JP5269855B2 - 化粧料 - Google Patents

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Description

本発明は、ポリシロキサン化合物を担持した両性ウレタン樹脂を配合した化粧料に関する。
化粧料の中には、毛髪化粧料、美爪料、パック剤、眉目用化粧料等皮膜特性を活用した化粧料が多くある。例えば、毛髪化粧料においてはヘアスタイルを整えるための重要な成分となっており、従来、上記成分として、アニオン、ノニオンあるいは両性のアクリル系ポリマー、ビニルピロリドン系ポリマー、カチオン性のビニルピロリドン系あるいはセルロース系のポリマー等が配合されている。また、美爪料においては、皮膜形成剤、皮膜形成助剤としてニトロセルロース、アクリル系ポリマー等、パック剤においては、皮膜形成剤として、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル等、マスカラ、アイライナー等の眉目用化粧料においては、皮膜形成剤として、アクリル系ポリマー、ポリ酢酸ビニル等が配合されている。
しかしながら、いずれも消費者のニーズに合致した商品を提供するにあたって必ずしも充分な皮膜形成剤が開発されているわけではない。
特開平11−228363号公報には両性ウレタン樹脂を含む化粧品用樹脂組成物が開示されている。また、特開2000−191476号公報にはシロキサン鎖の両末端又は片末端に、活性水素を含む官能基を有するポリシロキサン化合物を用いて、ポリシロキサン鎖を両性ウレタン樹脂の骨格に導入した両性ウレタン樹脂が開示されている。また、特開2001−48735号公報には、両性ウレタン樹脂とシリコーンポリマーをそれぞれ処方成分として配合する化粧料が開示されている。しかしながら、これらの化粧料あるいは樹脂を配合した化粧料はいずれも、使用性あるいは安定性の面で充分でない。
特開平11−228363号公報 特開2000−191476号公報 特開2001−48735号公報
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、従来のウレタン樹脂を改良した新規な両性ウレタン樹脂からなる皮膜剤を開発し、化粧品に応用を図ることを目的とする。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意研究を行った結果、ポリシロキサン化合物を両性ウレタン樹脂に担持させた新規な皮膜剤を開発することにより、上記課題が解決されることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、ポリシロキサン化合物を担持した両性ウレタン樹脂、すなわち下記化合物(S)の存在下で、少なくとも下記(A)〜(D)の化合物を反応させて生成された両性ウレタン樹脂、を配向することを特徴とする化粧料である。
(A)ポリオール化合物。
(B)ポリイソシアネート化合物。
(C)水酸基、第一級アミノ基及び第二級アミノ基から選択される少なくとも1種と、カルボキシル基とを有する化合物。
(D)水酸基、第一級アミノ基及び第二級アミノ基から選択される少なくとも1種と、第三級アミノ基とを有する化合物。
(S)ジメチルポリシロキサン、ポリエーテル変性シリコーン、環状シリコーン、フェニル変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、アルコキシ変性シリコーンから選ばれた1種または2種以上であって、シロキサン鎖のいずれの末端にも水酸基、第一級アミノ基または第二級アミノ基のいずれも有しないポリシロキサン化合物。
本発明によれば、新規なポリシロキサン担持両性ウレタン樹脂を配合したので、その皮膜特性が充分に発揮され優れた化粧料が得られる。例えば、毛髪化粧料においては、特に、優れた弾力性が得られ、くしの操作でもフレーキングがなく、製品の乳化安定性も優れていた。メーキャップ化粧料においては、特に、しっとり感が得られ、耐磨耗性など化粧持ちのよいものであった。皮膚化粧料においては、特に、しっとりしながら、なめらかで、かつ肌に適度な弾力感を与えるものであった。
本発明に用いられる新規な両性ウレタン樹脂は、ポリシロキサン化合物を担持していることが構造上の大きな特徴である。
ここで、ポリシロキサン化合物を「担持」するとは、両性ウレタン樹脂の骨格によってポリシロキサン化合物を「拘束させる」こと、又は両性ウレタン樹脂の骨格にポリシロキサン化合物を「絡ませる」ことを意味するものであり、両性ウレタン樹脂の骨格にポリシロキサン化合物を化学的に結合させることではない。したがって、本発明において「担持した」なる用語は、両性ウレタン樹脂の骨格にポリシロキサン化合物が「拘束された」、又は両性ウレタン樹脂の骨格にポリシロキサン化合物が「絡まった」意味として用いられている。しかし、一部両性ウレタン樹脂の骨格の一部分を、結果的にポリシロキサン化合物が形成してもよく、目的とする両性ウレタン樹脂が得られる限りこの一部化学結合したものを排除するものではない。ポリシロキサン化合物の両性ウレタン樹脂への担持は、IRスペクトル等によって確認することができる。
本発明の化粧料に用いられるポリシロキサン化合物を担持した両性ウレタン樹脂を構成する両性ウレタン樹脂は、下記化合物(S)の存在下で、少なくとも下記の(A)〜(D)の化合物を反応させて生成される両性ウレタン樹脂である。
(A)ポリオール化合物
(B)ポリイソシアネート化合物
(C)水酸基、第一級アミノ基及び第二級アミノ基から選択される少なくとも1種と、カルボキシル基とを有する化合物
(D)水酸基、第一級アミノ基及び第二級アミノ基から選択される少なくとも1種と、第三級アミノ基とを有する化合物
(S)ジメチルポリシロキサン、ポリエーテル変性シリコーン、環状シリコーン、フェニル変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、アルコキシ変性シリコーンから選ばれた1種または2種以上であって、シロキサン鎖のいずれの末端にも水酸基、第一級アミノ基または第二級アミノ基のいずれも有しないポリシロキサン化合物
ここで、存在とはポリシロキサン化合物が反応系に存在することを意味し、積極的にポリシロキサン化合物を反応させることを意図するものではないが、その一部が結果的に不可避的に反応してもよい。なお、本発明のポリシロキサン化合物を担持した両性ウレタン樹脂の製造における「存在」なる用語は全てこの意味として使用されている。
前記好ましく用いられるポリシロキサン化合物を担持した両性ウレタン樹脂は、少なくとも下記の(A)〜(D)及び(S)の化合物を使用し、(A)、(B)及び(C)の化合物を、イソシアネート基過剰の条件にて反応させてイソシアネート基含有プレポリマーを製造する第一工程、並びに該イソシアネート基含有プレポリマーを、(D)の化合物と反応させる第二工程を含み、かつ第一工程及び第二工程の少なくとも一方において、(S)の化合物を存在させて得ることができる。
(A)ポリオール化合物
(B)ポリイソシアネート化合物
(C)水酸基、第一級アミノ基及び第二級アミノ基から選択される少なくとも1種と、カルボキシル基とを有する化合物
(D)水酸基、第一級アミノ基及び第二級アミノ基から選択される少なくとも1種と、第三級アミノ基とを有する化合物
(S)ポリシロキサン化合物
また、前記好ましく用いられるポリシロキサン化合物を担持した両性ウレタン樹脂は、少なくとも下記の(A)〜(D)及び(S)の化合物を使用し、(A)、(B)及び(D)の化合物を、イソシアネート基過剰の条件にて反応させてイソシアネート基含有プレポリマーを製造する第一工程、並びに該イソシアネート基含有プレポリマーを、(C)の化合物と反応させる第二工程を含み、かつ第一工程及び第二工程の少なくとも一方において、(S)の化合物を存在させて生成してもよい。
(A)ポリオール化合物
(B)ポリイソシアネート化合物
(C)水酸基、第一級アミノ基及び第二級アミノ基から選択される少なくとも1種と、カルボキシル基とを有する化合物
(D)水酸基、第一級アミノ基及び第二級アミノ基から選択される少なくとも1種と、第三級アミノ基とを有する化合物
(S)ポリシロキサン化合物
本発明のポリシロキサン化合物を担持した両性ウレタン樹脂の製造においては、ポリシロキサン化合物を第一工程及び第二工程のいずれかにおいて存在させる。
本発明のポリシロキサン化合物を担持した両性ウレタン樹脂を、少なくとも前記(A)〜(D)及び(S)の化合物を使用して製造するに当たっては、第二工程の後、さらに、第二工程の反応生成物を水と混合して鎖長延長反応を行う工程を含むことが好ましい。
さらに、本発明のポリシロキサン化合物を担持した両性ウレタン樹脂を、少なくとも前記(A)〜(D)及び(S)の化合物を使用して製造するに当たっては、第二工程の後、さらに、第二工程の反応生成物を塩基性の水と混合して鎖長延長反応を行う、又は第二工程の反応生成物に塩基性化合物を添加した後水と混合して鎖長延長反応を行う工程を含むことが好ましい。
本発明の化粧料に用いられるポリシロキサン化合物を担持した両性ウレタン樹脂は、ポリシロキサン化合物存在下で、少なくとも下記の(A)〜(E)の化合物を反応させて生成される両性ウレタン樹脂であることができる。
(A)ポリオール化合物(B)ポリイソシアネート化合物(C)水酸基、第一級アミノ基及び第二級アミノ基から選択される少なくとも1種と、カルボキシル基とを有する化合物(D)水酸基、第一級アミノ基及び第二級アミノ基から選択される少なくとも1種と、第三級アミノ基とを有する化合物(E)水酸基、第一級アミノ基及び第二級アミノ基から選択される少なくとも1種と、下記の一般式(1)で示される構造単位とを有する化合物
Figure 0005269855
(式中、pは1〜500の整数、qは0〜400の整数を表す。)
前記好ましく用いられるポリシロキサン化合物を担持した両性ウレタン樹脂は、少なくとも下記の(A)〜(E)及び(S)の化合物を使用し、(A)、(B)、(C)及び(E)の化合物を、イソシアネート基過剰の条件にて反応させてイソシアネート基含有プレポリマーを製造する第一工程、並びに該イソシアネート基含有プレポリマーを、(D)の化合物と反応させる第二工程を含み、かつ第一工程及び第二工程の少なくとも一方において、(S)の化合物を存在させて得ることができる。
(A)ポリオール化合物
(B)ポリイソシアネート化合物
(C)水酸基、第一級アミノ基及び第二級アミノ基から選択される少なくとも1種と、カルボキシル基とを有する化合物
(D)水酸基、第一級アミノ基及び第二級アミノ基から選択される少なくとも1種と、第三級アミノ基とを有する化合物
(E)水酸基、第一級アミノ基及び第二級アミノ基から選択される少なくとも1種と、下記の一般式(1)で示される構造単位とを有する化合物
Figure 0005269855
(式中、pは1〜500の整数、qは0〜400の整数を表す。)
(S)ポリシロキサン化合物
また、前記好ましく用いられるポリシロキサン化合物を担持した両性ウレタン樹脂は、少なくとも下記の(A)〜(E)及び(S)の化合物を使用し、(A)、(B)、(D)及び(E)の化合物を、イソシアネート基過剰の条件にて反応させてイソシアネート基含有プレポリマーを製造する第一工程、並びに該イソシアネート基含有プレポリマーを、(C)の化合物と反応させる第二工程を含み、かつ第一工程及び第二工程の少なくとも一方において、(S)の化合物を存在させて生成してもよい。
(A)ポリオール化合物
(B)ポリイソシアネート化合物
(C)水酸基、第一級アミノ基及び第二級アミノ基から選択される少なくとも1種と、カルボキシル基とを有する化合物
(D)水酸基、第一級アミノ基及び第二級アミノ基から選択される少なくとも1種と、第三級アミノ基とを有する化合物
(E)水酸基、第一級アミノ基及び第二級アミノ基から選択される少なくとも1種と、下記の一般式(1)で示される構造単位とを有する化合物
Figure 0005269855
(式中、pは1〜500の整数、qは0〜400の整数を表す。)
(S)ポリシロキサン化合物
本発明のポリシロキサン化合物を担持した両性ウレタン樹脂を、少なくとも前記(A)〜(E)及び(S)の化合物を使用して製造するに当たっては、第二工程の後、さらに、第二工程の反応生成物を水と混合して鎖長延長反応を行って生成されることが好ましい。
さらに、本発明のポリシロキサン化合物を担持した両性ウレタン樹脂を、少なくとも前記(A)〜(E)及び(S)の化合物を使用して製造するに当たっては、第二工程の後、第二工程の反応生成物を塩基性の水と混合して鎖長延長反応を行う、又は第二工程の反応生成物に塩基性化合物を添加した後水と混合して鎖長延長反応を行って生成されることが好ましい。
本発明に係るポリシロキサン化合物を担持した両性ウレタン樹脂の製造においては、ポリシロキサン化合物を第一工程及び第二工程の少なくとも一方において存在させる。ここでポリシロキサン化合物は、第一工程及び第二工程のいずれの時期に存在させてもよく、ポリシロキサン化合物を反応の初期から必ずしも存在させる必要はない。さらに、ポリシロキサン化合物は、第二工程の反応生成物を水と混合するまでに存在させればよい。したがって、本発明において「第一工程」とは、第一工程の反応開始から第二工程の反応開始までをいい、「第二工程」とは、第二工程の反応開始から引き続き行われる工程(より具体的には後述する第二工程の反応生成物を水と混合する)までをいう。
本発明のポリシロキサン化合物を担持した両性ウレタン樹脂の生成に用いられるポリシロキサン化合物は、シロキサンの両末端もしくは片末端に水酸基、第一級アミノ基及び第二級アミノ基から選択される少なくとも1種を有しないポリシロキサン化合物であることが好ましい。
本発明のポリシロキサン化合物を担持した両性ウレタン樹脂の生成に用いられるポリシロキサン化合物は、ジメチルポリシロキサン、ポリエーテル変性シリコーン、環状シリコーン、フェニル変性シリコーン、アルキル変性シリコーン及びアルコキシ変性シリコーンからなる群から選ばれた1種又は2種以上であることが好ましい。
本発明のポリシロキサン化合物を担持した両性ウレタン樹脂は、水性液として配合することが好ましい。
本発明の両性ウレタン樹脂は、一分子中にカルボキシル基と第三級アミノ基とを有する両性ウレタン樹脂であることが好ましい。
本発明において、好ましく適用される化粧料は、毛髪化粧料及び皮膚外用剤である。
以下、本発明の実施形態についてさらに詳述する。
本発明化粧料には、ポリシロキサン化合物を担持した両性ウレタン樹脂が配合される。本発明の好ましい前記両性ウレタン樹脂は一分子中にカルボキシル基と第三級アミノ基とを有する両性ウレタン樹脂である。
本発明で好ましく用いられる、ポリシロキサン化合物を担持した一分子中にカルボキシル基と第三級アミノ基とを有する両性ウレタン樹脂(以下、ポリシロキサン担持両性ウレタン樹脂ともいう。)を構成する両性ウレタン樹脂としては、少なくとも下記の(A)〜(D)の化合物を反応させて生成される両性ウレタン樹脂が好ましい。
(A)ポリオール化合物
(B)ポリイソシアネート化合物
(C)水酸基、第一級アミノ基及び第二級アミノ基から選択される少なくとも1種と、カルボキシル基とを有する化合物
(D)水酸基、第一級アミノ基及び第二級アミノ基から選択される少なくとも1種と、第三級アミノ基とを有する化合物
本発明に用いられるポリオール化合物(以下、化合物(A)ともいう。)としては、一般にウレタン樹脂の製造に使用されるポリオール化合物であれば特に限定されるものではない。化合物(A)の例としては、例えば、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、低分子ポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリブタジエンポリオール、ポリイソプレンポリオール、ポリオレフィンポリオール、ポリアクリル酸エステル系ポリオール等が挙げられ、これらは単独で、もしくは2種以上併せて用いられる。中でも、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、低分子ポリオールが好適に用いられる。
前記ポリエステルポリオールとしては、例えば、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、テレフタル酸等のジカルボン酸の少なくとも1種と、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,8−オクタンジオール、1,10−デカンジオール、ジエチレングリコール、スピログリコール、トリメチロールプロパン等の多価アルコールの少なくとも1種とを縮重合させて得られるポリエステルポリオール、並びにラクトン類の開環重合により得られるポリエステルポリオール等が挙げられる。
前記ポリエーテルポリオールとしては、例えば、水及び前記ポリエステルポリオールの合成に使用する多価アルコールの他、ビスフェノールA等のフェノール類及びその水素化物、並びに第一級アミン類もしくは第二級アミン類に、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、オキセタン、テトラヒドロフラン等の環状エーテルを開環付加重合させて得られるポリエーテルポリオールが挙げられる。さらに、ポリオキシプロピレンポリオール、ポリオキシテトラメチレンポリオール、並びにビスフェノールAに、プロピレンオキサイドもしくはエチレンオキサイドの少なくとも一方を開環付加重合させたポリエーテルポリオール(共重合体の場合は、ブロック共重合体、ランダム共重合体のいずれでもよい。)等が挙げられる。
前記低分子ポリオールとしては、例えば、1,4−シクロヘキサンジメタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、イソプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、ブチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,8−オクタンジオール、1,10−デカンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、スピログリコール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン等が挙げられる。
化合物(A)は、単独で又は組み合わせて使用できる。化合物(A)の中では、1,4−シクロヘキサンジメタノールが好ましい。
なお、本発明において、化合物(A)の中で後述する化合物(E)と重複する場合、その化合物は、化合物(E)に含まれ、化合物(A)には含まれない。さらに、本発明において、化合物(A)の中で後述する化合物(C)と重複する場合、その化合物は、化合物(C)に含まれ、化合物(A)には含まれない。また、本発明において、化合物(A)の中で後述する化合物(D)と重複する場合、その化合物は、化合物(D)に含まれ、化合物(A)には含まれない。
本発明に用いられるポリイソシアネート化合物(以下、化合物(B)ともいう。)としては、一般にウレタン樹脂の製造に使用されるポリイソシアネート化合物であれば特に限定されるものではない。化合物(B)の例としては、例えば、脂肪族ジイソシアネート化合物、脂環式ジイソシアネート化合物、芳香族ジイソシアネート化合物等の有機ジイソシアネート化合物が挙げられ、これらは単独で、もしくは2種以上を併せて用いられる。
前記脂肪族ジイソシアネート化合物としては、例えば、エチレンジイソシアネート、2,2,4ートリメチルヘキサメチレンジイソシアネート,1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート等が挙げられる。
前記脂環式ジイソシアネート化合物としては、例えば、水素添加4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチルシクロへキシレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート等が挙げられる。
前記芳香族ジイソシアネート化合物としては、例えば、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート等が挙げられる。
これらの化合物(B)中では、耐候性に優れ、かつ、低価格である点で、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート等が好ましい。化合物(B)は、単独でもしくは組み合わせて使用できる。
本発明に用いられる水酸基、第一級アミノ基及び第二級アミノ基から選択される少なくとも1種と、カルボキシル基とを有する化合物(以下、化合物(C)ともいう。)としては、分子内に水酸基、第一級アミノ基及び第二級アミノ基から選択される少なくとも1種と、カルボキシル基を少なくとも1つ有する化合物であって、目的とする両性ウレタン樹脂を得ることができる化合物であれば特に限定されるものではない。化合物(C)としては、例えば、ジメチロール、ジエタノール、ジプロパノール等のジアルキロール基を持った炭素数3〜26、好ましくは3〜12のカルボン酸が好適な例として挙げられる。具体的な例としては、例えば、ジメチロールプロパン酸(DMPA)、ジメチロールブタン酸等が挙げられる。また、カルボキシル基含有ポリカプロラクトンジオールも用いられる。これらは単独で、もしくは2種以上併せて用いられる。
本発明に用いられる水酸基、第一級アミノ基及び第二級アミノ基から選択される少なくとも1種と、第三級アミノ基とを有する化合物(以下、化合物(D)ともいう。)としては、分子内に水酸基、第一級アミノ基及び第二級アミノ基から選択される少なくとも1種と、第三級アミノ基を少なくとも1つ有する化合物であって、目的とする両性ウレタン樹脂を得ることができる化合物であれば特に限定されるものではない。化合物(D)としては、例えば、前記化合物(C)と同じジアルキロール基を持った、例えば、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、N−ブチルジエタノールアミン、N−ラウリルジエタノールアミン、N−メチルジプロパノールアミン等のN−アルキルジアルカノールアミン化合物が挙げられる。N−アルキルジアルカノールアミン化合物のN−アルキルのアルキル基は、炭素数1〜24が好ましく、特に1〜8が好ましい。さらに、N,N−ジメチルエタノールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、N,N−ジブチルエタノールアミン等のN,N−ジアルキルアルカノールアミン化合物、並びにトリエタノールアミン等が挙げられる。これらは単独で、もしくは2種以上併せて用いられる。
本発明に用いられるポリシロキサン化合物(以下、化合物(S)ともいう。)としては、化粧料に配合できるポリシロキサン化合物であって、シロキサン鎖の両末端もしくは片末端に水酸基、第一級アミノ基及び第二級アミノ基から選択される少なくとも1種を有しないポリシロキサン化合物であり、目的とする両性ウレタン樹脂を得ることができる化合物であれば特に限定されるものではない。ポリシロキサン化合物の例を挙げれば、例えば、ジメチルポリシロキサン、ポリエーテル変性シリコーン、環状シリコーン、フェニル変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、アルコキシ変性シリコーン等である。これらのポリシロキサン化合物は、1種または2種以上が任意に選択されて配合される。
ジメチルポリシロキサンとしては、例えば一般式(2)で示される化合物を挙げることができる。
Figure 0005269855
(式中、nは1以上の整数を表す。)
式中、nは1〜100の整数が好ましく、1〜50の整数がより好ましく、3〜30の整数が特に好ましい。
本発明のジメチルポリシロキサンは、市販品を用いることが可能であり、市販品の例としては、例えば東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製のSH200シリーズ(商品名)、信越化学工業(株)製のKF96シリーズ(商品名)等が挙げられる。
ポリエーテル変性シリコーンとしては、例えば一般式(3)で示される化合物を挙げることができる。
Figure 0005269855
(式中、mは0以上の整数を表し、nは1以上の整数を表し、R1は下記式(4)で示される基を表す。)
Figure 0005269855
(式中、R2は水素原子又は炭素数1〜10の炭化水素基を表し、aは1〜10の整数を表し、bは1〜300の整数を表し、cは0〜300の整数を表す。)
一般式(3)において、mは1〜300の整数が好ましく、1〜100の整数がより好ましく、1〜50の整数が特に好ましい。nは1〜300の整数が好ましく、1〜100の整数がより好ましく、1〜50の整数が特に好ましい。さらに、式(4)において、aは1〜5の整数が好ましく、2〜4の整数が特に好ましい。bは2〜50の整数が好ましく、2〜40の整数がより好ましく、2〜30の整数が特に好ましい。cは0〜50の整数が好ましく、0〜40の整数がより好ましく、0〜30の整数が特に好ましい。
一般式(3)で表される化合物(S)として、一般式(3)において、mが1〜300の整数であり、nが1〜300の整数であり、R1は式(4)で示される基であって、aが1〜5の整数であり、bが2〜50整数であり、cが0〜50の整数である化合物が好ましい。
一般式(3)で表される化合物(S)として、一般式(3)において、mが1〜100の整数であり、nが1〜100の整数であり、R1は式(4)で示される基であって、aが2〜4の整数であり、bが2〜40整数であり、cが0〜40の整数である化合物がより好ましい。
一般式(3)で表される化合物(S)として、一般式(3)において、mが1〜50の整数であり、nが1〜50の整数であり、R1は式(4)で示される基であって、aが2〜4の整数であり、bが2〜30整数であり、cが0〜30の整数である化合物が特に好ましい。
一般式(3)で表されるポリエーテル変性シリコーンとして、例えば、東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製のSH3746、SH3771C、SH3772C、SH3773C、SH3775C、SH3748、SH3749、SH3771M、SH3772M、SH3773M、SH3775M(商品名)、並びに信越化学工業(株)製のKF351A、KF353A、KF945A、KF352A、KF615A、KF6011、KF6012、KF6013、KF6015、KF6016、KF6017(商品名)等を挙げることができる。
フェニル変性シリコーンとしては、例えば一般式(5)で示される化合物を挙げることができる。
Figure 0005269855
(式中、R3及びR4は、炭素数1〜12の炭化水素基(例えば、直鎖状又は分岐状の炭素数1〜12の飽和炭化水素基)、−OSi(CH33又はフェニル基を表し、互いに同一であっても異なってもよい。ただし、R3及びR4の少なくとも一つはフェニル基である。mは0以上の整数を表し、nは1以上の整数を表す。)
一般式(5)において、mは0〜300の整数が好ましく、0〜100の整数がより好ましく、0〜50の整数が特に好ましい。nは1〜500の整数が好ましく、1〜100の整数がより好ましく、1〜50の整数が特に好ましい。フェニル変性シリコーンとして、一般式(5)において、R3=CH3もしくは−OSi(CH33、R4=C65、m=0、n=1〜100であるメチルフェニルポリシロキサンが特に好ましい。
一般式(5)で表されるフェニル変性シリコーンとして、例えば、東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製のSH556、SF557、SF558、SH559(商品名)、並びに信越化学工業(株)製のKF50−100cs、KF50−1000cs、KF53、KF54、KF56(商品名)等を挙げることができる。
アルキル変性シリコーンとしては、例えば一般式(6)で示される化合物を挙げることができる。
Figure 0005269855
(式中、R5〜R7は、炭素数1〜50の炭化水素基を表し、互いに同一であっても異なってもよい。ただし、R5〜R7のうち少なくとも一つは炭素数5〜30の炭化水素基である。mは1以上の整数を表し、nは1以上の整数を表す。)
一般式(6)において、R5〜R7として、炭素数1〜50の炭化水素基であって、直鎖状又は分岐状の飽和炭化水素基を例示できる。炭化水素基の炭素数は、5〜30であるのが好ましく、5〜20であるのがより好ましく、10〜20であるのが特に好ましい。また、mは10〜300の整数であるのが好ましく、1〜100の整数であるのがより好ましく、1〜50の整数であるのが特に好ましい。nは1〜300の整数であるのが好ましく、1〜100の整数であるのがより好ましく、1〜50の整数であるのが特に好ましい。
一般式(6)で表されるアルキル変性シリコーンとして、例えば、東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製のSF8416(商品名)、並びに信越化学工業(株)製のKF−412、KF−413、KF−414(商品名)等を挙げることができる。
アルコキシ変性シリコーンとしては、例えば一般式(7)で示される化合物を挙げることができる。
Figure 0005269855
(式中、R8〜R10は、炭素数1〜12の炭化水素基または炭素数1〜50のアルコキシ基を表し、互いに同一であっても異なってもよい。ただし、R8〜R10のうち少なくとも一つは炭素数1〜50のアルコキシ基である。mは0以上の整数を表し、nは1以上の整数を表す。)
一般式(7)において、R8〜R10は、炭素数1〜12の炭化水素基または炭素数1〜50のアルコキシ基であるが、炭素数1〜12の炭化水素基として、直鎖状又は分岐状の飽和炭化水素基を例示でき、炭素数1〜50のアルコキシ基として、直鎖状又は分岐状のアルコキシ基を例示できる。炭素数1〜50のアルコキシ基の炭素数は、1〜30であるのが好ましく、1〜25であるのがより好ましく、1〜20であるのが特に好ましい。また、mは1〜500の整数であるのが好ましく、1〜100の整数であるのがより好ましく、1〜50の整数であるのが特に好ましい。nは1〜100の整数であるのが好ましく、1〜80の整数であるのがより好ましく、1〜50の整数であるのが特に好ましい。
一般式(7)で表されるアルコキシ変性シリコーンとして、例えば、信越化学工業(株)製のKF−851、X−22−801B(商品名)等を挙げることができる。
環状シリコーンとしては、例えば一般式(8)で示される化合物を挙げることができる。
Figure 0005269855
(式中、R11は、炭素数2〜12の炭化水素基を表すが、各繰り返し単位において、互いに同一であっても異なってもよい。mは1以上の整数を表し、nは0以上の整数を表し、m+n=3〜10である。)
一般式(8)において、R11は、炭素数1〜12の炭化水素基であって、直鎖状又は分岐状の飽和炭化水素基を例示できる。R11は、炭素数が2〜10であるのが好ましく、2〜8であるのがより好ましく、2〜5であるのが特に好ましい。また、mは3〜8の整数であるのが好ましく、4〜8の整数であるのがより好ましく、4〜6の整数であるのが特に好ましい。nは0〜7の整数であるのが好ましく、0〜5の整数であるのがより好ましく、0〜3の整数であるのが特に好ましい。m+nは3〜8であるのが好ましく、4〜8であるのがより好ましく、4〜6であるのが特に好ましい。
一般式(8)で表される環状シリコーンとして、例えば、東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製のSH244、SH344、SH245、DC345、DC246(商品名)、並びに信越化学工業(株)製のKF994、KF995、KF9937(商品名)等を挙げることができる。
なお、前記一般式(3)及び一般式(5)〜(8)で示される化合物の繰り返し単位部分は、ランダム重合、ブロック重合等のいかなる重合形態であってもよい。
化合物(S)の25℃での粘度(動粘度)は、いずれも1〜5000mm2/sであるのが好ましく、1〜2000mm2/sであるのがより好ましく、1〜1000mm2/sであるのが特に好ましい。化合物(S)として、ジメチルポリシロキサン及びポリエーテル変性シリコーンが好ましい。化合物(S)は、単独で又は組み合わせて使用することができる。
本発明における好ましいポリシロキサン担持両性ウレタン樹脂は、前記化合物(S)の存在下、少なくとも前記化合物(A)〜(D)を反応させて生成される両性ウレタン樹脂である。本発明に係る前記ポリシロキサン担持両性ウレタン樹脂を製造するに当たっては、少なくとも、前記化合物(A)〜(D)及び(S)を使用し、前記化合物(A)、(B)及び(C)を、イソシアネート基過剰の条件にて反応させてイソシアネート基含有プレポリマーを製造する第一工程、並びに該イソシアネート基含有プレポリマーを、化合物(D)と反応させる第二工程を含み、かつ第一工程及び第二工程の少なくとも一方において、化合物(S)を存在させて製造することができる。また、前記化合物(C)と化合物(D)との反応順序を入れ換えても製造することができる。
化合物(S)と前記化合物(A)、(B)、(C)及び(D)との重量比、すなわち(S)/((A)+(B)+(C)+(D))は、0.1/100〜30/100であるのが好ましく、0.5/100〜25/100であるのがより好ましく、1/100〜20/100であるのが特に好ましい。
また、化合物(B)と化合物(A)、(C)及び(D)とのモル比、すなわち(B)/((A)+(C)+(D))は、2.0/1.8〜2.0/0.8であるのが好ましく、2.0/1.8〜2.0/1.0であるのがより好ましく、2.0/1.8〜2.0/1.2であるのが特に好ましい。
前記第一工程及び第二工程の反応は、ポリウレタンを製造する際に通常使用される反応条件を用い、適宜重合触媒を使用して実施できる。重合触媒として、通常ウレタン樹脂を製造するために使用される重合触媒を使用することができる。重合触媒は、目的とする両性ウレタン樹脂を得ることができるものであれば、特に限定されるものではない。重合触媒としては、例えば、第三級アミン触媒、有機金属触媒等を用いることができる。第三級アミン触媒としては、例えば、[2,2,2]ジアザビシクロオクタン(DABCO)、テトラメチレンジアミン、N−メチルモルフォリン、ジアザビシクロウンデセン(DBU)等が挙げられる。有機金属触媒としては、例えば、ジブチルチン(錫)ジラウレート等が挙げられる。
前記両性ウレタン樹脂を製造する際には、第一工程及び第二工程の反応に必要に応じて有機溶剤を使用することができ、例えば、化合物(A)〜(D)および生成する両性ウレタン樹脂の双方を溶解する有機溶剤を使用することが好ましい。そのような有機溶剤としては、例えば、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、酢酸エチル等のエステル類、その他セロソルブアセテートやセロソルブエーテル等が挙げられる。
さらに、前記第二工程の後で、第二工程の反応生成物を水と混合して、鎖長延長反応を行うことが好ましい。第二工程の後で、第二工程の反応生成物を塩基性の水と混合して鎖長延長反応を行う。又は、第二工程の反応生成物に塩基性化合物を添加した後、水と混合して鎖長延長反応を行うことがより好ましい。これらの中では、第二工程の後で、第二工程の反応生成物を塩基性の水と混合して鎖長延長反応を行うことが特に好ましい。本発明においては、さらに有機溶媒中で第一工程及び第二工程の反応を行った後、第二工程の反応混合物を塩基性の水と混合して、引き続き水中で鎖長延長反応を行うことが好ましい。このように、第二工程後の反応混合物を塩基性の水と混合して、引き続き水中で鎖長延長反応を行う態様では、高分子量化された両性ウレタン樹脂を容易に得ることができ好ましい。この態様の製造方法においては、第二工程後の反応混合物が、末端にイソシアネート基を含有するプレポリマーであるように製造条件を設定するのが好ましい。
前記塩基性の水とは、水に塩基性物質が溶解し、塩基性を呈している水をいい、例えば、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、アンモニア、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール等が溶解している水を例示できる。
また、本発明におけるポリシロキサン担持両性ウレタン樹脂を製造する際の鎖長延長反応には鎖長延長剤を用いることができ、鎖長延長剤によって最終的に得られるポリシロキサン担持両性ウレタン樹脂の特性を調整することができる。鎖長延長剤としては、鎖長延長反応で用いられる化合物であって、例えば、低分子ポリオール、アミン類、水等が挙げられる。前記低分子ポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、スピログリコール、ビス(β−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、キシリレングリコール等のグリコール類、トリメチロールプロパン、グリセリン等のトリオールが挙げられる。前記アミン類としては、例えば、メチレン(ビス−o−クロルアニリン)等が挙げられる。
本発明においては、ポリシロキサン担持両性ウレタン樹脂として、樹脂の構造中にアルキレンオキサイド(以下、ROともいう。)から誘導される構造単位を有するものを用いることが、化粧料の安定性、特性の向上の点から好ましい。ROから誘導される構造単位としては、例えば、エチレンオキサイド(以下、EOともいう。)単位や、プロピレンオキサイド(以下、POともいう。)単位等が挙げられ、好ましくはEO単位である。
構造中にROから誘導される構造単位を有する化合物としては、ポリシロキサン担持両性ウレタン樹脂の構造中に、ROから誘導される構造単位を導入できるものであれば特に限定するものではない。
構造中にROから誘導される構造単位を有する好ましい化合物としては、水酸基、第一級アミノ基及び第二級アミノ基から選択される少なくとも1種と、下記の一般式(1)で示される構造単位とを有する化合物(以下、化合物Eともいう。)である。
Figure 0005269855
(式中、pは1〜500の整数、qは0〜400の整数を表す。)
一般式(1)において、qが0の場合、COの重合体(ポリオキシエチレン)であり、qが0でない場合、COとCOの共重合体である。この共重合体である場合、ランダム共重合体であっても、ブロック共重合体であってもよい。
一般式(1)において、pは1〜500の整数である。さらに、qが0でない場合であっても、0の場合であっても、pは、3〜250が好ましく、3〜120がより好ましく、3〜50が特に好ましい。pが1未満の場合、両性ウレタン樹脂に導入されるEO単位が少なすぎるため、充分な親水性が付与できず、両性ウレタン樹脂を例えば整髪剤に使用した場合、整髪剤の親水性が不充分となり、毛髪の洗髪性が悪くなる。一方、nが500を越えると、両性ウレタン樹脂自身の親水性が強くなりすぎ、耐湿性等に悪影響を及ぼすことになる。
また、一般式(1)において、PO単位の繰り返し数qは、0〜400の整数であり、好ましくはq=0である。qが0でない場合、qは3〜200の範囲に設定することが好ましく、さらに好ましくは3〜100である。特に好ましくは3〜40である。なお、qが0でない場合であっても、0の場合であっても、p+q=3〜300の範囲に設定することが好ましく、さらに好ましくはp+q=10〜120である。特に好ましくはp+q=3〜50である。
また、qが0でない場合であっても、0の場合であっても、EO単位とPO単位の比率は、重量基準で、EO単位/PO単位=10/0〜2/8の範囲が好ましく、さらに好ましくはEO単位/PO単位10/0〜3/7である。特に好ましくはEO単位/PO単位10/0〜4/6である。
なお、化合物(E)は、両末端OH基導入タイプ、両末端NH2基導入タイプ、片末端OH基導入タイプ、片末端NH2基導入タイプが好ましい。前記両末端OH基導入タイプまたは両末端NH2基導入タイプを用いた場合、一般式(1)で示される構造単位を主鎖中に有する両性ウレタン樹脂が得られる。また、片末端OH基導入タイプまたは片末端NH2基導入タイプを用いた場合には、一般式(1)で示される構造単位を側鎖もしくは末端に有する両性ウレタン樹脂が得られる。
前記化合物(E)の重量平均分子量は、200〜20000の範囲が好ましく、さらに好ましくは200〜5000である。特に好ましくは500〜2000である。
化合物(E)としては、例えば、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリエチレンポリプロピレングリコール、ポリエチレンポリプロピレンブロックコポリマー等が挙げられる。なかでも、ポリエチレングリコールが好ましい。化合物(E)は、単独で又は組み合わせて使用できる。
化合物(E)を加えた場合のポリシロキサン担持両性ウレタン樹脂は、前記化合物(S)存在下で、少なくとも前記化合物(A)〜(E)を反応させて生成される両性ウレタン樹脂が好ましい。
この樹脂の製造に当たっては、化合物(E)を加えない場合の製造法と同様に行うことができる。すなわち、少なくとも前記化合物(A)〜(E)及び(S)を使用し、前記化合物(A)、(B)、(C)及び(E)を、イソシアネート基過剰の条件にて反応させてイソシアネート基含有プレポリマーを製造する第一工程、並びに該イソシアネート基含有プレポリマーを、化合物(D)と反応させる第二工程を含み、かつ第一工程及び第二工程の少なくとも一方において、化合物(S)を存在させて製造することができる。また、前記化合物(C)と化合物(D)との反応順序を入れ替えても製造することができる。
化合物(S)と前記化合物(A)、(B)、(C)、(D)及び(E)との重量比、すなわち(S)/((A)+(B)+(C)+(D)+(E))は、0.1/100〜30/100であるのが好ましく、0.5/100〜25/100であるのがより好ましく、1/100〜20/100であるのが特に好ましい。
また、化合物(B)と化合物(A)、(C)、(D)及び(E)とのモル比、すなわち(B)/((A)+(C)+(D)+(E))は、2.0/1.8〜2.0/0.8であるのが好ましく、2.0/1.8〜2.0/1.0であるのがより好ましく、2.0/1.8〜2.0/1.2であるのが特に好ましい。
さらに、前記第一工程及び第二工程の反応は、化合物(E)を加えない場合と同様、ウレタン樹脂を製造する際に通常使用される反応条件を用い、適宜重合触媒を用いて実施できる。また、重合触媒、有機溶剤、鎖長延長反応等についても、前記同様である。なお、前記のとおり、化合物(E)を加える場合も、前記第一工程及び第二工程を有機溶媒中で行い、水中で鎖長延長反応を行うのがより好ましい。
本発明のポリシロキサン担持両性ウレタン樹脂は、一分子中に、カルボキシル基と第三級アミノ基とを有している。カルボキシル基と第三級アミノ基との比率(両官能基の数の比率)、カルボキシル基/第三級アミノ基は、1/50〜50/1が好ましく、1/1〜50/1がより好ましく、1/1〜25/1が特に好ましい。ポリシロキサン担持両性ウレタン樹脂中のカルボキシル基と第三級アミノ基との比率が1/50〜50/1にある場合、ポリシロキサン担持両性ウレタン樹脂を配合した整髪剤を用いると、毛髪はより優れた風合いを持つこととなる。なお、反応に際しては、化合物(C)と化合物(D)との比率(モル比)、化合物(C)/化合物(D)は、1/50〜50/1が好ましく、1/1〜50/1がより好ましく、1/1〜25/1が特に好ましい。
本発明に係るポリシロキサン担持両性ウレタン樹脂は、ポリシロキサン化合物のポリシロキサン鎖を必ずしもその骨格内に共有結合を介して含有するものではなく、両性ウレタン樹脂の骨格によってポリシロキサン化合物を「拘束させる」または両性ウレタン樹脂の骨格がポリシロキサン化合物のポリシロキサン鎖と物理的に絡まりあうことによって、ポリシロキサン鎖を含有するものである。この拘束または絡まりあいは、両性ポリウレタンの重合反応の進行によって、より複雑化し、得られた両性ウレタン樹脂からポリシロキサン化合物が分離することを困難にしていると考えられる。
このような、両性ウレタン樹脂の骨格とポリシロキサン化合物の拘束または絡み合い状態を、本発明においては、両性ウレタン樹脂の骨格がポリシロキサン化合物を「担持」している状態という。ここで「担持」は、両性ウレタン樹脂の形態が水溶液の形態か、水分散体の形態かで異なる。両性ウレタン樹脂の骨格は、通常直鎖構造であるが、分岐構造、架橋構造を有してよく、両性ウレタン樹脂が「水溶液」の形態の場合、両性ウレタン樹脂の骨格の間にポリシロキサン鎖が入り込んでいるものと考えられる。
一方、両性ウレタン樹脂が「水分散体」の形態の場合、両性ウレタン樹脂は、水中で分散した粒子の形態となっていると考えられ、その粒子に対するポリシロキサン鎖の拘束の形態には、いくつかの形態が考えられる。まず、第一の形態は、ポリシロキサン鎖の全体もしくは一部が粒子の内部に包まれている形態である。第ニの形態は、ポリシロキサン鎖の末端が粒子の内部に包まれている形態である。がる。第三の形態は、ポリシロキサン鎖が粒子の表面に付着している形態である。第一〜第三に形態は、いずれも「拘束」に該当し、第一〜第三の形態が混合して存在するものも、「拘束」に該当すると考えられる。
このように、本発明に係る両性ウレタン樹脂の骨格は、ポリシロキサン化合物を担持している。このためにポリシロキサン鎖は、比較的運動し易い性質を持ちつつ、ポリシロキサン化合物は両性ウレタン樹脂から、分離し難いと考えられる。
以下に、本発明に用いるポリシロキサン担持両性ウレタン樹脂及び比較として他のウレタン樹脂の製造例を挙げる。
[製造例1;ポリシロキサン担持両性ウレタン樹脂(A)]
攪拌装置、温度計、窒素導入管及び還流冷却器を備えた4つ口フラスコに、イソホロンジイソシアネート(IPDI)70g、ポリプロピレングリコール(PPG、重量平均分子量1000)63g、1,4−シクロヘキサンジメタノール(CHDM)7g、ジメチルポリシロキサン(25℃における粘度が10mm2/s、東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製のSH200C−10cs(商品名))8g及びジメチロールブタン酸(DMBA)20gを入れ、溶剤として酢酸エチル50gを加え、オイルバスを用いて80℃に加熱して3時間反応させた。その後、N−メチルジエタノールアミン(NMDEtA)2g並びに酢酸エチル60gを追加して、さらに80℃にて3時間反応させ、イソシアネート基の残存したプレポリマーを得た。このイソシアネート基の残存したプレポリマーを50℃まで冷却した後、水酸化カリウム10gを含む水700gに高速撹拌して分散させ、さらに50℃にて3時間鎖長延長反応を行って高分子量化させた。得られた水性液から上記酢酸エチルを回収し、実質的に溶剤を含まないポリシロキサン担持両性ウレタン樹脂(A)の水性液を得た。
[製造例2;ポリシロキサン担持両性ウレタン樹脂(B)]
製造例1に記載した製造方法において、ジメチルポリシロキサン8gの代わりに、ポリエーテル変性シリコーン(25℃における粘度が1600mm2/s、東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製のSH3775C(商品名))8gを用いた以外は、製造例1と同様の方法を用いてポリシロキサン担持両性ウレタン樹脂(B)の水性液を得た。
[製造例3;ポリシロキサン担持両性ウレタン樹脂(C)]
製造例1に記載した製造方法において、ジメチルポリシロキサン8gの代わりに、環状シリコーン(25℃における粘度が4mm2/s、東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製のSH245(商品名))8gを用いた以外は、製造例1と同様の方法を用いてポリシロキサン担持両性ウレタン樹脂(C)の水性液を得た。
[製造例4;ポリシロキサン担持両性ウレタン樹脂(D)]
製造例1に記載した製造方法において、ジメチルポリシロキサン8gの代わりに、フェニル変性シリコーン(25℃における粘度が22mm2/s、東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製のSH556(商品名))8gを用いた以外は、製造例1と同様の方法を用いてポリシロキサン担持両性ウレタン樹脂(D)の水性液を得た。
[製造例5;ポリシロキサン担持両性ウレタン樹脂(E)]
製造例1に記載した製造方法において、ジメチルポリシロキサン8gの代わりに、アルキル変性シリコーン(25℃における粘度が500mm2/s、信越化学工業(株)製のKF−412(商品名))8gを用いた以外は、製造例1と同様の方法を用いてポリシロキサン担持両性ウレタン樹脂(E)の水性液を得た。
[製造例6;ポリシロキサン担持両性ウレタン樹脂(F)]
製造例1に記載した製造方法において、ジメチルポリシロキサン8gの代わりに、アルコキシ変性シリコーン(25℃における粘度が80mm2/s、信越化学工業(株)製のKF−851(商品名))8gを用いた以外は、製造例1と同様の方法を用いてポリシロキサン担持両性ウレタン樹脂(F)の水性液を得た。
[製造例7;ポリシロキサン担持両性ウレタン樹脂(G)]製造例1に記載した製造方法において、ジメチルポリシロキサン8gの代わりに、ジメチルポリシロキサン(25℃における粘度が10mm2/s、東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製のSH200C−10cs(商品名))20gを用いた以外は、製造例1と同様の方法を用いてポリシロキサン担持両性ウレタン樹脂(G)の水性液を得た。
[製造例8;ポリシロキサン担持両性ウレタン樹脂(H)]
製造例1に記載した製造方法において、ジメチルポリシロキサン8gの代わりに、ポリエーテル変性シリコーン(25℃における粘度が1600mm2/s、東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製のSH3775C(商品名))20gを用いた以外は、製造例1と同様の方法を用いてポリシロキサン担持両性ウレタン樹脂(H)の水性液を得た。
[製造例9;ポリシロキサン担持両性ウレタン樹脂(I)]
攪拌装置、温度計、窒素導入管及び還流冷却器を備えた4つ口フラスコに、イソホロンジイソシアネート(IPDI)70g、ポリプロピレングリコール(PPG、重量平均分子量1000)55g、ポリエチレングリコール(PEG、重量平均分子量1000)8g、1,4−シクロヘキサンジメタノール(CHDM)7g、ジメチルポリシロキサン(25℃における粘度が10mm2/s、東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製のSH200C−10cs(商品名))8g及びジメチロールブタン酸(DMBA)20gを入れ、溶剤として酢酸エチル50gを加え、オイルバスを用いて80℃に加熱して3時間反応させた。その後、N−メチルジエタノールアミン(NMDEtA)2g並びに酢酸エチル60gを追加して、さらに80℃にて3時間反応させ、イソシアネート基の残存したプレポリマーを得た。このイソシアネート基の残存したプレポリマーを50℃まで冷却した後、水酸化カリウム10gを含む水700gに高速撹拌して分散させ、さらに50℃にて3時間鎖長延長反応を行って高分子量化させた。得られた水性液から上記酢酸エチルを回収し、実質的に溶剤を含まないポリシロキサン担持両性ウレタン樹脂(I)の水性液を得た。
[製造例10;ポリシロキサン担持両性ウレタン樹脂(J)]
製造例9に記載した製造方法において、ジメチルポリシロキサン8gの代わりに、ポリエーテル変性シリコーン(25℃における粘度が1600mm2/s、東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製のSH3775C(商品名))8gを用いた以外は、製造例9と同様の方法を用いてポリシロキサン担持両性ウレタン樹脂(J)の水性液を得た。
[製造例11;ポリシロキサン担持両性ウレタン樹脂(K)]
製造例9に記載した製造方法において、ジメチルポリシロキサン8gの代わりに、ジメチルポリシロキサン(25℃における粘度が10mm2/s、東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製のSH200C−10cs(商品名))20gを用いた以外は、製造例9と同様の方法を用いてポリシロキサン担持両性ウレタン樹脂(K)の水性液を得た。
[製造例12;ポリシロキサン担持両性ウレタン樹脂(L)]
製造例9に記載した製造方法において、ジメチルポリシロキサン8gの代わりに、ポリエーテル変性シリコーン(25℃における粘度が1600mm2/s、東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製のSH3775C(商品名))20gを用いた以外は、製造例9と同様の方法を用いてポリシロキサン担持両性ウレタン樹脂(L)の水性液を得た。
[比較製造例1;両性ウレタン樹脂(M)]
製造例1に記載した製造方法において、ジメチルポリシロキサンを全く用いなかった以外は、製造例1と同様の方法を用いて両性ウレタン樹脂(M)の水性液を得た。
[比較製造例2;両性ウレタン樹脂(N)]
攪拌装置、温度計、窒素導入管及び還流冷却器を備えた4つ口フラスコに、イソホロンジイソシアネート(IPDI)70g、ポリプロピレングリコール(PPG、重量平均分子量1000)63g、1,4−シクロヘキサンジメタノール(CHDM)7g及びジメチロールブタン酸(DMBA)20gを入れ、溶剤として酢酸エチル50gを加え、オイルバスを用いて80℃に加熱して3時間反応させた。その後、N−メチルジエタノールアミン(NMDEtA)2g並びに酢酸エチル60gを追加して、さらに80℃にて3時間反応させ、イソシアネート基の残存したプレポリマーを得た。このイソシアネート基の残存したプレポリマーを50℃まで冷却した後、水酸化カリウム10gを含む水700gに高速撹拌して分散させ、さらに50℃にて3時間鎖長延長反応を行って高分子量化させた。得られた水性液から上記酢酸エチルを回収し、実質的に溶剤を含まない両性ウレタン樹脂の水性液を得た後、ジメチルポリシロキサン(25℃における粘度が10mm2/s、東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製のSH200C−10cs(商品名))を8g加えて、両性ウレタン樹脂(N)の水性液を得た。
[比較製造例3;両性ウレタン樹脂(O)]
比較製造例2に記載した製造方法において、ジメチルポリシロキサン8gの代わりに、ポリエーテル変性シリコーン(25℃における粘度が1600mm2/s、東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製のSH3775C(商品名))8gを用いた以外は、比較製造例2と同様の方法を用いて両性ウレタン樹脂(O)の水性液を得た。
[比較製造例4;両性ウレタン樹脂(P)]
比較製造例2に記載した製造方法において、ジメチルポリシロキサン8gの代わりに、環状シリコーン(25℃における粘度が4mm2/s、東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製のSH245(商品名))8gを用いた以外は、比較製造例2と同様の方法を用いて両性ウレタン樹脂(P)の水性液を得た。
[比較製造例5;両性ウレタン樹脂(Q)]比較製造例2に記載した製造方法において、ジメチルポリシロキサン8gの代わりに、フェニル変性シリコーン(25℃における粘度が22mm2/s、東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製のSH556(商品名))8gを用いた以外は、比較製造例2と同様の方法を用いて両性ウレタン樹脂(Q)の水性液を得た。
[比較製造例6;両性ウレタン樹脂(R)]
比較製造例2に記載した製造方法において、ジメチルポリシロキサン8gの代わりに、アルキル変性シリコーン(25℃における粘度が500mm2/s、信越化学工業(株)製のKF−412(商品名))8gを用いた以外は、比較製造例2と同様の方法を用いて両性ウレタン樹脂(R)の水性液を得た。
[比較製造例7;両性ウレタン樹脂(S)]
比較製造例2に記載した製造方法において、ジメチルポリシロキサン8gの代わりに、アルコキシ変性シリコーン(25℃における粘度が80mm2/s、信越化学工業(株)製のKF−851(商品名))8gを用いた以外は、比較製造例2と同様の方法を用いて両性ウレタン樹脂(S)の水性液を得た。
[比較製造例8;両性ウレタン樹脂(T)]
製造例1に記載した製造方法において、ジメチルポリシロキサン8gの代わりに、ジメチルポリシロキサンジオール(両末端OH基導入タイプ、25℃における粘度が62mm2/s、信越化学工業(株)製のKF−6002(商品名))8gを用い、ポリプロピレングリコール(PPG、重量平均分子量1000)63gの代わりに、ポリプロピレングリコール(PPG、重量平均分子量1000)55gを用いた以外は、製造例1と同様の方法を用いて両性ウレタン樹脂(T)の水性液を得た。
[比較製造例9;両性ウレタン樹脂(U)]
製造例1に記載した製造方法において、ジメチルポリシロキサン8gの代わりに、ジメチルポリシロキサンジオール(片末端OH基導入タイプ、25℃における粘度が88mm2/s、信越化学工業(株)製のX−22−176B(商品名))8gを用い、ポリプロピレングリコール(PPG、重量平均分子量1000)63gの代わりに、ポリプロピレングリコール(PPG、重量平均分子量1000)55gを用いた以外は、製造例1と同様の方法を用いて両性ウレタン樹脂(U)の水性液を得た。
次に、ポリシロキサン担持両性ウレタン樹脂を含有する化粧料について詳述する。
本発明の化粧料においては、ポリシロキサン担持両性ウレタン樹脂を水性液の形態として用いることが好ましく、本発明に係るポリシロキサン担持両性ウレタン樹脂は、水と混合して水性液を形成するのが好ましい。なお、本発明において、水性液とは、ポリシロキサン担持両性ウレタン樹脂が水に完全に溶解した水溶液状態に加え、ポリシロキサン担持両性ウレタン樹脂が水中に分散及び/又は懸濁している、水分散液状態及び/又は水懸濁液状態を意味する。しかし、水等の溶媒を実質的に除去して得られる、ポリシロキサン担持両性ウレタン樹脂の樹脂分を使用してもよい。なお、上記ポリシロキサン担持両性ウレタン樹脂の水性液には、シランカップリング剤等の架橋剤を添加して架橋性を付与することも可能である。また、保存安定を付与するために種々の添加剤を加えることも自由であり、例えば、保護コロイド剤、抗菌剤、防カビ剤等が挙げられる。
本発明の化粧料は、前記ポリシロキサン担持両性ウレタン樹脂を化粧料の一成分として配合して常法により得ることができる。特に、本発明により、ポリシロキサン担持両性ウレタン樹脂の機能的皮膜特性を発揮する、優れた化粧料が得られる。化粧料としては、特に限定されず、例えば、泡状整髪剤、ジェル状整髪剤、エアゾールスプレー整髪剤、ポンプスプレー整髪剤等の整髪剤、ヘアコンディショニング等の毛髪化粧料、マスカラ、アイライナー、美爪料、ファンデーション、口紅等のメーキャップ化粧料、パック・マスク剤、シェービング剤、クリーム剤、乳液、ローション、エッセンス(美容液)等の皮膚外用剤、芳香化粧品,ボディ化粧品等として広く適用可能である。
また、化粧料の剤型も、溶液系、可溶化系、乳化系、泡状、粉末系、粉末分散系、油液系、ジェル系、軟膏系、エアゾール系、スプレー状、ポンプスプレー状、水−油2層系、水−油−粉末3層系等、幅広い剤型を採り得る。
本発明における上記ポリシロキサン担持両性ウレタン樹脂の配合量は、化粧料によって異なるが、化粧料全量中0.1〜25.0重量%が好ましい。例えば、毛髪化粧料の皮膜形成剤として用いるならば、化粧料全量中0.1〜10.0重量%が好ましい。さらに好ましくは、0.5〜8.0重量%である。また、マスカラ、アイライナー、美爪料、ファンデーション、口紅等のメーキャップ化粧料の場合は、化粧料全量中0.1〜25.0重量%が好ましい。また、パック・マスク剤の場合は、化粧料全量中0.1〜25.0重量%が好ましい。また、シェービング剤、クリーム剤、乳液、ローション、エッセンス(美容液)等の皮膚外用剤の場合は、化粧料全量中0.1〜15.0重量%が好ましい。
本発明の化粧料には、本発明の効果を損なわない範囲で上記した成分の他に通常化粧品や医薬品等に用いられる他の成分を配合することができる。例えば、油分、粉末成分、界面活性剤、保湿剤、水溶性高分子、増粘剤、皮膜剤、紫外線吸収剤、金属イオン封鎖剤、糖類、アミノ酸類、有機アミン類、pH調整剤、皮膚栄養剤、ビタミン類、酸化防止剤、香料、水等が挙げられる。
以下実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。配合量は重量%である。また、%とあるのは特に断らない限り重量%である。実施例の説明に先立ち本発明で用いた効果試験方法について説明する。
(弾力性;カールメモリー法)
黒色バージンヘア(長さ20cm,重さ4g)に、調製したスタイリングムースを0.5g塗布し、1試料当たり、5本のカールを作製し、これを50℃で1時間乾燥させた。このカールした毛髪ストランドの長さを測定して、初期値(c)とする。次に、毛先に60gの荷重を15分間かけ、15分後に荷重を外し、毛先の目盛りを読みとる(d)。次式に従い、カールメモリー値を算出した。
カールメモリー値(%)={(20−d)/(20−c)}×100
上記カールメモリー値が100%に近いほどカール保持率が強く、弾力性に優れることを示している。なお、評価基準は以下のように設定した。
◎:90%以上
○:70〜90%未満
△:50〜70%未満
×:50%未満
(フレーキング)
黒色バージンヘア(長さ20cm,重さ4g)に、調製したスタイリングムースを0.5g塗布し、これを50℃で1時間乾燥させ、次いで、温度25℃,湿度60%RHの恒温恒湿器に30分放置した。この毛髪ストランドに櫛を5回通したときのフレーキングの状態を目視により観察した。評価基準は以下のように設定した。
◎:まったくフレーキングが見られない
○:フレーキングが見られない
△:すこしフレーキングが見られる
×:フレーキングしている
(安定性)
スタイリングムース30個を透明な容器で製造し、サイクル温度試験(50℃、〜−10℃、2サイクル/日、一ヶ月間)を行い、分離、クリミング、凝集等がないかを専門研究員が目視で観察し、以下の評価法に従い評価した。
◎:分離、クリミング、凝集等が見られる試料が、0個である。
○:分離、クリミング、凝集等が見られる試料が、1個である。
△:分離、クリミング、凝集等が見られる試料が、2個である。
×:分離、クリミング、凝集等が見られる試料が、3個以上である。
(実施例1〜6)
まず、本発明化粧料の特徴を示すために、毛髪化粧料であるスタイリングムースを例にとって評価テストを行った。表1に示す処方により実施例1〜6のスタイリングムースを製造し、弾力性、フレーキング、乳化安定性について評価した。結果を併せて表1に示す。なお、ポリシロキサン担持両性ウレタン樹脂は水性液として配合した。
(製法)
乳化部は、(2)、(3)、(4)、一部の(16)に(1)を添加し、ホモミキサーにより乳化する。次いで、一部の(15)を加えて乳化部とする。エタノール部は、(5)、(12)〜(14)を攪拌溶解する。水相部は、残部の(16)に(6)〜(11)、残部の(15)を添加し、攪拌し、均一とする。ムース原液としては、上記3つの部を適宜混合して得る。得られたムース原液92部をエアゾール缶に入れ、弁をし、液化石油ガス(LPG)8部を充填し、各スタイリングムースを得た。
Figure 0005269855
表1の実施例1〜6から明らかなように、本発明に係るポリシロキサン担持両性ウレタン樹脂(A)〜(F)を配合した実施例1〜6のスタイリングムースは、弾力性、フレーキング、安定性の評価結果いずれも優れていることが分かる。
(実施例7〜12)
表2に示す処方により実施例7〜12のスタイリングムースを表1の方法と同様にして製造し、弾力性、フレーキング、乳化安定性について評価した。結果を併せて表2に示す。なお、ポリシロキサン担持両性ウレタン樹脂は表1と同じく水性液の形態で配合した。
Figure 0005269855
表2の実施例7〜12から明らかなように、本発明に係るポリシロキサン担持両性ウレタン樹脂(G)〜(L)を配合した実施例7〜12のスタイリングムースは、弾力性、フレーキング、安定性の評価結果いずれも優れていることが分かる。
(比較例1〜5)
表3に示す処方により比較例1〜5のスタイリングムースを製造し、弾力性、フレーキング、乳化安定性について評価した。結果を併せて表3に示す。なお、両性ウレタン樹脂は水性液として配合した。
(製法)
乳化部は、(2)、(3)、(4)、一部の(15)に(1)を添加し、ホモミキサーにより乳化する。次いで、一部の(14)を加えて乳化部とする。エタノール部は、(5)、(11)〜(13)を攪拌溶解する。水相部は、残部の(15)に(6)〜(10)、残部の(14)を添加し、攪拌し、均一とする。ムース原液としては、上記3つの部を適宜混合して得る。得られたムース原液92部をエアゾール缶に入れ、弁をし、液化石油ガス(LPG)8部を充填し、各スタイリングムースを得た。
Figure 0005269855
表3の比較例1〜5から明らかなように、本発明範囲外の両性ウレタン樹脂(M)〜(Q)を配合した比較例1〜5のスタイリングムースは、いずれも、弾力性、フレーキング、安定性の評価全てを満足するものではないことが分かる。
(比較例6〜10)
表4に示す処方により比較例6〜10のスタイリングムースを表3の方法と同様にして製造し、弾力性、フレーキング、乳化安定性について評価した。結果を併せて表4に示す。なお、配合した両性ウレタン樹脂は表3と同じく水性液である。
Figure 0005269855
(注)三菱化学社製のユカフォーマーSM(N−メタクリロイルオキシ−N,N−ジメチルアンモニウム−α−N−メチルカルボキシベタイン/メタクリル酸アルキルエステル共重合体のエタノール溶液)
表4の比較例6〜10から明らかなように、本発明範囲外の両性ウレタン樹脂(R)〜(U)を配合した比較例6〜9のスタイリングムースは、いずれも、弾力性、フレーキング、安定性の評価全てを満足するものではないことが分かる。さらに、両性ウレタン樹脂でない両性ポリマーを配合した比較例10も同様、弾力性、フレーキング、安定性の評価全てを満足するものではないことが分かる。
さらに、以下本発明の実施例を挙げる。配合したポリシロキサン担持両性ウレタン樹脂はいずれも水性液である。なお、以下については、評価テストを個々に詳細に説明しないが、本発明のポリシロキサン担持両性ウレタン樹脂の特性が充分発揮されたものであった。
[実施例13]パック(ゼリー状ピールオフタイプ)
配合成分 配合量(重量%)
(1)ポリビニルアルコール 10.0
(2)ポリシロキサン担持両性ウレタン樹脂(A) 2.5 (20%水性液) (樹脂量として0.5%)
(3)ポリシロキサン担持両性ウレタン樹脂(J) 2.5 (20%水性液) (樹脂量として0.5%)
(4)カルボキシメチルセルロース 5.0
(5)1,3−ブチレングリコール 5.0
(6)エタノール 12.0
(7)香料 適量
(8)メチルパラベン 0.2
(9)緩衝剤(クエン酸,クエン酸Na) 適量
(10)ポリオキシエチレンオレイルアルコールエーテル 0.5
(11)イオン交換水 残部
(製法)
(11)に(9)、(5)、(2)、(3)を添加後70〜80℃に加熱する。ここに、(4)、(1)を添加し、攪拌溶解を行う。(6)に(7)、(8)、(10)を添加溶解後、前述の水相に添加し、脱気、濾過、冷却する。本品を使用した皮膚は、しっとり、なめらかで、かつ肌にハリ感のあるものであった。
[実施例14] O/W乳化型ファンデーション
配合成分 配合量(重量%)
(1)タルク 3.0
(2)二酸化チタン 5.0
(3)ベンガラ 0.5
(4)黄酸化鉄 1.4
(5)黒酸化鉄 0.1
(6)ベントナイト 0.5
(7)モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン 0.9
(8)トリエタノールアミン 1.0
(9)プロピレングリコール 10.0
(10)ポリシロキサン担持両性ウレタン樹脂(B) 10.0 (20%水性液) (樹脂量として2%)
(11)イオン交換水 残部
(12)ステアリン酸 2.2
(13)イソヘキサデシルアルコール 7.0
(14)モノステアリン酸グリセリン 2.0
(15)液状ラノリン 2.0
(16)流動パラフィン 8.0
(17)エチルパラベン 0.1
(18)香料 適量
(製法)
(6)を分散した(9)を(11)に加え、70℃でホモミキサー処理した後、残りの水相成分(7)、(8)、(10)を添加し、十分に攪拌する。これに十分混合粉砕された粉体部を攪拌しながら添加し、70℃でホモミキサー処理する。つぎに70〜80℃で加熱溶解された油相(12)〜(16)及び(17)を徐々に添加し、70℃でホモ処理する。これを攪拌しながら冷却し、45℃で(18)を加え、室温まで冷却する。最後に脱気し、容器に充填する。得られた乳化型ファンデーションは、しっとりとし、なめらかで、化粧持ちのよいものであった。
[実施例15]アイライナー
配合成分 配合量(重量%)
(1)酸化鉄(黒) 14.0
(2)ポリシロキサン担持両性ウレタン樹脂(C) 45.0 (20%水性液) (樹脂量として9.0%)
(3)グリセリン 5.0
(4)ポリオキシエチレンソルビタンモノオレイン酸エステル 1.0
(5)カルボキシメチルセルロース 1.5
(6)クエン酸アセチルトリブチル 1.0
(7)イオン交換水 残部
(8)メチルパラベン 0.1
(9)香料 適量
(製法)
(7)に(2)、(3)、(4)を加え、加熱溶解した後、(1)を加え、コロイドミルで処理する(顔料部)。残りの成分を混合し、70℃に加熱する。これに顔料部を加え、ホモミキサーで均一に分散する。得られたアイライナーは、適度な弾力感があり、使用感の良好なものであった。
[実施例16]化粧水
配合成分 配合量(重量%)
(1)1,3−ブチレングリコール 6.0
(2)グリセリン 5.0
(3)ポリエチレングリコール400 3.0
(4)オリーブ油 0.5
(5)ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアリン酸エステル 1.5
(6)ポリオキシエチレン(5)オレイルアルコールエーテル 0.3
(7)エタノール 10.0
(8)香料 適量
(9)色剤 適量
(10)フェノキシエタノール 適量
(11)クエン酸 適量
(12)クエン酸ソーダ 適量
(13)褐色防止剤 適量
(14)イオン交換水 残部
(15)ポリシロキサン担持両性ウレタン樹脂(D) 0.5 (20%水性液) (樹脂量として0.1%)
(16)ポリシロキサン担持両性ウレタン樹脂(L) 0.5 (20%水性液) (樹脂量として0.1%)
(製法)
(14)に(1)、(2)、(3)(11)、(12)、(15)、(16)を加え、室温下で溶解する。一方、(7)に(4)、(5)、(6)、(10)、(8)を加え、室温下で溶解する。このアルコール相を前述の水相に添加し、さらに(9)、(13)を加え、マイクロエマルションを調整する。得られた化粧水は、しっとりしながら、なめらかで、かつ肌にハリ感を与えるものであった。
[実施例17]乳液
配合成分 配合量(重量%)
(1)セチルアルコール 1.0
(2)ミツロウ 0.5
(3)ワセリン 2.0
(4)スクワラン 6.0
(5)ジメチルポリシロキサン(粘度20MPa・S) 2.0
(6)エタノール 4.0
(7)グリセリン 4.0
(8)1,3−ブチレングリコール 4.0
(9)ポリオキシエチレン(10)モノオレイン酸エステル 1.0
(10)グリセロールモノステアリン酸エステル 1.0
(11)クインスシード抽出液(5%水溶液) 10.0
(12)ポリシロキサン担持両性ウレタン樹脂(E) 10.0 (20%水性液) (樹脂量として2%)
(13)メチルパラベン 適量
(14)色剤(染料) 適量
(15)香料 適量
(16)イオン交換水 残部
(製法)
(16)に(7)、(8)、(12)、(14)を加え、70℃に加熱調整する。(1)〜(5)に(9)(10)を加え、70℃に加熱調整する。これを水相に加え、予備乳化を行う。ここに(11)、(13)を溶解した(6)を加え攪拌、ホモミキサーにて乳化粒子を均一にした後、脱気、濾過後(15)を加え、冷却を行う。得られた乳液の使用感は、しっとりしながら、なめらかで、かつ皮膚に弾力感を与えるものであった。
[実施例18]クリーム
配合成分 配合量(重量%)
(1)ステアリルアルコール 6.0
(2)ステアリン酸 2.0
(3)水添ラノリン 4.0
(4)スクワラン 9.0
(5)オクチルドデカノール 10.0
(6)1,3−ブチレングリコール 6.0
(7)ポリエチレングリコール1500 4.0
(8)ポリシロキサン担持両性ウレタン樹脂(F) 3.0 (20%水性液) (樹脂量として0.6%)
(9)ポリオキシエチレン(25)セチルアルコールエーテル 3.0
(10)モノステアリン酸グリセリン 2.0
(11)メチルパラベン 適量
(12)ビタミンE 適量
(13)香料 適量
(14)イオン交換水 残部
(製法)
(14)に(6)、(7)、(8)を加え、70℃に加熱調整する。(1)〜(5)を加熱溶解後、(9)、(10)、(11)、(12)、(13)を加え、70℃に調整する。これを先の水相に加えて、ホモミキサーにて乳化粒子を均一にして、脱気、濾過、冷却する。得られたクリームは、しっとりしながらなめらかで、かつ肌に弾力感を与えるものであった。
[実施例19]美白エッセンス
配合成分 配合量(重量%)
(1)ジプロピレングリコール 5.0
(2)ポリエチレングリコール400 5.0
(3)エタノール 10.0
(4)カルボキシビニルポリマー 0.3
(5)アルギン酸Na 0.3
(6)水酸化カリウム 0.15
(7)ポリオキシエチレンソルビタンモノステアリン酸エステル 1.0
(8)ソルビタンモノオレイン酸エステル 0.5
(9)ポリシロキサン担持両性ウレタン樹脂(G) 0.5 (20%水性液)(樹脂量として0.1%)
(10)オレイルアルコール 0.5
(11)プラセンタエキス 0.2
(12)ビタミンEアセテート 0.2
(13)香料 適量
(14)メチルパラベン 適量
(15)エデト酸三ナトリウム 適量
(16)イオン交換水 残部
(製法)
一部の(16)に(4)、(5)を溶解した後、(1)、(2)、(15)を順次溶解する。(3)に(7)、(8)、(10)、(11)、(12)、(13)、(14)を順次溶解し、前述の水相に添加し、マイクロエマルション化する。最後に一部の(16)に(6)を溶解し添加、ついで(9)を添加し、攪拌、脱気、濾過する。得られた美白エッセンスは、しっとりしながらなめらかで、かつ肌に弾力感を与えるものであった。
[実施例20]紫外線防止エッセンス
配合成分 配合量(重量%)
(1)ステアリン酸 3.0
(2)セタノール 1.0
(3)ラノリン誘導体 3.0
(4)流動パラフィン 5.0
(5)2−エチルヘキシルステアレート 3.0
(6)1,3−ブチレングリコール 6.0
(7)ポリシロキサン担持両性ウレタン樹脂(H) 4.0 (20%水性液)(樹脂量として0.8%)
(8)ポリオキシエチレンセチルアルコールエーテル 2.0
(9)モノステアリン酸グリセリン 2.0
(10)トリエタノールアミン 1.0
(11)2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン 4.0
(12)ジベンゾイルメタン誘導体 4.0
(13)ソルビン酸 0.2
(14)香料 適量
(15)イオン交換水 残部
(製法)
(15)に(6)、(7)、(10)を溶解し加熱して70℃に保つ。(1)〜(5)を70〜80℃にて加熱溶解後、(8)、(9)、(11)、(12)、(13)、(14)を順次溶解し、温度70℃にする。前述の水相を攪拌しながら油相を添加し、乳化を行う。ホモミキサーで乳化粒子を均一に調整後、脱気、冷却する。得られた紫外線防止エッセンスは、しっとりしながら、なめらかで、かつ肌に適度な弾力感を与えるものであった。
[実施例21]ヘアスタイリングジェル
配合成分 配合量(重量%)
(1)カルボキシビニルポリマー 0.7
(2)ポリシロキサン担持両性ウレタン樹脂(I) 5.0 (20%水性液)(樹脂量として1.0%)
(3)ポリシロキサン担持両性ウレタン樹脂(K) 5.0 (20%水性液)(樹脂量として1.0%)
(4)グリセリン 2.5
(5)1,3−ブチレングリコール 2.5
(6)ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(40EO) 0.5
(7)ジメチルポリシロキサン100cs 5.0
(8)ポリエーテル変性シリコーン 1.0 (商品名;KF6011、信越化学工業株式会社製)
(9)水酸化ナトリウム 適量(pH7.5に調製)
(10)エタノール 20.0
(11)ポリオキシエチレンオクチルドデシルエーテル 0.1
(12)香料 0.1
(13)エデト酸三ナトリウム 0.03
(14)イオン交換水 残余
(製法)
(4)、(5)、(6)、(8)、一部の(14)に(7)を添加し、ホモミキサーにより乳化する。次いで、一部の(14)を加えて乳化部とする。一方、残りの(14)に(1)、(2)、(3)、(9)、(10)、(11)、(12)、(13)を均一溶解し、これに先の乳化部を添加し、乳化状ヘアスタイリングジェルを得た。
[実施例22]美爪料
配合成分 配合量(重量%)
(1)エチルカルビトール 2.5
(2)1,3−ブチレングリコール 1.0
(3)ポリシロキサン担持両性ウレタン樹脂(B) 45.0 (20%水性液)(樹脂量として9.0%)
(4)ポリシロキサン担持両性ウレタン樹脂(A) 40.0 (20%水性液)(樹脂量として8.0%)
(5)粘土鉱物 0.2
(6)ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(40EO) 0.3
(7)色材 適量
(8)イオン交換水 残余
(製法)
(6)を(8)に溶解後、(7)を混合し充分に分散させた。次いで、(1)〜(5)を均一に撹拌混合し、美爪料を得た。
[実施例23]マスカラ
配合成分 配合量(重量%)
(1)酸化鉄(黒) 10.0
(2)ポリシロキサン担持両性ウレタン樹脂(C) 20.0 (30%水性液)(樹脂量として6.0%)
(3)ポリシロキサン担持両性ウレタン樹脂(G) 10.0 (30%水性液)(樹脂量として3.0%)
(4)固形パラフィン 8.0
(5)ラノリンワックス 8.0
(6)軽質イソパラフィン 30.0
(7)セスキオレイン酸ソルビタン 4.0
(8)イオン交換水 残余
(9)防腐剤 適量
(10)香料 適量
(製法)
(8)に(1)を加えホモミキサーで分散した後、(2)(3)を加え加熱して70℃に保つ(水相)。他の成分を混合し、加熱して70℃に保つ(油相)。油相に水相をホモミキサーで均一に乳化分散する。
[実施例24]口紅
配合成分 配合量(重量%)
(1)二酸化チタン 4.5
(2)赤色201号 2.5
(3)セレシン 4.0
(4)キャンデリラロウ 8.0
(5)カルナウバロウ 2.0
(6)ヒマシ油 30.0
(7)イソステアリン酸ジグリセライド 40.0
(8)ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(20EO) 1.0
(9)イオン交換水 残余
(10)ポリシロキサン担持両性ウレタン樹脂(D) 2.0 (30%水性液)(樹脂量として0.6%)
(11)ポリシロキサン担持両性ウレタン樹脂(E) 3.0 (30%水性液)(樹脂量として0.9%)
(12)グリセリン 2.0
(13)香料 適量
(14)酸化防止剤 適量
(製法)
(1)、(2)を(6)の一部に加え、ローラーで処理する(顔料部)。(9)〜(12)を混合する(水相)。(3)〜(5)、(6)の一部、(7)、(8)、(14)を混合し、加熱融解した後、80℃で顔料部を加え、ホモミキサーで均一に混合する。その後、水相を加え、ホモミキサーで乳化分散後、(13)を添加し、型に流し込む。

Claims (8)

  1. 両性ウレタン樹脂を配合した化粧料であって、
    前記両性ウレタン樹脂が、下記化合物(S)の存在下で、少なくとも下記(A)〜(D)の化合物を反応させて生成されたものであることを特徴とする化粧料。
    (A)1,4−シクロヘキサンジメタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、イソプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、ブチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,8−オクタンジオール、1,10−デカンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、スピログリコール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ジグリセリン及びトリグリセリンからなる群から選ばれた1種または2種以上の低分子ポリオール
    (B)水素添加4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチルシクロへキシレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート及びノルボルナンジイソシアネートからなる群から選ばれた1種又は2種以上の脂環式ジイソシアネート
    (C)ジアルキロール基を持った炭素数3〜26のカルボン酸
    (D)N−アルキル−N,N−ジアルカノールアミン、N,N−ジアルキル−N−アルカノールアミン又はトリアルカノールアミン
    (S)ジメチルポリシロキサン、ポリエーテル変性シリコーン、環状シリコーン、フェニル変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、アルコキシ変性シリコーンから選ばれた1種または2種以上であって、シロキサン鎖のいずれの末端にも水酸基、第一級アミノ基または第二級アミノ基のいずれも有しないポリシロキサン化合物。
  2. 前記両性ウレタン樹脂が、前記(A)、(B)及び(C)の化合物を、イソシアネート基過剰の条件にて反応させてイソシアネート基含有プレポリマーを製造する第一工程、並びに該イソシアネート基含有プレポリマーを、前記(D)の化合物と反応させる第二工程を含み、かつ第一工程及び第二工程の少なくとも一方において、(S)の化合物を存在させる方法により生成された両性ウレタン樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の化粧料。
  3. 前記両性ウレタン樹脂が、前記(A)、(B)及び(D)の化合物を、イソシアネート基過剰の条件にて反応させてイソシアネート基含有プレポリマーを製造する第一工程、並びに該イソシアネート基含有プレポリマーを、前記(C)の化合物と反応させる第二工程を含み、かつ第一工程及び第二工程の少なくとも一方において、(S)の化合物を存在させる方法により生成された両性ウレタン樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の化粧料。
  4. 前記両性ウレタン樹脂が、前記化合物(S)の存在下で、少なくとも前記(A)〜(D)の化合物及び下記(E)の化合物を反応させて生成されたものであることを特徴とする請求項1に記載の化粧料。
    (E)水酸基、第一級アミノ基及び第二級アミノ基から選択される少なくとも1種と、下記の一般式(1)で示される構造単位とを有する化合物。
    Figure 0005269855
    (式中、pは1〜500の整数、qは0〜400の整数を表す。)
  5. 前記両性ウレタン樹脂が、前記(A)、(B)、(C)及び(E)の化合物を、イソシアネート基過剰の条件にて反応させてイソシアネート基含有プレポリマーを製造する第一工程、並びに該イソシアネート基含有プレポリマーを、前記(D)の化合物と反応させる第二工程を含み、かつ第一工程及び第二工程の少なくとも一方において、(S)の化合物を存在させる方法により生成された両性ウレタン樹脂であることを特徴とする請求項2に記載の化粧料。
  6. 前記両性ウレタン樹脂が、前記(A)、(B)、(D)及び(E)の化合物を、イソシアネート基過剰の条件にて反応させてイソシアネート基含有プレポリマーを製造する第一工程、並びに該イソシアネート基含有プレポリマーを、前記(C)の化合物と反応させる第二工程を含み、かつ第一工程及び第二工程の少なくとも一方において、(S)の化合物を存在させる方法により生成された両性ウレタン樹脂であることを特徴とする請求項3に記載の化粧料。
  7. 化粧料が毛髪化粧料である請求項1ないし6のいずれかに記載の化粧料。
  8. 化粧料が皮膚外用剤である請求項1ないし6のいずれかに記載の化粧料。
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