JP2000211952A - 合わせガラス用中間膜及び合わせガラス - Google Patents

合わせガラス用中間膜及び合わせガラス

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JP2000211952A JP11015884A JP1588499A JP2000211952A JP 2000211952 A JP2000211952 A JP 2000211952A JP 11015884 A JP11015884 A JP 11015884A JP 1588499 A JP1588499 A JP 1588499A JP 2000211952 A JP2000211952 A JP 2000211952A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 衝撃吸収性や耐貫通性などの合わせガラスと
して必要な基本性能に優れ、湿度の高い雰囲気下に長期
間放置された場合でも合わせガラスの周縁部に白化現象
を殆ど起こさず、しかも可塑剤の揮散が少なく、従って
トリムカット性にも優れる合わせガラスを得るに適する
合わせガラス用中間膜、同ガラス。 【解決手段】 ポリビニルアセタール樹脂100重量
部、トリエチレングリコールジ2−エチルヘキサノエー
ト20〜60重量部及びカルボン酸のマグネシウム塩混
合物(2−エチル酢酸マグネシウム/酢酸マグネシウム
(重量比)=0.5〜3)0.01〜0.1重量部を含
有する樹脂組成物が製膜されて成る合わせガラス用中間
膜、同ガラス。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、合わせガラス用中
間膜、及び、その中間膜を用いた合わせガラスに関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、合わせガラスは、自動車のよ
うな車輌、航空機、建築物等の窓ガラス等として広く使
用されている。上記合わせガラスの代表例としては、少
なくとも一対のガラス間に、可塑剤により可塑化された
ポリビニルブチラール樹脂のような可塑化ポリビニルア
セタール樹脂を製膜して成る合わせガラス用中間膜を介
在させ、一体化させて製せられるものが挙げられる。
【0003】このような合わせガラスは、これに衝撃が
加えられるとガラスは破損するものの、ガラス間に介在
させた中間膜は容易に破損せず、又、ガラスは破損後に
おいても中間膜に貼着したままであるため、その破片が
飛散することが少なく、従って、例えば自動車や建築物
の内部にある人体がガラスの破片によって傷害を受ける
ことを防止する機能を有する。
【0004】この場合、合わせガラスとしての機能を十
分に満足するためには、中間膜とガラスとの接着力が高
ければ高いほど良いわけではなく、この接着力をある適
正な範囲内に調整することが必要である。
【0005】上記接着力の適正な範囲内への調整は、例
えば、自動車等においては事故発生時、運転者や乗客等
がガラスへ衝突する際の衝撃吸収や貫通防止のために必
要であり、又、例えば、建築物においては外部からの飛
来物の貫通防止やガラスの飛散防止のために必要であ
る。
【0006】即ち、中間膜とガラスとの接着力が小さい
場合には、ガラスが中間膜から剥がれ、その破片が飛散
し易くなるという問題が発生し、逆に、中間膜とガラス
との接着力が大きい場合には、ガラスと中間膜とが同時
に破損して、人体や外部からの飛来物等が貫通し易くな
るという問題が発生する。
【0007】これに対し、中間膜とガラスとの接着力が
適正な範囲内にある場合には、ガラスの破損が広範囲に
わたって起こると共に、ガラスが破損すると同時に中間
膜とガラスとの部分的な界面剥離が起こり、且つ、中間
膜が延伸するという現象が生じるため、衝撃吸収効果や
貫通防止効果が大きくなる。
【0008】上記に鑑み、従来より、中間膜とガラスと
の接着力を適正な範囲内に調整するために、中間膜用の
接着力調整剤が種々検討されてきた。
【0009】例えば、特公昭48−5772号公報で
は、「少なくとも2枚のガラスを可塑化ポリビニルアセ
タール樹脂組成物で貼り合わせたガラスにおいて、該可
塑化ポリビニルアセタール樹脂組成物中に炭素数10〜
22の脂肪族カルボン酸のナトリウム金属塩を含有せし
めたことを特徴とする合わせガラス」が開示されてい
る。
【0010】しかし、上記開示にある合わせガラスは、
接着力調整剤として炭素数の比較的大きいカルボン酸の
金属塩を用いているため、中間膜とガラスとの接着力が
時間経過(経時)とともに変化するという問題点があ
る。即ち、初期の接着力は適正であっても、経時ととも
に次第に接着力が低下もしくは昂進し、衝撃を受けた時
にガラスが剥離し易くなるか、逆に剥離し難くなる。こ
の接着力変化を防止するためには、中間膜を例えば40
〜50℃の雰囲気下で1〜2ケ月間保管して熟成する必
要があるが、中間膜は粘着性や自着性等を有するため、
上記のような雰囲気下で長期間保管することは現実的に
は困難であり、又、仮に熟成を行ったとしても、接着力
の経時変化を抑制することは出来るが皆無にすることは
出来ず、上記問題点は依然として残る。
【0011】上記問題点に対応するため、例えば、特公
平2−41547号公報では、「トリエチレングリコー
ル−ジ−n−ヘプタン酸エステル及びテトラエチレング
リコール−ジ−n−ヘプタン酸エステルから成るグルー
プより選択した相溶する量の加水分解性エステルによっ
て可塑化し且つ接着力調整剤を含有するポリビニルブチ
ラールシートにおいて、接着力調整剤はアルカリ又はア
ルカリ土類金属ギ酸塩から成り且つシートはその100
万部当り10当量未満の、滴定によって測定された、酸
の濃度を有していることを特徴とするポリビニルブチラ
ールシート」が開示されている。
【0012】しかし、上記開示にある中間膜は、接着力
調整剤として炭素数の小さいギ酸の金属塩を用いている
ため、中間膜とガラスとの接着力の経時変化の問題点は
解消されるものの、中間膜の耐湿性が不十分となり、そ
の結果、合わせガラスの周縁部に吸湿による白化現象を
起こし易くなるという別の問題点が発生する。
【0013】即ち、中間膜は通常の雰囲気(湿度)下に
おいては吸湿性が高いため、合わせガラスに加工する場
合、例えば、相対湿度25%(25%RH)の雰囲気下
で含水率が0.45重量%程度となるように調湿して合
わせ加工を行うのが一般的である。ところが、通常合わ
せガラスの周縁部は剥き出しの状態であるため、高湿度
雰囲気下では中間膜が吸湿し、含水率が2〜3重量%程
度にまで上昇する。この時、中間膜中に微小な結晶とし
て存在する例えばギ酸のアルカリ金属塩やアルカリ土類
金属塩等のような炭素数の小さいカルボン酸の金属塩の
周囲に水が集まり、白化現象を惹起する。
【0014】上記白化現象の発生を防止するために、例
えば、特公昭53−18207号公報では、「モノカル
ボン酸又はジカルボン酸のアルカリ金属塩又はアルカリ
土類金属塩と変性シリコンオイルとが含有されるか若し
くは付着された可塑化ポリビニルアセタール樹脂中間膜
によって少なくとも2枚のガラスが貼り合わされている
ことを特徴とする積層安全ガラス」が開示されている。
【0015】しかし、上記開示にある合わせガラスも、
長期の吸湿による白化現象の発生を防止するという観点
からは十分なものとは言えなかった。
【0016】又、中間膜の有する別の問題として可塑剤
の揮散に起因する問題点がある。従来の中間膜には、可
塑剤としてアジピン酸ジヘキシルやトリエチレングリコ
ールジ2−エチルブチレート等が一般的に用いられてい
るが、これらの可塑剤は比較的低沸点であるため、オー
トクレーブ中での合わせ加工時に可塑剤が揮散して安全
性が低下するという問題点や、合わせガラスとされた後
の周縁部からはみ出している中間膜(トリム部分)から
可塑剤が揮散して、トリム部分が硬くなり、トリムのカ
ットによる除去性(トリムカット性)が悪くなる等の問
題点がある。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
問題点を解決するため、中間膜とガラスとの接着力が初
期及び経時後のいずれにおいても適正な範囲内に保持さ
れており、従って衝撃吸収性や耐貫通性などの合わせガ
ラスとして必要な基本性能に優れ、且つ、湿度の高い雰
囲気下に長期間放置された場合でも合わせガラスの周縁
部に白化現象を殆ど起こさず、しかも可塑剤の揮散が少
なく、従ってトリムカット性にも優れる合わせガラスを
得るに適する合わせガラス用中間膜、及び、その中間膜
を用いて製せられた合わせガラスを提供することを課題
とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
(以下、「第1発明」と記す)による合わせガラス用中
間膜は、ポリビニルアセタール樹脂100重量部、トリ
エチレングリコールジ2−エチルヘキサノエート20〜
60重量部及びカルボン酸のマグネシウム塩混合物0.
01〜0.1重量部を含有する樹脂組成物が製膜されて
成る合わせガラス用中間膜であって、上記カルボン酸の
マグネシウム塩混合物が、2−エチル酪酸マグネシウム
/酢酸マグネシウム(重量比)=0.5〜3の関係を満
たす混合物であることを特徴とする。
【0019】又、請求項2に記載の発明(以下、「第2
発明」と記す)による合わせガラス用中間膜は、上記第
1発明による合わせガラス用中間膜において、ポリビニ
ルアセタール樹脂が、ブチラール化度が66〜72モル
%のポリビニルブチラール樹脂であることを特徴とす
る。
【0020】更に、請求項3に記載の発明(以下、「第
3発明」と記す)による合わせガラスは、少なくとも一
対のガラス間に、上記第1発明又は第2発明による合わ
せガラス用中間膜を介在させ、一体化させて成ることを
特徴とする。
【0021】以下、本発明を詳しく説明する。
【0022】第1発明による合わせガラス用中間膜(以
下、単に「中間膜」と記す)の主成分として用いられる
ポリビニルアセタール樹脂の製造方法としては、特に限
定されるものではないが、例えば、ポリビニルアルコー
ル(以下、「PVA」と記す)を熱水に溶解し、得られ
た水溶液を所定の温度、例えば0〜95℃に保持してお
いて、所要のアルデヒドと酸触媒とを加え、攪拌しなが
らアセタール化反応を進行させ、次いで反応温度を上げ
て熟成することにより反応を完結させ、その後、中和、
水洗及び乾燥を行ってポリビニルアセタール樹脂の粉末
を得る方法が採用される。
【0023】上記ポリビニルアセタール樹脂の製造方法
において、PVAとしては、平均重合度500〜500
0のものが好ましく、平均重合度1000〜2500の
ものがより好ましい。PVAの平均重合度が500未満
であると、中間膜の強度が弱くなり過ぎて、得られる合
わせガラスの衝撃吸収性や耐貫通性等が低下することが
あり、逆に、PVAの平均重合度が5000を超える
と、中間膜の製膜が難しくなることがあり、しかも中間
膜の強度が強くなり過ぎて、得られる合わせガラスの衝
撃吸収性や耐貫通性等が低下することがある。
【0024】又、上記で得られるポリビニルアセタール
樹脂のビニルアセテート成分は30モル%以下に設定す
るのが好ましく、そのためにPVAの鹸化度は70モル
%以上のものが好適に用いられる。PVAの鹸化度が7
0モル%未満であると、ポリビニルアセタール樹脂の透
明性や耐熱性等が低下することがあり、又、反応性が低
下することもある。尚、上記PVAの平均重合度及び鹸
化度は、例えば、JIS K−6726「ポリビニルア
ルコール試験方法」に準拠して測定することが出来る。
【0025】第1発明において、ポリビニルアセタール
樹脂を得るのに使用するアルデヒドとしては、特に限定
されるものではないが、例えば、炭素数が3〜10、好
ましくは4〜8、のアルデヒドが挙げられ、好適に用い
られる。
【0026】このようなアルデヒドとしては、特に限定
されるものではないが、例えば、プロピオンアルデヒ
ド、n−ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、バ
レルアルデヒド、n−ヘキシルアルデヒド、2−エチル
ブチルアルデヒド、n−ヘプチルアルデヒド、n−オク
チルアルデヒド、n−ノニルアルデヒド、n−デシルア
ルデヒド、ベンズアルデヒド、シンナムアルデヒド等の
脂肪族、芳香族、脂環族のアルデヒドが挙げられ、これ
らの1種もしくは2種以上が好適に用いられる。
【0027】アルデヒドの炭素数が3未満であると、中
間膜の製膜性が不十分となることがあり、逆に、アルデ
ヒドの炭素数が10を超えると、アセタール化の反応性
が低下し、しかも反応中に樹脂のブロックが発生し易く
なり、樹脂の合成に困難を伴うことがある。上記炭素数
が3〜10のアルデヒドのなかでも炭素数が4〜8のn
−ブチルアルデヒド、n−ヘキシルアルデヒド、2−エ
チルブチルアルデヒド、n−オクチルアルデヒド等の1
種もしくは2種以上がより好適に用いられる。
【0028】上記炭素数が4〜8のアルデヒドのなかで
も炭素数が4のn−ブチルアルデヒドでアセタール化し
て得られるものが特に好ましい。n−ブチルアルデヒド
でアセタール化して得られるポリビニルブチラール樹脂
(以下、「PVB」と記す)は製造が容易であり、且
つ、上記PVBを用いることにより、中間膜とガラスと
の接着力がより適正なものとなり、又、耐光性や耐候性
等にもより優れたものとなる。
【0029】こうして得られるPVBは、ビニルブチラ
ール成分とビニルアルコール成分とビニルアセテート成
分とから構成されている。上記各成分量は、例えば、J
ISK−6728「ポリビニルブチラール試験方法」や
核磁気共鳴法(NMR)に準拠して測定することが出来
る。
【0030】尚、PVB以外のポリビニルアセタール樹
脂の場合は、ビニルアルコール成分量とビニルアセテー
ト成分量とを測定し、残りのビニルアセタール成分量は
100から上記両成分量を差し引くことにより算出する
ことが出来る。
【0031】又、上記各種ポリビニルアセタール樹脂の
アセタール化度は、一般に40〜75モル%であること
が好ましい。ポリビニルアセタール樹脂のアセタール化
度が40モル%未満であると後述する可塑剤との相溶性
が低下して、耐貫通性の確保に必要な量の可塑剤の混合
が難しくなることがあり、逆に75モル%を超えるアセ
タール化度の樹脂を得るには長時間の反応時間を要する
ことがあり、プロセス上好ましくない。
【0032】第2発明による中間膜においては、主成分
であるポリビニルアセタール樹脂として、ブチラール化
度が66〜72モル%のPVBが用いられることが必要
であり、好ましくはブチラール化度が67.5〜70モ
ル%のPVBである。
【0033】主成分としてブチラール化度が66〜72
モル%のPVBを用いることにより、得られる中間膜は
一段と優れたバランスの性能を有するものとなる。
【0034】上記PVBのブチラール化度が66モル%
未満であると、得られる中間膜の吸湿性が強くなって、
合わせガラス周縁部に白化現象を起こし易くなり、逆に
PVBのブチラール化度が72モル%を超えると、得ら
れる中間膜の機械的強度が不十分となることがある。
【0035】上記PVBの製造方法は、基本的には前記
ポリビニルアセタール樹脂の製造方法に準じれば良く特
に限定されるものではないが、より好ましくは、例え
ば、PVAを熱水に溶解し、得られた水溶液を例えば1
0〜20℃に保持しておいて、n−ブチルアルデヒドと
酸触媒とを加え、攪拌しながらブチラール化反応を進行
させ、次いで例えば70℃に昇温して熟成することによ
り反応を完結させ、その後、中和、水洗及び乾燥を行っ
てPVBの粉末を得る方法を採れば良い。
【0036】上記PVBの製造に用いられるPVAは、
平均重合度が1000〜2500であるものが好まし
い。PVAの平均重合度が1000未満であると、中間
膜の強度が弱くなり過ぎて、得られる合わせガラスの衝
撃吸収性や耐貫通性等が低下することがあり、逆にPV
Aの平均重合度が2500を超えると、中間膜の強度が
強くなり過ぎて、同じく衝撃吸収性や耐貫通性等が低下
することがある。
【0037】又、上記PVBの製造に用いられるPVA
は、鹸化度が95モル%以上であるものが好ましい。P
VAの鹸化度が95モル%未満であると、得られる中間
膜の透明性、耐熱性、耐光性、耐候性等が不十分となる
ことがある。
【0038】第1発明及び第2発明による中間膜におい
ては、上述したポリビニルアセタール樹脂(ブチラール
化度が66〜72モル%のPVBを包含する)100重
量部に対し、可塑剤として、トリエチレングリコールジ
2−エチルヘキサノエート(以下、「3GO」と記す)
20〜60重量部が添加されていることが必要であり、
好ましくは30〜50重量部である。
【0039】上記3GOは、トリエチレングリコールと
その2倍当量以上の2−エチルヘキサン酸とを触媒の存
在下で反応させることにより製造することが出来る。
【0040】上記3GOは、沸点が219℃/5mmH
gであり、従来中間膜用として一般的に用いられていた
アジピン酸ジヘキシル(沸点185℃/5mmHg)や
トリエチレングリコールジ2−エチルブチレート(沸点
196℃/5mmHg)等と比較して高沸点であるの
で、揮散が少なく、従ってオートクレーブ中での合わせ
加工時の安全性や合わせガラスとされた後のトリムカッ
ト性が著しく向上する。
【0041】前記ポリビニルアセタール樹脂100重量
部に対する上記3GOの添加量が20重量部未満である
と、可塑化効果が不十分となって、中間膜の製膜が困難
となったり、得られる合わせガラスの衝撃吸収性や耐貫
通性等が低下し、逆にポリビニルアセタール樹脂100
重量部に対する3GOの添加量が60重量部を超える
と、得られる中間膜から3GOがブリードアウトし易く
なり、中間膜の光学歪みが大きくなったり、透明性や接
着力が低下する。
【0042】第1発明及び第2発明による中間膜におい
ては、前述したポリビニルアセタール樹脂(ブチラール
化度が66〜72モル%のPVBを包含する)100重
量部に対し、接着力調整剤として、2−エチル酪酸マグ
ネシウム(以下、「C6Mg」と記す)と酢酸マグネシ
ウム(以下、「C2Mg」と記す)とから成るカルボン
酸のマグネシウム塩混合物(以下、単に「マグネシウム
塩混合物」と記す)0.01〜0.1重量部が添加され
ていることが必要であり、好ましくは0.03〜0.0
8部である。
【0043】上記C6Mg又はC2Mgは、それぞれ2
−エチル酪酸又は酢酸と酸化マグネシウムとを触媒の存
在下で反応させることにより製造することが出来る。
【0044】第1発明及び第2発明においては、上記マ
グネシウム塩混合物が、C6Mg/C2Mg(重量比)
=0.5〜3の関係を満たす混合物であることが必要で
あり、好ましくはC6Mg/C2Mg(重量比)=1〜
2.5である。尚、ここで言う混合物とは、C6Mgと
C2Mgとを上記関係を満たす割合で予め混合したもの
であっても勿論良いし、C6MgとC2Mgとをそれぞ
れ個別に中間膜中に添加した時の添加量の割合が上記関
係を満たすものであっても良い。
【0045】上記C6Mg及びC2Mgは、中間膜中で
電離することなくそれぞれ塩の形で中間膜中に存在し、
水分子を引き寄せることにより、中間膜とガラスとの接
着力を適正な範囲に保持させる機能を有し、その結果、
得られる合わせガラスの衝撃吸収性や耐貫通性は優れた
ものとなる。
【0046】又、上記C6Mg及びC2Mgは、C6M
g/C2Mg(重量比)=0.5〜3の関係を満たす割
合で併用されることにより、中間膜中に複合体として存
在し、凝集することなく中間膜表面に高濃度で分布する
ため、少量の添加量で優れた接着力調整効果を発揮す
る。その結果、得られる合わせガラスは、優れた衝撃吸
収性や耐貫通性を有するものとなり、又、吸湿による白
化現象も殆ど起こさないものとなる。
【0047】上記C6Mg/C2Mg(重量比)が0.
5未満であると、マグネシウム塩混合物が中間膜中で凝
集を起こして、得られる合わせガラスの周縁部に白化現
象を生じ易くなり、逆にC6Mg/C2Mg(重量比)
が3を超えると、中間膜とガラスとの接着力が経時変化
し易くなり、得られる合わせガラスの衝撃吸収性や耐貫
通性が不安定となる。
【0048】又、前記ポリビニルアセタール樹脂100
重量部に対する上記マグネシウム塩混合物の添加量が
0.01重量部未満であると、接着力調整効果が不十分
となって、得られる合わせガラスの衝撃吸収性や耐貫通
性が十分に向上せず、逆にポリビニルアセタール樹脂1
00重量部に対するマグネシウム塩混合物の添加量が
0.1重量部を超えると、得られる合わせガラスの透明
性や耐白化性が低下する。
【0049】第1発明及び第2発明による中間膜には、
必須成分であるポリビニルアセタール樹脂(ブチラール
化度が66〜72モル%のPVBを包含する)、3GO
及びC6Mg/C2Mg(重量比)=0.5〜3の関係
を満たすカルボン酸のマグネシウム塩混合物以外に、本
発明の課題達成を阻害しない範囲で必要に応じて、中間
膜の劣化を防止するための安定剤、酸化防止剤、紫外線
吸収剤、例えば微粉シリカのような無機充填剤、例えば
ラウリル硫酸ナトリウムやアルキルベンゼンスルホン酸
ナトリウム等のような界面活性剤、着色剤等の各種添加
剤の1種もしくは2種以上が含有されていても良い。
【0050】安定剤としては、特に限定されるものでは
ないが、例えば、旭電化工業社製の商品名「アデカスタ
ブLA−57」のようなヒンダードアミン系安定剤等が
挙げられ、これらの1種もしくは2種以上が好適に用い
られる。
【0051】酸化防止剤としては、特に限定されるもの
ではないが、例えば、t−ブチルヒドロキシトルエン
(例えば、住友化学工業社製の商品名「スミライザーB
HT」)、テトラキス−〔メチレン−3−(3’−5’
−ジt−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオ
ネート〕メタン(例えば、チバガイギー社製の商品名
「イルガノックス1010」)等のフェノール系酸化防
止剤等が挙げられ、これらの1種もしくは2種以上が好
適に用いられる。
【0052】紫外線吸収剤としては、特に限定されるも
のではないが、例えば、2−(2’−ヒドロキシ−5’
−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール(例えば、チバ
ガイギー社製の商品名「チヌビンP」)、2−(2’−
ヒドロキシ−3’,5’−ジt−ブチルフェニル)ベン
ゾトリアゾール(例えば、チバガイギー社製の商品名
「チヌビン320」)、2−(2’−ヒドロキシ−3’
−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベ
ンゾトリアゾール(例えば、チバガイギー社製の商品名
「チヌビン326」)、2−(2’−ヒドロキシ−
3’,5’−ジアミルフェニル)ベンゾトリアゾール
(例えば、チバガイギー社製の商品名「チヌビン32
8」)等のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤等が挙げ
られ、これらの1種もしくは2種以上が好適に用いられ
る。
【0053】第1発明及び第2発明による中間膜の製造
方法は、特に限定されるものではなく、例えば、必須成
分であるポリビニルアセタール樹脂(ブチラール化度が
66〜72モル%のPVBを包含する)、3GO及びC
6Mg/C2Mg(重量比)=0.5〜3の関係を満た
すカルボン酸のマグネシウム塩混合物の各所定量と、必
要に応じて添加される上記各種添加剤の1種もしくは2
種以上の各所定量とを、例えばミキシングロールに供給
し、混練して樹脂組成物を作製した後、この樹脂組成物
をプレス成形機、カレンダーロール、押出機等を用いて
シート状に製膜して可塑化ポリビニルアセタール樹脂膜
を成形し、これを中間膜とすれば良い。
【0054】上記可塑化ポリビニルアセタール樹脂膜
は、単層で中間膜とされても良いし、2枚以上が積層さ
れた状態で中間膜とされても良い。又、中間膜は単層で
用いられても良いし、2枚以上が積層された状態で用い
られても良い。
【0055】上記中間膜の全体の膜厚は、特に限定され
るものではないが、合わせガラスとして最小限必要な衝
撃吸収性や耐貫通性、耐熱性、耐水性、耐光性、耐候性
等を考慮すると、実用的には0.3〜1.6mmである
ことが好ましい。
【0056】次に、第3発明による合わせガラスは、少
なくとも一対のガラス間に、上述した第1発明又は第2
発明による中間膜を介在させ、一体化させて成ることが
必要である。
【0057】上記ガラスは、通常の無機透明ガラスのみ
ならず、ポリカーボネート板、ポリメチルメタクリレー
ト板などの有機透明ガラスも包含する。
【0058】上記ガラスの種類としては、特に限定され
るものではないが、例えば、フロート板ガラス、磨き板
ガラス、型板ガラス、網入り板ガラス、線入り板ガラ
ス、熱線吸収板ガラス、着色された板ガラス等の各種無
機ガラス又は有機ガラスが挙げられ、これらの1種もし
くは2種以上が好適に用いられる。又、ガラスの厚み
は、用途によって適宜選択されれば良く、特に制限され
るものではない。
【0059】第3発明による合わせガラスの製造方法
は、特別なものではなく、通常の合わせガラスの場合と
同様の製造方法が採用される。例えば、二枚の透明なガ
ラス板の間に、第1発明又は第2発明による中間膜を介
在させ、これをゴムバッグに入れ、減圧吸引しながら約
70〜110℃の温度で予備接着し、次いで、オートク
レーブもしくはプレスを用いて、約120〜150℃の
温度で、約10〜15kg/cm2 の圧力で本接着を行
い、一体化させることにより所望の合わせガラスを得る
ことが出来る。
【0060】
【作用】第1発明による中間膜は、主成分であるポリビ
ニルアセタール樹脂の特定量に対し、可塑剤として、3
GOの特定量が含有され、且つ、接着力調整剤として、
C6Mg/C2Mgの重量比が特定の範囲にあるカルボ
ン酸のマグネシウム塩混合物の特定量が含有されている
ので、中間膜とガラスとの接着力が初期及び経時後のい
ずれにおいても適正な範囲内に保持される。又、C6M
gとC2Mgを特定の割合で併用するので、耐白化性に
も優れ、上記適正な接着力と優れた耐白化性を兼備す
る。更に、可塑剤として沸点の高い3GOを用いるの
で、オートクレーブ中での合わせ加工時や合わせガラス
とされた後のトリム部からの可塑剤の揮散が少ない。従
って、衝撃吸収性や耐貫通性などの基本性能に優れると
共に、湿度の高い雰囲気下に長期間放置された場合でも
周縁部に白化現象を殆ど起こさず、且つ、トリムカット
性にも優れる合わせガラスを得るに適する。
【0061】又、第2発明による中間膜は、上記第1発
明による中間膜において、主成分であるポリビニルアセ
タール樹脂として、特定のブチラール化度を有するPV
Bを用いるので、上記第1発明による中間膜の有する適
正な接着力や優れた耐白化性が一段と向上し、高性能の
合わせガラスを得るに適する。
【0062】更に、第3発明による合わせガラスは、上
記第1発明又は第2発明による中間膜を用いて製せられ
るので、優れた衝撃吸収性や耐貫通性などの基本性能を
有し、且つ、耐白化性やトリムカット性等にも優れる。
【0063】
【発明の実施の形態】本発明をさらに詳しく説明するた
め以下に実施例を挙げるが、本発明はこれら実施例のみ
に限定されるものではない。尚、実施例中の「部」は
「重量部」を意味する。
【0064】(実施例1)
【0065】(1)ポリビニルアセタール樹脂の合成 攪拌装置を備えた反応器に、イオン交換水2900部、
平均重合度1700、鹸化度99.2モル%のポリビニ
ルアルコール198部(ビニルアルコール4.5モル相
当量)を投入し、攪拌しながら95℃に加熱して溶解し
た。次に、この溶液を30℃に冷却した後、触媒として
35重量%の塩酸208部(2.1モル)及びアルデヒ
ドとしてn−ブチルアルデヒド152部(2.1モル)
を加え、更に反応系の液温を2℃に冷却して、この温度
を保持した状態で反応物を析出させた。次いで、反応系
の液温を30℃に昇温し、5時間保持して反応を完了さ
せた。その後、炭酸水素ナトリウム156部(1.8モ
ル)を加えて塩酸触媒を中和し、過剰の水で水洗した
後、乾燥を行って、白色粉末状のポリビニルブチラール
樹脂を得た。得られたポリビニルブチラール樹脂のブチ
ラール化度は69モル%であった。
【0066】(2)中間膜の製造 上記で得られたポリビニルブチラール樹脂100部、可
塑剤としてトリエチレングリコールジ−2−エチルヘキ
サノエート(3GO)39部、接着力調整剤として2−
エチル酪酸マグネシウム(C6Mg)0.02部及び酢
酸マグネシウム(C2Mg)0.01部をミキシングロ
ールに供給し、混練して樹脂組成物を得た。上記樹脂組
成物中のC6Mg/C2Mg(重量比)は2であった。
次いで、得られた樹脂組成物をプレス成形機に供給し、
温度150℃、圧力100kg/cm2 、時間30分間
の条件でプレス成形を行って製膜し、厚さ0.8mmの
中間膜を得た。
【0067】(3)合わせガラスの作製 上記で得られた中間膜を300mm×300mmに裁断
して、2枚のフロートガラス(厚さ2.5mm)間に挟
着し、この挟着物を真空バッグに入れて真空度20to
rrで20分間保持した後、真空にしたままの状態で9
0℃のオーブン内に入れ、30分間保持して予備接着を
行った。次いで、予備接着された挟着物を真空バッグか
ら取り出し、オートクレーブ中で温度150℃、圧力1
3kg/cm2 の条件で本接着を行って、合わせガラス
を得た。
【0068】(4)評価 (3)で得られた合わせガラスの性能(パンメル値、
耐貫通性、耐白化性)、及び、(2)で得られた中
間膜の性能(可塑剤の揮散性)を以下の方法で評価し
た。その結果は表2に示すとおりであった。
【0069】パンメル値:−18±0.6℃の温度下
に16時間放置して調温した合わせガラスを頭部が0.
45Kgのハンマーで叩いて、ガラスの粒子径が6mm
以下となるまで粉砕した。次いで、ガラスが部分剥離し
た後の中間膜の露出度を予めグレード付けした限度見本
で判定し、その結果を下記表1に示す判定基準に従って
パンメル値として表した。尚、パンメル値は初期及び5
0℃−4週間放置後の2条件について求めた。上記パン
メル値が大きいほど中間膜とガラスとの接着力が大き
く、パンメル値が小さいほど中間膜とガラスとの接着力
が小さい。
【0070】
【表1】
【0071】耐貫通性:300mm×300mmに裁
断した合わせガラス(供試体)の端部を支持枠に固定し
て水平に保持した状態で、その上から重さ2.26kg
の鋼球を供試体の中央部に自由落下させ、供試体数の5
0%が鋼球の貫通を防止出来る落球高さ(m)を測定し
た。上記落球高さが高いほど耐貫通性に優れ、落球高さ
が小さいほど耐貫通性に劣る。
【0072】耐白化性:合わせガラスを80℃−95
%RHの雰囲気下に2週間放置した後、取り出して直ち
に、合わせガラス周縁端部からの白化距離(mm)を測
定した。上記白化距離が小さいほど耐白化性(耐湿性)
に優れ、白化距離が大きいほど耐白化性(耐湿性)に劣
る。
【0073】可塑剤の揮散性:一定面積の中間膜の初
期重量(A)を測定した。次いで、この中間膜を150
℃のオーブン中に1時間放置した後、取り出して加熱後
重量(B)を測定し、下式により中間膜の加熱減量(重
量%)を算出した。上記加熱減量が小さいほど可塑剤の
揮散性が低く、加熱減量が大きいほど可塑剤の揮散性が
高い。 加熱減量(重量%)={(A−B)/A}×100
【0074】(実施例2)中間膜の製造において、接着
力調整剤としてのC6Mgの添加量を0.025部及び
C2Mgの添加量を0.01部としたこと以外は実施例
1と同様にして樹脂組成物を得た。上記樹脂組成物中の
C6Mg/C2Mg(重量比)は2.5であった。次い
で、上記樹脂組成物を用いたこと以外は実施例1と同様
にして中間膜及び合わせガラスを得た。
【0075】(実施例3)中間膜の製造において、接着
力調整剤としてのC6Mgの添加量を0.02部及びC
2Mgの添加量を0.02部としたこと以外は実施例1
と同様にして樹脂組成物を得た。上記樹脂組成物中のC
6Mg/C2Mg(重量比)は1であった。次いで、上
記樹脂組成物を用いたこと以外は実施例1と同様にして
中間膜及び合わせガラスを得た。
【0076】(比較例1)中間膜の製造において、可塑
剤として、3GO39部の代わりに、アジピン酸ジヘキ
シル(沸点185℃/5mmHg)39部を用いたこと
以外は実施例1と同様にして中間膜及び合わせガラスを
得た。
【0077】(比較例2)中間膜の製造において、接着
力調整剤としてのC6Mgの添加量を0.08部及びC
2Mgの添加量を0.04部としたこと以外は実施例1
と同様にして樹脂組成物を得た。上記樹脂組成物中のC
6Mg/C2Mg(重量比)は2であった。又、ポリビ
ニルブチラール樹脂100部に対するC6Mg及びC2
Mgの合計添加量は0.12部であった。次いで、上記
樹脂組成物を用いたこと以外は実施例1と同様にして中
間膜及び合わせガラスを得た。
【0078】(比較例3)中間膜の製造において、接着
力調整剤としてのC6Mgの添加量を0.04部及びC
2Mgの添加量を0.01部としたこと以外は実施例1
と同様にして樹脂組成物を得た。上記樹脂組成物中のC
6Mg/C2Mg(重量比)は4であった。次いで、上
記樹脂組成物を用いたこと以外は実施例1と同様にして
中間膜及び合わせガラスを得た。
【0079】実施例2及び3、並びに、比較例1〜3で
得られた5種類の合わせガラス及び中間膜の性能(パ
ンメル値、耐貫通性、耐白化性、可塑剤の揮散
性)を実施例1の場合と同様にして評価した。その結果
は表2に示すとおりであった。
【0080】
【表2】
【0081】表2から明らかなように、本発明による実
施例1〜3の中間膜を用いて製せられた実施例1〜3の
合わせガラスは、初期及び経時後(50℃−4週間後)
のいずれにおいても適正なパンメル値、即ち中間膜とガ
ラスとの適正な接着力を保持しており、耐貫通性に優れ
ていた。又、80℃−95%RHの雰囲気下に2週間放
置した後でも合わせガラス周縁部に白化現象を殆ど起こ
さなかった。更に、本発明による実施例1〜3の中間膜
は、150℃−1時間放置後でも加熱減量が小さく、可
塑剤の揮散が少なかった。従って、オートクレーブ中で
の合わせ加工時の安全性やトリムカット性にも優れる。
【0082】これに対し、可塑剤として、沸点の低いア
ジピン酸ジヘキシル(沸点185℃/5mmHg)を用
いた比較例1の中間膜は、150℃−1時間放置後の加
熱減量が大きく、可塑剤の揮散が多かった。従って、オ
ートクレーブ中での合わせ加工時の安全性やトリムカッ
ト性が劣る。
【0083】又、ポリビニルアセタール樹脂(ポリビニ
ルブチラール樹脂)100重量部に対する接着力調整剤
の添加量(2−エチル酪酸マグネシウム及び酢酸マグネ
シウムの合計添加量)が0.1重量部を超えていた比較
例2の中間膜を用いて製せられた比較例2の合わせガラ
スは、80℃−95%RHの雰囲気下に2週間放置した
後の周縁部の白化が激しく、耐湿性が悪かった。
【0084】更に、接着力調整剤としての2−エチル酪
酸マグネシウム/酢酸マグネシウムの併用割合が重量比
で3を超えていた比較例3の中間膜を用いて製せられた
比較例3の合わせガラスは、耐貫通性が悪かった。
【0085】
【発明の効果】以上述べたように、本発明による合わせ
ガラス用中間膜は、初期及び経時後のいずれにおいても
中間膜とガラスとの接着力が適正な範囲に保持されてい
るので、衝撃吸収性や耐貫通性などの合わせガラスとし
て必要な基本性能に優れ、且つ、湿度の高い雰囲気下に
長期間放置された場合でも周縁部に殆ど白化現象を起こ
さない合わせガラスを得るに適する。又、沸点の高い可
塑剤を用いているので可塑剤の揮散が少なく、オートク
レーブ中での合わせ加工時における安全性や合わせガラ
スとされた後のトリムカット性にも優れる。
【0086】又、本発明による合わせガラスは、上記合
わせガラス用中間膜を用いて製せられるので、初期及び
経時後のいずれにおいても優れた衝撃吸収性や耐貫通性
等を有しており、且つ、湿度の高い雰囲気下に長期間放
置された場合でも周縁部に白化現象を殆ど起こさず、優
れたバランスの性能を発揮する。従って、自動車のよう
な車輌、航空機、建築物等の窓ガラス用等として好適に
用いられる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリビニルアセタール樹脂100重量
    部、トリエチレングリコールジ2−エチルヘキサノエー
    ト20〜60重量部及びカルボン酸のマグネシウム塩混
    合物0.01〜0.1重量部を含有する樹脂組成物が製
    膜されて成る合わせガラス用中間膜であって、上記カル
    ボン酸のマグネシウム塩混合物が、2−エチル酪酸マグ
    ネシウム/酢酸マグネシウム(重量比)=0.5〜3の
    関係を満たす混合物であることを特徴とする合わせガラ
    ス用中間膜。
  2. 【請求項2】 ポリビニルアセタール樹脂が、ブチラー
    ル化度が66〜72モル%のポリビニルブチラール樹脂
    であることを特徴とする請求項1に記載の合わせガラス
    用中間膜。
  3. 【請求項3】 少なくとも一対のガラス間に、請求項1
    又は請求項2に記載の合わせガラス用中間膜を介在さ
    せ、一体化させて成ることを特徴とする合わせガラス。
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