JP3701233B2 - 毛髪化粧料 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、毛髪化粧料に関する。さらに詳しくは、強いセット力、すなわちカール保持率が強く、弾力性のあるセット性を有すると共に、セットされた毛髪は、自然な風合い、しなやかでなめらかな感触、光沢を持ち、さらに、櫛を通してもフレーキングを起こすことがなく、耐湿性に優れ、高湿度下でもカールが保持され、また、洗髪に当たっては洗浄性に優れる毛髪化粧料に関する。特に、セット性と、自然な風合い及びしなやかでなめらかな感触との両立に本発明の特徴がある。
【0002】
【従来の技術】
最近は造り込まず、ナチュラルなヘアスタイルが流行している。これらのヘアスタイルに望まれるスタイリング剤は、セット力、すなわちカール保持率が強く、弾力性のあるセット性と、自然な風合いやしなやかでなめらかな感触の両方を併せ持つものである。
【0003】
しかしながら、現存する商品においては、例えば、しっかり形をキープするハードタイプにおいては、アニオン、ノニオンあるいは両性のアクリル系ポリマーやビニルピロリドン系ポリマーとシリコーン類あるいはエステル油などを組み合わせた処方となっているが、これらの問題点として、感触が硬い、自然な風合いがでない、高湿下でのカール保持率が低く耐湿性も悪い等が挙げられ、一方、自然でソフトな仕上がりとされているソフトタイプにおいては、カチオン性のビニルピロリドン系あるいはセルロース系のポリマーとシリコーン類あるいはエステル油などを組み合わせた処方となっているが、これらの問題点として、セット力が弱く、その持続力もない、しなやかな感触、光沢も充分でない等が挙げられ、必ずしも消費者のニーズに合致した商品となっているわけではない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は前記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、強いセット力、すなわちカール保持率が強く、弾力性のあるセット性を有すると共に、セットされた毛髪は、自然な風合い、しなやかでなめらかな感触、光沢を持ち、さらに、櫛を通してもフレーキングを起こすことがなく、耐湿性に優れ、高湿度下でもカールが保持され、また、洗髪に当たっては洗浄性に優れる毛髪化粧料を提供することにある。特に、セット性と、自然な風合い及びしなやかでなめらかな感触との両立を図った毛髪化粧料を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意研究を行った結果、特定構造の両性ウレタン樹脂と、界面活性力をもった特定構造の化合物を配合することにより、上記課題が解決されることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
すなわち、本発明は、下記の一般式(1)
【0007】
【化5】
Figure 0003701233
【0008】
[式中、R1は炭素数1〜24のアルキル基を表す。R2〜R4はそれぞれ独立に−Cn2n−(ただし、nは1〜3の整数を表す。)を表す。R5は−Cn2n−(ただし、nは3〜5の整数を表す。)を表す。また、R6〜R9はそれぞれ独立に炭素数1〜20のアルキル基を表す。R10はメチル基またはエチル基を表す。mは1〜200の整数を表す。]
【0009】
で示される化合物から誘導される構造単位を有するポリシロキサン鎖含有両性ウレタン樹脂及び/又はポリシロキサン化合物担持両性ウレタン樹脂と、以下の(A)及び/又は(B)とを含有することを特徴とする毛髪化粧料である。
(A)両性界面活性剤及び/又は半極性界面活性剤と、高級脂肪酸との複合体の1種又は2種以上。
(B)アルキル変性カルボキシビニルポリマー。
【0010】
ここで、ポリシロキサン化合物を「担持」するとは、両性ウレタン樹脂の骨格によってポリシロキサン化合物を「拘束させる」こと、又は両性ウレタン樹脂の骨格にポリシロキサン化合物を「絡ませる」ことを意味するものであり、両性ウレタン樹脂の骨格にポリシロキサン化合物を化学的に結合させることではない。
したがって、本発明において「担持した」なる用語は、両性ウレタン樹脂の骨格にポリシロキサン化合物が「拘束された」、又は両性ウレタン樹脂の骨格にポリシロキサン化合物が「絡まった」意味として用いられている。しかし、一部両性ウレタン樹脂の骨格の一部分を、結果的にポリシロキサン化合物が形成してもよく、目的とする両性ウレタン樹脂が得られる限りこの一部化学結合したものを排除するものではない。ポリシロキサン化合物の両性ウレタン樹脂への担持は、IRスペクトル等によって確認することができる。
【0011】
本発明に用いられるポリシロキサン鎖含有両性ウレタン樹脂及び/又はポリシロキサン化合物担持両性ウレタン樹脂は、一分子中にカルボキシル基と第三級アミノ基とを有する両性ウレタン樹脂であることが好ましい。
【0012】
本発明に用いられるポリシロキサン化合物担持両性ウレタン樹脂を構成する両性ウレタン樹脂は、少なくとも下記の(A)〜(D)の化合物を反応させて生成される両性ウレタン樹脂であることが好ましい。
(A)ポリオール化合物
(B)ポリイソシアネート化合物
(C)水酸基、第一級アミノ基及び第二級アミノ基から選択される少なくとも1種と、カルボキシル基とを有する化合物
(D)水酸基、第一級アミノ基及び第二級アミノ基から選択される少なくとも1種と、第三級アミノ基とを有する化合物
【0013】
前記好ましく用いられるポリシロキサン化合物担持両性ウレタン樹脂は、少なくとも下記の(A)〜(D)及び(S)の化合物を使用し、(A)、(B)及び(C)の化合物を、イソシアネート基過剰の条件にて反応させてイソシアネート基含有プレポリマーを製造する第一工程、並びに該イソシアネート基含有プレポリマーを、(D)の化合物と反応させる第二工程を含み、かつ第一工程及び第二工程の少なくとも一方において、(S)の化合物を存在させて生成される両性ウレタン樹脂である。
(A)ポリオール化合物
(B)ポリイソシアネート化合物
(C)水酸基、第一級アミノ基及び第二級アミノ基から選択される少なくとも1種と、カルボキシル基とを有する化合物
(D)水酸基、第一級アミノ基及び第二級アミノ基から選択される少なくとも1種と、第三級アミノ基とを有する化合物
(S)ポリシロキサン化合物
【0014】
ここで、存在とはポリシロキサン化合物が反応系に存在することを意味し、積極的にポリシロキサン化合物を反応させることを意図するものではないが、その一部が結果的に不可避的に反応してもよい。なお、本発明のポリシロキサン化合物を担持した両性ウレタン樹脂の生成における「存在」なる用語は全てこの意味として使用されている。
【0015】
また、前記好ましく用いられるポリシロキサン化合物担持両性ウレタン樹脂は、少なくとも下記の(A)〜(D)及び(S)の化合物を使用し、(A)、(B)及び(D)の化合物を、イソシアネート基過剰の条件にて反応させてイソシアネート基含有プレポリマーを製造する第一工程、並びに該イソシアネート基含有プレポリマーを、(C)の化合物と反応させる第二工程を含み、かつ第一工程及び第二工程の少なくとも一方において、(S)の化合物を存在させて生成される両性ウレタン樹脂である。
(A)ポリオール化合物
(B)ポリイソシアネート化合物
(C)水酸基、第一級アミノ基及び第二級アミノ基から選択される少なくとも1種と、カルボキシル基とを有する化合物
(D)水酸基、第一級アミノ基及び第二級アミノ基から選択される少なくとも1種と、第三級アミノ基とを有する化合物
(S)ポリシロキサン化合物
【0016】
本発明に用いられるポリシロキサン化合物担持両性ウレタン樹脂を構成する両性ウレタン樹脂は、少なくとも下記の(A)〜(E)の化合物を反応させて生成される両性ウレタン樹脂であることができる。
(A)ポリオール化合物
(B)ポリイソシアネート化合物
(C)水酸基、第一級アミノ基及び第二級アミノ基から選択される少なくとも1種と、カルボキシル基とを有する化合物
(D)水酸基、第一級アミノ基及び第二級アミノ基から選択される少なくとも1種と、第三級アミノ基とを有する化合物
(E)水酸基、第一級アミノ基及び第二級アミノ基から選択される少なくとも1種と、下記の一般式(2)で示される構造単位とを有する化合物
【0017】
【化6】
Figure 0003701233
【0018】
(式中、pは1〜500の整数、qは0〜400の整数を表す。)
【0019】
前記好ましく用いられるポリシロキサン化合物担持両性ウレタン樹脂は、少なくとも下記の(A)〜(E)及び(S)の化合物を使用し、(A)、(B)、(C)及び(E)の化合物を、イソシアネート基過剰の条件にて反応させてイソシアネート基含有プレポリマーを製造する第一工程、並びに該イソシアネート基含有プレポリマーを、(D)の化合物と反応させる第二工程を含み、かつ第一工程及び第二工程の少なくとも一方において、(S)の化合物を存在させて生成される両性ウレタン樹脂である。
(A)ポリオール化合物
(B)ポリイソシアネート化合物
(C)水酸基、第一級アミノ基及び第二級アミノ基から選択される少なくとも1種と、カルボキシル基とを有する化合物
(D)水酸基、第一級アミノ基及び第二級アミノ基から選択される少なくとも1種と、第三級アミノ基とを有する化合物
(E)水酸基、第一級アミノ基及び第二級アミノ基から選択される少なくとも1種と、下記の一般式(2)で示される構造単位とを有する化合物
【0020】
【化7】
Figure 0003701233
【0021】
(式中、pは1〜500の整数、qは0〜400の整数を表す。)
(S)ポリシロキサン化合物
【0022】
また、前記好ましく用いられるポリシロキサン化合物担持両性ウレタン樹脂は、少なくとも下記の(A)〜(E)及び(S)の化合物を使用し、(A)、(B)、(D)及び(E)の化合物を、イソシアネート基過剰の条件にて反応させてイソシアネート基含有プレポリマーを製造する第一工程、並びに該イソシアネート基含有プレポリマーを、(C)の化合物と反応させる第二工程を含み、かつ第一工程及び第二工程の少なくとも一方において、(S)の化合物を存在させて生成される両性ウレタン樹脂である。
(A)ポリオール化合物
(B)ポリイソシアネート化合物
(C)水酸基、第一級アミノ基及び第二級アミノ基から選択される少なくとも1種と、カルボキシル基とを有する化合物
(D)水酸基、第一級アミノ基及び第二級アミノ基から選択される少なくとも1種と、第三級アミノ基とを有する化合物
(E)水酸基、第一級アミノ基及び第二級アミノ基から選択される少なくとも1種と、下記の一般式(2)で示される構造単位とを有する化合物
【0023】
【化8】
Figure 0003701233
【0024】
(式中、pは1〜500の整数、qは0〜400の整数を表す。)
(S)ポリシロキサン化合物
【0025】
本発明に用いられるポリシロキサン化合物担持両性ウレタン樹脂を構成するポリシロキサン化合物は、ジメチルポリシロキサン、ポリエーテル変性シリコーン、環状シリコーン、フェニル変性シリコーン、アルキル変性シリコーン及びアルコキシ変性シリコーンから選択される少なくとも1種であることが好ましい。
【0026】
本発明に用いられる両性界面活性剤は、アミドベタイン型両性界面活性剤、アミドスルホベタイン型両性界面活性剤、ベタイン型両性界面活性剤、スルホベタイン型両性界面活性剤及びイミダゾリニウム型両性界面活性剤からなる群から選ばれた1種又は2種以上であることができる。また、半極性界面活性剤は、第3級アミンオキサイド型半極性界面活性剤であることができる。
【0027】
本発明においては、高級脂肪酸は、炭素数7〜25の直鎖状又は分岐鎖状の脂肪酸であることが好ましい。
【0028】
本発明において、複合体の高級脂肪酸と、両性界面活性剤及び/又は半極性界面活性剤との混合比は、前者:後者の質量比で0.5:9.5〜9.5:0.5であることが好ましい。
【0029】
本発明に用いられるアルキル変性カルボキシビニルポリマーにおいて、アルキル変性カルボキシビニルポリマーを構成するカルボキシビニルポリマーは、アクリル酸・アクリル酸エステル共重合体のポリエチレンオキサイド鎖による部分架橋化物であることができる。
【0030】
本発明において、アルキル変性カルボキシビニルポリマーのアルキル変性は、カルボキシビニルポリマーの主鎖及び/又はエステル鎖へのアルキル基導入によるものであることができる。
【0031】
前記アルキル変性カルボキシビニルポリマーのアルキル基の炭素数は10〜30であることが好ましい。また、アルキル変性カルボキシビニルポリマーの分子量は数平均分子量で50万〜300万であることが好ましい。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について詳述する。
【0033】
本発明に用いられる両性ウレタン樹脂は、下記の一般式(1)
【0034】
【化9】
Figure 0003701233
【0035】
[式中、R1は炭素数1〜24のアルキル基を表す。R2〜R4はそれぞれ独立に−Cn2n−(ただし、nは1〜3の整数を表す。)を表す。R5は−Cn2n−(ただし、nは3〜5の整数を表す。)を表す。また、R6〜R9はそれぞれ独立に炭素数1〜20のアルキル基を表す。R10はメチル基またはエチル基を表す。mは1〜200の整数を表す。]
【0036】
で示される化合物から誘導される構造単位を有するポリシロキサン鎖含有両性ウレタン樹脂及び/又はポリシロキサン化合物担持両性ウレタン樹脂であり、両ウレタン樹脂とも新規な化合物である。
【0037】
まず、前記ポリシロキサン鎖含有両性ウレタン樹脂について説明する。
【0038】
本発明に用いられるポリシロキサン鎖含有両性ウレタン樹脂は、特定のポリシロキサン鎖を有する両性ウレタン樹脂であり、好ましくは、少なくとも下記の(F)〜(J)成分を反応させて得られる、一分子中にカルボキシル基と、第三級アミノ基とを有するものである。
(F)ポリオール化合物
(G)ポリイソシアネート化合物
(H)前記一般式(1)で表される化合物
(I)活性水素とカルボキシル基を有する化合物
(J)活性水素と第三級アミノ基を有する化合物
【0039】
前記ポリオール化合物(F成分)としては、通常のポリウレタンの製造に使用されるものであれば特に限定はなく、例えば、ポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリブタジエンポリオール、ポリイソプレンポリオール、ポリオレフィンポリオール、ポリアクリル酸エステル系ポリオール等が挙げられ、これらは単独で、もしくは2種以上併せて用いられる。中でも、ポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオールが好適に用いられる。
【0040】
前記ポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,8−オクタンジオール、1,10−デカンジオール、ジエチレングリコール、スピログリコール、トリメチロールプロパン、1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。
【0041】
前記ポリエステルポリオールとしては、例えば、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、マレイン酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、テレフタル酸等のジカルボン酸の少なくとも1種と、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,8−オクタンジオール、1,10−デカンジオール、ジエチレングリコール、スピログリコール、トリメチロールプロパン等の多価アルコールの少なくとも1種とを縮重合させて得られるものやラクトン酸の開環重合により得られるもの等が挙げられる。
【0042】
前記ポリエーテルポリオールとしては、例えば、前記ポリエステルポリオールの合成に使用する多価アルコールの他、ビスフェノールA等のフェノール類、または第一級アミン類にエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、オキセタン、テトラヒドロフラン等の環状エーテルを開環付加重合させて得られるものが使用でき、ポリオキシエチレンポリオール、ポリオキシプロピレンポリオール、ポリオキシテトラメチレンポリオール、ビスフェノールAにプロピレンオキサイドまたはエチレンオキサイドの少なくとも一方を開環付加重合させたもの(共重合体の場合は、ブロック共重合体、ランダム共重合体のいずれでもよい。)等が挙げられる。
【0043】
前記ポリイソシアネート化合物(G成分)としては、特に限定はなく、例えば、脂肪族ジイソシアネート化合物、脂環式ジイソシアネート化合物、芳香族ジイソシアネート化合物等の有機ジイソシアネート化合物が挙げられ、これらは単独で、もしくは2種以上を併せて用いられる。
【0044】
前記脂肪族ジイソシアネート化合物としては、例えば、エチレンジイソシアネート、2,2,4ートリメチルヘキサメチレンジイソシアネート,1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート等が挙げられる。前記脂環式ジイソシアネート化合物としては、例えば、水素添加4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチルシクロへキシレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート等が挙げられる。前記芳香族ジイソシアネート化合物としては、例えば、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート等が挙げられる。これらの中でも、耐光性に優れ、かつ、低価格である点で、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート等が好ましい。
【0045】
前記ポリイソシアネート化合物(G成分)のモル比は、G成分/(F+H+I+J成分)=2/0.8〜2/1.8の範囲に設定することが好ましく、特に好ましくはG成分/(F+H+I+J成分)=2/1〜2/1.8である。
【0046】
前記ポリオール化合物(F成分)及びポリイソシアネート化合物(G成分)とともに用いられる化合物(H成分)は、下記の一般式(1)で示される構造である。
【0047】
【化10】
Figure 0003701233
【0048】
[式中、R1は炭素数1〜24のアルキル基を表す。R2〜R4はそれぞれ独立に−Cn2n−(ただし、nは1〜3の整数を表す。)を表す。R5は−Cn2n−(ただし、nは3〜5の整数を表す。)を表す。また、R6〜R9はそれぞれ独立に炭素数1〜20のアルキル基を表す。R10はメチル基またはエチル基を表す。mは1〜200の整数を表す。]
【0049】
前記一般式(1)において、R1で表される炭素数1〜24のアルキル基は、直鎖状、分岐状のいずれでもよいが、直鎖状のものが好ましく、アルキル基の炭素数は1〜10が好ましい。また、一般式(1)において、R6〜R9で表される炭素数1〜20のアルキル基は、直鎖状、分岐状のいずれでもよいが、直鎖状のものが好ましく、アルキル基の炭素数は1〜10が好ましい。さらに、前記一般式(1)における繰り返し数mは、一般式(1)で表される化合物(H成分)の分子量が500〜12,000の範囲になるように設定することが好ましく、より好ましくは化合物(H成分)の分子量が700〜10,000の範囲になるように設定される。
【0050】
前記一般式(1)で示される化合物(H成分)としては、下記の構造式(3)または構造式(4)で示される化合物が好ましい。mは、前記一般式(1)の場合と同じである。
【0051】
【化11】
Figure 0003701233
【0052】
【化12】
Figure 0003701233
【0053】
そして、前記一般式(1)で示される化合物(H成分)は、例えば、下記に示すヒドロシリル化反応により製造することができる。
【0054】
【化13】
Figure 0003701233
【0055】
[反応式中、R11は−Cn2n−(ただし、nは1〜3の整数を表す。)を表し、他の記号は一般式(1)と同様である。]
【0056】
前記触媒としては、白金、塩化白金酸等のヒドロシリル化触媒が用いられる。
【0057】
前記一般式(1)で示される化合物(H成分)のモル比は、H成分/G成分=0.01/2〜0.5/2の範囲に設定することが好ましく、特に好ましくはH成分/G成分=0.01/2〜0.3/2の範囲である。
【0058】
前記活性水素とカルボキシル基を有する化合物(I成分)は、分子内に少なくとも1つの活性水素と、少なくとも1つのカルボキシル基を有する化合物であれば特に限定はないが、下記の一般式(5)で示される化合物であることが好ましい。
【0059】
【化14】
Figure 0003701233
【0060】
[式中、R12は炭素数1〜24のアルキル基を表す。R13、R14はそれぞれ独立に−Cn2n−(ただし、nは1〜3の整数を表す。)を表す。]
【0061】
特に、ジメチロール、ジエタノール、ジプロパノール等のジアルキロール基を持った炭素数3〜26、好ましくは3〜12のカルボン酸が好適な例として挙げられる。具体的な例としては、例えば、ジメチロールプロピオン酸(DMPA)、ジメチロールブタン酸等が挙げられる。また、カルボキシル基含有ポリカプロラクトンジオールも好ましく用いられる。これらは単独で、もしくは2種以上併せて用いられる。
【0062】
前記活性水素と第三級アミノ基を有する化合物(J成分)は、分子内に少なくとも1つの活性水素と、少なくとも1つの第三級アミノ基を有する化合物であれば特に限定されるものではないが、下記の一般式(6)で示される化合物であることが好ましい。
【0063】
【化15】
Figure 0003701233
【0064】
[式中、R15は炭素数1〜24のアルキル基を表す。R16、R17はそれぞれ独立に−Cn2n−(ただし、nは1〜3の整数を表す。)を表す。]
【0065】
特に、前記I成分と同じジアルキロール基を持った、例えば、N−メチルジエタノールアミン、N−ブチルジエタノールアミン等のN−アルキルジアルカノールアミン化合物、ジメチルアミノエタノール等が好適な例として挙げられる。N−アルキルのアルキル基は、炭素数1〜24が好ましく、特に1〜8が好ましい。これらは単独で、もしくは2種以上併せて用いられる。
【0066】
なお、前記ポリシロキサン鎖含有両性ウレタン樹脂としては、構造中にアルキレンオキサイド(以下、「RO」ともいう。)から誘導される構造単位を有するものを用いることが、化粧料の安定性、特性の向上の点から好ましい。前記ROから誘導される構造単位としては、例えば、エチレンオキサイド(以下、「EO」ともいう。)単位や、プロピレンオキサイド(以下「PO」ともいう。)単位等が挙げられ、好ましくはEO単位である。
【0067】
なお、前記ポリシロキサン鎖含有両性ウレタン樹脂は、EO単位とPO単位の双方を有していてもよい。前記EO単位とPO単位の比率は、質量基準で、EO単位/PO単位=10/0〜2/8の範囲が好ましく、特に好ましくはEO単位/PO単位10/0〜4/6である。
【0068】
EO単位の繰り返し数nは、3〜300の範囲に設定することが好ましく、特に好ましくは20〜120である。すなわち、nが3未満であると、両性ウレタン樹脂に導入されるEO単位が少なすぎるため、充分な親水性が付与できず、逆に、nが300を越えると、両性ウレタン樹脂自身の親水性が強くなりすぎ、耐湿性等に悪影響を及ぼす恐れがあるからである。また、PO単位の繰り返し数mも、m=3〜300の範囲に設定することが好ましく、特に好ましくはm=20〜120である。なお、前記EO単位とPO単位の双方を有する場合は、n+m=3〜300の範囲に設定することが好ましく、特に好ましくはn+m=20〜120である。
【0069】
前記構造中にROから誘導される構造単位を有する化合物としては、前記ポリシロキサン鎖含有両性ウレタン樹脂の構造中に、EOから誘導される構造単位を導入できるものであれば特に限定するものではなく、また、F成分中のポリエーテルポリオールと重複してもよく、例えば、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール(EO/POブロックコポリマー)等が挙げられ、好ましくはポリエチレングリコールが用いられる。なお、ポリアルキレンオキサイド基を誘導するものとしては、両末端OH基導入タイプ、両末端NH2基導入タイプ、片末端OH基導入タイプ、片末端NH2基導入タイプのいずれのタイプのポリアルキレンオキサイド誘導体であってもよい。そして、前記両末端OH基導入タイプまたは両末端NH2基導入タイプを用いた場合は、EO単位を主鎖中に有する両性ウレタン樹脂が得られる。また、片末端OH基導入タイプまたは片末端NH2基導入タイプを用いた場合には、EO単位を側鎖もしくは末端に有する両性ウレタン樹脂が得られる。
【0070】
前記ポリアルキレンオキサイド誘導体の分子量は、200〜20,000の範囲が好ましく、特に好ましくは1,000〜10,000である。
【0071】
本発明においては、ポリオール化合物(F成分)と、ポリイソシアネート化合物(G成分)と、前記一般式(1)で示される化合物(H成分)と、活性水素とカルボキシル基を有する化合物(I成分)とその他必要に応じてF成分以外のポリアルキレンオキサイド誘導体とを、イソシアネート基過剰にて反応させてイソシアネート基含有プレポリマーを作製した後、このイソシアネート基含有プレポリマーと、活性水素と第三級アミノ基を有する化合物(J成分)とを反応させることにより製造することができる。あるいは、前記ポリシロキサン鎖含有両性ウレタン樹脂は、前記特定のI成分とJ成分との反応順序を入れ換え、すなわち、前記F成分とG成分とH成分とJ成分とその他必要に応じてF成分以外のポリアルキレンオキサイド誘導体とを、イソシアネート基過剰にて反応させてイソシアネート基含有プレポリマーを作製した後、このイソシアネート基含有プレポリマーと、前記特定のI成分とを反応させることにより製造することもできる。なお、前記製法において、F成分、G成分およびH成分と共に、特定のI成分およびJ成分の双方を同時に反応させると、I成分中のカルボキシル基と、J成分中の第三級アミノ基とが先に塩を形成して反応系に不溶となり、OH基があってもイソシアネート化合物との反応が起こらなくなり、目的とする両性ウレタン樹脂を製造することはできない。また、前記必要に応じて添加するF成分以外のポリアルキレンオキサイド誘導体は、イソシアネート基含有プレポリマーを作製した後に添加してもよい。
【0072】
なお、前記各成分を用いてイソシアネート基含有プレポリマーを作製する際には、最終的製品であるポリシロキサン鎖含有両性ウレタン樹脂の諸特性を調整する目的で鎖延長または分子量抑制剤を使用することができる。前記鎖延長剤としては、特に限定はなく、例えば、低分子ポリオール、アミン類等が挙げられる。
前記低分子ポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、スピログリコール、シクロヘキシルジメタノール、水素添加ビスフェノールA、ネオペンチルグリコール、ビス(β−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、キシリレングリコール等のグリコール類、トリメチロールプロパン、グリセリン等のトリオールが挙げられる。前記アミン類としては、例えば、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ピペラジン、ヒドラジン、イソホロンジアミン、メチレン(ビス−o−クロルアニリン)、両末端アミノ基含有ポリプロピレングリコール等が挙げられる。また、前記分子量抑制剤としては、例えば、片末端アミノ基含有ポリプロピレングリコール等が挙げられる。
【0073】
前記ポリシロキサン鎖含有両性ウレタン樹脂を製造する際には、必要に応じて溶剤を使用することができ、例えば、原料および生成するポリウレタンの双方を溶解する有機溶剤を使用することが好ましい。前記有機溶剤としては、例えば、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、酢酸エチル等のエステル類、その他セロソルブアセテートやセロソルブエーテル等が挙げられる。
【0074】
また、前記ポリシロキサン鎖含有両性ウレタン樹脂を製造する製造する際、その分子中に組み込まれたカルボキシル基または第三級アミノ基を中和剤で中和することにより、水への分散性を付与させることができる。前記カルボキシル基に対する中和剤としては、例えば、トリエチルアミン、トリメチルアミン、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、トリエタノールアミン、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等が挙げられる。例えば、酢酸、塩酸、硫酸、硝酸、ジメチル硫酸等が挙げられる。
【0075】
また、 前記ポリシロキサン鎖含有両性ウレタン樹脂を製造する際には、ポリウレタンの分野で周知の重合触媒を使用することができ、例えば、第三級アミン触媒、有機金属触媒等を用いることができる。前記第三級アミン触媒としては、例えば、[2,2,2]ジアザビシクロオクタン(DABCO)、テトラメチレンジアミン、N−メチルモルフォリン、ジアザビシクロウンデセン(DBU)等が挙げられる。前記有機金属触媒としては、例えば、ジブチルチンジラウレート等が挙げられる。
【0076】
以下に、具体的なポリシロキサン鎖含有両性ウレタン樹脂の製造例を挙げる。[製造例1;両性ウレタン樹脂(A)]
撹拌装置、温度計、窒素導入管および還流冷却器を備えたガラス製4つ口フラスコに、イソホロンジイソシアネート(IPDI)70g、ポリエステルポリオール(1,6−ヘキサンジオールアジペート、分子量2,000)220g、前記構造式(3)で示される化合物(片末端OH基導入タイプ、分子量約1,000)8g及びジメチロールブタン酸(DMBA)14gを入れ、溶剤として酢酸エチル50gを加え、オイルバスを使用して80℃に加熱して4時間反応させた。その後、N−メチルジエタノールアミン(NMDEtA)2gならびに酢酸エチル60gを追加して、さらに80℃にて2時間反応させ、NCO基残存したプレポリマーを得た。このNCO基残存したプレポリマーを50℃まで冷却した後、これにトリエチルアミン9gを含む水900gを高速撹拌下で加えて分散させ、さらに50℃にて3時間鎖延長反応を行って高分子量化させた。得られた水性液より前記酢酸エチルを回収し、実質的に溶剤を含まないポリシロキサン鎖含有両性ウレタン樹脂の水性液を得た。この両性ウレタン樹脂は、ウレタン樹脂の主鎖を構成する特定の炭素原子(4価)にアルキル基(−C25)とポリシロキサン鎖の双方がグラフトした構造である。
【0077】
[製造例2;両性ウレタン樹脂(B)]
前記構造式(3)で示される化合物に代えて、前記構造式(4)で示される化合物を用いる以外は、製造例1と同様にしてポリシロキサン鎖含有両性ウレタン樹脂の水性液を得た。この両性ウレタン樹脂は、ウレタン樹脂の主鎖を構成する特定の炭素原子(4価)にアルキル基(−C919)とポリシロキサン鎖の双方がグラフトした構造である。
【0078】
[製造例3;両性ウレタン樹脂(C)]
前記構造式(3)で示される化合物の配合量を16gに増量した以外は、製造例1と同様にしてポリシロキサン鎖含有両性ウレタン樹脂の水性液を得た。この両性ウレタン樹脂は、ウレタン樹脂の主鎖を構成する特定の炭素原子(4価)にアルキル基(−C25)とポリシロキサン鎖の双方がグラフトした構造である。
【0079】
[製造例4;両性ウレタン樹脂(D)]
撹拌装置、温度計、窒素導入管および還流冷却器を備えたガラス製4つ口フラスコに、イソホロンジイソシアネート(IPDI)70g、ポリエステルポリオール(1,6−ヘキサンジオールアジペート、分子量2,000)220g、前記構造式(3)で示される化合物(片末端OH基導入タイプ、分子量約1,000)16g、トリメチロールプロパン1g及びジメチロールブタン酸(DMBA)14gを入れ、溶剤として酢酸エチル50gを加え、オイルバスを使用して80℃に加熱して4時間反応させた。その後、N−メチルジエタノールアミン(NMDEtA)2gならびに酢酸エチル60gを追加して、さらに80℃にて2時間反応させ、NCO基残存したプレポリマーを得た。このNCO基残存したプレポリマーを50℃まで冷却した後、これにトリエチルアミン9gを含む水900gを高速撹拌下で加えて分散させ、さらに50℃にて3時間鎖延長反応を行って高分子量化させた。得られた水性液より前記酢酸エチルを回収し、実質的に溶剤を含まないポリシロキサン鎖含有両性ウレタン樹脂の水性液を得た。この両性ウレタン樹脂は、ウレタン樹脂の主鎖を構成する特定の炭素原子(4価)にアルキル基(−C25)とポリシロキサン鎖の双方がグラフトした構造であり、かつ、架橋構造を有している。
【0080】
[比較製造例1;両性ウレタン樹脂(E)]
前記構造式(3)で示される化合物に代えて、下記構造式(7)で示される化合物(片末端OH基導入タイプ、分子量約1,000)を用いる以外は、製造例1と同様にして、ポリシロキサン鎖含有両性ウレタン樹脂の水性液を得た。この両性ウレタン樹脂は、ウレタン樹脂の主鎖を構成する特定の炭素原子(3価)にポリシロキサン鎖のみがグラフトし、アルキル基はグラフトしていない構造である。
【0081】
【化16】
Figure 0003701233
【0082】
次に、前記本発明に係るポリシロキサン化合物担持両性ウレタン樹脂について説明する。
【0083】
本発明毛髪化粧料は、ポリシロキサン化合物を担持した両性ウレタン樹脂を含有する。本発明の好ましい前記両性ウレタン樹脂は一分子中にカルボキシル基と第三級アミノ基とを有するポリシロキサン化合物担持両性ウレタン樹脂である。
【0084】
本発明で好ましく用いられる、ポリシロキサン化合物を担持した一分子中にカルボキシル基と第三級アミノ基とを有するポリシロキサン化合物を担持両性ウレタン樹脂を構成する両性ウレタン樹脂としては、少なくとも下記の(A)〜(D)の化合物を反応させて生成される両性ウレタン樹脂が好ましい。
(A)ポリオール化合物
(B)ポリイソシアネート化合物
(C)水酸基、第一級アミノ基及び第二級アミノ基から選択される少なくとも1種と、カルボキシル基とを有する化合物
(D)水酸基、第一級アミノ基及び第二級アミノ基から選択される少なくとも1種と、第三級アミノ基とを有する化合物
【0085】
本発明に用いられるポリオール化合物(以下、化合物(A)ともいう。)としては、一般にウレタン樹脂の製造に使用されるポリオール化合物であれば特に限定されるものではない。化合物(A)の例としては、例えば、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、低分子ポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリブタジエンポリオール、ポリイソプレンポリオール、ポリオレフィンポリオール、ポリアクリル酸エステル系ポリオール等が挙げられ、これらは単独で、もしくは2種以上併せて用いられる。中でも、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、低分子ポリオールが好適に用いられる。
【0086】
前記ポリエステルポリオールとしては、例えば、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、テレフタル酸等のジカルボン酸の少なくとも1種と、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,8−オクタンジオール、1,10−デカンジオール、ジエチレングリコール、スピログリコール、トリメチロールプロパン等の多価アルコールの少なくとも1種とを縮重合させて得られるポリエステルポリオール、並びにラクトン類の開環重合により得られるポリエステルポリオール等が挙げられる。
【0087】
前記ポリエーテルポリオールとしては、例えば、水及び前記ポリエステルポリオールの合成に使用する多価アルコールの他、ビスフェノールA等のフェノール類及びその水素化物、並びに第一級アミン類もしくは第二級アミン類に、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、オキセタン、テトラヒドロフラン等の環状エーテルを開環付加重合させて得られるポリエーテルポリオールが挙げられる。さらに、ポリオキシプロピレンポリオール、ポリオキシテトラメチレンポリオール、並びにビスフェノールAに、プロピレンオキサイドもしくはエチレンオキサイドの少なくとも一方を開環付加重合させたポリエーテルポリオール(共重合体の場合は、ブロック共重合体、ランダム共重合体のいずれでもよい。)等が挙げられる。
【0088】
前記低分子ポリオールとしては、例えば、1,4−シクロヘキサンジメタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、イソプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、ブチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,8−オクタンジオール、1,10−デカンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、スピログリコール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン等が挙げられる。
【0089】
化合物(A)は、単独で又は組み合わせて使用できる。化合物(A)の中では、1,4−シクロヘキサンジメタノールが好ましい。
【0090】
なお、本発明において、化合物(A)の中で後述する化合物(E)と重複する場合、その化合物は、化合物(E)に含まれ、化合物(A)には含まれない。さらに、本発明において、化合物(A)の中で後述する化合物(C)と重複する場合、その化合物は、化合物(C)に含まれ、化合物(A)には含まれない。また、本発明において、化合物(A)の中で後述する化合物(D)と重複する場合、その化合物は、化合物(D)に含まれ、化合物(A)には含まれない。
【0091】
本発明に用いられるポリイソシアネート化合物(以下、化合物(B)ともいう。)としては、一般にウレタン樹脂の製造に使用されるポリイソシアネート化合物であれば特に限定されるものではない。化合物(B)の例としては、例えば、脂肪族ジイソシアネート化合物、脂環式ジイソシアネート化合物、芳香族ジイソシアネート化合物等の有機ジイソシアネート化合物が挙げられ、これらは単独で、もしくは2種以上を併せて用いられる。
【0092】
前記脂肪族ジイソシアネート化合物としては、例えば、エチレンジイソシアネート、2,2,4ートリメチルヘキサメチレンジイソシアネート,1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート等が挙げられる。
【0093】
前記脂環式ジイソシアネート化合物としては、例えば、水素添加4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチルシクロへキシレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート等が挙げられる。
【0094】
前記芳香族ジイソシアネート化合物としては、例えば、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート等が挙げられる。
【0095】
これらの化合物(B)中では、耐候性に優れ、かつ、低価格である点で、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート等が好ましい。化合物(B)は、単独でもしくは組み合わせて使用できる。
【0096】
本発明に用いられる水酸基、第一級アミノ基及び第二級アミノ基から選択される少なくとも1種と、カルボキシル基とを有する化合物(以下、化合物(C)ともいう。)としては、分子内に水酸基、第一級アミノ基及び第二級アミノ基から選択される少なくとも1種と、カルボキシル基を少なくとも1つ有する化合物であって、目的とする両性ウレタン樹脂を得ることができる化合物であれば特に限定されるものではない。化合物(C)としては、例えば、ジメチロール、ジエタノール、ジプロパノール等のジアルキロール基を持った炭素数3〜26、好ましくは3〜12のカルボン酸が好適な例として挙げられる。具体的な例としては、例えば、ジメチロールプロパン酸(DMPA)、ジメチロールブタン酸等が挙げられる。また、カルボキシル基含有ポリカプロラクトンジオールも用いられる。これらは単独で、もしくは2種以上併せて用いられる。
【0097】
本発明に用いられる水酸基、第一級アミノ基及び第二級アミノ基から選択される少なくとも1種と、第三級アミノ基とを有する化合物(以下、化合物(D)ともいう。)としては、分子内に水酸基、第一級アミノ基及び第二級アミノ基から選択される少なくとも1種と、第三級アミノ基を少なくとも1つ有する化合物であって、目的とする両性ウレタン樹脂を得ることができる化合物であれば特に限定されるものではない。化合物(D)としては、例えば、前記化合物(C)と同じジアルキロール基を持った、例えば、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、N−ブチルジエタノールアミン、N−ラウリルジエタノールアミン、N−メチルジプロパノールアミン等のN−アルキルジアルカノールアミン化合物が挙げられる。N−アルキルジアルカノールアミン化合物のN−アルキルのアルキル基は、炭素数1〜24が好ましく、特に1〜8が好ましい。
さらに、N,N−ジメチルエタノールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、N,N−ジブチルエタノールアミン等のN,N−ジアルキルアルカノールアミン化合物、並びにトリエタノールアミン等が挙げられる。これらは単独で、もしくは2種以上併せて用いられる。
【0098】
本発明に用いられるポリシロキサン化合物(以下、化合物(S)ともいう。)としては、化粧料に配合できるポリシロキサン化合物であって、シロキサン鎖の両末端もしくは片末端に水酸基、第一級アミノ基及び第二級アミノ基から選択される少なくとも1種を有しないポリシロキサン化合物であり、目的とする両性ウレタン樹脂を得ることができる化合物であれば特に限定されるものではない。ポリシロキサン化合物の例を挙げれば、例えば、ジメチルポリシロキサン、ポリエーテル変性シリコーン、環状シリコーン、フェニル変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、アルコキシ変性シリコーン等である。これらのポリシロキサン化合物は、1種または2種以上が任意に選択されて配合される。
【0099】
ジメチルポリシロキサンとしては、例えば一般式(8)で示される化合物を挙げることができる。
【0100】
【化17】
Figure 0003701233
【0101】
(式中、nは1以上の整数を表す。)
【0102】
式中、nは1〜100の整数が好ましく、1〜50の整数がより好ましく、3〜30の整数が特に好ましい。
【0103】
本発明のジメチルポリシロキサンは、市販品を用いることが可能であり、市販品の例としては、例えば東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製のSH200シリーズ(商品名)、信越化学工業株式会社製のKF96シリーズ(商品名)等が挙げられる。
【0104】
ポリエーテル変性シリコーンとしては、例えば一般式(9)で示される化合物を挙げることができる。
【0105】
【化18】
Figure 0003701233
【0106】
(式中、mは0以上の整数を表し、nは1以上の整数を表し、R18は下記式(10)で示される基を表す。)
【0107】
【化19】
Figure 0003701233
【0108】
(式中、R19は水素原子又は炭素数1〜10の炭化水素基を表し、aは1〜10の整数を表し、bは1〜300の整数を表し、cは0〜300の整数を表す。)
【0109】
一般式(9)において、mは0〜300の整数が好ましく、1〜300の整数がさらに好ましく、1〜100の整数がより好ましく、1〜50の整数が特に好ましい。nは1〜300の整数が好ましく、1〜100の整数がより好ましく、1〜50の整数が特に好ましい。さらに、式(10)において、R19は水素原子又はメチル基が好ましい。aは1〜5の整数が好ましく、2〜4の整数が特に好ましい。bは2〜50の整数が好ましく、2〜40の整数がより好ましく、2〜30の整数が特に好ましい。cは0〜50の整数が好ましく、0〜40の整数がより好ましく、0〜30の整数が特に好ましい。
【0110】
一般式(9)で示される化合物(S)として、一般式(9)において、mが1〜300の整数であり、nが1〜300の整数であり、R18は式(10)で示される基であって、aが1〜5の整数であり、bが2〜50整数であり、cが0〜50の整数である化合物が好ましい。
【0111】
一般式(9)で示される化合物(S)として、一般式(9)において、mが1〜100の整数であり、nが1〜100の整数であり、R18は式(10)で示される基であって、aが2〜4の整数であり、bが2〜40整数であり、cが0〜40の整数である化合物がより好ましい。
【0112】
一般式(9)で示される化合物(S)として、一般式(9)において、mが1〜50の整数であり、nが1〜50の整数であり、R18は式(10)で示される基であって、aが2〜4の整数であり、bが2〜30整数であり、cが0〜30の整数である化合物が特に好ましい。
【0113】
一般式(9)で示されるポリエーテル変性シリコーンとして、例えば、東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製のSH3746、SH3771C、SH3772C、SH3773C、SH3775C、SH3748、SH3749、SH3771M、SH3772M、SH3773M、SH3775M(商品名)、並びに信越化学工業株式会社製のKF351A、KF353A、KF945A、KF352A、KF615A、KF6011、KF6012、KF6013、KF6015、KF6016、KF6017(商品名)等を挙げることができる。
【0114】
フェニル変性シリコーンとしては、例えば一般式(11)で示される化合物を挙げることができる。
【0115】
【化20】
Figure 0003701233
【0116】
(式中、R20及びR21は、それぞれ独立に炭素数1〜12の炭化水素基(例えば、直鎖状又は分岐状の炭素数1〜12の飽和炭化水素基)、−OSi(CH3)3又はフェニル基を表す。ただし、R20及びR21の少なくとも一つはフェニル基である。mは0以上の整数を表し、nは1以上の整数を表す。)
【0117】
一般式(11)において、mは0〜300の整数が好ましく、0〜100の整数がより好ましく、0〜50の整数が特に好ましい。nは1〜500の整数が好ましく、1〜100の整数がより好ましく、1〜50の整数が特に好ましい。フェニル変性シリコーンとして、一般式(11)において、R20=CH3もしくは−OSi(CH3)3、R21=C65、m=0、n=1〜100であるメチルフェニルポリシロキサンが特に好ましい。
【0118】
一般式(11)で示されるフェニル変性シリコーンとして、例えば、東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製のSH556、SF557、SF558、SH559(商品名)、並びに信越化学工業株式会社製のKF50−100cs、KF50−1000cs、KF53、KF54、KF56(商品名)等を挙げることができる。
【0119】
アルキル変性シリコーンとしては、例えば一般式(12)で示される化合物を挙げることができる。
【0120】
【化21】
Figure 0003701233
【0121】
(式中、R22〜R24は、それぞれ独立に炭素数1〜50の炭化水素基を表す。ただし、R22〜R24のうち少なくとも一つは炭素数5〜30の炭化水素基である。mは1以上の整数を表し、nは1以上の整数を表す。)
【0122】
一般式(12)において、R22〜R24として、炭素数1〜50の炭化水素基であって、直鎖状又は分岐状の飽和炭化水素基を例示できる。炭化水素基の炭素数は、5〜30であるのが好ましく、5〜20であるのがより好ましく、10〜20であるのが特に好ましい。また、mは1〜300の整数であるのが好ましく、1〜100の整数であるのがより好ましく、1〜50の整数であるのが特に好ましい。nは1〜300の整数であるのが好ましく、1〜100の整数であるのがより好ましく、1〜50の整数であるのが特に好ましい。
【0123】
一般式(12)で示されるアルキル変性シリコーンとして、例えば、東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製のSF8416(商品名)、並びに信越化学工業株式会社製のKF−412、KF−413、KF−414(商品名)等を挙げることができる。
【0124】
アルコキシ変性シリコーンとしては、例えば一般式(13)で示される化合物を挙げることができる。
【0125】
【化22】
Figure 0003701233
【0126】
(式中、R25〜R27は、それぞれ独立に炭素数1〜12の炭化水素基または炭素数1〜50のアルコキシ基を表す。ただし、R25〜R27のうち少なくとも一つは炭素数1〜50のアルコキシ基である。mは0以上の整数を表し、nは1以上の整数を表す。)
【0127】
一般式(13)において、R25〜R27は、炭素数1〜12の炭化水素基または炭素数1〜50のアルコキシ基であるが、炭素数1〜12の炭化水素基として、直鎖状又は分岐状の飽和炭化水素基を例示でき、炭素数1〜50のアルコキシ基として、直鎖状又は分岐状のアルコキシ基を例示できる。炭素数1〜50のアルコキシ基の炭素数は、1〜30であるのが好ましく、1〜25であるのがより好ましく、1〜20であるのが特に好ましい。また、mは0〜500の整数であるのが好ましく、mは1〜500の整数であるのがさらに好ましく、1〜100の整数であるのがより好ましく、1〜50の整数であるのが特に好ましい。nは1〜100の整数であるのが好ましく、1〜80の整数であるのがより好ましく、1〜50の整数であるのが特に好ましい。
【0128】
一般式(13)で示されるアルコキシ変性シリコーンとして、例えば、信越化学工業株式会社製のKF−851、X−22−801B(商品名)等を挙げることができる。
【0129】
環状シリコーンとしては、例えば一般式(14)で示される化合物を挙げることができる。
【0130】
【化23】
Figure 0003701233
【0131】
(式中、R28は、炭素数2〜12の炭化水素基を表すが、各繰り返し単位において、互いに同一であっても異なってもよい。mは1以上の整数を表し、nは0以上の整数を表し、m+n=3〜10である。)
【0132】
一般式(14)において、R28は、炭素数1〜12の炭化水素基であって、直鎖状又は分岐状の飽和炭化水素基を例示できる。R28は、炭素数が2〜10であるのが好ましく、2〜8であるのがより好ましく、2〜5であるのが特に好ましい。また、mは1〜8の整数であるのが好ましく、3〜8の整数であるのがさらに好ましく、4〜8の整数であるのがより好ましく、4〜6の整数であるのが特に好ましい。nは0〜7の整数であるのが好ましく、0〜5の整数であるのがより好ましく、0〜3の整数であるのが特に好ましい。m+nは3〜8であるのが好ましく、4〜8であるのがより好ましく、4〜6であるのが特に好ましい。
【0133】
一般式(14)で示される環状シリコーンとして、例えば、東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製のSH244、SH344、SH245、DC345、DC246(商品名)、並びに信越化学工業株式会社製のKF994、KF995、KF9937(商品名)等を挙げることができる。
【0134】
なお、前記化18及び化20〜化23で示される化合物の繰り返し単位部分は、ランダム重合、ブロック重合等のいかなる重合形態であってもよい。
【0135】
化合物(S)の25℃での粘度(動粘度)は、いずれも1〜5,000mm2/sであるのが好ましく、1〜2,000mm2/sであるのがより好ましく、1〜1,000mm2/sであるのが特に好ましい。化合物(S)として、ジメチルポリシロキサン及びポリエーテル変性シリコーンが好ましい。化合物(S)は、単独で又は組み合わせて使用することができる。
【0136】
本発明における好ましいポリシロキサン化合物担持両性ウレタン樹脂は、前記化合物(S)の存在下、少なくとも前記化合物(A)〜(D)を反応させて生成される両性ウレタン樹脂である。本発明に係る前記ポリシロキサン化合物担持両性ウレタン樹脂を製造するに当たっては、少なくとも、前記化合物(A)〜(D)及び(S)を使用し、前記化合物(A)、(B)及び(C)を、イソシアネート基過剰の条件にて反応させてイソシアネート基含有プレポリマーを製造する第一工程、並びに該イソシアネート基含有プレポリマーを、化合物(D)と反応させる第二工程を含み、かつ第一工程及び第二工程の少なくとも一方において、化合物(S)を存在させて製造することができる。また、前記化合物(C)と化合物(D)との反応順序を入れ換えても製造することができる。
【0137】
化合物(S)と前記化合物(A)、(B)、(C)及び(D)との質量比、すなわち(S)/((A)+(B)+(C)+(D))は、0.1/100〜30/100であるのが好ましく、0.5/100〜25/100であるのがより好ましく、1/100〜20/100であるのが特に好ましい。
【0138】
また、化合物(B)と化合物(A)、(C)及び(D)とのモル比、すなわち(B)/((A)+(C)+(D))は、2.0/1.8〜2.0/0.8であるのが好ましく、2.0/1.8〜2.0/1.0であるのがより好ましく、2.0/1.8〜2.0/1.2であるのが特に好ましい。
【0139】
前記第一工程及び第二工程の反応は、ポリウレタンを製造する際に通常使用される反応条件を用い、適宜重合触媒を使用して実施できる。重合触媒として、通常ウレタン樹脂を製造するために使用される重合触媒を使用することができる。
重合触媒は、目的とする両性ウレタン樹脂を得ることができるものであれば、特に限定されるものではない。重合触媒としては、例えば、第三級アミン触媒、有機金属触媒等を用いることができる。第三級アミン触媒としては、例えば、[2,2,2]ジアザビシクロオクタン(DABCO)、テトラメチレンジアミン、N−メチルモルフォリン、ジアザビシクロウンデセン(DBU)等が挙げられる。有機金属触媒としては、例えば、ジブチルチン(錫)ジラウレート等が挙げられる。
【0140】
前記両性ウレタン樹脂を製造する際には、第一工程及び第二工程の反応に必要に応じて有機溶剤を使用することができ、例えば、化合物(A)〜(D)および生成する両性ウレタン樹脂の双方を溶解する有機溶剤を使用することが好ましい。そのような有機溶剤としては、例えば、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、酢酸エチル等のエステル類、その他セロソルブアセテートやセロソルブエーテル等が挙げられる。
【0141】
さらに、前記第二工程の後で、第二工程の反応生成物を水と混合して、鎖長延長反応を行うことが好ましい。第二工程の後で、第二工程の反応生成物を塩基性の水と混合して鎖長延長反応を行う。又は、第二工程の反応生成物に塩基性化合物を添加した後、水と混合して鎖長延長反応を行うことがより好ましい。これらの中では、第二工程の後で、第二工程の反応生成物を塩基性の水と混合して鎖長延長反応を行うことが特に好ましい。本発明においては、さらに有機溶媒中で第一工程及び第二工程の反応を行った後、第二工程の反応混合物を塩基性の水と混合して、引き続き水中で鎖長延長反応を行うことが好ましい。このように、第二工程後の反応混合物を塩基性の水と混合して、引き続き水中で鎖長延長反応を行う態様では、高分子量化された両性ウレタン樹脂を容易に得ることができ好ましい。この態様の製造方法においては、第二工程後の反応混合物が、末端にイソシアネート基を含有するプレポリマーであるように製造条件を設定するのが好ましい。
【0142】
前記塩基性の水とは、水に塩基性物質が溶解し、塩基性を呈している水をいい、例えば、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、アンモニア、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール等が溶解している水を例示できる。
【0143】
また、本発明におけるポリシロキサン化合物担持両性ウレタン樹脂を製造する際の鎖長延長反応には鎖長延長剤を用いることができ、鎖長延長剤によって最終的に得られるポリシロキサン化合物担持両性ウレタン樹脂の特性を調整することができる。鎖長延長剤としては、鎖長延長反応で用いられる化合物であって、例えば、低分子ポリオール、アミン類、水等が挙げられる。前記低分子ポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、スピログリコール、ビス(β−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、キシリレングリコール等のグリコール類、トリメチロールプロパン、グリセリン等のトリオールが挙げられる。前記アミン類としては、例えば、メチレン(ビス−o−クロルアニリン)等が挙げられる。
【0144】
本発明においては、ポリシロキサン化合物担持両性ウレタン樹脂として、樹脂の構造中にROから誘導される構造単位を有するものを用いることが、化粧料の安定性、特性の向上の点から好ましい。ROから誘導される構造単位としては、例えば、EO単位や、PO単位等が挙げられ、好ましくはEO単位である。
【0145】
構造中にROから誘導される構造単位を有する化合物としては、ポリシロキサン化合物担持両性ウレタン樹脂の構造中に、ROから誘導される構造単位を導入できるものであれば特に限定するものではない。
【0146】
構造中にROから誘導される構造単位を有する好ましい化合物としては、水酸基、第一級アミノ基及び第二級アミノ基から選択される少なくとも1種と、下記の一般式(2)で示される構造単位とを有する化合物(以下、化合物Eともいう。)である。
【0147】
【化24】
Figure 0003701233
【0148】
(式中、pは1〜500の整数、qは0〜400の整数を表す。)
【0149】
一般式(2)において、qが0の場合、COの重合体(ポリオキシエチレン)であり、qが0でない場合、COとCOの共重合体である。
この共重合体である場合、ランダム共重合体であっても、ブロック共重合体であってもよい。
【0150】
一般式(2)において、pは1〜500の整数である。さらに、qが0でない場合であっても、0の場合であっても、pは、3〜250が好ましく、3〜120がより好ましく、3〜50が特に好ましい。pが1未満の場合、両性ウレタン樹脂に導入されるEO単位が少なすぎるため、充分な親水性が付与できず、ポリシロキサン化合物担時両性ウレタン樹脂を例えば整髪剤に使用した場合、整髪剤の親水性が不充分となり、毛髪の洗髪性が悪くなる。一方、nが500を越えると、ポリシロキサン化合物担時両性ウレタン樹脂自身の親水性が強くなりすぎ、耐湿性等に悪影響を及ぼすことになる。
【0151】
また、一般式(2)において、PO単位の繰り返し数qは、0〜400の整数であり、好ましくはq=0である。qが0でない場合、qは3〜200の範囲に設定することが好ましく、さらに好ましくは3〜100である。特に好ましくは3〜40である。なお、qが0でない場合であっても、0の場合であっても、p+q=3〜300の範囲に設定することが好ましく、さらに好ましくはp+q=10〜120である。特に好ましくはp+q=3〜50である。
【0152】
また、qが0でない場合であっても、0の場合であっても、EO単位とPO単位の比率は、質量基準で、EO単位/PO単位=10/0〜2/8の範囲が好ましく、さらに好ましくはEO単位/PO単位10/0〜3/7である。特に好ましくはEO単位/PO単位10/0〜4/6である。
【0153】
なお、化合物(E)は、両末端OH基導入タイプ、両末端NH2基導入タイプ、片末端OH基導入タイプ、片末端NH2基導入タイプが好ましい。前記両末端OH基導入タイプまたは両末端NH2基導入タイプを用いた場合、一般式(2)で示される構造単位を主鎖中に有する両性ウレタン樹脂が得られる。また、片末端OH基導入タイプまたは片末端NH2基導入タイプを用いた場合には、一般式(2)で示される構造単位を側鎖もしくは末端に有する両性ウレタン樹脂が得られる。
【0154】
前記化合物(E)の質量平均分子量は、200〜20,000の範囲が好ましく、さらに好ましくは200〜5,000である。特に好ましくは500〜2,000である。
【0155】
化合物(E)としては、例えば、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリエチレンポリプロピレングリコール、ポリエチレンポリプロピレンブロックコポリマー等が挙げられる。なかでも、ポリエチレングリコールが好ましい。化合物(E)は、単独で又は組み合わせて使用できる。
【0156】
化合物(E)を加えた場合のポリシロキサン化合物担持両性ウレタン樹脂は、前記化合物(S)存在下で、少なくとも前記化合物(A)〜(E)を反応させて生成される両性ウレタン樹脂が好ましい。
【0157】
この樹脂の製造に当たっては、化合物(E)を加えない場合の製造法と同様に行うことができる。すなわち、少なくとも前記化合物(A)〜(E)及び(S)を使用し、前記化合物(A)、(B)、(C)及び(E)を、イソシアネート基過剰の条件にて反応させてイソシアネート基含有プレポリマーを製造する第一工程、並びに該イソシアネート基含有プレポリマーを、化合物(D)と反応させる第二工程を含み、かつ第一工程及び第二工程の少なくとも一方において、化合物(S)を存在させて製造することができる。また、前記化合物(C)と化合物(D)との反応順序を入れ替えても製造することができる。
【0158】
化合物(S)と前記化合物(A)、(B)、(C)、(D)及び(E)との質量比、すなわち(S)/((A)+(B)+(C)+(D)+(E))は、0.1/100〜30/100であるのが好ましく、0.5/100〜25/100であるのがより好ましく、1/100〜20/100であるのが特に好ましい。
【0159】
また、化合物(B)と化合物(A)、(C)、(D)及び(E)とのモル比、すなわち(B)/((A)+(C)+(D)+(E))は、2.0/1.8〜2.0/0.8であるのが好ましく、2.0/1.8〜2.0/1.0であるのがより好ましく、2.0/1.8〜2.0/1.2であるのが特に好ましい。
【0160】
さらに、前記第一工程及び第二工程の反応は、化合物(E)を加えない場合と同様、ウレタン樹脂を製造する際に通常使用される反応条件を用い、適宜重合触媒を用いて実施できる。また、重合触媒、有機溶剤、鎖長延長反応等についても、前記同様である。なお、前記のとおり、化合物(E)を加える場合も、前記第一工程及び第二工程を有機溶媒中で行い、水中で鎖長延長反応を行うのがより好ましい。
【0161】
本発明のポリシロキサン化合物担持両性ウレタン樹脂は、一分子中に、カルボキシル基と第三級アミノ基とを有している。カルボキシル基と第三級アミノ基との比率(両官能基の数の比率)、カルボキシル基/第三級アミノ基は、1/50〜50/1が好ましく、1/1〜50/1がより好ましく、1/1〜25/1が特に好ましい。ポリシロキサン化合物担持両性ウレタン樹脂中のカルボキシル基と第三級アミノ基との比率が1/50〜50/1にある場合、ポリシロキサン化合物担持両性ウレタン樹脂を配合した整髪剤を用いると、毛髪はより優れた風合いを持つこととなる。なお、反応に際しては、化合物(C)と化合物(D)との比率(モル比)、化合物(C)/化合物(D)は、1/50〜50/1が好ましく、1/1〜50/1がより好ましく、1/1〜25/1が特に好ましい。
【0162】
本発明に係るポリシロキサン化合物担持両性ウレタン樹脂は、ポリシロキサン化合物のポリシロキサン鎖を必ずしもその骨格内に共有結合を介して含有するものではなく、両性ウレタン樹脂の骨格によってポリシロキサン化合物を「拘束させる」または両性ウレタン樹脂の骨格がポリシロキサン化合物のポリシロキサン鎖と物理的に絡まりあうことによって、ポリシロキサン鎖を含有するものである。この拘束または絡まりあいは、両性ポリウレタンの重合反応の進行によって、より複雑化し、得られた両性ウレタン樹脂からポリシロキサン化合物が分離することを困難にしていると考えられる。
【0163】
このような、両性ウレタン樹脂の骨格とポリシロキサン化合物の拘束または絡み合い状態を、本発明においては、両性ウレタン樹脂の骨格がポリシロキサン化合物を「担持」している状態という。ここで「担持」は、両性ウレタン樹脂の形態が水溶液の形態か、水分散体の形態かで異なる。両性ウレタン樹脂の骨格は、通常直鎖構造であるが、分岐構造、架橋構造を有してよく、両性ウレタン樹脂が「水溶液」の形態の場合、両性ウレタン樹脂の骨格の間にポリシロキサン鎖が入り込んでいるものと考えられる。
【0164】
一方、両性ウレタン樹脂が「水分散体」の形態の場合、両性ウレタン樹脂は、水中で分散した粒子の形態となっていると考えられ、その粒子に対するポリシロキサン鎖の拘束の形態には、いくつかの形態が考えられる。まず、第一の形態は、ポリシロキサン鎖の全体もしくは一部が粒子の内部に包まれている形態である。第ニの形態は、ポリシロキサン鎖の末端が粒子の内部に包まれている形態である。がる。第三の形態は、ポリシロキサン鎖が粒子の表面に付着している形態である。第一〜第三に形態は、いずれも「拘束」に該当し、第一〜第三の形態が混合して存在するものも、「拘束」に該当すると考えられる。
【0165】
このように、本発明に係るポリシロキサン化合物担持両性ウレタン樹脂の骨格は、ポリシロキサン化合物を担持している。このためにポリシロキサン鎖は、比較的運動し易い性質を持ちつつ、ポリシロキサン化合物は両性ウレタン樹脂から、分離し難いと考えられる。
【0166】
以下に、本発明に用いるポリシロキサン化合物担持両性ウレタン樹脂及び比較として他のウレタン樹脂の製造例を挙げる。
[製造例5;両性ウレタン樹脂(F)]
撹拌装置、温度計、窒素導入管及び還流冷却器を備えた4つ口フラスコに、イソホロンジイソシアネート(IPDI)70g、ポリプロピレングリコール(PPG、質量平均分子量1,000)63g、1,4−シクロヘキサンジメタノール(CHDM)7g、ジメチルポリシロキサン(25℃における粘度が10mm2/s、東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製のSH200C−10cs(商品名)8g及びジメチロールブタン酸(DMBA)20gを入れ、溶剤として酢酸エチル50gを加え、オイルバスを用いて80℃に加熱して3時間反応させた。その後、N−メチルジエタノールアミン(NMDEtA)2g並びに酢酸エチル60gを追加して、さらに80℃にて3時間反応させ、イソシアネート基の残存したプレポリマーを得た。このイソシアネート基の残存したプレポリマーを50℃まで冷却した後、水酸化カリウム10gを含む水700gに高速撹拌して分散させ、さらに50℃にて3時間鎖長延長反応を行って高分子量化させた。
得られた水性液から前記酢酸エチルを回収し、実質的に溶剤を含まないポリシロキサン化合物担持両性ウレタン樹脂の水性液を得た。
【0167】
[製造例6;両性ウレタン樹脂(G)]
製造例5に記載した製造方法において、ジメチルポリシロキサン8gの代わりに、ポリエーテル変性シリコーン(25℃における粘度が1,600mm2/s、東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製のSH3775C(商品名)8gを用いた以外は、製造例5と同様の方法を用いてポリシロキサン化合物担持両性ウレタン樹脂の水性液を得た。
【0168】
[製造例7;両性ウレタン樹脂(H)]
製造例5に記載した製造方法において、ジメチルポリシロキサン8gの代わりに、環状シリコーン(25℃における粘度が4mm2/s、東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製のSH245(商品名)8gを用いた以外は、製造例5と同様の方法を用いてポリシロキサン化合物担持両性ウレタン樹脂の水性液を得た。
【0169】
[製造例8;両性ウレタン樹脂(I)]
製造例5に記載した製造方法において、ジメチルポリシロキサン8gの代わりに、フェニル変性シリコーン(25℃における粘度が22mm2/s、東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製のSH556(商品名)8gを用いた以外は、製造例5と同様の方法を用いてポリシロキサン化合物担持両性ウレタン樹脂の水性液を得た。
【0170】
[製造例9;両性ウレタン樹脂(J)]
製造例5に記載した製造方法において、ジメチルポリシロキサン8gの代わりに、アルキル変性シリコーン(25℃における粘度が500mm2/s、信越化学工業株式会社製のKF−412(商品名)8gを用いた以外は、製造例5と同様の方法を用いてポリシロキサン化合物担持両性ウレタン樹脂の水性液を得た。
【0171】
[製造例10;両性ウレタン樹脂(K)]
製造例5に記載した製造方法において、ジメチルポリシロキサン8gの代わりに、アルコキシ変性シリコーン(25℃における粘度が80mm2/s、信越化学工業株式会社製のKF−851(商品名)8gを用いた以外は、製造例5と同様の方法を用いてポリシロキサン化合物担持両性ウレタン樹脂の水性液を得た。
【0172】
[製造例11;両性ウレタン樹脂(L)]
製造例5に記載した製造方法において、ジメチルポリシロキサン8gの代わりに、ジメチルポリシロキサン(25℃における粘度が10mm2/s、東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製のSH200C−10cs(商品名)20gを用いた以外は、製造例5と同様の方法を用いてポリシロキサン化合物担持両性ウレタン樹脂の水性液を得た。
【0173】
[製造例12;両性ウレタン樹脂(M)]
製造例5に記載した製造方法において、ジメチルポリシロキサン8gの代わりに、ポリエーテル変性シリコーン(25℃における粘度が1600mm2/s、東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製のSH3775C(商品名)20gを用いた以外は、製造例5と同様の方法を用いてポリシロキサン化合物担持両性ウレタン樹脂の水性液を得た。
【0174】
[製造例13;両性ウレタン樹脂(N)]
撹拌装置、温度計、窒素導入管及び還流冷却器を備えた4つ口フラスコに、イソホロンジイソシアネート(IPDI)70g、ポリプロピレングリコール(PPG、質量平均分子量1,000)55g、ポリエチレングリコール(PEG、質量平均分子量1,000)8g、1,4−シクロヘキサンジメタノール(CHDM)7g、ジメチルポリシロキサン(25℃における粘度が10mm2/s、東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製のSH200C−10cs(商品名)8g及びジメチロールブタン酸(DMBA)20gを入れ、溶剤として酢酸エチル50gを加え、オイルバスを用いて80℃に加熱して3時間反応させた。
その後、N−メチルジエタノールアミン(NMDEtA)2g並びに酢酸エチル60gを追加して、さらに80℃にて3時間反応させ、イソシアネート基の残存したプレポリマーを得た。このイソシアネート基の残存したプレポリマーを50℃まで冷却した後、水酸化カリウム10gを含む水700gに高速撹拌して分散させ、さらに50℃にて3時間鎖長延長反応を行って高分子量化させた。得られた水性液から前記酢酸エチルを回収し、実質的に溶剤を含まないポリシロキサン化合物担持両性ウレタン樹脂の水性液を得た。
【0175】
[製造例14;両性ウレタン樹脂(O)]
製造例13に記載した製造方法において、ジメチルポリシロキサン8gの代わりに、ポリエーテル変性シリコーン(25℃における粘度が1600mm2/s、東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製のSH3775C(商品名)8gを用いた以外は、製造例13と同様の方法を用いてポリシロキサン化合物担持両性ウレタン樹脂の水性液を得た。
【0176】
[製造例15;両性ウレタン樹脂(P)]
製造例13に記載した製造方法において、ジメチルポリシロキサン8gの代わりに、ジメチルポリシロキサン(25℃における粘度が10mm2/s、東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製のSH200C−10cs(商品名)20gを用いた以外は、製造例13と同様の方法を用いてポリシロキサン化合物担持両性ウレタン樹脂の水性液を得た。
【0177】
[製造例16;両性ウレタン樹脂(Q)]
製造例13に記載した製造方法において、ジメチルポリシロキサン8gの代わりに、ポリエーテル変性シリコーン(25℃における粘度が1600mm2/s、東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製のSH3775C(商品名)20gを用いた以外は、製造例13と同様の方法を用いてポリシロキサン化合物担持両性ウレタン樹脂の水性液を得た。
【0178】
[比較製造例2;両性ウレタン樹脂(R)]
製造例5に記載した製造方法において、ジメチルポリシロキサンを全く用いなかった以外は、製造例5と同様の方法を用いて両性ウレタン樹脂の水性液を得た。
【0179】
[比較製造例3;両性ウレタン樹脂(S)]
撹拌装置、温度計、窒素導入管及び還流冷却器を備えた4つ口フラスコに、イソホロンジイソシアネート(IPDI)70g、ポリプロピレングリコール(PPG、質量平均分子量1,000)63g、1,4−シクロヘキサンジメタノール(CHDM)7g及びジメチロールブタン酸(DMBA)20gを入れ、溶剤として酢酸エチル50gを加え、オイルバスを用いて80℃に加熱して3時間反応させた。その後、N−メチルジエタノールアミン(NMDEtA)2g並びに酢酸エチル60gを追加して、さらに80℃にて3時間反応させ、イソシアネート基の残存したプレポリマーを得た。このイソシアネート基の残存したプレポリマーを50℃まで冷却した後、水酸化カリウム10gを含む水700gに高速撹拌して分散させ、さらに50℃にて3時間鎖長延長反応を行って高分子量化させた。得られた水性液から前記酢酸エチルを回収し、実質的に溶剤を含まない両性ウレタン樹脂の水性液を得た後、ジメチルポリシロキサン(25℃における粘度が10mm2/s、東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製のSH200C−10cs(商品名)を8g加えて、両性ウレタン樹脂の水性液を得た。
【0180】
本発明の前記両性ウレタン樹脂を本発明の毛髪化粧料に配合するに当たっては、水性液として用いることが好ましい。なお、本発明において、水性液とは、両性ウレタン樹脂が水に完全に溶解した水溶液状態はもちろん、両性ウレタン樹脂が水中に分散した水分散液状態(水分散物、マイクロエマルジョン等)を含む趣旨である。なお、前記両性ウレタン樹脂の水性液には、シランカップリング剤等の架橋剤を添加して架橋性を付与することも可能である。また、保存安定を付与するために種々の添加剤を加えることも自由であり、例えば、保護コロイド剤、抗菌剤、防カビ剤等が挙げられる。
【0181】
本発明に用いられる前記両性ウレタン樹脂の好ましい含有量は、有効分として、毛髪化粧料全量中0.1〜5.0質量%が好ましい。より好ましくは、0.5〜4.0質量%である。含有量が0.1質量%未満であると、本発明の効果が充分得られず、また、5.0質量%を越えて含有すると、重さ、べたつきを生じるようになるからである。
【0182】
本発明においては、前記両性ウレタン樹脂と併用される(A)成分として、両性界面活性剤及び/又は半極性界面活性剤と、高級脂肪酸との複合体の1種又は2種以上が用いられる。
【0183】
本発明における複合体は公知の物質であり、高級脂肪酸のカルボキシル基部分で両性界面活性剤及び/又は半極性界面活性剤と結合したもので、両性界面活性剤及び/又は半極性界面活性剤と、高級脂肪酸とを混合することによって得られる。その詳細は、例えば、特開平6−65596号公報に記載されている。
【0184】
複合体における、高級脂肪酸と両性界面活性剤及び/又は半極性界面活性剤との混合比率は、質量比で0.5:9.5〜9.5:0.5{前者の後者に対する質量比(高級脂肪酸)/(両性界面活性剤及び/又は半極性界面活性剤)=0.05〜19}が好ましく、より好ましくは1:9〜9:1{(高級脂肪酸)/(両性界面活性剤及び/又は半極性界面活性剤)=0.1〜9}である。これらの範囲で特に安定な複合体が得られ、さらに本発明毛髪化粧料に配合されて優れた効果を発揮する。
【0185】
本発明において複合体を構成する両性界面活性剤としては、化粧料に配合できる両性界面活性剤であれば特に限定されない。
【0186】
両性界面活性剤としては、例えば、アミドベタイン型両性界面活性剤、アミドスルホベタイン型両性界面活性剤、ベタイン型両性界面活性剤、スルホベタイン型両性界面活性剤、イミダゾリニウム型両性界面活性剤等が挙げられる。
【0187】
両性界面活性剤の具体例としては、例えば、アミドベタイン型両性界面活性剤として、ラウリン酸アミドプロピルベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン、アミドスルホベタイン型両性界面活性剤として、ラウリルアミドアルキレンジメチルアミノスルホベタイン、ベタイン型両性界面活性剤として、ラウリル(ジメチル)ベタイン、ヤシ油アルキルベタイン、ステアリル(ジメチル)ベタイン、ステアリルジヒドロキシエチルベタイン、スルホベタイン型両性界面活性剤として、ラウリルスルホベタイン、ラウリルヒドロキシスルホベタイン、イミダゾリニウム型両性界面活性剤として、2−ウンデシル−N,N,N−(ヒドロキシエチルカルボキシメチル)−2−イミダゾリンナトリウム、2−ココイル−2−イミタゾリニウムヒドロキサイド−1−カルボキシエチロキシ2ナトリウム塩、ヤシ油アルキルN−カルボキシエチルN−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン等が挙げられる。両性界面活性剤は、1種または2種以上が任意に選択されて用いられる。
【0188】
本発明の両性界面活性剤は、市販品を用いることが可能であり、市販品の例としては、例えば、アミドベタイン型両性界面活性剤である、レボン2000、同2000HG(以上、三洋化成株式会社製)、アノンBDF−S、同BDF−SF、同BDC(以上、日本油脂株式会社製)、オバゾリンCAB(東邦化学株式会社製)、SWANOL AM−3130、同3130N(以上、日光ケミカルズ株式会社製)、ソフタゾリン CPB(川研ファインケミカル株式会社製)アミドスルホベタイン型両性界面活性剤である、ロンザインCS(ロンザ社製)、ミラタインCBS(ミラノール社製)、ベタイン型両性界面活性剤である、アノンBL、同BS、同AB−202(以上、日本油脂株式会社製)、デハイントインAB−30(ヘンケル社製)、オバゾリンLB(東邦化学工業株式会社製)、スルホベタイン型両性界面活性剤である、ロンザイン12CS(ロンザ社製)、オバゾリンAHS−103(東邦化学工業株式会社製)、イミダゾリニウム型両性界面活性剤である、オバゾリン662N(東邦化学株式会社製)、アノンGLM(日本油脂株式会社製)、ソフタゾリンSF、同NS、同CL、同CH(以上、川研ファインケミカル株式会社製)、エナジコールCNS(岩瀬コスファ株式会社製)等が挙げられる。
【0189】
本発明において複合体を構成する半極性界面活性剤としては、化粧料に配合できる半極性界面活性剤であれば特に限定されない。半極性界面活性剤としては、第3級アミンオキサイド型半極性界面活性剤等が挙げられる。
【0190】
半極性界面活性剤の具体例としては、例えば、ラウリルジメチルアミンオキシド、ヤシ油アルキルジメチルアミンオキシド等が挙げられる。半極性界面活性剤は、1種または2種以上が任意に選択されて用いられる。
【0191】
本発明の半極性界面活性剤は、市販品を用いることが可能であり、市販品の例としては、例えば、第3級アミンオキサイド型半極性界面活性剤である、ユニセーフA−LM(日本油脂株式会社製)、ワンダミンOX−100(新日本株式会社製)、カチナールAOC(東邦化学株式会社製)、BARLOX 12(ロンザ社製)等が挙げられる。
【0192】
本発明において複合体を構成する高級脂肪酸としては、洗浄剤組成物に配合できる高級脂肪酸であれば特に限定されないが、炭素数7〜25の直鎖状又は分岐鎖状の脂肪酸が好ましい。また、高級脂肪酸は飽和、不飽和いずれでも構わない。また、水酸基を有していても構わない。高級脂肪酸としては、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキン酸、ベヘン酸、2−パルミトイン酸、ペトロセリン酸、オレイン酸、エライジン酸、リシノール酸、リノール酸、リノレイン酸、アラキドン酸、イソステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸等が挙げられる。高級脂肪酸は、1種または2種以上が任意に選択されて用いられる。
【0193】
複合体を毛髪化粧料へ含有させるに当たっては、複合体の形で毛髪化粧料処方の一成分として配合することができるが、処方中に他の配合成分とともに、両性界面活性剤及び/又は半極性界面活性剤と、高級脂肪酸とを別々に配合して製造中に複合体を生成させてもよい。両性界面活性剤及び/又は半極性界面活性剤と、高級脂肪酸とはそれぞれを配合するのみで製造中容易に複合体を形成する。したがって、毛髪化粧料中に両性界面活性剤及び/又は半極性界面活性剤と、高級脂肪酸が配合されていれば本発明に係る複合体である。
【0194】
本発明における毛髪化粧料への複合体の含有量、すなわち両性界面活性剤及び/又は半極性界面活性剤と高級脂肪酸の合計量は、毛髪化粧料全量中0.1〜30.0質量%であることが好ましく、0.5〜20.0質量%であることがさらに好ましい。含有量が0.1質量%未満であると、本発明の効果が充分得られず、また、30.0質量%を越えて含有しても効果の増大は期待できない。
【0195】
本発明においては、前記両性ウレタン樹脂と併用される(B)成分として、アルキル変性カルボキシビニルポリマーが用いられる。
【0196】
アルキル変性カルボキシビニルポリマーは、カルボキシビニルポリマーの一部にアルキル基を導入したアルキル変性物であることが好ましい。なお、前記カルボキシビニルポリマーは、化粧品業界では増粘剤として知られ、通常用いられているもので、例えば、カーボポール941(BF Goodrich社製)、ハイビスワコー105(和光純薬社製)等として市販されている。
【0197】
アルキル変性カルボキシビニルポリマーのアルキル変性は、カルボキシビニルポリマーの主鎖へのアルキル基導入(主鎖の炭素への結合)及び/又はエステル鎖へのアルキル基導入(アクリル酸エステルのアルコール残基)等による。導入されるアルキル基の炭素数は、10〜30であることが好ましく、アルキル基は飽和、不飽和、また直鎖状、分岐鎖状いずれでも構わない。アルキル変性カルボキシビニルポリマーの分子量は、数平均分子量で50万〜300万であることが好ましい。
【0198】
本発明のアルキル変性カルボキシビニルポリマーは、市販品を用いることが可能であり、市販品の例としては、例えば、カーボポール1342、ペミュレンTR−1、ペミュレンTR−2(BF Goodrich社製)等が挙げられる。
【0199】
本発明におけるアルキル変性カルボキシビニルポリマーの含有量は、毛髪化粧料全量中0.01〜10.0質量%が好ましい。より好ましくは、0.05〜5.0質量%である。含有量が0.01質量%未満であると、本発明の効果が充分得られず、また、10.0質量%を越えて含有しても効果の増大は期待できない。
【0200】
本発明の毛髪化粧料には、前記の必須構成成分の他に、通常化粧品や医薬品等に用いられる他の成分、例えば油分、本発明の必須成分以外の界面活性剤、保湿剤、増粘剤、皮膜剤、本発明の必須成分以外の高分子類、タンパクまたはタンパク加水分解物、賦活剤、抗脂漏剤、希釈剤、粉末、顔料、アミノ酸類、低級アルコール、紫外線吸収剤、紫外線散乱剤、金属イオン封鎖剤、多価アルコール、糖類、有機アミン、有機酸、pH調整剤、酸化防止剤、抗菌剤、防腐剤、抽出物、血行促進剤、抗炎症剤等の薬剤、香料、色素、水等を必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で適宜配合することができる。
【0201】
油分としては、例えばミツロウ、キャンデリラロウ、カルナウバロウ、ラノリン及びその誘導体、液状ラノリン、流動パラフィン、オゾケライト、スクワレン、プリスタン、パラフィン、セレシン、スクワラン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックス等のロウ、ワックス、炭化水素類、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、12−ヒドロキシステアリン酸等の高級脂肪酸、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ミリスチルアルコール、セトステアリルアルコール等の高級アルコール、ミリスチン酸イソプロピル、オクタン酸セチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸ミリスチル、オレイン酸デシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、ステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソセチル等のモノエステル油、
【0202】
コハク酸ジ2−エチルヘキシル、ジ2−エチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、アジピン酸ジ2−ヘプチルウンデシル、セバシン酸ジ2−エチルヘキシル、リンゴ酸ジイソステアリル、ジイソステアリン酸ポリグリセリル等のジエステル油、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、トリ2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸ポリグリセリル、トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル等のトリエステル油、テトラ2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリット等のテトラエステル油、ポリイソステアリン酸ポリグリセリル、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン等の鎖状ポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサンシロキサン等の環状ポリシロキサン、アミノ変性ポリシロキサン、ポリエーテル変性ポリシロキサン、アルキル変性ポリシロキサン、フッ素変性ポリシロキサン等の変性ポリシロキサン等のシリコーン類、ポリアルキレングリコールポリエーテルおよびそのカルボン酸オリゴエステル化合物、テルペン系炭化水素等が挙げられる。本発明においては、これらの油分のうち、特にシリコーン類を配合することにより、優れた毛髪化粧料が得られる。
【0203】
多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、グリセリン、ソルビトール、ポリエチレングリコール等が挙げられる。
【0204】
保湿剤としては、例えば、ヒアルロン酸塩、コンドロイチン硫酸塩、ピロリドンカルボン酸塩等が挙げられる。
【0205】
高分子類としては、例えば、アクリル系樹脂、シリコーン樹脂、ポリビニルピロリドン系高分子等が挙げられる。
【0206】
タンパクまたはタンパク加水分解物としては、例えば、大豆タンパク、ゼラチン、コラーゲン、絹フィブロイン、エラスチン等が挙げられる。
【0207】
防腐剤としては、例えば、エチルパラベン、ブチルパラベン等が挙げられる。
【0208】
賦活剤としては、例えば、各種アミノ酸、ビオチン、パントテン酸誘導体等が挙げられる。
【0209】
抗脂漏剤としては、例えば、γ−オリザノール、デキストラン硫酸ナトリウム、ビタミンE等が挙げられる。
【0210】
希釈剤としては、例えば、エタノール、イソプロパノール、テトラクロロジフルオロエタン等が挙げられる。
【0211】
増粘剤としては、例えば、カルボキシビニルポリマー等が挙げられる。
【0212】
本発明毛髪化粧料の形態、剤型は任意であり、例えばエアゾール、ムース(登録商標;以下省略)等の形態、可溶化系、乳化系、油−水の2層系等の剤型いずれでも構わない。
【0213】
【実施例】
以下実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。配合量は特に断りのない限り質量%である。実施例の説明に先立ち本発明で用いた効果試験方法及び評価基準について説明する。
【0214】
(1)セット力(性)
黒色バージンヘア(長さ20cm,重さ4g)に調製したスタイリングムースを0.5g塗布し、1試料当たり、5本のカールを作製し、これを50℃で1時間乾燥させた。このカールした毛髪ストランドの長さを測定して、初期値(c)とする。次に、毛先に60gの荷重を15分間かけ、15分後に荷重を外し、毛先の目盛りを読みとる(d)。次式に従い、カールメモリー値を算出した。
カールメモリー値(%)={(20−d)/(20−c)}×100
前記カールメモリー値が100%に近いほどカール保持率が強く、弾力性のあるセット力に優れることを示している。
【0215】
評価基準は以下のように設定した。
◎:90%以上
○:70〜90%未満
△:50〜70%未満
×:50%未満
【0216】
(2)自然な風合い
1束の黒色バージンヘア(長さ20cm,質量4.0g)に試料を0.5塗布し、常温にて乾燥させた後の毛束について、10名の女性専門パネラーによる官能試験を行い、毛髪用化粧料としての自然な風合いを評価した。
【0217】
評価基準は、以下のように設定した。
◎:毛束の風合いが非常に良好であったと感じた人が9人以上
○:毛束の風合いが非常に良好であったと感じた人が6〜8人
△:毛束の風合いが非常に良好であったと感じた人が2〜5人
×:毛束の風合いが非常に良好であったと感じた人が1人以下
【0218】
(3)感触(しなやかさ、なめらかさ)
1束の黒色バージンヘア(長さ20cm,質量4.0g)に試料を0.5塗布し、常温にて乾燥させた後の毛束について、10名の女性専門パネラーによる官能試験を行い、毛髪用化粧料としての感触(しなやかさ,なめらかさ)を評価した。評価は下記評価点基準により各人が点数をつけ、10人の点数を合計し、下記の評価基準で各テスト品の評価を行った。
【0219】
(評価点基準)
5点:非常によい
4点:よい
3点:普通
2点:悪い
1点:非常に悪い
【0220】
(評価基準)
◎:合計点が40点以上である。
○:合計点が30点以上40点未満である。
△:合計点が20点以上30点未満である。
×:合計点が20点未満である。
【0221】
(4)光沢
各試料1gを長さ20cmの黒色バージンヘア、500〜600本の毛束に塗布し、2時間、温度25℃,湿度60%の恒温恒湿器に入れる。この毛束から任意に10本の毛髪を選び、変角光度計GP−IR[(株)村上色彩研究所製]で入射された光に対する毛髪の反射光分布を測定し、毛髪の光沢度(ツヤ)を次の式により求めた。
G=s/d(G:光沢度,s:正反射光量,d:拡散反射光量)
【0222】
以上の方法で求められた光沢度Gにより、各試料の毛髪へのツヤ付与効果を以下のように評価した。
Figure 0003701233
【0223】
(5)フレーキング
1束の黒色バージンヘア(長さ20cm,質量4.0g)に試料を0.5塗布し、常温にて乾燥させた後の毛束について、10名の女性専門パネラーにより、櫛を通したときのフレーキングの発生具合を評価した。評価は下記評価点基準により各人が点数をつけ、10人の点数を合計し、下記の評価基準で各テスト品の評価を行った。も
【0224】
(評価点基準)
5点:フレーキングが全く起こらない。
4点:フレーキングがほとんど起こらない。
3点:普通(どちらともいえない。)
2点:フレーキングがやや起こる。
1点:フレーキングが非常に起こる。
【0225】
(評価基準)
◎:合計点が40点以上である。
○:合計点が30点以上40点未満である。
△:合計点が20点以上30点未満である。
×:合計点が20点未満である。
【0226】
(6)耐湿性
黒色バージンヘア(長さ20cm,重さ4g)に調製したスタイリングムースを0.5g塗布し、1試料当たり、5本のカールを作製し、これを50℃で1時間乾燥させた。次に、乾燥させた毛髪束を目盛りの付いたボードに吊り下げ、温度30℃,湿度90%RHの恒温恒湿器に入れた。そして、初期のカールの長さ(a)および3時間後のカールの長さを(b)を測定し、次式に従い、カールリテンション値(%)を求めた。なお、次式において、Lは完全に伸ばしたときの毛髪束の長さを表す。
カールリテンション値(%)={(20−b)/(20−a)}×100
前記カールリテンション値が100%に近いほどカール保持率が強く、耐湿性に優れることを示している。
【0227】
評価基準は以下のように設定した。
◎:90%以上
○:70〜90%未満
△:50〜70%未満
×:50%未満
【0228】
(7)洗浄性
前記感触(しなやかさ,なめらかさ)を評価したバージンヘアについて、10名の女性専門パネラーによる洗浄試験を行い、洗浄性を評価した。評価は下記評価点基準により各人が点数をつけ、10人の点数を合計し、下記の評価基準で各テスト品の評価を行った。
【0229】
(評価点基準)
5点:非常によい
4点:よい
3点:普通
2点:悪い
1点:非常に悪い
【0230】
(評価基準)
◎:合計点が40点以上である。
○:合計点が30点以上40点未満である。
△:合計点が20点以上30点未満である。
×:合計点が20点未満である。
【0231】
(実施例1〜12)
表1及び表2に示す処方のスタイリングムース(原液)を以下の方法で製造した。(1)に(2)を溶解し、(3)を加えた。これを、(4)、(5)〜(10)、一部の(14)の混合物に加え乳化し、(11)、(12)、(13)、(14)の残部を混合してムース原液を得た。なお、配合量は原液合計量が100質量%になる量である。得られたムース原液92質量部をエアゾール容器に入れて、弁を取り付けた後に、n−ブタン8質量部を充填して、スタイリングムースを得た。
【0232】
【表1】
Figure 0003701233
【0233】
表1中、
(注1)イソステアリン酸EX(高級アルコール工業株式会社製)
(注2)レボン2000(三洋化成株式会社製)
(注3)ロンザインCS(ロンザ社製)
(注4)アノンBL(日本油脂株式会社製)
(注5)ロザイン12CS(ロンザ社製)
(注6)ソフダゾリンLHL−SF(川研ファインケミカル株式会社製)
(注7)ユニセーフA−LM(日本油脂株式会社製)
【0234】
【表2】
Figure 0003701233
【0235】
表2中、
(注1)イソステアリン酸EX(高級アルコール工業株式会社製)
(注2)レボン2000(三洋化成株式会社製)
(注3)ロンザインCS(ロンザ社製)
(注4)アノンBL(日本油脂株式会社製)
(注5)ロザイン12CS(ロンザ社製)
(注6)ソフダゾリンLHL−SF(川研ファインケミカル株式会社製)
(注7)ユニセーフA−LM(日本油脂株式会社製)
【0236】
(比較例1〜4)
表3に示す処方のスタイリングムース(原液)を以下の方法で製造した。(1)に(2)を溶解し、(3)を加えた。これを、(4)、(5)〜(10)、一部の(16)の混合物に加え乳化し、(11)〜(14)、(15)、(16)の残部を混合してムース原液を得た。なお、配合量は原液合計量が100質量%になる量である。得られたムース原液92質量部をエアゾール容器に入れて、弁を取り付けた後に、n−ブタン8質量部を充填して、スタイリングムースを得た。
【0237】
【表3】
Figure 0003701233
【0238】
表3中、
(注1)イソステアリン酸EX(高級アルコール工業株式会社製)
(注2)レボン2000(三洋化成株式会社製)
(注3)ロンザインCS(ロンザ社製)
(注4)アノンBL(日本油脂株式会社製)
(注5)ロザイン12CS(ロンザ社製)
(注6)ソフダゾリンLHL−SF(川研ファインケミカル株式会社製)
(注7)ユニセーフA−LM(日本油脂株式会社製)
(注8)PVP/VA・S−630(ISP社製)
【0239】
(実施例13〜16、比較例5〜8)
表4に示す処方のヘアローションを以下の方法で製造した。(1)〜(4)及び一部の(16)をホモミキサーにより乳化を行い、(15)を添加した。次いで、(5)、(6)〜(13)、(14)、残部の(16)を均一溶解したものを調製し、先の乳化部に添加した。
【0240】
【表4】
Figure 0003701233
【0241】
表4中、
(注1)PEMULEN TR−1(BF Goodrich社製)
(注2)ユカフォーマーSM(三菱化学社製)
【0242】
前記実施例1〜16、比較例1〜8の試験結果を表5及び表6に示す。
【0243】
【表5】
Figure 0003701233
【0244】
【表6】
Figure 0003701233
【0245】
表5から明らかなように、本発明のスタイリングムース及びヘアローションは毛髪に対し、強いセット力を有すると共に、セットされた毛髪は、自然な風合い、しなやかでなめらかな感触、光沢を持ち、さらに、櫛を通してもフレーキングを起こすことがなく、耐湿性に優れ、高湿度下でもカールが保持され、また、洗髪に当たっては洗浄性に優れていることが分かる。
【0246】
それに対して、表6から明らかなように、本発明範囲外の両性ウレタン樹脂を配合した比較例1〜3及び5〜7、さらに本発明の両性ウレタン樹脂に代えて従来から用いられている毛髪用樹脂を配合した比較例4及び8は、いずれも本発明の効果を発揮し得ないことが分かる。
【0247】
以下、さらに種々の処方の本発明毛髪化粧料を実施例として示す。これらの毛髪化粧料は、いずれも、強いセット力、すなわちカール保持率が強く、弾力性のあるセット性を有すると共に、セットされた毛髪は、自然な風合い、しなやかでなめらかな感触、光沢を持つものであった。さらに、櫛を通してもフレーキングを起こすことがなく、耐湿性に優れ、高湿度下でもカールが保持されるものであった。また、洗髪に当たっては洗浄性に優れるものであった。
【0248】
Figure 0003701233
(製法)
(1)に(2)を溶解し、(3)を加える。次に、(4)、(5)、(8)の一部の混合物に加えて乳化し、(8)の残部、(6)、(7)、(9)を混合し、ヘアブローを得た。
【0249】
Figure 0003701233
(製法)
一部の(8)、(1)〜(3)の混合物をホモミキサーにより乳化する。一方、残部の(8)に(4)〜(7)、(9)を添加し、混合する。これに、先の乳化部を添加して、ヘアブローを得た。
【0250】
Figure 0003701233
(製法)
(1)に(2)を溶解し、(3)を加える。次に、(4)、(5)、(8)の一部の混合物に加えて乳化し、(8)の残部、(6)、(7)、(9)を混合し、ヘアブローを得た。
【0251】
Figure 0003701233
(製法)
(1)に(2)を溶解し、(3)を加えた。(4)、(5)、(8)の一部の混合物に加えて乳化し、(6)、(7)、(8)の残部、(10)を混合した。次に、この溶液をエアゾール容器に入れて、弁を取り付けた後に(9)を充填して、エアゾールムースを得た。
【0252】
Figure 0003701233
(製法)
(1)に(2)を溶解し、(3)を加えた。(4)、(5)、(8)の一部の混合物に加えて乳化し、(6)、(7)、(8)の残部、(10)を混合した。次に、この溶液をエアゾール容器に入れて、弁を取り付けた後に(9)を充填して、エアゾールムースを得た。
【0253】
Figure 0003701233
(製法)
(1)に(2)を溶解し、(3)を加えた。(4)〜(6)、(9)の一部の混合物に加えて乳化し、(7)、(8)、(9)の残部、(11)を混合した。次に、この溶液をエアゾール容器に入れて、弁を取り付けた後に(10)を充填して、エアゾールムースを得た。
【0254】
Figure 0003701233
(製法)
(1)〜(5)を混合し、(6)〜(10)の混合物を加えて乳化して、油中水型のヘアクリームを得た。
【0255】
Figure 0003701233
(製法)
(1)〜(4)を混合し、(5)〜(8)の混合物を加えて乳化して、油中水型のヘアクリームを得た。
【0256】
Figure 0003701233
(製法)
(3)、(4)、(5)、(6)、一部の(12)に(7)を添加し、ホモミキサーにより乳化する。一方、残部の(12)に、(1)、(2)、(8)、(9)、(10)、(11)を均一溶解し、これに先の乳化部を添加し、乳化状ヘアスタイリングジェルを得た。
【0257】
Figure 0003701233
(製法)
一部の(12)、(6)、(7)の混合物をホモミキサーにより乳化する。一方、残部の(12)に(1)〜(5)、(9)〜(11)を添加し、混合する。これに、先の乳化部を添加し、最後に(8)を添加して、乳化状ヘアスタイリングジェルを得た。
【0258】
【発明の効果】
以上、詳述したように本発明によれば、強いセット力、すなわちカール保持率が強く、弾力性のあるセット性を有すると共に、セットされた毛髪は、自然な風合い、しなやかでなめらかな感触、光沢を持ち、さらに、櫛を通してもフレーキングを起こすことがなく、耐湿性に優れ、高湿度下でもカールが保持され、また、洗髪に当たっては洗浄性に優れる毛髪化粧料が得られる。特に、セット性と、自然な風合い及びしなやかでなめらかな感触との両立が図られた毛髪化粧料が得られる。

Claims (16)

  1. 下記の(S)の化合物の存在下、少なくとも下記の(A)〜(D)の化合物を反応させて生成されるポリシロキサン化合物担持両性ウレタン樹脂
    (A)ポリオール化合物
    (B)ポリイソシアネート化合物
    (C)水酸基、第一級アミノ基及び第二級アミノ基から選択される少なくとも1種と、カルボキシル基とを有する化合物
    (D)水酸基、第一級アミノ基及び第二級アミノ基から選択される少なくとも1種と、第三級アミノ基とを有する化合物
    (S)ポリシロキサン鎖を両性ウレタン樹脂の骨格に共有結合を介して含有し得ないポリシロキサン化合物
    と、以下の(A)及び/又は(B)
    (A)両性界面活性剤及び/又は半極性界面活性剤と、高級脂肪酸との複合体の1種又は2種以上。
    (B)アルキル変性カルボキシビニルポリマー。
    とを含有することを特徴とする毛髪化粧料。
  2. ポリシロキサン化合物担持両性ウレタン樹脂が、少なくとも下記の(A)〜(D)及び(S)の化合物を使用し、(A)、(B)及び(C)の化合物を、イソシアネート基過剰の条件にて反応させてイソシアネート基含有プレポリマーを製造する第一工程、並びに該イソシアネート基含有プレポリマーを、(D)の化合物と反応させる第二工程を含み、かつ第一工程及び第二工程の少なくとも一方において、(S)の化合物を存在させて生成される両性ウレタン樹脂である請求項1記載の毛髪化粧料。
    (A)ポリオール化合物
    (B)ポリイソシアネート化合物
    (C)水酸基、第一級アミノ基及び第二級アミノ基から選択される少なくとも1種と、カルボキシル基とを有する化合物
    (D)水酸基、第一級アミノ基及び第二級アミノ基から選択される少なくとも1種と、第三級アミノ基とを有する化合物
    (S)ポリシロキサン鎖を両性ウレタン樹脂の骨格に共有結合を介して含有し得ないポリシロキサン化合物
  3. ポリシロキサン化合物担持両性ウレタン樹脂が、少なくとも下記の(A)〜(D)及び(S)の化合物を使用し、(A)、(B)及び(D)の化合物を、イソシアネート基過剰の条件にて反応させてイソシアネート基含有プレポリマーを製造する第一工程、並びに該イソシアネート基含有プレポリマーを、(C)の化合物と反応させる第二工程を含み、かつ第一工程及び第二工程の少なくとも一方において、(S)の化合物を存在させて生成される両性ウレタン樹脂である請求項1記載の毛髪化粧料。
    (A)ポリオール化合物
    (B)ポリイソシアネート化合物
    (C)水酸基、第一級アミノ基及び第二級アミノ基から選択される少なくとも1種と、カルボキシル基とを有する化合物
    (D)水酸基、第一級アミノ基及び第二級アミノ基から選択される少なくとも1種と、第三級アミノ基とを有する化合物
    (S)ポリシロキサン鎖を両性ウレタン樹脂の骨格に共有結合を介して含有し得ないポリシロキサン化合物
  4. ポリシロキサン化合物担持両性ウレタン樹脂が、下記の(S)の化合物の存在下、少なくとも下記の(A)〜(E)の化合物を反応させて生成されるポリシロキサン化合物担持両性ウレタン樹脂である請求項1記載の毛髪化粧料。
    (A)ポリオール化合物
    (B)ポリイソシアネート化合物
    (C)水酸基、第一級アミノ基及び第二級アミノ基から選択される少なくとも1種 と、カルボキシル基とを有する化合物
    (D)水酸基、第一級アミノ基及び第二級アミノ基から選択される少なくとも1種と、第三級アミノ基とを有する化合物
    (E)水酸基、第一級アミノ基及び第二級アミノ基から選択される少なくとも1種と、下記の一般式(2)で示される構造単位とを有する化合物
    Figure 0003701233
    (式中、pは1〜500の整数、qは0〜400の整数を表す。)
    (S)ポリシロキサン鎖を両性ウレタン樹脂の骨格に共有結合を介して含有し得ないポリシロキサン化合物
  5. ポリシロキサン化合物担持両性ウレタン樹脂が、少なくとも下記の(A)〜(E)及び(S)の化合物を使用し、(A)、(B)、(C)及び(E)の化合物を、イソシアネート基過剰の条件にて反応させてイソシアネート基含有プレポリマーを製造する第一工程、並びに該イソシアネート基含有プレポリマーを、(D)の化合物と反応させる第二工程を含み、かつ第一工程及び第二工程の少なくとも一方において、(S)の化合物を存在させて生成される両性ウレタン樹脂である請求項記載の毛髪化粧料。
    (A)ポリオール化合物
    (B)ポリイソシアネート化合物
    (C)水酸基、第一級アミノ基及び第二級アミノ基から選択される少なくとも1種と、カルボキシル基とを有する化合物
    (D)水酸基、第一級アミノ基及び第二級アミノ基から選択される少なくとも1種と、第三級アミノ基とを有する化合物
    (E)水酸基、第一級アミノ基及び第二級アミノ基から選択される少なくとも1種と、下記の一般式(2)
    Figure 0003701233
    (式中、pは1〜500の整数、qは0〜400の整数を表す。)で示される構造単位とを有する化合物
    (S)ポリシロキサン鎖を両性ウレタン樹脂の骨格に共有結合を介して含有し得ないポリシロキサン化合物
  6. ポリシロキサン化合物担持両性ウレタン樹脂が、少なくとも下記の(A)〜(E)及び(S)の化合物を使用し、(A)、(B)、(D)及び(E)の化合物を、イソシアネート基過剰の条件にて反応させてイソシアネート基含有プレポリマーを製造する第一工程、並びに該イソシアネート基含有プレポリマーを、(C)の化合物と反応させる第二工程を含み、かつ第一工程及び第二工程の少なくとも一方において、(S)の化合物を存在させて生成される両性ウレタン樹脂である請求項記載の毛髪化粧料。
    (A)ポリオール化合物
    (B)ポリイソシアネート化合物
    (C)水酸基、第一級アミノ基及び第二級アミノ基から選択される少なくとも1種と、カルボキシル基とを有する化合物
    (D)水酸基、第一級アミノ基及び第二級アミノ基から選択される少なくとも1種と、第三級アミノ基とを有する化合物
    (E)水酸基、第一級アミノ基及び第二級アミノ基から選択される少なくとも1種と、下記の一般式(2)
    Figure 0003701233
    (式中、pは1〜500の整数、qは0〜400の整数を表す。)で示される構造単位とを有する化合物
    (S)ポリシロキサン鎖を両性ウレタン樹脂の骨格に共有結合を介して含有し得ないポリシロキサン化合物
  7. ポリシロキサン鎖を両性ウレタン樹脂の骨格に共有結合を介して含有し得ないポリシロキサン化合物が、ジメチルポリシロキサン、ポリエーテル変性シリコーン、環状シリコーン、フェニル変性シリコーン、アルキル変性シリコーン及びアルコキシ変性シリコーンから選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の毛髪化粧料。
  8. ポリシロキサン化合物担持両性ウレタン樹脂を構成するポリシロキサン化合物が、ジメチルポリシロキサン、ポリエーテル変性シリコーン、環状シリコーン、フェニル変性シリコーン、アルキル変性シリコーン及びアルコキシ変性シリコーンから選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載の毛髪化粧料。
  9. 両性界面活性剤が、アミドベタイン型両性界面活性剤、アミドスルホベタイン型両性界面活性剤、ベタイン型両性界面活性剤、スルホベタイン型両性界面活性剤及びイミダゾリニウム型両性界面活性剤からなる群から選ばれた1種又は2種以上である請求項1乃至のいずれか一項に記載の毛髪化粧料。
  10. 半極性界面活性剤が、第3級アミンオキサイド型半極性界面活性剤である請求項1乃至のいずれか一項に記載の毛髪化粧料。
  11. 高級脂肪酸が、炭素数7〜25の直鎖状又は分岐鎖状の脂肪酸である請求項1乃至10のいずれか一項に記載の毛髪化粧料。
  12. 複合体の高級脂肪酸と、両性界面活性剤及び/又は半極性界面活性剤との混合比が、前者:後者の質量比で0.5:9.5〜9.5:0.5である請求項1乃至11のいずれか一項に記載の毛髪化粧料。
  13. アルキル変性カルボキシビニルポリマーを構成するカルボキシビニルポリマーが、アクリル酸・アクリル酸エステル共重合体のポリエチレンオキサイド鎖による部分架橋化物である請求項1乃至12のいずれか一項に記載の毛髪化粧料。
  14. アルキル変性カルボキシビニルポリマーのアルキル変性が、カルボキシビニルポリマーの主鎖及び/又はエステル鎖へのアルキル基導入によるものである請求項1乃至13のいずれか一項に記載の毛髪化粧料。
  15. アルキル変性カルボキシビニルポリマーのアルキル基の炭素数が10〜30である請求項1乃至14のいずれか一項に記載の毛髪化粧料。
  16. アルキル変性カルボキシビニルポリマーの分子量が数平均分子量で50万〜300万である請求項1乃至15のいずれか一項に記載の毛髪化粧料。
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