JP2000203859A - 光ファイバ母材用石英ガラス管及び該母材用石英ガラス管を用いた光ファイバ用母材 - Google Patents
光ファイバ母材用石英ガラス管及び該母材用石英ガラス管を用いた光ファイバ用母材Info
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Abstract
つ作業環境の悪化等がなく光ファイバ用母材が製造でき
る光ファイバ母材用石英ガラス管及びこの光ファイバ母
材用石英ガラス管を用いた光ファイバ用母材を提供する
こと。 【解決手段】光ファイバ用母材の製造に用いられる石英
ガラス管であって、その高温粘度が肉厚方向で異なり、
内層側の高温粘度が外層側の高温粘度より低いことを特
徴とする光ファイバ母材用石英ガラス管及びこの光ファ
イバ母材用石英ガラス管を用いた光ファイバ用母材。
Description
ガラス管及びこの母材用石英ガラス管を用いた光ファイ
バ用母材、詳しくは、高品質の光ファイバを低コストで
生産性よく製造できる光ファイバ母材用石英ガラス管及
びこの母材用石英ガラス管を用いた光ファイバ用母材、
さらに詳しくは低損失で、高精度の光ファイバ用母材を
低コストで製造できる光ファイバ母材用石英ガラス管及
びこの母材用石英ガラス管を用いた光ファイバ用母材に
関する。
用光ファイバの実用化に伴い大量の光ファイバが利用さ
れるようになってきたが、光ファイバが長距離幹線から
一般加入者系へとその利用範囲を拡大するに従い更に大
量の光ファイバが必要となることが予測される。かかる
利用範囲の拡大には光ファイバの量産化、低コスト化が
不可欠であり、そのため大型、長尺の光ファイバ用母材
を作成し、それを線引きするのが最も簡便な方法であ
る。しかしながら従来実用化されてきた軸付け法(VA
D法)や外付け法(OVD法)による光ファイバ母材の
製造方法では、コア部もクラッド部も全てVAD法やO
VD法で作成されるところから、さらなる大型化、長尺
化を図ろうとすると、原料や燃焼ガス、設備等の関係か
ら製造コストの増大を招くという欠点があった。また、
大型、長尺の光ファイバ用母材を作成するためには、光
ファイバ母材の前駆体にあたるスート体(シリカ微粒子
が堆積した多孔質体で、透明ガラス化される前のシリカ
体のことであり、以下多孔質スート体という)を大型に
することが前提となるため、この多孔質スート体そのも
のを大きく形成しようとすると、クラック等が発生した
り、多孔質スート体の落下等のトラブルが生じたりする
ことにより著しく生産性を低下させるおそれがある。こ
れらの欠点を解消する光ファイバの製造方法として、断
面積の80%以上を占めるクラッド部用の管を高性能で
低コスト化が可能な方法で作成し、このクラッド部用の
管とVAD法やOVD法等で作成したコアガラスロッド
とを加熱し溶着一体化する、いわゆるロッドインチュー
ブ法による光ファイバ用母材の製造方法が特開平7−1
09136号公報等で提案されている。
スト化に加えて、今日、低損失のシングルモード光ファ
イバを得るために、コア部をゲルマニウムがドープした
石英ガラスで形成し、かつクラッド部を塩素またはフッ
素がドープされた石英ガラスで形成する光ファイバ用母
材が提案されている。
るロッドインチューブ法による光ファイバ用母材の製造
方法は、光ファイバ用母材の大型化、長尺化が容易で、
量産化、低コスト化に最適な製造方法であるが、さらな
る低コスト化・高効率化を目指すには、クラッド用の管
とコアガラスロッドとの溶着一体化をより良好に行うた
めの一層の改善が求められる。例えばロッドインチュー
ブ法においては、光ファイバ母材用コアガラスロッドを
光ファイバ母材用石英ガラス管中に挿入した状態で加熱
炉内で溶着一体化するため、加熱時の前記母材用石英ガ
ラス管はその内側に比して外側がより高温に加熱される
ことになり、その温度分布に起因して問題が生じてく
る。すなわち、加熱炉の熱源から遠い内側程低い温度分
布となるため、前記母材用コアガラスロッドと溶着する
内側を十分に溶融する程高い加熱温度に設定すると、外
側は過度に温度が高くなるために溶融による変形が大き
くなり、得られた光ファイバ用母材の外径寸法精度を悪
化させてしまうおそれがあり、逆に、外側の溶融変形を
抑えられる程度の低い加熱温度に設定すると、内側の溶
融が不十分となるため、前記母材用コアガラスロッドと
の溶着一体化が良好に行えないというおそれがある。し
たがって、ゲルマニウムがドープされた石英ガラスでコ
ア部を形成し塩素がドープされた石英ガラスでクラッド
部を形成する光ファイバ母材を前記ロッドインチューブ
法によって製造しようとする場合、屈折率差の問題に加
えて、母材用石英ガラス管の高温粘度が問題となる。と
いうのは、管全体に塩素のみをドープした光ファイバ母
材用石英ガラス管をクラッド用(またはオーバークラッ
ド用)の管に用いる場合、管自体に脱水作用は得られる
ものの、塩素によって該石英ガラス管の屈折率は高くな
るためにコア側との比屈折率差をが小さくなってしま
い、所望の比屈折率差を得るにはコア側の屈折率をさら
に高くするために大量のゲルマニウムをドープしなけれ
ばならず、光ファイバ用母材の低コスト化や効率化を妨
げるという欠点がある。また、塩素のみがドープされた
母材用石英ガラス管は、フッ素のみがドープされた石英
ガラスに比べて粘度が高いので、母材用コアガラスロッ
ドとの十分な溶着一体化を行うためには加熱炉の温度を
2000〜2500℃といった高温に設定する必要があ
り、使用する加熱炉の作成コストを高くする上に、作業
環境を悪化させるといった問題が生じることになる。さ
らに、上記のような高温で加熱して石英ガラス管とコア
ガラスロッドとを溶着一体化しようとする場合、コアに
ドープされたゲルマニウムが熱によって拡散してコア部
の屈折率分布を変えてしまったり、クラッド部に拡散し
たゲルマニウムのためにクラッド部自体の屈折率分布を
も変えてしまったりすることにより、好適な屈折率分布
をもつ光ファイバ母材が得られなくなるおそれがある。
また、母材用石英ガラス管とコアガラスロッドとを溶着
一体化する際に十分に溶融するほど高い加熱温度に設定
すると、前述のとおり該石英ガラス管の外側は過度に温
度が高くなるために溶融により変形が大きくなり、得ら
れた光ファイバ用母材の外径寸法精度を悪化させてしま
うという問題が残る。同様に、管の外側の溶融変形を抑
えられる程度の低い加熱温度に設定すると、内側の溶融
が不十分になるためコアガラスロッドとの溶着一体化が
良好に行えないという欠点も解消することは難しい。そ
の一方、フッ素のみをドープした母材用石英ガラス管を
使用しようとする場合、塩素のみをドープしたときと同
様に脱水作用が得られるとともに、該石英ガラス管の屈
折率が低下するのでコアークラッド間の比屈折率差を大
きくでき、かつ塩素ドープに比べて高温粘度を大きく低
下させることができる。しかしながらこの場合、該石英
ガラス全体にフッ素をドープすると、該石英ガラス管は
その肉厚方向の内側も外側も同様に粘度が低下すること
になるため、前述の塩素のみを石英ガラス管にドープし
たときと同様に、内側と外側の温度分布の問題は解決さ
れずに残ってしまう。
究した結果、光ファイバ母材用石英ガラス管の高温粘度
を肉厚方向で異ならせ、内層側の高温粘度を外層側の高
温粘度より低くすることで、上記欠点のない光ファイバ
母材用石英ガラス管が得られることを見出して、本発明
を完成したものである。すなわち、
内層側の高温粘度が外層側の高温粘度より低い光ファイ
バ母材用石英ガラス管を提供することを目的とする。
英ガラス管と光ファイバ母材用コアガラスロッドとを溶
着一体化して得た光ファイバ用母材を提供することを目
的とする。
明は、光ファイバ用母材の製造に用いられる石英ガラス
管であって、その高温粘度が肉厚方向で異なり、内層側
の高温粘度が外層側の高温粘度より低いことを特徴とす
る光ファイバ母材用石英ガラス管及びこの母材用石英ガ
ラス管を用いた光ファイバ用母材に係る。
述のとおり光ファイバ用母材の製造に用いられる高純度
の光ファイバ母材用石英ガラス管であって、その高温粘
度が肉厚方向で異なり、内層側の高温粘度が外層側の高
温粘度より低い石英ガラス管である。そして石英ガラス
管の内層側の1280℃における粘度が1×1010〜
1×1012ポイズ、外層側の1280℃における粘度
が1×1011〜1×1013 ポイズの範囲にあるのが
よい。この石英ガラス管は従来実用化されてきたVAD
法、OVD法またはMCVD法等により作成することが
でき、珪素化合物(四塩化珪素またはシロキサン化合物
等)を加水分解して得られた多孔質シリカ体を透明ガラ
ス化した石英ガラスインゴットや、天然水晶を粉砕し純
化して得た水晶粉をベルヌーイ法等により透明ガラス化
した石英ガラスインゴット、あるいはゾルゲル法により
得られた合成石英ガラスインゴット等から製造できる
が、その際、石英ガラス管の高温粘度が肉厚方向で異な
り、内層側が外層側より高温粘度ヲ低くすることを必須
とする。前記内層側、外層側に形成するには好ましくは
内層側、外層側のいずれかまたは両側にドープ剤をドー
プするのがよい。ドープ剤としては塩素、ゲルマニウ
ム、リン、フッ素が挙げられ、それらの単独または組み
合わせが用いられる。好ましくは石英ガラス管の内層側
に、塩素、ゲルマニウム、リン、フッ素から選ばれる少
なくとも1種をドープするのがよい。さらに好ましくは
石英ガラス管の内層側に塩素、ゲルマニウム、リンから
選ばれる少なくとも1種とフッ素とをドープし、外層側
に塩素をドープするのがよい。この光ファイバ母材用石
英ガラス管を用いて光ファイバ用母材を製造すること
で、溶着一体化時の設定温度を低くでき、母材用石英ガ
ラス管の外径寸法精度を高く保ったまま溶着一体化がで
き、かつ高温下での作業環境の悪化も抑えることができ
る。さらに、溶着一体化のための加熱炉の作成コストを
低くできる上に、ドープ剤の拡散による屈折率分布の悪
化がなく所望の比屈折率差を有する光ファイバ母材が製
造できる。
的な製造方法としては、(1)OVD法による一例とし
て、高純度の四塩化珪素等を酸水素火炎中で火炎加水分
解して得られたシリカ微粒子を耐熱性基体の周囲に堆積
してスート体を形成して第1の多孔質スート層とし、そ
の周囲にシリカ微粒子を積層して第2の多孔質スート層
として、得られたスート体を脱水処理し、透明ガラス化
して耐熱性基体を抜き取り円筒状石英ガラスインゴット
を作成し、次いで機械的研削等をする方法、(2)VA
D法の一例として、高純度の四塩化珪素等を酸水素火炎
中で火炎加水分解して得られたシリカ微粒子を耐熱性基
体に堆積してスート体を形成する際に、複数のバーナー
から異なる組成の原料ガスを別々に供給することによ
り、異なるドープ剤を含む複数の多孔質スート層を同時
に形成し、そのスート体を脱水処理し透明ガラス化して
得られた石英ガラスインゴットに機械的研削等を施すこ
とにより石英ガラス管を製造する方法、等が挙げられ
る。いずれの方法においても、高温粘度が石英ガラス管
の肉厚方向で異なり、内層側が外層側より高温粘度を低
くする必要があり、そのためには上述のとおりドープ剤
をドープするのがよいが、このドープ剤のドープとして
は、多孔質スート体の形成時に原料ガスと共に酸水素火
炎中に供給する方法、多孔質スート体の脱水処理の前後
から透明ガラス化工程までの何れかの段階でープ剤をド
ープする方法等が挙げられる。特に塩素やフッ素のドー
プの場合には、ドープと同時に脱水処理が行われるので
多孔質スート体を塩素ガスまたはフッ素ガスの雰囲気中
で熱処理する方法が有効である。また、合成石英を製造
する際に多孔質スート体を経ない方法として、いわゆる
直接法(DQ法)あるいはゾルゲル法等があり、一方、
合成または天然シリカ粉を溶融ガラス化する方法もある
が、これらの製造方法においても上記のOVD法やVA
D法においても、あらかじめ高温粘度の異なる2種類の
石英ガラス管を作成しておき双方の管を溶着一体化する
方法により、内層側が外層側より高温粘度の低い石英ガ
ラス管を製造することができる。
バ用母材の製造にあっては、この母材用石英ガラス管中
に光ファイバ母材用コアガラスロッドを注意深く挿入
し、それらの円中心を合わせて固定し、好ましくは両端
を石英ガラス製のダミー管に繋いだ上で、全体の曲がり
や捻じれ等を矯正し、下端部より縦型電気炉の上方から
挿入し、温度1700〜2000℃で順次帯状に加熱し
て溶着一体化する方法などが採用される。前記順次帯状
に加熱するとは、いわゆるゾーンメルトと呼ばれるもの
であり、加熱域が次第に移動する加熱のことをいう。
光ファイバ母材用コアガラスロッドとしては、光の伝送
部であって、石英ガラスロッドまたはその周囲に光学的
クラッド部が形成された石英ガラスロッドが挙げられ
る。すなわち、本発明にあっては「コアガラスロッド」
とは、コアロッドとクラッド付きコアロッドとを総称す
る。クラッド部を有さないコアロッドは、公知のVAD
法やOVD法等により形成することができ、また、クラ
ッド付きコアロッドを作成する手段としては、コアロッ
ドに石英ガラス管をジャケットする方法や、コアロッド
の周囲にOVD法等によりクラッド部を形成する方法、
それらの組合せによる方法等が挙げられる。
表面が高精度に維持されているところから、さらなるク
ラッド用石英ガラス管をその外側に重ねて溶着する、い
わゆる第2次ジャケッティング、第3次ジャケッティン
グの正確にでき、より大型の光ファイバ用母材を効率よ
く製造できる。
るがこれによって本発明はなんら限定されるものではな
い。
ス管のフッ素濃度及び塩素濃度は硝酸銀比濁法で測定さ
れ、また、OH基濃度はD.M.DODD and
D.B. FRASER Optical deter
mination ofOH in fused si
lica, Jounal ofApplied Ph
ysics, Vol.37(1966)に記載の測定
方法で測定される。
炎中で火炎加水分解し、50rpmで回転する外径50
mmの基体の周囲に堆積させて多孔質スート体を作成し
た。前記火炎加水分解するバーナーには、それぞれ原料
の四塩化珪素を1500g/h、水素ガスを1.8m3
/h、酸素ガスを0.9m3/hを供給した。得られた
多孔質スート体の外径は約230mm、長さは約350
0mmであった。この多孔質スート体を電気炉に入れ、
四フッ化けい素ガスと窒素ガスとの混合ガス雰囲気中で
1100℃で加熱し、引き続き同じ温度で塩素ガスと窒
素ガスの混合ガス雰囲気中で処理した。
VD法により多孔質スートを堆積させ、それを電気炉内
に入れ、減圧装置により炉内を真空に保ちながら125
0℃で加熱した。得られた多孔質スート体の外径は約4
00mmであった。この多孔質スート体を、真空下で1
600℃の温度で透明ガラス化し、耐熱性基体を抜いて
円筒状石英ガラスインゴットを作成した。作成された円
筒状石英ガラスインゴットは、外径約200mm、内径
約50mmであった。この石英ガラスインゴットの両端
を切断し、内外周を機械的研削加工及び研磨加工して、
外径195mm、内径55mmの石英ガラス管を製造し
た。
央部に若干の段差が認められたものの、肉厚全体におい
ては外層側と内層側とで差異はなかった。この石英ガラ
ス管端部より測定用サンプルを切り出し、このサンプル
についてフッ素及び塩素の濃度を測定したところ、内表
面から肉厚35mmまでの内層側のフッ素濃度は500
ppm、塩素濃度は2000ppmであった。また、肉
厚35mmから外表面までの外層側の塩素濃度は検出限
界値である30ppm以下であった。前記石英ガラス管
の粘度を測定したところ、内層側の1280℃における
粘度は1×1011ポイズ、外層側の1280℃におけ
る粘度は1×1012ポイズであった。前記粘度は、サ
ンプルの内層側及び外層側をそれぞれ3×3×50mm
に切り出し、それぞれについて1280℃中で2点支持
保持し、その自重の変形量を測定するビームベンディン
グ法で測定した値である。また、石英ガラス管中の残留
OH基濃度は0.1ppmであった。
クラッド付きコアロッドを作成し、縦型電気炉中で外径
50mmに加熱延伸した。このコアガラスロッドを上記
石英ガラス管中に管内周面と接触することがないよう注
意深く挿入し、コアガラスロッド及び石英ガラス管の各
円中心を合わせて固定し、両端をダミー石英材料に繋い
だ上で、下端部より縦型電気炉に入れ、下端部を溶着さ
せたのち、石英ガラス管内を減圧して順次帯状に加熱し
溶着一体化した。溶着一体化温度は1800℃であっ
た、得られた光ファイバ用母材を50mm間隔でプリフ
ォームアナライザーで屈折率分布を測定したところ、変
動率は外径に対して±0.2mm以下と高精度であっ
た。また暗室で端面から白色光を当てたが、目視できる
最小単位の0.1mm以上の気泡は確認できなかった。
炎中で火炎加水分解し、50rpmで回転する外径50
mmの耐熱性基体の周囲に堆積させて多孔質スート体を
作成した。前記火炎加水分解するバーナーには、それぞ
れ原料の四塩化珪素を1500g/h、水素ガスを1.
8m3/h、酸素ガスを0.9m3/hを供給した。得
られた多孔質スート体の外径は約230mm、長さは約
3500mmであった。この多孔質スート体を電気炉に
入れ、四フッ化けい素ガスと窒素ガスとの混合ガス雰囲
気中で1100℃で加熱し、引き続き同じ温度で塩素ガ
スと窒素ガスの混合ガス雰囲気中で処理した。
D法により多孔質スートを堆積させ、それを電気炉内に
入れ、塩素ガスと窒素ガスの混合ガス雰囲気中で110
0℃で加熱した。得られた多孔質スート体の外径は約4
00mmであった。 この多孔質スート体を、窒素ガス
雰囲気中、1600℃の温度で透明ガラス化し、耐熱性
基体を抜いて円筒状石英ガラスインゴットを作成した。
作成円筒状石英ガラスインゴットは、外径約200m
m、内径約50mmであった。この石英ガラスインゴッ
トの両端を切断し、内外周を機械的研削加工及び研磨加
工して、外径195mm、内径55mmの石英ガラス管
を製造した。
央部に若干の段差が認められたものの、肉厚全体におい
ては外層側と内層側とで差異はなかった。この石英ガラ
ス管端部より測定用サンプルを切り出し、このサンプル
について石英ガラス管中のフッ素及び塩素の濃度を測定
したところ、内表面から肉厚35mmまでの内層側のフ
ッ素濃度は500ppm、塩素濃度は3000ppmで
あった。また、肉厚35mmから外表面までの外層側の
塩素濃度は1000ppmであった。前記石英ガラス管
の粘度を実施例1と同様な方法で測定したところ、内層
側の1280℃における粘度は1×1010.5ポイ
ズ、外層側の1280℃における粘度は1×10
11.5ポイズであった。また、石英ガラス管中の残留
OH基濃度は0.1ppmであった。
クラッド付きコアロッドを作成し、縦型電気炉中で外径
50mmに加熱延伸した。このコアガラスロッドを上記
石英ガラス管中に管内周面と接触することがないよう注
意深く挿入し、コアガラスロッド及び石英ガラス管の各
円中心を合わせて固定し、両端をダミー石英材料に繋い
だ上で、下端部より縦型電気炉に入れ、下端部を溶着さ
せたのち、石英ガラス管内を減圧して順次帯状に加熱し
溶着一体化した。溶着一体化温度は1800℃であっ
た、得られた光ファイバ用母材を50mm間隔でプリフ
ォームアナライザーで屈折率分布を測定したところ、変
動率は外径に対して±0.2mm以下と高精度であっ
た。また暗室で端面から白色光を当てたが、目視できる
最小単位の0.1mm以上の気泡は確認できなかった。
は、高温粘度が肉厚方向で異なり、内層側の高温粘度が
外層側の高温粘度より低いところから、それを用いた光
ファイバ用母材の製造において光ファイバ母材用コアガ
ラスロッドとの溶着一体化温度が低くでき、高精度の光
ファイバ用母材を製造できる上に、加熱炉の作成コスト
が低くでき、さらに作業環境の悪化が起こることがな
い。その上、コア部のドープ剤の拡散がなく屈折率分布
の良好な光ファイバ用母材が製造できる。
0)
造方法及び該母材用石英ガラス管を用いた光ファイバ用
母材
ガラス管、その製造方法及びこの母材用石英ガラス管を
用いた光ファイバ用母材、詳しくは、高品質の光ファイ
バを低コストで生産性よく製造できる光ファイバ母材用
石英ガラス管、その製造方法及びこの母材用石英ガラス
管を用いた光ファイバ用母材、さらに詳しくは低損失
で、高精度の光ファイバ用母材を低コストで製造できる
光ファイバ母材用石英ガラス管、その製造方法及びこの
母材用石英ガラス管を用いた光ファイバ用母材に関す
る。
英ガラス管の製造方法を提供することを目的とする。
石英ガラス管と光ファイバ母材用コアガラスロッドとを
溶着一体化して得た光ファイバ用母材を提供することを
目的とする。
明は、光ファイバ用母材の製造に用いられる石英ガラス
管であって、その高温粘度が肉厚方向で異なり、内層側
の高温粘度が外層側の高温粘度より低いことを特徴とす
る光ファイバ母材用石英ガラス管、その製造方法及びこ
の母材用石英ガラス管を用いた光ファイバ用母材に係
る。
Claims (6)
- 【請求項1】光ファイバ用母材の製造に用いられる石英
ガラス管であって、その高温粘度が肉厚方向で異なり、
内層側の高温粘度が外層側の高温粘度より低いことを特
徴とする光ファイバ母材用石英ガラス管。 - 【請求項2】内層側の粘度が1280℃において1×1
010〜1×101 2ポイズ、外層側の粘度が1280
℃において1×1011〜1×1013ポイズの範囲に
あることを特徴とする請求項1に記載の光ファイバ母材
用石英ガラス管。 - 【請求項3】石英ガラス管の肉厚方向の高温粘度差がド
ープ剤のドープによって設定されることを特徴とする請
求項1または2に記載の光ファイバ母材用石英ガラス
管。 - 【請求項4】石英ガラス管の内層側に、塩素、ゲルマニ
ウム、リン、フッ素から選ばれる少なくとも1種がドー
プされていることを特徴とする請求項1ないし3のいず
れか1に記載の光ファイバ母材用石英ガラス管。 - 【請求項5】石英ガラス管の内層側に、塩素、ゲルマニ
ウム、リンから選ばれる少なくとも1種とフッ素とがド
ープされ、外層側に塩素がドープされていることを特徴
とする請求項1ないし4のいずれか1に記載の光ファイ
バ母材用石英ガラス管。 - 【請求項6】請求項1ないし5のいずれか1に記載の光
ファイバ母材用石英ガラス管中に光ファイバ母材用コア
ガラスロッドを挿入し、溶着一体化したことを特徴とす
る光ファイバ用母材。
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