JP2003012760A - 両性ウレタン樹脂の製造方法、その製造方法で得られる両性ウレタン樹脂及び樹脂組成物 - Google Patents
両性ウレタン樹脂の製造方法、その製造方法で得られる両性ウレタン樹脂及び樹脂組成物Info
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Abstract
レタン樹脂の経時安定性から選択される一種が向上され
る両性ウレタン樹脂の製造方法を提供する。 【解決手段】 (A)ポリオール、(B)ポリイソシア
ネート、(C)ポリシロキサン化合物(シロキサン鎖の
両末端もしくは片末端に、水酸基、第一級アミノ基及び
第二級アミノ基のいずれかを含むものを除く)、(D)
水酸基、第一級アミノ基及び第二級アミノ基のいずれか
と、カルボキシル基を含む化合物、並びに(E)水酸
基、第一級アミノ基及び第二級アミノ基のいずれかと、
第三級アミノ基を含む化合物を用いる両性ウレタン樹脂
の製造方法であって、(A)、(B)及び(D)をイソ
シアネート基過剰で反応させてイソシアネート基含有プ
レポリマーを作る工程、並びに該プレポリマーを(E)
と反応させる工程を含む製造方法であって、両方の工程
の少なくとも一方に(C)を存在させる製造方法。
Description
の製造方法、その製造方法によって得られる両性ウレタ
ン樹脂、並びにその両性ウレタン樹脂を含む樹脂組成物
に関する。特には、化粧品用途に用いられる樹脂組成
物、それに使用される両性ウレタン樹脂の製造方法、並
びにその製造方法によって得られる両性ウレタン樹脂に
関する。
び耐磨耗性に優れた樹脂であり、従来から、建築用塗
料、木材用塗料、及び自動車用塗料のベース等として幅
広く使用されている。更に、ポリウレタン樹脂は、化粧
品の原料としても検討されており、特に、整髪剤の原料
として有用であることが提案されている。特開平6―3
21741号公報は、アニオン性ウレタン樹脂を用いる
と、毛髪のセット性、毛髪の風合い及び毛髪の耐フレー
キング性に優れる整髪剤を得ることができることを開示
している。しかし、アニオン性ウレタン樹脂は大きな表
面摩擦抵抗を有するので、アニオン性ウレタン樹脂を使
用した整髪剤を用いると、毛髪の手触り感、毛髪の艶及
び毛髪の洗髪性等に劣るという問題が有る。
て、特開平11−228363号公報は、一分子中にカ
ルボキシル基と第三級アミノ基の両者を有する両性ウレ
タン樹脂含む化粧品用樹脂組成物を開示している。この
両性ウレタン樹脂を含む化粧品用樹脂組成物を使用した
整髪剤は、アニオン性ウレタン樹脂を含む整髪剤と比較
して、毛髪の風合い、毛髪の洗髪性に優れているが、よ
り厳しい基準で評価した場合、毛髪の艶、毛髪の手触り
感及び整髪剤を毛髪へ塗布する際の整髪剤の広がり等に
不充分であり、さらなる性能の向上が望まれている。こ
れらの問題は、いずれも、両性ウレタン樹脂の表面の摩
擦係数が大きいことから生じているものと考えられる。
粧品用樹脂組成物に含まれる両性ウレタン樹脂の性質を
改良することで問題を解決するために、シロキサン鎖の
両末端又は片末端に、活性水素を含む官能基を有するポ
リシロキサン化合物を用いて、ポリシロキサン鎖を両性
ウレタン樹脂の骨格に導入する方法を開示している。一
方、特開2001−48735号公報は、両性ウレタン
樹脂の水性液に、後ほどポリシロキサン化合物を加える
方法を提案している。
素を含む官能基を有するポリシロキサン化合物を用い
て、ポリシロキサン鎖を骨格に導入した両性ウレタン樹
脂(以下、「タイプ1の両性ウレタン樹脂」ともい
う。)を含む化粧品用樹脂組成物を使用した整髪剤を用
いると、毛髪のセット性は優れる。しかし、タイプ1の
両性ウレタン樹脂を含む化粧品用樹脂組成物を使用した
整髪剤を用いると、整髪剤の広がりは不十分である。
どポリシロキサン化合物を加えることで、改良した両性
ウレタン樹脂(以下、「タイプ2の両性ウレタン樹脂」
ともいう。)を含む化粧品用樹脂組成物を使用した整髪
剤を用いると、整髪剤の広がりは良好となる。しかし、
タイプ2の両性ウレタン樹脂には、後ほど加えたポリシ
ロキサン化合物が両性ウレタン樹脂から分離することが
あり得、タイプ2の両性ウレタン樹脂を使用した化粧品
の経時安定性が不充分であるという問題がある。
を解決するためになされたもので、その課題は、従来の
両性ウレタン樹脂と比較して、両性ウレタン樹脂を使用
した塗料、コーティング剤及び化粧品の性能(例えば、
整髪剤の場合、毛髪のセット性、毛髪の風合い、毛髪の
洗髪性、毛髪の手触り感及び整髪剤の塗布時の広がり等
の性能)、並びに両性ウレタン樹脂の経時安定性から選
択される少なくとも一種が向上された両性ウレタン樹脂
の製造方法、その製造方法を用いて得られる両性ウレタ
ン樹脂、並びにその両性ウレタン樹脂を含む樹脂組成物
を提供することである。
めに、本発明者は、鋭意検討を重ねた結果、ポリシロキ
サン化合物を特定の化合物に限定するとともに、両性ウ
レタン樹脂を製造する際にこの特定のポリシロキサン化
合物を加える時期を限定することで、得られる両性ウレ
タン樹脂の性能に差異があることを見い出し、本発明を
完成させるに至ったものである。
ン樹脂の新たな製造方法が提供され、それは、(A)ポ
リオール化合物(以下、「化合物(A)」ともい
う。)、(B)ポリイソシアネート化合物(以下、「化
合物(B)」ともいう。)、(C)ポリシロキサン化合
物(シロキサン鎖の両末端もしくは片末端に、水酸基、
第一級アミノ基及び第二級アミノ基から選択される少な
くとも1種を有するものを除く)(以下、「化合物
(C)」ともいう。)、(D)水酸基、第一級アミノ基
及び第二級アミノ基から選択される少なくとも1種と、
カルボキシル基とを有する化合物(以下、「化合物
(D)」ともいう。)、並びに(E)水酸基、第一級ア
ミノ基及び第二級アミノ基から選択される少なくとも1
種と、第三級アミノ基とを有する化合物(以下、「化合
物(E)」ともいう。)を使用する両性ウレタン樹脂の
製造方法であって、化合物(A)、(B)及び(D)
を、イソシアネート基過剰の条件にて反応させてイソシ
アネート基含有プレポリマーを製造する第一工程、並び
に該イソシアネート基含有プレポリマーを、化合物
(E)と反応させる第二工程、を含んで成る製造方法で
あって、第一工程及び第二工程の少なくとも一方におい
て、化合物(C)を存在させることを特徴とする両性ウ
レタン樹脂の製造方法である。
レタン樹脂の別の製造方法が提供され、それは、化合物
(A)〜(E)を使用する両性ウレタン樹脂の製造方法
であって、化合物(A)、(B)及び(E)を、イソシ
アネート基過剰の条件にて反応させてイソシアネート基
含有プレポリマーを製造する第一工程、並びにイソシア
ネート基含有プレポリマーを、化合物(D)と反応させ
る第二工程を含んで成る製造方法であって、第一工程及
び第二工程の少なくとも一方において、化合物(C)を
存在させることを特徴とする両性ウレタン樹脂の製造方
法である。従って、本発明に係る製造方法においては、
化合物(D)と化合物(E)の反応させる順序を、入れ
替えることができる。
(C)を、第一工程及び第二工程の少なくとも一方にお
いて、存在させることを一つの特徴としている。ここ
で、化合物(C)は、第一工程及び第二工程のいずれの
時期に存在させてもよく、化合物(C)を反応の初期か
ら必ずしも存在させる必要はない。更に、化合物(C)
は、第二工程の反応生成物を水と混合するまでに、存在
させればよい。従って、本明細書において「第一工程」
とは、第一工程の反応開始から第二工程の反応開始まで
をいい、「第二工程」とは、第二工程の反応開始から引
き続き行われる工程(より具体的には後述する第二工程
の反応生成物を水と混合する)までをいう。
一工程及び第二工程のいずれかにおいて「存在」させる
ことを特徴とする。この「存在」とは、化合物(C)が
反応系内に存在することを意味し、積極的に化合物
(C)を反応させることを意図するものではないが、そ
の一部分が結果的に不可避的に反応してもよい。即ち、
本発明の製造方法は、両性ウレタン樹脂の骨格によって
化合物(C)を「拘束させる」こと又は両性ウレタン樹
脂の骨格に化合物(C)を「絡ませる」ことを意図する
ものであり、両性ウレタン樹脂の骨格に、積極的に化合
物(C)を化学的に結合させることを意図するものでは
ない。しかし、両性ウレタン樹脂の骨格の一部分を、結
果的に化合物(C)が形成してもよく、目的とする両性
ウレタン樹脂を得られる限り、本発明の製造方法に含ま
れる。従って、本発明に係る「両性ウレタン樹脂」と
は、両性ウレタン樹脂の骨格に、化合物(C)が「拘束
された」もの及び/又は「絡まった」ものを意味する
が、結果として両性ウレタン樹脂の骨格の一部分が、化
合物(C)に由来するものであってもよい。このような
本発明の意図するところは、後ほど詳細に説明する。
レタン樹脂の新たな製造方法が提供され、それは、化合
物(A)〜(E)、並びに(F)水酸基、第一級アミノ
基及び第二級アミノ基から選択される少なくとも1種
と、下記一般式(11)で示される構造単位とを有する
化合物
整数、qは、0〜400の整数を表し、一般式(11)
で示される構造単位がC2H4OとC3H6Oの共重合
体(q≠0)の場合、ランダム共重合体であっても、ブ
ロック共重合体であってもよい。](以下、「化合物
(F)」ともいう。)を使用する両性ウレタン樹脂の製
造方法であって、化合物(A)、(B)、(D)及び
(F)を、イソシアネート基過剰の条件にて反応させて
イソシアネート基含有プレポリマーを製造する第一工
程、並びに該イソシアネート基含有プレポリマーを、化
合物(E)と反応させる第二工程を含んで成る製造方法
であって、第一工程及び第二工程の少なくとも一方にお
いて、化合物(C)を存在させることを特徴とする両性
ウレタン樹脂の製造方法である。
化合物(A)〜(F)を使用する両性ウレタン樹脂の製
造方法であって、化合物(A)、(B)、(E)及び
(F)を、イソシアネート基過剰の条件にて反応させて
イソシアネート基含有プレポリマーを製造する第一工
程、並びに該イソシアネート基含有プレポリマーを、化
合物(D)と反応させる第二工程を含んで成る製造方法
であって、第一工程及び第二工程の少なくとも一方にお
いて、化合物(C)を存在させることを特徴とする両性
ウレタン樹脂の製造方法を提供する。本発明の製造方法
においては、ここでも化合物(D)と化合物(E)の反
応させる順序を、入れ替えることができる。また、「存
在」、「第一工程」及び「第二工程」とは、上述した通
りである。
に、第二工程の反応生成物を水と混合して鎖長延長反応
を行う製造方法を提供する。更に、本発明に係る製造方
法は、第二工程の後に、第二工程の反応生成物を塩基性
の水と混合して鎖長延長反応を行う、又は第二工程の反
応性生成物に塩基性化合物を添加した後水と混合して鎖
長延長反応を行う製造方法を提供する。
得られる両性ウレタン樹脂を提供し、その両性ウレタン
樹脂の水性液、更にそのような両性ウレタン樹脂を含む
樹脂組成物を提供する。この樹脂組成物は、建築用塗
料、木材用塗料及び自動車用塗料等の塗料、コーティン
グ剤及び化粧品用等として使用できるが、特に、化粧品
用樹脂組成物として有用である。
ール化合物」とは、一般にウレタン樹脂の製造に使用さ
れるものであり、特に限定されるものではない。そのよ
うな化合物(A)として、例えば、ポリエステルポリオ
ール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリ
オール、ポリブタジエンポリオール、ポリイソプレンポ
リオール、ポリオレフィンポリオール、ポリアクリル酸
エステル系ポリオール等を例示できる。化合物(A)と
して、ポリエステルポリオール及びポリエーテルポリオ
ールが特に好ましい。
ば、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、
アゼライン酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸及びテ
レフタル酸等のジカルボン酸の少なくとも1種と、エチ
レングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタ
ンジオール、1,3−ブタンジオール、1,6−ヘキサ
ンジオール、ネオペンチルグリコール、1,8−オクタ
ンジオール、1,10−デカンジオール、ジエチレング
リコール、スピログリコール及びトリメチロールプロパ
ン等の多価アルコールの少なくとも1種とを縮重合させ
て得られるポリエステルポリオール、並びにラクトン類
の開環重合により得られるポリエステルポリオール等を
例示できる。
び上述のポリエステルポリオールの合成に使用する多価
アルコールの他、ビスフェノールA等のフェノール類及
びその水素化物、並びに第一級アミン類もしくは第二級
アミン類にエチレンオキサイド、プロピレンオキサイ
ド、オキセタン及びテトラヒドロフラン等の環状エーテ
ルを開環付加重合させて得られるポリエーテルポリオー
ルを使用できる。更に、ポリオキシプロピレンポリオー
ル、ポリオキシテトラメチレンポリオール、並びにビス
フェノールAにプロピレンオキサイドもしくはエチレン
オキサイドの少なくとも一方を開環付加重合させたポリ
エーテルポリオール(共重合体の場合は、ブロック共重
合体及びランダム共重合体のいずれでもよい。)等を例
示できる。
クロヘキサンジメタノール、エチレングリコール、プロ
ピレングリコール、イソプロピレングリコール、1,4
−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、ブチレン
グリコール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチル
グリコール、1,8−オクタンジオール、1,10−デ
カンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレング
リコール、スピログリコール、トリメチロールプロパ
ン、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン等の低
分子ポリオール化合物を例示できる。化合物(A)とし
て、1,4−シクロヘキサンジメタノールが好ましい。
化合物(A)は、単独で又は組み合わせて使用できる。
で後述する化合物(F)と重複する場合、その化合物
は、化合物(F)に含まれ、化合物(A)には含まれな
い。更に、本明細書において、化合物(A)の中で後述
する化合物(D)と重複する場合、その化合物は、化合
物(D)に含まれ、化合物(A)には含まれない。ま
た、本明細書において、化合物(A)の中で後述する化
合物(E)と重複する場合、その化合物は、化合物
(E)に含まれ、化合物(A)には含まれない。
は、一般にウレタン樹脂の製造に使用されるものであれ
ば特に限定されるものではない。そのような化合物
(B)として、例えば、脂肪族ジイソシアネート化合
物、脂環式ジイソシアネート化合物及び芳香族ジイソシ
アネート化合物等の有機ジイソシアネート化合物を例示
できる。
て、例えば、エチレンジイソシアネート、2,2,4−
トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート及び1,6
−ヘキサメチレンジイソシアネート等を例示できる。
「脂環式ジイソシアネート化合物」として、例えば、水
素添加4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、
1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチルシク
ロヘキシレンジイソシアネート、イソホロンジイソシア
ネート及びノルボルナンジイソシアネート等を例示でき
る。「芳香族ジイソシアネート化合物」として、例え
ば、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、キ
シリレンジイソシアネート、トルエンジイソシアネー
ト、ナフタレンジイソシアネート等を例示できる。耐候
性に優れ、低価格であることから、1,6−ヘキサメチ
レンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート及
びノルボルナンジイソシアネートが好ましい。化合物
(B)は、単独でもしくは組み合わせて使用できる。
ン鎖の両末端もしくは片末端に、水酸基、第一級アミノ
基及び第二級アミノ基から選択される少なくとも1種を
有するものを除く)」とは、いわゆるポリシロキサン化
合物であって、そのシロキサン鎖の末端の両方もしくは
片方に、水酸基(−OH)、第一級アミノ基(−N
H 2)及び第二級アミノ基(−NH−)から選択される
少なくとも1種を有する化合物でないものであって、目
的とする両性ウレタン樹脂を得ることができる化合物で
あれば、特に、制限されるものではない。
(もしくはシロキサン鎖の中央部)に、水酸基、第一級
アミノ基及び第二級アミノ基から選択される少なくとも
一種を有するポリシロキサン化合物、並びに水酸基、第
一級アミノ基及び第二級アミノ基から選択される少なく
とも一種を全く有さないポリシロキサン化合物は、化合
物(C)に含まれる。
ルシロキサン、ポリエーテル変性シリコーン、環状シリ
コーン、フェニル変性シリコーン、アルキル変性シリコ
ーン及びアルコキシ変性シリコーンから選択される少な
くとも1種を例示できる。
ば、下記一般式(21)で示される化合物を例示でき
る。
る。] 式(21)において、nは1〜100の整数が好まし
く、1〜50の整数がより好ましく、3〜30の整数が
特に好ましい。
東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製のSH20
0シリーズ(商品名)及び信越化学工業(株)製のKF
96シリーズ(商品名)等を例示できる。
例えば、下記一般式(22)で示される化合物を例示で
きる。
り、nは1以上の整数であり、R21は、下記式(22
−2)で示される基である。]
または炭素数1〜10の炭化水素基であり、aは1〜1
0の整数であり、bは1〜300の整数であり、cは0
〜300の整数である。]
が好ましく、1〜100の整数がより好ましく、1〜5
0の整数が特に好ましい。nは1〜300の整数が好ま
しく、1〜100の整数がより好ましく、1〜50の整
数が特に好ましい。更に、式(22−2)において、a
は1〜5の整数が好ましく、2〜4の整数が特に好まし
い。bは2〜50の整数が好ましく、2〜40の整数が
より好ましく、2〜30の整数が特に好ましい。cは0
〜50の整数が好ましく、0〜40の整数がより好まし
く、0〜30の整数が特に好ましい。
て、mが1〜300の整数であり、nが1〜300の整
数であり、R21は式(22−2)で示される基であっ
て、aが1〜5の整数であり、bが2〜50の整数であ
り、cが0〜50の整数である化合物が好ましい。化合
物(C)として、式(22)において、mが1〜100
の整数であり、nが1〜100の整数であり、R21は
式(22−2)で示される基であって、aが2〜4の整
数であり、bが2〜40の整数であり、cが0〜40の
整数である化合物がより好ましい。化合物(C)とし
て、式(22)において、mが1〜50の整数であり、
nが1〜50の整数であり、R21は式(22−2)で
示される基であって、aが2〜4の整数であり、bが2
〜30の整数であり、cが0〜30の整数である化合物
が特に好ましい。
ば、東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製のSH
3746、SH3771C、SH3772C、SH37
73C、SH3775C、SH3748、SH374
9、SH3771M、SH3772M、SH3773M
及びSH3775M(商品名)、並びに信越化学工業
(株)製のKF351A、KF353A、KF945
A、KF352A、KF615A、KF6011、KF
6012、KF6013、KF6015、KF6016
及びKF6017(商品名)等を例示できる。
ば、下記一般式(23)で示される化合物を例示でき
る。
素数1〜12の炭化水素基(例えば、直鎖状または分岐
状の炭素数1〜12の飽和炭化水素基)、−OSi(C
H3)3またはフェニル基を示し、互いに同一であって
も異なってもよい。但し、R25及びR26の少なくと
も1つは、フェニル基である。mは0以上の整数であ
り、nは1以上の整数である。]
数が好ましく、0〜100の整数がより好ましく、0〜
50の整数が特に好ましい。nは1〜500の整数が好
ましく、1〜100の整数がより好ましく、1〜50の
整数が特に好ましい。フェニル変性シリコーンとして、
式(23)において、R25=CH3もしくは−OSi
(CH3)3、R26=C6H5、m=0、n=1〜1
00であるメチルフェニルポリシロキサンが特に好まし
い。
東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製のSH55
6、SF557、SF558及びSH559(商品
名)、並びに信越化学工業(株)製のKF50−100
cs、KF50−1000cs、KF53、KF54及
びKF56(商品名)等を例示できる。
ば、一般式(24)で示される化合物を例示できる。
れも炭素数1〜50の炭化水素基を示し、互いに同一で
も異なっていても良い。但し、R27〜R29のうち少
なくとも一つは炭素数5〜30の炭化水素基である。m
は1以上の整数であり、nは1以上の整数である。]
て、炭素数1〜50の炭化水素基であって、直鎖状また
は分岐状の飽和炭化水素基を例示できる。炭化水素基の
炭素数は、5〜30であるのが好ましく、5〜20であ
るのがより好ましく、10〜20であるのが特に好まし
い。また、mは10〜300の整数であるのが好まし
く、1〜100の整数であるのがより好ましく、1〜5
0の整数であるのが特に好ましい。nは1〜300の整
数であるのが好ましく、1〜100の整数であるのがよ
り好ましく、1〜50の整数であるのが特に好ましい。
東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製のSF84
16(商品名)、並びに信越化学工業(株)製のKF−
412、KF−413及びKF−414(商品名)等を
例示できる。
えば、下記一般式(25)で示される化合物を例示でき
る。
数1〜12の炭化水素基または炭素数1〜50のアルコ
キシ基を示し、互いに同一であっても異なっていても良
い。但し、R30〜R32のうち少なくとも一つは炭素
数1〜50のアルコキシ基である。mは0以上の整数で
あり、nは1以上の整数である。]
炭素数1〜12の炭化水素基または炭素数1〜50のア
ルコキシ基であるが、炭素数1〜12の炭化水素基とし
て、直鎖状または分岐状の飽和炭化水素基を例示でき、
炭素数1〜50のアルコキシ基として、直鎖状または分
岐状のアルコキシ基を例示できる。炭素数1〜50のア
ルコキシ基の炭素数は、1〜30であるのが好ましく、
1〜25であるのがより好ましく、1〜20であるのが
特に好ましい。mは1〜500であるのが好ましく、1
〜100であるのがより好ましく、1〜50であるのが
特に好ましい。nは1〜100であるのが好ましく、1
〜80であるのがより好ましく、1〜50であるのが特
に好ましい。
ば、信越化学工業(株)製のKF−851及びX−22
−801B(商品名)等を例示できる。
式(26)で示される化合物を例示できる。
2の炭化水素基を示すが、各繰り返し単位において、互
いに同一であっても異なっていても良い。mは1以上の
整数であり、nは0以上の整数であり、m+n=3〜1
0である。]
〜12の炭化水素基であって、直鎖状または分岐状の飽
和炭化水素基を例示できる。R33は、炭素数が2〜1
0であるのが好ましく、2〜8であるのがより好まし
く、2〜5であるのが特に好ましい。mは3〜8である
のが好ましく、4〜8であるのがより好ましく、4〜6
であるのが特に好ましい。nは0〜7であるのが好まし
く、0〜5であるのがより好ましく、0〜3であるのが
特に好ましい。m+nは3〜8であるのが好ましく、4
〜8であるのがより好ましく、4〜6であるのが特に好
ましい。
ウコーニング・シリコーン(株)製のSH244、SH
344、SH245、DC345及びDC246(商品
名)、並びに信越化学工業(株)製のKF994、KF
995及びKF9937(商品名)等を例示できる。
される化合物の繰り返し単位部分は、ランダム重合、ブ
ロック重合等のいかなる重合形態であってもよい。化合
物(C)の25℃での粘度(動粘度)は、いずれも1〜
5000mm2/sであるのが好ましく、1〜2000
mm2/sであるのがより好ましく、1〜1000mm
2/sであるのが特に好ましい。化合物(C)として、
ポリジメチルシロキサン及びポリエーテル変性シリコー
ンが好ましい。化合物(C)は、単独で又は組み合わせ
て使用することができる。
級アミノ基から選択される少なくとも1種と、カルボキ
シル基とを有する化合物」とは、分子内に水酸基、第一
級アミノ基及び第二級アミノ基から選択される少なくと
も1種と、カルボキシル基を少なくとも1つ有する化合
物であって、目的とする両性ウレタン樹脂を得ることが
できる化合物であれば特に限定されることはない。化合
物(D)として、例えば、ジメチロールプロパン酸、ジ
メチロールブタン酸及びカルボキシル基含有ポリカプロ
ラクトンジオールを例示できる。化合物(D)は単独で
又は組み合わせて使用できる。
級アミノ基から選択される少なくとも1種と、第三級ア
ミノ基とを有する化合物」とは、分子内に水酸基、第一
級アミノ基及び第二級アミノ基から選択される少なくと
も1種と、第三級アミノ基を少なくとも1つ有する化合
物であって、目的とする両性ウレタン樹脂を得ることが
できる化合物であれば特に限定されることはない。化合
物(E)として、例えば、N−メチルジエタノールアミ
ン、N−エチルジエタノールアミン、N−ブチルジエタ
ノールアミン、N−ラウリルジエタノールアミン及びN
−メチルジプロパノールアミン等のN−アルキルジアル
カノールアミン化合物、N,N−ジメチルエタノールア
ミン、N,N−ジエチルエタノールアミン及びN,N−
ジブチルエタノールアミン等のN,N−ジアルキルアル
カノールアミン化合物、並びにトリエタノールアミン等
を例示できる。化合物(E)は単独で又は組み合わせて
使用できる。
(D)及び(E)との重量比、即ち、(C)/((A)
+(B)+(D)+(E))は、0.1/100〜30
/100であるのが好ましく、0.5/100〜25/
100であるのがより好ましく、1/100〜20/1
00であるのが特に好ましい。
(D)及び(E)とのモル比、即ち、(B)/((A)
+(D)+(E))は、2.0/0.8〜2.0/1.
8であるのが好ましく、2.0/1.0〜2.0/1.
8であるのがより好ましく、2.0/1.2〜2.0/
1.8であるのが特に好ましい。
は、上述の化合物(A)、(B)及び(D)を、イソシ
アネート基過剰の条件にて反応させてイソシアネート基
含有プレポリマーを製造する第一工程、並びに該イソシ
アネート基含有プレポリマーを、化合物(E)と反応さ
せる第二工程、を含んで成り、第一工程及び第二工程の
少なくとも一方において、化合物(C)を存在させる製
造方法である。また、本発明に係る両性ウレタン樹脂の
他の製造方法は、上述の化合物(E)と化合物(D)の
反応させる順序を入れ替えた製造方法である。
ポリウレタンを製造する際に通常使用される反応条件を
用い、適宜重合触媒を用いて実施できる。「重合触媒」
として、通常ウレタン樹脂を製造するために使用される
重合触媒を使用することができる。重合触媒は、目的と
する両性ウレタン樹脂を得ることができるものであれ
ば、特に制限されるものではない。「重合触媒」とし
て、例えば、第三級アミン触媒及び有機金属触媒等を用
いることができる。「第三級アミン」として、例えば、
[2,2,2]ジアザビシクロオクタン(DABC
O)、テトラメチレンジアミン、N−メチルモルフォリ
ン及びジアザビシクロウンデンゼン(DBU)等を例示
できる。「有機金属触媒」として、例えば、ジブチルチ
ン(錫)ジラウレート等を例示できる。
も、第一工程及び第二工程の反応に必要に応じて有機溶
剤を用いることができる。例えば、化合物(A)〜
(E)及び生成するウレタン樹脂の双方を溶解する有機
溶剤を使用することが特に好ましい。そのような有機溶
剤として、例えば、N‐メチルピロリドン、ジメチルホ
ルムアミド及びジメチルアセトアミド等のアミド類、ア
セトン及びメチルエチルケトン等のケトン類、酢酸エチ
ル等のエステル類、その他、セロソルブアセテートやセ
ロソルブエーテル等を例示できる。
の後で、第二工程の反応生成物を水と混合して鎖長延長
反応を行うのが好ましい。本発明に係る製造方法は、第
二工程の後で、第二工程の反応生成物を塩基性の水と混
合して鎖長延長反応を行う、又は第二工程の反応性生成
物に塩基性化合物を添加した後水と混合して鎖長延長反
応を行うのが好ましく、第二工程の反応生成物を塩基性
の水と混合して鎖長延長反応を行うのがより好ましい。
基性の物質が溶解し、塩基性を呈している水をいい、例
えば、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、アン
モニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム及び2−ア
ミノ−2−メチル−1−プロパノール等が溶解している
水を例示できる。
行われるのが好ましい。鎖長延長反応には、鎖延長剤を
用いることができ、鎖延長反応によって最終的に得られ
る両性ウレタン樹脂の諸特性を調整することができる。
「鎖延長剤」とは、鎖延長反応で用いられる化合物であ
って、例えば、低分子ポリオール、アミン類及び水等を
例示できる。「低分子ポリオール」として、例えば、エ
チレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブ
タンジオール、ジエチレングリコール、1,6−ヘキサン
ジオール、スピログリコール、ビス(β‐ヒドロキシエ
トキシ)ベンゼン、及びキシリレングリコール等のグリ
コール類、トリメチロールプロパン及びグリセリン等の
トリオール類を例示できる。また、「アミン類」とし
て、例えば、メチレン(ビス−o−クロルアニリン)等
を例示できる。
において、第二工程の後に、第二工程の反応生成物を塩
基性の水と混合して、水中で鎖長延長反応を行うのが好
ましい。更に、本発明に係る両性ウレタン樹脂の製造方
法は、有機溶剤中で第一工程及び第二工程の反応を行っ
た後、第二工程後の反応混合物を塩基性の水と混合し
て、引き続き水中で鎖長延長反応を行うのが好ましい。
基性の水と混合して、引き続き水中で鎖長延長反応を行
う態様では、高分子量化された両性ウレタン樹脂を容易
に得ることができ好ましい。この態様の製造方法では、
第二工程後の反応混合物が、末端にイソシアネート基を
含有するプレポリマーであるように製造条件を設定する
のが好ましい。
(A)〜(E)に加え、更に、「(F)水酸基、第一級
アミノ基及び第二級アミノ基から選択される少なくとも
1種と、下記一般式(11)で示される構造単位とを有
する化合物
数、qは、0〜400の整数を表し、式(11)で示さ
れる構造単位がC2H4OとC3H6Oの共重合体(即
ち、q≠0)の場合、ランダム共重合体であっても、ブ
ロック共重合体であってもよい。]」(以下、「化合物
(F)」ともいう。)を使用する製造方法を提供する。
ノ基及び第二級アミノ基から選択される少なくとも1種
と、式(11)で示される構造単位」とを有する化合物
であって、目的とする両性ウレタン樹脂を得ることがで
きるものであれば、特に制限されるものではない。式
(11)で示される構造単位とは、式(11)において
q=0の場合、C2H4Oの重合体(ポリオキシエチレ
ン)であり、q≠0の場合、C3H6OとC 2H4Oの
共重合体である。式(11)で示される構造単位は、C
3H6OとC 2H4Oの共重合体の場合、ランダム共重
合体であっても、ブロック共重合体であってもよく、式
(11)で示される構造単位は、C2H4OとC3H6
Oの配列によって制限されるものではない。
てもq=0の場合であっても、pは、3〜250が好ま
しく、3〜120がより好ましく、3〜50が特に好ま
しい。pが3未満の場合、化合物(F)は、C2H4O
が少なすぎて、両性ウレタン樹脂に十分な親水性を付与
することが困難と成り得る。従って、両性ウレタン樹脂
を整髪剤に使用した場合、整髪剤の親水性が不充分とな
り得、毛髪の洗髪性が不充分と成り得る。また、pが5
00を超える場合、化合物(F)は、C2H4Oが多す
ぎて、両性ウレタン樹脂に親水性を付与しすぎ得る。従
って、整髪剤の親水性が強くなり得、両性ウレタン樹脂
を整髪剤に使用した場合、毛髪の耐湿性が低下し得る。
合、qは、3〜200が好ましく、3〜100がより好
ましく、3〜40が特に好ましい。式(11)におい
て、q≠0の場合であってもq=0の場合であっても、
p+q=3〜300であるのが好ましく、10〜120
であるのがより好ましく、3〜50であるのが特に好ま
しい。
てもq=0の場合であっても、C2H4OとC3H6O
の重量比(即ち、C2H4O/C3H6O)は、10/
0〜2/8であるのが好ましく、10/0〜3/7であ
るのがより好ましく、10/0〜4/6であるのが特に
好ましい。式(11)で示される構造単位は、式(1
1)においてq=0であるのが好ましい。
プ、両末端NH2基導入タイプ、片末端OH基導入タイ
プ、及び片末端NH2基導入タイプが好ましい。両末端
OH基導入タイプまたは両末端NH2基導入タイプの化
合物(F)を用いた場合、式(11)で表される構造単
位を主鎖中に有する両性ウレタン樹脂が得られる。ま
た、片末端OH基導入タイプまたは片末端NH2基導入
タイプの化合物(F)を用いた場合、式(11)で表さ
れる構造単位を側鎖若しくは末端に有する両性ウレタン
樹脂が得られる。更に、化合物(F)の重量平均分子量
は、200〜20000であるのが好ましく、200〜
5000であるのがより好ましく、500〜2000で
あるのが特に好ましい。
ングリコール(PEG)及びポリエチレンポリプロピレ
ングリコール(ポリエチレンポリプロピレンブロックコ
ポリマー)等を例示でき、ポリエチレングリコール(又
はポリオキシエチレンポリオール)が好ましい。化合物
(F)は、単独で又は組み合わせて使用できる。
(B)、(D)及び(F)を、イソシアネート基過剰の
条件にて反応させてイソシアネート基含有プレポリマー
を製造する第一工程、並びに該イソシアネート基含有プ
レポリマーを、化合物(E)と反応させる第二工程を含
んで成り、第一工程及び第二工程のいずれかにおいて、
化合物(C)を存在させる両性ウレタン樹脂の製造方法
を提供する。
(E)及び(F)を、イソシアネート基過剰の条件にて
反応させてイソシアネート基含有プレポリマーを製造す
る第一工程、並びに該イソシアネート基含有プレポリマ
ーを、化合物(D)と反応させる第二工程を含んで成
り、第一工程及び第二工程のいずれかにおいて、化合物
(C)を存在させる両性ウレタン樹脂の製造方法を提供
する。
第二工程の反応は、上述した第一工程及び第二工程の反
応と同様に行うことができ、ポリウレタンを製造する際
に通常使用される反応条件を用い、適宜重合触媒を用い
て、実施できる。「重合触媒」、「有機溶剤」、「鎖長
延長反応」等についても、上述した通りであり、化合物
(F)を加える場合、第一工程及び第二工程を有機溶剤
中で行い、水中で鎖長延長反応を行うのがより好まし
い。
(D)〜(F)との重量比、(C)/((A)+(B)
+(D)+(E)+(F))は、0.1/100〜30
/100であるのが好ましく、0.5/100〜25/
100であるのがより好ましく、1/100〜20/1
00であるのが特に好ましい。
(D)、(E)及び(F)とのモル比、(B)/
((A)+(D)+(E)+(F))は、2.0/0.
8〜2.0/1.8であるのが好ましく、2.0/1.
0〜2.0/1.8であるのがより好ましく、2.0/
1.2〜2.0/1.8であるのが特に好ましい。
れる両性ウレタン樹脂を提供する。本発明に係る製造方
法によって得られる両性ウレタン樹脂は、一分子中に、
カルボキシル基と第三級アミノ基とを有している。カル
ボキシル基と第三級アミノ基との比率(両官能基の数の
比率)、カルボキシル基/第三級アミノ基は、1/50
〜50/1が好ましく、1/1〜50/1がより好まし
く、1/1〜25/1が特に好ましい。両性ウレタン樹
脂中のカルボキシル基と第三級アミノ基との比率が1/
50〜50/1にある場合、両性ウレタン樹脂を含む樹
脂組成物を使用した整髪剤を用いると、毛髪はより優れ
た風合いを持つことと成り得、両性ウレタン樹脂を含む
樹脂組成物を使用した塗料及びコーティング剤は、基材
への密着性により優れるものと成り得る。尚、本発明に
係る製造方法において、化合物(D)と化合物(E)と
の比率(モル比)、化合物(D)/化合物(E)は、1/
50〜50/1が好ましく、1/1〜50/1がより好
ましく、1/1〜25/1が特に好ましい。
の形態として用いるのが好ましく、本発明に係る両性ウ
レタン樹脂は、水と混合して水性液を形成するのが好ま
しい。ここで本明細書において「水性液」とは、両性ウレ
タン樹脂が水に完全に溶解した水溶液状態に加え、両性
ウレタン樹脂が水中に分散及び/もしくは懸濁してい
る、水分散液状態及び/もしくは水懸濁液状態を意味す
る。本発明は、上述の本発明に係る両性ウレタン樹脂の
水性液を提供する。しかし、溶媒を実質的に除去して得
られる、両性ウレタン樹脂の樹脂分を使用してもよい。
尚、本明細書において「水」とは、いわゆる水をいい、
蒸留水、イオン交換水、純水等も含む。更に、「水」
は、目的とする両性ウレタン樹脂の製造及び性質に悪影
響を与えない範囲で、水に溶解又は分散可能な有機溶
剤、モノマー等を含んでもよい。
んで成る樹脂組成物を提供する。ここで「樹脂組成物」
とは、ウレタン樹脂に通常添加される種々の添加剤を含
有する組成物をいう。そのような「添加剤」として、例
えば、顔料、色素、着色剤、香料、界面活性剤、保湿
剤、保存剤、殺菌剤、防腐剤、酸化防止剤、増粘剤及び
pH調整剤等を例示できる。尚、「樹脂組成物」も水性
液の形態で使用するのが好ましい。「樹脂組成物」に、
更に、別の添加剤を加える等の追加の処理をしてもよ
く、目的に応じて、適宜、変更を加えることができるこ
とはいうまでもない。
「両性ウレタン樹脂を含んで成る樹脂組成物」は、ウレ
タン樹脂が通常使用される分野に用いることができ、例
えば、化粧品、塗料及びコーティング剤等に使用するこ
とができる。特に化粧品用に使用するのが好ましい。
「化粧品」として、例えば、整髪剤、皮膜形成剤及び粘
度調整剤等を例示できる。「整髪剤」として、例えば、
泡状整髪剤、ジェル状整髪剤、エアゾールスプレー整髪
剤及びポンプスプレー整髪剤を例示できる。「被膜形成
剤」及び「粘度調整剤」として、コンディショニング・
シェイビング・クリーム剤、スキンケアローション剤、
乳液状ファンデーション、クリーム状ファンデーショ
ン、アイライナー、マスカラ、マニキュア及びパック等
を例示できる。
両性ウレタン樹脂と比較して、それを用いた塗料、コー
ティング剤及び化粧品等の性能並びに両性ウレタン樹脂
の経時安定性等から選択される少なくとも一種の向上に
優れた効果を発揮し、特に化粧品用に優れる。これは、
以下の理由によると考えられる。
ポリシロキサン化合物のポリシロキサン鎖を、必ずしも
その骨格内に共有結合を介して含有するものではなく、
両性ウレタン樹脂は、その骨格が(C)ポリシロキサン
化合物のポリシロキサン鎖と物理的に絡まりあうことに
よって、ポリシロキサン鎖を含有するものと考えられ
る。この絡まりあいは、両性ポリウレタンの重合反応の
進行によって、より複雑化し、得られた両性ウレタン樹
脂からポリシロキサン化合物が分離することを困難にし
ていると考えられる。
リシロキサン化合物の絡み合い状態を、本明細書におい
ては、両性ウレタン樹脂の骨格がポリシロキサン化合物
を「拘束」している状態という。ここで「拘束」とは、
両性ウレタン樹脂の形態が、水溶液の形態か、水分散体
の形態かで異なる。両性ウレタン樹脂の骨格は、通常直
鎖構造であるが、分岐構造、架橋構造を有してよく、両
性ウレタン樹脂が「水溶液」の形態の場合、両性ウレタ
ン樹脂の骨格の間にポリシロキサン鎖が入り込んでいる
ものと考えられる。
態の場合、両性ウレタン樹脂は、水中で分散した粒子の
形態と成っていると考えられ、その粒子に対するポリシ
ロキサン鎖の「拘束」の形態には、いくつかの形態が考
えられる。先ず、第一の形態は、ポリシロキサン鎖の全
体若しくは一部が粒子の内部に包まれている形態であ
る。第二の形態は、ポリシロキサン鎖の末端が粒子の内
部に包まれている形態である。第三の形態は、ポリシロ
キサン鎖が粒子の表面に付着している形態である。第一
〜第三の形態は、いずれも「拘束」に該当し、第一〜第
三の形態が混合して存在するものも「拘束」に該当すると
考えられる。
の骨格は、(C)ポリシロキサン化合物を拘束している
ものと考えられる。このためポリシロキサン鎖は、比較
的運動しやすい性質を持ちつつ、ポリシロキサン化合物
は両性ウレタン樹脂から、分離し難いと考えられる。従
って、従来の両性ウレタン樹脂と比較して、本発明に係
る両性ウレタン樹脂を使用した塗料、コーティング剤及
び化粧品等の性能(例えば、整髪剤の場合、毛髪のセッ
ト性、毛髪の風合い、毛髪の洗髪性、毛髪の手触り感及
び整髪剤の塗布時の広がり等の性能)、並びに両性ウレ
タン樹脂の経時安定性から選択される少なくとも一種を
向上することができ、特に化粧品用途に優れると考えら
れる。尚、上述のような理由により、本発明の両性ウレ
タン樹脂は優れた性質を有すると考えられるが、これら
の理由により、本発明の両性ウレタン樹脂が何ら制限を
受けるものではない。
的かつ詳細に説明するが、これらの実施例は本発明の一
態様にすぎず、本発明はこれらの例によって何ら限定さ
れるものではない。
脂水性液の製造 実施例1の両性ウレタン樹脂水性液の製造 攪拌装置、温度計、窒素導入管及び還流冷却器を備えた
4つ口フラスコに、イソホロンジイソシアネート(IP
DI)70g、ポリプロピレングリコール(PPG、重
量平均分子量1000)63g、1,4−シクロヘキサ
ンジメタノール(CHDM)7g、ポリジメチルシロキ
サン(25℃における粘度が10mm2/s、東レ・ダ
ウコーニング・シリコーン(株)製のSH200C−1
0cs(商品名))8g及びジメチロールブタン酸(D
MBA)20gを入れ、溶剤として酢酸エチル50gを
加え、オイルバスを用いて80℃に加熱して3時間反応
させた。その後、N−メチルジエタノールアミン(NM
DEtA)2g並びに酢酸エチル60gを追加して、さ
らに80℃にて3時間反応させ、イソシアネート基の残
存したプレポリマーを得た。このイソシアネート基の残
存したプレポリマーを50℃まで冷却した後、水酸化カ
リウム10gを含む水700gに高速攪拌して分散さ
せ、更に50℃にて3時間鎖延長反応を行って高分子量
化させた。得られた水性液から上記酢酸エチルを回収
し、実質的に溶剤を含まない実施例1の両性ウレタン樹
脂水性液を得た。
ロキサン8gの代わりに、ポリエーテル変性シリコーン
(25℃における粘度が1600mm2/s、東レ・ダ
ウコーニング・シリコーン(株)製のSH3775C
(商品名))8gを用いた以外は、同様の方法を用いて
実施例2の両性ウレタン樹脂水性液を得た。
ロキサン8gの代わりに、環状シリコーン(25℃にお
ける粘度が4mm2/s、東レ・ダウコーニング・シリ
コーン(株)製のSH245(商品名))8gを用いた
以外は、同様の方法を用いて実施例3の両性ウレタン樹
脂水性液を得た。
ロキサン8gの代わりに、フェニル変性シリコーン(2
5℃における粘度が22mm2/s、東レ・ダウコーニ
ング・シリコーン(株)製のSH556(商品名))8
gを用いた以外は、同様の方法を用いて実施例4の両性
ウレタン樹脂水性液を得た。
ロキサン8gの代わりに、アルキル変性シリコーン(2
5℃における粘度が500mm2/s、信越化学工業
(株)製のKF−412(商品名))8gを用いた以外
は、同様の方法を用いて実施例5の両性ウレタン樹脂水
性液を得た。
ロキサン8gの代わりに、アルコキシ変性シリコーン
(25℃における粘度が80mm2/s、信越化学工業
(株)製のKF−851(商品名))8gを用いた以外
は、同様の方法を用いて実施例6の両性ウレタン樹脂水
性液を得た。
ロキサン8gの代わりに、ポリジメチルシロキサン(2
5℃における粘度が10mm2/s、東レ・ダウコーニ
ング・シリコーン(株)製のSH200C−10cs
(商品名))20gを用いた以外は、同様の方法を用い
て実施例7の両性ウレタン樹脂水性液を得た。
ロキサン8gの代わりに、ポリエーテル変性シリコーン
(25℃における粘度が1600mm2/s、東レ・ダ
ウコーニング・シリコーン(株)製のSH3775C
(商品名))20gを用いた以外は、同様の方法を用い
て実施例8の両性ウレタン樹脂水性液を得た。
4つ口フラスコに、イソホロンジイソシアネート(IP
DI)70g、ポリプロピレングリコール(PPG、重
量平均分子量1000)55g、ポリエチレングリコー
ル(PEG、分子量1000)8g、1,4−シクロヘ
キサンジメタノール(CHDM)7g、ポリジメチルシ
ロキサン(25℃における粘度が10mm2/s、東レ
・ダウコーニング・シリコーン(株)製のSH200C
−10cs(商品名)))8g及びジメチロールブタン
酸(DMBA)20gを入れ、溶剤として酢酸エチル5
0gを加え、オイルバスを用いて80℃に加熱して3時
間反応させた。その後、N−メチルジエタノールアミン
(NMDEtA)2g並びに酢酸エチル60gを追加し
て、さらに80℃にて3時間反応させ、イソシアネート
基の残存したプレポリマーを得た。このイソシアネート
基の残存したプレポリマーを50℃まで冷却した後、水
酸化カリウム10gを含む水700gに高速攪拌して分
散させ、更に50℃にて3時間鎖延長反応を行って高分
子量化させた。得られた水性液から上記酢酸エチルを回
収し、実質的に溶剤を含まない実施例9の両性ウレタン
樹脂水性液を得た。
造 実施例9に記載した製造方法において、ポリジメチルシ
ロキサン8gの代わりに、ポリエーテル変性シリコーン
(25℃における粘度が1600mm2/s、東レ・ダ
ウコーニング・シリコーン(株)製のSH3775C
(商品名))8gを用いた以外は、同様の方法を用いて
実施例10の両性ウレタン樹脂水性液を得た。
造 実施例9に記載した製造方法において、ポリジメチルシ
ロキサン8gの代わりに、ポリジメチルシロキサン(2
5℃における粘度が10mm2/s、東レ・ダウコーニ
ング・シリコーン(株)製のSH200C−10cs
(商品名))20gを用いた以外は、同様の方法を用い
て実施例11の両性ウレタン樹脂水性液を得た。
造 実施例9に記載した製造方法において、ポリジメチルシ
ロキサンオイル8gの代わりに、ポリエーテル変性シリ
コン(25℃における粘度が1600mm2/s、東レ
・ダウコーニング・シリコーン(株)製のSH3775
C(商品名))20gを用いた以外は、同様の方法を用
いて実施例12の両性ウレタン樹脂水性液を得た。
ロキサンを全く用いなかった以外は、同様の方法を用い
て比較例1の両性ウレタン樹脂の水性液を得た。
4つ口フラスコに、イソホロンジイソシアネート(IP
DI)70g、ポリプロピレングリコール(PPG、重
量平均分子量1000)63g、1,4−シクロヘキサ
ンジメタノール(CHDM)7g及びジメチロールブタ
ン酸(DMBA)20gを入れ、溶剤として酢酸エチル
50gを加え、オイルバスを用いて80℃に加熱して3
時間反応させた。その後、N−メチルジエタノールアミ
ン(NMDEtA)2g並びに酢酸エチル60gを追加
して、さらに80℃にて3時間反応させ、イソシアネー
ト基の残存したプレポリマーを得た。このイソシアネー
ト基の残存したプレポリマーを50℃まで冷却した後、
水酸化カリウム10gを含む水700gに高速攪拌して
分散させ、更に50℃にて3時間鎖延長反応を行って高
分子量化させた。得られた水性液から上記酢酸エチルを
回収し、実質的に溶剤を含まない両性ウレタン樹脂の水
性液を得た後、ポリジメチルシロキサン(25℃におけ
る粘度が10mm2/s、東レ・ダウコーニング・シリ
コーン(株)製のSH200C−10cs(商品名))
を8g加えて、比較例2の両性ウレタン樹脂水性液を得
た。
ロキサン8gの代わりに、ポリエーテル変性シリコーン
(25℃における粘度が1600mm2/s、東レ・ダ
ウコーニング・シリコーン(株)製のSH3775C
(商品名))8gを用いた以外は、同様の方法を用いて
比較例3の両性ウレタン樹脂水性液を得た。
ロキサン8gの代わりに、環状シリコーン(25℃にお
ける粘度が4mm2/s、東レ・ダウコーニング・シリ
コーン(株)製のSH245(商品名))8gを用いた
以外は、同様の方法を用いて比較例4の両性ウレタン樹
脂水性液を得た。
ロキサン8gの代わりに、フェニル変性シリコーン(2
5℃における粘度が22mm2/s、東レ・ダウコーニ
ング・シリコーン(株)製のSH556(商品名))8
gを用いた以外は、同様の方法を用いて比較例5の両性
ウレタン樹脂水性液を得た。
ロキサン8gの代わりに、アルキル変性シリコーン(2
5℃における粘度が500mm2/s、信越化学工業
(株)製のKF−412(商品名))8gを用いた以外
は、同様の方法を用いて比較例6の両性ウレタン樹脂水
性液を得た。
ロキサン8gの代わりに、アルコキシ変性シリコーン
(25℃における粘度が80mm2/s、信越化学工業
(株)製のKF−851(商品名))8gを用いた以外
は、同様の方法を用いて比較例6の両性ウレタン樹脂水
性液を得た。
ロキサン8gの代わりに、ポリジメチルシロキサンジオ
ール(両末端OH基導入タイプ、25℃における粘度が
62mm2/s、信越化学工業(株)製のKF−600
2(商品名))8gを用い、ポリプロピレングリコール
(PPG、重量平均分子量1000)63gの代りに、
ポリプロピレングリコール(PPG、重量平均分子量1
000)55gを用いた以外は、同様の方法を用いて比
較例8の両性ウレタン樹脂水性液を得た。
ロキサン8gの代わりに、ポリジメチルシロキサンジオ
ール(片末端OH基導入タイプ、(25℃における粘度
が88mm2/s、信越化学工業(株)製のX−22−
176B(商品名))8gを用い、ポリプロピレングリ
コール(PPG、重量平均分子量1000)63gの代
りに、ポリプロピレングリコール(PPG、重量平均分
子量1000)55gを用いた以外は、同様の方法を用
いて比較例9の両性ウレタン樹脂水性液を得た。
脂水性液の評価 泡状整髪剤に用いる評価 上述のようにして得られた実施例及び比較例の各々の両
性ウレタン樹脂水性液を評価するために、各々の両性ウ
レタン樹脂水性液を用いて、実施例及び比較例の各々の
泡状整髪剤を作製した。即ち、表1に示す各々の成分
を、同表に示す割合で混合し、均一になるまで攪拌して
実施例及び比較例の各々のX成分を得た。次に、表1に
示すY成分をX成分に同表に示す割合で加えて、実施例
及び比較例の各々の泡状整髪剤を作製した。これらを、
各々実施例1〜12の泡状整髪剤、各々比較例1〜9の
泡状整髪剤という。
した後、得られた残渣の重量である。
々の泡状整髪剤を使用して、毛髪のセット性(以下「セ
ット性」ともいう)、毛髪の風合い(以下「風合い」と
もいう)、毛髪の洗髪性(以下「洗髪性」ともいう)、
毛髪の手触り感(以下「手触り感」ともいう)及び整髪
剤の広がり(以下「広がり」ともいう)を評価した。ま
た、各実施例及び比較例の両性ウレタン樹脂水性液の経
時安定性を評価した。結果は、まとめて表2及び3に示
した。
g)に、各々の泡状整髪剤を0.8gずつ塗布し、室温
にて乾燥して、セット性評価用毛髪束を作製した。この
毛髪束について、10人のパネラーによる官能試験を行
い、セット性を評価した。セット性の評価基準は、以下
のように設定した:◎は、毛髪束のセット性が非常に良
好であったと感じた人が9人以上;○は、毛髪束のセッ
ト性が非常に良好であったと感じた人が6〜8人;△
は、毛髪束のセット性が非常に良好であったと感じた人
が2〜5人;×は、毛髪束のセット性が非常に良好であ
ったと感じた人が1人以下。
g)に、各々の泡状整髪剤を0.8gずつ塗布し、室温
にて乾燥して、風合い評価用毛髪束を作製した。この毛
髪束について、10人のパネラーによる官能試験を行
い、風合いを評価した。風合いの評価基準は、以下のよ
うに設定した:◎は、毛髪束の感触が非常にしなやかな
感触であったと感じた人が9人以上;○は、毛髪束の感
触が非常にしなやかな感触であったと感じた人が6〜8
人;△は、毛髪束の感触が非常にしなやかな感触であっ
たと感じた人が2〜5人;×は、毛髪束の感触が非常に
しなやかな感触であったと感じた人が1人以下。
各々の泡状整髪剤を0.8gずつ塗布し、室温にて乾燥
させて整髪した毛髪束を作製した。次に、毛髪束を40
℃の温水で30秒間軽くほぐした後、10%シャンプー
溶液を0.4g塗布し、30秒間洗浄した。その後、再
び40℃の温水ですすいでシャンプー液を洗い流し、5
0℃にて十分に乾燥させた洗髪性評価用毛髪束を得た。
この毛髪束について、10人のパネラーによる洗髪性に
関する官能試験を行い、洗髪性を評価した。洗髪性の評
価基準は、以下のように設定した:◎は、洗髪性が非常
に良好であったと感じた人が9人以上;○は、洗髪性が
非常に良好であったと感じた人が6〜8人;△は、洗髪
性が非常に良好であったと感じた人が2〜5人;×は、
洗髪性が非常に良好であったと感じた人が1人以下。
g)に、各々の泡状整髪剤を0.8gずつ塗布し、室温
にて乾燥して、手触り感評価用毛髪束を作製した。この
毛髪束について、10人のパネラーによる官能試験を行
い、手触り感を評価した。手触り感の評価基準は、以下
のように設定した:◎は、毛髪束の手触り感が非常に良
好であったと感じた人が9人以上;○は、毛髪束の手触
り感が非常に良好であったと感じた人が6〜8人;△
は、毛髪束の手触り感が非常に良好であったと感じた人
が2〜5人;×は、毛髪束の手触り感が非常に良好であ
ったと感じた人が1人以下。
g)に、各々の泡状整髪剤を0.8gずつ塗布する際の
伸びについて、10人のパネラーによる官能試験を行
い、整髪用化粧料としての整髪剤の広がりを評価した。
広がりの評価基準は、以下のように設定した:◎は、塗
布時の伸びが非常に良好であったと感じた人が9人以
上;○は、塗布時の伸びが非常に良好であったと感じた
人が6〜8人;△は、塗布時の伸びが非常に良好であっ
たと感じた人が2〜5人;×は、塗布時の伸びが非常に
良好であったと感じた人が1人以下。
ス瓶に入れ、50℃にて2週間放置した後の外観を、目
視にて観察して、両性ウレタン樹脂水性液の経時安定性
を評価した。経時安定性の基準は、以下のように設定し
た:◎は、シリコンポリマーの分離が全く無かったも
の;○は、シリコンポリマーの分離がほとんど無かった
もの;×は、シリコンポリマーの分離が認められたも
の。
性ウレタン樹脂は、いずれもセット性等の全ての性能を
満足するものであった。これに対し、表3に示されるよ
うに、比較例の両性ウレタン樹脂には、全ての性能を満
足するものは無かった。比較例1の両性ウレタン樹脂
は、ポリシロキサン化合物が含まれていない両性ポリウ
レタン樹脂なので、手触り感、整髪剤の広がりに劣って
いた。
工程の反応生成物を水と混合した後にポリシロキサン化
合物を加えているから、タイプ2の両性ウレタン樹脂で
あり、ポリシロキサン化合物が両性ウレタン樹脂の骨格
に拘束されていないと考えられ、経時安定性が不良であ
った。更に、比較例2〜7の両性ウレタン樹脂は、両性
ウレタン樹脂の骨格に拘束されていないと考えられるポ
リシロキサン化合物があるので、両性ウレタン樹脂の分
子鎖間の絡み合いが阻害され、造膜性が低下し、セット
性にも劣っていた。比較例8及び9は、ポリシロキサン
鎖が両性ウレタン樹脂の骨格に導入されたタイプ1の両
性ウレタン樹脂であり、整髪剤の広がりに劣っていた。
性ウレタン樹脂水性液を評価するために、各々の両性ウ
レタン樹脂水性液を用いて、実施例及び比較例の各々の
ジェル状整髪剤を作製した。即ち、表4に示す各々の成
分を、同表に示す割合で混合し、粘性ゲルが形成される
まで攪拌して実施例及び比較例の各々のX成分を得た。
次に、表4に示すY成分をX成分に同表に示す割合で加
えて、均質になるまで混合して実施例及び比較例の各々
のジェル状整髪剤を作製した。これらを、各々実施例1
〜12のジェル状整髪剤、各々比較例1〜9のジェル状
整髪剤という。実施例1〜12のジェル状整髪剤、比較
例1〜9のジェル状整髪剤について、上述した評価方法
を用いて評価した。その結果、上述した実施例1〜12
の泡状整髪剤、比較例1〜9の泡状整髪剤と同様の結果
を得た。
した後、得られた残渣の重量である。 b)ナショナル・スターチ・アンド・ケミカル社製のス
トラクチャ−(Structure 2001)(商品名)である。
性ウレタン樹脂水性液を評価するために、各々の両性ウ
レタン樹脂水性液を用いて、実施例及び比較例の各々の
エアゾールスプレー整髪剤を作製した。即ち、表5に示
す各々の成分を、同表に示す割合で混合し、均質になる
まで攪拌して実施例及び比較例の各々のX成分を得た。
次に、表5に示すY成分をX成分に同表に示す割合で加
えて、実施例及び比較例の各々のエアゾールスプレー整
髪剤を作製した。これらを、各々実施例1〜12のエア
ゾールスプレー整髪剤、各々比較例1〜9のエアゾール
スプレー整髪剤という。実施例1〜12のエアゾールス
プレー整髪剤、比較例1〜9のエアゾールスプレー整髪
剤について、上述した評価方法を用いて評価した。その
結果、上述した実施例1〜12の泡状整髪剤、比較例1
〜9の泡状整髪剤と同様の結果を得た
した後、得られた残渣の重量である。
性ウレタン樹脂水性液を評価するために、各々の両性ウ
レタン樹脂水性液を用いて、表6に示す各々の成分を、
同表に示す割合で混合して、均質になるまで攪拌して実
施例及び比較例の各々のポンプスプレー整髪剤を作製し
た。これらを、各々実施例1〜12のポンプスプレー整
髪剤、各々比較例1〜9のポンプスプレー整髪剤とい
う。実施例1〜12のポンプスプレー整髪剤、比較例1
〜9のポンプスプレー整髪剤について、上述した評価方
法を用いて評価した。その結果、上述した実施例1〜1
2の泡状整髪剤、比較例1〜9の泡状整髪剤と同様の結
果を得た。
した後、得られた残渣の重量である。
造方法を提供し、その製造方法を使用して新たな両性ウ
レタン樹脂を提供することができる。この両性ウレタン
樹脂は、塗料、コーティング剤及び化粧品等、特に、化
粧品(例えば、整髪剤)に、好適に使用することがで
き、本発明に係る製造方法を用いて、そのような両性ウ
レタン樹脂を容易に製造することができる。従来の両性
ウレタン樹脂と比較して、本発明に係る両性ウレタン樹
脂を使用することで、塗料、コーティング剤及び化粧品
の性能(例えば、整髪剤の場合、毛髪のセット性、毛髪
の風合い、毛髪の洗髪性、毛髪の手触り感及び整髪剤の
塗布時の広がり等の性能)、並びに両性ウレタン樹脂の
経時安定性から選択される少なくとも一種が改善され
る。
Claims (13)
- 【請求項1】(A)ポリオール化合物、 (B)ポリイソシアネート化合物、 (C)ポリシロキサン化合物(シロキサン鎖の両末端も
しくは片末端に、水酸基、第一級アミノ基及び第二級ア
ミノ基から選択される少なくとも1種を有するものを除
く)、 (D)水酸基、第一級アミノ基及び第二級アミノ基から
選択される少なくとも1種と、カルボキシル基とを有す
る化合物、並びに (E)水酸基、第一級アミノ基及び第二級アミノ基から
選択される少なくとも1種と、第三級アミノ基とを有す
る化合物を使用する両性ウレタン樹脂の製造方法であっ
て、 化合物(A)、(B)及び(D)を、イソシアネート基
過剰の条件にて反応させてイソシアネート基含有プレポ
リマーを製造する第一工程、並びに該イソシアネート基
含有プレポリマーを、化合物(E)と反応させる第二工
程、を含んで成る製造方法であって、 第一工程及び第二工程の少なくとも一方において、化合
物(C)を存在させることを特徴とする両性ウレタン樹
脂の製造方法。 - 【請求項2】(A)ポリオール化合物、 (B)ポリイソシアネート化合物、 (C)ポリシロキサン化合物(シロキサン鎖の両末端も
しくは片末端に、水酸基、第一級アミノ基及び第二級ア
ミノ基から選択される少なくとも1種を有するものを除
く)、 (D)水酸基、第一級アミノ基及び第二級アミノ基から
選択される少なくとも1種と、カルボキシル基とを有す
る化合物、並びに (E)水酸基、第一級アミノ基及び第二級アミノ基から
選択される少なくとも1種と、第三級アミノ基とを有す
る化合物を使用する両性ウレタン樹脂の製造方法であっ
て、 化合物(A)、(B)及び(E)を、イソシアネート基
過剰の条件にて反応させてイソシアネート基含有プレポ
リマーを製造する第一工程、並びに該イソシアネート基
含有プレポリマーを、化合物(D)と反応させる第二工
程を含んで成る製造方法であって、 第一工程及び第二工程の少なくとも一方において、化合
物(C)を存在させることを特徴とする両性ウレタン樹
脂の製造方法。 - 【請求項3】化合物(C)と、化合物(A)、(B)、
(D)及び(E)の重量比、(C)/((A)+(B)
+(D)+(E))は、0.1/100〜30/100
であることを特徴とする請求項1又は2に記載の製造方
法。 - 【請求項4】(A)ポリオール化合物、 (B)ポリイソシアネート化合物、 (C)ポリシロキサン化合物(シロキサン鎖の両末端も
しくは片末端に、水酸基、第一級アミノ基及び第二級ア
ミノ基から選択される少なくとも1種を有するものを除
く)、 (D)水酸基、第一級アミノ基及び第二級アミノ基から
選択される少なくとも1種と、カルボキシル基とを有す
る化合物、 (E)水酸基、第一級アミノ基及び第二級アミノ基から
選択される少なくとも1種と、第三級アミノ基とを有す
る化合物、並びに (F)水酸基、第一級アミノ基及び第二級アミノ基から
選択される少なくとも1種と、下記一般式(11)で示
される構造単位とを有する化合物 【化1】 −(C2H4O)p(C3H6O)q− (11) [但し、一般式(11)において、 pは、1〜500の整数、qは、0〜400の整数を表
し、 一般式(11)で示される構造単位がC2H4OとC3
H6Oの共重合体(q≠0)の場合、ランダム共重合体
であっても、ブロック共重合体であってもよい。]を使
用する両性ウレタン樹脂の製造方法であって、 化合物(A)、(B)、(D)及び(F)を、イソシア
ネート基過剰の条件にて反応させてイソシアネート基含
有プレポリマーを製造する第一工程、並びに該イソシア
ネート基含有プレポリマーを、化合物(E)と反応させ
る第二工程を含んで成る製造方法であって、 第一工程及び第二工程の少なくとも一方において、化合
物(C)を存在させることを特徴とする両性ウレタン樹
脂の製造方法。 - 【請求項5】(A)ポリオール化合物、 (B)ポリイソシアネート化合物、 (C)ポリシロキサン化合物(シロキサン鎖の両末端も
しくは片末端に、水酸基、第一級アミノ基及び第二級ア
ミノ基から選択される少なくとも1種を有するものを除
く)、 (D)水酸基、第一級アミノ基及び第二級アミノ基から
選択される少なくとも1種と、カルボキシル基とを有す
る化合物、 (E)水酸基、第一級アミノ基及び第二級アミノ基から
選択される少なくとも1種と、第三級アミノ基とを有す
る化合物、並びに (F)水酸基、第一級アミノ基及び第二級アミノ基から
選択される少なくとも1種と、一般式(11)で示され
る構造単位とを有する化合物 【化2】 −(C2H4O)p(C3H6O)q− (11) [但し、一般式(11)において、 pは、1〜500の整数、qは、0〜400の整数を表
し、 一般式(11)で示される構造単位がC2H4OとC3
H6Oの共重合体(q≠0)の場合、ランダム共重合体
であっても、ブロック共重合体であってもよい。]を使
用する両性ウレタン樹脂の製造方法であって、 化合物(A)、(B)、(E)及び(F)を、イソシア
ネート基過剰の条件にて反応させてイソシアネート基含
有プレポリマーを製造する第一工程、並びに該イソシア
ネート基含有プレポリマーを、化合物(D)と反応させ
る第二工程を含んで成る製造方法であって、 第一工程及び第二工程の少なくとも一方において、化合
物(C)を存在させることを特徴とする両性ウレタン樹
脂の製造方法。 - 【請求項6】化合物(C)と、化合物(A)、(B)、
(D)、(E)及び(F)の重量比、(C)/((A)
+(B)+(D)+(E)+(F))は、0.1/10
0〜30/100であることを特徴とする請求項4又は
5に記載の製造方法。 - 【請求項7】第二工程の後、更に、第二工程の反応生成
物を水と混合して鎖長延長反応を行うことを特徴とする
請求項1〜6のいずれかに記載の製造方法。 - 【請求項8】第二工程の後、第二工程の反応生成物を塩
基性の水と混合して鎖長延長反応を行う、又は第二工程
の反応性生成物に塩基性化合物を添加した後水と混合し
て鎖長延長反応を行うことを特徴とする請求項1〜6の
いずれかに記載の製造方法。 - 【請求項9】化合物(C)は、ポリジメチルシロキサ
ン、ポリエーテル変性シリコーン、環状シリコーン、フ
ェニル変性シリコーン、アルキル変性シリコーン及びア
ルコキシ変性シリコーンから選択される少なくとも1種
であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載
の製造方法。 - 【請求項10】請求項1〜9のいずれかに記載の製造方
法によって得られることを特徴とする両性ウレタン樹
脂。 - 【請求項11】一分子中に、カルボキシル基と第三級ア
ミノ基とを有することを特徴とする請求項10に記載の
両性ウレタン樹脂。 - 【請求項12】水と混合して水性液を形成することを特
徴とする請求項10又は11に記載の両性ウレタン樹
脂。 - 【請求項13】請求項10〜12のいずれかに記載の両
性ウレタン樹脂を含むことを特徴とするウレタン樹脂組
成物。
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