JP4057332B2 - 光ファイバ用ガラス母材の製造方法 - Google Patents

光ファイバ用ガラス母材の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ファイバ用ガラス母材の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
光ファイバは、光を伝播するコアと光の滲出を防ぐクラッドからなり、長距離の光伝送路を光が伝播するためには、低損失であることが求められる。低損失であるためには、光ファイバに用いられる材料は光を吸収しない特性を有することが重要で、現在のところ、光伝送路用として実用化されている光ファイバの材料は石英ガラスである。
【0003】
また、光ファイバの屈折率分布を変化させるために石英ガラスに添加される材料としては、(SiO2 からなる石英ガラスより)屈折率を高くするゲルマニウム(Ge)と低くするフッ素(F)が一般的である。
【0004】
光ファイバのもっとも単純な屈折率分布は、コアの屈折率が一様でクラッドより大きく、階段状になっている、いわゆる単峰型のものである。この場合、中心部のコアにGeを添加し、クラッドは純石英にした構造が一般的である。ただし、コアの添加物をなくして純度を高めることにより、低損失を実現したり、放射線や紫外線に対する耐性を高めるために、コアを純粋な石英とし、クラッドにFを添加して、クラッドの屈折率を相対的に低くすることもある。
【0005】
光ファイバ中を伝播する光の速度は波長により、またガラスの組成により異なる。この現象は分散といわれるものである。この分散により、信号光源に波長分布があると、光の速度が波長により一定でなくなるため、信号が乱れることがある。ただ、光ファイバの屈折率分布を適切に設定すると、分散の波長依存性を抑制できるので、高速通信用光ファイバでは複雑な屈折率分布を選択することがある。
【0006】
最近のWDM(Wavelength Division Multiplexing)伝送では長距離を光増幅方式で信号光を伝播させるため、信号の波形乱れを防ぐために分散設計が特に重要である。WDM伝送に使用される光ファイバの屈折率分布形状は、単峰タイプのような単純な構造でなく、層状に屈折率が凸、凹するW型(図1参照)やWセグメント型(図2参照)となる。
屈折率を低下させて凹層を得るには、Fの添加が必要であり、また屈折率を高めるにはGeを添加するのが一般的である。しかしながら、このように添加物を加えると、光損失特性や非線形特性が劣化することがある。そこで屈折率を高くする部分へのGe添加量を抑制するかゼロにし、その周囲の層にFを多量に添加して、相対的に屈折率差を持たせることもある。
【0007】
上記構造の光ファイバは幾つかの製法で製造可能であるが、生産性からVAD法が適している。以下、この製法の工程の一例について説明する。即ち、
1)先ず、多重構造のバ−ナを用意し、酸素ガス、水素ガスおよびガラス原料である四塩化珪素を気化させて流し、点火して、火炎(VAD火炎と称す)中で加水分解反応によりガラス微粒子を生成する。このガラス微粒子を回転する石英製種棒に吹き付けて多孔質体を成長させ、石英製種棒を徐々に引き上げて、所望のサイズの多孔質体を得る。
2)次に、上記多孔質体をHe雰囲気下で例えば1600℃にて加熱し、透明化して透明ガラス体とする。
3)次いで、前記透明ガラス体を延伸して細長い棒状にし、前記透明ガラス体とバ−ナを相対的に移動させながら、VAD火炎を前記透明ガラス体全長に渡って吹き付けて、多孔質層を生成する。必要に応じてこの工程を繰り返して、多孔質層を厚くする。
4)その後、Heにフッ素化合物を共存させた雰囲気で例えば1350℃にて加熱し、前記多孔質層にFを添加し、前記多孔質層を透明ガラス化し、透明ガラス母材とする。
【0008】
F添加はF分圧などに影響されるので、火炎中での加水分解反応と同時に実施すると、反応条件で制約されたり、その後の透明化処理時にFが抜けたりするため、設定通りにFを添加するのが困難である。そこで、上述のように、透明ガラス化時にFを添加する方が添加量を増やしたり、制御することが容易となる。
【0009】
この透明ガラス母材の外周にさらに石英層を形成させることもある。その場合、外付法で多孔質層を付着し、加熱透明化するか、あるいは、石英管に入れて加熱融着し、一体化する。
このようにして得られた光ファイバ用ガラス母材を線引機にて例えば2000℃に加熱し、線引する。線引時に紫外線硬化樹脂、あるいは熱硬化シリコ−ン樹脂を塗布して光ファイバとする。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、透明ガラス母材の外周にガラス微粒子が密に堆積された、多孔質体を透明化する場合、透明ガラス母材と多孔質体との間にガスが存在すると、これが閉じ込められて気泡になるという問題がある。これを防ぐ目的で、ガラスへの溶け込みが容易なHeガス雰囲気で透明化するのが一般的である。
しかしながら、F添加するためにHeガス雰囲気中に共存させるフッ素化合物の濃度を高めると、フッ素化合物がHeに比較して固体ガラス中に拡散しにくいため、このガス成分が残留してしまう。その結果、ガラス化後に線引などでさらに熱が加わると気泡が発生するという問題があった。
【0011】
上記気泡の発生を防ぐ手段として、透明ガラス化時にHeガス雰囲気中に共存させるフッ素化合物濃度を下げることが考えられるが、所望の屈折率差を得るためには最低限必要なフッ素化合物濃度があり、気泡の発生を抑制するところまでフッ素化合物濃度を低減させることが困難な場合がある。
【0012】
また、光ファイバ用ガラス母材の製造工程において曝される最高温度が透明ガラス化工程中で生じるようにして、それ以外の工程ではこの温度以上の高温にならないようにすることが考えられる。しかしながら、F添加ガラスは軟化点が低いので、高い透明ガラス化温度下では粘度が低下して透明ガラス母材が変形する恐れがあり、ガラス化工程における温度をその後の工程で曝される温度まで上昇させることができない。
具体的には、透明ガラス化工程中でのF添加ガラス化温度は、ガラス母材の変形を防ぐためには、1400℃以下が望まれる。しかしながら、この透明ガラス化工程後にさらに純石英を付与する場合には、その際の透明ガラス化温度は、軟化温度がより高くなるため、1500℃以上の処理が必要である。また線引するために軟化させるには、1800℃かそれ以上の温度が求められる。したがって、F添加のガラス化工程における処理温度を後工程での処理温度よりも高くすることができない。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記問題点を解決すべく、鋭意、実験的検討の結果到達したものである。
即ち、請求項1記載の発明は、石英系ガラス微粒子からなる多孔質体をフッ素化合物を含む雰囲気で透明ガラス化温度で加熱処理して透明ガラス化し、フッ素を添加する工程を有する光ファイバ用ガラス母材の製造方法において、前記多孔質体を1400℃以下の透明ガラス化温度で透明ガラス化し、次いで、フッ素化合物ガスを含まない雰囲気で、少なくとも前記透明ガラス化温度を超えてからは10℃/分以下の速度にて1500℃以上の所定の温度まで昇温し、前記所定の温度にて2時間以上保持することを特徴とするものである。
【0014】
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記多孔質体は、密度が0.4g/cm3 以下であり、1100℃以下の塩素を含む雰囲気で予め熱処理されていることを特徴とするものである。
【0015】
また、請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の発明において、前記フッ素化合物はSiF4 であることを特徴とするものである。
【0016】
また、請求項4記載の発明は、請求項1ないし3のいずれか1に記載の発明において、前記フッ素化合物ガスを含まない雰囲気は、Arガスからなることを特徴とするものである。
【0017】
また、請求項5記載の発明は、請求項1ないし4のいずれか1に記載の発明において、前記フッ素化合物ガスを含まない雰囲気の気圧は、大気圧に対して10kPa以上減圧されていることを特徴とするものである。
【0019】
請求項1記載の発明のように、透明ガラス化温度を1400℃以下にし、多孔質体を透明ガラス化後に、フッ素化合物を含まない雰囲気で、少なくとも前記透明ガラス化温度を超えてからは10℃/分以下の速度にて1500℃以上の所定の温度まで昇温し、前記所定の温度にて2時間以上保持すると、多孔質体中に高濃度に残留しているガスを加熱により拡散させ、後工程における気泡の発生を抑制することができる。ここで、所定の温度とは、1500℃以上でかつ透明ガラス化後の線引き工程に至る前までの後工程で曝される最高温度よりも高い温度を意味する。
【0020】
本発明において、透明ガラス化温度を1400℃以下にした理由は、透明ガラス化温度が1400℃を超えると、F添加ガラスは軟化点が低いため、変形する恐れがあるからである。
また、多孔質体中の残留ガスを拡散させ、後工程での気泡の発生を抑制するためには、処理温度は高いほど、処理時間は長いほど効果がある。そこで、上述のように、透明ガラス化後に、フッ素化合物を含まない雰囲気で、少なくとも前記透明ガラス化温度を超えてからは10℃/分以下の速度で1500℃以上の所定の温度まで昇温し、前記所定の温度にて2時間以上保持すると、この工程および後工程での気泡の発生を抑制することができる。ここで、昇温速度を10℃/分以下にした理由は、これ以上の昇温速度では、ガスが拡散する前に膨張して気泡が発生する恐れがあるからである。
【0021】
また、請求項2記載の発明のように、前記多孔質体の密度を0.4g/cm3 以下にすると、効率良くFを添加することができる。その理由は、ガラス化の工程でFを添加することは、固体のSiO2 とフッ素化合物の反応によるので、十分な反応を行わせるには、多孔質体を形成する微粒子が細かくかつガスが内部に十分流れ込むように隙間があることが望まれるためである。このことは多孔質体の密度が小さいことを意味している。検討の結果、上述のように、密度が0.4g/cm3 以下であると、効率良くFを添加することができる。
また、多孔質体が水酸基を多量に含むと、光ファイバとした場合に1385nm付近に吸収ピークが出現する。これを低減する目的で、多孔質体を塩素(塩素化合物も含むものとする)雰囲気下で熱処理することがあるが、熱処理温度が高いと、その工程で焼結が進行し、密度が高まる。そこで、請求項2記載の発明のように、この熱処理温度は1100℃以下であることが望ましい。
【0022】
また、請求項3記載の発明のように、透明ガラス化する際の雰囲気に含めるフッ素化合物をSiF4 にすると、SF6 、C24 などに比してFを効率よく添加することができる。
【0023】
また、請求項4記載の発明のように、前記フッ素化合物ガスを含まない雰囲気をArにすると、空気に比してガラス中に溶け込むことが少なく、気泡発生の抑制効果がある。また、請求項5記載の発明のように、前記フッ素化合物ガスを含まない雰囲気の気圧を大気圧に対して10kPa以上減圧すると、ガラス中に溶け込むガスが一層少なく、気泡発生を一層抑制することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
図1に示すW型屈折率分布を有する光ファイバ用ガラス母材を以下の工程で作製した。即ち、
1)2層構造のコアを2回に分けて合成する。先ずVAD装置を用いて、センタ−コア1に相当するGeを添加した多孔質体を合成する。その後、この多孔質母材を透明ガラス化し、所望の外径に延伸加工する。
2)次いで、前記透明ガラス体の外周に純粋な石英微粒子を火炎加水分解反応によって生成、堆積させ、新たに多孔質体を合成する。この多孔質母材を第1段階(脱水処理)とフッ素化合物を含有する雰囲気中での第2段階(透明ガラス化)の2段階の加熱処理により透明ガラス化し、Fを添加する。この第1、第2段階の加熱処理の条件を表1に示す。
【0026】
表1
Figure 0004057332
【0027】
このようにして製作された透明ガラス体の屈折率分布は、センタ−コア1の純粋石英に対する比屈折率差が2%、センタ−コア1の周囲のサイドコア2の純粋石英に対する比屈折率差が−0.6%であった。
【0028】
3)次に、上記透明ガラス体内に残留しているガスを拡散させる目的で、下記の加熱処理を施す。
即ち、上記透明ガラス体を延伸後に5分割し、そのうち4本をAr雰囲気中でそれぞれ加熱処理する。加熱処理条件は、何れも1350℃から昇温し、1500℃の保持温度で2時間保持する。ただし、昇温速度の影響を調べるために、昇温速度は、5℃/分、8℃/分、11℃/分、15℃/分とする。1500℃からの降温速度はいずれも10℃/分である。
なお、残りの1本の透明ガラス体には、加熱処理を施さなかった。
【0029】
4)次いで、上記5本の透明ガラス体の外周に、同一の条件で純粋石英の多孔質クラッド層を生成させた。この多孔質クラッド層を透明ガラス化してクラッド3とし、光ファイバ用ガラス母材とした。
【0030】
上記光ファイバ用ガラス母材について、F添加層に発生した気泡の個数を目視にて計数した。その結果を表2に示す。なお、気泡は直径が0.2mm以上のものを計数の対象とした。
表2からわかるように、昇温速度が10℃/分以下に遅くなると、気泡の発生は製品上問題ないレベル(およそ0.003個/cm3 以下)に抑えることができる。
【0031】
表2
Figure 0004057332
【0032】
次に、前述と同様に準備した4本のF添加の透明ガラス母材に、残留しているガスを拡散させる目的で、加熱処理を施した。この加熱処理の条件は、1200℃から10℃/分の速度で昇温し、1500℃の保持温度で保持し、その後、10℃/分の降温速度で降温させた。ここで、1500℃での保持時間の気泡の発生に対する影響を調べるために、4本の透明ガラス母材の保持時間を30分、60分、90分、150分と変化させて、気泡の発生状態を比較した。
これら4本の透明ガラス体に、同一の条件で純粋石英の多孔質クラッド層を生成した。このクラッド層を透明ガラス化した後に、F添加層に発生した気泡の個数を目視にて計数した。その結果を表3に示す。
表3からわかるように、保持時間が2時間以上の場合、気泡の発生は問題ないレベル(およそ0.003個/cm3 以下)に抑えることができる。
【0033】
表3
Figure 0004057332
【0034】
また、F添加層に相当する多孔質体の密度、および表1の第1段階(脱水工程)での温度条件について、最適値を検討した。
前記多孔質体密度を0.2〜0.5g/cm3 の範囲で変化させてサンプルを作製し、表1の条件で透明ガラス化してF添加層の純粋石英に対する比屈折率差を測定した。その結果を図3に示す。
図3からわかるように、前記多孔質体の密度が0.4g/cm3 を超える高密度になると、比屈折率の低下量が小さくなるため、前記多孔質体の密度は0.4g/cm3 以下であることが望ましい。
【0035】
また、前記多孔質体の密度が0.4g/cm3 であるサンプルを4本作製し、表1の第1段階の温度条件を900℃〜1200℃まで100℃刻みに変化させて、透明ガラス化したF添加層を形成した。他の条件は表1と同じとした。
これらのサンプルのF添加層の純粋石英に対する比屈折率差を測定した。また、クラッド層を付与して線引きし、波長1385nmにおける吸収損失を測定した。これらの測定結果を図4に示す。
【0036】
図4からわかるように、第1段階の処理温度が1100℃を超えると、比屈折率差の低下量は小さく、また、第1段階の処理温度が1000℃よりも低いと、1385nmの損失が大きくなる。したがって、比屈折率差の低下量を大きくし、1385nmの損失を小さくするには、第1段階の処理温度は1000℃〜1100℃の範囲であることが好適である。
【0037】
なお、多孔質体の第2段階の加熱処理において、初期温度が1400℃を超えると、急激な加熱によると思われる気泡が発生し、加熱時間や昇温速度を変化させても気泡の発生を抑制することはできなかった。
また、前記透明ガラス体の残留ガスを拡散させる加熱処理の雰囲気(フッ素化合物ガスを含まない)を、空気、N2 、あるいはHeとしたところ、気泡の発生を抑制できず、この雰囲気ガスはArが望ましいことが判った。
また、前記透明ガラス体の残留ガスを拡散させる加熱処理の雰囲気の気圧を大気圧に対して10kPa以上減圧すると、気泡の発生が認められず、良好な光ファイバ用ガラス母材が得られた。
さらに、本発明は、図1に示すW型屈折率分布を有する光ファイバ用ガラス母材に限定されず、図2に示すように、センターコア11、サイドコア12、13、クラッド14からなるWセグメント型屈折率分布を有する光ファイバ用ガラス母材などにも適用されることは言うまでもない。
【0038】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、フッ素を含有する層を有する光ファイバ用ガラス母材中の気泡の発生を抑制することができ、また、本発明の光ファイバ用ガラス母材を線引きすることにより、含まれる気泡を少なくした光ファイバが得られるという優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる光ファイバ用ガラス母材の製造方法で製造した光ファイバ用ガラス母材の一実施形態のW型屈折率分布形状を示す図である。
【図2】本発明が適用可能な他のWセグメント型屈折率分布形状を示す図である。
【図3】上記実施形態における、フッ素添加前の多孔質体密度とフッ素添加後の透明ガラス体の比屈折率差および1385nmの損失との関係を示す図である。
【図4】上記実施形態における、第1段階(脱水工程)の炉内温度とフッ素添加後の透明ガラス体の比屈折率差および線引きして得られた光ファイバの1385nmの損失との関係を示す図である。
【符号の説明】
1、11 センターコア
2、12、13 サイドコア
3、14 クラッド

Claims (5)

  1. 石英系ガラス微粒子からなる多孔質体をフッ素化合物を含む雰囲気で透明ガラス化温度で加熱処理して透明ガラス化し、フッ素を添加する工程を有する光ファイバ用ガラス母材の製造方法において、
    前記多孔質体を1400℃以下の透明ガラス化温度で透明ガラス化し、次いで、フッ素化合物ガスを含まない雰囲気で、少なくとも前記透明ガラス化温度を超えてからは10℃/分以下の速度にて1500℃以上の所定の温度まで昇温し、前記所定の温度にて2時間以上保持することを特徴とする光ファイバ用ガラス母材の製造方法。
  2. 前記多孔質体は、密度が0.4g/cm3 以下であり、1100℃以下の塩素を含む雰囲気で予め熱処理されていることを特徴とする請求項1記載の光ファイバ用ガラス母材の製造方法。
  3. 前記フッ素化合物はSiF4 であることを特徴とする請求項1または2記載の光ファイバ用ガラス母材の製造方法。
  4. 前記フッ素化合物ガスを含まない雰囲気は、Arガスからなることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1に記載の光ファイバ用ガラス母材の製造方法。
  5. 前記フッ素化合物ガスを含まない雰囲気の気圧は、大気圧に対して10kPa以上減圧されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1に記載の光ファイバ用ガラス母材の製造方法。
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