JP3068081B1 - 水性樹脂組成物 - Google Patents

水性樹脂組成物

Info

Publication number
JP3068081B1
JP3068081B1 JP11073670A JP7367099A JP3068081B1 JP 3068081 B1 JP3068081 B1 JP 3068081B1 JP 11073670 A JP11073670 A JP 11073670A JP 7367099 A JP7367099 A JP 7367099A JP 3068081 B1 JP3068081 B1 JP 3068081B1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
aqueous
weight
resin
resin composition
hydroxyl group
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP11073670A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2000265053A (ja
Inventor
聖二 浅岡
敬博 櫻井
Original Assignee
日本エヌエスシー株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 日本エヌエスシー株式会社 filed Critical 日本エヌエスシー株式会社
Priority to JP11073670A priority Critical patent/JP3068081B1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3068081B1 publication Critical patent/JP3068081B1/ja
Publication of JP2000265053A publication Critical patent/JP2000265053A/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Paints Or Removers (AREA)
  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Polyurethanes Or Polyureas (AREA)

Abstract

【要約】 【課題】 耐侯性、耐汚染性及び光沢等の特性ならびに
造膜性及び柔軟性等の特性が適度にバランスよく優れ、
得られる皮膜の基材への密着性、耐水性及び耐水密着性
も十分に高い総合的特性の優れた水性樹脂組成物を提供
する。 【解決手段】 (A)架橋構造を有する水酸基含有水性
アクリル樹脂、(B)架橋構造を有する水酸基含有水性
ウレタン樹脂、及び(C)水に分散可能なポリイソシア
ネート組成物の3種の組み合わせから成る水性樹脂組成
物である。この水性樹脂組成物は、二液型又は三液型水
性塗料組成物、水性接着剤組成物として好適である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水性塗料や水性接
着剤等として用いることができ、特に、外装用、床用に
用いられる二液又は三液型の水性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】アクリルポリオールとポリイソシアネー
トの組み合わせから成り、有機溶剤を用いる塗料が、様
々な分野に広く用いられているが、近年の地球環境保護
及び有機溶剤の規制強化等の観点から、有機溶剤を使用
しない塗料が求められている。
【0003】水性塗料は、有機溶剤を使用しない塗料の
一つとして期待され、例えば、水酸基を含有するアクリ
ル樹脂水性エマルションと水に分散可能なポリイソシア
ネート組成物の組み合わせから成る水性塗料組成物が、
開示されている(特開平5−222150号公報、特開
平8−3437号公報及び特開平9−316392号公
報参照)。この組み合わせにおいては、水酸基を含有す
るアクリル樹脂水性エマルションが塗料の主剤として機
能し、得られる塗膜の特性、例えば、耐侯性、耐汚染性
及び光沢等について一般に大きな影響を与える。また、
水に分散可能なポリイソシアネート組成物は、塗料の架
橋剤として機能し、通常、基材に対する塗膜の密着性を
付与し、また、塗膜の耐水性、耐水密着性等を向上す
る。
【0004】ここで、塗膜の「耐侯性」とは、耐候性促
進試験機や屋外暴露にて塗膜を処理した後の塗膜の特
性、例えば、光沢保持率、下地密着性、耐磨耗性等の低
下のしにくさをいう。塗膜の「耐汚染性」とは、塗膜表
面への汚染物の付着しにくさ及びその汚染物の除去のし
やすさをいう。塗膜の「光沢」とは、塗膜の形成直後の
塗膜の光沢をいう。塗膜の「密着性」とは、塗膜と下地
との間の密着力をいう。塗膜の「耐水性」とは、塗膜を
水に浸漬した際の塗膜の膨れ及び/又は白化のしにくさ
をいう。塗膜の「耐水密着性」とは、塗膜を水に浸漬し
た後の塗膜と下地との間の密着力の低下のしにくさをい
う。これらの水性塗料組成物には、更に、塗膜の耐侯
性、耐汚染性及び光沢等の各特性を向上することが求め
られているが、これらの特性の向上については以下のよ
うな問題がある。
【0005】上述の水性塗料組成物において、塗膜の主
剤であるアクリル樹脂水性エマルションが大きな影響を
与える塗膜の特性、例えば、耐侯性、耐汚染性及び光沢
等を向上するために、通常、アクリル樹脂のガラス転移
温度を上昇することが行われる。しかし、アクリル樹脂
のガラス転移温度の上昇に伴い、一般に塗膜が硬く、脆
くなるという問題が知られている。しかも、アクリル樹
脂の造膜温度も上昇し、塗膜の造膜性が低下するという
問題を生ずる。さらに、塗膜の柔軟性も低下するので屈
曲性基材の折れ曲がりに対する追従性も低下するという
問題も生ずる。従って、塗膜の耐侯性、耐汚染性及び光
沢等を向上するためのアクリル樹脂のガラス転移温度の
上昇は、通常、塗膜に割れを生じ易くし、塗膜の造膜性
及び柔軟性等の特性が低下するという問題を生ずる。
【0006】アクリル樹脂のガラス転移温度の上昇に伴
う弊害を是正するために、一般に、アクリル樹脂のガラ
ス転移温度を低下する可塑剤の配合等の手段が用いられ
る。しかし、可塑剤の配合によるアクリル樹脂のガラス
転移温度の低下は、目的とする塗膜の特性、例えば、耐
侯性、耐汚染性、耐水性及び耐水密着性等を低下する。
さらに、可塑剤のアクリル樹脂への配合は、地球環境保
護及び有機溶剤規制等の観点から、好ましくない。さら
に、アクリル樹脂は、下地に含まれる可塑剤を吸収しや
すいので、塗膜の耐汚染性や密着性が損なわれる、即
ち、可塑剤移行性を有するという問題も有る。
【0007】一方、米国特許第5,331,039号
は、2種類の異なる水分散性ポリオールポリマーを含む
水分散性バインダー組成物及びその中に分散されたポリ
イソシアネート成分から成る塗料組成物が開示されてい
る。水分散性ポリオールの一つは、ウレタン結合、カル
ボキシル基及び/又は水酸基を含むエステル樹脂であ
り、他方は、水中に乳化された親水性を有するポリイソ
シアネートによって架橋できる水酸基を有するポリアク
リレート又はヒドロキシアクリレートグラフト化ポリエ
ステルである。また、特開平9−3400号公報は、架
橋可能なヒドロキシ含有ポリマー及びポリイソシアネー
ト架橋剤をベースとする二成分塗料系において、水に坦
持されたポリウレタンプレポリマー/重合されたアクリ
レート単位を含む混合物を、ポリイソシアネート架橋剤
として水分散性ポリイソシアネートと組み合わせて使用
することを改良点とする、二成分塗料系を開示する。共
に、ポリウレタン成分とポリアクリル成分の間をポリイ
ソシアネート組成物架橋剤を用いて架橋することによっ
て上述の問題点の解決を図るものと考えられる。
【0008】しかし、これらの発明では、ポリイソシア
ネート組成物架橋剤が、主剤であるウレタン及び/又は
アクリル成分から成る樹脂の内部にまでは拡散しにく
く、従って、主剤であるウレタン及び/又はアクリル成
分から成る樹脂同士全体の間に均一な架橋を形成し得な
いから、樹脂間に架橋されていない低分子のウレタン及
び/又はアクリル成分が残存し、塗膜の耐水性、耐汚染
性等を低下せしめる等の問題を生ずる。さらに、塗料の
主剤であるウレタン及び/又はアクリル成分の分子量が
数千〜数万であって、必ずしも高くないので上記の問題
がさらに助長されるという問題を生ずる。さらに、後者
においては、製造工程も複雑であるという問題が有る。
さらに、その製造工程において元来ウレタン樹脂とアク
リル樹脂の相溶性が良くないためにアクリル樹脂及びウ
レタン樹脂の組成が限定され、目的とする性能に合った
樹脂の設計をしにくいという問題がある。さらにアクリ
ル樹脂とウレタン樹脂の重量比(即ち、アクリル樹脂/
ウレタン樹脂)も限定されるので、アクリル樹脂とウレ
タン樹脂の両方の特徴をあわせて持つ幅広い樹脂の分子
構造及び/又は樹脂の特性の設計が困難であるという問
題等も生ずる。
【0009】従って、従来の水性塗料組成物では、耐候
性、耐汚染性及び光沢等の特性ならびに柔軟性及び造膜
性等の特性について適度にバランスよく優れる塗膜を形
成することが極めて困難であった。さらに、得られた塗
膜の基材への密着性、耐水性及び耐水密着性も十分では
なかった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる課題
を解決するためになされたもので、その課題は、耐侯
性、耐汚染性及び光沢等の特性ならびに造膜性及び柔軟
性等の特性が適度にバランスよく優れ、得られる塗膜の
基材への密着性、耐水性及び耐水密着性も十分に高い総
合的特性の優れた水性樹脂組成物を提供することであ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の1つの要旨によ
れば、(A)架橋構造を有する水酸基含有水性アクリル
樹脂、(B)架橋構造を有する水酸基含有水性ウレタン
樹脂、及び(C)水に分散可能なポリイソシアネート組
成物の三種の組み合わせから成る水性樹脂組成物を提供
し、特に、この水性樹脂組成物は、二液型、又は三液型
の水性塗料組成物又は水性接着剤組成物として好適であ
る。
【0012】本発明の水性樹脂組成物においては、
(A)樹脂の内部に架橋構造を有する水酸基含有水性ア
クリル樹脂と(B)樹脂の内部に架橋構造を有する水酸
基含有水性ウレタン樹脂の間に、架橋剤である(C)水
に分散可能なポリイソシアネート組成物を用いてウレタ
ン結合を有する架橋を形成し上述の両樹脂の間を結合す
ることによって、皮膜(例えば、塗膜)を形成する。従
って、本発明においては、アクリル樹脂及びウレタン樹
脂の両者が共に「樹脂の内部に架橋構造を有すること」
及び「アクリル樹脂とウレタン樹脂の間をポリイソシア
ネート組成物によりウレタン結合を介して結合するこ
と」を一つの特徴としている。
【0013】一般に、アクリル樹脂、特に、高いガラス
転移温度を有するアクリル樹脂は、耐侯性、耐汚染性、
光沢等に優れる皮膜を形成し得る。これに対して、ウレ
タン樹脂は、通常造膜性及び下地への密着性が良好であ
って、柔軟性に富んだ皮膜を形成し得る。本発明者ら
は、アクリル樹脂及びウレタン樹脂の両樹脂の特性をさ
らに向上するために各々の樹脂の内部に架橋構造を付与
した。これによって、アクリル樹脂は、光沢に優れると
いう長所を維持したまま、耐水性、耐水密着性、耐可塑
剤移行性を向上することができるのみならず、元来良好
である耐候性、耐汚染性についてもさらに性能を向上す
ることができる。また、ウレタン樹脂は、樹脂の内部に
架橋構造を有することで造膜性が良好で、下地密着性に
優れ、かつ柔軟であるという長所を維持したまま、耐水
性、耐候性、耐汚染性等の特性をさらに向上することが
できる。さらに、本発明者は、内部に架橋構造を有する
アクリル樹脂とウレタン樹脂の両樹脂の間でポリイソシ
アネート組成物を用いてウレタン結合による架橋を形成
して両樹脂の間を結合することによって、架橋構造を有
するアクリル樹脂と架橋構造を有するウレタン樹脂の特
徴を損なうことなく両樹脂の向上した特性を兼ね備える
皮膜を得ることができることを見出し、本発明を完成す
るに至ったものである。
【0014】本発明においては、(A)架橋構造を有す
る水酸基含有水性アクリル樹脂と(B)架橋構造を有す
る水酸基含有水性ウレタン樹脂の間を結合する架橋とし
て、具体的にはウレタン結合を用いる。皮膜が形成され
る際に、上述のアクリル樹脂が含有する水酸基及び上述
のウレタン樹脂が含有する水酸基と(C)水に分散可能
なポリイソシアネート組成物のイソシアネート基がウレ
タン結合を形成することによって両樹脂の間がポリイソ
シアネート組成物を介して架橋され、結合される。本発
明の樹脂組成物によって形成される皮膜は、様々な基材
に対する良好な密着性を有するが、これは、高い極性を
有するウレタン結合が存在することによって付与され得
る。このウレタン結合は、(B)自身の内部に存在して
いるものに加え、上述の両樹脂の間の架橋によっても得
られる。
【0015】本発明においては、(A)、(B)及び
(C)の三種を必須成分として組み合わせて水性樹脂組
成物を得る。(A)及び(C)の組み合わせから成る水
性樹脂組成物から得られる皮膜は、耐水性、耐水密着
性、耐可塑剤移行性、密着性及び屈曲性等が十分ではな
い。また、(B)及び(C)の組み合わせから成る水性
樹脂組成物から得られる皮膜は、耐水性、耐水密着性、
耐侯性及び耐汚染性等が十分ではない。さらに、(A)
及び(B)の組み合わせから成る水性樹脂組成物から得
られる皮膜は、耐水性、耐水密着性、耐汚染性及び耐候
性等が十分ではない。
【0016】さらに、本発明においては、水酸基含有水
性アクリル樹脂及び水酸基含有水性ウレタン樹脂の両者
が樹脂の内部に架橋構造を有することが必須であり、両
者が樹脂の内部に架橋構造を有することによって、
(C)水に分散可能なポリイソシアネート組成物と併用
した場合、皮膜全体に均一に架橋構造が形成され、耐水
性、耐水密着性、耐候性、耐汚染性が向上するという好
ましい特性を得ることができる。これに対し上述のアク
リル樹脂又はウレタン樹脂の内部のいずれか一方の架橋
構造が失われると、これらの特性が不十分と成り得る。
例えば、上述のアクリル樹脂の内部の架橋構造が失われ
ると、架橋構造を有さないアクリル樹脂が存在すること
から、耐可塑剤移行性等の特性が不十分となる。また、
上述のウレタン樹脂の内部の架橋構造が失われると、架
橋構造を有さないウレタン樹脂が存在することから、耐
候性、耐汚染性等の特性が不十分となる。
【0017】さらに、本発明において「水性」とは、樹
脂が水性媒体中に存在している状態を意味し、これは樹
脂が水性媒体に溶解している状態及び/又は溶解してい
ない状態である。さらにまた、本発明において「水性媒
体」とは、水道水、蒸留水又はイオン交換水等の一般的
な水をいうが、水溶性又は水に分散可能な有機溶剤であ
って、単量体等の本発明に関する樹脂の原料と反応性の
乏しい有機溶剤、例えば、アセトン、酢酸エチル等を含
んでもよく、さらに水溶性又は水に分散可能な単量体、
オリゴマー、プレポリマー及び/又は樹脂等を含んでも
よく、また後述するように水性の樹脂又は水溶性樹脂を
製造する際に通常使用される、乳化剤、重合性乳化剤、
重合反応開始剤、鎖延長剤及び/又は各種添加剤等を含
んでいてもよい。
【0018】本発明において、「(A)架橋構造を有す
る水酸基含有水性アクリル樹脂」とは、架橋構造を有
し、かつ水酸基を含有し、アクリル酸、メタクリル酸
(以下、アクリル酸とメタクリル酸を総称して「(メ
タ)アクリル酸」ともいう。)及びその誘導体(例え
ば、アルキルエステル、アクリルアミド、アクリロニト
リル等)の少なくとも1つを含んで成る単量体を重合し
て得られるアクリル樹脂であって、水性媒体中に存在し
ている状態の樹脂をいい、水性媒体に溶解している状態
の樹脂及び/又は溶解していない状態の樹脂である。
【0019】ここで、本発明において「架橋構造」と
は、樹脂の内部の主鎖と主鎖の間を化学結合によって結
合することで樹脂に網目状の構造を付与する化学構造の
ことをいい、化学的に安定であれば特に制限されるもの
ではない。樹脂の内部に架橋構造を付与する方法として
は、アクリル樹脂の場合、例えば、重合性不飽和結合を
有するシランカップリング剤、ジビニルモノマー、ジア
リルモノマー、ジメタクリルモノマー、及びジアクリル
モノマーを共重合する方法等を例示することができ、特
に、重合性不飽和結合を有するシランカップリング剤、
ジビニルモノマー、ジメタクリルモノマー、ジアクリル
モノマーを共重合する方法が好ましい。ウレタン樹脂の
場合、例えば、活性水素を含有する官能基を有するシラ
ンカップリング剤、3個以上の一級及び/又は二級アミ
ノ基を有する化合物、3個以上の水酸基を有する化合
物、並びに3個以上のイソシアネート基を有する化合物
の少なくとも1種をウレタン樹脂を製造する際に併用し
て反応する方法等を例示することができ、特に、活性水
素を含有する官能基を有するシランカップリング剤、3
個以上の一級及び/又は二級アミノ基を有する化合物を
併用して反応する方法が好ましい。
【0020】本発明の好ましい態様として、(A)は、
(a1)水酸基を含有する1個の重合性不飽和結合を有
する単量体、(a2)水酸基を含有しない(メタ)アク
リル酸エステル単量体、(a3)重合性不飽和結合を有
するシランカップリング剤及び/又は(a4)2個以上
の重合性不飽和結合を有する単量体、並びに(a5)そ
の他の1個の重合性不飽和結合を有する単量体を含んで
成る単量体混合物の共重合により得られる水性樹脂組成
物である。
【0021】ここで「(a1)水酸基を含有する1個の
重合性不飽和結合を有する単量体」とは、1個以上の水
酸基を含有し、かつ1個の炭素−炭素間の二重結合等の
重合性の不飽和結合を有することによって、(a2)
(メタ)アクリル酸エステル単量体と重合して、(A)
の水酸基を提供することができる単量体をいう。例え
ば、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メ
タ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アク
リル酸4−ヒドロキシブチル等の(メタ)アクリル酸ω
−ヒドロキシアルキルエステル、(メタ)アクリル酸ポ
リエチレングリコールモノエステル、(メタ)アクリル
酸ポリプロピレングリコールモノエステル等を例示する
ことができ、特に、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシ
エチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル等
が、好ましい。これらの化合物は、所望の(A)の性能
に応じて適宜選択することができ、単独又は組み合わせ
て適宜使用することができる。
【0022】さらに「(a2)水酸基を含有しない(メ
タ)アクリル酸エステル単量体」とは、(A)樹脂の内
部に架橋構造を有する水酸基含有水性アクリル樹脂を形
成する主成分であって、(A)に好ましい特性を付与
し、水酸基を含有せず、枝分かれを有してよいアルキル
エステル誘導体をいう。例えば、(メタ)アクリル酸メ
チル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸
プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリ
ル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)
アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸デ
シル、(メタ)アクリル酸ドデシル等の(メタ)アクリ
ル酸アルキルエステル類を例示することができ、特に、
(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチ
ル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸
ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル等が、
好ましい。これらの化合物は、所望の(A)の性能に応
じて適宜選択することができ、単独又は組み合わせて適
宜使用することができる。
【0023】「(a3)重合性不飽和結合を有するシラ
ンカップリング剤及び/又は(a4)2個以上の重合性
不飽和結合を有する単量体」とは、共に水酸基含有水性
アクリル樹脂の内部に架橋構造を形成する単量体であ
る。「(a3)重合性不飽和結合を有するシランカップ
リング剤」とは、例えば炭素−炭素間の二重結合等のよ
うな重合性不飽和結合とアルコキシシリル基を有する化
合物であって、(a1)〜(a3)を用いて(場合によ
り後述する(a4)及び/又は(a5)も用いて)目的
とするアクリル樹脂を製造する共重合反応を行う際に、
その重合性不飽和結合を介してアクリル樹脂の主鎖に組
み込まれる化合物である。アクリル樹脂の主鎖に組み込
まれた2個以上の(a3)のケイ素同士の間にシロキサ
ン結合が生ずるから、(a3)が組み込まれたアクリル
樹脂は(a3)に由来するシロキサン結合を介して架橋
構造を有することとなる。(a3)とは、このようなア
クリル樹脂(以下「樹脂の内部に架橋構造を有するアク
リル樹脂」ともいう。)を形成する化合物をいう。
【0024】(a3)とは、具体的に好ましくは、式
(I):
【化1】 (R1は、エテニル基、1−メチルエテニル基、X1は、
−(CH2n−又は−COO−(CH2n−、ただし、
nは、0から3の整数、Y1は、−OCH3もしくは−O
25又は−O(CH2m−O(CH2p−H、ただ
し、m、pは、1から3の整数、Z1は、−(CH2q
−H、ただしqは、0から3の整数、aは、0から2の
整数である。)で示されるシランカップリング剤であ
る。
【0025】例えば、 (a3−1)3−(メタ)アクリロキシプロピルトリメ
トキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリ
エトキシシラン、4−(メタ)アクリロキシエチルトリ
メトキシシラン等のω−(メタ)アクリロキシアルキル
トリアルコキシシラン類: (a3−2)3−(メタ)アクリロキシプロピルメチル
ジメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピル
メチルジエトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプ
ロピルエチルジエトキシシラン、3−(メタ)アクリロ
キシエチルメチルジメトキシシラン等のω−(メタ)ア
クリロキシアルキルアルキルアルコキシシラン類: (a3−3)エテニルトリメトキシシラン、エテニルト
リエトキシシラン、エテニルジメトキシエトキシシラ
ン、エテニルトリ(メトキシエトキシ)シラン、エテニ
ルトリ(エトキシメトキシ)シラン等のエテニルトリア
ルコキシシラン類: (a3−4)エテニルメチルジメトキシシラン、エテニ
ルエチルジ(メトキシエトキシ)シラン、エテニルジメ
チルメトキシシラン、エテニルジエチル(メトキシエト
キシ)シラン等のエテニルアルキルアルコキシシラン類
等を例示することができ、 特に、(a3−1)及び(a3−2)(メタ)アクリロ
キシアルキルシラン類が好ましい。これらは、所望の
(A)の性能に応じて適宜選択することができ、単独又
は組み合わせて使用することができる。
【0026】また「(a4)2個以上の重合性不飽和結
合を有する単量体」とは、2個以上の、例えば炭素−炭
素間の二重結合等の重合性不飽和結合を有するから、
(a1)、(a2)及び(a4)を用いて(場合により
(a3)及び/又は後述する(a5)も用いて)目的と
するアクリル樹脂を形成する共重合反応を行う際に、ア
クリル樹脂の2個以上の主鎖に組み込まれる。従って、
(a4)が組み込まれたアクリル樹脂は、(a4)を介
する架橋構造を有することとなる。(a4)とは、この
ようなアクリル樹脂を形成する化合物をいう。(a4)
として好ましくは、 (a4−1)ジビニルベンゼン、ジビニルトルエン、ブ
タジエン、イソプレン、ジシクロペンタジエン等のジエ
ン類: (a4−2)ポリエチレングリコール(C2〜C30)の
(メタ)アクリル酸のジエステル、ポリプロピレングリ
コール(C2〜C30)の(メタ)アクリル酸のジエステ
ル等のジオールの(メタ)アクリル酸のジエステル類 等を例示することができる。これらは、所望の(A)の
性能に応じて適宜選択することができ、単独又は組み合
わせて使用することができる。
【0027】さらにまた「(a5)その他の1個の重合
性不飽和結合を有する単量体」とは、(a1)〜(a
4)に含まれない化合物であって、(a1)〜(a4)
の単量体と重合することができる1個の重合性不飽和結
合を有する化合物で、目的とする(A)の特性に悪影響
を与えない化合物であれば特に限定されない。例えば、 (a5−1)(メタ)アクリル酸アミド、アルコキシア
ルキル(メタ)アクリル酸アミド等の(メタ)アクリル
酸アミド類: (a5−2)(メタ)アクリル酸グリシジル等のエポキ
シ基を有する(メタ)アクリル酸エステル類: (a5−3)スチレン、ビニルトルエン、α−メチルス
チレン等の芳香族ビニル単量体類: (a5−4)エチレン、プロピレン、ブチレン、イソプ
レン等のアルケン類: (a5−5)酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バーサ
チック酸ビニル(VeoVa)等のビニル単量体類: (a5−6)塩化ビニル、塩化ビニレン、塩化ビニリデ
ン等の塩素化ビニル単量体類: (a5−7)アクリロニトリル、メタクリロニトリル等
のシアノ基を有するビニル単量体類 等の単量体を例示することができる。
【0028】さらに、(a5)として、例えば、 (a5−8)アクリル酸、クロトン酸、メタクリル酸、
イタコン酸、フマール酸、マレイン酸、マレイン酸の半
エステル等のカルボキシル基と重合性の不飽和結合を有
する単量体類: (a5−9)スチレンスルホン酸等のスルホ基と重合性
の不飽和結合を有する単量体類: (a5−10)(メタ)アクリル酸オキシエチルアミド
フォスフェート等のリン酸基と重合性の不飽和結合有す
る単量体類 等のアニオン性の単量体を例示することができる。
【0029】また、(a5)として、例えば、(a5−
11)(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メ
タ)アクリル酸ジメチルアミノエチルメチルクロリド塩
等のアミノ基と重合性不飽和結合を有する単量体類及び
その塩類:(a5−12)ビニルピリジン等のピリジル
基と重合性不飽和結合を有する単量体類及びその塩類等
のカチオン性単量体を例示することができる。これら
は、所望の(A)の性能に応じて適宜選択することがで
き、単独又は組み合わせて使用することができる。
【0030】(A)を、(a1)〜(a5)の共重合に
よって得る上述の態様において、(a1)〜(a5)を
含んで成る単量体混合物は、単量体混合物全体を基準と
して(a1)を0.5〜40重量%含むのが好ましく、
0.5〜30重量%含むのがより好ましく、1〜25重
量%含むのが特に好ましい。(a2)を10〜99.4
重量%含むのが好ましく、30〜99.4重量%含むの
がより好ましく、40〜95重量%含むのが特に好まし
い。(a3)及び/又は(a4)を0.1〜10重量%
含むのが好ましく、0.1〜8重量%含むのがより好ま
しく、0.1〜5重量%含むのが特に好ましい。(a
5)を0〜30重量%含むのが好ましく、0〜20重量
%含むのがより好ましく、1〜15重量%含むのが特に
好ましい。
【0031】本発明の(A)架橋構造を有する水酸基含
有水性アクリル樹脂の製造においては、水性媒体中にお
いて、常法を使用し、適宜触媒及び乳化剤を用いて、上
述の単量体混合物等を共重合して(A)を製造すること
ができる。反応温度、反応時間、水性媒体中の単量体混
合物の組成及び濃度、触媒及び乳化剤の種類及び濃度並
びに攪拌速度等の重合反応条件は、目的とする(A)の
特性等によって適宜選択され得るものである。
【0032】ここで本発明の(A)の製造に使用する
「触媒」とは、少量の添加によって単量体混合物の重合
反応を起こさせることができる化合物であって、水性媒
体及び有機化合物中で使用することができるものが好ま
しい。例えば、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウ
ム、過硫酸カリウム、t−ブチルヒドロペルオキシド、
t−ブチルペルオキシベンゾエート、2,2−アゾビス
イソブチロニトリル、2,2−アゾビス(2−ジアミノ
プロパン)ヒドロクロリド、2,2―アゾビス(2,4
−ジメチル)バレロニトリル等を例示することができる
が、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カ
リウムを使用することが特に好ましい。
【0033】また、(A)の製造に使用する「乳化剤」
とは、水性媒体と単量体混合物とのエマルションを形成
させるために使用する界面活性剤であって、好ましくは
重合反応に悪影響を与えない界面活性剤であって、スル
ホン酸基、スルホネート基もしくは硫酸エステル基を有
する化合物及びそれらの混合物よりからなる群から選ば
れる混合物以外に、通常の界面活性剤も使用することが
できる。例えば、石鹸、アルキルスルホン酸塩、ポリオ
キシエチレンアルキル硫酸塩等のアニオン系界面活性剤
類、ポリオキシアルキルアリールエーテル、オキシエチ
レンオキシプロピレンブロックコポリマー等のノニオン
系界面活性剤類等を例示することができる。なお、乳化
剤として重合性乳化剤を使用するのが好ましい。重合性
乳化剤の使用は、耐水性、耐侯性、密着性等が向上する
等から好ましい。
【0034】ここで、(A)の製造に使用する「重合性
乳化剤」とは、重合性不飽和結合を有し、かつ水性媒体
と単量体混合物のエマルションを形成することができる
乳化剤として機能し得る化合物であって、スルホン酸
基、スルホネート基、硫酸エステル基又はエチレンオキ
シ基を有するエチレン性不飽和単量体、及びそれらの混
合物よりからなる群から選ばれるエチレン性不飽和単量
体が好ましい。さらに、上述の重合性乳化剤のスルホン
酸基又はスルホネート基は塩の形態であってもよく、ス
ルホン酸基又はスルホネート基の対カチオンとして、ア
ンモニウムイオンもしくはアルカリ金属イオンが好まし
く、特に、アンモニウムイオン、カリウムイオン、ナト
リウムイオンが好ましい。
【0035】このような重合性乳化剤を含んで成るもの
として、例えば、三洋化成(株)エレミノールJS−2
(商品名)、三洋化成(株)エレミノールRS−30
(商品名)、第一工業製薬(株)アクアロンRN−20
(商品名)、第一工業製薬(株)アクアロンHS−10
(商品名)等を例示することができる。これらの重合性
乳化剤を、上述の単量体混合物100重量部に対して、
0.1〜5重量部、好ましくは0.1〜3重量部、さら
に好ましくは0.3〜3重量部用いるのが好ましい。本
発明においては、重合性乳化剤を使用して単量体混合物
を重合して上述の(A)を製造するのが好ましい。
【0036】さらに、本発明の(A)に、通常の水性ア
クリル樹脂の製造の際に一般的に用いられる添加剤、例
えば、酸化防止剤、UV吸収剤、ラジカル捕捉剤、消泡
剤、分散剤、顔料、増粘剤及び/又は防腐剤等を適宜添
加してもよい。これらは、(A)の性能に応じて適宜選
択することができ、単独又は組み合わせて使用すること
ができる。
【0037】本発明において、「(B)架橋構造を有す
る水酸基含有水性ウレタン樹脂」とは、樹脂の内部に架
橋構造を有し、かつ水酸基を含有し、分子内に2個以上
の水酸基を有するポリオール類と2個以上のイソシアネ
ート基を有するポリイソシアネートを反応させて得られ
る樹脂であって、主鎖に多数のウレタン結合を有するウ
レタン樹脂であって、水性媒体中に存在している状態の
樹脂をいい、水性媒体に溶解している状態の樹脂及び/
又は溶解していない状態の樹脂を含む。
【0038】本発明の別の好ましい態様として、(B)
は、(b1)2個の水酸基を有する化合物、(b2)2
個のイソシアネート基を有する化合物、(b3)水酸基
を含有する一級及び/又は二級アミノ化合物、並びに
(b4)活性水素を含有する官能基を有するシランカッ
プリング剤、(b5)3個以上の一級及び/又は二級の
アミノ基を有する化合物、(b6)3個以上の一級及び
/又は二級の水酸基を有する化合物、及び(b7)3個
以上のイソシアネート基を有する化合物の少なくとも1
種を反応して得られるウレタン樹脂である上述の水性樹
脂組成物を提供する。
【0039】ここで、「(b1)2個の水酸基を有する
化合物」とは、(B)の主鎖を構成する主たる成分であ
り、ポリウレタン工業において一般的に知られているジ
オール類である。このようなジオール類としては、例え
ば、 (b1−1)コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバ
シン酸、アゼライン酸、マレイン酸、フマール酸、フタ
ル酸、テレフタル酸等のジカルボン酸の1種以上と、エ
チレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブ
タンジオール、1,3−ブタンジオール、3−メチル−
1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジール、
ネオペンチルグリコール、1,8−オクタンジオール、
1,10−デカンジオール、ジエチレングリコール、ス
ピログリコール等のジオール類の1種以上を重縮合させ
て得られるポリエステルジオール、ラクトン類の開環重
合により得られるポリエステルジオール等のポリエステ
ルジオール類: (b1−2)水、上述のポリエステルジオール類の製造
に使用するジオール、ビスフェノール−A等の2個の水
酸基を有する芳香族化合物、一級又はニ級アミン類にエ
チレンオキシド、プロピレンオキシド、オキセタン又は
テトラヒドロフラン等の環状エーテルを開環付加重合さ
せて得られるジオール、ポリオキシエチレンジオール、
ポリオキシプロピレンジオール、ポリオキシテトラメチ
レンジオール、ビスフェノール−Aにプロピレンオキシ
ド又はエチレンオキシドのいずれか一方を開環付加重合
させたジオール(共重合体の場合は、ブロック共重合
体、ランダム共重合体のいずれでもよい。)等のポリエ
ーテルジオール類: (b1−3)ポリカーボネートジオール類等を例示する
ことができる。
【0040】特に、アジピン酸、セバシン酸、アゼライ
ン酸、フタル酸の1種以上とエチレングリコール、プロ
ピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−
ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオ
ール、ネオペンチルグリコールの1種以上を重縮合させ
て得られるポリエステルジオール、ラクトン類の開環重
合により得られるポリエステルジオール、ポリオキシプ
ロピレンジオール、ポリオキシテトラメチレンジオー
ル、ビスフェノールAにエチレンオキシド又はプロピレ
ンオキシドを付加させたジオール等のポリエーテルジオ
ール、及びポリカーボネートジオールが好ましい。これ
らは、所望の(B)の性能に応じて適宜選択することが
でき、単独又は組み合わせて使用することができる。
【0041】ここで、「(b2)2個のイソシアネート
基を有する化合物」とは、(B)の主鎖を構成する主た
る成分であり、ポリウレタン工業において一般的に知ら
れているジイソシアネート類である。このようなジイソ
シアネート類としては、例えば、 (b2−1)エチレンジイソシアネート、2,2,4−
トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,6−
ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシア
ネート類: (b2−2)水素添加4,4’−ジフェニルメタンジイ
ソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネー
ト、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、イソフォ
ロンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート
等の脂環式ジイソシアネート類: (b2−3)1,4−フェニレンジイソシアネート、
2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエン
ジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソ
シアネート、1,5−ナフタレンジイソシネート、キシ
レンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート類 等を例示することができ、特に、1,6−ヘキサメチレ
ンジイソシアネート、水素添加4,4’−ジフェニルメ
タンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、
ノルボルナンジイソシアネート等が好ましい。これら
は、所望の(B)の性能に応じて適宜選択することがで
き、単独又は組み合わせて使用することができる。
【0042】ここで、「(b3)水酸基を含有する一級
及び/又は二級アミノ化合物」とは、少なくとも1個以
上の水酸基と少なくとも1個以上の一級及び/又は二級
のアミノ基を有する化合物であって、一級及び/又は二
級のアミノ基が、(B)の製造過程において存在するイ
ソシアネート基と反応し、その結果目的とする(B)の
水酸基を提供することとなる化合物である。例えば、ジ
エタノールアミン、エタノールアミン、プロパノールア
ミン、ジプロパノールアミン、ジブタノールアミン、2
−メチルアミノエタノール、2−(2−アミノ)エトキ
シエタノール、ヘキサノールアミン、ペンタノールアミ
ン等を例示することができ、特に、エタノールアミン、
プロパノールアミン、ブタノールアミン、ジエタノール
アミン、ジプロパノールアミン等が好ましい。これら
は、所望の(B)の性能に応じて適宜選択することがで
き、単独又は組み合わせて使用することができる。
【0043】「(b4)活性水素を含有する官能基を有
するシランカップリング剤、(b5)3個以上の一級及
び/又は二級のアミノ基を有する化合物、(b6)3個
以上の一級及び/又は二級の水酸基を有する化合物、及
び(b7)3個以上のイソシアネート基を有する化合
物」とは、いずれも水酸基含有水性ウレタン樹脂の内部
に架橋構造を形成する重合性の化合物である。「(b
4)活性水素を含有する官能基を有するシランカップリ
ング剤」とは、活性水素を含有する官能基とアルコキシ
シリル基を有する化合物である。(b4)は、(B)の
製造過程において存在するイソシアネート基に(b4)
の活性水素を含有する官能基が反応する化合物で、反応
した(b4)のケイ素同士の間にシロキサン結合が生ず
る化合物である。(b4)とは、その結果(B)にシロ
キサン結合を介する架橋構造を提供することとなる化合
物である。
【0044】ここで、「活性水素を含有する官能基」と
は、イソシアネート基と反応する水素を含有する官能
基、例えば、水酸基(−OH)、アミノ基(−NH2
−NH−)、メルカプト基(−SH)、カルボキシル基
(−COOH)、アミド基(−NHCO−)、ウレア基
(−NHCONH−)、及びウレタン基(−NHCOO
−)等をいい、特に、水酸基、アミノ基、メルカプト基
が好ましい。(b4)として具体的に、好ましくは、式
(II):
【化2】 (R2は、−SH、−NH2、−NHC24NH2、−N
HCONH2、X2は、−(CH2r−、ただし、rは、
0から3の整数、Y2は、−OCH3もしくは−OC25
又は−O(CH2s−O(CH2t−H、ただし、s、
tは、1から3の整数、Z2は、−(CH2u−H、た
だしuは、0から3の整数、bは、0から2の整数であ
る。)で示されるシランカップリング剤である。
【0045】例えば、 (b4−1)γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−
メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、、γ−メ
ルカプトプロピルトリス(β−メトキシエトキシ)シラ
ン等のω−メルカプトアルキルトリアルコキシシラン類
及びω−メルカプトアルキルアルキルアルコキシシラン
類: (b4−2)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、
γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプ
ロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルト
リス(β−メトキシエトキシ)シラン等のω−アミノア
ルキルトリアルコキシシラン類及びω−アミノアルキル
アルキルアルコキシシラン類: (b4−3)N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプ
ロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)
−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−
(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキ
シシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロ
ピルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン等のN−β
−(アミノエチル)−ω−アミノアルキルトリアルコキ
シシラン類及びN−β−(アミノエチル)−ω−アミノ
アルキルアルキルアルコキシシラン類: (b4−4)γ−ユレイドプロピルトリエトキシシラ
ン、γ−ユレイドプロピルトリメトキシシラン、γ−ユ
レイドプロピルメチルジメトキシシラン、γ−ユレイド
プロピルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン等のγ
−ユレイドアルキルトリアルコキシシラン類及びγ−ユ
レイドアルキルアルキルアルコキシシラン類 等を例示することができ、特に、(b4−2)のアミノ
基含有アルコキシシラン類が好ましい。これらは、所望
の(B)の性能に応じて適宜選択することができ、単独
又は組み合わせて使用することができる。
【0046】また「(b5)3個以上の一級及び/又は
二級のアミノ基を有する化合物」とは、3個以上の一級
及び/又は二級のアミノ基を有し、(B)の製造過程に
おいて存在するイソシアネート基に反応する化合物であ
る。(b5)とは、その結果(B)に(b5)を介する
架橋構造を提供することとなる化合物である。(b5)
として好ましくは、ビス(3−アミノプロピル)アミ
ン、N,N’−ビス(3−アミノプロピル)−1,3−
プロパンジアミン等を例示することができ、特に、ビス
(3−アミノプロピル)アミンが好ましい。これらは、
所望の(B)の性能に応じて適宜選択することができ、
単独又は組み合わせて使用することができる。
【0047】また「(b6)3個以上の一級及び/又は
二級の水酸基を有する化合物」とは、3個以上の一級及
び/又は二級の水酸基を有し、(B)の製造過程におい
て存在するイソシアネート基に反応する化合物である。
(b6)とは、その結果(B)に(b6)を介する架橋
構造を提供することとなる化合物である。(b6)とし
て、トリメチロールプロパン、グリセリン等を例示する
ことができる。
【0048】また「(b7)3個以上のイソシアネート
基を有する化合物」とは、3個以上のイソシアネート基
を有し、(B)の製造過程において存在する水酸基に
(b7)が反応する化合物である。(b7)とは、その
結果目的とする(B)に(b7)を介する架橋構造を提
供することとなる化合物である。(b7)として、ヘキ
サメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体、イ
ソホロンジイソシアネートのイソシアヌレート体、ポリ
メリックMDI(メチレンジイソシアネート)等を例示
することができ、特に、ヘキサメチレンジイソシアネー
トのイソシアヌレート体、イソホロンジイソシアネート
のイソシアヌレート体が好ましい。これらは、所望の
(B)の性能に応じて適宜選択することができ、単独又
は組み合わせて使用することができる。
【0049】(B)を、(b1)、(b2)、(b3)
並びに(b4)〜(b7)の少なくとも1種を反応して
得る上述の態様においては、(B)の製造に使用する単
量体の総和、即ち、((b1)+(b2)+(b3)+
(b4)+(b5)+(b6)+(b7))を100重
量%として、(b1)を20〜89重量%使用するのが
好ましく、30〜75重量%使用するのがより好まし
く、40〜70重量%使用するのが特に好ましい。(b
2)を10〜50重量%使用するのが好ましく、15〜
45重量%使用するのがより好ましく、20〜40重量
%使用するのが特に好ましい。(b3)を0.5〜10
重量%使用するのが好ましく、0.5〜8重量%使用す
るのがより好ましく、1〜5重量%使用するのが特に好
ましい。(b4)〜(b7)の少なくとも1種を0.5
〜20重量%使用するが好ましく、0.5〜15重量%
使用するのがより好ましく、0.5〜10重量%使用す
るのが特に好ましい。
【0050】本発明においては、ポリウレタンを製造す
る際に通常使用される溶剤を使用して、常法を用い、適
宜触媒を用いて、上述の単量体を重合して共重合体を得
た後、水性媒体に溶媒を交換することによって目的とす
る(B)を製造することができる。このような製造方法
として、例えば、技術情報協会編、最新ポリウレタンの
合成:配合と機能化・用途展開、4.25.2項、
(株)技術情報協会出版(1989年発行)に記載の方
法を例示することができる。なお、本引用により、その
記載内容は、本明細書の内容をなす。(B)の製造に関
する反応温度、反応時間、反応媒体中の単量体混合物の
組成及び濃度、単量体の反応順序、触媒の種類及び濃度
並びに攪拌速度等の重合反応条件は、目的とする(B)
架橋構造を有する水酸基含有水性ウレタン樹脂の特性等
によって適宜選択され得るものである。本発明において
は、単量体(b1)及び(b2)を反応させてウレタン
樹脂の骨格を形成するウレタンプレポリマーを製造後、
このウレタンプレポリマーに単量体(b3)を用いる水
酸基導入反応と(b4)〜(b7)の少なくとも1種を
用いる架橋構造の形成反応を行うのが好ましい。なお、
(b3)を用いる水酸基導入反応と(b4)〜(b7)
少なくとも1種を用いる架橋構造形成反応は、いずれを
先に行っても、あるいは同時に行ってもよい。
【0051】ここで、「ポリウレタンを製造する際に通
常使用される溶剤」とは、ポリウレタン工業において通
常使用される溶媒であれば特に限定されないが、さらに
原料、ウレタンプレポリマー及び生成するウレタン樹脂
を共に溶解する有機溶媒であれば特に好ましく、例え
ば、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジ
メチルアセトアミド等のアミド類、アセトン、メチルエ
チルケトン等のケトン類、酢酸エチル等のエステル類、
その他セロソルブアセテートやセロソルブエーテル等を
例示することができる。
【0052】ここで、(B)の製造に使用する「触媒」
としては、ウレタン樹脂の製造に使用することができる
ものであれば特に限定されないが、ポリウレタン工業に
おいて周知の重合触媒を使用することができ、例えば、
[2,2,2]ジアザビシクロオクタン(DABC
O)、テトラメチレンジアミン、N−メチルモルフォリ
ン、ジアザビシクロウンデセン(DBU)等の三級アミ
ン類、ジブチルチン(錫)ジラウレート等の有機金属類
等を例示することができる。
【0053】さらに、(B)の安定性(水性媒体中の樹
脂の分散安定性及び/又は相分離防止)を向上するため
に、水性ウレタン樹脂の製造に通常用いられる方法を用
いることができる。即ち、ウレタン樹脂の骨格に親水性
の官能基を導入することによってウレタン樹脂そのもの
に親水性を付与してウレタン樹脂自身の水性媒体中での
分散安定性を向上し相分離を防止する方法(自己乳化)
又は水性ウレタン樹脂の製造に際し使用される乳化剤
(界面活性剤)を(B)に添加する方法(強制乳化)を
用いることができる。これらの方法は、単独又は組み合
わせて用いることができる。
【0054】自己乳化による方法は、得られる皮膜の密
着性及び耐水性の向上等の観点からも好ましい。「ウレ
タン樹脂の骨格に親水性の官能基を導入する単量体」
(b8)とは、自己乳化による(B)の安定性の向上を
目的として、1個以上の活性水素を含む官能基と、親水
性の官能基を有する化合物である。例えば、(b8−
1)N−メチルジエタノールアミン、N−ブチルジエタ
ノールアミン等のカチオン性の親水基を付与する単量
体、(b8−2)ジメチロールプロピオン酸、ジメチロ
ールブタン酸等のジヒドロキシルカルボン酸類、1−カ
ルボキシ−1,5−ジアミノペンタン等のジアミノカル
ボン酸類、ジヒドロキシスルホン酸類、及びジアミノス
ルホン酸類等のアニオン性の親水基を付与する単量体、
(b8−3)ポリエチレングリコール、ポリエチレング
リコールとポリプロピレングリコールのブロック共重合
体等のノニオン性の親水基を付与する単量体を例示する
ことができ、特に、ジメチロールプロピオン酸、ジメチ
ロールブタン酸等のアニオン性の親水基を付与する単量
体が好ましい。これらは、(B)の性能に応じて適宜選
択することができ、単独又は組み合わせて上述の(b
1)〜(b7)と共に反応させて、ウレタン骨格に親水
性の官能基を導入した(B)を得ることができる。
【0055】(b8)は、上述の(B)の製造に使用す
る(b1)〜(b7)の単量体全体を100重量部とし
て、1〜20重量部使用するのが好ましく、2〜15重
量部使用するのがより好ましく、2〜10重量部使用す
るのが特に好ましい。さらに、単量体(b1)、(b
2)及び(b8)を反応させて親水性の官能基含有ウレ
タンプレポリマーを製造後、このウレタンプレポリマー
に単量体(b3)を用いる水酸基導入反応と(b4)〜
(b7)の少なくとも1種を用いる架橋構造の形成反応
を行うのが好ましい。(b3)を用いる水酸基導入反応
と(b4)〜(b7)少なくとも1種を用いる架橋構造
形成反応は、いずれを先に行っても、あるいは同時に行
ってもよい。なお、効率よく(B)のウレタン樹脂に水
酸基を導入するためには、(b1)及び(b2)を反応
させた後、次に(b8)を反応させ、その後(b4)〜
(b7)の少なくとも1種を反応させて得られるウレタ
ンプレポリマーを水中に分散後、最後に(b3)を反応
させるのが好ましい。
【0056】また、ここで(B)の製造に際の強制乳化
に使用する「乳化剤」とは、重合反応及び得られる水性
樹脂組成物の特性に悪影響を与えない乳化剤が好まし
い。スルホン酸基、スルホネート基、硫酸エステル基、
ポリオキシエチレン基等を有する化合物及びそれらの混
合物よりからなる群から選ばれる混合物以外に、通常の
界面活性剤も使用することができる。例えば、石鹸、ア
ルキルスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸
塩等のアニオン系界面活性剤類、ポリオキシアルキルア
リールエーテル、オキシエチレンオキシプロピレンブロ
ックコポリマー等のノニオン系界面活性剤類等を例示す
ることができる。
【0057】さらに、本発明の(B)の製造の際に、通
常のウレタン樹脂の製造の際に一般的に用いられる鎖延
長剤(b9)、例えば、(b9−1)エチレングリコー
ル、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、
1,3−ブタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタ
ンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチル
グリコール、ジエチレングリコール等のジオール類、及
び/又は(b9−2)エチレンジアミン、プロピレンジ
アミン、ブチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、
ピペラジン、イソホロンジアミン、トリレンジアミン、
キシリレンジアミン等のジアミン類を、上述の(b1)
〜(b8)と共に反応させてもよい。これらは、(B)
の性能に応じて適宜選択することができ、単独又は組み
合わせて使用することができる。
【0058】これらの鎖延長剤(b9)は、上述の
(B)の製造に使用する(b1)〜(b8)の単量体全
体を100重量部として、0〜20重量部使用するのが
好ましく、1〜20重量部使用するのがより好ましく、
1〜10重量部使用するのが特に好ましい。本発明の
(B)架橋構造を有する水酸基含有水性ウレタン樹脂
は、単量体(b1)及び(b2)を反応させてウレタン
樹脂の骨格を形成するウレタンプレポリマーを製造後、
このウレタンプレポリマーに単量体(b3)、(b4)
〜(b7)の少なくとも1種、(b8)、及び(b9)
を反応させるのが好ましい。なお、(b3)、(b4)
〜(b7)の少なくとも1種、(b8)、及び(b9)
の反応の順序については適宜選択され得るものである。
水酸基を効率よく(B)のウレタン樹脂に導入するため
には、(b9)が、例えば(b9−2)に記載のジアミ
ン類である場合は、(b1)及び(b2)を反応させた
後、次に(b8)を反応させ、その後(b4)〜(b
7)の少なくとも1種を反応させて得られるウレタンプ
レポリマーを水中に分散後、(b3)及び(b9)を反
応させるのが好ましい。また、(b9)が、例えば(b
9−1)に記載のジオール類等であってジアミン類以外
の場合は、(b1)及び(b2)を反応させた後、次に
(b8)を反応させ、その後(b9)を反応させ、さら
に次に(b4)〜(b7)の少なくとも1種を反応させ
て得られるウレタンプレポリマーを水中に分散後、(b
3)を反応させるのが好ましい。
【0059】さらに、本発明の(B)に、通常の水性ウ
レタン樹脂の製造の際に一般的に用いられる添加剤、例
えば、酸化防止剤、UV吸収剤、ラジカル捕捉剤、消泡
剤、及び/又は防腐剤等を適宜添加してもよい。これら
は、(B)の性能に応じて適宜選択することができ、単
独又は組み合わせて使用することができる。
【0060】さらにまた、本発明において、「(C)水
に分散可能なポリイソシアネート組成物」とは、本質的
に水に分散可能であり、一般的に市販されているポリイ
ソシアネート(通常は種々のイソシアネートの混合物)
であって、通常、1分子当たりの平均イソシアネート基
数が2より大きく、分枝状のオリゴマーであり、一般に
粘稠な流体であるポリイソシアネートをいう。本発明に
おいては、(C)のイソシアネート基の含有率は、
(C)を100重量%として、5〜25重量%が好まし
い。
【0061】また、(C)水に分散可能なポリイソシア
ネート組成物として、例えば、特開平5−222150
号公報及び特開平10−60073号公報に開示されて
いるポリエチレンオキシド鎖によって水溶性を付与され
た水に分散可能なポリイソシアネートを例示することが
でき、具体的には、日本ポリウレタン工業(株)製アク
アネート100(商品名)、アクアネート110(商品
名)、アクアネート200(商品名)及びアクアネート
210(商品名)、住友バイエルウレタン(株)製バイ
ビジュールTPLS−2032(商品名)、住友バイエ
ルウレタン(株)製SBU−イソシアネート−L801
(商品名)、武田薬品工業(株)製タケネートWD−7
20(商品名)及びタケネートWD−725(商品
名)、武田薬品工業(株)製スタフィロイドWD−22
0(商品名)、ならびに大日精化工業(株)製レザミン
D−56(商品名)等を例示することができる。これら
は、単独又は組み合わせて使用することができる。な
お、(C)の水への分散性及び/又は取り扱い性を向上
するために、(C)にアセトン、メチルエチルケトン、
酢酸エチル、N−メチルピロリドン等の有機溶剤や、メ
タクロキシシラン、エポキシシラン等のシランカップリ
ング剤等を添加してもよい。
【0062】本発明においては、上述したような(A)
架橋構造を有する水酸基含有水性アクリル樹脂、(B)
架橋構造を有する水酸基含有水性ウレタン樹脂及び
(C)水に分散可能なポリイソシアネート組成物を組み
合わせることによって目的とする水性樹脂組成物を得る
ことができる。なお、本発明においては、あらかじめ
(A)と(B)を混合した後(C)を混合して用いるこ
とができ、また、(A)、(B)及び(C)の3種を同
時に混合して用いてもよい。(A)、(B)及び(C)
を混合する手段として、通常使用される攪拌手段、振盪
手段等を用いることができ、均一に混合することができ
る混合手段であれば特に限定されない。例えば、攪拌棒
を用いて機械的に攪拌する攪拌手段、インペラーを備え
た攪拌機を用いる攪拌手段、マグネチックスターラーを
用いる攪拌手段、機械的振盪機を用いる振盪手段等を用
いることができる。
【0063】さらに、本発明においては、(A)及び
(B)のゲル分率は、いずれも40〜100重量%が好
ましく、50〜100重量%がより好ましく、70〜1
00重量%が特に好ましい。ここで、「ゲル分率」と
は、各樹脂を乾燥させて得たフィルムをアセトン中にお
いて大気圧下で還流しつつ2時間抽出した後の不溶分に
よって定義される。また、ゲル分率の測定の際、アセト
ン中で還流しつつ2時間の抽出により抽出されるアセト
ンに可溶な成分の数平均分子量は、100,000〜
2,000,000が好ましく、100,000〜1,
000,000がより好ましく、100,000〜50
0,000が特に好ましい。さらにまた、本発明におい
ては、(A)及び(B)の水酸基価が2〜200mg/
KOHが好ましく、10〜200mg/KOHがより好
ましく、20〜200mg/KOHが特に好ましい。
【0064】本発明の水性樹脂組成物においては、
(A)及び(B)の重量比((A)/(B))は、3/
97〜97/3が好ましく、5/95〜95/5がより
好ましく、90/10〜10/90が特に好ましい。さ
らに、本発明の水性樹脂組成物においては、(A)と
(B)の総和((A)+(B))と(C)の重量比
((A)+(B))/(C)は、100/1〜30が好
ましく、100/1〜20がより好ましく、100/3
〜20が特に好ましい。
【0065】また、本発明の別の要旨においては、水性
塗料組成物又は水性接着剤組成物として使用する、上述
の水性樹脂組成物を提供する。さらに、本発明の他の要
旨においては、上述の(A)、(B)及び(C)の組み
合わせから得られる水性樹脂組成物を得るための(A)
及び(B)の組み合わせを提供する。本発明の水性樹脂
組成物は、各種クリアコーティング材、顔料を配合し
た、外装用、床用の塗料等として有用である。なお、本
発明の水性樹脂組成物には、皮膜を形成する水性樹脂組
成物に通常配合される成分、例えば、増粘剤、消泡剤、
顔料、分散剤、防腐剤等の適量を適宜添加することがで
きる。
【0066】
【実施例】以下、本発明を実施例及び比較例により具体
的かつ詳細に説明するが、これらの実施例及び比較例は
本発明の一態様にすぎず、本発明はこれらの例によって
何ら限定されるものではない。
【0067】実施例1 (1)架橋構造を有する水酸基を含有する水性アクリル
樹脂(A1)の合成 攪拌機、還流冷却器、滴下ロート、窒素導入管を備えた
反応容器の系内を窒素ガスで置換した後、乳化剤水溶液
(i)をこの反応容器に仕込んだ。次に単量体混合物(ii)
を乳化剤水溶液(iii)に攪拌下に添加して乳化させて得
た単量体乳化液(iv)の約5容量%を反応容器に仕込んだ
後、過硫酸カリウム水溶液(v)を反応容器に仕込み、8
0℃において、20分間初期反応を行った。その後、単
量体乳化液(iv)の残り約95容量%を80℃において3
時間かけて反応容器内に滴下した。滴下終了後、さらに
2時間80℃に保ち、重合反応を終了させて、目的とす
る架橋構造を有する水酸基を含有する水性アクリル樹脂
(A1)を得た。得られたアクリル樹脂(A1)のゲル
分率を測定したところ、70重量%であった。さらに、
(A1)のアセトンに可溶な成分の数平均分子量を、
(A1)を乾燥後、ジメチルホルムアミドに溶解して1
%溶液とし、Waters社製GPCシステムを用い
て、ジメチルホルムアミドを移動層として、測定したと
ころ220,000であった。また、(A1)の水酸基
価を、アセチル化法を用いて測定したところ、16.8
mg/KOHであった。さらに、(A1)の固形分を、
乾燥重量法を用いて測定したところ、40重量%であっ
た。
【0068】 ここで、乳化剤水溶液(i)は、以下の成分を配合して得た: エレミノールJS−2 0.75g (三洋化成工業(株)製、有効成分35%) 蒸留水 69 g。 単量体混合物(ii)は、以下の成分を配合して得た: スチレン(以下「St」という。) 20 g メタクリル酸メチル(以下「MMA」という。) 44 g アクリル酸メチル (以下「MAA」という。) 2 g メタクリル酸2−ヒドロキシエチル 3 g (以下「HEMA」という。) メタクリロキシトリメトキシシラン 1 g。 (以下「A174」という。) 乳化剤水溶液(iii)は、以下の成分を配合して得た: エレミノールJS−2 1.35g 蒸留水 28 g。 過硫酸カリウム水溶液(v)は、以下の成分を配合して得た: 過硫酸カリウム(以下「KPS」という。) 0.3g 蒸留水 10 g。
【0069】(2)架橋構造を有する水酸基を含有する
水性ウレタン樹脂(B1)の合成 攪拌機、還流冷却器及び窒素導入管を備えた反応容器の
系内を窒素ガスで置換した後、 イソホロンジイソシアネート 80 g、 ブタンジオールアジペート 180g、 (分子量2000) ジメチロールプロピオン酸 14.4、g 酢酸エチル 90g、及び ジブチルチンジラウレート 0.03g を仕込み、窒素雰囲気下で80℃において6時間反応さ
せて末端イソシアネート基を含んで成るウレタンプレポ
リマーを得た。
【0070】このウレタンプレポリマーを60℃に冷却
後、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン(以下「A
1100」という。日本ユニカー(株)製)14gを添
加して30分間反応させた後、50℃に冷却し、トリエ
チルアミン9gを加えた。その後、ジエタノールアミン
3.8gを蒸留水300gに溶解した水溶液を高速攪拌
下にて加え、乳化を行った。乳化を確認後、ピペラジン
6水和物14gを蒸留水110gに溶解した水溶液を加
えて30℃において3時間攪拌して、鎖長延長反応を行
った後、減圧しつつ40℃において酢酸エチルを回収
し、目的とする架橋構造を有する水酸基を含有する水性
ウレタン樹脂(B1)を得た。(A1)と同様に、得ら
れた(B1)についてゲル分率、アセトンに可溶な成分
の数平均分子量、水酸基価及び固形分を調べたところ、
各々80重量%、350,000、14mg/KOH及
び41重量%であった。
【0071】(3)塗料の調製 (A1)と(B1)の重量比((A1)/(B1))が
6/4の混合物100gに、酸化チタンを主成分とする
白色ミルベース(有効成分75%)40gを加えて十分
に混合した後、攪拌しつつ、水に分散可能なポリイソシ
アネート組成物(C1)(日本ポリウレタン工業(株)
製アクアネートAQ200(商品名))15gを徐々に
添加して、実施例1の白色の塗料を得た。
【0072】(4)塗膜の評価 基材として通常のウレタンシートを使用した。上述の塗
料をウレタンシートにはけを用いて塗布し、室温におい
て12時間乾燥させて得た塗膜が付着したウレタンシー
トをテストピースとし、以下の評価を行った。 (イ)密着性 塗膜の密着性は、上述のテストピースについてクロスカ
ット試験を行うことによって評価した。即ち、塗膜に1
mm間隔で縦横に碁盤目状に10×10個(合計100
個)の桝目を切り、その上にセロハンテープを貼った。
セロハンテープを剥した際に、ウレタンシートから塗膜
が剥離するか否かを調べた。密着性は、ウレタンシート
から塗膜が剥離しないで維持された桝目の個数で評価し
た。維持された桝目の個数を、表1に示した。 (ロ)耐水密着性 塗膜の耐水密着性は、上述の塗膜を、50℃の水中にお
いて7日間保持した後、上述の密着性の試験において記
載したクロスカット試験と同様の試験を行うことによっ
て評価した。耐水密着性は、上述の密着性と同様にウレ
タンシートから塗膜が剥離しないで維持された桝目の個
数で評価した。維持された桝目の個数を、表1に示し
た。
【0073】(ハ)耐汚染性 塗膜の耐汚染性は、上述の塗膜についてカーボンブラッ
ク塗料の塗布の前後における塗膜の色差を測定すること
によって評価した。即ち、上述の塗膜の色の座標値(E
1)を色差計を用いて測定後、塗膜にカーボンブラック
塗料を塗布し1分間放置した後、乾燥した布でカーボン
ブラック塗料を拭き取り、再び塗膜の色の座標値(E
2)を色差計を用いて測定して、E1とE2の差(色
差)によって評価した。色差を、表1に示した。 (ニ)耐候性 塗膜の耐侯性は、上述のテストピースを、サンシャイン
ウェザオメーター内において、気温63℃、60分間中
に12分間シャワーを与える条件において、1000時
間保持する前後の、塗膜の光沢を光沢計を用いて測定す
ることによって評価した。試験開始前の塗膜の光沢に対
する1000時間保持後の塗膜の光沢の保持率で評価し
た。光沢の保持率を表1に示した。
【0074】(ホ)屈曲性 塗膜の屈曲性は、上述のテストピースを、180度折り
曲げて、ウレタンシートの両端を合わせたときに、塗膜
にクラックが発生するか否かによって評価した。塗膜に
クラックが発生しなかったものを○、クラックが発生し
たものを×とした。結果を、表1に示した。 (ヘ)MFT 塗料のMFT(最低造膜温度)は、塗料を、最低成膜温
度測定装置の温度勾配板上に、50μmの厚さに塗工し
て測定した。MFTが5℃未満を○、5℃以上のものを
×とした。結果を、表1に示した。
【0075】実施例2 架橋構造を有する水酸基を含有する水性ウレタン樹脂
(B2)の合成 実施例1の(2)で得られたウレタンプレポリマーを5
0℃に冷却し、トリエチルアミン9gを加えた。その
後、ジエタノールアミン3.8gを蒸留水300gに溶
解した水溶液を高速攪拌下にて加え、乳化を行った。乳
化を確認後、ピペラジン6水和物14gとイミノビスプ
ロピルアミン3gを蒸留水110gに溶解した水溶液を
加えて30℃において3時間攪拌して、鎖長延長反応を
行った後、減圧しつつ40℃において酢酸エチルを回収
し、目的とする架橋構造を有する水酸基を含有する水性
ウレタン樹脂(B2)を得た。実施例1の(A1)と同
様に、得られた(B2)についてゲル分率、アセトンに
可溶な成分の数平均分子量、水酸基価及び固形分を調べ
たところ、各々74重量%、180,000、13.5
mg/KOH及び40重量%であった。 塗料の調製及び塗膜の評価 実施例1の(3)塗料の調製において使用した(B1)
の代わりに(B2)を用いた以外は、実施例1と同様に
して実施例2の白色の塗料を得た。実施例1に記載した
方法と同様にして、実施例2の塗膜を評価した。結果を
表1に示した。
【0076】実施例3 架橋構造を有する水酸基を含有する水性アクリル樹脂
(A2)の合成 実施例1において、1gのA174の代わりに1gのジ
ビニルベンゼンを用いる以外は、実施例1に記載したの
と同様にして目的とする架橋構造を有する水酸基を含有
するアクリル樹脂水性エマルション(A2)を得た。実
施例1の(A1)と同様に、得られた(A2)について
ゲル分率、アセトンに可溶な成分の数平均分子量、水酸
基価及び固形分を調べたところ、各々68重量%、19
0,000、17mg/KOH及び40重量%であっ
た。 塗料の調製及び塗膜の評価 実施例1の(3)塗料の調製において使用した(A1)
の代わりに(A2)を用いた以外は、実施例1と同様に
して実施例3の白色の塗料を得た。実施例1に記載した
方法と同様にして、実施例3の塗膜を評価した。結果を
表1に示した。
【0077】実施例4 塗料の調製及び塗膜の評価 実施例1の(3)塗料の調製において使用した(A1)
の代わりに(A2)及び(B1)の代わりに(B2)を
用いた以外は、実施例1と同様にして実施例4の白色の
塗料を得た。実施例1に記載した方法と同様にして、実
施例4の塗膜を評価した。結果を表1に示した。
【0078】比較例1 架橋構造を有さない水酸基を含有する水性アクリル樹脂
(A’1)の合成 実施例1の(1)において、44gのMMAと1gのA
174の代わりに45gのMMAを用いる以外は実施例
1の(1)の記載と同様にして目的とする架橋構造を有
さない水酸基を含有する水性アクリル樹脂(A’1)を
得た。実施例1の(A1)と同様に、得られた(A’
1)についてゲル分率、アセトンに可溶な成分の数平均
分子量、水酸基価及び固形分を調べたところ、各々8重
量%、120,000、16.9mg/KOH及び40
重量%であった。 塗料の調製及び塗膜の評価 実施例1の(3)塗料の調製において使用した(A1)
の代わりに(A’1)を用いた以外は、実施例1と同様
にして比較例1の白色の塗料を得た。実施例1に記載し
た方法と同様にして、比較例1の塗膜を評価した。結果
を表1に示した。
【0079】比較例2 塗料の調製及び塗膜の評価 実施例1の(3)塗料の調製において使用した(A1)
の代わりに(A’1)及び(B1)の代わりに(B2)
を用いた以外は、実施例1と同様にして比較例2の白色
の塗料を得た。実施例1に記載した方法と同様にして、
比較例2の塗膜を評価した。結果を表1に示した。
【0080】比較例3 架橋構造を有さない水酸基を含有する水性ウレタン樹脂
(B’1)の合成 実施例1の(2)で得たウレタンプレポリマーを50℃
に冷却し、トリエチルアミン9gを加えた。その後、ジ
エタノールアミン3.8gを蒸留水300gに溶解した
水溶液を高速攪拌下にて加え、乳化を行った。乳化を確
認後、ピペラジン6水和物14gを蒸留水110gに溶
解した水溶液を加えて30℃において3時間攪拌して、
鎖長延長反応を行った後、減圧しつつ40℃において酢
酸エチルを回収し、目的とする架橋構造を有さない水酸
基を含有する水性ウレタン樹脂(B’1)を得た。実施
例1の(A1)と同様に、得られた(B’1)について
ゲル分率、アセトンに可溶な成分の数平均分子量、水酸
基価及び固形分を調べたところ、各々12重量%、13
0,000、14.2mg/KOH及び40重量%であ
った。 塗料の調製及び塗膜の評価 実施例1の(3)塗料の調製において使用した(B1)
の代わりに(B’1)を用いた以外は、実施例1と同様
にして比較例3の白色の塗料を得た。実施例1に記載し
た方法と同様にして、比較例3の塗膜を評価した。結果
を表1に示した。
【0081】比較例4 塗料の調製及び塗膜の評価 実施例1の(3)塗料の調製において使用した(A1)
の代わりに(A2)及び(B1)の代わりに(B’1)
を用いた以外は、実施例1と同様にして比較例4の白色
の塗料を得た。実施例1に記載した方法と同様にして、
比較例4の塗膜を評価した。結果を表1に示した。
【0082】
【表1】 組成の単位は、重量部である。
【0083】比較例5 塗料の調製及び塗膜の評価 実施例1の(3)塗料の調製において使用した(A1)
の代わりに(A’1)及び(B1)の代わりに(B’
1)を用いた以外は、実施例1と同様にして比較例5の
白色の塗料を得た。実施例1に記載した方法と同様にし
て、比較例5の塗膜を評価した。結果を表2に示した。
【0084】比較例6 塗料の調製及び塗膜の評価 実施例1の(3)塗料の調製において使用した(A1)
と(B1)の混合物100gの代わりに100gの(A
1)のみを使用した以外は、実施例1と同様にして比較
例6の白色の塗料を得た。実施例1に記載した方法と同
様にして、比較例6の塗膜を評価した。結果を表2に示
した。
【0085】比較例7 塗料の調製及び塗膜の評価 実施例1の(3)塗料の調製において使用した(A1)
と(B1)の混合物100gの代わりに100gの(B
1)のみを使用した以外は、実施例1と同様にして比較
例7の白色の塗料を得た。実施例1に記載した方法と同
様にして、比較例7の塗膜を評価した。結果を表2に示
した。
【0086】比較例8 塗料の調製及び塗膜の評価 実施例1の(3)塗料の調製において使用したイソシア
ネート化合物であるアクアネートAQ200(C1)を
使用しなかった以外は、実施例1と同様にして比較例8
の塗料を得た。実施例1に記載した方法と同様にして、
比較例8の塗膜を評価した。結果を表2に示した。
【0087】
【表2】 組成の単位は、重量部である。
【0088】
【発明の効果】本発明により、耐侯性、耐汚染性、耐水
性及び光沢ならびに造膜性及び柔軟性の特性が適度にバ
ランスよく優れ、皮膜の基材への密着性も十分に高い、
総合的特性に優れた水性塗料組成物を提供することがで
き、さらに、本発明によって、外装用、床用等の水性塗
料組成物、水性接着剤組成物を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C09J 175/04 C09J 175/04 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 75/04 C08G 18/00,18/62,18/64 C09D 175/04 C09J 175/04

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)架橋構造を有する水酸基含有水性ア
    クリル樹脂、 (B)架橋構造を有する水酸基含有水性ウレタン樹脂、
    及び (C)水に分散可能なポリイソシアネート組成物 の組み合わせから得られる水性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 (A)架橋構造を有する水酸基含有水性
    アクリル樹脂が、 (a1)水酸基を含有する1個の重合性不飽和結合を有
    する単量体:0.5〜40重量%、 (a2)水酸基を含有しない(メタ)アクリル酸エステ
    ル単量体:10〜99.4重量%、 (a3)重合性不飽和結合を有するシランカップリング
    剤及び/又は(a4)2個以上の重合性不飽和結合を有
    する単量体:0.1〜10重量%、及び (a5)その他の1個の重合性不飽和結合を有する単量
    体:0〜30重量%を含んで成る単量体混合物の共重合
    体である請求項1に記載の水性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 単量体混合物の共重合体が、重合性乳化
    剤を使用して得られる請求項2に記載の水性樹脂組成
    物。
  4. 【請求項4】 (B)架橋構造を有する水酸基含有水性
    ウレタン樹脂が、 (b4)〜(b7)の少なくとも1種、(b1)、(b
    2)および(b3)を反応して得られるウレタン樹脂で
    あって、単量体(b1)〜(b7)の総和を100重量
    %として、(b1)を20〜89重量%、(b2)を1
    0〜50重量%、(b3)を0.5〜10重量%及び
    ((b4)+(b5)+(b6)+(b7))を0.5
    〜20重量%を反応して得られるウレタン樹脂である請
    求項1〜3のいずれかに記載の水性樹脂組成物: 但し、 (b1)は、2個の水酸基を有する化合物、 (b2)は、2個のイソシアネート基を有する化合物、 (b3)は、水酸基を含有する一級及び/又は二級アミ
    ノ化合物、 (b4)は、活性水素を含有する官能基を有するシラン
    カップリング剤、 (b5)は、3個以上の一級及び/又は二級のアミノ基
    を有する化合物、 (b6)は、3個以上の一級及び/又は二級の水酸基を
    有する化合物、 (b7)は、3個以上のイソシアネート基を有する化合
    物である。
  5. 【請求項5】 単量体(b1)及び(b2)を反応して
    得られるウレタンプレポリマーに、(b3)並びに(b
    4)〜(b7)の少なくとも1種を反応して得られるウ
    レタン樹脂である請求項4に記載の水性樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 ウレタンプレポリマーに、ウレタン樹脂
    の骨格に親水性の官能基を導入する単量体を反応して得
    られるウレタン樹脂である請求項5に記載の水性樹脂組
    成物。
  7. 【請求項7】 (A)架橋構造を有する水酸基含有水性
    アクリル樹脂のゲル分率が40〜100重量%で、アセ
    トンに可溶な成分の数平均分子量が10万以上であり、
    (B)架橋構造を有する水酸基含有水性ウレタン樹脂の
    ゲル分率が40〜100重量%で、アセトンに可溶な成
    分の数平均分子量が10万以上である請求項1〜6のい
    ずれかに記載の水性樹脂組成物。
  8. 【請求項8】 (A)及び(B)の水酸基価が2〜20
    0mg/KOHである請求項1〜7のいずれかに記載の
    水性樹脂組成物。
  9. 【請求項9】 (C)のイソシアネート基含有率が5〜
    25重量%である請求項1〜8のいずれかに記載の水性
    樹脂組成物。
  10. 【請求項10】 (A)と(B)の重量比((A)/
    (B))が、3/97〜97/3であって、(A)と
    (B)の総和((A)+(B))と(C)の重量比
    ((A)+(B))/(C)が、100/1〜100/
    30である請求項1〜9のいずれかに記載の水性樹脂組
    成物。
  11. 【請求項11】 水性塗料組成物又は水性接着剤組成物
    として使用する請求項1〜10のいずれかに記載の水性
    樹脂組成物。
  12. 【請求項12】 請求項1〜11のいずれかに記載の
    (A)、(B)及び(C)の組み合わせから得られる水
    性樹脂組成物を得るための(A)及び(B)の組み合わ
    せ。
JP11073670A 1999-03-18 1999-03-18 水性樹脂組成物 Expired - Fee Related JP3068081B1 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11073670A JP3068081B1 (ja) 1999-03-18 1999-03-18 水性樹脂組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11073670A JP3068081B1 (ja) 1999-03-18 1999-03-18 水性樹脂組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP3068081B1 true JP3068081B1 (ja) 2000-07-24
JP2000265053A JP2000265053A (ja) 2000-09-26

Family

ID=13524919

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11073670A Expired - Fee Related JP3068081B1 (ja) 1999-03-18 1999-03-18 水性樹脂組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3068081B1 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7220338B2 (en) 2001-07-20 2007-05-22 Rohm And Haas Company Aqueous hybrid bonding composition and process
CN111989372A (zh) * 2018-04-20 2020-11-24 Dic株式会社 树脂组合物及合成皮革
CN116676032A (zh) * 2023-06-26 2023-09-01 厦门双瑞船舶涂料有限公司 一种快干辊涂型水性风电叶片面漆及其制备方法

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4520102B2 (ja) * 2003-03-28 2010-08-04 エスケー化研株式会社 水性塗料組成物
JP2005089666A (ja) * 2003-09-19 2005-04-07 Chuo Rika Kogyo Corp 水性粘着剤組成物
JP3770275B2 (ja) 2004-08-19 2006-04-26 大日本インキ化学工業株式会社 水性プライマー組成物、それを用いた下地処理方法および積層構造体
WO2018066218A1 (ja) * 2016-10-03 2018-04-12 Dic株式会社 セミipn型複合体の製造方法
CN109790372B (zh) * 2016-10-11 2022-03-11 Dic株式会社 水性树脂组合物、涂布剂和物品
CN107384290B (zh) * 2017-08-04 2020-03-20 合肥科天水性科技有限责任公司 一种水性复合实木多层地板贴底贴面胶水及其制备方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7220338B2 (en) 2001-07-20 2007-05-22 Rohm And Haas Company Aqueous hybrid bonding composition and process
CN111989372A (zh) * 2018-04-20 2020-11-24 Dic株式会社 树脂组合物及合成皮革
CN111989372B (zh) * 2018-04-20 2022-04-22 Dic株式会社 树脂组合物及合成皮革
CN116676032A (zh) * 2023-06-26 2023-09-01 厦门双瑞船舶涂料有限公司 一种快干辊涂型水性风电叶片面漆及其制备方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2000265053A (ja) 2000-09-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2848584B2 (ja) 水性樹脂組成物、その製造方法及び用途
JP2002518565A (ja) ポリマーの相互浸透性ネットワーク
JP7266045B2 (ja) 複合樹脂水性分散体及び複合樹脂水性分散体の製造方法
EP0458243A1 (en) Aqueous coating composition
JP2005272833A (ja) ポリウレタン樹脂水性分散体
JP4469479B2 (ja) 水性エマルジョン系樹脂組成物
JP3068081B1 (ja) 水性樹脂組成物
JPH10298491A (ja) 水性硬化型樹脂組成物および塗料、接着剤
JP2007308588A (ja) プラスチック基材用水性接着剤、それを用いた積層体及び偏光板
JP3972373B2 (ja) 水性印刷インキ組成物およびその製造方法
JPH11293191A (ja) 水性印刷インキ用ポリウレタン系エマルジョン及びそれを用いた水性印刷インキ
JPH072827B2 (ja) 高分子組成物、それを乳化剤として用いた水性分散体および水性塗料組成物
JP4118969B2 (ja) 2液型水性塗料組成物
JP4327475B2 (ja) 水系上塗り塗料組成物
JP4388684B2 (ja) 二液型水系上塗り塗料組成物
JPH10237138A (ja) 水性ウレタン複合樹脂の製造方法
US20020193507A1 (en) Polyurethane dispersion with high film hardness, process for preparing it, and its use
JP2742041B2 (ja) 複合水分散体の製法及び複合皮膜形成可能な水分散体
JPH06287259A (ja) 架橋ポリウレタン樹脂粒子の水性分散物の製造方法
JP4621935B2 (ja) 水性樹脂組成物
JP2882733B2 (ja) 水性被覆用組成物
JP2805002B2 (ja) 水性接着剤組成物
JP2006104315A (ja) 水性アクリル変性ウレタン樹脂およびその製造方法
JPH07138518A (ja) 顔料含有被覆組成物の製造方法
JPH10231452A (ja) アルカリ性無機硬化体の塗装保護方法

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090519

Year of fee payment: 9

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090519

Year of fee payment: 9

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100519

Year of fee payment: 10

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100519

Year of fee payment: 10

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100519

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110519

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120519

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120519

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130519

Year of fee payment: 13

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140519

Year of fee payment: 14

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees