JPH07157328A - 光ファイバの製造方法 - Google Patents

光ファイバの製造方法

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JPH07157328A
JPH07157328A JP30840393A JP30840393A JPH07157328A JP H07157328 A JPH07157328 A JP H07157328A JP 30840393 A JP30840393 A JP 30840393A JP 30840393 A JP30840393 A JP 30840393A JP H07157328 A JPH07157328 A JP H07157328A
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dopant
soot body
transparent
optical fiber
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JP30840393A
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Ryozo Yamauchi
良三 山内
Akira Wada
朗 和田
Tetsuo Nozawa
哲郎 野澤
Kazuhiko Aikawa
和彦 愛川
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Fujikura Ltd
Original Assignee
Fujikura Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 第一のドーパントをその濃度が半径方向に濃
度分布を有するように添加したスート体1を作製し、こ
のスート体を第一のドーパントの濃度分布に応じて濃度
の異る二つの領域に区分し、その濃度の高い方の領域で
ある中心部3から順次透明ガラス化温度を高めながら2
回透明ガラス化してゆくとともに2回目以降の透明ガラ
ス化の際には、スート体1の透明ガラス化されていない
部分である周辺部5に第二のドーパントを拡散させ添加
する光ファイバの製造方法。 【効果】 従来別々の工程で添加していた異るドーパン
ト種を一連の透明ガラス化工程で添加することができ、
また1.0〜1.7μmの波長領域における伝送損失の
低い光ファイバを容易にかつ安定して得ることができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はコアにもクラッドにもド
ーパントが添加されており、伝送損失の低い石英ガラス
系光ファイバを容易にかつ安定して得ることが可能な光
ファイバの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】石英ガラス系光ファイバが実用化されて
長期間経過したが、適用領域が広がるにつれて大きな屈
折率差を有する光ファイバを安定に製造することができ
ないという問題点がでてきた。大きな屈折率差を有する
光ファイバを製造するには、一般に多量のドーパントを
添加しなければならず、このドーパントには石英ガラス
の屈折率を増加させるものと減少させるものとがあり、
前者の例としてはゲルマニウム、リンなどがあり、後者
の例としてはボロン、フッ素などがある。
【0003】ところで、近年の低損失光ファイバにおい
ては、1.0〜1.7μmの波長領域における低損失性
を確保するために、リン、ボロンなどのドーパントを避
ける傾向にあり、実質的に使用可能なドーパントとして
はゲルマニウムとフッ素のみとなっている。これらのド
ーパントを用いてコアとクラッドとの屈折率差が大きい
光ファイバを製造する一つの方法としては、コア部に多
量のゲルマニウムを添加したSiO2を堆積し、クラッ
ド部にSiO2のみを堆積したスート体を形成し、これ
をフッ素含有ガス中で加熱してクラッド部にフッ素をド
ープするとともにスート体を透明ガラス化してプリフォ
ームとする方法がある。しかしながら、このような方法
により得られたプリフォームは、線引きする際に熱膨張
係数の差による歪み等が生じ、これらに起因して得られ
る光ファイバの光学特性や伝送特性に悪影響を与え易い
ことが知られている。
【0004】そこで、このような問題を回避する一つの
方法として、屈折率を増加させるドーパントを添加した
コアガラス棒と、屈折率を減少させるドーパントを添加
したクラッド・ガラス・パイプ用意し、このパイプ内に
上記コアガラス棒を挿入し、コア部とクラッド部を一体
化してプリフォームを形成するロッド・イン・チューブ
法(以下、RIT法と略記する。)がある。しかしなが
ら、この方法により得られたプリフォームはコア部とク
ラッド部との境界層が汚染され易く、例えば水分(OH
基)により汚染されると、このプリフォームを溶融紡糸
して得られる光ファイバにOH基による吸収損失が主と
して1.3〜1.5μmの光波長帯に現われてしまい、
1.0〜1.7μmの波長領域における低損失性を確保
できず、また、別々の工程で作製されたコア部とクラッ
ド部とを一体化する作業は困難であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記事情に
鑑みてなされたもので、コアにもクラッドにもドーパン
トが添加されており、1.0〜1.7μmの波長領域に
おける伝送損失の低い光ファイバを容易にかつ安定して
得ることが可能な光ファイバの製造方法を提供すること
にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1記載の
光ファイバの製造方法は、第一のドーパントをその濃度
が半径方向に濃度分布を有するように添加したスート体
を作製し、このスート体を第一のドーパントの濃度分布
に応じて濃度の異る二以上の領域に区分し、その濃度の
高い方の領域から順次透明ガラス化温度を高めながら2
回以上透明ガラス化してゆくとともに2回目以降の透明
ガラス化の際には、スート体の透明ガラス化されていな
い部分に第二のドーパントを拡散させ添加することを特
徴とする。
【0007】上記透明ガラス化が行われたことは、スー
ト体全体の形状がわずかに縮径したことにより確認する
ことが好ましい。上記第一のドーパントとしては、ゲル
マニウムおよびリンのうちから少なくとも一種を選択す
ることが好ましい。
【0008】本発明においてスート体とは、VAD法な
どにより火炎中で発生したガラス微粒子を何らかのター
ゲットに補集してできる成形体であって、ガラス微粒子
間に結合力が働いているため、ある程度の機械的強度は
有するものの気体が流通できる程度の空隙や気泡が全体
にかなり残ったものであり、光学的には不透明な状態の
ものをいう。
【0009】また、本発明において透明ガラス化とは、
上記スート体を加熱することによって当初不透明なガラ
ス微粒子の集合体であったものを透明なガラス体とする
ことであり、本発明の製造方法では、スート体全体を一
度に透明なガラス体とするのではなく、第一のドーパン
トの濃度によって区分された領域のうち濃度の高い方の
領域から順次透明なガラス体としていく。
【0010】
【作用】本発明の光ファイバの製造方法は、第一のドー
パントをその濃度が半径方向に濃度分布を有するよう
に、例えば、中心から外方に向けて低下する濃度分布を
有するように添加したスート体を作製し、このスート体
を第一のドーパントの濃度分布に応じて濃度の異る二以
上の領域に区分する方法であるので、例えば、スート体
を二つの領域に区分した場合、第一のドーパントの濃度
の高い方の領域はこれより濃度の低い方の領域よりも軟
化温度が低いことから、濃度の低い方の領域よりも低温
度で透明ガラス化できるため、上記スート体に第一のド
ーパントの濃度の高い方の領域が軟化する温度で、かつ
濃度が低い方の領域のみ軟化しない温度を加えることに
より、第一のドーパントの濃度が高い方の領域のみが透
明ガラス化された状態とするともに第一のドーパントの
濃度が低い方の領域は透明ガラス化がされていない状態
とする選択的透明ガラス化を行うことが可能となる。そ
して、選択的透明ガラス化が行われたスート体は、これ
の濃度の高い方の領域すなわち透明ガラス化された部分
に第二のドーパントを添加しようとしても、該透明ガラ
ス化された部分は密な状態となっているため第二のドー
パントの添加が阻害され、一方濃度の低い方の領域すな
わち透明ガラス化されていない部分は空隙や気泡が残留
している粗な状態となっているため第二のドーパントの
添加が可能となる。また、本発明の光ファイバの製造方
法においては、様々な屈折率分布形状の光ファイバの製
造への応用が可能であり、例えば中心領域には第一のド
ーパントを高濃度で添加し、これを取り囲む領域には第
二のドーパントと低濃度の第一のドーパントを共添加
し、さらにこれの外方の領域には第二のドーパントのみ
を添加したプリフォームを用いて光ファイバを製造する
ことにより可能となる。
【0011】
【実施例】以下、本発明の光ファイバの製造方法の実施
例を詳細に説明する。まず、図1に示すようなスート体
1を作製する。このスート体1は、円柱状で、かつSi
2ガラス微粒子に第一のドーパントとしてゲルマニウ
ムが約15重量%含有された中心部3と、この中心部3
を取り囲む、ドーパントが添加されていないSiO2
ラス微粒子からなる周辺部5とからなる二重構造のもの
である。このスート体1の密度は、完全に透明ガラス化
された状態と比較した相対密度で約0.12程度となっ
ている。
【0012】このようなスート体1を作製するには、例
えば図2に示すようなVAD法を用いる。ここでのVA
D法は、同心円状の多層構造をした第一の酸水素バーナ
7と第二の酸水素バーナ9が用いられ、スート体1を作
製する際に第一の酸水素バーナ7にはH2、O2、SiC
4、第一のドーパントとなるGeCl4、反応に寄与し
ないArを供給し、第二の酸水素バーナ9にはH2
2、SiCl4、反応に寄与しないArが供給する。
【0013】ついで、作製したスート体1を加熱炉内に
入れ、塩素ガス含有ヘリウムガス雰囲気で4時間程度加
熱を行い、スート体1中に残留している水分の除去を行
う。こののち上記加熱炉の温度を上げ脱水の完了したス
ート体1を2時間程度熱処理し、ゲルマニウムの濃度が
高い方の領域である中心部3のみ透明ガラス化された状
態にするともにゲルマニウムの濃度が低い方の領域であ
る周辺部5は透明ガラス化されない状態にする選択的透
明ガラス化を行う。ここでスート体1に選択的透明ガラ
ス化が行われたことは、スート体1全体の形状がわずか
に縮径したことにより確認する。
【0014】上記熱処理の温度は、以下の手順により決
定した。一般に、スート体を加熱したときの相対温度と
相対密度(相対嵩密度)との関係は図3に示すようにな
る。この図3中には2本の曲線、が引かれており、
曲線はドーパント濃度が高いスート体を加熱したとき
の相対温度と相対密度との関係であり、曲線はドーパ
ント濃度が低いスート体を加熱したときの相対温度と相
対密度との関係である。この図3からドーパント濃度を
高くするにつれてより低い温度で透明ガラス化が進行す
ることが判り、図1に示したスート体1のように第一の
ドーパントの濃度が中心から外方に向けて低下する濃度
分布を有するものを、第一のドーパントの濃度分布に応
じて濃度の異る二つの領域に区分すると、設定温度によ
りドーパント濃度の高い方の領域では大きく透明ガラス
化が進行するが、一方、ドーパント濃度の低い方の領域
ではほとんど透明ガラス化が進行しない条件が存在す
る。このことから、このような温度を選択して熱処理を
行う。その温度の選択は、上記スート体1と同様に作製
した数本のスート体を異る温度で熱処理した後、輪切り
にして内部の透明ガラス化の進行状態を観察した。その
結果、図3のa点の温度で熱処理したものは、SiO2
ガラス微粒子間の結合、溶融が不十分でスート体全体が
白色を呈していた。また、図3のc点の温度で熱処理し
たものは、ゲルマニウムの添加量の多い領域である中心
部が完全に透明なガラス体となっており、またゲルマニ
ウムを含まない領域である周辺部でも透明ガラス化が進
行していた。これに対して図3のb点の温度で熱処理し
たものは、中心部がほとんど透明なガラス体となってお
り、周辺部では透明ガラス化はほとんど進行していなか
った。これらのことから熱処理の温度をゲルマニウムの
濃度が高い中心部3が軟化する温度で、かつゲルマニウ
ムを含まない周辺部5が軟化しない温度に決定した。
【0015】ついで、選択的透明ガラス化が行われたス
ート体1を上記加熱炉内に保持したまま、該加熱炉内の
雰囲気を高温のフッ素含有ガスに置換してゲルマニウム
の濃度が低い周辺部5にフッ素含有ガスを拡散させる。
ここで用いるフッ素含有ガスとしては、Cmn(式中m
は正の整数、nは正の整数を表す。)の構造を有するC
4、C26などや、SF6のような硫黄を含むガス、さ
らにはSiF4のようなフッ化珪素系のガスなどが使用
可能である。そして加熱炉内の雰囲気をフッ素含有ガス
で置換するには、上記フッ素含有ガスをヘリウムガスな
どの不活性ガスとともに加熱炉内に供給する。ついで、
上記加熱炉の温度をさらに高い温度、すなわち図3にお
けるc点よりも高い温度で2時間程度保持してスート体
1全体を透明ガラス化する。このようにすると、中心部
3に第一のドーパントであるゲルマニウムが添加され、
周辺部5に第二のドーパントであるフッ素が添加された
透明ガラス棒が得られる。このようにして得られる透明
ガラス棒の密度は、上記スート体1に対する相対密度で
約8程度に増加する。
【0016】また、ここでは選択的ガラス化が行われた
スート体1をこれ全体を透明ガラス化できる図3におけ
るc点よりも高い温度でフッ素含有雰囲気中に曝して中
心部3にフッ素含有ガスを拡散させるともに全体を透明
ガラス化して透明ガラス棒を得てもよい。
【0017】ついで、得られた透明ガラス棒をそのまま
あるいは加工を施してプリフォームを得る。ここで施す
加工は、目的とする光ファイバを作製するために必要な
厚さのクラッド部を形成するためのものである。その方
法としては、まず、上記透明ガラス棒を加熱延伸して細
く引き延ばした後、延伸された透明ガラス棒の外周表面
にVAD法で用いたものと同様の酸水素バーナを用いて
ドーパントを含まないSiO2ガラス微粒子を堆積させ
る。ついで、このSiO2ガラス微粒子が堆積した透明
ガラス棒を先に述べた方法と同様にしてフッ素含有ガス
雰囲気下で透明ガラス層にフッ素を添加するとともに全
体を透明ガラス化し、プリフォームを得る。図4にこの
プリフォームの半径方向の屈折率分布の例を示す。つい
で、得られたプリフォームをこれを溶融紡糸する加熱炉
で線引きして光ファイバを得る。
【0018】このような光ファイバの製造方法にあって
は、従来別々の工程で添加していた異るドーパント種を
一連の透明ガラス化工程で添加することができ、特に、
現在光ファイバの製造で重要なゲルマニウムとフッ素の
二種のドーパントを選択的に添加することができる。ま
た、RIT法のように別々に作製したコア部とクラッド
部を一体化する工程もないので、コア部とクラッド部と
の境界層が汚染されることもなく、1.0〜1.7μm
の波長領域における伝送損失の低い光ファイバを容易に
かつ安定して得ることできる。また、実施例においては
第一のドーパントとしてゲルマニウムを用いる例につい
て説明したが、リンを用いる場合にも同様になし得る。
【0019】つぎに、本発明の光ファイバの製造方法の
応用例について説明する。この応用例は、ゲルマニウム
の添加量が異る複数のSiO2ガラス微粒子からなる層
にそれぞれ選択的にフッ素を添加する方法であり、例え
ば、図5に示すようにゲルマニウムを約20重量%含む
SiO2ガラス微粒子からなる中心層13と、これの外
方のゲルマニウムを約10重量%含むSiO2ガラス微
粒子からなる周辺層15、さらにこれの外方のゲルマニ
ウムを含まないSiO2ガラス微粒子からなる最外層1
7とからなる三層構造を有する第二のスート体21をV
AD法により作製する。ついで、ゲルマニウムの濃度の
高い方の層から順次透明ガラス化温度を高めながら3回
透明ガラス化をしてゆくとともに2回目以降の透明ガラ
ス化の際には第二のスート体21の透明ガラス化されて
いない層に任意の濃度のフッ素を拡散させ添加する。図
6に第二のスート体21の各層を加熱したときの相対温
度と相対密度(相対嵩密度)との関係を示す。図6中、
曲線はゲルマニウムの添加量が20重量%の中心層1
3を加熱したときの温度と相対密度との関係であり、曲
線はドーパントの添加量が10重量%の周辺部15を
加熱したときの温度と相対密度との関係であり、曲線
はドーパントの添加量が0重量%の最外層17を加熱し
たときの温度と相対密度との関係である。
【0020】上記第二のスート体21の層に選択的にフ
ッ素を添加する方法としては、中心層13のみが透明ガ
ラス化する温度、すなわち図6のd点の温度で第二のス
ート体21を熱処理した後、この第二のスート体21を
周辺層15が透明ガラス化する温度、すなわち図6のe
点の温度に上げるとともに中心層13に対する相対屈折
率が0.1%程度低下するようにフッ素含有ガス雰囲気
に曝し、周辺層15を透明ガラス化するとともにフッ素
を添加する。このようにすると、周辺層15には約10
重量%(石英ガラスの屈折率を約0.7%上昇させるだ
けのドーパント量に相当する)のゲルマニウムと0.1
%屈折率を低下させるだけの量のフッ素が一連の工程で
共に添加されることとなる。
【0021】そして、最外層17に対しては、この最外
層17が透明ガラス化する温度、すなわち図6のf点以
上の温度に上げるとともに周辺層15に対する相対屈折
率が低下するように上記周辺層15にフッ素を添加する
ときより高濃度のフッ素含有ガス雰囲気に曝し、最外層
17を透明ガラス化するとともにフッ素を添加する。こ
こでのフッ素含有ガスの添加量としては石英ガラスの屈
折率が約0.6%低下するようなフッ素含有ガスの濃度
を選択する。このようにすると、図7に示すような半径
方向の屈折率分布を有するプリフォームが得られる。
【0022】以下、具体例を示す。 (実施例)まず、図2に示すような第一および第二の酸
水素バーナ7,9を用いるVAD法をにより外径約60
mm、長さ約400mmの円柱状の図1に示すようなス
ート体1を作製した。このスート体1は、SiO2ガラ
ス微粒子にゲルマニウムが約15重量%添加された中心
部3と、ゲルマニウムが添加されていないSiO2ガラ
ス微粒子からなる周辺部5とからなる二重構造のもので
あった。また、スート体1の密度は、約0.25g/c
3であった。上記第一および第二の酸水素バーナ7,
9に供給したガスの種類および供給量を下記表1に示
す。
【0023】ついで、作製したスート体1を加熱炉内に
入れ、塩素ガス含有ヘリウムガス雰囲気で750℃、約
4時間加熱を行い、スート体1中に残留している水分の
除去を行った後、上記加熱炉の温度を約1350℃に上
げさらにスート体1を約2時間熱処理し、中心部3のみ
透明ガラス化された状態とするとともに周辺部5は透明
ガラス化がされない状態にする選択的透明ガラス化を行
った。ここで選択的透明ガラス化が行われたことは、ス
ート体1全体の形状がわずかに縮径したことにより確認
した。
【0024】ついで、選択的透明ガラス化が行われたス
ート体1を上記加熱炉内に保持したまま、該加熱炉内に
SiF4をヘリウムガスとともに供給し、加熱炉内の雰
囲気を1100℃のSiF4に置換して周辺部5にSi
4を拡散させた。この後、上記加熱炉の温度を160
0℃で2時間程度保持してスート体1全体を透明ガラス
化し、透明ガラス棒を得た。
【0025】ついで、得られた透明ガラス棒を加熱延伸
して細く引き延ばした。その外径は約10mmであっ
た。そして、延伸された透明ガラス棒の外周表面にVA
D法で用いたものと同様の酸水素バーナを用いてドーパ
ントを含まないSiO2ガラス微粒子を堆積させた。こ
のものの外径は約150mmであった。さらに、SiO
2ガラス微粒子が堆積した透明ガラス棒をSiF4雰囲気
下で透明ガラス化してフッ素が添加された透明ガラス層
を形成し、プリフォームを得た。このプリフォームは外
径約60mm、長さ約400mmであった。最後に、得
られたプリフォームを紡糸炉で線引きして外径125μ
mの光ファイバを得た。
【0026】図8に得られた光ファイバの伝送損失の波
長特性を調べた結果を示す。図8から明らかなように実
施例の光ファイバの製造方法で得られた光ファイバは、
通常問題となる1.39μm波長帯のOH基(残留水分
による吸収波長)による吸収損失はほとんど見られず、
1.55μmでは0.22dB/kmと非常に低い伝送
損失を示していた。また、得られた光ファイバは図4に
示すようにコアとクラッド間の比屈折率差Δ1は約1.
5%もあったがその割には非常に低い損失であった。ま
た、コアと純粋石英ガラスの屈折率レベル間の比屈折率
差Δ2は約1.0%、純粋石英ガラスの屈折率レベルと
クラッド間の比屈折率差Δ3は約0.5%であった。
【0027】
【表1】
【0028】上記表1中のSLMは標準リットル/分を
表す。
【0029】また、本発明は図4、図7に示すような半
径方向の屈折率分布を有するプリフォームを得る場合以
外に、図9(a)、(b)、(c)に示すような半径方
向の屈折率分布を有するプリフォームを得る場合にも適
応可能である。
【0030】
【発明の効果】以上説明したように本発明の光ファイバ
の製造方法は、従来別々の工程で添加していた異るドー
パント種を一連の透明ガラス化工程で添加することがで
き、特に、現在、光ファイバの製造で重要なゲルマニウ
ムとフッ素の二種のドーパントを選択的に添加すること
ができる。また、RIT法のように別々に作製したコア
部とクラッド部を一体化する工程もないので、コア部と
クラッド部との境界層が汚染されることもなく、1.0
〜1.7μmの波長領域における伝送損失の低い光ファ
イバを容易にかつ安定して得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例の光ファイバの製造方法で得られるス
ート体を示した断面図である。
【図2】 図1に示したスート体の製造方法を説明する
ための図である。
【図3】 スート体を加熱したときの相対温度と相対密
度(相対嵩密度)との関係を示した図である。
【図4】 実施例の光ファイバの製造方法で得られるプ
リフォームの半径方向の屈折率分布の例を示した図であ
る。
【図5】 応用例で作製する第二のスート体を示した断
面図である。
【図6】 応用例の第二のスート体の各層を加熱したと
きの相対温度と相対密度(相対嵩密度)との関係を示し
た図である。
【図7】 応用例で得られるプリフォームの半径方向の
屈折率分布の例を示した図である。
【図8】 実施例で得られた光ファイバの伝送損失の波
長特性を示したグラフである。
【図9】 (a)〜(c)は本発明で得られるプリフォ
ームの半径方向の屈折率分布のその他の例を示した図で
ある。
【符号の説明】
1・・・スート体、3・・・中心部、5・・・周辺部、13・・・中
心層、15・・・周辺層、17・・・最外層、21・・・第二の
スート体。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 愛川 和彦 千葉県佐倉市六崎1440番地 株式会社フジ クラ佐倉工場内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 石英ガラスを主成分とする光ファイバを
    製造する方法において、 第一のドーパントをその濃度が半径方向に濃度分布を有
    するように添加したスート体を作製し、このスート体を
    第一のドーパントの濃度分布に応じて濃度の異る二以上
    の領域に区分し、その濃度の高い方の領域から順次透明
    ガラス化温度を高めながら2回以上透明ガラス化してゆ
    くとともに2回目以降の透明ガラス化の際には、スート
    体の透明ガラス化されていない部分に第二のドーパント
    を拡散させ添加することを特徴とする光ファイバの製造
    方法。
  2. 【請求項2】 透明ガラス化が行われたことをスート体
    全体の形状がわずかに縮径したことにより確認すること
    を特徴とする請求項1記載の光ファイバの製造方法。
  3. 【請求項3】 第一のドーパントとしてゲルマニウムお
    よびリンのうちから少なくとも一種を選択することを特
    徴とする請求項1または2記載の光ファイバの製造方
    法。
JP30840393A 1993-12-08 1993-12-08 光ファイバの製造方法 Pending JPH07157328A (ja)

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