JP3020920B2 - 光ファイバ用ガラス母材の製造方法 - Google Patents

光ファイバ用ガラス母材の製造方法

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JP3020920B2
JP3020920B2 JP10241051A JP24105198A JP3020920B2 JP 3020920 B2 JP3020920 B2 JP 3020920B2 JP 10241051 A JP10241051 A JP 10241051A JP 24105198 A JP24105198 A JP 24105198A JP 3020920 B2 JP3020920 B2 JP 3020920B2
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    • C03B37/01Manufacture of glass fibres or filaments
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    • C03B37/014Manufacture of preforms for drawing fibres or filaments made entirely or partially by chemical means, e.g. vapour phase deposition of bulk porous glass either by outside vapour deposition [OVD], or by outside vapour phase oxidation [OVPO] or by vapour axial deposition [VAD]
    • C03B37/01413Reactant delivery systems
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ファイバ用ガラ
ス母材の製造方法に関する。特に本発明は、コア部材の
廃棄量が少なく、且つカットオフ波長等の特性の安定し
た光ファイバを製造することができる光ファイバ用ガラ
ス母材の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】光ファイバ用ガラス母材の製造方法とし
ては、VAD法、OVD法、MCVD法などが知られて
いる。これらの方法により光ファイバ用ガラス母材を製
造する場合、一度に必要なだけのクラッドを製造するこ
とが困難である、あるいは装置的な制約がある、さらに
製造効率が悪い等のために、以下のように2段階に分け
て製造する方法が採られることが多い。
【0003】即ち、第1段階として上記方法によりコア
部材を製造する。第2段階として、その製造した1本の
コア部材上にクラッドとなる1本の石英管などを装着
し、または1本のコア部材を1本の出発材としてこれに
クラッドを堆積させた後にガラス化し、光ファイバ用ガ
ラス母材を製造するものである。
【0004】ところで、一般の通信に用いられる光ファ
イバは、その伸長方向で安定な特性、つまりは安定な屈
折率分布を有していることが望ましい。この安定性は多
くの場合、ファイバとなす前のガラス母材の屈折率分布
の安定性に強く依存する。上記光ファイバの特性はコア
部材の屈折率分布とクラッドの厚さとから推定すること
ができ、このことから逆に所望の光ファイバ特性に必要
なクラッドの厚みの値を計算できる(以下、これを「ク
ラッドを設計する」という場合がある。)。上記クラッ
ドを設計するときの目標となる光ファイバ特性は、市場
の要求する光ファイバ特性により決まる。そのようなク
ラッドの設計エリアとしては、例えば図1aに典型的に
示されるようなものである。尚、図1aは、光ファイバ
のカットオフ波長λcとモードフィールド径(MFD)
との関係を表わす。
【0005】ここでカットオフ波長とは、光ファイバを
通過する光が基底モードのみになる波長をいう。また、
光ファイバを接続する際に光が伝搬し得る領域は、モー
ドフィールド径で表わされる。そして光ファイバ内を伝
播する光は光ファイバが曲がっていることにより外に漏
れ出し従って信号が劣化し得るが、この曲げ損失は光フ
ァイバのカットオフ波長とモードフィールド径の比と相
関があることが判っている。
【0006】しかしながら従来、前記のようにして設計
されたクラッドを、一つのコア部材に対して軸方向で全
て同一の厚さで付けていた。そのため、コア部材の屈折
率分布の変動が大きいと、これに応じて光ファイバの屈
折率分布も大きく変動し、設計した値に対して光ファイ
バ特性がずれる部分が生じることがあった。そのため、
クラッド設計時に意図しなかった光ファイバ特性を有す
る部分が光ファイバ中に生じ、この部分の光ファイバに
ついては廃棄せざるを得ず無駄になるという問題があっ
た。
【0007】そこで、一つのコア部材中での屈折率分布
の変動の許容範囲は、ある厚みのクラッドを付けて光フ
ァイバ用ガラス母材となし、これを線引きして光ファイ
バとしたときのカットオフ波長の変動にして、通常20
nm程度である。
【0008】その場合の設計可能エリアとしては、使用
するコア部材に上記許容範囲内での屈折率分布の変動が
あることから光ファイバ特性の変動分を勘案してマージ
ンをとり、図1bに典型的に示すように図1aの設計エ
リアより狭いものとしている。このカットオフ波長を目
安とした時の変動を更に狭くして10nm以下とする
と、図1cに示すように設計する際に必要とされるマー
ジンを従来に比べて小さくすることができ、従って設計
可能エリアを広げることができるので好ましい。このよ
うに、コア部材の屈折率分布の変動が小さい程、設計可
能エリアが広がるので好ましい。
【0009】しかしながら、前記VAD法等のような方
法を用いてコア部材を製造する場合、軸方向で完全に同
一の製造条件を維持することは困難である。そのため、
コア部材の軸方向での屈折率分布の変動を小さくするに
は限界があった。
【0010】そこで本発明者は、従来法にてさまざまな
大きさのコア部材を製造し、屈折率分布の変動を調査検
討したところ、以下のようなことが判った。即ち、i)
コア部材の両端付近における屈折率分布の変動が中央部
よりも大きい。ii)コア部材の屈折率分布の変動量は
コア径には依存しない(図2a及びb参照)。
【0011】以上のことから、コア部材の中央部の比較
的安定した部分を多く使用することが望ましい。また、
コア部材の両端付近及び中央部のどちらの場合において
も、よりコア径の大きいコア部材を製造し、これを延伸
して出発材となし光ファイバ用ガラス母材とした方が、
同じ長さの光ファイバとして比較した場合、より安定し
た屈折率分布を持つものが得られる。特に、屈折率分布
が比較的安定しないコア部材の両端付近については、従
来法では屈折率分布の変動が大きく廃棄するしかなかっ
た位置についても、コア径の大きいものとすることによ
り、同じ長さの光ファイバとした時に十分に安定した屈
折率分布を持たせることができた。
【0012】以上のようにコア部材の製造においては、
より大きなコア部材を製造するのが好ましい。即ち、よ
り長いコア部材とすることで、屈折率分布の安定した中
央部をより多く得ることができる(図2c)。また、よ
りコア径の大きいコア部材とすることで、比較的屈折率
分布の変動が大きいコア部材両端付近においてコア部と
しての利用可能な範囲が広がると考えられる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記方
法の場合、実際に使用できるコア部材の大きさ(即ちコ
ア部材の長さ、コア径等)には限界があるという問題を
有する。即ち、あまりに大きなコア部材を使用すると、
クラッドとなる石英管の大きさやクラッド堆積装置の堆
積能力の制約を受け、光ファイバ用ガラス母材となすの
に必要なだけのクラッドをコア部材に付けることができ
なくなるのである。
【0014】本発明は上記事情に鑑み、コア部材をあま
り大きくしなくとも、コア部材中の屈折率分布の変動が
大きい部分、即ちコア部材の両端付近をも利用でき、且
つ光学特性に優れた光ファイバを製造することができる
光ファイバ用ガラス母材の製造方法を提供することを目
的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するためになされたもので、請求項1に記載の発明は、
コア部材を作製し、コア部材上にクラッドを形成して、
光ファイバ用ガラス母材を製造する方法において、作製
したコア部材を屈折率分布の変動量が小さくなるように
複数のコア部材に分割し、分割した各コア部材上に各
クラッドを形成させる光ファイバ用ガラス母材の製造方
法である。
【0016】このようにコア部材を分割することによ
り、コア部材の屈折率分布の変動量を小さく分割でき
る。これにより、屈折率分布の変動が大きな一本のコア
部材を、屈折率分布の変動の小さい複数のコア部材にす
ることができる。そして、これらの屈折率分布の変動の
小さい各コア部材にクラッドを形成することによって、
カットオフ波長の変動量の小さい光ファイバをそれぞれ
製造することができる。また、コア部材を分割すること
でコア部材の大きさを小さくでき、従って石英管の大き
さやクラッド堆積装置の堆積能力等に制約を受けること
がなくなる。従って、光ファイバ用ガラス母材となすの
に必要なだけのクラッドをコア部材に形成することがで
きる。
【0017】また、本発明の請求項2に記載の発明は、
光ファイバ用ガラス母材を光ファイバとしたときのカッ
トオフ波長の変動量が一定値以下になるように前記作製
したコア部材をその屈折率分布に基づき分割し、且つ光
ファイバが所望のカットオフ波長を有するように各コア
部材上に形成する各クラッド量を調整する光ファイバ用
ガラス母材の製造方法である。
【0018】このように、コア部材を屈折率分布に基づ
き上記のように分割することにより、コア径を大きくし
なくとも、屈折率分布の変動が大きいコア部材の両端付
近をも利用でき生産性及び歩留りが向上し、且つカット
オフ波長の変動の小さい光学特性の安定した光ファイバ
を製造することができる。また、各コア部材上に形成す
る各クラッドの量を屈折率に応じて調整することによ
り、所望のカットオフ波長を有する光ファイバを製造す
ることができる。
【0019】更には、本発明の請求項3に記載の発明
は、光ファイバとしたときのカットオフ波長の変動量が
10nm以下になるように前記作製したコア部材をその
屈折率分布に基づき分割する光ファイバ用ガラス母材の
製造方法である。このように、光ファイバとしたときの
カットオフ波長の変動量が10nm以下になるようにコ
ア部材をその屈折率分布に基づき分割することにより、
クラッドの設計可能エリアを広げることができるのみな
らず、カットオフ波長の非常に安定した光ファイバを製
造することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。本発明の光ファイバ用ガラス母材の製造方法におい
ては、先ずコア部材を作製する。コア部材は、例えばコ
アの周辺上に第1クラッド部を堆積した構造を有するガ
ラスロッドである。そのようなコア部材は、例えば以下
のようにして作製することができる。
【0021】即ち、ガラス微粉末用原料ガスを酸水素火
炎中にて加水分解してスートを軸方向に成長させ、コア
部スートを形成する。一方、別のガラス微粉末用原料ガ
スを酸水素火炎中にて加水分解して別のスートを上記コ
ア部スートの周辺上に更に堆積させ、第1クラッド部ス
ートを形成する。このようにして、コア部スート上に第
1クラッド部スートを堆積した構造のコア部材スートを
得る。尚、上記コア部スートの形成と第1クラッド部ス
ートの形成は同時でもよいし、前者の形成後に後者を形
成してもよい。上記ガラス微粉末用原料ガスとしては、
例えば四塩化珪素ガス等が挙げられる。
【0022】その後、上記のようにして得られたコア部
材スートを溶融ガラス化して、コア部材を得る。溶融ガ
ラス化は、例えば1500℃以上に加熱することにより
行う。その際、必要に応じ、塩素ガス等のハロゲン化合
物の雰囲気下に溶融ガラス化して脱水を同時に行うよう
にしてもよい。作製するコア部材は、前述のように、大
きくなるに従って安定な屈折率分布を示すので、後工程
においてクラッドの形成が可能な範囲内でできる限り大
きいものが好ましい。
【0023】次いで本発明の製造方法においては、上記
作製したコア部材を分割することを特徴とする。屈折率
分布の変動が大きなコア部材であっても分割することに
より、屈折率分布の変動が小さくかつ安定した各コア部
材とすることができる。その結果、屈折率分布の変動が
大きいために従来破棄するしかなかったコア部材両端部
等も利用できるようになる。分割は、光ファイバ用ガラ
ス母材を光ファイバとしたときのカットオフ波長の変動
量が一定値以下になるように、コア部材の屈折率分布に
基づき行うのが好ましい。
【0024】具体的には、前述のように、光ファイバの
特性はコア部材の屈折率分布とクラッドの厚さとから推
定することができる。従って、分割したコア部材上に一
定の厚さのクラッドを形成する場合は、光ファイバのカ
ットオフ波長の変動量は、コア部材の屈折率分布の変動
量を反映することになる。従って、カットオフ波長の変
動量を所望範囲内、例えば10nm以内にしたければ、
そのような範囲内になるようにコア部材の屈折率分布の
変動量を選択すればよい。即ち、このようなコア部材の
屈折率分布の変動量にてコア部材を分割し、これらにそ
れぞれ一定の厚さのクラッドを形成させれば、得られる
光ファイバのカットオフ波長の変動量を所望範囲内、例
えば10nm以内とすることができる。このようにし
て、光ファイバのカットオフ波長の変動量を小さくでき
る。その結果、クラッドの設計可能エリアを広げること
ができる。具体的にはそのようなコア部材の屈折率分布
の変動量としては、10nm以下が好ましい。
【0025】また、本発明の製造方法においては、上記
所定の屈折率分布の変動量にて分割した各コア部材上
に、各クラッド量を調整して形成させるようにしてもよ
い。その際、形成するクラッドの量は、光ファイバが所
望のカットオフ波長を有するように選択するのが好まし
い。前述のように、光ファイバの特性はコア部材の屈折
率分布とクラッドの厚さとから推定することができる。
従って、光ファイバのカットオフ波長の所望値と上記各
分割されたコア部材の屈折率分布とから、必要な各クラ
ッドの厚さが求められる。具体的には各コア部材に堆積
する各クラッド量は、例えば分割した各コア部材の屈折
率分布の中央値とカットオフ波長の所望値とから求める
ことができる。
【0026】上記クラッドの形成は、クラッドを堆積さ
せることにより行えばよい。具体的には、例えばOVD
法、外付けCVD法等により、コア部材周辺上にスート
を回転させながら堆積させて行うことができる。尚、上
記スートは、前記ガラス微粉末用原料ガス等を酸水素火
炎中にて加水分解することにより形成される。その際、
コア部材の回転支持部(チャック)全体の重量をロード
セル等にて検知することにより、所定量のクラッドに調
整することができる。尚、クラッドの形成は、上記のよ
うな方法に限られず、例えば所定量の石英管等をコア部
材上に装着して行うこともできる。
【0027】堆積させてクラッドを形成させた場合、次
いでこの多孔質母材を溶融ガラス化し、光ファイバ用母
材とする。溶融ガラス化は、例えば1500℃以上に加
熱することにより行う。その際、必要に応じ、塩素ガス
等のハロゲン化合物の雰囲気下に溶融ガラス化して脱水
を同時に行ってよい。
【0028】上記本発明の光ファイバ用ガラス母材の製
造方法により、コア部材の廃棄量を5重量%以下にまで
軽減することができる。また、製造される光ファイバ用
母材についても、軸方向での屈折率分布の変動量を抑え
て、カットオフ波長の変動量を3nm程度以下にまで低
減することができる。
【0029】更に本発明で得られた光ファイバ母材から
光ファイバを製造するには、通常の方法でよく、例えば
上記光ファイバ用母材を電気炉等で加熱溶融し紡糸する
ことにより行なわれる。このようにして、カットオフ波
長の変動量が例えば10nm以下という非常に光学特性
の優れた光ファイバを製造することができる。
【0030】
【実施例】以下、本発明を実施例を用い具体的に説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。 (実施例1)VAD法により、従来と同じ大きさのシン
グルモード光ファイバ用コア部材を作製した。その屈折
率分布を全長に亘って測定したところ、伸長方向でのコ
ア部材の屈折率分布の変動量は、従来の典型的なもので
あった。このものは、クラッド形成後、光ファイバとし
た場合にカットオフ波長の変動量が20nm以上となる
ものであった。
【0031】次いで、同じクラッド厚みとした時の光フ
ァイバのカットオフ波長の差が10nm以下となるよう
に上記コア部材を区切ったところ、3つの部分に分割さ
れた。分割したコア部材のそれぞれについて、光ファイ
バにしたときのカットオフ波長が1290nmになるよ
うに各クラッドを設計した。これに従い、それぞれコア
部材に対し1400重量%、1370重量%、及び13
40重量%のクラッドを外付けCVD法にて堆積した。
【0032】その後、この多孔質母材を電気炉にて15
00℃以上に加熱し、光ファイバ用母材を得た。その
際、塩素ガス雰囲気下に溶融ガラス化して脱水を同時に
行った。上記のようにして製造した光ファイバ用母材
は、重量を合計すると従来の1.1倍程度であった。し
かし1本の大きさは、三分割したため従来の光ファイバ
用ガラス母材に比し約1/3であった。
【0033】上記で得られたそれぞれの光ファイバ用ガ
ラス母材について軸方向での屈折率分布の変動を調べ
た。その結果を図3aに示す。図3aから明らかなよう
に、3本の光ファイバ用ガラス母材内でのカットオフ波
長の推定値は1290±3.5nmと良好であった。ま
た廃棄されたコア部材は、コア部材全重量の0.07倍
程度であった。
【0034】(実施例2)実施例1と同様にして、実施
例1に比べて1.2倍のコア径、1.5倍の長さを持つ
大きさのコア部材を作製した。その屈折率分布を全長に
亘って測定したところ、伸長方向でのコア部材の屈折率
分布の変動量は、従来の典型的なものであった。
【0035】次いで、同じクラッド厚みとした時の光フ
ァイバのカットオフ波長の差が10nm以下となるよう
に上記コア部材を区切ったところ、3つの部分に分割さ
れた。分割したコア部材のそれぞれについて、光ファイ
バにしたときのカットオフ波長が1290nmになるよ
うに各クラッドを設計した。これに従い、それぞれコア
部材に対し1400重量%、1370重量%、及び13
40重量%のクラッドを外付けCVD法にて堆積した。
その後、この多孔質母材を電気炉にて1500℃以上に
加熱し、光ファイバ用母材を得た。その際、塩素ガス雰
囲気下に溶融ガラス化して脱水を同時に行った。
【0036】上記のようにして製造した光ファイバ用母
材は、重量の合計は従来の2.1倍程度であった。1本
の大きさは、三分割したため従来の光ファイバ用ガラス
母材に比し約2/3であった。総重量が2倍であるもの
を3分割しているから約2/3倍となる。上記で得られ
たそれぞれの光ファイバ用ガラス母材について軸方向で
の屈折率分布の変動を調べた。その結果を図3bに示
す。図3bから明らかなように、3本の光ファイバ用ガ
ラス母材内でのカットオフ波長の推定値は1289±
5.5nmと良好であった。また廃棄されたコア部材
は、全重量の0.03倍程度であった。
【0037】(比較例1)VAD法により、従来と同じ
大きさのシングルモード光ファイバ用コア部材を作製し
た。その屈折率分布を全長に亘って測定したところ、伸
長方向でのコア部材の屈折率分布の変動量は、従来の典
型的なものであった。
【0038】次いで、コア部材の中央部を基点として同
じクラッド厚みとしたときの光ファイバのカットオフ波
長の差が20nm以下となる範囲を調べて取り出したと
ころ全重量の0.8倍の重量となった。上記屈折率分布
の伸長方向での変動が比較的安定したコア部材領域を用
いて、光ファイバにしたときのカットオフ波長が129
0nmになるようにクラッドを設計した。これに従い、
コア部材に対し1370重量%のクラッドを外付けCV
D法にて堆積した。その後、この多孔質母材を電気炉に
て1500℃以上に加熱し、光ファイバ用母材を得た。
その際、塩素ガス雰囲気下に溶融ガラス化して脱水を同
時に行った。
【0039】上記で得られた光ファイバ用ガラス母材の
全重量は、従来程度であった。また光ファイバ用ガラス
母材について軸方向での屈折率分布の変動を調べた。そ
の結果を図4aに示す。図4aから明らかなように、光
ファイバ用ガラス母材内でのカットオフ波長の推定値は
1290±11.4nmであった。また、コア部材の全
重量の0.2倍程度が廃棄されることとなった。
【0040】(比較例2)実施例1と同じコア径で長さ
が1.1倍のコア部材を作製した。その屈折率分布を全
長に亘って測定したところ、伸長方向でのコア部材の屈
折率分布の変動量は、従来の典型的なものであった。次
いで、コア部材の中央部を基点として同じクラッド厚み
としたときの光ファイバのカットオフ波長の差が10n
m以下となる範囲を調べて取り出したところ全重量の
0.7倍の重量となった。
【0041】上記屈折率分布の伸長方向での変動が比較
的安定したコア部材領域を用いて、光ファイバにしたと
きのカットオフ波長が1290nmになるようにクラッ
ドを設計した。これに従い、コア部材に対し1370重
量%のクラッドを外付けCVD法にて堆積した。その
後、この多孔質母材を電気炉にて1500℃以上に加熱
し、光ファイバ用母材を得た。その際、塩素ガス雰囲気
下に溶融ガラス化して脱水を同時に行った。
【0042】上記で得られた光ファイバ用ガラス母材の
全重量は、従来程度であった。また光ファイバ用ガラス
母材について軸方向での屈折率分布の変動を調べた。そ
の結果、光ファイバ用ガラス母材内でのカットオフ波長
の推定値は1290±3.3nmであった。しかし、コ
ア部材の全重量の0.4倍程度が廃棄されることとなっ
た。
【0043】(比較例3)実施例2と同じ大きさのコア
部材を作製した。その屈折率分布を全長に亘って測定し
たところ、伸長方向でのコア部材の屈折率分布の変動量
は、従来の典型的なものであった。次いで、コア部材の
中央部を基点として同じクラッド厚みとしたときの光フ
ァイバのカットオフ波長の差が10nm以下となる範囲
を調べたところ全長の0.8倍強の領域となった。この
領域を全て用いて出発材となしクラッドを堆積すると、
製造される光ファイバ用ガラス母材の重量は従来の1.
9倍となり、クラッド堆積装置の製造能力以上となり、
製造が不可能であることが判った。
【0044】そこで、クラッド堆積装置の製造能力に合
わせて出発材に使用するコア部材の領域を決定し、光フ
ァイバにしたときのカットオフ波長が1290nmにな
るようにクラッドを設計した。これに従い、コア部材に
対し1370重量%のクラッドを外付けCVD法にて堆
積した。その後、この多孔質母材を電気炉にて1500
℃以上に加熱し、光ファイバ用母材を得た。その際、塩
素ガス雰囲気下に溶融ガラス化して脱水を同時に行っ
た。
【0045】上記で得られた光ファイバ用ガラス母材の
全重量は、従来程度であった。また光ファイバ用ガラス
母材について軸方向での屈折率分布の変動を調べた。そ
の結果を図4bに示す。図4bから明らかなように、光
ファイバ用ガラス母材内でのカットオフ波長の推定値は
1290±3nmであった。しかし、コア部材の全重量
の0.56倍程度が廃棄されることとなった。
【0046】以上本発明について説明してきたが、本発
明は上記実施形態に限定されるものではない。上記実施
形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載さ
れた技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作
用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明
の技術的範囲に包含される。
【0047】
【発明の効果】本発明により、光ファイバ用ガラス母材
の製造に際し、コア部材の廃棄量を少なくすることがで
きる。その結果、光ファイバ用ガラス母材の生産性及び
歩留りを向上させることができる。しかも、この光ファ
イバ用ガラス母材から得られる光ファイバは、優れた光
学特性、特に非常に安定したカットオフ波長を有するも
のである。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、光ファイバとしたときのカットオフ波
長λc とモードフィールド径(MFD)との関係を示
す。図1aは、クラッドの設計エリアを示す図である。
図1bは、従来技術のクラッドの設計可能エリアを示す
図である(カットオフ波長の変動許容範囲を20nmと
した場合)。図1cは、本発明におけるクラッドの設計
可能エリアを示すものである(カットオフ波長の変動許
容範囲を10nmとした場合)。
【図2】図2は、あるクラッド厚みとしたときの光ファ
イバのカットオフ波長に換算したコア部材の伸長方向の
屈折率分布を示す。図2aは、従来の典型的なコア部材
の場合である。図2bは、従来の典型的なコア部材に比
しコア径が1.2倍のコア部材の場合である。図3c
は、従来の典型的なコア部材に比しコア径が1.2倍、
長さが1.5倍のコア部材の場合である。
【図3】図3は、あるクラッド厚みとしたときの光ファ
イバのカットオフ波長に換算した光ファイバ用ガラス母
材の伸長方向の屈折率分布を示す。図3a及びbは、そ
れぞれ実施例1及び2で製造した各光ファイバ用ガラス
母材に関するものである。
【図4】図4は、あるクラッド厚みとしたときの光ファ
イバのカットオフ波長に換算した光ファイバ用ガラス母
材の伸長方向の屈折率分布を示す。図4a及びbは、そ
れぞれ比較例1及び3で製造した各光ファイバ用ガラス
母材に関するものである。
【符号の説明】
1〜3…3本に分割したそれぞれのコア部材から製造さ
れた各光ファイバ用ガラス母材の相当領域を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 平沢 秀夫 群馬県安中市磯部2丁目13番1号 信越 化学工業株式会社 精密機能材料研究所 内 (56)参考文献 特開 平1−230445(JP,A) 特開 昭60−155536(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C03B 37/012

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コア部材を作製し、該コア部材上にクラ
    ッドを形成して、光ファイバ用ガラス母材を製造する方
    法において、作製した該コア部材を屈折率分布の変動量
    が小さくなるように複数のコア部材に分割し、分割し
    た各コア部材上に各クラッドを形成させることを特徴と
    する光ファイバ用ガラス母材の製造方法。
  2. 【請求項2】 光ファイバ用ガラス母材を光ファイバと
    したときのカットオフ波長の変動量が一定値以下になる
    ように前記作製したコア部材をその屈折率分布に基づき
    分割し、且つ光ファイバが所望のカットオフ波長を有す
    るように各コア部材上に形成する各クラッド量を調整す
    ることを特徴とする請求項1に記載の光ファイバ用ガラ
    ス母材の製造方法。
  3. 【請求項3】 光ファイバとしたときのカットオフ波長
    の変動量が10nm以下になるように前記作製したコア
    部材をその屈折率分布に基づき分割することを特徴とす
    る請求項2に記載の光ファイバ用ガラス母材の製造方
    法。
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