JP3359396B2 - ポリウレタン水性組成物 - Google Patents

ポリウレタン水性組成物

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JP3359396B2 JP28490593A JP28490593A JP3359396B2 JP 3359396 B2 JP3359396 B2 JP 3359396B2 JP 28490593 A JP28490593 A JP 28490593A JP 28490593 A JP28490593 A JP 28490593A JP 3359396 B2 JP3359396 B2 JP 3359396B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、優れた皮膜物性を得る
ことができるポリウレタン水性組成物に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来よりポリウレタン樹脂は、接着剤、
塗料、樹脂改質剤等に有用な材料として、広範に使用さ
れて来ている。一方、最近、溶剤系で合成された樹脂
は、その合成に使用された溶剤が大気中に飛散し、環境
及び人体を汚染するという欠点を有するので、これに代
るものとして、水溶液又は水性エマルジョン系合成樹脂
が急速に各市場で有益視されてきている。即ち、従来の
有機溶剤を用いた溶剤タイプのポリウレタン樹脂に代わ
り、水溶性又は水性エマルジョンタイプのものが接着
剤、塗料等の分野で使用されつつあり、その使用検討も
急速に進んでいる。このように、水溶性又は水性エマル
ジョンタイプのポリウレタン樹脂の使用は、将来に向か
って拡大の方向にあるのが現状である。
【0003】これらに使用されている水溶性又は水性の
ポリウレタンエマルジョンは多数知られている。その一
つとしては、ブロック化イソシアネート基を利用した比
較的低〜中分子量域の熱反応型ポリウレタンエマルジョ
ンがあげられる。もう一つとしては、直鎖状構造を主体
とする比較的高分子量域の熱可塑性ポリウレタンエマル
ジョンがあげられる。これらはウレタン樹脂骨格中にア
ニオン、カチオン、非イオン等の親水性基を導入して自
己乳化若しくは分散するか、又は疎水性樹脂に乳化剤を
添加して強制的に水中に分散するものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の水溶性又は水性のポリウレタンエマルジョン
は、以下のような問題点を有している。即ち、ブロック
化イソシアネートを利用した熱反応型ポリウレタンエマ
ルジョンの場合にあっては、熱反応により網状構造とな
り形成皮膜の耐溶剤性、被着体への接着性、耐熱接着性
等は高い反面、加熱を必要とする熱反応型であるため、
加工条件によっては設備面も、また、被着体の耐熱性が
低い場合には用途面からも制約される。更に、省エネル
ギー的観点から無駄であり、総合的に見て今一歩の感が
ある。
【0005】もう一つの従来技術である高分子量域の熱
可塑性ポリウレタンエマルジョンの場合には、特に加熱
することなく乾燥程度でポリウレタン皮膜層が形成され
るので、熱反応型ポリウレタンエマルジョンのように用
途に制約がなく、広範囲な用途で利用できる。しかし、
基本的に直鎖状構造が主体であるため熱可塑性であり、
例えば耐熱接着性、耐溶剤性、耐水性、耐薬品性等の性
能に劣り、その改良が望まれているのが現状である。
【0006】この高分子量域の熱可塑性ポリウレタンエ
マルジョンの諸欠点を改良する試みとしては、従来よ
り、トリメチロールメラミン等のメラミン系、エポキシ
系、ブロック化イソシアネート系等で代表される各種架
橋剤を配合して、上記性能を改良しようとする試みが為
されている。しかしながら、ある程度の成果は得られて
はいるものの、大半は性能的に今一歩の感があり、ま
た、処理温度も架橋剤自体の反応基の反応開始温度以上
を必要とするなど、未だ満足されるに至っていないのが
実状である。架橋剤を併用しても物性があまり改良され
ない要因は、ポリウレタンエマルジョンには、これら架
橋剤と反応する官能基がないため、これら架橋剤による
改質は、ポリウレタン樹脂間の架橋が得られないためで
あると考えられる。
【0007】更に、この高分子量域の熱可塑性ポリウレ
タンエマルジョンの高分子量化反応は、末端イソシアネ
ート基を有するウレタンプレポリマーを水中に乳化若し
くは分散し、末端イソシアネート基と水若しくはポリア
ミンとを水の存在下で反応させて高分子量化する方法が
採用されている。しかし、この方法によれば、芳香族イ
ソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを使用し
た場合、水中への乳化若しくは分散時に増粘し、更には
ゲル化等を起こし、実質的に製造が不可能になるという
問題点を有する。更に、ポリアミンを使用する場合でも
現実的には、ジアミン、トリアミン等が主体であり、そ
れ以上のアミノ基の数を有するポリアミンによる高分子
量化は実質的に製造が困難である。そのため、これらの
アミンを用いた従来技術の高分子量化反応では、強固な
架橋構造が形成されない。その結果、耐熱接着性、耐溶
剤性、耐水性、耐薬品性等の性能は不十分であり、その
向上が望まれている。
【0008】本発明はこのような従来技術の問題点を解
決するものであり、本発明の目的は、乾燥程度のエネル
ギーにより、強固な架橋構造を有する皮膜を形成するこ
とができるポリウレタン水性組成物を提供することであ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明のポリウレタン水
性組成物は、分子内にイソシアネート基及びエポキシ基
からなる群から選択される基を有するウレタンプレポリ
マーと、化5で示す一般式( I) 及び/又は化6で示す
一般式(II)のアルコキシシラン誘導体とを反応させてな
るポリウレタンを含有することを特徴とする。
【0010】
【化5】
【0011】
【化6】
【0012】ここで、化5及び化6において、Rはメチ
ル基又はエチル基、R’は炭素数2又は3のアルキレン
基、Aは化7に示す基を表す。
【0013】
【化7】
【0014】本発明の上記ポリウレタン水性組成物は、
上記ウレタンプレポリマーと上記アルコキシシラン誘導
体とを反応さた後、水に溶解又は分散させるか、又は上
記ウレタンプレポリマーを水に溶解又は分散させた後、
上記アルコキシシラン誘導体を反応させることにより得
ることができる。
【0015】また、本発明のポリウレタン水性組成物
は、分子内にヒドロキシル基、メルカプト基、一級アミ
ノ基及び二級アミノ基からなる群から選択される基を有
するウレタンプレポリマーと、化5で示す一般式( I)
及び/又は化6で示す一般式(II)のアルコキシシラン誘
導体とを反応させてなるポリウレタンを含有することを
特徴とする。
【0016】ここで、上記化5及び化6において、Rは
メチル基又はエチル基、R’は炭素数2又は3のアルキ
レン基、Aは化8に示す基を表す。
【0017】
【化8】
【0018】この場合のポリウレタン水性組成物も、同
様に、上記ウレタンプレポリマーと上記アルコキシシラ
ン誘導体とを反応さた後、水に溶解又は分散させるか、
又は上記ウレタンプレポリマーを水に溶解又は分散させ
た後、上記アルコキシシラン誘導体を反応させることに
より、得ることができる。
【0019】なお、本明細書において、分散とは、溶
解、乳化、可溶化等、巨視的に見て一様な系にすること
をいい、水性組成物とは、溶液、水溶液、乳化物、可溶
化物等、巨視的に見て一様な系をいう。
【0020】本発明には、イソシアネート基、ヒドロキ
シル基、メルカプト基、一級アミノ基、二級アミノ基及
びエポキシ基のうちの少なくとも一つの基を有し、且つ
水分散性又は水溶性を有するウレタンプレポリマーが好
適に使用される。前記ウレタンプレポリマーは、以下の
方法で合成される。
【0021】まず、本発明に使用される前記ウレタンプ
レポリマーのうち、分子内にイソシアネートを有するウ
レタンプレポリマーは、活性水素を2個以上含有する化
合物と有機ポリイソシアネートとの反応により製造され
る。この反応は、有機ポリイソシアネートが過剰な系
で、溶剤の存在下又は不存在下で実施される。
【0022】上述の活性水素を2個以上含有する化合物
としては、末端又は分子中に2個以上のヒドロキシル
基、カルボキシル基、アミノ基又はメルカプト基等を含
むもので、一般に公知のポリエーテル、ポリエステル、
ポリエーテルエステル、ポリチオエーテル、ポリアセタ
ール、ポリブタジエン、ポリシロキサン等であり、特に
末端に2個以上のヒドロキシル基を有するポリエーテル
及びポリエステルが好ましい。なお、前記活性水素を2
個以上含有する化合物の分子量は、500〜5,000
の範囲であるのが好ましい。また、必要により低分子量
の1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオー
ル、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、エチレン
グリコール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコー
ル、ジエチレングリコール、トリメチロールプロパン、
シクロヘキサンジメタノール等のグリコール、トリオー
ル等を使用してもよい。
【0023】前記有機ポリイソシアネート化合物として
は、従来より慣用されている芳香族、脂肪族又は脂環族
の有機ポリイソシアネートが使用される。例えば、トリ
レンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネ
ート、ナフタレンジイソシアネート、キシリレンジイソ
シアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジシク
ロヘキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソ
シアネート、水添化キシリレンジイソイアネート、テト
ラメチルキシリレンジイソシアネート等の有機ポリイソ
シアート又はこれらの混合物があげられる。
【0024】また、活性水素を2個以上含有する化合物
と、過剰量の有機ポリイソシアネートとの反応は、従来
から公知の一段又は多段イソシアネート重付加反応法に
より、50〜120℃の温度条件下で行われる。
【0025】この反応に際し、必要に応じてリン酸、ア
ジピン酸、ベンゾイルクロライド等の反応制御剤、ジブ
チルスズジラウレート、スタナスオクトエート、トリエ
チルアミン等の反応触媒、更には、イソシアネート基と
反応しない有機溶剤を反応に際し又は反応終了後に添加
してもよい。これら有機溶剤としては、アセトン、メチ
ルエチルケトン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、酢
酸エチル、トルエン、キシレン等がある。
【0026】次に、上記イソシアネート基を有するウレ
タンプレポリマーに、アルコキシシラン誘導体を反応さ
せる。このイソシアネート基を有するウレタンプレポリ
マーに対しては、化7に示すアミノ基又はメルカプト基
を含有する化5又は化6のアルコキシシラン誘導体が用
いられる。
【0027】これらアルコキシシラン誘導体の使用量
は、ウレタンプレポリマー中のイソシアネート基/アル
コキシシラン誘導体中のアミノ基又はメルカプト基=1
/1〜1/0.5の範囲が好ましい。
【0028】次に、アルコキシシラン誘導体とウレタン
プレポリマーとの反応により得られたポリウレタンは、
水に溶解又は分散される。その方法として以下の方法が
採用出来る。
【0029】.前述のウレタンプレポリマー調製段階
で予め分子内にカルボキシル基含有のポリオール成分、
例えば、ジメチロールプロピオン酸等と有機ポリイソシ
アネートとの反応によりカルボキシル基を導入してお
き、そのカルボキシル基をトリエチルアミン、トリメチ
ルアミン、ジエタノールモノメチルアミン、ジエチルエ
タノールアミン、苛性ソーダ、苛性カリウム等の塩基性
化合物で中和してカルボン酸の塩類に変換する方法。
【0030】.前述のウレタンプレポリマー調製段階
で予め分子内に水中に溶解又は分散を可能とする量のオ
キシエチレン鎖を含有させる方法。具体的には、ウレタ
ンプレポリマーの全重量に対し、10重量%以上含有さ
せる方法。
【0031】.前述のウレタンプレポリマー調製段階
で予め分子内にオキシエチレン鎖を5重量%以上含有さ
せておき、且つ、HLB値6〜18の非イオン活性剤
を、アルコキシシラン誘導体と反応後50℃以下で添加
混合する方法。但し、この非イオン活性剤の使用量は、
乳化分散性、製品皮膜の耐水性等を考慮して、ウレタン
プレポリマーの全重量に対して15重量%以下であるこ
とが好ましい。
【0032】.前述のウレタンプレポリマー調製後、
末端イソシアネート基の50〜5%より好ましくは、3
0〜5%に相当するアミノエタンスルホン酸、アミノ酢
酸等のナトリウム塩、カリウム塩水溶液を、5〜50℃
好ましくは20〜40℃で、60分間反応させる方法。
などがあげられる。これらの処理は、上述のように、ウ
レタンプレポリマー自身が分散性を有する場合には必要
のないものである。
【0033】尚、前述したウレタンプレポリマーを水中
に分散させる方法として、のアミノエタンスルホン
酸、アミノ酢酸等を使用する場合には、前述したアルコ
キシシラン誘導体を反応させた後、残余のイソシアネー
ト基とこれらアミノエタンスルホン酸又はアミノ酢酸等
を反応させる方法を採るのが好ましい。
【0034】分散に要する時間は、アルコキシシランの
加水分解、及び分子間縮合を考慮して10〜40℃、好
ましくは20〜30℃であり、この温度を維持しながら
30分から180分間攪拌混合される。分散に際し、ホ
モミキサー、ホモジナイザー等の乳化、分散装置を用い
ることが好ましい。更に、必要であれば、分散終了後、
減圧下で、ウレタンプレポリマーの合成反応に使用した
上述の有機溶剤を回収してもよい。
【0035】なお、アミノ基を2個含有するアルコキシ
シラン誘導体を使用する場合は、前記ウレタンプレポリ
マーを水中に乳化後、アルコキシシラン誘導体を添加、
反応させても良い。
【0036】次に、本発明に使用されるウレタンプレポ
リマーのうち、分子内にヒドロキシル基を有するプレポ
リマーの合成について説明する。このヒドロキシル基を
有するプレポリマーは、前記した分子末端にイソシアネ
ートを含有するウレタンプレポリマーに、エチレングリ
コール、1,4−ブタンジオール、ヘキサンジオール等
のグリコール類、グリセリン、トリメチロールプロパン
等のトリオール類、エタノールアミン、ジエタノールア
ミン、N−メチルジエタノールアミン、トリエタノール
アミン等のアミノアルコール類を反応させて、末端にヒ
ドロキシル基を導入する方法により得られる。
【0037】次に、上記ヒドロキシル基を有するウレタ
ンプレポリマーに、アルコキシシラン誘導体を反応させ
る。このヒドロキシル基を有するウレタンプレポリマー
に対しては、化8に示すエポキシ基又はイソシアネート
基を含有する化5又は化6のアルコキシシラン誘導体が
用いられる。
【0038】これらアルコキシシラン誘導体の使用量
は、ウレタンプレポリマーのヒドロキシル基/アルコキ
シシラン誘導体のエポキシ基又はイソシアネート基=1
/1〜1/0.5の範囲が好ましい。このアルコキシシ
ラン誘導体とヒドロキシル基含有ウレタンプレポリマー
との反応は、非水系下で20〜60℃、好ましくは30
〜40℃で実施される。
【0039】アルコキシシラン誘導体とヒドロキシル基
含有ウレタンプレポリマーとの反応により得られたポリ
ウレタンは、次に水に溶解又は分散される。このポリウ
レタンの場合には水中に分散させる方法として、前記し
た、及びの方法が適用できる。
【0040】次に、本発明に使用されるウレタンプレポ
リマーのうち、分子内にメルカプト基を有するウレタン
プレポリマーの合成について説明する。このメルカプト
基を有するウレタンプレポリマーは、前記した分子末端
にイソシアネート基を含有するウレタンプレポリマー
に、エチレンチオグリコール、1,4−ブタンチオグリ
コール等のチオグリコール類を反応させて、末端にメル
カプト基を導入する方法により得られる。
【0041】次に、上記メルカプト基を有するウレタン
プレポリマーに、アルコキシシラン誘導体を反応させ
る。この反応には、前述のヒドロキシル基を有するウレ
タンプレポリマーと同様に、化8に示すエポキシ基又は
イソシアネート基を含有する化5又は化6のアルコキシ
シラン誘導体が用いられ、同様な方法で反応される。
【0042】アルコキシシラン誘導体とメルカプト基含
有ウレタンプレポリマーとの反応により得られたポリウ
レタンは、次に水に溶解又は分散される。このポリウレ
タンの場合には、水中に分散させる方法として、前記し
た、及びの方法が適応できる。
【0043】次に、本発明に使用されるウレタンプレポ
リマーのうち、分子内に一級アミノ基又は二級アミノ基
を有するウレタンプレポリマーの合成について説明す
る。
【0044】分子内に一級アミノ基又は二級アミノ基を
有するウレタンプレポリマーのうち、分子末端に一級又
は二級アミノ基を含有するものは、前記した分子末端に
イソシアネート基を含有するウレタンプレポリマーに、
アミノエチルピペラジン等の一級アミノ基と二級アミノ
基とを同一分子内に各1個有するジアミン類、アミノエ
チルピペラジン、ジエチレントリアミンのモノ、ジケチ
ミン化合物等を反応させることにより得られる。この反
応は、5〜30℃、好ましくは10〜20℃で行われ
る。この反応により、分子末端に一級又は二級アミノ基
が導入される。
【0045】尚、ケチミン化合物を用いた場合、水で希
釈して、ケチミン部分を加水分解して、一級アミノ基に
変換させる方法がとられる。
【0046】次に、主鎖中に二級アミノ基を有するウレ
タンプレポリマーの合成について説明する。このウレタ
ンプレポリマーは、前記した分子末端にイソシアネート
基を含有するウレタンプレポリマーを水中に分散した
後、一級アミノ基を少なくとも2個、二級アミノ基を少
なくとも1個含有するジエチレントリアミン、トリエチ
レンテトラミン、ヘキサメチレンペンタミン等のポリア
ミンを添加することにより得られる。このポリアミンの
うち、好ましいものはジエチレントリアミンである。ポ
リアミンの使用量は、イソシアネート基/ポリアミン中
の1級アミノ基=1/1.2〜1/0.7の範囲である
ことが好ましい。ポリアミンを添加し、水中下で均一な
反応を行うためには、反応温度を5〜40℃、好ましく
は5〜30℃、より好ましくは5〜20℃の範囲に設定
する必要がある。この方法により、主鎖中に二級アミノ
基が導入されたウレタンプレポリマーのエマルジョンが
調製される。
【0047】次に、上記分子内に一級アミノ基又は二級
アミノ基を有するウレタンプレポリマーに、アルコキシ
シラン誘導体を反応させる。この反応には、化8に示す
エポキシ基又はイソシアネート基を含有する化5又は化
6のアルコキシシラン誘導体が用いられ、非水系及び水
系何れの系でも反応が実施される。好ましい反応温度は
5〜40℃の範囲であり、特に水系で実施するに好まし
い反応温度は5〜30℃、より好ましくは5〜20℃で
ある。
【0048】分子末端に一級又は二級アミノ基含有ウレ
タンプレポリマーを用いたポリウレタンの場合には、水
中に乳化、分散させる方法として前記した、、の
方法が適応できる。また、主鎖中に二級アミノ基を有す
るウレタンプレポリマーを用いたポリウレタンの場合に
は、水中に乳化、分散させる方法として前記した、
、及びの方法が適応できる。
【0049】次に、本発明に使用されるウレタンプレポ
リマーのうち、分子内にエポキシ基を有するウレタンプ
レポリマーの合成について説明する。このエポキシ基を
有するウレタンプレポリマーは、前述の分子末端にイソ
シアネート基を有するウレタンプレポリマーに、ヒドロ
キシル基とエポキシ基を同一分子内に有するグリシドー
ル等を反応させて、末端にエポキシ基を導入することに
より得られる。
【0050】次に、上記のエポキシ基含有ウレタンプレ
ポリマーに、本発明で使用されるアルコキシシラン誘導
体を反応させる。このエポキシ基含有ウレタンプレポリ
マーに対しては、化7に示すアミノ基又はメルカプト基
を含有する化5又は化6のアルコキシシラン誘導体が用
いられ、非水系で反応が実施される。このウレタンプレ
ポリマーの場合、水中に分散させる好ましい方法とし
て、前記、及びの方法が適用できる。
【0051】上記で説明した反応により、ポリウレタン
骨格にアルコキシシラン基が導入され、且つ、水分散性
又は水溶性を有するポリウレタン化合物が調製される。
【0052】次に、このポリウレタンを水で希釈し又は
分散することにより、改良されたポリウレタン水性組成
物が得られる。
【0053】本願発明の改良されたポリウレタン水性組
成物は、アルコキシシラン基を導入したものであるにも
かかわらず、水中へ乳化分散する際、更にその後の貯蔵
時にもエマルジョン破壊等は起らず、安定である。
【0054】本発明のポリウレタン水性組成物は、例え
ば、アクリル系、エチレン酢酸ビニル系、天然ゴム、S
BR、NBR等の合成ゴムラテックス系、ポリウレタン
エマルジョン系等の一般の合成樹脂エマルジョンと併用
又は配合して使用することも可能である。また、それら
の性能を改良することも可能である。また、増粘剤、顔
料、フィラー等を添加配合して使用することも出来る。
【0055】皮膜を形成する方法としては、含浸、コー
ティング加工、何れも使用でき、乾燥方法としては、風
乾(自然乾燥)、強制乾燥の何れも採用できる。なお、
縮合触媒として、マレイン酸、リン酸等の有機酸、塩酸
等の無機酸、苛性ソーダ等の無機塩基、トリエチルアミ
ン等の有機塩基、酢酸亜鉛、オクチル酸亜鉛等の有機酸
金属塩、ジブチルスズジラウレート等のスズ化合物等を
添加してもよい。
【0056】本発明のポリウレタン水性組成物を用いた
加工の対象となる素材として、天然繊維、合成繊維、
紙、ガラス繊維、プラスチック、フィルム、木材、金
属、陶器等を挙げることができる。
【0057】
【作用】本発明のポリウレタン水性組成物の最大の特徴
は、アルコキシシラン誘導体を使用することによる製造
の安定性と、導入されたアルコキシシラン基の縮合によ
り発現する皮膜物性にある。
【0058】即ち、本発明のポリウレタン水性組成物
は、分子内にイソシアネート基、エポキシ基、ヒドロキ
シル基、メルカプト基、一級アミノ基又は二級アミノ基
を有するウレタンプレポリマーに、アルコキシシラン誘
導体を反応させた後、得られたポリウレタンを水中へ溶
解又は分散させることにより得られるが、前記ウレタン
プレポリマーを水中へ溶解又は分散させた後、アルコキ
シシラン誘導体を反応させることによっても得ることが
できる。従来技術によれば、末端イソシアネート基含有
ウレタンプレポリマーを水中に分散した状態でイソシア
ネート基と水又はポリアミンとの反応により高分子量化
反応を行うため、ゲル化等が懸念される。
【0059】しかし、本発明のポリウレタン水性組成物
は、乳化、分散操作が容易に実施出来る。その理由は以
下のように考えることができる。即ち、このポリウレタ
ン水性組成物では、導入されたアルコキシシラン基の加
水分解によりシラノール基が生成し、その後このシラノ
ール基同志が縮合するという2段階のステップで架橋が
行われる。アルコキシシラン誘導体を導入したポリウレ
タンは、分散時にシラノール基を生成するものの、水中
ではシラノール基同志の縮合が緩慢であり、又はその縮
合が完結せず、そのためにゲル化等が抑制されると考え
られる。従って、分散操作が容易であることはもちろ
ん、貯蔵安定性も極めて良好となると考えられる。
【0060】一方、皮膜物性の面では、以下のような利
点がある。即ち、ポリウレタンに導入されたジ又はトリ
アルコキシシラン基は乾燥程度のエネルギーにより容易
に縮合し、従来技術では達し得ない架橋密度を達成する
ことができる。そのため、生成皮膜の強度、耐溶剤性、
耐水性等が大幅に改良される。尚、乾燥程度の処理条件
でシラノール基の縮合による最終性能が発現されるた
め、従来技術のポリウレタンエマルジョンと同様の処理
条件で性能発現できる。従って、エネルギー的には従来
技術のポリウレタンエマルジョンの処理と何等変らない
ものである。
【0061】また、本発明のポリウレタン水性組成物は
希釈媒体に水を使用している。従って、有機溶媒を用い
る場合と異なり、安全性、公害等の点に於いても問題は
生じない。
【0062】
【発明の効果】本発明に係わる改良されたポリウレタン
水性組成物は、以下のような特有の効果を有している。
【0063】(1) ポリウレタンの分子内にアルコキシシ
ラン誘導体を反応させることにより、従来技術に見られ
ない皮膜物性(強度、耐溶剤性、耐水性等)の向上が認
められる。
【0064】(2) 従来技術では不安定要素であった分散
を容易に行うことができる。
【0065】このように、本発明はポリウレタン水性組
成物の製造面に於ける問題点を大幅に改良し、しかも、
そのポリウレタン水性組成物を用いて得られる皮膜の性
能を大幅に向上させたものということができる。
【0066】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明するが、本
発明はこれらに限定されるものではない。尚、後述する
実施例、比較例、合成例及び比較合成例中の「部」及び
「%」は、特に断らない限り、各々重量部、重量%を示
す。
【0067】(プレポリマー(1)の調製)2官能性ポ
リエーテルポリオール(PO/EO=90/10、分子
量2,000)300部、トリメチロールプロパン1
2.9部、1,4−ブタンジオール32.7部、ジメチ
ロールプロピオン酸24.5部、イソホロンジイソシア
ネート219.3部、及びメチルエチルケトン230部
を添加溶解した後、ジブチルスズジラウレート0.03
部を添加し、系内温度75℃にて400分間反応を行
い、固形分71.9%、末端イソシアネート基2.0%
(固形分当たり)を含有するウレタンプレポリマー溶液
(メチルエチルケトン)を得た。
【0068】(プレポリマー(2)の調製)2官能性ポ
リエーテルポリオール(PO/EO=90/10、分子
量2,000)300部、トリメチロールプロパン1
2.9部、1,4−ブタンジオール32.7部、及びメ
チルエチルケトン230部を添加溶解した後、トリレン
ジイソシアネート171.7部を添加し、70℃で60
分反応し、その後ジメチロールプロピオン酸24.5部
を添加して、更にジブチルスズジラウレート0.003
部を添加して75℃にて180分反応を実施し、固形分
70.2%、末端イソシアネート基2.20%(固形分
当たり)を含有するウレタンプレポリマー(2)の溶液
を得た。
【0069】(プレポリマー(3)の調製)ポリエーテ
ルポリオール(グリセリン/EO/POランダム共重合
体、EO/PO=80/20、分子量7,700)1,
500部、アジピン酸4.0部、及びヘキサメチレンジ
イソシアネート98部を添加溶解した後、系内温度10
0℃にて180分間反応を実施し、末端イソシアネート
基1.50%(固形分当たり)を含有するウレタンプレ
ポリマー(3)を得た。
【0070】(合成例1〜4、比較合成例1)前述のプ
レポリマー(1)のカルボキシル基をトリエチルアミン
で中和した後、表1に示すアミノアルキルアルコキシシ
ラン誘導体を、末端イソシアネート基に対して当量添加
し、30〜35℃下で反応を実施した。その後、イソシ
アネート基が消失したことを確認した後、水で希釈し、
乳化分散を行い、合成例1〜3のポリウレタン水性組成
物を得た。その調製条件及び得られたポリウレタン水性
組成物の外観を表2に示した。
【0071】同じく、前述のプレポリマー(1)のカル
ボキシル基をトリエチルアミンで中和した後、水で希釈
し、乳化した後、20〜30℃にて表1に示すアミノア
ルキルアルコキシシラン誘導体を前記プレポリマー
(1)の末端イソシアネート基とアミノアルキルアルコ
キシシラン誘導体のアミノ基とが等量となるように添加
し、30℃で60分間分散を実施した。その後、イソシ
アネート基が消失したことを確認した後に分散を行い、
合成例4のポリウレタン水性組成物を得た。その調製条
件及び得られたポリウレタン水性組成物の外観を表2に
併せて示した。
【0072】
【表1】
【0073】
【表2】
【0074】プレポリマー(1)のカルボキシル基をト
リエチルアミンで中和した後、水で希釈し、乳化した
後、従来技術であるエチレンジアミンを20〜30℃添
加し、30℃で60分間分散を実施し、比較合成例1の
水性組成物を得た。その調製条件及び得られた水性組成
物の外観を表2に併せて示した。
【0075】(実施例1〜5、比較例1)前記、合成例
1〜4、比較合成例1で得られたポリウレタン水性組成
物を用いて皮膜を作成した。皮膜は、テフロンコーティ
ングシャーレに膜厚200μmとなるようにポリウレタ
ン水性組成物を投入し、室温で2日間放置乾燥後するこ
とにより作製した。
【0076】皮膜の強度、伸度物性、耐溶剤性及び耐温
水性、並びに合成例1〜4のポリウレタン水性組成物の
50℃放置後の外観安定性を表3に示す。
【0077】
【表3】
【0078】なお、強度、伸度、100%モジュラス
(100%Mo)及び300%モジュラス(300%M
o)は、JIS−K−6301に従い、引張り試験機
(島津製作所(株)製、オートグラフ)を用いて、引張
り速度100mm/minで測定した。
【0079】耐溶剤性は、酢酸エチル/トルエン=1/
1の溶剤に2×4cmの皮膜片を浸漬し、20℃で24
Hr浸漬後の皮膜の重量及び面積の増加率(%)により
測定した。各増加率は、下記の式により求められる。
【0080】重量増加率(%)=100×(浸漬後の重
量−初期重量)/初期重量 面積増加率(%)=100×(浸漬後の面積−初期面
積)/初期面積 表3中の数値の記載は、各重量増加率(%)/各面積増
加率(%)のように表してある。
【0081】耐温水性は70℃温水に2×4cmの皮膜
片を浸漬し、70℃で24時間浸漬後の重量及び面積の
増加率(%)を測定した。各増加率は、上記の式により
求められる。
【0082】表3に示す通り、各実施例のアルコキシシ
ラン誘導体を反応させたポリウレタン水性組成物は、強
度面、耐溶剤性、耐温水性等に於いて、従来技術で得た
ポリウレタン水性組成物より優れていることが分る。特
に、耐溶剤性及び耐温水性が極めて向上している点は特
筆すべきである。更に、皮膜物性が高モジュラス化傾向
にあり、架橋密度が大幅に増大していることを示唆して
いる。
【0083】一方、各実施例のポリウレタン水性組成物
は、50℃下での安定性も問題なく、現実的に貯蔵可能
と判断される。
【0084】(合成例5〜6、比較合成例2〜3)前述
のプレポリマー(2)のカルボキシル基をトリエチルア
ミンで中和した後、表4示す各アミノアルコキシシラン
誘導体を、末端イソシアネート基に対し当量添加して、
30〜35℃で反応を実施した。その後、イソシアネー
ト基が消失した事を確認した後、水による希釈分散を実
施した。その結果を表5に合成例5〜6として示した。
【0085】
【表4】
【0086】
【表5】
【0087】前述のプレポリマー(2)のカルボキシル
基をトリエチルアミンで中和した後、水希釈だけを行っ
て得た水性組成物と、水希釈後従来技術であるエチレン
ジアミンを20℃にて添加して調製した水性組成物と
を、各々比較合成例2、3として表5に示した。
【0088】本発明の合成例5〜6では、何れの場合も
問題なく水希釈、乳化を行うことができ、貯蔵安定性も
良好であった。
【0089】一方、従来技術による比較合成例2〜3で
は、水希釈、乳化時に増粘、ゲル化が起こった。このこ
とは、末端イソシアネート基が芳香族イソシアネート基
のため、水との反応及びエチレンジアミンとの急激な反
応が起こったことを示していると判断される。
【0090】即ち、本発明の方法によれば、反応速度の
速い芳香族イソシアネートを用いても安定に水性組成物
が調製されることとなり、この点が本発明の大きな特徴
となっている。
【0091】(実施例6〜7、比較例2)前述の合成例
5〜6及び比較合成施例2で得られたポリウレタン水性
組成物の皮膜を作成した。皮膜の作製方法は、前述の実
施例1〜5の場合と同様である。
【0092】皮膜の強度、伸度物性、耐溶剤性及び耐温
水性について表6に示す。
【0093】
【表6】
【0094】表6に見られるように、実施例5〜6の皮
膜は従来技術による皮膜と比較して強度、耐溶剤性、耐
温水性共に優れていることが認められる。
【0095】(合成例7、比較合成例4〜5)前述のプ
レポリマー(3)を用いて、合成例5〜6及び比較合成
例2〜3と同様な方法で、ポリウレタン水性組成物を調
製した。合成例7に用いたアルコキシシラン誘導体は、
合成例3と同様のγ−アミノプロピルメチルジエトキシ
シランである。結果を表7に示す。
【0096】
【表7】
【0097】合成例7のポリウレタン水性組成物は、水
希釈を問題なく行うことができ、貯蔵安定性も良好であ
った。一方、従来技術による比較合成例4〜5では、水
希釈後、増粘、ゲル化が起こった。
【0098】(実施例8〜9、比較例3)前述の合成例
7及び比較合成例4で得られたポリウレタン水性組成物
の皮膜を作成した。皮膜の作製方法は、前述の実施例1
〜5の場合と同様である。
【0099】それらの耐溶剤性及び耐温水性について表
8に示す。
【0100】
【表8】
【0101】表8に示すように、アルコキシシラン誘導
体を反応させたポリウレタン水性組成物を用いた実施例
8〜9の皮膜は、比較例3に比較して優れた耐溶剤性及
び耐温水性を示した。
【0102】(合成例8)前述のプレポリマー(3)
1,000部にグリシドール26部を添加し、50℃で
反応を実施して、イソシアネート基が消失したことを確
認した。これにより、エポキシ基末端のウレタンプレポ
リマーが得られた。
【0103】次にジオキサン500部を添加して、系内
温度30℃にて合成例3と同様にγ−アミノプロピルメ
チルジエトキシシラン(表9)を反応させ、水で希釈し
てポリウレタン水性組成物を得た。その調製条件及び得
られたポリウレタン水性組成物の分散状態、分散安定性
等を表10に示した。
【0104】(合成例9)前述のプレポリマー(3)1
000部に1,4−ブタンジオール34部添加して80
℃で反応して、イソシアネート基が消失したことを確認
してヒドロキシル基末端のウレタンプレポリマーを得
た。
【0105】次にジオキサン500部を添加して系内温
度50℃にて表9に示すγ−イソシアネートプロピルメ
チルジエトキシシランを添加して、イソシアネートが消
失した事を確認した後、水で希釈してポリウレタン水性
組成物を得た。その調製条件及び得られたポリウレタン
水性組成物の分散状態、分散安定性等を表10に示し
た。
【0106】
【表9】
【0107】
【表10】
【0108】(合成例10)前述のプレポリマー(3)
1000部にアミノエチルピペラジン48部添加して、
30℃で反応して二級アミノ基末端のウレタンプレポリ
マーを得た。
【0109】次に、ジオキサン500部を添加して系内
温度30℃にて表9に示すγ−グリシドキシプロピルメ
チルジエトキシシランを添加して、エポキシ基が消失し
た事を確認した後、水で希釈してポリウレタン水性組成
物を得た。その調製条件及び得られたポリウレタン水性
組成物の分散状態、分散安定性等を表10に示した。
【0110】(実施例10〜12)合成例8〜10で得
られたポリウレタン水性組成物の皮膜を作成した。皮膜
の作成方法は前述の実施例1〜5の場合と同様である。
これらの耐溶剤性及び耐温水性について表11に示す。
【0111】表11に示すように、アルコキシシラン誘
導体を反応させたポリウレタン水性組成物を用いた実施
例10〜12の皮膜は、優れた耐溶剤性及び耐温水性を
示した。
【0112】
【表11】
【0113】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C09D 163/00 C09D 163/00 175/04 175/04 (72)発明者 藤原 剛志 京都府長岡京市竹の台2番地F2−304 (56)参考文献 特開 昭51−73561(JP,A) 特開 昭61−7317(JP,A) 特開 平3−140388(JP,A) 特開 平2−32186(JP,A) 特開 昭63−254120(JP,A) 特開 昭58−29818(JP,A) 特開 昭63−54480(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 75/04 - 75/12 C08G 18/00 - 18/87 C08G 59/00 - 59/72

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分子内にイソシアネート基及びエポキシ
    基からなる群から選択される基を有するウレタンプレポ
    リマーと、化1で示す一般式(I)及び/又は化2で示す
    一般式(II)のアルコキシシラン誘導体とを反応させてな
    水に乳化又は分散されたポリウレタンを含有すること
    を特徴とするポリウレタン水性組成物。 【化1】 【化2】 (化1及び化2において、Rはメチル基又はエチル基、
    R’は炭素数2又は3のアルキレン基、Aは化3に示す
    基を表す。) 【化3】
  2. 【請求項2】 分子内にヒドロキシル基、メルカプト
    基、一級アミノ基及び二級アミノ基からなる群から選択
    される基を有するウレタンプレポリマーと、化1で示す
    一般式(I)及び/又は化2で示す一般式(II)のアルコキ
    シシラン誘導体とを反応させてなる水に乳化又は分散さ
    れたポリウレタンを含有することを特徴とするポリウレ
    タン水性組成物(上記化1及び化2において、Rはメチ
    ル基又はエチル基、R’は炭素数2又は3のアルキレン
    基、Aは化4に示す基を表す。)。 【化4】
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