JP2000223983A - 積層型圧電フィルタの導通方法 - Google Patents

積層型圧電フィルタの導通方法

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JP2000223983A
JP2000223983A JP11026512A JP2651299A JP2000223983A JP 2000223983 A JP2000223983 A JP 2000223983A JP 11026512 A JP11026512 A JP 11026512A JP 2651299 A JP2651299 A JP 2651299A JP 2000223983 A JP2000223983 A JP 2000223983A
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JP
Japan
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conductive
conductive paste
land portion
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circuit board
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JP11026512A
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Yoshiaki Sakai
善明 阪井
Toshio Suzuki
利男 鈴木
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Niterra Co Ltd
Original Assignee
NGK Spark Plug Co Ltd
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  • Piezo-Electric Or Mechanical Vibrators, Or Delay Or Filter Circuits (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 薄厚化が可能で、共振子が電気的、機械的に
保護されており、しかも製造及び組み付け容易な積層型
圧電フィルタにあって、共振子S,Pとプリント基板上
の導電ランド部との導通を確保すること。 【解決手段】共振子S,Pの電極と接続されるプリント
基板30の表面に形成された電極パターン13の導電ラ
ンド部14上に、導電ペースト20を、プリント基板3
0表面に食出すようにして形成し、導電ペースト20を
介して導電ランド部14と共振子S,Pの電極とを導通
したものである。このため、電極パターン13は、Au
メッキ加工により形成され、その表面が平滑な鏡面状を
しており、の導電ペースト20は、導電ランド部14上
で隔離を生じ易いが、導電ペースト20の一部がプリン
ト基板30の表面に食出しており、該表面は粗面となっ
ているから、その食出し部21がプリント基板30表面
と適度な接合力で結合し、このため導電ペースト20
は、その剥離が阻止されて安定的に導電ランド部上に形
成され得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は携帯用移動無線機、
自動車電話等の移動無線通信機の濾波回路に好適に使用
される積層型圧電フィルタの導通方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】この種の圧電フィルタは、入力端子,出
力端子及び接地端子との間に、直列共振子と並列共振子
をL形接続してなる単位濾波回路を多段に配列してな
る。そして、直列共振子の共振周波数と、並列共振子の
反共振周波数を一致させ、かつ直列共振子の反共振周波
数と並列共振子の共振周波数の差を一定にしている。こ
のように、圧電フィルタの特性を向上させたり、また
は、圧電フィルタの適用数を減少させるために、複数の
共振子を備える圧電フィルタが種々提案されている。
【0003】上述の圧電フィルタの従来構成にあって
は、ケース内に各共振子と、端子板とを積層状に組込ん
だものが一般的であり、このため、部品点数が増加し、
組付けが面倒となるという問題があった。一方、移動無
線通信機の小型化に対応するために、圧電フィルタの低
背化及び小型化が数ミリの単位で求められ、さらには、
各圧電フイルタと、共振子の実装面上の所要電路との電
気的接続が容易で、しかも、共振子が電気的かつ機械的
に保護される構成が求められている。
【0004】そこで、複数の共振子を夫々枠状スペーサ
で囲繞して、中間プリント基板を介して積層し、かつ最
上位置に頂部プリント基板を、最下位置に下面に複数の
接続電極が形成された底部プリント基板を配置して、各
枠状スペーサ,頂部プリント基板及び底部プリント基板
相互を接着シートを介して接合し、各プリント基板に形
成された電極パターンを各共振子の電極と接続し、かつ
該電極パターンを、各プリント基板の端縁に形成された
導通溝を介して、いずれかの接続電極と結線することに
より、所要の濾波回路を構成してなることを特徴とする
積層型圧電フィルタが提案された(実願平10−242
757号)。
【0005】かかる構成にあって、各板材の積層により
構成されるから、構造が簡単で、薄型化が可能であると
共に、各共振子は、枠状スペーサと上下の頂部プリント
基板及び底部プリント基板で保護され、堅牢であると共
に、電気的かつ機械的に保護される。
【0006】しかも、各板材を枠状スペーサと面接触す
る接着シートを介して接合することにより構成したか
ら、接着シートを含めた各部材を単に積層して、加熱圧
着するだけで良いから、製造が簡単で、量産性に優れ
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このよう
に、複数の共振子S,Pがプリント基板aを介して積層
されている積層型圧電フィルタにあって、共振子S,P
の電極とプリント基板a上面に形成された電極パターン
bの導電ランド部cとの導通を、従来は図12イ,ロで
示すように、導電ランド部c上面にエポキシ樹脂を主剤
とする導電性接着剤からなる導電性ペーストdを塗布
し、共振子S,Pのノード位置で、該導電ランド部cを
共振子の電極に接合することにより、該導電性接着剤b
を介して行っていた。ここで、この導電ランド部cの外
径例は0.5mm以上であり、前記導電性ペーストdの
外径例は、0.4mm程度で、同心状に形成される。こ
のため、導電性ペーストdは、完全に導電ランド部c上
に担持される。
【0008】しかるに、かかる従来方法であると、電極
パターンは、Ni又はNi−Cuの下地メッキ層の上に
耐腐食性の良いAuメッキを施した電極層より形成さ
れ、このためその表面は、鏡面状の滑面となっており、
導電性接着剤との接合力が弱く剥離して、導通不良を生
じ易いという欠点があった。本発明は、かかる課題を解
決し得る積層型圧電フィルタの導通方法を提供すること
を目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、複数の共振子
がプリント基板を介して積層されている積層型圧電フィ
ルタにおいて、共振子の電極と接続されるプリント基板
表面に形成された電極パターンの導電ランド部上に、導
電ペーストを、プリント基板表面に食出すようにして形
成し、導電ペーストを介して導電ランド部と共振子の電
極とを導通したことを特徴とする積層型圧電フィルタの
導通方法である。
【0010】かかる方法にあって、導電ランド部上から
食出した導電ペーストの一部は、プリント基板上面と直
接接合する。この基板上面は、鏡面状の電極パターンの
表面に比して粗く、このため該プリント基板に対して適
度な接合力で保持される。従って、導電ランド部上の導
電ペーストは、この食出し部を介して、該プリント基板
側にも保持され、このため導電ランド部の鏡面により、
導電ペーストの結合力が弱くても、所要の結合力を確保
することができる。
【0011】ここで、導電ランド部表面に粗し加工を施
し、これにより該導電ランド部表面を粗面としても良
い。この場合には、該導電ランド部表面と導電ペースト
との結合力も向上し、全体としてさらに安定した導電ペ
ーストの形成が可能となる。
【0012】前記導電ペーストとしては、エポキシ樹脂
等を主剤とする導電性接着剤からなり、共振子の電極と
接着する導電ペーストであっても良く、または、導電ラ
ンド部上に形成され、復元弾力により導電ランド部と共
振子の電極とを導通する弾性導電ペーストであっても良
い。
【0013】
【発明の実施の形態】図10イ,ロは、本発明の導通手
段を示すものであり、プリント基板30上には、電極パ
ターンの一部をなす円形状の導電ランド部14上で、導
電ペースト20が円形状に形成され、かつその外径を導
電ランド部14よりも大きくすることにより、導電ペー
スト20の周縁を導電ランド部14からプリント基板3
0上面へ食出すようにしている。
【0014】ところで、電極パターンは、Ni又はNi
−Cuの下地メッキ層の上に耐腐食性の良いAuメッキ
を施した電極層より形成され、その表面が平滑な鏡面状
をしている。このため、導電ランド部14上の導電ペー
スト20は、導電ランド部14表面に対して十分に保持
されていず、隔離を生じ易い。しかるに、導電ペースト
20は、その一部がプリント基板表面に食出しており、
プリント基板3の表面は粗面となっているから、その食
出し部21がプリント基板3の表面と適度な接合力で結
合し、このため導電ペースト20の剥離が阻止される。
さらに、上述の形成態様にあっては、導電ランド部14
の全周で導電ペースト20を食み出すようにしており、
このため、導電ペースト20の全周縁がプリント基板表
面と結合することとなり、端縁からの剥離がさらに阻止
される。尚、導電ペースト20と導電ランド部14とを
ほぼ同径または導電ペースト20を径小とし、導電ペー
スト20を導電ランド部14に対して偏心して形成し、
導電ペースト20の一部のみが導電ランド部14から食
み出すようにしても良い。
【0015】ここで、図11で示すように、導電ランド
部14表面に粗し加工を施し、これにより該導電ランド
部14表面を粗面22を形成しても良い。この場合に
は、該導電ランド部14表面と導電ペースト20との結
合力も向上し、全体としてさらに剥離のない、安定した
導電ペースト20の形成が可能となる。
【0016】
【実施例】添付図面に従って、積層型圧電フィルタFに
本発明の導通方法を適用した構成を説明する。図1,2
は、S−P−S構造の積層型圧電フィルタFを示すもの
であって、夫々枠状スペーサ2a,2b,2cに夫々囲
繞された直列共振子S,並列共振子P及び直列共振子S
を、中間プリント基板3a,3bを介して積層し、かつ
最上位置に頂部プリント基板4を、最下位置に底部プリ
ント基板5を配置し、接着シート6を介して接合してな
るものである。
【0017】この接着シート6は、熱硬化性樹脂からな
り、図9で示すように、各板材の周縁に沿うように矩形
枠状を呈し、加熱することより、板材相互を接合する。
また、後述する各導通溝10L,10C,10R,10
Bとほぼ一致する半円形切欠部が形成されている。
【0018】かかる構成をさらに詳細に説明する。ここ
で、共振子S,S,Pは、図3で示すように、チタン酸
ジルコン酸鉛等よりなる正方形薄板状をしており、所定
の厚みを有する圧電磁器板7の表裏に電極8a,8bを
形成して構成される。ここで図3ロの並列共振子Pは、
図3イの直列共振子S,Sに比して、その厚さを薄く
し、静電容量を大きくしている。このように、並列共振
子の厚みを直列共振子のそれより薄くすることにより、
両者の容量比が大きくなり、減衰量を増大化させること
ができる。
【0019】この各共振子S,S,Pを囲繞する枠状ス
ペーサ2a,2b,2cは、夫々対応する共振子の厚さ
と等しく、このため、直列共振子S,Sを囲繞する枠状
スペーサ2a,2cは、並列共振子Pを囲繞する枠状ス
ペーサ2bよりも厚くなっている。ここで、並列共振子
P及びスペーサ2bは、厚さ0.18mm,直列共振子
S,S及び枠状スペーサ2a,2cは厚さ0.35mm
又は0.52mmのものが設計例として、提案される。
【0020】この各枠状スペーサ2a,2b,2cは、
図4で示すように、その前縁に三つの円弧状導通溝10
L,10C,10Rが形成され、その後縁に一つの円弧
状導通溝10Bが形成されている。各導通溝10L,1
0C,10R,10Bは、前記中間プリント基板3a,
3b及び上下の頂部プリント基板4,底部プリント基板
5の端縁に夫々形成された導通溝11L,11C,11
R,11Bと上下で一致し、これにより、上下方向で連
通する導通路12L,12C,12R,12Bを構成し
ている。ここで、導通溝10L,10C,10R,10
B,11L,11C,11R,11Bは、端縁に形成さ
れた半円形切欠部の内周面に導電層を形成してなるもの
である。
【0021】尚、共振子S,P,Sを所定間隔で、枠状
スペーサ2a,2b,2cに保持するため、その内面に
図4鎖線で示すように、各共振子S,P,Sの輪郭振動
の対向側縁の中央に存在するノード位置に当接する保持
突部40を形成するようにしても良い。
【0022】次に、各中間プリント基板3a,3b及び
上下の頂部プリント基板4,底部プリント基板5の表裏
面に形成された導電路による、共振子S,P,Sの表裏
の電極8a,8bの結線態様につき説明する。
【0023】頂部プリント基板4の裏面は、図5ロで示
すように円形状導電ランド部14aとL形導通路15a
とからなる電極パターン13aが形成され、該頂部プリ
ント基板4の前縁右端に形成された導通溝11Rと接続
されている。そして、導電ランド部14aは直列共振子
Sの上面電極8aの中心部と、後述するように弾性導電
ペースト20を介して導通する。
【0024】中間プリント基板3aの表面は、図6イで
示すように円形状導電ランド部14bと直線導通路15
bとからなる電極パターン13bが形成され、該中間プ
リント基板3aの前縁中央に形成された導通溝11Cと
接続されている。そして、導電ランド部14bは直列共
振子Sの下面電極8bの中心部と接続される。また、中
間プリント基板3aの裏面は、図6ロで示すように円形
状導電ランド部14cと直線導通路15cとからなる電
極パターン13cが形成され、該中間プリント基板3a
の後縁中央に形成された導通溝11Bと接続されてい
る。そして、導電ランド部14cは並列共振子Pの上面
電極8aの中心部と接続される。
【0025】中間プリント基板3bの表面は、図7イで
示すように円形状導電ランド部14dと直線導通路15
dとからなる電極パターン13dが形成され、該中間プ
リント基板3bの前縁中央に形成された導通溝11Cと
接続されている。そして、導電ランド部14dは並列共
振子Pの下面電極8bの中心部と接続される。また、中
間プリント基板3bの裏面は、図7ロで示すように円形
状導電ランド部14eと直線導通路15eとからなる電
極パターン13eが形成され、該中間プリント基板3b
の前縁中央に形成された導通溝11Cと接続されてい
る。そして、導電ランド部14eは直列共振子Sの上面
電極8aの中心部と接続される。
【0026】底部プリント基板5の表面は、図8イで示
すように円形状導電ランド部14fと直線導通路15f
とからなる電極パターン13fが形成され、該直線導通
路15fは側方へ延出され、該底部プリント基板5に形
成されたスルホール17に接続され、底部プリント基板
5の裏面に形成された電極パターン13gにスルホール
17を介して接続される。この底部プリント基板5の裏
面には、図8ロで示すように、前縁で左右の入力側電極
18aと、出力側電極18bとが形成され、後縁中央に
アース側電極18cが形成され、前記電極パターン13
gは、直線導通路15gを介して左側の入力側電極18
aと接続される。そして導通溝11Lは、入力側電極1
8aと、導通溝11Rは出力側電極18bと、導通溝1
1Bはアース側電極18cと接続されることとなる。
【0027】また中間プリント基板3a,3bの表裏
面、及び頂部プリント基板4の裏面と底部プリント基板
5の表面には、ソルダーレジスト19が被覆形成され、
導電ランド部14a〜14gを除いて各電極パターン1
3a〜13gを覆って、相互に絶縁するようにしてい
る。すなわち、電極パターン13a〜13gのうち導電
ランド部14a〜14gのみが各板面の中央部で露出
し、各共振子P,Sのノード位置で、弾性導電ペースト
20を介して電極と導通する。この導通手段は、後述す
る本発明の導通方法に係るものである。そして、各部材
を積層して加熱することにより、接着シート6を硬化さ
せて、一体的に積層し得ることとなり、積層型圧電フィ
ルタFが容易に製造される。
【0028】上述の構成にあって、電極パターン13a
〜13gは、Ni又はNi−Cuの下地メッキ層の上に
耐腐食性の良いAuメッキを施した電極層より形成さ
れ、その材質から、表面が鏡面状の滑面となっている。
また、その厚さは、40〜50μ程度である。
【0029】また、前記枠状スペーサ2a,2b,2
c,中間プリント基板3a,3b,頂部プリント基板
4,底部プリント基板5は、いずれもガラスエポキシに
より形成され、設計例としては、中間プリント基板3
a,3bは厚さ0.1mm,頂部プリント基板4及び底
部プリント基板5は厚さ0.2mmとし得る。かかる積
層型の積層型圧電フィルタFの総厚は、1.7mmの極
薄状である。また外形寸法は、縦6.5mm×横5.5
mmである。いずれも、設計の一例であり、この数値に
こだわるものではない。
【0030】而して、直列共振子Sの上面電極8aは、
頂部プリント基板4の電極パターン13aの導電ランド
部14aと導通し、導通路12Rを介して出力側接続電
極18bと接続され、かつ各直列共振子Sの下面電極8
b,並列共振子Pの下面電極8b及び直列共振子Sの上
面電極8aは、そのノードの位置で夫々電極パターン1
3b〜13eの導電ランド部14b〜14eと導通し、
導通路12Cを介して互いに接続され、並列共振子Pの
上面電極8aは中間プリント基板3aの電極パターン1
3cと導通路12Bを介してアース側接続電極18cと
接続される。さらには、直列共振子Sの下面電極8bは
底部プリント基板5の電極パターン13fの導電ランド
部14fと導通し、導通路12Lを介して入力側接続電
極18aと接続され、これにより、S−P−S構造から
なる積層型圧電フィルタFが構成されることとなる。
【0031】この各部材は、枠状スペーサ2a,2b,
2cの上下に配置される図9で示す接着シート6により
接合され、かつ各共振子S,P,Sは、頂部プリント基
板4と底部プリント基板5とで挟持されることとなる。
【0032】かかる構成の積層型圧電フィルタFは、複
数の共振子S,Pを夫々枠状スペーサ2a,2b,2c
で囲繞して、中間プリント基板3a,3bを介して積層
し、かつ最上位置に頂部プリント基板4を、最下位置に
底部プリント基板5を配置して、各板材相互を接着シー
ト6で接合することにより構成したから、単純な積層構
造であるため、構造が簡単で、薄厚化が可能であると共
に、各共振子は、枠状スペーサと上下の頂部プリント基
板及び底部プリント基板で保護され、堅牢であり、電気
的かつ機械的に保護される。しかも、各板材を接着シー
トを介して接合することにより構成したから、接着シー
ト6を含めた各部材を単に積層して、加熱するだけで良
いから、製造が簡単で、量産性に優れる。
【0033】次に本発明の要部につき説明する。上述し
たように、各部材は接着シート6により、一体的に積層
されるが、その積層により、各プリント基板3a,3
b,4,5の電極パターン13(13a〜13fをまと
めて13で統一)に形成された導電ランド部14(14
a〜14fをまとめて14で統一)は、各共振子S,P
の電極のノード位置に対し、次の手段により導通され
る。
【0034】即ち、図10イ,ロで示すように、導電ラ
ンド部14(14a〜14fをまとめて14で統一)に
は、シリコンゴム系導電ペースト20をスクリーン印刷
などにより塗布する。ここで、前記円弧状導電ランド部
14の外径は0.4〜0.5mmとし導電ペースト20
は、0.8〜1.0mmの外径となるように、スクリー
ン印刷により、導電ランド部14上に同心状に形成され
る。このため、この導電ペースト20は、導電ランド部
14の全周で、導電ランド部14から食出し、この食出
し部21により、導電ペースト20はその全周でに、プ
リント基板30(3a,3b,4,5をまとめて30で
統一)の表面に直接接合される。然る後に、これをホッ
トプレート,又はオーブンで加熱することにより硬化さ
せる。この導電ペースト20は、シリコンゴムに銀粉末
などを混合してなるものであり、硬化状態で弾性と導電
性を有する。そしてこの硬化後に、上述のソルダーレジ
スト19を被着し、さらに接着シート6を介装して、各
板材を積層し、導電ペースト20を弾縮させた状態で加
熱することにより、接着シート6を硬化させる。これに
よりプリント基板30と共振子S,Pは、導電ペースト
20が弾縮した状態で、その相対位置を保持されて接合
する。この保持状態で、導電ペースト20は弾縮状態と
なり、その弾縮により、導電ペースト20が共振子S,
Pの電極8a,8bに、ノード位置で弾接し、共振子
S,Pと導電ランド部14との導通が確保される。
【0035】かかる構成にあって、共振子S,Pの電極
と、導電ランド部14との導通を、導電ペースト20の
弾接により行っているものであるから、熱衝撃により各
板材が変形しても、導通が損なわれることもなく、ま
た、機械的衝撃が加わっても、導電ペースト20の弾性
により吸収され、その電気的接続状態が確保されること
となる。
【0036】かかる構成にあって、導電ランド部14上
の導電ペースト20は、食出し部21により一部がプリ
ント基板30の表面に直接接合されている。このため、
該プリント基板30の表面は、導電ペースト20の表面
に比して、粗面となっているから、食出し部21はプリ
ント基板30表面に結合する。このため導電ランド部1
4表面は鏡面となっており、導電ペースト20との結合
力が比較的弱いが、該食出し部21によりプリント基板
30の表面に保持され、接合強度が補完されることとな
る。しかも上述の形成態様にあっては、導電ランド部1
4の全周で導電ペースト20を食み出すようにしてお
り、このため、導電ペースト20の全周縁が食出し部2
1となって、プリント基板30の表面と結合することと
なり、端縁からの剥離がさらに阻止される。尚、導電ペ
ースト20と導電ランド部14とをほぼ同径または導電
ペースト20を径小とし、導電ペースト20を導電ラン
ド部14に対して偏心して形成し、導電ペースト20の
一部のみが導電ランド部14から食み出すようにしても
良い。
【0037】しかして、導電ペースト20は食出し部2
1により導電ランド部14上で剥離を生ずることなく形
成され、導電ペースト20が共振子S,Pの電極8a,
8bに、ノード位置で弾接し、共振子S,Pと導電ラン
ド部14との導通が確保される。
【0038】ここで、図11で示すように、導電ランド
部14の表面に粗し加工を施し、その表面に粗面22を
形成しても良い。この場合には、該導電ランド部14表
面と導電ペースト20との結合力も向上し、全体として
さらに安定した導電ペースト20の形成が可能となる。
この粗し加工は、パターン電極3を形成したのち、導電
ランド部14表面にサンドペーパをかけたり、サンドブ
ラストを施す等により容易に形成できる。
【0039】前記導電ペーストとしては、エポキシ樹脂
等を主剤とする導電性接着剤からなり、共振子の電極と
接着する導電ペーストであっても良く、または、導電ラ
ンド部上に形成され、復元弾力により導電ランド部と共
振子の電極とを導通する弾性導電ペーストであっても良
い。
【0040】上述の構成はS−P−S構造の積層型圧電
フィルタFを示すものであるが、同様に、P−S−P構
造の積層型圧電フィルタを構成することもでき、上述し
た構成からなる、S−P−S構造の積層型圧電フィルタ
Fと、P−S−P構造の積層型圧電フィルタを配設し
て、直列共振子S,並列共振子PのL形接続構造が三段
繰り返される構造の濾波回路が構成される。
【0041】
【発明の効果】本発明の積層型圧電フィルタの導通方法
は、複数の共振子がプリント基板を介して積層されてい
る積層型圧電フィルタにおいて、共振子の電極と接続さ
れるプリント基板表面に形成された電極パターンの導電
ランド部上に、導電ペーストを、プリント基板表面に食
出すようにして形成し、導電ペーストを介して導電ラン
ド部と共振子の電極とを導通したものである。このた
め、電極パターンは、Auメッキ加工により形成され、
その表面が平滑な鏡面状をしており、導電ペーストは、
導電ランド部上で隔離を生じ易いが、導電ペーストの一
部がプリント基板表面に食出しており、該表面は粗面と
なっているから、その食出し部がプリント基板表面と適
度な接合力で結合し、このため導電ペーストは、その剥
離が阻止されて、安定的に導電ランド部上に形成され得
る優れた効果がある。
【0042】さらに導電ランド部表面に粗し加工を施
し、これにより該導電ランド部表面を粗面を形成した場
合には、該導電ランド部表面と導電ペーストとの結合力
も向上し、全体としてさらに安定した導電ペーストの形
成が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る積層型圧電フィルタFの斜視図で
ある。
【図2】積層型圧電フィルタFの分解斜視図である。
【図3】イは直列共振子Sの斜視図、ロは並列共振子P
の斜視図である。
【図4】枠状スペーサ2a,2b,2cの平面図であ
る。
【図5】頂部プリント基板4の平面図イ及び裏面図ロで
ある。
【図6】中間プリント基板3aの平面図イ及び裏面図ロ
である。
【図7】中間プリント基板3bの平面図イ及び裏面図ロ
である。
【図8】底部プリント基板5の平面図イ及び裏面図ロで
ある。
【図9】接着シート6の平面図である。
【図10】本発明方法の共振子S,Pと、プリント基板
30との導通手段を示し、イは平面図、ロは縦断面図で
ある。
【図11】本発明方法の共振子S,Pと、プリント基板
30との導通手段を示す変形例の縦断面である。
【図12】従来方法の共振子S,Pと、プリント基板a
との導通手段を示し、イは平面図、ロは縦断面図であ
る。
【符号の説明】
S 直列共振子 P 並列共振子 F 積層型圧電フィルタ 2a,2b,2c 枠状スペーサ 30,3a,3b プリント基板 4 頂部プリント基板 5 底部プリント基板 6 接着シート 13,13a〜13g 電極パターン 14,14a〜14g 導電ランド部 20 導電ペースト 21 食出し部 22 粗面

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の共振子がプリント基板を介して積層
    されている積層型圧電フィルタにおいて、共振子の電極
    と接続されるプリント基板表面に形成された電極パター
    ンの導電ランド部上に、導電ペーストを、プリント基板
    表面に食出すようにして形成し、導電ペーストを介して
    導電ランド部と共振子の電極とを導通したことを特徴と
    する積層型圧電フィルタの導通方法。
  2. 【請求項2】共振子の電極と接続されるプリント基板表
    面に形成された電極パターンの導電ランド部上に、導電
    ペーストを、プリント基板表面に食出すようにして形成
    すると共に、導電ランド部表面に粗し加工を施したこと
    を特徴とする請求項1記載の積層型圧電フィルタの導通
    方法。
JP11026512A 1999-02-03 1999-02-03 積層型圧電フィルタの導通方法 Pending JP2000223983A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6590474B2 (en) 2000-08-31 2003-07-08 Ngk Spark Plug Co., Ltd. Multilayer piezoelectric filter with an air vent between two resonator chambers

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