JP2005089666A - 水性粘着剤組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】耐水性、耐熱性に優れた性能を有する水性粘着剤組成物、及びその水性粘着剤組成物を用いた粘着テープ、粘着ラベル又は粘着シートの提供。
【解決手段】炭素数が2〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルを含む(メタ)アクリル系単量体を反応性乳化剤の存在下で乳化重合して得られた(メタ)アクリル系樹脂、及びウレタン系樹脂を含み、上記(メタ)アクリル系樹脂100重量部当たりの、上記ウレタン系樹脂の含有量が2〜30重量部であり、かつ、組成物中の樹脂成分の合計量を100重量%としたときのTHF不溶分が80重量%以上である水性粘着剤組成物を用いる。
【選択図】なし
【解決手段】炭素数が2〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルを含む(メタ)アクリル系単量体を反応性乳化剤の存在下で乳化重合して得られた(メタ)アクリル系樹脂、及びウレタン系樹脂を含み、上記(メタ)アクリル系樹脂100重量部当たりの、上記ウレタン系樹脂の含有量が2〜30重量部であり、かつ、組成物中の樹脂成分の合計量を100重量%としたときのTHF不溶分が80重量%以上である水性粘着剤組成物を用いる。
【選択図】なし
Description
この発明は、水性粘着剤組成物に関する。
(メタ)アクリル酸エステル系粘着剤は、近年、多くの用途に使用されている。中でも、水性エマルジョンは、有機溶剤を使用しないため、環境への負荷も小さく、広く使用されている。
しかし、水性エマルジョンはその製造の際に、分散安定化のために乳化剤を使用する。そのため、粘着剤として塗工乾燥後も乳化剤が残留することになり、耐水性に問題があるという欠点が生じる。
また、このような粘着剤と基材とを積層することにより、粘着テープ等の粘着材料を得た場合、粘着剤中の残留乳化剤が粘着剤と基材との界面部分に移行することにより、粘着剤と基材との密着性が悪くなり、そのため、粘着剤を被着体に貼った後、再度剥す場合、接着剤が被着体に残ってしまう、いわゆる、糊残りなどが生じる。特に、水に浸漬した場合や多湿下の場合、水分と多く接触するため、糊残りがより生じやすい。
また、このような粘着剤と基材とを積層することにより、粘着テープ等の粘着材料を得た場合、粘着剤中の残留乳化剤が粘着剤と基材との界面部分に移行することにより、粘着剤と基材との密着性が悪くなり、そのため、粘着剤を被着体に貼った後、再度剥す場合、接着剤が被着体に残ってしまう、いわゆる、糊残りなどが生じる。特に、水に浸漬した場合や多湿下の場合、水分と多く接触するため、糊残りがより生じやすい。
前者の問題は、ポリオレフィン等の低極性の基材を用いた場合、(メタ)アクリル系粘着剤と密着性があまり良くないために特に顕著に表れる。
更に、粘着剤組成物の凝集力が低い場合、被着体に貼った後、加熱した場合に糊残りが生じることもある。
更に、粘着剤組成物の凝集力が低い場合、被着体に貼った後、加熱した場合に糊残りが生じることもある。
そこで、この発明は、従来技術の欠点を改良し、耐水性、耐熱性に優れた性能を有する水性粘着剤組成物、及びその水性粘着剤組成物を用いた粘着テープ、粘着ラベル又は粘着シートを提供することを目的とする。
この発明は、炭素数が2〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルの少なくとも1種を含む(メタ)アクリル系単量体を反応性乳化剤の存在下で乳化重合して得られた(メタ)アクリル系樹脂(A)、及びウレタン系樹脂(B)を含み、上記(メタ)アクリル系樹脂(A)100重量部当たりの、上記ウレタン樹脂(B)の含有量が2〜30重量部であり、かつ、かつ、組成物中の樹脂成分の合計量を100重量%としたときのTHF不溶分を80重量%以上とすることにより、上記の課題を解決したのである。
反応性乳化剤を用いるので、遊離乳化剤の量を少なくできる。また、所定の(メタ)アクリル樹脂とウレタン樹脂を用いるので、糊残りを防止でき、耐熱性や耐水性に優れた水性粘着剤組成物を得ることができる。
以下、この発明の実施形態を説明する。
この発明にかかる水性粘着剤組成物は、所定の(メタ)アクリル系樹脂(A)及びウレタン系樹脂(B)を含む。なお、この明細書において、「(メタ)アクリル」の表記は「アクリル又はメタクリル」を意味する。
この発明にかかる水性粘着剤組成物は、所定の(メタ)アクリル系樹脂(A)及びウレタン系樹脂(B)を含む。なお、この明細書において、「(メタ)アクリル」の表記は「アクリル又はメタクリル」を意味する。
上記(メタ)アクリル系樹脂(A)とは、炭素数が2〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル(a1)の少なくとも1種を含む(メタ)アクリル系単量体を反応性乳化剤の存在下で乳化重合して得られた樹脂である。
上記(メタ)アクリル系樹脂(A)は、上記(a1)成分を必須成分とする。これにより、得られる水性粘着性組成物の接着性を向上させることができる。また、この(a1)成分以外に、必要に応じて、カルボキシル基含有ラジカル重合性不飽和単量体(a2)、及び、(a1)成分及び(a2)の各不飽和単量体と共重合可能なラジカル重合性不飽和単量体(a3)を加えてもよい。
上記(a1)成分の具体例としては、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート等が挙げられ、これらは、2種以上組み合わせて使用してもよい。
上記(メタ)アクリル系樹脂(A)中の(a1)成分の含有割合は、60〜99重量%がよく、75〜95重量%が好ましい。(a1)成分の含有割合が余りにも低い場合は、十分な接着力が得られず、余りにも高い場合は、高温での十分な保持力が得られない。すなわち、(a1)成分は、得られる共重合体のTgを下げ且つ粘着性を付与する機能を有する。
上記(a2)成分の具体例としては、(メタ)アクリル酸等のα、β−不飽和カルボン酸、イタコン酸、マレイン酸、2−メチレングルタル酸等のα、β−不飽和ジカルボン酸等が挙げられる。これらは、2種以上組み合わせて使用してもよい。
上記(メタ)アクリル系樹脂(A)中の(a2)成分の含有割合は、0.5〜5重量%がよく、1〜4重量%が好ましい。(a2)成分の含有割合が余りにも低い場合は、接着力およびポリマーの凝集力が得られず、界面剥離しやすくなり、余りにも高い場合は粘着剤組成物の耐水性が低下する傾向がある。
上記(a3)成分の具体例としては、スチレン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル化合物、メチル(メタ)アクリレート等の(a1)成分以外のアルキル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等の末端にヒドロキシ基を含有する(メタ)アクリレート、酢酸ビニルプロピオン、酢酸ビニル等のビニルエステル、(メタ)アクリルアミド、N−アルキロール(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロニトリル、ハロゲン化ビニル等が挙げられる。また、上記の他、アリル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートの様な1分子内に2個以上のラジカル重合性二重結合を持つ架橋性単量体を使用することもできる。
上記(a3)成分は、得られる共重合体のTgを上げて凝集力を付与するのを目的とするので、メチルメタクリレート、(メタ)アクリルアミド、アクリロニトリル等の高Tgモノマー、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートや4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートの様に多官能イソシアネートの様な架橋剤と反応し得る官能基を有する単量体が好ましい。上記の各単量体は、2種以上組み合わせて使用してもよい。
上記(メタ)アクリル系樹脂(A)中の(a3)成分の含有割合は、0.1〜29重量%がよく、1〜20重量%が好ましい。(a3)成分の含有割合が余りにも低い場合は、ポリマーの凝集力が得られずに高温での保持力が低下し、余りにも高い場合は、接着力およびタックが低下する傾向がある。
上記(メタ)アクリル系樹脂(A)のガラス転移温度(Tg)は、−20℃以下が好ましく、−30℃以下がより好ましい。Tgが−20℃より高い場合は、常温および低温での接着力が低下する傾向がある。一方、Tgが余りにも低い場合は、低温時の接着性は優れるが高温時の保持力が低下するため、Tgの下限は−90℃が好ましく、−70℃がより好ましい。
なお、ここで述べるガラス転移温度(Tg)は、下記の式(1)により算出される値を意味する。また、例えば、ウレタンをシード粒子として複合化した(メタ)アクリル酸アルキルエステル系樹脂においては、(メタ)アクリル酸アルキルエステルポリマー部分についてのTgが上記の条件を満足すればよい。
1/Tg=Wa/Tga+Wb/Tgb+・・・・ (1)
なお、式中、Tgは共重合体のガラス転移温度(K)、Tga及びTgbは、それぞれ、単量体a及び単量体bのホモポリマーのガラス転移温度、Wa及びWbは、それぞれ、単量体a及び単量体bの重量分率を示す。
なお、式中、Tgは共重合体のガラス転移温度(K)、Tga及びTgbは、それぞれ、単量体a及び単量体bのホモポリマーのガラス転移温度、Wa及びWbは、それぞれ、単量体a及び単量体bの重量分率を示す。
上記反応性乳化剤としては、アルキルアリルスルホコハク酸ナトリウム(三洋化成(株)製:エレミノールJS−2、花王(株)製:ラテムルS−180等)、メタクリロイルオキシポリオキシアルキレン硫酸ナトリウム(三洋化成(株)製:エレミノールRS−30等)、ポリオキシエチレンアルキルアリルフェノールエーテル(第一工業製薬(株)製:アクアロンRN−20等)、ポリオキシエチレンアルキルアリルフェノールエーテル硫酸エステル塩(第一工業製薬(株)製:アクアロンHS−10、旭電化工業(株)製:アデカリアソープSE−10N等)等が挙げられる。これらの反応性乳化剤は、必要に応じ、複数のものを組み合わせて使用してもよい。
上記ウレタン系樹脂(B)とは、ウレタン結合を有する樹脂をいい、その種類としては、特に制限されないが、外部界面活性剤を使用せずに乳化(エマルジョン化)し得るアニオン性の自己乳化型ウレタン樹脂(水分散性ウレタン樹脂)が耐水性の点で好ましく、また、ガラス転移点が0℃以上の水分散性ウレタン樹脂が接着性の点で好ましい。
このような水分散性ウレタン樹脂は数多く市販されており、その具体例としては、ゼネカ社製の商品「NeoRez」シリーズ、旭電化社製の商品「アデカボンタイター」シリーズ、第一工業製薬社製の商品「スーパーフレックス」シリーズ等が挙げられる。
上記ウレタン系樹脂(B)の含有量は、上記(メタ)アクリル系樹脂(A)100重量部当たり、2〜30重量部がよく、5〜20重量部が好ましい。ウレタン系樹脂(B)の含有量が少なすぎると、初期接着力や基材への密着性が低下する傾向がある。一方、ウレタン系樹脂(B)の含有量が多すぎると、硬くなりすぎ、粘着性が不十分となりやすい。
この発明にかかる水性粘着剤組成物には、必要に応じて、硬化剤を添加することができる。この硬化剤を添加することにより、得られる水性粘着剤組成物の耐熱性や耐水性を向上させることができる。
上記硬化剤としては、エポキシ系化合物、イソシアネート系化合物、メラミン系化合物、キレート系化合物が挙げられるが、ポットライフの長さからエポキシ系化合物が好ましい。エポキシ系化合物の中でもエポキシ基を複数有する2官能以上のエポキシ化合物がより好ましい。
上記エポキシ系化合物の具体例としては、グリセリンモノ(ジ、トリ)グリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールモノ(ジ、トリ、テトラ)グリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル等が挙げられる。
上記イソシアネート系化合物としては、片末端水酸基のポリエチレンオキシドの付加反応などにより部分的に変性したイソシアネートのオリゴマーを水分散可能にしたものがあげられる。具体的には、日本ポリウレタン(株)製の「アクアネート100」、「アクアネート200」、住友バイエルウレタン(株)製の「SBUイソシアネート0772」等が挙げられる。
上記メラミン系化合物としては、トリメチロールメラミン等があげられ、また、上記キレート系化合物としては、酸化亜鉛等があげられる。
上記メラミン系化合物としては、トリメチロールメラミン等があげられ、また、上記キレート系化合物としては、酸化亜鉛等があげられる。
上記硬化剤の使用量は、この発明にかかる水性粘着剤組成物中の(メタ)アクリル系樹脂100重量部あたり、0.01〜5重量部がよく、0.1〜2重量部が好ましい。0.01重量部より少ないと、硬化剤を添加することによる耐熱性・耐水性の向上効果が十分得られないことがあり、一方、5重量部を超えて多く用いた場合は、接着剤が硬くなりすぎて被着体の密着性、保持力が低下し、またポットライフが短くなる傾向がある。
この発明にかかる水性接着剤組成物には、上記以外に、上記(メタ)アクリル系樹脂(A)の重量平均分子量を調整する目的として、重合時にアルキルメルカプタン等を分子量調整剤として添加することも可能である。さらに、本発明の組成物には、その目的とする用途に応じ、浸透剤、造膜助剤、消泡剤、防錆剤、増粘剤、防腐剤、紫外線吸収剤、光安定剤、顔料、シリカ等の無機充填剤などを配合することも可能である。
次に、この発明の水性粘着剤組成物の製造方法について説明する。
この発明において、水性エマルジョン化は公知の方法に従って行うことができる。しかしながら、(メタ)アクリル系樹脂(A)として、上記の(a1)成分〜(a3)成分から成る共重合体を使用する場合、以下に述べる方法に従い、上記(メタ)アクリル系樹脂(A)を含有する水性エマルジョンを調製した後、この水性エマルジョンに残余の成分を配合する方法が好適に採用される。
この発明において、水性エマルジョン化は公知の方法に従って行うことができる。しかしながら、(メタ)アクリル系樹脂(A)として、上記の(a1)成分〜(a3)成分から成る共重合体を使用する場合、以下に述べる方法に従い、上記(メタ)アクリル系樹脂(A)を含有する水性エマルジョンを調製した後、この水性エマルジョンに残余の成分を配合する方法が好適に採用される。
上記の(メタ)アクリル系樹脂(A)を含有する水性エマルジョンの調製方法としては、水性媒体中で反応性乳化剤及び、必要に応じて保護コロイドの存在下に乳化重合する方法が用いられる。乳化重合は、常法に従って行われるが、その際、通常、重合開始剤が使用される。また、必要に応じて、上記反応性乳化剤以外の界面活性剤を併用してもよい。
上記重合開始剤としては、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩、過酸化水素、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、t−ブチルパーオキシピバレート等の過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ系開始剤が使用される。また、上記の重合開始剤にアスコルビン酸やロンガリット等の還元剤を組み合わせたレドックス型開始剤も使用することができる。更に、これらの開始剤は、必要に応じ、複数の開始剤を組み合わせて使用してもよい。開始剤の使用量は、重合性単量体100重量部に対し、通常0.01〜5重量部、好ましくは0.1〜2重量部である。
反応乳化剤は、前述のものを用いればよい。また、本発明の作用・効果を阻害しない範囲で、他の反応性を有さない界面活性剤を使用してもよい。このような界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、高級アルコール硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルスルホン酸塩などの陰イオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル等の非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤が挙げられる。
上記保護コロイドとして、ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース等の水溶性高分子化合物を添加して重合することも可能である。反応性乳化剤を含む界面活性剤または保護コロイドの使用量は、使用するラジカル重合性不飽和化合物100重量部に対し、通常0.1〜10重量部、好ましくは1〜5重量部である。
乳化重合の反応条件は特に制限はないが、反応温度は、通常40〜95℃、好ましくは50〜70℃、反応時間は、通常1〜12時間、好ましくは2〜8時間である。
上記の方法で得られる水性粘着剤組成物中の樹脂成分の合計量を100重量%としたときのTHF不溶分は、80重量%以上であることが必要で、92重量%以上が好ましい。80重量%以下だと凝集力が低く、加熱後の糊残りが生じやすい。
なお、ここでいう樹脂成分とは、下記の測定方法で「皮膜」に相当するものであるが、通常、上記(A)成分、(B)成分、及び必要に応じて加えられる(C)成分の合計量を意味する。
なお、ここでいう樹脂成分とは、下記の測定方法で「皮膜」に相当するものであるが、通常、上記(A)成分、(B)成分、及び必要に応じて加えられる(C)成分の合計量を意味する。
ところで、上記THF不溶分を80重量%以上にコントロールする方法としては、上記の重合反応温度を82℃以下にする方法、重合性ビニル基を2つ以上有する多官能性モノマーを用いて共重合する方法、配合時に上記硬化剤を添加する方法等があげられる。
なお、THF不溶分は、上記の方法で得られる水性粘着剤組成物を50℃雰囲気下3日乾燥させて作製した皮膜を3g取り、それをTHF(テトラヒドロフラン)に24時間浸漬し、その後、皮膜のTHF不溶解分を濾過等によって取り出し、100℃雰囲気下で3時間、乾燥し、重量を測定し、下記の式(2)に当てはめることにより、製造することができる。
THF不溶分(重量%)=(THF不溶解分(乾燥後)重量(g)/3(g))×100 (2)
THF不溶分(重量%)=(THF不溶解分(乾燥後)重量(g)/3(g))×100 (2)
この発明で得られる水性粘着剤組成物を基材上に層状に設けることにより、粘着テープ、粘着ラベル、粘着シートとすることができる。上記の基材としては、紙やプラスチックフィルム等を使用することができる。その厚さは、特に限定されないが、10〜1000μmが好ましく、30〜100μmがより好ましい。基材の厚さが余りに薄い場合は、強度に欠けると共に塗工時の作業性などが悪化し、余りに厚い場合は柔軟性に欠ける。上記のプラスチックフィルムの構成材料としては、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、塩化ビニル樹脂などが挙げられる。
上記水性粘着剤組成物層の厚さは、通常5〜200μm、好ましくは10〜50μmである。粘着剤層の厚さが余りに薄い場合は、十分な接着力が得られず、余りに厚い場合は、塗工・乾燥工程上好ましくない。塗工手段としては、バーコーター、ナイフコーター等の既存の塗工手段が採用される。そして、直接的に水性粘着剤組成物を塗工して乾燥する直接法、離型紙上に水性粘着剤組成物を塗工・乾燥した後に支持体上に転写する転写法の何れを採用してもよい。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。まず、評価方法及び原材料について説明する。
<評価方法>
[被着体貼り付け]
23℃、65%RHの条件下で25mm巾に裁断された試験片を荷重2kgのローラーを1往復させて被着体(ステンレス製)に圧着する。
[被着体貼り付け]
23℃、65%RHの条件下で25mm巾に裁断された試験片を荷重2kgのローラーを1往復させて被着体(ステンレス製)に圧着する。
[加熱後試験]
試験片を被着体に貼り付けた後、60℃雰囲気下に24時間放置した後、剥離して、被着体への糊残りを下記の基準で判定した。(%は貼り付け面積に対する糊残りした部分の割合。)
◎ :糊残りなし。
○ :糊残り5%以下
△ :糊残り5〜50%
× :糊残り50〜100%
試験片を被着体に貼り付けた後、60℃雰囲気下に24時間放置した後、剥離して、被着体への糊残りを下記の基準で判定した。(%は貼り付け面積に対する糊残りした部分の割合。)
◎ :糊残りなし。
○ :糊残り5%以下
△ :糊残り5〜50%
× :糊残り50〜100%
[耐水性試験]
試験片を被着体に貼り付けた後、23℃雰囲気下にて、蒸留水に24時間浸漬した後、剥離して、被着体への糊残りを下記の基準で判定した。(%は貼り付け面積に対する糊残りした部分の割合。)
◎ :糊残りなし。
○ :糊残り5%以下
△ :糊残り5〜50%
× :糊残り50〜100%
試験片を被着体に貼り付けた後、23℃雰囲気下にて、蒸留水に24時間浸漬した後、剥離して、被着体への糊残りを下記の基準で判定した。(%は貼り付け面積に対する糊残りした部分の割合。)
◎ :糊残りなし。
○ :糊残り5%以下
△ :糊残り5〜50%
× :糊残り50〜100%
[THF不溶分測定]
得られた水性粘着剤組成物を50℃雰囲気下3日乾燥させて作製した皮膜を3g取り、それをTHFに24時間浸漬した。その後、皮膜のTHF不溶解分を濾過して取り出して、100℃雰囲気下で3時間、乾燥し、重量を測定し、下記の式からTHF不溶分を測定した。
THF不溶分(重量%)=(THF不溶解分(乾燥後)重量(g)/3(g))×100
得られた水性粘着剤組成物を50℃雰囲気下3日乾燥させて作製した皮膜を3g取り、それをTHFに24時間浸漬した。その後、皮膜のTHF不溶解分を濾過して取り出して、100℃雰囲気下で3時間、乾燥し、重量を測定し、下記の式からTHF不溶分を測定した。
THF不溶分(重量%)=(THF不溶解分(乾燥後)重量(g)/3(g))×100
<原材料>
[モノマー]
・2−エチルヘキシルアクリレート(以下、「2EHA」と略する。)
・ブチルアクリレート(以下、「BA」と略する。)
・メチルメタクリレート(以下、「MMA」と略する。)
・アクリル酸(以下、「AA」と略する。)
[モノマー]
・2−エチルヘキシルアクリレート(以下、「2EHA」と略する。)
・ブチルアクリレート(以下、「BA」と略する。)
・メチルメタクリレート(以下、「MMA」と略する。)
・アクリル酸(以下、「AA」と略する。)
[ウレタン樹脂]
・ウレタン樹脂エマルジョン…ゼネカ社製:R9617(以下、「R9617」と略する。)
・ウレタン樹脂エマルジョン…旭電化(株)製:HUX401(以下、「HUX401」と略する。)
・ウレタン樹脂エマルジョン…第一工業製薬(株)製:SF750(以下、「SF750」と略する。)
・ウレタン樹脂エマルジョン…ゼネカ社製:R9617(以下、「R9617」と略する。)
・ウレタン樹脂エマルジョン…旭電化(株)製:HUX401(以下、「HUX401」と略する。)
・ウレタン樹脂エマルジョン…第一工業製薬(株)製:SF750(以下、「SF750」と略する。)
[界面活性剤]
・アニオン性反応性乳化剤…第一工業製薬製:HS−10(以下、「HS−10」と略する。)
・ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル系乳化剤…三洋化成工業(株)製:ES−70(以下、「ES−70」と略する。)
・アニオン性反応性乳化剤…第一工業製薬製:HS−10(以下、「HS−10」と略する。)
・ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル系乳化剤…三洋化成工業(株)製:ES−70(以下、「ES−70」と略する。)
[硬化剤]
・エポキシ系硬化剤…ナガセケムテックス(株)製:EX−614B(以下、「EX−614B」と略する。)
[その他]
・エチレン−酢酸ビニルエマルジョン…住友化学(株)製:S920(以下、「S920」と略する。)
・エポキシ系硬化剤…ナガセケムテックス(株)製:EX−614B(以下、「EX−614B」と略する。)
[その他]
・エチレン−酢酸ビニルエマルジョン…住友化学(株)製:S920(以下、「S920」と略する。)
(実験例1〜6、比較例1〜4)
[アクリル系樹脂の水性エマルジョンの調製]
攪拌機、還流冷却器、温度計、滴下漏斗を備えた反応容器に、表1に示す水分散性のウレタン樹脂、界面活性剤等を表1に示す量ずつ入れ、次いで、水40重量部を入れ、窒素雰囲気下で60℃に加熱した後、反応容器内にアゾイソビスブチロニトリル0.3重量部を添加した。
一方、表1に示す各モノマー及び界面活性剤を表1に示す量ずつ混合し、次いで、水50重量部を混合した混合液を、ホモミキサーにて機械乳化して、プレエマルジョンを調製した。
次いで、上記プレエマルジョンを、上記反応容器に4時間かけて滴下した。この間、反応温度は60℃を保持した(但し、比較例3では85℃とした。)。プレエマルジョン滴下後、t−ブチルハイドロパーオキサイド0.3部を添加し、更に80℃(但し、比較例3では90℃とした。)で2時間反応させた後に冷却し、乳白色の水性エマルジョンを得た。
[アクリル系樹脂の水性エマルジョンの調製]
攪拌機、還流冷却器、温度計、滴下漏斗を備えた反応容器に、表1に示す水分散性のウレタン樹脂、界面活性剤等を表1に示す量ずつ入れ、次いで、水40重量部を入れ、窒素雰囲気下で60℃に加熱した後、反応容器内にアゾイソビスブチロニトリル0.3重量部を添加した。
一方、表1に示す各モノマー及び界面活性剤を表1に示す量ずつ混合し、次いで、水50重量部を混合した混合液を、ホモミキサーにて機械乳化して、プレエマルジョンを調製した。
次いで、上記プレエマルジョンを、上記反応容器に4時間かけて滴下した。この間、反応温度は60℃を保持した(但し、比較例3では85℃とした。)。プレエマルジョン滴下後、t−ブチルハイドロパーオキサイド0.3部を添加し、更に80℃(但し、比較例3では90℃とした。)で2時間反応させた後に冷却し、乳白色の水性エマルジョンを得た。
得られた水性エマルジョンを50μmのアプリケーターにてポリオレフィンフィルム(厚み50μm)に塗布し、80℃にて3分間乾燥した。その後、離型性フィルムをシート上に被せ、23℃、65%RHにて24時間養生したものを試験片とし、上記の各評価に供した(但し、評価時には離型性フィルムを取り除いた。)。その結果を表1に示す。
Claims (3)
- 炭素数が2〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルの少なくとも1種を含む(メタ)アクリル系単量体を反応性乳化剤の存在下で乳化重合して得られた(メタ)アクリル系樹脂(A)、及びウレタン系樹脂(B)を含み、
上記(メタ)アクリル系樹脂(A)100重量部当たりの、上記ウレタン系樹脂(B)の含有量が2〜30重量部であり、かつ、組成物中の樹脂成分の合計量を100重量%としたときのTHF不溶分が80重量%以上である水性粘着剤組成物。 - 上記(メタ)アクリル系樹脂(A)100重量部当たり、硬化剤を0.01〜5重量部含有する請求項1に記載の水性粘着剤組成物。
- 支持体上に設けることにより、粘着テープ又は粘着ラベルあるいは粘着シートを構成する請求項1又は2に記載の水性粘着剤組成物。
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