JP2000219609A - 油中水型乳化組成物およびこれを用いた乳化化粧料 - Google Patents

油中水型乳化組成物およびこれを用いた乳化化粧料

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JP2000219609A
JP2000219609A JP11021228A JP2122899A JP2000219609A JP 2000219609 A JP2000219609 A JP 2000219609A JP 11021228 A JP11021228 A JP 11021228A JP 2122899 A JP2122899 A JP 2122899A JP 2000219609 A JP2000219609 A JP 2000219609A
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oil
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JP11021228A
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English (en)
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Tomoko Sato
知子 佐藤
Wataru Tokue
渡 徳江
Fumiaki Matsuzaki
文昭 松崎
Toshio Hariki
利男 梁木
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Shiseido Co Ltd
Original Assignee
Shiseido Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 安定性、特に低温安定性に優れ、みずみずし
く、さっぱりとした良好な使用感を有する油中水型乳化
組成物および乳化化粧料を提供する。 【解決手段】 油相(外相)中に、(a)少なくともデ
カメチルシクロペンタシロキサンとオクタメチルシクロ
テトラシロキサンを、デカメチルシクロペンタシロキサ
ン:オクタメチルシクロテトラシロキサン=19:1〜
7:3(重量比)の配合割合で含む揮発性シリコーン油
と、(b)有機変性粘土鉱物と、(c)HLBが7以下
の乳化剤とを含有してなる油中水型乳化組成物、および
これを用いた乳化化粧料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は油中水型乳化組成物
およびこれを用いた乳化化粧料に関する。さらに詳しく
は、良好な乳化状態を呈し、温度や経時による変化がな
く、安定性、特に0℃以下の低温安定性に優れ、かつみ
ずみずしくさっぱりとした使用感を有する油中水型乳化
組成物およびこれを用いた乳化化粧料に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、油中水型(W/O型)乳化組成物
においては、使用性、温度安定性などの向上を図って種
々の試みがなされており、例えば特開昭61−1290
33号公報では、有機変性粘土鉱物を乳化剤として用い
ることにより、内水相比を高くし、油相中の固形・半固
形油分量を大幅に低減化した場合でも、使用性および温
度安定性のいずれにも優れるとともに、良好な乳化状態
が得られる油中水型乳化組成物が開示されている。この
他にも、油相成分として揮発性シリコーン油を用いるこ
とによって、さらにつるつる感、さっぱり感等の使用感
の向上が図られている。
【0003】しかしながら、揮発性シリコーン油は融点
が低いことから、油相成分として揮発性シリコーン油を
主成分として含む油中水型乳化組成物は、低温において
凍結しやすく、しかも一度凍結した油中水型乳化組成物
は乳化が破壊され、解凍しても元のような乳化状態に戻
らないという問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このため、特に揮発性
シリコーン油を油相主成分として含む油中水型乳化型組
成物においては、低温安定性、特に凍結に対する安定性
が良好で、かつ、みずみずしさ、さっぱり感等の使用感
に優れた製品の開発が望まれていた。
【0005】本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意
研究を重ねた結果、油相中の油分として揮発性シリコー
ン油を主成分として含む油中水型乳化組成物において、
揮発性シリコーン油中にデカメチルシクロペンタシロキ
サンとオクタメチルシクロテトラシロキサンとを特定の
重量比で配合させることにより、低温時の凍結を防止し
得るとともに、優れた使用感を得ることができることを
見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
【議題を解決するための手段】すなわち本発明は、油相
(外相)中に、(a)少なくともデカメチルシクロペン
タシロキサンとオクタメチルシクロテトラシロキサン
を、デカメチルシクロペンタシロキサン:オクタメチル
シクロテトラシロキサン=19:1〜7:3(重量比)
の配合割合で含む揮発性シリコーン油と、(b)有機変
性粘土鉱物と、(c)HLBが7以下の乳化剤とを含有
してなる、油中水型乳化組成物に関する。
【0007】また本発明は上記油中水型乳化組成物から
なる乳化化粧料に関する。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳述する。
【0009】(a)成分としての揮発性シリコーン油と
しては、例えば室温における沸点が60〜260℃程度
の低沸点のシリコーン油が好ましく用いられる。具体的
には、下記式(II)、(III)
【0010】
【化2】
【0011】(式中、tは0〜3の整数を表す)
【0012】
【化3】
【0013】(式中、uは3〜7の整数を表す)で表さ
れるシリコーン油等が例示される。中でも式(III)
で表される環状シリコーン油がより好ましく用いられ、
特には式(III)中、uが4〜6のもの、すなわちド
デカメチルシクロヘキサシロキサン、オクタメチルシク
ロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサ
ンが最も好ましく用いられる。
【0014】本発明では、この揮発性シリコーン油中
に、少なくともデカメチルシクロペンタシロキサン(上
記式(III)中、uが5のもの)とオクタメチルシク
ロテトラシロキサン(上記式(III)中、uが4のも
の)とを、デカメチルシクロペンタシロキサン:オクタ
メチルシクロテトラシロキサン=19:1〜7:3(重
量比)の配合割合で含むことが必要である。両者を上記
配合量比範囲で含むことにより、基剤安定性、特に0℃
以下の低温安定性に優れ、かつみずみずしくさっぱりと
した使用感を有する油中水型乳化組成物を得ることがで
きる。デカメチルシクロペンタシロキサンの配合割合が
上記配合量比範囲より多すぎる場合は、低温において乳
化組成物中の水が凍結し、安定性を保つことができず、
一方、上記配合量比範囲より少なすぎる場合は、低温に
おいて水およびオクタメチルシクロテトラシロキサンが
凍結し、やはり安定性を保つことができない。
【0015】これらデカメチルシクロペンタシロキサ
ン、オクタメチルシクロテトラシロキサンは、揮発性シ
リコーン油中に、その合計量が80重量%以上含むのが
好ましい。
【0016】(a)成分の配合量は、本発明乳化組成物
全量中5〜40重量%が好ましい。5重量%未満では揮
発性シリコーン油の特有のさっぱりした使用感が得られ
ないばかりか、高内相比により基剤安定性が悪く、一
方、40重量%を超えると、油っぽい使用感触になり、
低内相比により基剤の粘度が下がり、基剤安定性も悪く
なる。
【0017】(b)成分としての有機変性粘土鉱物は、
一般に化粧品等において有機変性粘土鉱物として用いら
れ得るものであれば特に制限されることなく任意に使用
し得る。本発明では、水膨潤性粘土鉱物を第4級アンモ
ニウム塩型カチオン界面活性剤で処理したカチオン変性
粘土鉱物が好適に用いられる。
【0018】ここで上記水膨潤性粘土鉱物としては、例
えばスメクタイト属に属する層状ケイ酸塩鉱物で一般に
下記一般式(IV)
【0019】
【化4】 (X,Y)A(Si,Al)410(OH)21/3・nH2O (IV)
【0020】(式中、XはAl、FeIII、MnII
I、CrIIIを表し;YはMg、FeII、Ni、Z
n、Liを表し;ZはK、Na、Caを表し;Aは2〜
3の数を表す)で表される三層構造を有するコロイド性
含水ケイ酸アルミニウム等の粘土鉱物が挙げられる。具
体的にはモンモリロナイト、サポナイト、ヘクトライト
等の天然または合成品〔この場合、式(IV)中の(O
H)基がフッ素で置換されたもの〕のモンモリロナイト
群〔市販品としてクニピア、スメクトン(いずれもクニ
ミネ工業(株)製)、ビーガム(バンダービルド社
製)、ラポナイト(ラポルテ社製)等がある〕、および
ナトリウムシリシックマイカナトリウムまたはリチウム
テニオライト等の名称で知られる合成雲母〔市販品で
は、ダイモナイト、フッ素4ケイ素雲母(いずれもトピ
ー工業(株)製)〕等があり、これらを好適に用いるこ
とができる。これら水膨潤性粘土鉱物は1種または2種
以上を任意に選択して用いることができる。
【0021】上記第4級アンモニウム塩型カチオン界面
活性剤は、下記一般式(V)
【0022】
【化5】
【0023】(式中、R2は炭素原子数10〜22のア
ルキル基またはベンジル基を表し;R3はメチル基また
は炭素原子数10〜22のアルキル基を表し;R4とR5
はそれぞれ独立に、炭素原子数1〜3のアルキル基また
はヒドロキシアルキル基を表し;Xはハロゲン原子また
はメチルサルフェート残基を表す)で表される化合物で
ある。具体的には、例えばドデシルトリメチルアンモニ
ウムクロリド、ミリスチルトリメチルアンモニウムクロ
リド、セチルトリメチルアンモニウムクロリド、ステア
リルトリメチルアンモニウムクロリド、アルキルトリメ
チルアンモニウムクロリド、ベヘニルトリメチルアンモ
ニウムクロリド、ミリスチルジメチルエチルアンモニウ
ムクロリド、セチルジメチルエチルアンモニウムクロリ
ド、ステアリルジメチルエチルアンモニウムクロリド、
アルキルジメチルエチルアンモニウムクロリド、ベヘニ
ルジメチルエチルアンモニウムクロリド、ミリスチルジ
エチルメチルアンモニウムクロリド、セチルジエチルメ
チルアンモニウムクロリド、ステアリルジエチルメチル
アンモニウムクロリド、アルキルジエチルメチルアンモ
ニウムクロリド、ベヘニルジエチルメチルアンモニウム
クロリド、ベンジルジメチルミリスチルアンモニウムク
ロリド、ベンジルジメチルセチルアンモニウムクロリ
ド、ベンジルジメチルステアリルアンモニウムクロリ
ド、ベンジルジメチルベヘニルアンモニウムクロリド、
ベンジルメチルエチルセチルアンモニウムクロリド、ベ
ンジルメチルエチルステアリルアンモニウムクロリド、
ジステアリルジメチルアンモニウムクロリド、ジベヘニ
ルジヒドロキシエチルアンモニウムクロリド、および上
記各化合物のクロリドに代えてブロミド化合物としたも
の等、さらにジパルミチルプロピルエチルアンモニウム
メチルサルフェート等が挙げられる。これら第4級アン
モニウム塩型カチオン界面活性剤は1種または2種以上
を任意に選択して用いることができる。
【0024】この第4級アンモニウム塩型カチオン変性
粘土鉱物は商業的にも入手可能であり、例えば「ベント
ン38」(ナショナルレッド社製)や、「ビーガムウル
トラ」(バンダービルド社製)等として市販されてお
り、これらを用いることができる。
【0025】なお、上記の第4級アンモニウム塩型カチ
オン界面活性剤で水膨潤性粘土鉱物を処理する際には、
非イオン性界面活性剤を併用して処理してもよい。
【0026】このような非イオン性界面活性剤として
は、例えばエチレンオキシド付加型界面活性剤、多価ア
ルコール脂肪酸エステル型界面活性剤、ノニオン変性シ
リコーン界面活性剤等が挙げられる。
【0027】エチレンオキシド付加型界面活性剤として
は、具体的にはポリオキシエチレン2〜30モル付加
(以下、「POE(2〜30)」等と略す)オレイルエ
ーテル、POE(2〜35)ステアリルエーテル、PO
E(2〜20)ラウリルエーテル、POE(1〜20)
アルキルフェニルエーテル、POE(6〜18)ベヘニ
ルエーテル、POE(5〜25)2−デシルペンタデシ
ルエーテル、POE(3〜20)2−デシルテトラデシ
ルエーテル、POE(3〜20)2−デシルテトラデシ
ルエーテル、POE(8〜16)2−オクチルデシルエ
ーテル等のエーテル型界面活性剤;POE(4〜60)
硬化ヒマシ油、POE(3〜14)脂肪酸モノエステ
ル、POE(6〜30)脂肪酸ジエステル、POE(5
〜20)ソルビタン脂肪酸エイテル等のエステル型界面
活性剤;POE(2〜30)グルセリルモノイソステア
レート、POE(10〜60)グルセリルトリイソステ
アレート、POE(7〜50)硬化ヒマシ油モノイソス
テアレート、POE(12〜60)硬化ヒマシ油トリイ
ソステアレート等のエーテルエステル型界面活性剤など
が例示される。
【0028】多価アルコール脂肪酸エステル型界面活性
剤としては、具体的にはデカグリセリルテトラオレー
ト、ヘキサグリセリルトリイソステアレート、テトラグ
リセリルジイソステアレート、ジグリセリルジイソステ
アレート等のポリグリセリン脂肪酸エステルや、グリセ
リルモノイソステアレート、グリセリルモノオレートな
どが例示される。
【0029】ノニオン変性シリコーン界面活性剤として
は、具体的にはジメチルポリシロキサンポリオキシアル
キレン共重合体等の変性シリコーンなどが挙げられる。
【0030】これらの中でも、デカグリセリルテトラオ
レート、ヘキサグリセリルトリイソステアレート、テト
ラグリセリルジイソステアレート等のトリグリセリン以
上のポリグリセリン脂肪酸エステルや、POE(2〜1
2)オレイルエーテル、POE(3〜12)ステアリル
エーテル、POE(2〜10)ラウリルエーテル、PO
E(2〜10)ノニルフェニルエーテル、POE(6〜
15)ベヘニルエーテル、POE(5〜20)2−デシ
ルペンタデシルエーテル、POE(5〜17)2−デシ
ルテトラデシルエーテル、POE(8〜16)2−オク
チルデシルエーテル等のPOE付加エーテル型界面活性
剤;POE(10〜20)硬化ヒマシ油、POE(5〜
14)オレイン酸モノエステル、POE(6〜20)オ
レイン酸ジエステル、POE(5〜10)ソルビタンオ
レイン酸エステル等のPOE付加エステル型界面活性
剤;POE(3〜15)グリセリルモノイソステアレー
ト、POE(10〜40)グリセリルトリイソステアレ
ート等のPOE付加エーテルエステル型界面活性剤等の
エチレンオキシド付加型界面活性剤の中から選ばれる1
種または2種以上が好適に用いられる。
【0031】本発明に用いる有機変性粘土鉱物は、例え
ば、水、アセトン、あるいは低級アルコール等の低沸点
溶媒中で、上述の粘土鉱物と第4級アンモニウム塩型カ
チオン界面活性剤を分散攪拌処理し、低沸点溶媒を除去
することによって得ることができる。また、水膨潤性粘
土鉱物と第4級アンモニウム塩型カチオン界面活性剤を
配合し、処方中で有機変性させることも可能であり、こ
のようにして得たものも好適に用いることができる。な
お、上述したように、所望により、第4級アンモニウム
塩型カチオン界面活性剤と非イオン性界面活性剤とを併
用してもよい。
【0032】第4級アンモニウム塩型カチオン界面活性
剤の使用量は、水膨潤性粘土鉱物100gに対して60
〜140ミリ等量(meq)であることが望ましい。ま
た非イオン界面活性剤を併用する場合、その使用量は、
水膨潤粘土鉱物100gに対して5〜100gが好まし
く、さらに好ましくは15〜50gである。
【0033】(b)成分の配合量は、本発明乳化組成物
全量中0.1〜10重量%が好ましく、より好ましくは
0.1〜5重量%である。0.1重量%未満の場合、有
機変性粘土鉱物の添加効果が得られず、安定な乳化組成
物が得られないおそれがある。一方、10重量%を超え
ると、調製されるエマルジョンの粘度が高く、のびが悪
く、ざらつく、透明感がないなど、実使用上の問題が生
じるおそれがある。有機有機変性粘土鉱物は、1種また
は2種以上を任意に選択して用いることができる。
【0034】(c)成分としての乳化剤はHLBが7以
下のものである。HLBが7を超えるものでは親水性が
高く安定な油中水型乳化組成物ができず好ましくない。
【0035】なお、本発明では、このHLBは下記数1
【0036】
【数1】HLB=7+11.7・log(MW/MO)
【0037】(ただし、MWは親水基部の分子量を表
し、MOは親油基部の分子量を表す)で表される川上式
により算出される。
【0038】HLB7以下の乳化剤としては、例えば界
面活性剤のソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノ
イソステアレート、ソルビタントリステアレート等のソ
ルビタン脂肪酸エステル類;グリセロールモノステアレ
ート、グリセロールモノオレエート等のグリセリン脂肪
酸エステル類;POE(5)硬化ヒマシ油、POE
(7.5)硬化ヒマシ油、POE(10)硬化ヒマシ油
等のポリオキシエチレン硬化ヒマシ油;ポリエーテル変
性シリコーン系界面活性剤などが挙げられる。
【0039】中でも、下記一般式(I)
【0040】
【化6】
【0041】(式中、R1は水素原子または炭素原子数
1〜6のアルキル基を表し;mは平均で1〜150の数
を表し;nは平均で1〜50の数を表し;a、bは平均
で0〜35の数を表す)で表されるポリエーテル変性シ
リコーン系界面活性剤が好ましく用いられる。このポリ
エーテル変性シリコーン系界面活性剤は、例えば「シリ
コーンSC1014M」(信越化学(株)製)や、「ト
ーレシリコーンSH−3771」(トーレ・ダウコーニ
ング社)等として市販されている。
【0042】(c)成分の配合量は、本発明乳化組成物
全量中0.1〜15重量%が好ましく、より好ましくは
0.5〜10重量%である。配合量が少なすぎると安定
な乳化物が得られず、一方、配合量が多すぎるとべたつ
き、みずみずしくない等の使用性上の問題がある。
(c)成分は1種または2種以上を任意に選択して用い
ることができる。
【0043】なお、この(c)成分は、(b)成分であ
る有機変性粘土鉱物に吸着された状態で本発明組成物中
に含まれていてもよい。すなわち、本発明油中水型乳化
組成物または乳化化粧料を製造する際、有機変性粘土鉱
物を、(c)成分となり得るHLB7以下の界面活性剤
で処理して、HLB7以下の乳化剤を有機変性粘土鉱物
に吸着させた状態で(c)成分を配合することも可能で
ある。
【0044】本発明では、外相(油相)には、上記必須
成分のほか、本発明の効果を損なわない範囲で任意に添
加成分を配合することができる。例えば通常、化粧品、
医薬部外品等に用いられる成分として他の油性成分、油
溶性高分子、粉末、高分子顆粒等を配合することができ
る。
【0045】本発明では、内相(水相)には、水のほ
か、本発明の効果を損なわない範囲で任意に添加成分を
配合することができる。例えば通常、化粧品、医薬品、
医薬部外品等に用いられる成分として、ビタミンB群、
ビタミンCおよびその誘導体、パントテン酸およびその
誘導体、ビオチン等のビタミン類などの水溶性活性物
質、グルタミン酸ナトリウム、アルギニン、アスパラギ
ン酸、クエン酸、酒石酸、乳酸などの緩衝剤、EDTA
などのキレート剤などの他、水溶性紫外線吸収剤、各種
色素等を配合することができるが、これらに限定される
ものでない。
【0046】なお、本発明では、使用性等の点から、組
成物全体における水分含有量、すなわち水相に含まれる
水のほか、油相に含まれる各成分中の水分量の合計量が
50重量%以上であるのが好ましい。
【0047】また、本発明の油中水型乳化組成物には本
発明の効果を損なわない範囲で多価アルコールおよびそ
の誘導体や保湿剤を配合することにより保湿効果を高め
ることができる。
【0048】例えば、多価アルコールおよびその誘導体
としては、エチレングリコール、プロピレングリコー
ル、トリメチレングリコール、1,2−ブチレングリコ
ール、1,3−ブチレングリコール、テトラメチレング
リコール、2,3−ブチレングリコール、ペンタメチレ
ングリコール、2−ブテン−1,4−ジオール、ヘキシ
レングリコール、オクチレングリコール等の2価のアル
コール;グリセリン、トリメチロールプロパン、1,
2,6−ヘキサントリオール等の3価のアルコール;ペ
ンタエリスリトール等の4価のアルコール;キシリトー
ル等の5価のアルコール;ソルビトール、マンニトール
等の6価のアルコール;ジエチレングリコール、ジプロ
ピレングリコール、トリエチレングリコール、ポリプロ
ピレングリコール、トリグリセリン、テトラグリセリ
ン、ポリグリセリン等の多価アルコール共重合体;エチ
レングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコー
ルモノエチルエーテル、エチレングリコールノモブチル
エーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、
エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレング
リコールモノ−2−メチルヘキシルエーテル、エチレン
グリコールイソアミルエーテル、エチレングリコールベ
ンジルエーテル、エチレングリコールイソプロピルエー
テル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレン
グリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブ
チルエーテル等の2価のアルコールアルキルエーテル
類;ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチ
レングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコ
ールモノブチルエーテル、ジエチレングリコール、ジメ
チルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテ
ル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレ
ングリコールメチルエチルエーテル、トリエチレングリ
コールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモ
ノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチル
エーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、
プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレン
グリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコール
モノイソプロピルエーテル、ジプロピレングリコールメ
チルエーテル、ジプロピレングリコールエチルエーテ
ル、ジプロピレングリコールブチルエーテル等の2価の
アルコールアルキルエーテル類;エチレングリコールモ
ノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノ
エチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブ
チルエーテルアセテート、エチレングリコールモノフェ
ニルエーテルアセテート、エチレングリコールジアジベ
ート、エチレングリコールジサクシネート、エチレング
リコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレング
リコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレング
リコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレング
リコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレング
リコールモノプロピルエーテルアセテート、プロピレン
グリコールモノフェニルエーテルアセテート等の2価の
アルコールエーテルエステル類;キシルアルコール、セ
ラキルアルコール、バチルアルコール等のグリセリンモ
ノアルキルエーテル;ソルビトール、マルチトール、マ
ルトトリオース、マンニトール、ショ糖、エリスリトー
ル、グルコース、フルクトース、デンプン分解糖、マル
トース、キシリトース、デンプン分解糖還元アルコール
等の糖アルコールのほか、グリソリッド、テトラハイド
ロフルフリルアルコール、POEテトラハイドロフルフ
リルアルコール、POPブチルエーテル、POP・PO
Eブチルエーテル、チルポリオキシプロピレングリセリ
ンエーテル、POPグリセリンエーテル、POPグリセ
リンエーテルリン酸、POP・POEペンタエリスルト
ールエーテル等が挙げられる。
【0049】保湿剤としては、コンドロイチン硫酸、ヒ
アルロン酸、ムコイチン硫酸、カロニン酸、アテロコラ
ーゲン、コレステリル−12−ヒドロキシステアレー
ト、乳酸ナトリウム、胆汁酸モノ塩、dl−ピロリドン
カルボン酸モノ塩、短鎖可溶性コラーゲン、イサヨイヨ
バラ抽出液、セイヨウノコギリソウ抽出物などが挙げら
れる。
【0050】また、本発明の乳化組成物の使用感等を損
なわない範囲で水溶性高分子を配合することも可能であ
る。このような水溶性高分子としては、天然の水溶性高
分子、半合成の水溶性高分子、合成の水溶性高分子、無
機の水溶性高分子等が挙げられる。
【0051】天然の水溶性高分子としては、例えばアラ
ビアガム、トラガカントガム、ガラクタン、グアガム、
キャロブガム、カラヤガム、カラギーナン、ペクチン、
カンテン、クインスシード(マルメロ)、アルゲコロイ
ド(カッソウエキス)、デンプン(コメ、トウモロコ
シ、バレイショ、コムギ)、グリチルリチン酸等の植物
系水溶性高分子;キサンタンガム、デキストラン、サク
シノグルカン、プルラン等の微生物系水溶性高分子;コ
ラーゲン、カゼイン、アルブミン、ゼラチン等の動物系
水溶性高分子等が挙げられる。
【0052】半合成の水溶性高分子としては、例えばカ
ルボキシメチルデンプン、メチルヒドロキシプロピルデ
ンプン等のデンプン系水溶性高分子;メチルセルロー
ス、ニトロセルロース、エチルセルロース、メチルヒド
ロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロー
ス、セルロース硫酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルセ
ルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム(C
MC)、結晶セルロース、セルロース末等のセルロース
系水溶性高分子;アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プ
ロピレングリコールエステル等のアルギン酸系水溶性高
分子等が挙げられる。
【0053】合成の水溶性高分子としては、例えばポリ
ビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリビ
ニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー(商品名
「カーボポール」)等のビニル系水溶性高分子;ポリエ
チレングリコール(分子量20,000、4,000、6,000)等の
ポリオキシエチレン系水溶性高分子;ポリオキシエチレ
ンポリオキシプロピレン共重合体共重合系水溶性高分
子、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチルアクリレー
ト、ポリアクリルアミド等のアクリル系水溶性高分子;
ポリエチレンイミン、カチオンポリマー等が挙げられ
る。
【0054】無機の水溶性高分子としては、例えばベン
トナイト、ケイ酸AlMg(商品名「ビーガム」)、ラ
ポナイト、ヘクトライト、無水ケイ酸等が挙げられる。
【0055】本発明の乳化組成物には、上記添加成分以
外にも、通常化粧料や医薬品の分野で配合されている各
種成分を配合することができる。
【0056】また、本発明の効果を損なわない範囲でア
ニオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、カチオン界面
活性剤、両性界面活性剤等を配合することも可能であ
る。
【0057】本発明の油中水型乳化組成物は、例えば化
粧品、医薬部外品、医薬品分野において、皮膚化粧料、
毛髪化粧料、皮膚外用剤などとして利用される。優れた
使用感を有するので乳化化粧料として使用されることが
望ましい。
【0058】
【実施例】次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明するが、本発明はこれによってなんら限定されるもの
ではない。なお、配合量は重量%で示す。
【0059】実施例に先立ち、各実施例で採用した評価
方法について説明する。
【0060】[使用性(みずみずしさ)]女性パネル
(10名)に各実施例、比較例の乳化組成物(試料)を
使用してもらい、下記の評価基準に基づいて評価した。 (評価) ◎: 10名中8名以上がみずみずしいと回答 ○: 10名中6名以上がみずみずしいと回答 △: 10名中4名以上がみずみずしいと回答 ×: 10名中3名以下がみずみずしいと回答
【0061】[使用性(さっぱり感)]女性パネル(1
0名)に各実施例、比較例の乳化組成物(試料)を使用
してもらい、下記の評価基準に基づいて評価した。 (評価) ◎: 10名中8名以上がさっぱり感があると回答 ○: 10名中6名以上がさっぱり感があると回答 △: 10名中4名以上がさっぱり感があると回答 ×: 10名中3名以下がさっぱり感があると回答
【0062】[安定性]実施例、比較例で得た各試料
を、−10℃、0℃、室温、37℃、50℃に1ヶ月放
置した後、目視により乳化状態を調べ、下記の評価基準
に基づいて評価した。 (評価) ◎: 異常なし ○: 一部でわずかに油浮きがみられた △: 油浮きがみられた ×: 分離した
【0063】(実施例1〜4、比較例1〜4)下記表1
〜2に示す組成の乳化組成物(クリーム)を常法により
調製した。これらにつき、上記評価方法に従い、使用性
(みずみずしさ、さっぱり感)、安定性について評価し
た。結果を表3に示す。
【0064】
【表1】
【0065】
【表2】
【0066】なお、表1〜2中、ポリエーテル変性シリ
コーン系界面活性剤(*)は「シリコーンSC9450
N」(信越化学工業(株)製)を、有機変性粘土鉱物
(**)は「ベントン38」(ナショナルレッド社製)を、
それぞれ用いた。
【0067】
【表3】
【0068】表3の結果から明らかなように、本発明品
は、使用性(みずみずしさ、さっぱり感)に優れ、かつ
温度安定性に優れる。
【0069】 (実施例5: 保湿クリーム) (重量%) (1)精製水 残 部 (2)グリシン 1.0 (3)1,3−ブチレングリコール 5.0 (4)トレハロース 3.0 (5)ダイナマイトグリセリン 5.0 (6)デカメチルシクロペンタシロキサン 16.0 (7)オクタメチルシクロテトラシロキサン 4.0 (8)ポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤 2.0 (「シリコーンSC9450N」(信越化学工業(株)製)) (9)有機変性粘土鉱物 3.0 (「ベントン27」(ナショナルレッド社製)) (10)ビタミンE−アセテート 1.0 (11)メチルパラベン 適 量 (12)香料 適 量 [製法](6)〜(10)、(12)を室温にて混合
し、油相の均一分散を行った。一方、(1)に(2)、
(4)、(5)を加え、ここにさらに(3)に(11)
を溶解したものを加えて水相とした。この水相を油相に
徐添し、ホモミキサーで均一分散後、乳化粒子を整え、
油中水型乳化化粧料である保湿クリームを調製した。
【0070】得られた保湿クリームにつき、上述した評
価方法により使用性、安定を評価したところ、使用性、
安定性ともに優れたものであった。
【0071】 (実施例6: O/W/O型クリーム) (重量%) (1)ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 2.0 (2)ベヘニルアルコール 6.0 (3)流動パラフィン 12.0 (4)ワセリン 3.0 (5)ビタミンE−アセテート 1.0 (6)イオン交換水 残 部 (7)1,3ブチレングリコール 5.0 (8)アスコルビン酸 0.5 (9)アルブチン 2.0 (10)フェノキシエタノール 適 量 (11)ポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤 2.0 (「シリコーンSC9450N」(信越化学工業(株)製)) (12)有機変性粘土鉱物 3.0 (「ベントン38」(ナショナルレッド社製)) (13)デカメチルシクロペンタシロキサン 8.0 (14)オクタメチルシクロテトラシロキサン 3.0 (15)香料 適 量 [製法](1)〜(10)でO/Wエマルションを得た
後、(11)〜(15)を均一分散した油相に上記のO
/Wエマルションを徐添し、ディスパーにて均一分散
し、安定なO/W/O型エマルションを得た。得られた
エマルションは安定性が良好で、優れた使用性を有して
いた。
【0072】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、安
定性、特に低温安定性が良好で、みずみずしく、さっぱ
りとした使用感の良好な油中水型乳化組成物および乳化
化粧料が提供される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B01F 17/54 B01F 17/54 // B01J 13/00 B01J 13/00 A (72)発明者 松崎 文昭 神奈川県横浜市港北区新羽町1050 株式会 社資生堂第一リサーチセンター内 (72)発明者 梁木 利男 神奈川県横浜市港北区新羽町1050 株式会 社資生堂第一リサーチセンター内 Fターム(参考) 4C076 AA17 AA18 BB31 DD09 DD28 DD34 DD37 DD38 DD51 DD59 DD68 EE27 EE30 4C083 AB441 AB442 AC012 AC022 AC072 AC122 AC152 AC432 AC482 AC582 AD042 AD161 AD162 AD171 AD172 AD211 AD392 AD642 AD662 BB01 CC05 DD32 DD34 EE01 EE06 EE12 4D077 AA04 AA09 AB11 AB12 AC02 AC04 BA04 BA07 CA12 DD32Y DD33Y DD56Y DE02Y DE07Y DE08Y 4G065 AB01Y AB10Y AB28Y BA07 BB06 CA04 CA05 CA20 DA02 EA01 EA07

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 油相(外相)中に、(a)少なくともデ
    カメチルシクロペンタシロキサンとオクタメチルシクロ
    テトラシロキサンを、デカメチルシクロペンタシロキサ
    ン:オクタメチルシクロテトラシロキサン=19:1〜
    7:3(重量比)の配合割合で含む揮発性シリコーン油
    と、(b)有機変性粘土鉱物と、(c)HLBが7以下
    の乳化剤とを含有してなる、油中水型乳化組成物。
  2. 【請求項2】 HLBが7以下の乳化剤が下記一般式
    (I) 【化1】 (式中、R1は水素原子または炭素原子数1〜6のアル
    キル基を表し;mは平均で1〜150の数を表し;nは
    平均で1〜50の数を表し;a、bは平均で0〜35の
    数を表す)で表されるポリエーテル変性シリコーン系界
    面活性剤である、請求項1記載の油中水型乳化組成物。
  3. 【請求項3】 揮発性シリコーン油中におけるデカメチ
    ルシクロペンタシロキサンとオクタメチルシクロテトラ
    シロキサンとの合計配合量が80重量%以上である、請
    求項1または2記載の油中水型乳化組成物。
  4. 【請求項4】 組成物全量中の水分含有量が50重量%
    以上である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の油中
    水型乳化組成物。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1項に記載の油
    中水型乳化組成物からなる乳化化粧料。
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