、プロピレンカー
ボネート、テトラヒドロフランの混合溶液100g(混
合重量比で15:15:70)を加えて溶液を作り、こ
の溶液をキャストし、テトラヒドロフランを風乾するこ
とにより、エチレンカーボネートとプロピレンカーボネ
ートを約75重量%含む厚さ約100μmのゲル状膜を
得た。得られたゲル状膜を秤量したところ使用したテト
ラヒドロフランに見合った重量減少が確認された。
張り強度を測定したところ、2.54MPaと強いもの
であった。
合体調製例−Aで得られたポリマーAを9gと重合体調
製例−Bで得られたポリマーBを1gと、LiPF65
gにエチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、
テトラヒドロフランの混合溶液100g(混合重量比で
15:15:70)を加えて溶液を作り、この溶液をキ
ャストし、テトラヒドロフランを風乾することにより厚
さ約80μmのゲル状のポリマー電解質膜を得た。得ら
れたゲル状のポリマー電解質膜を秤量したところ使用し
たテトラヒドロフランに見合った重量減少が確認され
た。
の滲み出しがなく、また手で引っ張ったところ、柔軟で
延伸性のある強いものであった。このゲル状のポリマー
電解質膜から試験片を切り取り、電解液保持性を評価し
たところ重量減少率は0.38%と小さく、電解液保持
性に優れるものであった。
を、以下の例のそれとともにまとめて後記表2に示す。
すブレンド比のポリマーを用いた以外は、実施例1と同
様にして、エチレンカーボネートとプロピレンカーボネ
ートを約75重量%含む厚さ約100μmのゲル状膜を
得た。得られたゲル状膜を秤量したところいずれも使用
したテトラヒドロフランに見合った重量減少が確認され
た。ゲル状膜から試験片を切り取り、引っ張り強度を測
定したところ、結果は表2に示すようにいずれも強いも
のであった。
外は、実施例1と同様にして、約80μmのゲル状のポ
リマー電解質膜を得た。得られたゲル状のポリマー電解
質膜を秤量したところいずれも使用したテトラヒドロフ
ランに見合った重量減少が確認された。ゲル状のポリマ
ー電解質膜はいずれも、電解液の滲み出しがなく、また
手で引っ張ったところ、柔軟で延伸性のある強いもので
あった。ゲル状のポリマー電解質膜から試験片を切り取
り、電解液保持性を評価したところ、結果は表2に示す
ようにいずれも重量減少率が小さく、電解液保持性に優
れるものであった。
ポリマーAを用いた以外は、実施例1と同様にして、強
度、電解液保持性を調べたところ、強度は優れるもの
の、電解液保持性の劣るものであった。
ポリマーEを用いた以外は、実施例1と同様にして、強
度、電解液保持性を調べたところ、強度、電解液保持
性、何れにおいても実施例1〜4に比べ劣るものであっ
た。ポリマーEは、共重合組成比、インヘレント粘度、
溶融結晶化熱量において、実施例1〜4で用いたポリマ
ーの平均と同等のものである。
なように、本発明によれば、組成、分子量レベルおよび
結晶化度レベルを特定した2種のフッ化ビニリデン共重
合体の混合物からなるフッ化ビニリデン系重合体を用い
ることにより非水系電解液を多く含んだ状態で安定に存
在し、且つこの状態で強度の優れたポリマー電解質が得
られる。
系電池の基本的積層構造を示す厚さ方向断面図。
Claims (4)
- 【請求項1】 下記フッ化ビニリデン共重合体(A)3
0〜95重量%と下記フッ化ビニリデン共重合体(B)
70〜5重量%とからなるフッ化ビニリデン系重合体組
成物と、非水系電解液とからなるポリマー電解質; フッ化ビニリデン共重合体(A):フッ化ビニリデン単
量体を70〜97重量%含み、フッ化ビニリデンと共重
合可能な少なくとも一種の単量体を3〜30重量%含
み、インヘレント粘度が1.0〜10dl/gであり、
且つ溶融結晶化熱量が24J/g以上であるフッ化ビニ
リデン共重合体、および フッ化ビニリデン共重合体(B):フッ化ビニリデン単
量体を50〜95重量%含み、フッ化ビニリデンと共重
合可能な少なくとも一種の単量体を5〜50重量%含
み、インヘレント粘度が1.0〜20dl/gであり、
且つ溶融結晶化熱量が20J/g以下であるフッ化ビニ
リデン共重合体。 - 【請求項2】 フッ化ビニリデン共重合体(A)および
(B)におけるフッ化ビニリデンと共重合可能な単量体
が6フッ化プロピレンと3フッ化塩化エチレンから選ば
れる少なくとも一種の単量体である請求項1のポリマー
電解質。 - 【請求項3】 非水系電解液を50重量%以上含む請求
項1または2のポリマー電解質。 - 【請求項4】 リチウムを吸蔵放出する正極材料からな
る正極と、同じくリチウムを吸蔵放出する負極材料また
は金属リチウムからなる負極との間に請求項1〜3のい
ずれかのポリマー電解質を有する非水系電池。
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-
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- 1999-02-09 JP JP03105199A patent/JP4266054B2/ja not_active Expired - Lifetime
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