JP2000198920A - 水に分散が容易な新規なポリイソシアネ―ト組成物 - Google Patents

水に分散が容易な新規なポリイソシアネ―ト組成物

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JP2000198920A
JP2000198920A JP11000985A JP98599A JP2000198920A JP 2000198920 A JP2000198920 A JP 2000198920A JP 11000985 A JP11000985 A JP 11000985A JP 98599 A JP98599 A JP 98599A JP 2000198920 A JP2000198920 A JP 2000198920A
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adhesive
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polyisocyanate
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JP11000985A
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Takahiro Sakurai
敬博 櫻井
Seiji Asaoka
聖二 浅岡
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Nippon NSC Ltd
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Nippon NSC Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ハンドリング性を向上し、水への分散を容易
にした新規なポリイソシアネート組成物を提供する。 【解決手段】 水に分散可能なポリイソシアネート
(A)と活性水素を有する官能基を含有しないシランカ
ップリング剤(B)を含んで成り、(A)と(B)の重
量比((A)/(B))が100/5〜100/150
である、ポリイソシアネート組成物(C)である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規な水に分散が
容易なポリイソシアネート組成物を提供し、種々の基材
に対する、接着剤、塗料等の硬化剤、架橋剤等として使
用することができ、特に、金属、プラスチック等の基材
の接着に好適な新規な水に分散が容易なポリイソシアネ
ート組成物を提供する。
【0002】
【従来の技術】有機溶剤を使用する接着剤、塗料は様々
な分野において広く用いられている。しかし、近年の地
球環境問題の深刻化及び有機溶剤の規制強化の観点等か
ら、有機溶剤を用いない接着剤、塗料等が求められ、接
着剤、塗料等の水性化が、有機溶剤を用いない接着剤、
塗料等を得る1つの方法として注目され、その結果、有
機溶剤に溶解する樹脂に代わって、水溶性の樹脂、水に
分散可能な樹脂、及び水性の樹脂エマルション等が注目
され、その重要性が高まっている。
【0003】ところで、しばしば、接着剤、塗料等に
は、硬化剤、架橋剤等が併用され、形成される皮膜の耐
侯性、耐水性、耐湿性、耐熱性、力学物性等の特性向上
が図られている。形成された皮膜が厳しい環境に置かれ
る場合には、特に、硬化剤、架橋剤等の役割は重要であ
る。従来から有機溶剤を用いる接着剤、塗料等に用いら
れてきた硬化剤、架橋剤等は、通常、有機溶剤には溶解
性が有るが、水には溶解性が低いから、水溶性の樹脂、
水に分散可能な樹脂、水性の樹脂エマルション等を用い
る接着剤、塗料等について硬化剤、架橋剤等として用い
ることは困難である。従って、硬化剤、架橋剤等につい
ても水溶性又は水に分散可能な、硬化剤、架橋剤等が求
められている。
【0004】このような水に分散可能な硬化剤、架橋剤
等として特開平5−222150号公報及び特開平10
−60073号公報は、共に、ポリエチレンオキシド鎖
を組み込むことによって親水性を付与した水に分散可能
なポリイソシアネートの混合物及びその製造方法を開示
している。これらのポリイソシアネートの混合物は、水
溶性又は水に分散可能な樹脂、水性の樹脂エマルション
等に用いることができる硬化剤、架橋剤等として使用で
きる。なお、本引用によりこれらの公報の内容は、本明
細書の内容をなす。
【0005】しかし、これらの水に分散可能なポリイソ
シアネートの混合物(以下「ポリイソシアネート」とい
う。)は、1分子当たりの平均イソシアネート基数が2
より大きく、分枝状のオリゴマーの混合物であって、粘
度が非常に高い流体である。従って、ポリイソシアネー
トには、ハンドリング性が十分でなく、また、水に分散
可能であるが水に分散が容易ではないという問題があ
る。ハンドリング性、水への分散性を向上するために、
ポリイソシアネートに有機溶剤を加えて希釈する方法が
考えられるが、この方法は、近年の地球環境保護及び有
機溶剤の規制強化の観点に沿わない方法であるから好ま
しくない。
【0006】ポリイソシアネートは、本質的に粘度が非
常に高く水に分散が容易でない。これは上述したよう
に、通常、1分子当たりの平均イソシアネート基数が2
より大きく、分枝状のオリゴマーの混合物であるからと
考えられる。従って、本質的に低粘度で、水に分散が容
易であると考えられる1分子当たりの平均イソシアネー
ト基数が2以下で、直鎖状のオリゴマーの混合物を、ポ
リイソシアネートに配合する方法が考えられる。この方
法では、確かに、ポリイソシアネートは低粘度化し、水
に分散が容易になる。しかし、1分子当たりの平均イソ
シアネート基数が2以下の直鎖状のオリゴマーの混合物
は、接着剤、塗料等の硬化剤、架橋剤等としての性能が
不十分なので、これを配合して得られるイソシアネート
組成物の接着剤、塗料等の硬化剤、架橋剤等としての性
能も不十分なものとなり得る。
【0007】さらに、ポリイソシアネートを、接着剤、
塗料等の硬化剤、架橋剤等として使用すると、ポリイソ
シアネートが、基材との界面にブリードアウト(界面に
局在化)し易いという問題がある。これは、接着剤、塗
料等の主剤は高分子であるのに対し、ポリイソシアネー
トはオリゴマーの混合物であるためであると考えられ
る。特に、界面が金属等である基材に対する接着に関し
ては、基材表面、即ち、金属表面とポリイソシアネート
との相互作用が十分でないために、ブリードアウトした
場合、接着剤の接着性、塗料の密着性等について悪影響
を及ぼし得る。
【0008】このように、ポリイソシアネートは、非常
に粘稠な流体であるからハンドリング性及び水への分散
性が十分ではなかった。さらに、水性の接着剤、塗料等
の硬化剤、架橋剤等として使用した場合に、種々の基
材、特に金属に対する接着剤の接着性、塗料の密着性等
が十分ではなかった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる課題
を解決するためになされたもので、その課題は、「水に
分散が容易な新規なポリイソシアネート組成物」を提供
することである。さらに、これらを接着剤又は塗料等の
硬化剤又は架橋剤等として使用した場合に、種々の基
材、特に、金属に対する接着剤又は塗料等の接着性又は
密着性等を向上し得る「水に分散が容易な新規なポリイ
ソシアネート組成物」を提供することである。また、本
発明の別の課題としては、上述の水に分散が容易な新規
なポリイソシアネート組成物を組み合わせた接着剤又は
塗料等を提供することである。さらにまた、本発明の別
の1つの課題としては、水に分散可能なポリイソシアネ
ートのハンドリング性及び水への分散性を向上させる混
合方法を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の1つの要旨によ
れば、水に分散可能なポリイソシアネート(A)と活性
水素を有する官能基を含有しないシランカップリング剤
(B)を含んで成り、(A)と(B)の重量比((A)
/(B))が100/5〜100/150である、ポリ
イソシアネート組成物(C)を提供する。
【0011】本発明において、「水に分散可能なポリイ
ソシアネート(A)」とは、本質的に水に分散可能であ
るが、既知の方法では容易に分散させることができない
一般的に市販されているポリイソシアネート(通常は種
々のイソシアネートの混合物)であって、通常、1分子
当たりの平均イソシアネート基数が2より大きく、分枝
状のオリゴマーであるために、一般に粘稠な流体であっ
て、ハンドリング性及び水への分散性が十分ではないポ
リイソシアネートをいう。
【0012】さらに、本発明において、「水」とは、主
に工業用水、水道水、又は蒸留水等の一般的な水をいう
が、これらの水は、水溶性又は水に分散可能な有機溶
剤、例えば、アセトン、低級アルコール、単量体、オリ
ゴマー、プレポリマー、及び樹脂等、水性樹脂エマルシ
ョン、樹脂を合成する際に通常使用される、乳化剤、重
合性乳化剤、重合反応開始剤、鎖延長剤、各種添加剤等
を含んでいてもよく、水溶性又は水に分散できる樹脂、
水性樹脂エマルション等を含んでなる接着剤又は塗料の
主剤を含むものが特に好ましい。また、本発明におい
て、(A)のイソシアネート基の含有率は、5〜25重
量%が好ましく、10〜22重量%がより好ましい。
【0013】「水に分散可能なポリイソシアネート
(A)」として、例えば、特開平5−222150号公
報及び特開平10−60073号公報に開示されている
ポリエチレンオキシド鎖によって水溶性を付与された水
に分散可能なポリイソシアネートを例示することがで
き、具体的には、日本ポリウレタン工業(株)製アクア
ネート100(商品名)、アクアネート110(商品
名)、アクアネート200(商品名)及びアクアネート
210(商品名)、住友バイエルウレタン(株)製バイ
ビジュールTPLS−2032(商品名)、住友バイエ
ルウレタン(株)製SBU−イソシアネート−L801
(商品名)、武田薬品工業(株)製タケネートWD−7
20(商品名)及びタケネートWD−725(商品
名)、武田薬品工業(株)製スタフィロイドWD−22
0(商品名)、ならびに大日精化工業(株)製レザミン
D−56(商品名)等を例示することができる。これら
は、単独又は組み合わせて使用することができる。
【0014】本発明において、「活性水素を有する官能
基を含有しないシランカップリング剤(B)」とは、通
常、高分子及び無機材料の分野において使用されている
シランカップリング剤であって、活性水素を含有する官
能基を含まず、好ましくは塩素等の金属又は樹脂等を腐
食又は劣化し得る官能基を含有しないシランカップリン
グ剤をいう。さらに、本発明において、「活性水素を有
する官能基」とは、イソシアネート基と反応する水素を
含有する官能基、例えば、水酸基(−OH)、アミノ基
(−NH2、−NH−)、メルカプト基(−SH)、カ
ルボキシル基(−COOH)、アミド基(−NHCO
−)、ウレア基(−NHCONH−)、及びウレタン基
(−NHCOO−)等をいい、特に水酸基が好ましい。
【0015】(B)としては、好ましくは、式(I):
【化2】 (Rは、エテニル基、1−メチルエテニル基、2,3−
エポキシプロポキシ基又は3,4−エポキシシクロヘキ
シル基、Xは、−(CH2n−又は−COO−(C
2n−、ただし、nは、0から3の整数、Yは、−O
CH3もしくは−OC25又は−O(CH2m−O(C
2p−H、ただし、m、pは、1から3の整数、Z
は、−(CH2q−H、ただしqは、0から3の整数、
aは、0から2の整数である。)で示されるシランカッ
プリング剤であって、例えば、 (S1)3−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキ
シシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリエト
キシシラン、4−(メタ)アクリロキシエチルトリメト
キシシラン等のω−(メタ)アクリロキシアルキルトリ
アルコキシシラン類: (S2)3−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメ
トキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルメチ
ルジエトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピ
ルエチルジエトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシ
エチルメチルジメトキシシラン等のω−(メタ)アクリ
ロキシアルキルアルキルアルコキシシラン類: (S3)エテニルトリメトキシシラン、エテニルトリエ
トキシシラン、エテニルジメトキシエトキシシラン、エ
テニルトリ(メトキシエトキシ)シラン、エテニルトリ
(エトキシメトキシ)シラン等のエテニルトリアルコキ
シシラン類: (S4)エテニルメチルジメトキシシラン、エテニルエ
チルジ(メトキシエトキシ)シラン、エテニルジメチル
メトキシシラン、エテニルジエチル(メトキシエトキ
シ)シラン等のエテニルアルキルアルコキシシラン類: (S5)3−(2,3−エポキシプロポキシ)プロピル
トリメトキシシラン、2−(2,3−エポキシプロポキ
シ)エチルトリメトキシシラン、3−(2,3−エポキ
シプロポキシ)プロピルトリエトキシシラン、3−
(2,3−エポキシプロポキシ)プロピルトリ(メトキ
シエトキシ)シラン等のω−(2,3−エポキシプロポ
キシ)アルキルトリアルコキシシラン類: (S6)2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチ
ルトリメトキシシラン、3−(3,4−エポキシシクロ
ヘキシル)プロピルトリメトキシシラン、3−(3,4
−エポキシシクロヘキシル)プロピルトリエトキシシラ
ン、4−(3,4−エポキシシクロヘキシル)ブチルト
リ(メトキシエトキシ)シラン等のω−(3,4−エポ
キシシクロヘキシル)アルキルトリアルコキシシラン類
等を例示することができ、特に、3−(メタ)アクリロ
キシプロピルトリメトキシシラン、エテニルトリ(メト
キシエトキシ)シラン、エテニルトリメトキシシラン、
エテニルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシ
シクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン3−(2,
3−エポキシプロポキシ)プロピルトリメトキシシラン
が好ましい。これらは、所望の性能に応じて適宜選択す
ることができ、単独又は組み合わせて使用することがで
きる。
【0016】本発明においては、水に分散可能なポリイ
ソシアネート(A)に、活性水素を有する官能基を含有
しないシランカップリング剤(B)を配合することによ
って、(A)の粘度を低下させ、(A)中に(B)が共
存しない場合と比較して、ハンドリング性及び水への分
散性が著しく向上した新規なポリイソシアネート組成物
(C)を提供する。また、本発明において、水に分散可
能なイソシアネート(A)と活性水素を有する官能基を
含有しないシランカップリング剤(B)の重量比
((A)/(B))は、100/5〜100/150が
好ましく、100/10〜100/120がより好まし
く、100/20〜100/70が特に好ましい。
【0017】さらに、本発明の別の要旨においては、活
性水素を有する官能基を含有する接着剤又は塗料の主剤
(D)としての第1液体成分と組み合わせる、第1液体
成分を硬化させる第2液体成分である上述のポリイソシ
アネート組成物を提供する。ここで、本発明において
「接着剤又は塗料の主剤(D)」とは、活性水素を有す
る官能基を含有するモノマー、オリゴマー、プレポリマ
ー、樹脂等を含んで成るものであって、通常のポリイソ
シアネートを硬化剤として用いる二液型の接着剤又は塗
料の主剤をいう。特に、水溶性の樹脂又は水性樹脂エマ
ルションを用いる接着剤又は塗料の主剤において本発明
のポリイソシアネート組成物(C)を硬化剤として好ま
しく使用することができる。即ち、主剤と本発明のポリ
イソシアネート組成物(C)は、混合して硬化すること
により二液型の接着剤組成物又は塗料組成物を構成す
る。
【0018】このような接着剤又は塗料の主剤は、例え
ば、酢酸ビニル樹脂エマルション、エチレン−酢酸ビニ
ル共重合樹脂エマルション、アクリル樹脂エマルショ
ン、スチレンアクリル樹脂エマルション、ウレタン樹脂
エマルション及びこれらの混合物等を例示することがで
き、特に、活性水素を有する官能基を含有するウレタン
樹脂エマルション、活性水素を有する官能基を含有する
アクリル樹脂エマルション及びこれらの混合物が好まし
い。接着剤又は塗料の主剤(D)100重量部に対し
て、本発明のポリイソシアネート組成物(C)が1〜3
0重量部であるのが好ましく、2〜20重量部であるの
がより好ましい。
【0019】なお、本発明に関する二液型の樹脂組成物
は、通常、接着剤、塗料等に配合される成分、例えば、
防腐剤、安定剤、消泡剤、湿潤剤、及び粘性調整剤等の
適量を適宜含有してもよく、これらを単独、又は組み合
わされて含有してもよい。
【0020】さらにまた、本発明においては、水に分散
可能なポリイソシアネート(A)を水に分散させる方法
であって、活性水素を有する官能基を含有しないシラン
カップリング剤(B)を(A)100重量部に対して、
5〜150重量部用いて、これらを水と混合することに
よって、(A)を水に分散する方法を提供する。
【0021】さらに、(A)を水に分散させる際に使用
する混合手段として、通常使用される攪拌手段、振盪手
段等を用いることができ、均一に分散することができる
混合手段であれば特に限定されない。例えば、攪拌棒を
用いて機械的に攪拌する攪拌手段、インペラーを備えた
攪拌機を用いる攪拌手段、マグネチックスターラーを用
いる攪拌手段、機械的振盪機を用いる振盪手段等を用い
ることができる。本発明のこの混合方法において、
(A)のイソシアネート基含有率が5〜25重量%であ
るのが好ましい。
【0022】さらに、本発明の混合方法において、
(B)が、式(I):
【化3】 (Rは、エテニル基、1−メチルエテニル基、2,3−
エポキシプロポキシ基又は3,4−エポキシシクロヘキ
シル基、Xは、−(CH2n−又は−COO−(C
2n−、ただし、nは、0から3の整数、Yは、−O
CH3もしくは−OC25又は−O(CH2m−O(C
2p−H、ただし、m、pは、1から3の整数、Z
は、−(CH2q−H、ただし、qは、0から3の整
数、aは0から2の整数である。)であるのが好まし
い。
【0023】さらにまた、本発明の混合方法において、
(B)が、3−(2,3−エポキシプロポキシ)プロピ
ルトリメトキシシランであるのが好ましい。
【0024】
【実施例】以下、本発明を実施例及び比較例により具体
的かつ詳細に説明するが、これらの実施例及び比較例は
本発明の一態様にすぎず、本発明はこれらの例によって
何ら限定されるものではない。
【0025】実施例1 (1)水に分散が容易なポリイソシアネート組成物
(C)の調整 水に分散可能なポリイソシアネート(A)として、日本
ポリウレタン工業(株)製のアクアネート100(商品
名)を用いた。(A)のイソシアネート基含有率は1
6.5重量%である。活性水素を有する官能基を含有し
ないシランカップリング剤(B)として、3−(2,3
−エポキシプロポキシ)プロピルトリメトキシシラン
(日本ユニカー(株)製A−187(商品名))を用い
た。(A)と(B)を5/1の重量比((A)/
(B))で混合して本発明のポリイソシアネート組成物
(C)を得た。
【0026】(2)水性ウレタン樹脂エマルション(接
着剤の主剤)(D)の合成 攪拌機、還流冷却器、窒素導入管を備えた反応容器の系
内を窒素ガスで置換した後、 トルエンジイソシアネート 240g ジエチレングリコールアジペート 620.7g(分子
量1000) ジメチロールプロピオン酸 41.6g 酢酸エチル 100g ジブチルチンジラウレート 0.05g を仕込み、窒素雰囲気下で80℃において2時間反応
後、N−メチルジエタノールアミン24.6g及び酢酸
エチル100gを加え、さらに80℃において2時間反
応させて末端イソシアネート基を有するプレポリマーを
得た。このプレポリマーに酢酸エチル170gを加えた
後、45℃に冷却し、トリエチルアミン31.3gを加
えて均一になるまで攪拌した。その後、ジエタノールア
ミン14.5gを蒸留水1700gに溶解した水溶液を
高速攪拌下にて加え、乳化を行った。乳化を確認後、蒸
留水1100gを加えて30℃において3時間攪拌し
て、鎖長延長反応を行った。その後、減圧しつつ40℃
において酢酸エチルを回収し、目的とする水性ウレタン
樹脂エマルション(接着剤の主剤)(D)を得た。
【0027】(3)水に分散が容易なポリイソシアネー
ト組成物(C)の評価 (イ)粘度 本発明のポリイソシアネート組成物(C)の粘度を、B
型粘度計(25℃)を用いて測定した。結果を表1に示
した。水に分散可能なポリイソシアネート(A)の粘度
は、2720mPa・sであったが、(A)に(B)を
配合した組成物(C)の粘度は、180mPa・sとな
り、(A)より低下した。従って、(A)に(B)を配
合することによって、粘度が低下し、ハンドリング性が
向上したポリイソシアネート組成物(C)を得ることが
できた。
【0028】(ロ)水への分散性 5gの本発明のポリイソシアネート組成物(C)を、上
述の100gの水性ウレタン樹脂エマルション(接着剤
の主剤)(D)に攪拌しつつ加えて、接着剤(E)を作
成した。水への分散性の評価は、上述の接着剤(E)を
作成する際に、ポリイソシアネート組成物(C)を接着
剤の主剤(D)に添加した直後の分散状態を目視で観察
することによって行った。乳化、懸濁状態で均一に分散
しているものを○、塊や分散していないものが有るもの
を×とした。結果を表1に示した。
【0029】(ハ)接着剤の硬化剤として使用した場合
の接着剤の接着力 接着剤の接着力は、次のように評価した。まず、アルミ
箔製の塗布基材と未延伸ポリプロピレン製フィルムの貼
り合わせ基材の両者に(ロ)で作成した接着剤(E)を
#6のバーコーターを用いて塗工し、70℃において3
0秒間プレ乾燥した。この両基材を80℃においてロー
ルプレスを用いて貼り合わせた後、50℃において24
時間保持して接着剤を硬化せしめ、評価用のラミネート
フィルムを得た。15mm幅の上述のラミネートフィル
ムについて、20℃において、300mm/minのク
ロスヘッド速度でT型剥離を行って、その時の力を測定
し、接着剤の接着力とした。結果は、表1に示した。
【0030】実施例2〜5 実施例1において、(A)と(B)の重量比((A)/
(B))を、表1に記載した重量比に変更した以外は、
実施例1と同様にしてポリイソシアネート組成物(C)
を得た。実施例1に記載した方法と同様にして、(C)
を評価した。結果は、表1に示した。
【0031】比較例1 実施例1において、(A)と(B)の重量比((A)/
(B))を10/0とした以外は、実施例1と同様にし
てポリイソシアネート組成物(C)を得た。実施例1に
記載した方法と同様にして、(C)を評価した。結果
は、表1に示した。
【0032】
【表1】
【0033】
【発明の効果】水に分散可能なポリイソシアネート
(A)に活性水素を有する官能基を含有しないシランカ
ップリング剤(B)を配合することによって、ハンドリ
ング性が良好で、水に分散が容易なポリイソシアネート
組成物(C)を提供することができる。さらに、本発明
のポリイソシアネート組成物(C)を、活性水素を有す
る官能基を含有する二液型の接着剤又は塗料の主剤と組
み合わせる硬化剤として使用した場合に、二液型の接着
剤又は塗料の基材、特に金属に対する接着性又は密着性
等を向上し得る水に分散が容易なポリイソシアネート組
成物(C)を提供することができる。また、本発明にお
いては、水に分散可能なポリイソシアネート(A)の、
水への分散を容易にする方法であって、(A)に活性水
素を有する官能基を含有しないシランカップリング剤
(B)を混合して、これらを水と混合する方法を提供す
ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09J 175/04 C09J 175/04 Fターム(参考) 4J002 CK021 CK031 CK041 CK042 EX016 EX036 EX066 GH01 GJ01 HA07 4J034 BA03 DP02 DP03 DP11 DP12 DP17 DP18 GA02 GA03 HA06 JA13 QB13 RA07 RA08 4J038 CB051 CC061 CF021 CF031 CG141 CJ021 DG001 DG262 GA11 GA15 JC32 MA08 PC02 PC08 4J040 EF081 EF091 EF111 EF281 EF321 HD32 HD36 JA03 JA13 KA16 LA11

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水に分散可能なポリイソシアネート
    (A)と活性水素を有する官能基を含有しないシランカ
    ップリング剤(B)を含んで成り、(A)と(B)の重
    量比((A)/(B))が100/5〜100/150
    である、水に分散が容易なポリイソシアネート組成物。
  2. 【請求項2】 (A)のイソシアネート基含有率が5〜
    25重量%である請求項1に記載の組成物。
  3. 【請求項3】 (B)が、式(I): 【化1】 (Rは、エテニル基、1−メチルエテニル基、2,3−
    エポキシプロポキシ基又は3,4−エポキシシクロヘキ
    シル基、 Xは、−(CH2n−又は−COO−(CH2n−、 ただし、nは、0から3の整数、 Yは、−OCH3もしくは−OC25又は−O(CH2
    m−O(CH2p−H、 ただし、m、pは、1から3の整数、 Zは、−(CH2q−H、 ただしqは、0から3の整数、 aは、0から2の整数である。)である請求項1又は2
    に記載の組成物。
  4. 【請求項4】 活性水素を有する官能基を含有する接着
    剤又は塗料の主剤(D)としての第1液体成分と組み合
    わせる、第1液体成分を硬化させる第2液体成分である
    組成物であって、接着剤又は塗料の主剤(D)100重
    量部に対して1〜30重量部である請求項1〜3のいず
    れかに記載の組成物。
  5. 【請求項5】 接着剤又は塗料の主剤(D)が、活性水
    素を有する官能基を含有するウレタン樹脂水性エマルシ
    ョンである請求項4に記載の組成物。
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