JP4472099B2 - 整髪用毛髪化粧料 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は,整髪用毛髪化粧料に関する。さらに詳しくは、固形油分の整髪力を用いるクリーム状等の整髪用毛髪化粧料に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に用いられている整髪用毛髪化粧料としては,セット樹脂で整髪するムース,ヘアスプレー,ジェル,セットローション等の整髪用毛髪化粧料,主として固形ワックスの整髪力を用いるヘアスチック,ポマード,ヘアクリーム,ヘアワックス等の整髪用毛髪化粧料がある。近年は、髪のつやを抑えた上質な感じ、いわゆるマット感のある整髪用毛髪化粧料が好まれる傾向にある。従来、脂肪酸グリコール類をヘアワックスに配合すると、つやの少ない、マット感のある整髪用毛髪化粧料が得られることが知られている。
【0003】
しかし、従来のマット感のある整髪用毛髪化粧料は、高温での安定性が悪く、また、整髪後の仕上がりも髪が硬く固まり、ふんわりした柔らかい感触が得られない、ナチュラルな整髪力が得られない等満足されるものではなかった。さらに、使用時に、のびが重く、べたつく等使用性の問題点もあった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、使用性及び仕上がりが優れ、セットの持続性、再整髪性が良い、経時で安定な、マット感のある整髪用毛髪化粧料を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意研究を行った結果、脂肪酸グリコール類とともに増粘剤を配合することにより上記課題が解決されることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
すなわち、本発明は、下記(A)、(B)、(C)、(D)及び(E)成分を含有することを特徴とする整髪用毛髪化粧料。
(A)固形油分:1.0〜30.0重量%
(B)液状油分:1.0〜30.0重量%
(C)脂肪酸グリコール類:0.1〜20.0重量%
(D)増粘剤:0.01〜5.0重量%
(E)水:20.0〜90.0重量%
である。
【0007】
本発明の効果を発揮する上で好ましい脂肪酸グリコール類は、ジステアリン酸エチレングリコール、ジステアリン酸ポリエチレングリコール(重合度3)、ステアリン酸ポリエチレングリコール(重合度2)、オレイン酸ポリエチレングリコール(重合度2)、ジオレイン酸ポリエチレングリコール(重合度8)及びジオレイン酸ポリエチレングリコール(重合度12)から選ばれた一種又は二種以上であり、増粘剤は、水溶性高分子、特にカルボキシビニルポリマーまたはポリアクリル酸ナトリウムである。
【0008】
本発明において、固形油分とは、常温(25℃)で固体ないし半固体の油分を意味し、液状油分とは、常温(25℃)で液状の油分を意味する。また、脂肪酸グリコール類とは、脂肪酸とグリコールのエステルである。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について詳述する。
【0010】
本発明において用いられる固形油分とは、一般に化粧料に用いられる固形油分である。具体的に例示すれば、例えば、カカオ脂、ヤシ油、馬脂、硬化ヤシ油、パーム油、牛脂、羊脂、硬化牛脂、パーム核油、豚脂、牛骨脂、モクロウ核油、硬化油、牛脚脂、モクロウ、硬化ヒマシ油等の固体油脂;ミツロウ、キャンデリラロウ、綿ロウ、カルナウバロウ、ベイベリーロウ、イボタロウ、鯨ロウ、モンタンロウ、ヌカロウ、ラノリン、カポックロウ、酢酸ラノリン、サトウキビロウ、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、還元ラノリン、ジョジョバロウ、硬質ラノリン、セラックロウ、POEラノリンアルコールエーテル、POEラノリンアルコールアセテート、POEコレステロールエーテル、POE水素添加ラノリンアルコールエーテル等のロウ類;ポリエチレンワックス、パラフィンワックス、セレシン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックス、ルナセラ、オゾケライト等の炭化水素系ワックス;セチルアルコール、セトステアリルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等の高級アルコール;モノステアリルグリセリンエーテル(バチルアルコール)等の脂肪酸グリセリルエーテル;アセトグリセライド、トリ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセライド等の脂肪酸グリセリド等が挙げられる。これらのうち,カルナウバロウ,マイクロクリスタリンワックスが本発明の効果を発揮する上で好ましく、特にこれらを組み合わせて配合することが最も好ましい。これらの固形油分は、任意の一種または二種以上を選択して用いることができる。
【0011】
固形油分の配合量は、整髪用毛髪化粧料全量中1.0〜30.0重量%であり、好ましくは、2.0〜15.0重量%である。より好ましくは3.0〜12.0重量%である。配合量が1.0重量%未満では、整髪力が充分でない。一方、30.0重量%を超えると、のび、べたつき等使用性の問題が生じる。
【0012】
本発明において用いられる液状油分とは、一般に化粧料に用いられる液状油分である。具体的に例示すれば、例えば、アボガド油、月見草油、ツバキ油、タートル油、マカデミアナッツ油、ヒマワリ油、アーモンド油、トウモロコシ油、ミンク油、オリーブ油、ナタネ油、卵黄油、ゴマ油、パーシック油、小麦胚芽油、サザンカ油、ヒマシ油、アマニ油、サフラワー油、綿実油、エノ油、大豆油、落花生油、茶実油、カヤ油、コメヌカ油、シナギリ油、日本キリ油、ホホバ油、胚芽油等の液体油脂;オクタン酸セチル、セチル2−エチルヘキサノエート、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、エチルラウレート、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸2−ヘキシルデシル、ミリスチン酸ミリスチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、2−エチルヘキシルパルミテート、パルミチン酸2−ヘキシルデシル、パルミチン酸2−ヘプチルウンデシル、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソセチル、オレイン酸デシル、ドデシルオレエート、オレイン酸オレイル、乳酸ミリスチル、乳酸セチル、リンゴ酸ジイソステアリル、12−ヒドロキシステアリル酸コレステリル、ヒマシ油脂肪酸メチルエステル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸−2−オクチルドデシルエステル、コハク酸2−エチルヘキシル、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸2−ヘキシルデシル、アジピン酸ジ−2−ヘプチルウンデシル、セバチン酸ジイソプロピル、セバチン酸ジ−2−エチルヘキシル、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール、アセトグリセライド、ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセリン、トリオクタン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキサン酸グリセリン、トリミリスチン酸グリセリン、トリイソパルミチン酸グリセリン、トリ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセライド、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラオクタン酸ペンタンエリスリトール、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール等のエステル油;流動パラフィン、オゾケライト、スクワレン、プリスタン、ポリブテン等の炭化水素油;ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン等の鎖状ポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサンシロキサン等の環状ポリシロキサン、アミノ変性ポリシロキサン、ポリエーテル変性ポリシロキサン、アルキル変性ポリシロキサン、フッ素変性ポリシロキサン等の各種変性ポリシロキサン等のシリコーン油が挙げられる。これらの液状油分は、任意の一種または二種以上を選択して用いることができる。また、これらのうち、炭化水素油,エステル油,シリコーン油が本発明の効果を発揮する上で好ましい。
【0013】
液状油分の配合量は、整髪用毛髪化粧料全量中1.0〜30.0重量%であり、好ましくは、5.0〜20.0重量%である。配合量が1.0重量%未満では、のび等使用性の問題が生じる。一方、30.0重量%を超えると、べたつく感触を生じる。
【0014】
本発明において用いられる脂肪酸グリコール類は、前記したように、脂肪酸とグリコールから得られるエステルであり、脂肪酸のエステル化の度合いによってジエステル、モノエステルがある。これらの中で、エチレングリコール又はポリエチレングリコールいずれかのエステル類、即ち脂肪酸とポリエチレングリコールもしくは脂肪酸とエチレングリコールからなる、モノあるいはジエステルが好ましい。中でも、脂肪酸とポリエチレングリコールもしくは脂肪酸とエチレングリコールからなる、ジエステルが好ましい。これらは一種又は二種以上を選択して配合される。上記モノエステルあるいはジエステルを構成する脂肪酸は、炭素原子数12〜22の直鎖又は分岐の、飽和又は不飽和脂肪酸が好ましい。また、ポリエチレングリコールの重合度は2〜20が好ましい。
【0015】
本発明の上記モノエステルあるいはジエステルを具体的に例示すれば、例えば、ジオレイン酸エチレングリコール、ジステアリン酸エチレングリコール、ジパルミチン酸エチレングリコール、ジベヘン酸エチレングリコール、ジイソステアリン酸エチレングリコール等の脂肪酸とエチレングリコールからなるジエステル、ジステアリン酸ポリエチレングリコール(重合度3)(以下、ポリエチレングリコール(重合度3)をPEG−3と表し、その重合度の違いによって数字を変えて表す。)、ジステアリン酸PEG−20、ジイソステアリン酸PEG−8、ジオレイン酸PEG−8、ジオレイン酸PEG−12、ジミリスチン酸PEG−2、ジラウリン酸PEG−2等の脂肪酸とポリエチレングリコールからなるジエステル、さらに、オレイン酸エチレングリコール、イソステアリン酸エチレングリコールなどの脂肪酸とエチレングリコールからなるモノエステル、ステアリン酸PEG−2、オレイン酸PEG−2、ベヘン酸PEG−8等の脂肪酸とポリエチレングリコールからなるモノエステル等である。これらの中で、ジステアリン酸エチレングリコール、ジステアリン酸PEG−3、ジオレイン酸PEG−8、ジオレイン酸PEG−12、ステアリン酸PEG−2、オレイン酸PEG−2が好ましい。
【0016】
脂肪酸グリコール類の配合量は、整髪用毛髪化粧料全量中0.1〜20.0重量%であり、好ましくは1〜15重量%である。より好ましくは、5〜12重量%である。配合量が0.1重量%未満では、マット感が得られにくくなり、整髪力も悪くなる。一方、20.0重量%を超えると、のび、べたつきの使用性、ふんわり感の仕上がりが充分でなくなる。また、安定性も悪くなる。
【0017】
本発明において用いられる増粘剤としては,一般に化粧料に用いられる増粘剤であり、多糖類、天然高分子、半合成高分子、合成高分子等の水溶性高分子、無機の水膨潤性粘土鉱物挙げられる。具体的に例示すれば、例えば、多糖類としてはデンプン,グリコーゲン,ヒアルロン酸,コンドロイチン,グアガム,ローカストビンガム,クインスシード,ガラクタン,アラビアガム,トラガントガム,キサンタンガム,デキストラン,サクシノグルカン,コンドロイチン硫酸,ムコイチン硫酸、プルラン等が挙げられる。天然高分子としては、例えば、アラビアガム、トラガカントガム、ガラクタン、グアガム、キャロブガム、カラヤガム、カラギーナン、ペクチン、カンテン、クインスシード(マルメロ)、アルゲコロイド(褐藻エキス)、デンプン(コメ、トウモロコシ、バレイショ、コムギ)、グリチルリチン酸、コラーゲン、カゼイン、アルブミン、ゼラチン等が挙げられる。半合成高分子としては、例えば、カルボキシメチルデンプン、メチルヒドロキシプロピルデンプン等のデンプン系高分子、メチルセルロース、エチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、セルロース硫酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC)等のセルロース系高分子、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル等のアルギン酸系高分子が挙げられる。合成高分子としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー(カーボポール;グッドリッチ社製)等のビニル系高分子、ポリエチレングリコール20,000、40,000、60,000等のポリオキシエチレン系高分子、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体共重合系高分子、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチルアクリレート、ポリアクリルアミド等のアクリル系高分子、ポリエチレンイミン、カチオンポリマー等が挙げられる。無機の水膨潤性粘土鉱物としては、例えば、ベントナイト、ケイ酸A1Mg(ビーガム)、ラポナイト、ヘクトライト、無水ケイ酸等が挙げられる。これらの増粘剤は、任意の一種または二種以上を選択して用いることができる。
【0018】
これらのうち,使用性および安定性の面から,水溶性高分子、特にカルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸ナトリウムが好ましい。
【0019】
増粘剤の配合量は、整髪用毛髪化粧料全量中0.01〜5.0重量%であり、好ましくは、マット感、べたつきのなさ,のびの良さに優れる0.05〜2.0重量%である。より好ましくは、0.1〜1.0重量%である。配合量が0.01重量%未満では、のび、べたつきの使用性、ふわふわ感の仕上がりが充分でなくなる。また、安定性も悪くなる。一方、5.0重量%を超えると、マット感が得られにくくなり、整髪力も悪くなる。
【0020】
本発明における水の配合量は,整髪用毛髪化粧料全量中20.0〜90.0重量%である。好ましくは40.0〜80.0重量%である。配合量が20.0重量%未満では仕上がりが硬く,使用時ののびが悪くなり,安定性も良くなくなる。一方、90.0重量%を超えて配合すると、充分な整髪力が得られなくなる。
【0021】
本発明の整髪用毛髪化粧料には、本発明の効果を損なわない範囲で上記した成分の他に通常化粧品や医薬品等に用いられる他の成分を配合することができる。例えば、界面活性剤、保湿剤、粉末成分、紫外線吸収剤、金属イオン封鎖剤、低級アルコール、アミノ酸類、酸化防止剤、防腐剤、薬剤、香料等が挙げられる。
【0022】
界面活性剤としては、ステアリン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム等の脂肪酸セッケン、N−ラウロイルグルタミン酸モノナトリウム、N−ステアロイルグルタミン酸ジナトリウム等のN−アシルグルタミン酸塩等のアニオン界面活性剤;
【0023】
ソルビタンモノイソステアレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタントリオレエート、テトラ−2−エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン等のソルビタン脂肪酸エステル類、モノ綿実油脂肪酸グリセリン、セスキオレイン酸グリセリン、モノステアリン酸グリセリンリンゴ酸等のグリセリンポリグリセリン脂肪酸類、モノステアリン酸プロピレングリコール等のプロピレングリコール脂肪酸エステル類、硬化ヒマシ油誘導体、グリセリンアルキルエーテル等の親油性非イオン界面活性剤;
【0024】
POE−ソルビタンモノステアレート、POE−ソルビタンモノオレート等のPOEソルビタン脂肪酸エステル類、POE−ソルビットモノラウレート、POE−ソルビットモノステアレート等のPOEソルビット脂肪酸エステル類、POE−グリセリンモノイソステアレート、POE−グリセリントリイソステアレート等のPOEグリセリン脂肪酸エステル類、POEモノオレエート、POEジステアレート、システアリン酸エチレングリコール等のPOE脂肪酸エステル類、POEステアリルエーテル、POE2−オクチルドデシルエーテル、POEコレスタノールエーテル等のPOEアルキルエーテル類、POEジノニルフェニルエーテル等のPOEアルキルフェニルエーテル類、プルロニック等のプルアロニック型類、POE・POP2−デシルテトラデシルエーテル、POE・POP水添ラノリン、POE・POPグリセリンエーテル等のPOE・POPアルキルエーテル類、テトロニック等のテトラPOE・テトラPOPエチレンジアミン縮合物類、POE硬化ヒマシ油、POE硬化ヒマシ油トリイソステアレート、POE硬化ヒマシ油マレイン酸等のPOEヒマシ油硬化ヒマシ油誘導体、POEソルビットミツロウ等のPOEミツロウ・ラノリン誘導体、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド等のアルカノールアミド、POEプロピレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル等の親水性非イオン界面活性剤;
【0025】
塩化ステアリルトリメチルアンモニウム等のアルキルトリメチルアンモニウム塩、塩化セチルピリジニウム等のアルキルピリジニウム塩、アルキル四級アンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ジアルキルモリホニウム塩、塩化ベンザルコニウム等のカチオン界面活性剤;
【0026】
2−ココイル−2−イミダゾリニウムヒドロキサイド−1−カルボキシエチロキシ2ナトリウム塩等のイミダゾリン系両性界面活性剤、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、アルキルベタイン、アミドベタイン、スルホベタイン等のベタイン系界面活性剤等の両性界面活性剤等が挙げられる。
【0027】
保湿剤としては,例えば,グリセリン,1,3−ブチレングリコール,ジプロピレングリコール,プロピレングリコール等の多価アルコール等が挙げられる。配合量としては整髪用毛髪化粧料全量中0.1〜65.0重量%が好ましい。
【0028】
【実施例】
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。配合量は重量%である。実施例の説明に先立ち、各実施例及び比較例で用いた評価方法及び評価基準を説明する。
【0029】
[使用性及び仕上がり]
(評価方法)
20名の専門パネルによる使用テストを行い、各人のつけた評価点を合計した。なお、評価項目及び評価のポイントは以下のとおりである。
(評価項目及び評価のポイント)
のび:のびが軽く、髪の手すきが容易である。
べたつき:手に対してべたつきがない。
整髪力:自然の髪の流れを有した、ナチュラルな整髪力が得られ、それが持続する。
再整髪性:手すきで簡単に再整髪できる。
ふわふわ感:髪が固まらず、柔らかいふわふわ感がある。
マット感:髪が光らず、マット感がある。
(評価点)
5点:非常に良い。
4点:良い。
3点:普通。
2点:悪い。
1点:非常に悪い。
(評価基準)
◎:合計点が90点以上である。
○:合計点が70点以上90点未満である。
□:合計点が50点以上70点未満である。
△:合計点が30点以上50点未満である。
×:合計点が30点未満である。
【0030】
[安定性]
(評価方法)
各試料を、50℃の各温度条件に保存し、4週間後の粘度、外観変化を以下の評価法に従い評価した。
(評価基準)
○:分離等の変質がない。
△:わずかに分離等変質している。
×:分離等変質を起こしている。
【0031】
表1〜4に記載の配合組成よりなるクリーム状整髪料を調製した。上記評価方法及び評価基準に従って評価した結果を併せて表1〜4に示す。
【0032】
【表1】
Figure 0004472099
【0033】
[製法]
(1)から(7)を80℃〜90℃で攪拌溶解して油相部とし,(8)から(10)を70℃〜80℃で攪拌溶解して水相部とする。水相部に油相部を加えて乳化した後,(11)を加えて中和し,脱気,冷却し,充填した。
【0034】
表1から分かるように、ジステアリン酸エチレングリコールと、カルボキシビニルポリマー又はポリアクリル酸ナトリウムを配合した実施例1及び2は、マット感に優れ、使用性、仕上がりが良く、セットの持続性、再整髪性が良く、安定性の点においても、良好であった。一方、カルボキシビニルポリマー及びポリアクリル酸ナトリウムを除いた比較例1は、マット感はでているものの、安定性が悪く、使用性及び仕上がりも悪いものであった。また、ジステアリン酸エチレングリコールを配合しない比較例2及び3は、マット感が得られず、仕上がり、セットの持続性、再整髪性も悪いものであった。また、ジステアリン酸エチレングリコール、カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸ナトリウムいずれも配合していない比較例4は、マット感はなく、仕上がり、セットの持続性、再整髪性も悪いものであった。
【0035】
【表2】
Figure 0004472099
【0036】
[製法] 表1と同様にして調製した。
【0037】
表2から分かるように、カルボキシビニルポリマーを0.01〜5.0重量%配合した実施例3〜6は、マット感に優れ、使用性、仕上がりが良く、セットの持続性、再整髪性が良く、安定性の点においても、良好であった。特に、0.05〜2.0重量%の範囲で、マット感、のび、べたつきの点で優れていた。一方、0.005重量%配合した比較例5は、のびが重く、べたつき、仕上がりもふわふわ感のないものであった。また、安定性も悪いものであった。また、10.0重量%配合した比較例6は、マット感が不充分で、整髪力、再整髪性も悪いものであった。
【0038】
【表3】
Figure 0004472099
【0039】
[製法] 表1と同様にして調製した。
【0040】
表3から分かるように、ジステアリン酸エチレングリコールを0.1〜20.0重量%配合した実施例7〜10は、マット感に優れ、使用性、仕上がりが良く、セットの持続性、再整髪性が良く、安定性の点においても、良好であった。特に、1.0〜15.0重量%の範囲で、マット感に優れ、のび、べたつきの点も優れていた。一方、0.01重量%配合した比較例7は、マット感が不充分で、整髪力、再整髪性も悪いものであった。また、30.0重量%配合した比較例8は、のびが重く、べたつき、仕上がりもふわふわ感のないものであった。また、安定性も悪いものであった。
【0041】
【表4】
Figure 0004472099
Figure 0004472099
【0042】
[製法] 表1と同様にして調製した。
【0043】
表3から分かるように、各種脂肪酸グリコール類を配合した実施例11〜16は、いずれもマット感に優れ、使用性、仕上がりが良く、セットの持続性、再整髪性が良く、安定性の点においても、良好であった。特に、ジステアリン酸PEG−3、ステアリン酸PEG−2、オレイン酸PEG−2、ジオレイン酸PEG−8、ジオレイン酸PEG−12が優れていた。
【0044】
以下、さらに常法に従って製造した本発明の実施例を挙げる。これらの実施例はいずれもマット感に優れ、使用性、仕上がりが良く、セットの持続性、再整髪性が良く、安定性の点においても、良好であった。
【0045】
実施例17 クリーム状整髪料
カルナウバロウ 5.0重量%
マイクロクリスタリンワックス 8.0
ステアリルアルコール 2.0
流動パラフィン 10.0
メチルフェニルポリシロキサン 5.0
テトラオクタン酸ペンタエリスリトール 3.0
ジステアリン酸エチレングリコール 12.0
POE(60)硬化ヒマシ油 3.0
ステアリン酸 4.5
イソステアリン酸 1.0
カルボキシビニルポリマー 1.0
プロピレングリコール 8.0
トリエタノールアミン 1.1
イオン交換水 残余
酸化防止剤 適量
防腐剤 適量
香料 適量
【0046】
実施例18 クリーム状整髪料
カルナウバロウ 2.0重量%
パラフィンワックス 3.0
ステアリン酸 2.0
流動パラフィン 5.0
ジメチルポリシロキサン 3.0
セバシン酸−2−エチルヘキシル 2.0
イソステアリン酸POEグリセリル 1.5
モノステアリン酸グリセリン 1.5
プロピレングリコール 10.0
苛性ソーダ 0.2
カルボキシビニルポリマー 0.2
ポリエチレングリコール20,000 0.05
ポリアクリル酸ナトリウム 0.1
ステアリン酸PEG−2 0.5
オレイン酸PEG−2 0.5
ジステアリン酸エチレングリコール 10.0
イオン交換水 残余
香料 適量
【0047】
実施例19 クリーム状整髪料
流動パラフィン 15.0重量%
トリ−2−エチルヘキサン酸グリセリン 2.0
ワセリン 10.0
ステアリルアルコール 1.0
セレシン 1.0
カルボキシビニルポリマー 0.1
グリセリン 10.0
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 3.0
苛性ソーダ 0.1
イオン交換水 残余
ジステアリン酸エチレングリコール 5.0
【0048】
実施例20 ポマード状整髪料
グリセリン 50.0重量%
プロピレングリコール 3.0
エタノール 10.0
カルボキシビニルポリマー 0.5
ベントナイト 0.05
ヒドロキシプロピルセルロース 0.1
ポリオキシエチレンオクチルドデシルエーテル 1.0
ミツロウ 1.0
流動パラフィン 2.0
苛性ソーダ 0.1
エデト酸塩 0.1
メチルパラベン 0.1
イオン交換水 残余
ジステアリン酸エチレングリコール 5.0
ジオレイン酸PEG−8 2.0
ジオレイン酸PEG−12 1.0
【0049】
実施例21 ジェル状整髪料
流動パラフィン 5.0重量%
ジメチルポリシロキサン 3.0
高重合メチルポリシロキサン 7.0
マイクロクリスタリンワックス 2.0
1,3−ブチレングリコール 5.0
エタノール 10.0
脂肪酸ポリオキシエチレングリセリル 1.0
ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル 2.0
カルボキシビニルポリマー 0.1
キサンタンガム 0.2
ポリビニルピロリドン 0.4
エチルセルロース 0.3
メチルパラベン 0.1
イオン交換水 残余
ジステアリン酸エチレングリコール 5.0
ジステアリン酸PEG−3 2.0
オレイン酸エチレングリコール 3.0
【0050】
実施例22 クリーム状整髪料
カルナウバロウ 5.0重量%
マイクロクリスタリンワックス 8.0
ステアリルアルコール 2.0
流動パラフィン 10.0
メチルフェニルポリシロキサン 5.0
テトラオクタン酸ペンタエリスリトール 3.0
ジステアリン酸エチレングリコール 12.0
POE(60)硬化ヒマシ油 3.0
ステアリン酸 4.5
イソステアリン酸 1.0
ポリアクリル酸ナトリウム 1.0
プロピレングリコール 8.0
トリエタノールアミン 1.1
イオン交換水 残余
酸化防止剤 適量
防腐剤 適量
香料 適量
【0051】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、のびの軽い、べたつかない使用性を有した、ナチュラルで、柔らかいふわふわ感のある仕上がりが得られる、セットの持続性、再整髪性も良い、経時で安定な、マット感のある整髪用毛髪化粧料が提供される。

Claims (6)

  1. 下記(A)、(B)、(C)、(D)及び(E)成分:
    (A)少なくともカルナウバロウを含む固形油分:1.0〜30.0重量%;
    (B)液状油分:1.0〜30.0重量%;
    (C)脂肪酸グリコール類:0.1〜20.0重量%;
    (D)増粘剤:0.01〜5.0重量%;
    (E)水:20.0〜90.0重量%;
    を含有し、(A):(B)=1:1〜1:2(重量比)であることを特徴とする整髪用毛髪化粧料。
  2. 脂肪酸グリコール類が、エチレングリコール又はポリエチレングリコールの脂肪酸モノあるいはジエステルである請求項1記載の整髪用毛髪化粧料。
  3. ポリエチレングリコールの重合度が2〜20である請求項2記載の整髪用毛髪化粧料。
  4. 脂肪酸グリコール類が、ジステアリン酸エチレングリコール、ジステアリン酸ポリエチレングリコール(重合度3)、ステアリン酸ポリエチレングリコール(重合度2)、オレイン酸ポリエチレングリコール(重合度2)、ジオレイン酸ポリエチレングリコール(重合度8)及びジオレイン酸ポリエチレングリコール(重合度12)から選ばれた一種又は二種以上である請求項1記載の整髪用毛髪化粧料。
  5. 増粘剤が、水溶性高分子である請求項1記載の整髪用毛髪化粧料。
  6. 水溶性高分子が、カルボキシビニルポリマーまたはポリアクリル酸ナトリウムである請求項記載の整髪用毛髪化粧料。
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