JP2000197376A - 超音波モ―タ及び回動装置 - Google Patents

超音波モ―タ及び回動装置

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JP2000197376A
JP2000197376A JP10369448A JP36944898A JP2000197376A JP 2000197376 A JP2000197376 A JP 2000197376A JP 10369448 A JP10369448 A JP 10369448A JP 36944898 A JP36944898 A JP 36944898A JP 2000197376 A JP2000197376 A JP 2000197376A
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stator
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進 橋本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ロータを複数軸中心に回動駆動させる超音波
モータにおいて、独立した複数のステータを必要とせ
ず、効率の良い超音波モータを提供する。 【解決手段】 超音波モータ1は、ロータ5、ステータ
4、シャフト15、保持部材6を備える。ロータ5は、
球面5cとその球面5cに軸が挿通された状態で該軸中
心の回動を許容するとともに、その軸中心以外の軸中心
の回動を所定範囲で許容する貫通孔5aを有する。ステ
ータ4は、ロータ5の球面5cと接触する接触部10c
を有し、その接触部10cに該ロータ5を複数軸中心に
回動駆動させるための超音波振動を発生する。シャフト
15は、貫通孔5aを挿通するようにステータ4と連結
される。保持部材6はシャフト15に連結され、ロータ
5の球面5cを接触部10cに押圧接触させるととも
に、ロータ5を接触部10cと共に複数軸中心で回動可
能に保持する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ロータを複数軸中
心に回動駆動させる超音波モータに関し、特に車両用の
サイドミラー、車室内ミラー、エアコンの送風案内翼、
日除け(サンバイザー)等を駆動させる回動装置に備え
て好適なものである。
【0002】
【従来の技術】近年、車両用のサイドミラーには、電動
ミラー装置を備えたものがある。一般的に、電動ミラー
装置は、ミラーカバーの回動(畳み込み及び使用状態に
戻す)用、鏡面前後傾動用、鏡面左右傾動用の3個のD
Cモータを備えている。そして、電動ミラー装置は、車
内の操作スイッチを操作することにより、各DCモータ
にてミラーを傾動させ、ミラーの鏡面角度を調節するよ
うになっている。又、電動ミラー装置は、車内の操作ス
イッチを操作することにより、ミラーカバーを回動さ
せ、ミラーカバーを畳み込む又は使用状態に戻すように
なっている。
【0003】又、電動ミラー装置としては、特開平8−
95640号公報に開示されたものがある。この電動ミ
ラー装置(ミラー角度調整装置)は、略球状のロータを
任意の方向に回転駆動可能な球面モータを備えている。
そして、そのロータにはミラーが固定されている。球面
モータは、超音波モータの一種であって、微少振動を発
生する4個のステータを、ロータの表面に上下左右から
圧接して構成されている。そして、微少振動を発生させ
るステータを切り替えたり、ステータの振動モードを変
化させることにより、ロータを任意の方向に回転させ、
ミラーの鏡面角度を調節するようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記一
般的な電動ミラー装置では、3個のDCモータが必要で
あるため、そのコストが高くなってしまう。又、この電
動ミラー装置では、高速運転時の風圧等でミラーカバー
が畳み込まれないように、ミラーカバーを強く保持させ
ている。従って、ミラーカバーを畳み込むためには、高
トルクが必要となり、ミラーカバー回動用のDCモータ
には減速機が必要となる。さらに、この電動ミラー装置
では、走行時の振動等でミラーが傾動してしまうのを防
止するために、ミラーを強く保持させている。従って、
ミラーを傾動させるためには、高トルクが必要となり、
鏡面傾動用のDCモータには減速機が必要となる。その
結果、この電動ミラー装置では、部品点数が増加してし
まい、その組付け作業が複雑化してしまううえ装置が大
型化するという問題がある。さらにまた、この電動ミラ
ー装置では、作動中に減速機の歯車が噛合うため、騒音
が発生してしまうという問題がある。
【0005】特開平8−95640号公報に開示された
電動ミラー装置では、球面モータに独立した4つのステ
ータが必要であるため、その取付作業が面倒であるとい
う問題がある。又、この電動ミラー装置では、ロータが
4個のステータに上下左右から圧接されることにより支
持されている。従って、例えば、上下2つのステータに
微少振動を発生させ、ロータを垂直軸中心に回動させる
場合、左右2つのステータが該回動に対する負荷となる
ため、モータの効率が低くなるという問題がある。さら
に、この電動ミラー装置は、ミラーカバーを回動させる
(畳み込む及び使用状態に戻す)機能を備えていない。
即ち、この電動ミラー装置をミラーカバーの回動も行な
う電動ミラー装置とするには、前記一般的な電動ミラー
装置と同様に回動用のDCモータ及び減速機が必要とな
る。従って、部品点数が増加し、その組付け作業が複雑
化してしまうという問題がある。又、前述したように、
減速機により騒音が発生するといった問題が生じる。
【0006】本発明の第1の目的は、ロータを複数軸中
心に回動駆動させる超音波モータにおいて、独立した複
数のステータを必要とせず、効率の良い超音波モータを
提供することにある。
【0007】第2の目的は、サイドミラーの鏡面角度を
調節する機能、及びミラーカバーを回動させる(畳み込
む及び使用状態に戻す)機能を備えた回動装置におい
て、取り付ける際の部品点数が少なく、減速機による騒
音が発生しない回動装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決しようとする手段】請求項1に記載の発明
は、球面と、一方向の軸中心の回動を許容するととも
に、その軸中心以外の軸中心の回動を所定の範囲で許容
する貫通孔を有するロータと、前記ロータの球面と接触
する接触部を有し、その接触部に該ロータを複数軸中心
に回動駆動させるための超音波振動を発生するステータ
と、前記貫通孔を挿通するように前記ステータと連結さ
れる軸部と、前記軸部に連結され、前記ロータの球面を
前記接触部に押圧接触させるとともに、該ロータを該接
触部と共に複数軸中心で回動可能に保持する保持部材と
を備えた超音波モータである。
【0009】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の超音波モータにおいて、前記ロータを、略球状に形成
し、前記貫通孔を、該ロータの中心を貫通するととも
に、中心に向かうほど径が小さくなるように形成した。
【0010】請求項3に記載の発明は、請求項1に記載
の超音波モータにおいて、前記ロータの球面を形成する
部分を、均一の厚さで形成し、前記保持部材を、前記ロ
ータの球面の裏面と圧接する球面を有するように形成し
た。
【0011】請求項4に記載の発明は、略球形状のロー
タと、前記ロータの球面と接触する第1接触部を有し、
その第1接触部に該ロータを複数軸中心に回動駆動させ
るための超音波振動を発生する第1のステータと、前記
第1接触部が接触する前記ロータの球面とは逆方向に形
成される球面と接触する第2接触部を有し、その第2接
触部に該ロータを複数軸中心に回動駆動させるための超
音波振動を発生する第2のステータとを備え、前記第1
及び第2ステータを、前記ロータを挟んで締結すること
により、該ロータの球面を該第1接触部と該第2接触部
に押圧接触させるとともに、該第1接触部と該第2接触
部にて該ロータを複数軸中心で回動可能に保持させた超
音波モータである。
【0012】請求項5に記載の発明は、請求項4に記載
の超音波モータにおいて、前記ロータには、その中心を
貫通するとともに、中心に向かうほど径が小さくなる貫
通孔を形成し、前記第1及び第2のステータを、前記貫
通孔を挿通する軸部材にて締結した。
【0013】請求項6に記載の発明は、略球形状のロー
タと、前記ロータの球面と接触する接触部を有し、その
接触部に該ロータを複数軸中心に回動駆動させるための
超音波振動を発生するステータと、前記接触部が接触す
る前記ロータの球面とは逆方向に形成される球面に押圧
接触された状態で、該ロータの球面を該ステータの接触
部に押圧接触させるとともに、該ロータを該ステータの
接触部と共に複数軸中心で回動可能に保持する保持部材
と、前記保持部材を前記ロータの球面に押圧接触させる
ように、前記保持部材と前記ステータとを連結する連結
部材とを備えた超音波モータである。
【0014】請求項7に記載の発明は、請求項1乃至
3、及び6のいずれか1項に記載の超音波モータにおい
て、前記保持部材は、軸受である。請求項8に記載の発
明は、請求項7に記載の超音波モータにおいて、前記軸
受は、転動体を有する転がり軸受であって、その転動体
を前記ロータに直接接触させた。
【0015】請求項9に記載の発明は、球面を有するロ
ータと、前記ロータの球面と接触する接触部を有し、そ
の接触部に該ロータを複数軸中心に回動駆動させるため
の超音波振動を発生するステータと、前記ロータに設け
られ、該ロータの球面が前記接触部に接触する方向に対
して略垂直方向に延びる延出部と、前記延出部と前記ス
テータとを、該ロータの球面が該接触部に押圧されるよ
うに、かつ該延出部が該ステータに対して傾動可能とな
るように連結するバネ部材とを備えた超音波モータであ
る。
【0016】請求項10に記載の発明は、請求項1乃至
9のいずれか1項に記載の超音波モータを備え、作動部
材を複数軸中心に回動駆動する回動装置であって、前記
ロータを作動部材に対して固定し、該ロータの複数軸中
心の回動にて、作動部材を複数軸中心に回動する。
【0017】請求項11に記載の発明は、請求項10に
記載の回動装置において、前記作動部材は、車両のサイ
ドに設けられるミラーカバー及びそのミラーカバーに固
定されるミラーであって、前記ステータを、車両に対し
て固定し、前記ロータを前記ミラー及び前記ミラーカバ
ーの少なくとも一方に直接連結し、該ロータの一方向の
軸中心の回動にてミラーカバーの回動、及びミラーの左
右の傾動を行い、該ロータの他方向の軸中心の回動にて
ミラーの前後の傾動を行なう。
【0018】(作用)請求項1に記載の発明によれば、
ステータには、ロータの貫通孔を挿通する軸部が連結さ
れる。ロータは、軸部が挿通された貫通孔にて、一方向
の軸中心、即ち該軸部中心の回動が許容されるととも
に、軸部中心以外の軸中心の回動が所定の範囲で許容さ
れる。ロータの球面は、軸部に連結された保持部材にて
ステータの接触部に押圧接触される。又、ロータは、ス
テータの接触部と保持部材にて複数軸中心で回動可能に
保持される。そして、ステータの接触部には、ロータを
複数軸中心に回動駆動させるための超音波振動が発生さ
れる。従って、ロータはステータの超音波振動に応じて
複数軸中心に回動駆動される。
【0019】請求項2に記載の発明によれば、ロータ
は、略球状に形成され、前記貫通孔が該ロータの中心を
貫通するとともに、中心に向かうほど径が小さくなるよ
うに形成される。従って、ロータは、軸部が挿通された
貫通孔にて、軸部中心の回動が許容されるとともに、軸
部以外の軸中心の回動が所定の範囲で許容される。
【0020】請求項3に記載の発明によれば、ロータ
は、その球面の裏面が保持部材の球面にて押圧される。
従って、ロータの球面は保持部材の球面にてステータの
接触部に押圧接触される。又、ロータはステータの接触
部と該保持部材の球面にて複数軸中心で回動可能に保持
される。
【0021】請求項4に記載の発明によれば、ロータ
は、その球面が第1接触部と第2接触部に押圧接触され
るとともに、第1接触部と第2接触部にて複数軸中心で
回動可能に保持される。そして、第1及び第2のステー
タの第1及び第2接触部には、ロータを複数軸中心に回
動駆動させるための超音波振動が発生される。従って、
ロータは第1及び第2のステータの超音波振動に応じて
複数軸中心に回動駆動される。
【0022】請求項5に記載の発明によれば、ロータ
は、軸部材にて、軸部材中心の回動が許容されるととも
に、軸部材以外の軸中心の回動が所定の範囲で許容され
る。請求項6に記載の発明によれば、保持部材は、連結
部材によりステータの接触部が接触するロータの球面と
は逆方向に形成される球面と押圧接触される。すると、
ロータの球面は、保持部材にてステータの接触部に押圧
接触される。又、ロータは、保持部材とステータの接触
部にて複数軸中心で回動可能に保持される。そして、ス
テータの接触部には、ロータを複数軸中心に回動駆動さ
せるための超音波振動が発生される。従って、ロータは
ステータの超音波振動に応じて複数軸中心に回動駆動さ
れる。
【0023】請求項7に記載の発明によれば、ロータの
球面は、軸部に連結された軸受にてステータの接触部に
押圧接触される。従って、ロータが回動するときの負荷
が小さくなる。
【0024】請求項8に記載の発明によれば、ロータの
球面は、軸部に連結された転がり軸受の転動体が直接接
触さることにより、ステータの接触部に押圧接触され
る。従って、ロータが回動するときの負荷が小さくな
る。
【0025】請求項9に記載の発明によれば、延出部
は、ロータの球面がステータの接触部に接触する方向に
対して略垂直方向にロータから延びて設けられる。延出
部とステータとは、バネ部材にて、ロータの球面が接触
部に押圧されるように、かつ延出部がステータに対して
傾動可能となるように連結される。そして、ステータの
接触部には、ロータを複数軸中心に回動駆動させるため
の超音波振動が発生される。従って、ロータはステータ
の超音波振動に応じて複数軸中心に回動駆動される。
【0026】請求項10に記載の発明によれば、作動部
材は、ロータの複数軸中心の回動にて、同ロータと一体
的に回動駆動される。請求項11に記載の発明によれ
ば、ミラー及びミラーカバーは、ロータと一体的に駆動
される。ミラーカバーは、ロータの一方向の軸中心の回
動にて回動され、その畳み込み及び使用状態に戻す動作
が行われる。又、ミラーは、ロータの一方向の軸中心の
回動にて左右の傾動が行われ、ロータの他方向の軸中心
の回動にて前後の傾動が行われ、その鏡面角度が調節さ
れる。
【0027】
【発明の実施の形態】(第1の実施の形態)以下、本発
明を車両用サイドミラーの電動ミラー(回動)装置に具
体化した第1の実施の形態を図1〜図6に従って説明す
る。図1は、電動ミラー装置に備えられる超音波モータ
1の要部断面図を示す。図2は、電動ミラー装置の要部
分解斜視図を示す。図3は、電動ミラー装置の要部断面
図を示す。図4は、電動ミラー装置の平面図を示す。図
5は、電動ミラー装置の斜視図を示す。
【0028】図5に示すように、電動ミラー装置は、超
音波モータ1、ミラー2及びミラーカバー3を備えてい
る。尚、本実施の形態では、ミラー2及びミラーカバー
3が作動部材を構成している。図1に示すように、超音
波モータ1は、ステータ4、ロータ5及び保持部材6を
備えている。ステータ4は、第1から第4ブロック7〜
10と、第1から第3圧電素子11〜13とを備えてい
る。
【0029】第1から第4ブロック7〜10は、導電性
金属よりなり、本実施形態ではアルミ合金にて形成され
ている。第1から第4ブロック7〜10は略円柱体であ
って、その中心軸部には軸線方向に貫通する貫通孔7a
〜10aが形成されている。又、第4ブロック10の上
面には凹部10bが形成されている。そして、凹部10
bの開口部には、球面と環状の面で接触するように形成
された接触部10cが形成されている。
【0030】第1から第3圧電素子11〜13は、それ
ぞれ円盤状に形成された2枚の圧電素子11a,11b
〜13a,13bが接着されて形成され、その中心軸部
には貫通孔11c〜13cが形成される。尚、第1から
第3圧電素子11〜13の上面全体、下面全体及び接着
面全体には、図示しない電極がそれぞれ配設されてい
る。
【0031】第1圧電素子11を構成する一方の圧電素
子11aの分極方向は、平面に対して垂直で、かつ図2
に破線で示すように、その平面の半分づつで逆とされて
いる。又、第1圧電素子11を構成する他方の圧電素子
11bの分極方向は、一方の圧電素子11aの逆、即
ち、前記接着面の電極を中心として一方の圧電素子11
aと対称とされている。
【0032】第2圧電素子12を構成する一方の圧電素
子12aの分極方向は、平面に対して垂直な一方向とさ
れている。又、第2圧電素子12を構成する他方の圧電
素子12bの分極方向は、一方の圧電素子12aの逆、
即ち、前記接着面の電極を中心として一方の圧電素子1
2aと対称とされている。
【0033】第3圧電素子13を構成する一方の圧電素
子13aの分極方向は、平面に対して垂直で、かつ図2
に破線で示すように、その平面の半分づつで逆とされて
いる。又、第3圧電素子13を構成する他方の圧電素子
13bの分極方向は、一方の圧電素子13aの逆、即
ち、前記接着面の電極を中心として一方の圧電素子13
aと対称とされている。
【0034】前記第1ブロック7の上面と、第2ブロッ
ク8の下面との間には、第1圧電素子11が配設され、
前記第2ブロック8の上面と、第3ブロック9の下面と
の間には、第2圧電素子12が配設される。又、前記第
3ブロック9の上面と、第4ブロック10の下面との間
には、第3圧電素子13が配設される。即ち、第1ブロ
ック7、第1圧電素子11、第2ブロック8、第2圧電
素子12、第3ブロック9、第3圧電素子13、第4ブ
ロック10は、この順で積層され、それぞれ接着剤にて
接着されている。尚、このとき、第1圧電素子11と、
第3圧電素子13とは、図2に破線で示す分極の境界線
が、90°ずれるように積層される。
【0035】ロータ5は、ステンレス鋼等の剛体にて、
略球形状に形成されている。ロータ5には、図1に示す
ように、その中心を通るとともに、中心に向かうほど径
が小さくなる貫通孔5aが形成されている。従って、貫
通孔5aは、該孔5aに軸が挿通された状態で、その軸
中心のロータ5の回動を許容するとともに、その軸中心
以外の軸中心の回動を所定の範囲で許容する。又、ロー
タ5には、貫通孔5aと直交方向に出力軸5bが延出し
て形成されている。尚、ロータ5の直径は、その球面5
cが前記接触部10cと環状の面で接触するように設定
されている。
【0036】保持部材6は、略円盤状に形成され、その
中心軸部には貫通孔6aが形成されている。又、保持部
材6の下面中央、即ち貫通孔6aの下側の開口部には、
ロータ5の球面と環状の面で接触するように形成された
摺接部6bが形成されている。
【0037】前記ステータ4は、図3に示すように、車
両Aのウインドガラスと隣接した位置に設けられる取付
け部14に固定されている。詳述すると、図2に示すよ
うに、取付け部14には、上方に延びるシャフト15が
配設され、そのシャフト15にステータ4の軸心孔7a
〜10a,11c〜13cが嵌め合わされて、接着剤に
て接着されている。尚、ステータ4は、第1圧電素子1
1の分極の境界線が車両Aの側面と直交する方向となる
ように、即ち第3圧電素子13の分極の境界線が車両A
の側面と平行になるように固定されている。ここで、図
4及び図5に示すように、車両Aの側面と直交する軸を
X軸とし、車両Aの側面と平行な軸をY軸とし、上下方
向の軸(シャフト15の軸)をZ軸とする。
【0038】前記ロータ5は、その貫通孔5aがステー
タ4の凹部10bから上方に突出するシャフト15に嵌
め合わされ、その球面がステータ4の接触部10cに接
触されている。従って、ロータ5は、貫通孔5aにてシ
ャフト15の軸(Z軸)中心の回動が許容されるととも
に、シャフト15の軸中心以外の他の軸(例えば、X軸
や、Y軸)中心の回動が所定の範囲で許容される。尚、
所定の範囲とは、貫通孔5aの内壁面がシャフト15
と、その回動方向に係合するまでの範囲である。
【0039】前記保持部材6は、その貫通孔6aがロー
タ5の上方に突出するシャフト15に嵌め合わされ、そ
の摺接部6bがロータ5の球面と接触されている。そし
て、保持部材6は、その上方に突出するシャフト15の
雄ねじ部15aにナット16が螺合されることにより、
ロータ5に圧接されている。従って、ロータ5は、ステ
ータ4の接触部10cに押圧接触される。又、ロータ5
は、保持部材6の摺接部6bとステータ4の接触部10
cとの間で複数軸中心(X軸中心、Y軸中心、Z軸中心
等を含む)で回動可能に保持される。尚、図6は、ロー
タ5の回動中において、貫通孔5aの内壁面がシャフト
15と、その回動方向に係合した状態を示す。前記貫通
孔5aの開口部は、図6に示されるごとく、いずれの方
向の内壁面がシャフト15と係合した状態においても、
接触部10c及び摺接部6bから外部に露出しない直径
に設定されている。
【0040】前記ロータ5の出力軸5bには、ミラーカ
バー3が固定されている。ミラーカバー3は、図4に示
すように、上方から見て車両の前方側がその端部に向か
うほど後方側に撓んだ弧状(所謂、流線形)に形成され
ている。そして、ミラーカバー3には、ミラー2が固定
されている。ミラー2は、図4に示すように、上方から
見て車両の後方側に反射面が向くように固定されてい
る。
【0041】次に、超音波モータ1の電気的接続につい
て説明する。前記第1圧電素子11の上面及び下面の電
極からなる組と、同第1圧電素子11の接着面の電極と
は図示しない第1の高周波電圧装置に接続されている。
第1の高周波電圧装置は、図示しない制御装置からの制
御信号に基づいて、接着面の電極と上下の電極間に高周
波電圧を供給する。
【0042】前記第2圧電素子12の上面及び下面の電
極からなる組と、同第2圧電素子11の接着面の電極と
は図示しない第2の高周波電圧装置に接続されている。
第2の高周波電圧装置は、図示しない制御装置からの制
御信号に基づいて、接着面の電極と上下の電極間に高周
波電圧を供給する。
【0043】前記第3圧電素子13の上面及び下面の電
極からなる組と、同第3圧電素子11の接着面の電極と
は図示しない第3の高周波電圧装置に接続されている。
第3の高周波電圧装置は、図示しない制御装置からの制
御信号に基づいて、接着面の電極と上下の電極間に高周
波電圧を供給する。
【0044】前記制御装置は、車内に設けられる図示し
ない操作スイッチの操作に基づいて、第1から第3の高
周波電圧装置にそれぞれ制御信号を出力する。尚、操作
スイッチとは、公知のスイッチであって、ミラーカバー
3を回動させる(図4に2点鎖線で示す畳み込んだ状
態、又は実線で示す使用状態とする)ためのスイッチ、
ミラー2を前後左右に傾動させるためのスイッチ等を備
える。
【0045】上記のように構成された電動ミラー装置の
動作を説明する。ミラーカバー3を畳み込んだ状態とす
るための操作スイッチが操作されると、制御装置からそ
の操作に基づいた制御信号が出力される。すると、第1
及び第3の高周波電圧装置から第1及び第3圧電素子1
1,13に高周波電圧が供給される。詳述すると、第1
の高周波電圧装置から、第1圧電素子11の上面の電極
と接着面の電極間、第1圧電素子11の下面の電極と接
着面の電極間に同じ高周波電圧が供給される。又、第3
の高周波電圧装置から、第3圧電素子13の上面の電極
と接着面の電極間、第3圧電素子13の下面の電極と接
着面の電極間に同じ高周波電圧が供給される。尚、第1
の高周波電圧装置から供給される高周波電圧と、第3の
高周波電圧装置から供給される高周波電圧とは、時間的
位相差が90°とされている。
【0046】すると、第1圧電素子11に接着面の電極
を共通として上下に対称な高周波電圧が供給されること
と、一方の圧電素子11aと他方の圧電素子11bの分
極方向が接着面の電極を中心として対称とされているこ
とから、第1圧電素子11では大きな(圧電素子11
a,11bの振動を足算した)振動が発生される。この
振動は、圧電素子11a,11bの分極方向がそれぞれ
平面の半分づつで逆であることから、その分割した一方
が伸びるときには他方が縮み、一方が縮むときには他方
が伸びる振動となる。
【0047】又、第3圧電素子13では、第1圧電素子
11と同様に、分割した一方が伸びるときには他方が縮
み、一方が縮むときには他方が伸びる大きな振動が発生
される。尚、この第1圧電素子11の振動と第3圧電素
子13の振動とは、時間的位相差が90°となる。
【0048】すると、ステータ4の接触面10cでは、
第1及び第3圧電素子11,13の各振動に基づく複合
振動が発生され、ロータ5がシャフト15の軸(Z軸)
中心で上方から見て(図4参照)時計回り方向に回動さ
れ、ミラーカバー3が畳み込まれた状態まで回動され
る。
【0049】逆に、ミラーカバー3を使用状態とするた
めの操作スイッチが操作された場合は、第1の高周波電
圧装置から供給される高周波電圧と、第3の高周波電圧
装置から供給される高周波電圧との時間的位相差が−9
0°とされることのみ異なり、他は同様の動作が行なわ
れる。すると、ミラーカバー3が使用状態まで回動され
る。
【0050】ミラー2を左右に傾動させるための操作ス
イッチが操作された場合は、その操作された時間に応じ
た位置まで、前述したようにミラーカバー3が回動され
る。すると、ミラー2は、ミラーカバー3に固定されて
いることから、ミラーカバー3の回動とともに左右に傾
動される。
【0051】ミラー2を前後に傾動させるための操作ス
イッチが操作されると、制御装置からその操作に基づい
た制御信号が出力される。すると、第1から第3の高周
波電圧装置から第1から第3圧電素子11〜13に高周
波電圧が供給される。詳述すると、第1の高周波電圧装
置から、第1圧電素子11の上面の電極と接着面の電極
間、第1圧電素子11の下面の電極と接着面の電極間に
同じ高周波電圧が供給される。又、第2の高周波電圧装
置から、第2圧電素子12の上面の電極と接着面の電極
間、第2圧電素子12の下面の電極と接着面の電極間に
同じ高周波電圧が供給される。さらに、第3の高周波電
圧装置から、第3圧電素子13の上面の電極と接着面の
電極間、第3圧電素子13の下面の電極と接着面の電極
間に同じ高周波電圧が供給される。尚、第1の高周波電
圧装置から供給される高周波電圧と、第2の高周波電圧
装置から供給される高周波電圧と、第3の高周波電圧装
置から供給される高周波電圧との時間的位相差は、ミラ
ーカバー3(出力軸5b)の回動方向の位置と、操作ス
イッチの操作(前傾動又は後傾動の操作)に基づいた値
に決定される。
【0052】すると、第2圧電素子12に接着面の電極
を共通として上下に対称な高周波電圧が供給されること
と、一方の圧電素子12aと他方の圧電素子12bの分
極方向が接着面の電極を中心として対称とされているこ
とから、第2圧電素子12では大きな振動が発生され
る。この振動は、圧電素子12a,12bの分極方向が
それぞれ平面全体で一方向であることから、上面から下
面までが一様に伸び縮みする縦振動となる。
【0053】又、第1及び第3圧電素子11,13で
は、前述したように、分割した一方が伸びるときには他
方が縮み、一方が縮むときには他方が伸びる大きな振動
がそれぞれ発生される。尚、この第1圧電素子11の振
動と第2圧電素子12の振動と第3圧電素子13の振動
とは、時間的位相差が前記決定した値となる。
【0054】すると、ステータ4の接触面10cでは、
第1から第3圧電素子11〜13の各振動に基づく複合
振動が発生され、ロータ5が出力軸5bの軸中心に回動
される。すると、ミラー2がミラーカバー3とともに前
後に傾動される。
【0055】次に上記のように構成した電動ミラー装置
の特徴的な作用効果を以下に記載する。 (1)本実施形態の超音波モータ1では、1つのステー
タ4に、ロータ5を複数軸中心に回動させるため振動を
発生させるようにした。そして、シャフト15が挿通さ
れるロータ5の貫通孔5aにて、ロータ5のZ軸中心の
回動を許容するとともに、Z軸中心以外の軸中心の回動
を所定の範囲で許容した。又、ロータ5を、ステータ4
とシャフト15に固定された保持部材6により複数軸中
心に回動可能に挟持させた。従って、ロータ5の回動に
対する負荷は主に保持部材6との摩擦だけとなり、従来
(特開平8−95640号公報に開示された装置)と比
べて、小さい。その結果、この超音波モータ1は、モー
タ効率が高くなる。
【0056】(2)本実施形態の超音波モータ1は、1
つのステータ4にてロータ5を複数軸中心に回動させる
ようにした。従って、この超音波モータ1は、独立した
ステータを複数備える従来(特開平8−95640号公
報)と比べて、その取付作業が容易となる。
【0057】(3)本実施形態の超音波モータ1では、
ロータ5を略球状に形成して、その中心を通るととも
に、中心に向かうほど径が小さくなる貫通孔5aを形成
した。そして、その貫通孔5aに保持部材6を保持する
ためのシャフト15を貫通させた。従って、ロータ5
は、シャフト15の軸(Z軸)中心の回動が許容される
ともに、その軸(Z軸)中心以外の軸中心の回動回動が
所定の範囲で許容される。又、保持部材6を保持するた
めのシャフト15がロータ5の内部を通るため、保持部
材6を保持するための部材が超音波モータ1を大型化し
てしまわない。
【0058】(4)本実施の形態の電動ミラー装置で
は、超音波モータ1のロータ5にミラーカバー3及びミ
ラー2を直接固定し、その1つの超音波モータ1にてミ
ラー2を前後左右に傾動させたり、ミラーカバー3を回
動させるようにした。従って、電動ミラー装置の部品点
数が少なくなり、その取付作業が容易となる。
【0059】(5)本実施の形態の電動ミラー装置で
は、超音波モータ1を用いている、即ちロータ5は、ス
テータ4及び保持部材6に挟持されるため、回動してい
ないとき、ロータ5が強固に保持される。従って、ロー
タ5にミラーカバー3及びミラー2を固定したが、ミラ
ーカバー3及びミラー2が走行時の風圧や振動により傾
いてしまうことがない。その結果、この電動ミラー装置
では、減速機を必要とせず、減速機の歯車による騒音が
発生しない。
【0060】(第2の実施の形態)以下、本発明を車両
用サイドミラーの電動ミラー(回動)装置に具体化した
第2の実施の形態を図7〜図11に従って説明する。図
7は、電動ミラー装置に備えられる超音波モータ21の
要部断面図を示す。図8は、電動ミラー装置の要部分解
斜視図を示す。図9は、電動ミラー装置の要部断面図を
示す。図10は、電動ミラー装置の平面図を示す。図1
1は、電動ミラー装置の斜視図を示す。
【0061】図11に示すように、電動ミラー装置は、
超音波モータ21、ミラー22及びミラーカバー23を
備えている。尚、本実施の形態では、ミラー22及びミ
ラーカバー23が作動部材を構成している。図7に示す
ように、超音波モータ21は、第1ステータ24、第2
ステータ25及びロータ26を備えている。尚、本実施
の形態の第1ステータ24は、前記第1の実施の形態の
ステータ4とサイズが異なるのみなので、それらを構成
する部材については符号を同じとしてその詳細な説明を
一部省略する。又、第2ステータ25は第1ステータ2
4と上下が逆となっているだけなので、それらを構成す
る部材については同じ符号にzを加えてその詳細な説明
を一部省略する。又、本実施の形態では、第1ステータ
24の接触部10cが第1接触部を構成し、第2ステー
タ25の接触部10czが第2接触部を構成する。
【0062】ロータ26は、ステンレス鋼等の剛体に
て、略球形状に形成されている。ロータ26には、図7
に示すように、その中心を通るとともに、中心に向かう
ほど径が小さくなる貫通孔26aが形成されている。従
って、貫通孔26aは、該孔26aに軸が挿通された状
態で、その軸中心のロータ26の回動を許容するととも
に、その軸中心以外の軸中心の回動を所定の範囲で許容
する。又、ロータ26には、貫通孔26aと直交方向に
出力軸26bが延出して形成されている。尚、ロータ2
6の直径は、その球面26cが第1及び第2ステータ2
4,25の両接触部10c,10czとそれぞれ環状の
面で接触するように設定されている。
【0063】前記第1ステータ24は、図9に示すよう
に、車両Aのウインドガラスと隣接した位置に設けられ
る取付け部27に固定されている。詳述すると、図7及
び図8に示すように、取付け部27には、上方に延びる
シャフト28が配設され、そのシャフト28にステータ
24の軸心孔7a〜10a,11c〜13cが嵌め合わ
されて、接着剤にて接着されている。尚、ステータ24
は、第1圧電素子11の分極の境界線が車両Aの側面と
直交する方向となるように、即ち第3圧電素子13の分
極の境界線が車両Aの側面と平行になるように固定され
ている。ここで、図10及び図11に示すように、車両
Aの側面と直交する軸をX軸とし、車両Aの側面と平行
な軸をY軸とし、上下方向の軸(シャフト15の軸)を
Z軸とする。
【0064】前記ロータ26は、その貫通孔26aが第
1ステータ24の凹部10bから上方に突出するシャフ
ト28に嵌め合わされ、その球面26cが第1ステータ
24の接触部10cに接触されている。従って、ロータ
26は、貫通孔26aにてシャフト28の軸(Z軸)中
心の回動が許容されるとともに、シャフト28の軸中心
以外の他の軸(例えば、X軸や、Y軸)中心の回動が所
定の範囲で許容される。尚、所定の範囲とは、貫通孔2
6aの内壁面がシャフト28と、その回動方向に係合す
るまでの範囲である。
【0065】前記第2ステータ25は、その軸心孔7a
z〜10az,11cz〜13czがロータ26の上方
に突出するシャフト28に嵌め合わされ、その接触部1
0czがロータ26の球面26cと接触されている。そ
して、第2ステータ25は、その上方に突出するシャフ
ト28の雄ねじ部28aにナット29が螺合されること
により、ロータ26に圧接されている。従って、ロータ
26は、第1及び第2ステータ24,25の両接触部1
0c,10czに押圧接触される。又、ロータ26は、
第1及び第2ステータ24,25の両接触部10c,1
0czの間で複数軸中心(X軸中心、Y軸中心、Z軸中
心等を含む)で回動可能に保持される。
【0066】尚、前記ロータ26の貫通孔26aの開口
部は、ロータ26が回動して、その貫通孔26aの内壁
面がシャフト28と係合した状態で、各接触部10c,
10czから外部に露出しない直径に設定されている。
又、ナット29の下面と第2ステータ25の上面との摩
擦係数は、接触部10czとロータ26の球面との摩擦
係数より十分大きくなるように成形されている。即ち、
第2ステータ25は、シャフト28を中心として第1ス
テータ24に対して相対回動しないようにナット29に
て保持されている。
【0067】前記ロータ26の出力軸26bには、ミラ
ーカバー23が固定されている。ミラーカバー23は、
図10に示すように、上方から見て車両の前方側がその
端部に向かうほど後方側に撓んだ弧状(所謂、流線形)
に形成されている。そして、ミラーカバー23には、ミ
ラー22が固定されている。ミラー22は、図10に示
すように、上方から見て車両の後方側に反射面が向くよ
うに固定されている。
【0068】第1ステータ24の第1から第3圧電素子
11〜13の各電極は、前記第1の実施の形態と同様
に、それぞれ図示しない第1から第3の高周波電圧装置
に接続されている。又、第2ステータ25の第1から第
3圧電素子11z〜13zは、同様に、それぞれ図示し
ない第4から第6の高周波電圧装置に接続されている。
第1から第6の高周波電圧装置は、図示しない制御装置
からの制御信号に基づいて、各電極間に高周波電圧を供
給する。
【0069】前記制御装置は、車内に設けられる図示し
ない操作スイッチの操作に基づいて、第1から第6の高
周波電圧装置にそれぞれ制御信号を出力する。尚、操作
スイッチとは、公知のスイッチであって、ミラーカバー
23を回動させる(図10に2点鎖線で示す畳み込んだ
状態、又は実線で示す使用状態とする)ためのスイッ
チ、ミラー22を前後左右に傾動させるためのスイッチ
等を備える。
【0070】上記のように構成された電動ミラー装置の
動作を説明する。ミラーカバー23を畳み込んだ状態と
するための操作スイッチが操作されると、制御装置から
その操作に基づいた制御信号が出力される。すると、第
1、第3、第4及び第6の高周波電圧装置から第1及び
第2ステータ24,25の各第1及び第3圧電素子1
1,13,11z,13zに高周波電圧が供給される。
尚、第1の高周波電圧装置から供給される高周波電圧
と、第3の高周波電圧装置から供給される高周波電圧と
は、第1の実施の形態と同様に、時間的位相差が90°
とされている。又、第4の高周波電圧装置から供給され
る高周波電圧と、第6の高周波電圧装置から供給される
高周波電圧とは、時間的位相差が−90°とされてい
る。
【0071】すると、第1ステータ24の第1圧電素子
11では、前記第1の実施の形態と同様に、分極方向を
分割した一方が伸びるときには他方が縮み、一方が縮む
ときには他方が伸びる大きな振動が発生される。又、第
1ステータ24の第3圧電素子13では、前記第1の実
施の形態と同様に、分極方向を分割した一方が伸びると
きには他方が縮み、一方が縮むときには他方が伸びる大
きな振動が発生される。尚、この第1ステータ24にお
ける第1圧電素子11の振動と第3圧電素子13の振動
とは、時間的位相差が90°となる。
【0072】又、このとき、第2ステータ25の第1圧
電素子11zでは、第1ステータ24の第1圧電素子1
1と同様に、分極方向を分割した一方が伸びるときには
他方が縮み、一方が縮むときには他方が伸びる大きな振
動が発生される。又、第2ステータ24の第3圧電素子
13zでは、第1ステータ24の第1圧電素子11と同
様に、分極方向を分割した一方が伸びるときには他方が
縮み、一方が縮むときには他方が伸びる大きな振動が発
生される。尚、この第2ステータ25における第1圧電
素子11zの振動と第3圧電素子13zの振動とは、時
間的位相差が−90°となる。
【0073】すると、第1及び第2ステータ24,25
の各接触面10c,10czでは、第1及び第3圧電素
子11,13,11z,13zの各振動に基づく複合振
動がそれぞれ発生され、ロータ26がシャフト28の軸
(Z軸)中心で上方から見て(図10参照)時計回り方
向に回動され、ミラーカバー23が畳み込まれた状態ま
で回動される。
【0074】逆に、ミラーカバー23を使用状態とする
ための操作スイッチが操作された場合は、第1の高周波
電圧装置から供給される高周波電圧と、第3の高周波電
圧装置から供給される高周波電圧との時間的位相差が−
90°とされる。又、第4の高周波電圧装置から供給さ
れる高周波電圧と、第6の高周波電圧装置から供給され
る高周波電圧との時間的位相差が90°とされる。従っ
て、第1ステータ24における第1圧電素子11の振動
と第3圧電素子13の振動とは、時間的位相差が−90
°となる。又、第2ステータ25における第1圧電素子
11zの振動と第3圧電素子13zの振動とは、時間的
位相差が90°となる。すると、ロータ26がシャフト
28の軸(Z軸)中心で上方から見て(図10参照)反
時計回り方向に回動され、ミラーカバー23が使用状態
まで回動される。
【0075】ミラー22を左右に傾動させるための操作
スイッチが操作された場合は、その操作された時間に応
じた位置まで、前述したようにミラーカバー23が回動
される。すると、ミラー22は、ミラーカバー23に固
定されていることから、ミラーカバー23の回動ととも
に左右に傾動される。
【0076】ミラー22を前後に傾動させるための操作
スイッチが操作されると、制御装置からその操作に基づ
いた制御信号が出力される。すると、第1から第6の高
周波電圧装置から第1及び第2ステータ24,25の各
第1から第3圧電素子11〜13に高周波電圧が供給さ
れる。尚、第1から第3の高周波電圧装置から供給され
る各高周波電圧の時間的位相差は、第1の実施の形態と
同様に、ミラーカバー23(出力軸26b)の回動方向
の位置と、操作スイッチの操作(前傾動又は後傾動の操
作)に基づいた値に決定される。又、第4から第6の高
周波電圧装置から供給される各高周波電圧の時間的位相
差は、第1から第3の高周波電圧装置から供給される各
高周波電圧の時間的位相差に対応した値に決定される。
【0077】すると、第1及び第2ステータ24,25
の各第2圧電素子12,12zでは、第1の実施の形態
と同様に、上面から下面までが一様に伸び縮みする大き
な縦振動が発生される。
【0078】又、第1及び第2ステータ24,25の各
第1及び第3圧電素子11,13,11z,13zで
は、前述したように、分割した一方が伸びるときには他
方が縮み、一方が縮むときには他方が伸びる大きな振動
がそれぞれ発生される。尚、この第1圧電素子11,1
1zの振動と第2圧電素子12,12zの振動と第3圧
電素子13,13zの振動とは、時間的位相差が前記決
定した値となる。
【0079】すると、第1及び第2ステータ24,25
の各接触面10c,10czでは、第1から第3圧電素
子11〜13,11z〜13zの各振動に基づく複合振
動がそれぞれ発生され、ロータ26が出力軸26bの軸
中心に回動される。すると、ミラー22がミラーカバー
23とともに前後に傾動される。
【0080】次に上記のように構成した電動ミラー装置
の特徴的な作用効果を以下に記載する。 (1)本実施形態の超音波モータ21では、ロータ26
を、第1及び第2ステータ24,25により複数軸中心
に回動可能に挟持させた。そして、その第1及び第2ス
テータ24,25に、ロータ26を複数軸中心に回動さ
せるため振動を発生させるようにした。従って、ロータ
26の回動に対する余分な負荷は略なくなり、従来(特
開平8−95640号公報に開示された装置)と比べ
て、小さい。その結果、この超音波モータ21は、モー
タ効率が高くなる。
【0081】(2)本実施形態の超音波モータ21は、
ロータ26を複数軸中心に回動させるためのステータ2
4,25を2つとした。従って、この超音波モータ21
は、独立したステータを多数備える従来(特開平8−9
5640号公報)と比べて、その取付作業が容易とな
る。
【0082】(3)本実施形態の超音波モータ21で
は、ロータ26を略球状に形成して、その中心を通ると
ともに、中心に向かうほど径が小さくなる貫通孔26a
を形成した。そして、その貫通孔26aに第2ステータ
25を保持するためのシャフト28を貫通させた。従っ
て、ロータ26は、該貫通孔26aにてシャフト28の
軸(Z軸)中心の回動が許容されるともに、その軸(Z
軸)中心以外の軸中心の回動が所定の範囲で許容され
る。又、第1及び第2ステータ24,25を締結するた
めのシャフト28がロータ26の内部を通るため、第1
及び第2ステータ24,25を締結するための部材が該
超音波モータ21を大型化してしまわない。
【0083】(4)本実施の形態の電動ミラー装置で
は、超音波モータ21のロータ26にミラーカバー23
及びミラー22を直接固定し、その1つの超音波モータ
21にてミラー22を前後左右に傾動させたり、ミラー
カバー23を回動させるようにした。従って、電動ミラ
ー装置の部品点数が少なくなり、その取付作業が容易と
なる。
【0084】(5)本実施の形態の電動ミラー装置で
は、ロータ26は、第1及び第2ステータ24,25に
挟持されるため、回動していないとき、強固に保持され
る。従って、ロータ26にミラーカバー23及びミラー
22を固定したが、ミラーカバー23及びミラー22が
走行時の風圧や振動により傾いてしまうことがない。そ
の結果、この電動ミラー装置では、減速機を必要とせ
ず、減速機の歯車による騒音が発生しない。
【0085】(第3の実施の形態)以下、本発明を車室
内ミラーの電動ミラー(回動)装置に具体化した第3の
実施の形態を図12に従って説明する。図12は、電動
ミラー装置の要部断面図を示す。
【0086】図12に示すように、電動ミラー装置は、
超音波モータ31、ミラー32及びミラーカバー33を
備えている。尚、本実施の形態では、ミラー32及びミ
ラーカバー33が作動部材を構成している。超音波モー
タ31は、ステータ34と、ロータ35と、保持部材及
び軸部としての連結シャフト36とを備えている。尚、
本実施の形態のステータ34は、前記第1の実施の形態
のステータ4とサイズが異なるのみなので、それらを構
成する部材については符号を同じとしてその詳細な説明
を一部省略する。
【0087】ロータ35は、半球の球面35aを有する
ように形成され、その球面35aを形成する部分は均一
の厚さとなっている。即ち、ロータ35は、所定厚さの
板材を球面状に形成してなる。これにより、ロータ35
の球面35aの裏面35bは、球面と密着するような曲
面に形成される。ロータ35の球面35aの中央には、
裏面35bに貫通する貫通孔35cが形成されている。
尚、ロータ35の球面の直径は、ステータ34の接触部
10cと環状の面で接触するように設定されている。
【0088】連結シャフト36は、軸部36aと、保持
部36bと、雄ねじ部36cとから構成されている。軸
部36aは、前記ステータ34の軸心孔7a〜10a,
11c〜13cと略同径に形成されている。保持部36
bは、軸部36aの基端部に形成されている。そして、
ロータ35の裏面35bと密着する球面を有するよう
に、球体を切り取った形状に形成されている。雄ねじ部
36cは、軸部36aの先端部に形成されている。
【0089】前記ステータ34は、車室内Bのフロント
ガラスと隣接した天井側に設けられる固定プレート37
に固定される。詳述すると、固定プレート37は、その
中央部が天井面と隙間を有するように形成されている。
固定プレート37の中央部の中心には、室内側から天井
側に貫通する孔37aが形成されている。又、中央部の
室内側の面には、筒状に形成されたカバー38が孔37
aを囲うように固定されている。そして、ステータ34
は、車内側からカバー38内に挿入され、その底部、即
ち第1ブロック7の下面が固定プレート37に固定され
ている。尚、このとき、ステータ34は、カバー38と
一定の隙間を有して固定され、その軸心孔7a〜10
a,11c〜13cが、固定プレート37の孔37aと
一直線とされている。
【0090】前記ロータ35は、連結シャフト36に
て、その球面35aがステータ34の接触部10cに押
圧接触されるとともに、複数軸中心で回動可能に保持さ
れる。詳述すると、連結シャフト36は、ロータ35の
貫通孔35cから挿入され、ステータ34及び固定プレ
ート37の孔7a〜10a,11c〜13c,37aに
嵌挿される。そして、固定プレート37から突出する雄
ねじ部36cにナット39が螺合されることにより、ロ
ータ35、ステータ34及び固定プレート37が締結さ
れている。これにより、ロータ35は、その裏面35b
に連結シャフト36の保持部36bが押圧され、その球
面35aがステータ34の接触部10cに押圧接触され
るとともに、複数軸中心で回動可能に保持される。又、
ロータ35は、連結シャフト36の軸部36aにて連結
シャフト36の軸中心の回動が許容されるとともに、連
結シャフト36の軸中心以外の他の軸中心の回動が所定
の範囲で許容される。
【0091】尚、所定の範囲とは、貫通孔35aの内壁
面が連結シャフト36と、その回動方向に係合するまで
の範囲である。又、ロータ35の貫通孔35cの開口部
は、ロータ35が回動して、その貫通孔35cの内壁面
が連結シャフト36と係合した状態で、接触部10cか
ら外部に露出しない直径に設定されている。さらに、保
持部36bは、ロータ35が回動して、その貫通孔35
cの内壁面が連結シャフト36と係合した状態で、該球
面35aの端部から突出しないようにその大きさが設定
されている。
【0092】前記ロータ35の球面35aの端部には、
ミラーカバー33が固定されている。ミラーカバー33
は、長方形のプレート状に形成されている。そして、ミ
ラーカバー33には、ミラー32が固定されている。ミ
ラー32は、車室内において、その長方形の反射面が車
両の後方(リアガラス)側を向くように固定されてい
る。
【0093】ステータ34の第1から第3圧電素子11
〜13の各電極は、前記第1の実施の形態と同様に、そ
れぞれ図示しない第1から第3の高周波電圧装置に接続
されている。第1から第3の高周波電圧装置は、図示し
ない制御装置からの制御信号に基づいて、各電極間に高
周波電圧を供給する。
【0094】前記制御装置は、車内のステアリング付近
に設けられる図示しない操作スイッチの操作に基づい
て、第1から第3の高周波電圧装置にそれぞれ制御信号
を出力する。尚、操作スイッチとは、ミラー32(ミラ
ーカバー33)を(連結シャフト36の軸中心に)回動
させるためのスイッチ、ミラー32の鏡面を前後左右に
傾動させるためのスイッチ等を備える。
【0095】上記のように構成された電動ミラー装置の
動作を説明する。ミラー32を一方向に回動、即ちミラ
ー32の長方形の鏡面を一方向に回動させる操作スイッ
チが操作されると、制御装置からその操作に基づいた制
御信号が出力される。すると、第1及び第3の高周波電
圧装置から第1及び第3圧電素子11,13に高周波電
圧が供給される。尚、第1の高周波電圧装置から供給さ
れる高周波電圧と、第3の高周波電圧装置から供給され
る高周波電圧とは、第1の実施の形態と同様に、時間的
位相差が90°とされている。
【0096】すると、第1圧電素子11では、前記第1
の実施の形態と同様に、分極方向を分割した一方が伸び
るときには他方が縮み、一方が縮むときには他方が伸び
る大きな振動が発生される。又、第3圧電素子13で
は、前記第1の実施の形態と同様に、分極方向を分割し
た一方が伸びるときには他方が縮み、一方が縮むときに
は他方が伸びる大きな振動が発生される。尚、この第1
圧電素子11の振動と第3圧電素子13の振動とは、時
間的位相差が90°となる。
【0097】すると、ステータ34の接触面10cで
は、第1及び第3圧電素子11,13の各振動に基づく
複合振動が発生され、ロータ35が連結シャフト36の
軸中心で一方向に回動され、ミラー32がミラーカバー
33とともに一方向に回動される。尚、このとき、ミラ
ー32は操作スイッチが操作された時間に応じた位置ま
で回動される。又、この回動では、ミラー32の鏡面が
連結シャフト36に対して垂直な面である場合を除き、
ミラー32の回動に伴なって、その鏡面の角度も変化す
る。
【0098】逆に、ミラー32を他方向に回動させる操
作スイッチが操作された場合は、第1の高周波電圧装置
から供給される高周波電圧と、第3の高周波電圧装置か
ら供給される高周波電圧との時間的位相差が−90°と
されることのみ異なり、他は同様の動作が行われる。す
ると、ミラー32は、操作スイッチが操作された時間に
応じた位置まで他方向に回動される。
【0099】ミラー32の鏡面を前後左右方向に傾動さ
せるための操作スイッチが操作されると、制御装置から
その操作に基づいた制御信号が出力される。すると、第
1から第3の高周波電圧装置から第1から第3圧電素子
11〜13に高周波電圧が供給される。尚、第1から第
3の高周波電圧装置から供給される各高周波電圧の時間
的位相差は、第1の実施の形態と同様に、ミラーカバー
33の回動方向の位置と、操作スイッチの操作(前傾動
又は後傾動又は左傾動又は右傾動又は各斜め傾動の操
作)に基づいた値に決定される。
【0100】すると、第2圧電素子12では、第1の実
施の形態と同様に、上面から下面までが一様に伸び縮み
する大きな縦振動が発生される。又、第1及び第3圧電
素子11,13では、前述したように、分割した一方が
伸びるときには他方が縮み、一方が縮むときには他方が
伸びる大きな振動がそれぞれ発生される。尚、この第1
圧電素子11の振動と第2圧電素子12の振動と第3圧
電素子13の振動とは、時間的位相差が前記決定した値
となる。
【0101】すると、ステータ34の接触面10cで
は、第1から第3圧電素子11〜13の各振動に基づく
複合振動がそれぞれ発生され、ロータ35が連結シャフ
ト36の軸以外の軸中心(例えば、図中紙面直交方向の
軸中心や紙面左右方向の軸中心)で回動される。する
と、ミラー32の鏡面がミラーカバー33とともに前後
左右に傾動される。
【0102】次に上記のように構成した電動ミラー装置
の特徴的な作用効果を以下に記載する。 (1)本実施形態の電動ミラー装置では、車内のステア
リング付近に設けられる操作スイッチを操作することに
より、フロントガラスと隣接した天井側に配設されるミ
ラー32を回動させたり、ミラー32の鏡面を傾動させ
たりすることができる。従って、運転手は容易にミラー
32の鏡面角度を調節することができる。又、その際、
手がフロントガラスからの景色及びミラー32の鏡面に
映る景色を妨害してしまうことがない。
【0103】(2)本実施形態の超音波モータ31で
は、1つのステータ34に、ロータ35を複数軸中心に
回動させるため振動を発生させるようにした。そして、
連結シャフト36の軸部36aが挿通される貫通孔35
cにて、ロータ35の連結シャフト36の軸中心の回動
を許容するとともに、連結シャフト36の軸中心以外の
軸中心の回動を所定の範囲で許容した。又、ロータ35
を、ステータ34の接触部10cと連結シャフト36の
保持部36bにより複数軸中心に回動可能に挟持させ
た。従って、ロータ35の回動に対する負荷は主に保持
部36bとの摩擦だけとなり、従来(特開平8−956
40号公報に開示された装置)と比べて、小さい。その
結果、この超音波モータ31は、モータ効率が高くな
る。
【0104】(3)本実施形態の超音波モータ31は、
ロータ35を複数軸中心に回動させるためのステータ3
4を1つとした。従って、この超音波モータ31は、独
立したステータを複数備える従来(特開平8−9564
0号公報)と比べて、その取付作業が容易となる。
【0105】(4)本実施形態の超音波モータ31で
は、球面35aを有するロータ35に貫通孔35aを形
成した。そして、その貫通孔35aに保持部36bを有
する連結シャフト36の軸部36aを挿入した。従っ
て、ロータ35は、連結シャフト36の軸中心の回動が
許容されるともに、その軸中心以外の軸中心の回動が所
定の範囲で許容される。又、ロータ35を押圧する保持
部36bを保持するための軸部36aがロータ35の内
部を通るため、保持部36bを保持するための部材が超
音波モータ31を大型化してしまわない。
【0106】(5)本実施形態の超音波モータ31で
は、ロータ35を、半球の球面35aを有するように形
成し、その球面35aを形成する部分を均一の厚さとし
た。そして、ロータ35を接触部10cとともに挟持す
る連結シャフト36の保持部36bの大きさは、ロータ
35が回動してその貫通孔35cの内壁面が連結シャフ
ト36と係合した状態で、該球面35aの端部から突出
しないように設定した。従って、球面35aの端部に直
接ミラーカバー33を固定することができる。その結
果、該電動ミラー装置が連結シャフト36の軸方向に長
くなってしまうことが低減される。
【0107】(6)本実施形態の電動ミラー装置では、
超音波モータ31のロータ35にミラーカバー33及び
ミラー32を直接固定し、その1つの超音波モータ31
にてミラー32を回動させたり、ミラー32の鏡面を前
後左右に傾動させるようにした。従って、電動ミラー装
置の部品点数は少なく、その取付作業は容易となる。
【0108】(7)本実施形態の電動ミラー装置では、
ロータ35は、ステータ34及び保持部36bに挟持さ
れるため、回動していないとき、強固に保持される。従
って、ロータ35にミラーカバー33及びミラー32を
固定したが、ミラーカバー33及びミラー32が走行時
の振動により傾いてしまうことがない。その結果、この
電動ミラー装置では、減速機等を必要とせず、減速機の
歯車による騒音が発生しない。
【0109】上記各実施の形態は、以下のように変更し
て実施してもよい。 ・上記第3の実施の形態の超音波モータ31は、図13
に示す超音波モータ41に変更してもよい。尚、第3の
実施の形態と同様の部分については同様の符号を付し
て、その詳細な説明を省略する。又、第3の実施の形態
と同様な動作についても、その詳細な説明を省略する。
超音波モータ41は、ステータ42、ロータ43、ナッ
ト44、及び保持部材45を備えている。ステータ42
は、第1から第4ブロック46〜49、前記第1から第
3圧電素子11〜13、及び軸部としての締結ネジ50
を備えている。
【0110】第1及び第4ブロック46,49には、そ
の中心軸方向に貫通する雌ネジ46a,49aが形成さ
れている。第2及び第3ブロック47,48には、その
中心軸方向に貫通する貫通孔47a,48aが形成され
ている。又、第4ブロック49の上部には凹部が形成さ
れ、その開口部には、球面と環状の面で接触する接触部
49bが形成されている。締結ネジ50は、その外周面
に雌ネジ46a,49aと対応した第1雄ネジ50aが
形成され、その上端にはナット44と対応した軸部とし
ての第2雄ネジ50bが軸線方向に突出して形成されて
いる。
【0111】そして、第1ブロック46、第1圧電素子
11、第2ブロック47、第2圧電素子12、第3ブロ
ック48、第3圧電素子13、第4ブロック49は、こ
の順で積層されて締結ネジ50の第1雄ネジ50aによ
り締結され、ステータ42を構成している。尚、このと
き、第1圧電素子11と第3圧電素子13とは、分極の
境界線が90°ずれるように締結されている。
【0112】ロータ43は、半球の球面43aを有する
ように形成され、その球面43aを形成する部分は均一
の厚さとなっている。これにより、ロータ43の球面4
3aの裏面43bは、球面と密着するような曲面に形成
される。ロータ43の球面43aの中央には、裏面43
bに貫通する貫通孔43cが形成されている。尚、ロー
タ43の球面43aは、ステータ42の接触部49bと
環状の面で接触するように設定されている。
【0113】保持部材45は、ロータ43の裏面43b
と密着する球面を有するように、球体を切り取った形状
に形成されている。又、保持部材45には、その軸中心
に貫通する孔45aが形成されている。
【0114】前記ロータ43は、保持部材45にて、そ
の球面43aがステータ42の接触部49bに押圧接触
されるとともに、複数軸中心で回動可能に保持される。
詳述すると、ロータ43は、その球面43aがステータ
42の接触部49bに当接され、その裏面43bに保持
部材45の球面が当接される。そして、ロータ43の貫
通孔43c及び保持部材45の孔45aを貫通する締結
ネジ50の第2雄ネジ50bにナット44が螺合される
ことにより、保持部材45、ロータ43及びステータ4
2が締結されている。これにより、ロータ43は、その
裏面43bが保持部材45の球面に押圧され、その球面
43aがステータ42の接触部49bに押圧接触される
とともに、複数軸中心で回動可能に保持される。又、ロ
ータ43は、第2雄ネジ50bが挿通された貫通孔43
cにて締結ネジ50の軸中心の回動が許容されるととも
に、締結ネジ50の軸中心以外の他の軸中心の回動が所
定の範囲で許容される。
【0115】尚、所定の範囲とは、貫通孔43cの内壁
面が第2雄ネジ50bと、その回動方向に係合しない範
囲である。又、ロータ43の貫通孔43cの開口部は、
ロータ43が回動して、その貫通孔43cの内壁面が第
2雄ネジ50bと係合した状態で、接触部49bから外
部に露出しない直径に設定されている。さらに、保持部
材45は、ロータ43が回動して、その貫通孔43cの
内壁面が第2雄ネジ50bと係合した状態で、該球面4
3aの端部から突出しないようにその大きさが設定され
ている。
【0116】このように構成された超音波モータ41を
図12の固定プレート37に固定しても、第3の実施の
形態と同様に動作し、第3の実施の形態の効果と同様の
効果を得ることができる。又、勿論、固定プレート37
を使用せず、ステータ42を直接フロントガラスと隣接
した天井に固定してもよい。
【0117】・上記第3の実施の形態の超音波モータ3
1は、図14に示す超音波モータ51に変更してもよ
い。超音波モータ51は、ステータ52、ロータ53、
保持部材としての軸受54、保持プレート55及び固定
台56を備えている。
【0118】ステータ52は、第1から第4ブロック7
y,8〜10、及び第1から第3圧電素子11〜13を
備えている。尚、第1ブロック7yは、第3の実施の形
態の第1ブロック7と比べて、その中心軸部に雌ネジを
切った貫通孔が形成されていることのみ異なるので、同
様の部分については同様の符号を付して、その詳細な説
明を省略する。このステータ52は、第4ブロック10
の凹部10bから挿入されたボルト57の先端雄ネジ部
が第1ブロック7yの雌ネジに螺合されることにより締
結されている。
【0119】ロータ53は、略球形状に形成されてい
る。ロータ53の球面53aの一部には、出力軸53b
が延出して形成されている。尚、ロータ53の直径は、
その球面53aがステータ52の接触部10cと環状の
面で接触するように設定されている。
【0120】軸受54は、転がり軸受に属する環状の玉
軸受であって、転動体としての複数の玉54aと、その
玉54aを保持する環状のレース54bとを備える。そ
して、軸受54はその複数の玉54aによってロータ5
3の球面53aと複数の点で直接接触するように形成さ
れている。
【0121】保持プレート55には、軸受54のレース
54bを保持するための凹部55aが形成され、その凹
部55aの底部中央には孔55bが形成されている。固
定台56は板状に形成され、その一平面上に2本のシャ
フト56a,56bが立設されている。尚、この別例で
は、保持プレート55とシャフト56a,56bを備え
た固定台56が連結部材を構成している。
【0122】前記ステータ52は、固定台56の一平面
上に固定されている。前記ロータ53は、軸受54にて
その球面53aがステータ52の接触部10cに押圧接
触されるとともに、軸受54及び接触部10cにて複数
軸中心で回動可能に保持される。詳述すると、ロータ5
3は、その球面53aがステータ52の接触部10cに
接触され、その接触された球面53aの逆方向に形成さ
れる球面53aに軸受54の玉54aが接触される。そ
して、軸受54の玉54aがロータ53の球面53aに
押圧接触されるように、軸受54のレース54bを保持
した保持プレート55が、2本のシャフト56a,56
bに連結固定されている。これにより、ロータ53は、
その球面53aがステータ52の接触部10cに押圧接
触されるとともに、複数軸中心で回動可能に保持され
る。尚、このとき、ロータ53は、その出力軸53bが
環状の軸受54の孔及び保持プレート55の孔55bを
貫通した状態となるように保持される。これにより、ロ
ータ53は、軸受54の孔及び保持プレート55の孔5
5bの中心を通る軸中心の回動が許容されるとともに、
その軸中心以外の他の軸中心の回動が所定の範囲で許容
される。尚、所定の範囲とは、出力軸53bが環状の軸
受54の孔又は保持プレート55の孔55bと、その回
動方向に係合しない範囲である。この出力軸53bの先
端には、前記ミラーカバー33が固定されている。
【0123】このように構成された超音波モータ51を
固定プレート37に固定しても、第3の実施の形態と同
様に動作し、第3の実施の形態の効果(1),(3),
(6)と同様の効果を得ることができる。
【0124】又、ロータ53をステータ52の接触部1
0cと軸受54の複数の玉54aにより複数軸中心で回
動可能に挟持した。従って、ロータ52の回動に対する
負荷は複数の玉54aとの転がり摩擦だけとなり、従来
(特開平8−95640号公報に開示された装置)と比
べて、小さい。その結果、この超音波モータ51は、モ
ータ効率が高くなる。
【0125】さらに、ロータ53は、軸受54と接触面
10cに挟持されるため、回動していないとき、即ちス
テータ52が振動していないとき、該接触面10cとの
摩擦により、回動することなく保持される。従って、ロ
ータ53にミラーカバー33及びミラー32を固定した
が、ミラーカバー33及びミラー32が走行時の振動に
より傾いてしまうことがない。その結果、この電動ミラ
ー装置では、減速機等を必要とせず、減速機の歯車によ
る騒音が発生しない。尚、勿論、固定プレート37を使
用せず、超音波モータ51の固定台56を直接フロント
ガラスと隣接した天井に固定してもよい。又、固定台5
6は、例えば第1ブロック7y(第2〜第4ブロックの
いずれか1つでもよい)に、径方向外側に延びるフラン
ジ部を設けて代用してもよい。
【0126】・上記第3の実施の形態の超音波モータ3
1は、図15に示す超音波モータ71に変更してもよ
い。超音波モータ71は、ステータ72、ロータ73、
バネ部材としてのコイルばね74a,74b及び固定台
75を備えている。尚、ステータ72は、上記別例のス
テータ52と構成が同じであるため、同様の各部材につ
いては同様の符号を付して、その詳細な説明を省略す
る。
【0127】ロータ73は、半球形状の半球部73a
と、その球面の端部から端部と同じ径で延びる円柱部7
3bとから構成されている。半球部73aは、その球面
がステータ72の接触部10cと環状の面で接触するよ
うに設定されている。円柱部73bの端部外周面には、
長方形を形成するように径方向外側に延びる延出部とし
てのミラーカバー76が固定されている。このミラーカ
バー76には前記ミラー32が固定されている。尚、こ
の別例では、ミラー32及びミラーカバー76が作動部
材を構成している。
【0128】ステータ72は、その下面、即ち第1ブロ
ック7yの下面が固定台75の一平面上に固定されてい
る。そして、ミラーカバー76と、固定台75とは、引
き合わせる方向に付勢する2つのコイルばね74a,7
4bにて連結されている。2つのコイルばね74a,7
4bは、ステータ72の中心軸線と平行に配設されると
ともに、ステータ72の中心軸線に対して対称に配設さ
れる。従って、ロータ73の球面は接触部10cに押圧
接触される。又、ミラーカバー76は、コイルばね74
a,74bが伸縮可能であることから、ステータ72に
対して全ての方向に傾動可能とされる。即ち、ロータ7
3は、複数軸中心に所定の範囲で回動可能とされる。
尚、所定の範囲とは、ミラーカバー76とステータ72
とがその回動方向に係合しない範囲、又はコイルばね7
4a,74bの伸縮が行われる範囲である。
【0129】このように構成された超音波モータ71を
固定プレート37に固定しても、第3の実施の形態と同
様に動作し、第3の実施の形態の効果(1),(3),
(6)と同様の効果を得ることができる。
【0130】又、ミラーカバー76と固定台75とをコ
イルばね74a,74bで連結することにより、ロータ
73を複数軸中心で回動可能に保持した。従って、ロー
タ73の回動に対する負荷はコイルばね74a,74b
の付勢力に反する力だけとなり、従来(特開平8−95
640号公報に開示された装置)と比べて、小さい。そ
の結果、この超音波モータ71は、モータ効率が高くな
る。
【0131】さらに、ミラーカバー76をロータ73の
円柱部73bから径方向外側に延びるように設け、その
ミラーカバー76と固定台75とをコイルばね74a,
74bで連結することによりロータ73を保持した。従
って、ロータ73を保持するために、電動ミラー装置が
ステータ72の長手方向に長くなってしまうことは低減
される。
【0132】さらにまた、ロータ73は、コイルばね7
4a,74bにより接触面10cに押圧されているた
め、回動していないとき、即ちステータ72が振動して
いないとき、該接触面10cとの摩擦により、回動する
ことなく保持される。従って、ロータ73にミラーカバ
ー76及びミラー32を固定したが、ミラーカバー76
及びミラー32が走行時の振動により傾いてしまうこと
がない。その結果、この電動ミラー装置では、減速機等
を必要とせず、減速機の歯車による騒音が発生しない。
尚、勿論、固定プレート37を使用せず、超音波モータ
71の固定台75を直接フロントガラスと隣接した天井
に固定してもよい。又、コイルばね74a,74bの数
は適宜変更してもよい。
【0133】・上記第1及び第2の実施の形態では、ス
テータ4(第1及び第2ステータ24,25)は、車両
A(取付け部14,27)に対して直接固定されるとし
たが、クラッチ等を介して固定してもよい。例えば、ス
テータ4と取付け部14の間に外力によってZ軸中心に
回動するクラッチを設ける。このようにすると、外部か
ら外力が加わったときにミラーカバー3,23がZ軸中
心に回動するため、衝突した際等の障害が防止される。
【0134】・上記第1及び第2の実施の形態の超音波
モータ1,21は、ミラーカバー3,23の外部に設け
られ露出していたが、ミラーカバー3,23の内部に収
容させて露出しないようにしてもよい。このようにする
と、駆動中の異物の挟み込みが防止される。又、美観が
向上される。
【0135】・上記各実施の形態及び別例では、超音波
モータ1,21,31,41,51,71を備えた電動
ミラー(回動)装置に具体化したが、超音波モータ1,
21,31,41,51,71は、他の作動部材を回動
駆動する回動装置に備えてもよい。例えば、図16に示
すように、第1の実施の形態の超音波モータ1を作動部
材としての日除け(サンバイザー)81を駆動する回動
装置に備えて実施してもよい。詳述すると、超音波モー
タ1のステータ4は、車室内のフロントガラスCと隣接
した天井Dに固定されている。このとき、ステータ4
は、前記シャフト15の軸(Z軸)がフロントガラスC
の上辺と略平行になるように固定されている。そして、
ロータ5の出力軸5bにはサンバイザー81が固定され
ている。
【0136】このように構成された日除け回動装置で
は、超音波モータ1のロータ5がZ軸中心に回動駆動可
能であるため、サンバイザー81をZ軸中心に回動させ
て、使用状態(図中、実線で示す)や収納状態(図中、
2点鎖線で示す)とすることができる。又、超音波モー
タ1のロータ5はZ軸以外の軸中心に所定の範囲で回動
駆動可能であるため、サンバイザー81をZ軸以外の軸
中心に回動させて、日光の入射角度に応じた傾きに傾動
させることができる。そして、上記のように駆動させる
ための操作スイッチを車内のステアリング付近に設ける
と、サンバイザー81を駆動する際、手がフロントガラ
スからの景色を妨害してしまうことがない。又、車両に
日光入射角度検出センサを設け、日光の入射角度に応じ
てサンバイザー81を駆動させるようにしてもよい。
【0137】・例えば、図17及び図18に示すよう
に、第1の実施の形態の超音波モータ1を車載エアコン
の作動部材としての送風案内翼(以下、翼)91を駆動
する回動装置に備えて実施してもよい。詳述すると、超
音波モータ1のステータ4は、ケース92内に保持され
ている。ケース92は、車内に露出した送風口93の奥
で支柱94に固定されている。このとき、ケース92
は、前記シャフト15の軸(Z軸)が送風口93と垂直
になるように固定されている。そして、ロータ5には、
前記出力軸5bの反対側の球面に出力軸5cが形成され
ている。両出力軸5b,5cにはそれぞれ翼91が固定
されている。
【0138】このように構成された送風案内翼回動装置
では、超音波モータ1のロータ5がZ軸中心に回動駆動
可能であるため、翼91をZ軸中心で回動させることが
できる。又、超音波モータ1のロータ5はZ軸以外の軸
中心に所定の範囲で回動駆動可能であるため、翼91を
Z軸以外の軸中心で回動させることができる。従って、
車載エアコンの風の向きを変化させることができる。さ
らに、翼91を予め設定したパターン又はランダムで駆
動させるようにすれば、車載エアコンの風の向きを予め
設定したパターン又はランダムで変化させることができ
る。
【0139】・上記第2の実施の形態では、ロータ26
の貫通孔26aにシャフト28を貫通させ、該シャフト
28にて第1及び第2ステータ24,25を締結した
が、第1及び第2ステータ24,25を他の方法で締結
してもよい。
【0140】例えば、図19及び図20に示すように、
各ステータ24,25をそれぞれ接着し、外から支える
ように変更してもよい。尚、この場合、第1及び第2ス
テータ24,25には軸心孔が必要無くなり、ロータ2
6には貫通孔26aが必要無くなるが、ステータ24,
25は第2の実施の形態と同様に振動し、ロータ26は
同様に駆動されるため、符号を同じとしてその詳細な説
明を省略する。又、図20に示すように、前記取付け部
27にはシャフト28が必要無くなる。
【0141】図20に示すように、前記取付け部27の
上面には、円環状に凸設された係止部27aが形成され
ている。係止部27aの内径は、第1ステータ24の外
径と同じに設定されている。車両には、取付け部27の
上面と対向する位置に支持部95が設けられている。支
持部95には、上下方向に貫通するネジ孔95aが形成
されている。尚、図19に示すように、支持部95は、
取付け部27の係止部27aとの間隔が、第1及び第2
ステータ24,25がロータ26を挟んだときの長さよ
り長くなるように設けられている。
【0142】第1及び第2ステータ24,25はロータ
26を挟んだ状態で、第1ステータ24の底部が係止部
27aに嵌め込まれている。そして、ネジ孔95aに螺
合されたボルト96の先端にて、第1及び第2ステータ
24,25がロータ26を挟んだ状態で締結されてい
る。
【0143】このようにしても第2の実施の形態と同様
に動作し、第2の実施の形態の効果(1),(2),
(4),(5)と同様の効果を得ることができる。上記
各実施の形態及び別例から把握できる請求項以外の技術
的思想について、以下にその効果とともに記載する。
【0144】(イ)請求項3に記載の超音波モータにお
いて、前記保持部材(36,45)を、前記ロータ(3
5,43)の球面(35a,43a)の端部から突出し
ないように形成したことを特徴とする超音波モータ。
【0145】このようにすると、ロータの球面の端部に
直接、作動部材(例えば、ミラー)を固定することがで
きる。従って、作動部材と超音波モータとを備えた回動
装置が、軸部の長手方向に長くなってしまうことがな
い。
【0146】(ロ)請求項1に記載の超音波モータにお
いて、前記軸部(15,36)は、前記接触部(10
c)の反対側まで該ステータ(4,34)を貫通し、そ
の反対側の面から保持部材(6,36)までを締結させ
るシャフト(15,36)であることを特徴とする超音
波モータ。
【0147】このようにすると、保持部材、ロータ及び
ステータは、シャフトにて締結される。 (ハ)請求項10に記載の回動装置において、前記作動
部材は、車内に設けられるミラー(32)であって、前
記ステータ(34,42,52,72)を、車両に対し
て固定し、前記ロータ(35,43,53,73)に前
記ミラー(32)を固定し、該ロータ(35,43,5
3,73)の複数軸中心の回動にて、ミラー(32)の
回動、及びミラー(32)の傾動を行なうことを特徴と
する回動装置。
【0148】このようにすると、車内に設けられるミラ
ーの回動、及びミラーの傾動は、ロータの複数軸中心の
回動にて行われる。 (ニ)請求項10に記載の回動装置において、前記作動
部材は、車内に設けられる日除け(81)であって、前
記ステータ(4)を、車両に対して固定し、前記ロータ
(5)に前記日除け(81)を固定し、該ロータ(5)
の複数軸中心の回動にて、該日除け(81)の回動を行
なうことを特徴とする回動装置。
【0149】このようにすると、日除けの回動は、ロー
タの複数軸中心の回動にて行われる。 (ホ)請求項10に記載の回動装置において、前記作動
部材は、車載エアコンの送風案内翼(91)であって、
前記ステータ(4)を、送風案内口(93)と隣接して
固定し、前記ロータ(5)に前記送風案内翼(91)を
固定し、該ロータ(5)の複数軸中心の回動にて、該送
風案内翼(91)の回動を行なうことを特徴とする回動
装置。
【0150】このようにすると、送風案内翼の回動は、
ロータの複数軸中心の回動にて行われる。
【0151】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1〜9に記
載の発明によれば、ロータを複数軸中心に回動駆動させ
る超音波モータにおいて、独立した多数のステータを必
要とせず、効率の良い超音波モータを提供することがで
きる。
【0152】請求項10及び11に記載の発明によれ
ば、サイドミラーの鏡面角度を調節する機能、及びミラ
ーカバーを回動させる(畳み込む及び使用状態に戻す)
機能を備えた回動装置において、取り付ける際の部品点
数が少なく、減速機による騒音が発生しない回動装置を
提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態の超音波モータの要部断面
図。
【図2】第1の実施の形態の電動ミラー装置の要部分解
斜視図。
【図3】第1の実施の形態の電動ミラー装置の要部断面
図。
【図4】第1の実施の形態の電動ミラー装置の平面図。
【図5】第1の実施の形態の電動ミラー装置の斜視図。
【図6】第1の実施の形態のロータの回動を説明するた
めの説明図。
【図7】第2の実施の形態の超音波モータの要部断面
図。
【図8】第2の実施の形態の電動ミラー装置の要部分解
斜視図。
【図9】第2の実施の形態の電動ミラー装置の要部断面
図。
【図10】第2の実施の形態の電動ミラー装置の平面
図。
【図11】第2の実施の形態の電動ミラー装置の斜視
図。
【図12】第3の実施の形態の電動ミラー装置の要部断
面図。
【図13】別例の電動ミラー装置の要部断面図。
【図14】別例の電動ミラー装置の一部断面図。
【図15】別例の電動ミラー装置の一部断面図。
【図16】別例の日除け駆動装置を説明するための斜視
図。
【図17】別例の送風案内翼駆動装置を説明するための
要部断面図。
【図18】別例の送風案内翼駆動装置を説明するための
要部断面図。
【図19】別例の電動ミラー装置の要部断面図。
【図20】別例の電動ミラー装置の要部分解斜視図。
【符号の説明】
1,21,31,41,51,71…超音波モータ、
2,22…ミラー、3,23…ミラーカバー、4,3
4,42,52,72…ステータ、5,26,35,4
3,53,73…ロータ、6,45…保持部材、15,
28,56a,56b…シャフト、24…第1ステー
タ、25…第2ステータ、36…連結シャフト、54…
軸受、55…保持プレート、56…固定台、76…ミラ
ーカバー、5a,26a,35c,43c…貫通孔、1
0c,10cz,49b…接触部、5c,26c,35
a,43a,53a…球面、35b,43b…球面の裏
面、54a…玉、74a,74b…コイルばね。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5H680 AA06 AA18 BB15 BC00 BC03 DD02 DD23 DD27 DD36 DD37 DD53 DD65 DD66 DD72 DD85 DD88 DD90 EE03 FF03 FF04 FF08 FF31 FF33 GG20 GG25 GG27

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 球面(5c,35a,43a)と、一方
    向の軸中心の回動を許容するとともに、その軸中心以外
    の軸中心の回動を所定の範囲で許容する貫通孔(5a,
    35c,43c)を有するロータ(5,35,43)
    と、 前記ロータ(5,35,43)の球面(5c,35a,
    43a)と接触する接触部(10c,49b)を有し、
    その接触部(10c,49b)に該ロータ(5,35,
    43)を複数軸中心に回動駆動させるための超音波振動
    を発生するステータ(4,34,42)と、 前記貫通孔(5a,35c,43c)を挿通するように
    前記ステータ(4,34,42)と連結される軸部(1
    5,36,50)と、 前記軸部(15,36,50)に連結され、前記ロータ
    (5,35,43)の球面(5c,35a,43a)を
    前記接触部(10c,49b)に押圧接触させるととも
    に、該ロータ(5,35,43)を該接触部(10c,
    49b)と共に複数軸中心で回動可能に保持する保持部
    材(6,36,45)とを備えたことを特徴とする超音
    波モータ。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の超音波モータにおい
    て、 前記ロータ(5)を、略球状に形成し、 前記貫通孔(5a)を、該ロータ(5)の中心を貫通す
    るとともに、中心に向かって縮径したことを特徴とする
    超音波モータ。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の超音波モータにおい
    て、 前記ロータ(35,43)の球面(35a,43a)を
    形成する部分を、均一の厚さで形成し、 前記保持部材(36,45)を、前記ロータ(35,4
    3)の球面(35a,43a)の裏面(35b,43
    b)と圧接する球面を有するように形成したことを特徴
    とする超音波モータ。
  4. 【請求項4】 略球形状のロータ(26)と、 前記ロータ(26)の球面(26c)と接触する第1接
    触部(10c)を有し、その第1接触部(10c)に該
    ロータ(26)を複数軸中心に回動駆動させるための超
    音波振動を発生する第1のステータ(24)と、 前記第1接触部(10c)が接触する前記ロータ(2
    6)の球面(26c)とは逆方向に形成される球面(2
    6c)と接触する第2接触部(10cz)を有し、その
    第2接触部(10cz)に該ロータ(26)を複数軸中
    心に回動駆動させるための超音波振動を発生する第2の
    ステータ(25)とを備え、 前記第1及び第2ステータ(24,25)を、前記ロー
    タ(26)を挟んで締結することにより、該ロータ(2
    6)の球面(26c)を該第1接触部(10c)と該第
    2接触部(10cz)に押圧接触させるとともに、該第
    1接触部(10c)と該第2接触部(10cz)にて該
    ロータ(26)を複数軸中心で回動可能に保持させるこ
    とを特徴とする超音波モータ。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の超音波モータにおい
    て、 前記ロータ(26)には、その中心を貫通するととも
    に、中心に向かうほど径が小さくなる貫通孔(26a)
    を形成し、 前記第1及び第2のステータ(24,25)を、前記貫
    通孔(26a)を挿通する軸部材(28)にて締結した
    ことを特徴とする超音波モータ。
  6. 【請求項6】 略球形状のロータ(53)と、 前記ロータ(53)の球面(53a)と接触する接触部
    (10c)を有し、その接触部(10c)に該ロータ
    (53)を複数軸中心に回動駆動させるための超音波振
    動を発生するステータ(52)と、 前記接触部(10c)が接触する前記ロータ(53)の
    球面(53a)とは逆方向に形成される球面(53a)
    に押圧接触された状態で、該ロータ(53)の球面(5
    3a)を該ステータ(52)の接触部(10c)に押圧
    接触させるとともに、該ロータ(53)を該ステータ
    (52)の接触部(10c)と共に複数軸中心で回動可
    能に保持する保持部材(54)と、 前記保持部材(54)を前記ロータ(53)の球面に押
    圧接触させるように、前記保持部材(54)と前記ステ
    ータ(52)とを連結する連結部材(55,56,56
    a,56b)とを備えたことを特徴とする超音波モー
    タ。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至3、及び6のいずれか1項
    に記載の超音波モータにおいて、 前記保持部材(54)は、軸受(54)であることを特
    徴とする超音波モータ。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載の超音波モータにおい
    て、 前記軸受(54)は、転動体(54a)を有する転がり
    軸受(54)であって、その転動体(54a)を前記ロ
    ータ(53)に直接接触させたことを特徴とする超音波
    モータ。
  9. 【請求項9】 球面を有するロータ(73)と、 前記ロータ(73)の球面と接触する接触部(10c)
    を有し、その接触部(10c)に該ロータ(73)を複
    数軸中心に回動駆動させるための超音波振動を発生する
    ステータ(72)と、 前記ロータ(73)に設けられ、該ロータ(73)の球
    面が前記接触部(10c)に接触する方向に対して略垂
    直方向に延びる延出部(76)と、 前記延出部(76)と前記ステータ(72)とを、該ロ
    ータ(73)の球面(73a)が該接触部(10c)に
    押圧されるように、かつ該延出部(76)が該ステータ
    (72)に対して傾動可能となるように連結するバネ部
    材(74a,74b)とを備えたことを特徴とする超音
    波モータ。
  10. 【請求項10】 請求項1乃至9のいずれか1項に記載
    の超音波モータ(1,21,31,41,51,71)
    を備え、作動部材(2,3,22,23,32,33,
    76,81,91)を複数軸中心に回動駆動する回動装
    置であって、前記ロータ(5,26,35,43,5
    3,73)を作動部材(2,3,22,23,32,3
    3,76,81,91)に対して固定し、該ロータ
    (5,26,35,43,53,73)の複数軸中心の
    回動にて、作動部材(2,3,22,23,32,3
    3,76,81,91)を複数軸中心に回動することを
    特徴とする回動装置。
  11. 【請求項11】 請求項10に記載の回動装置におい
    て、 前記作動部材(2,3,22,23)は、車両のサイド
    に設けられるミラーカバー(3,23)及びそのミラー
    カバー(3,23)に固定されるミラー(2,22)で
    あって、 前記ステータ(4,24,25)を、車両に対して固定
    し、 前記ロータ(5,26)を前記ミラー(2,22)及び
    前記ミラーカバー(3,23)の少なくとも一方に直接
    連結し、該ロータ(5,26)の一軸中心の回動にてミ
    ラーカバー(3,23)の回動、及びミラー(2,2
    2)の左右の傾動を行い、該ロータ(5,26)の他軸
    中心の回動にてミラー(2,22)の前後の傾動を行な
    うことを特徴とする回動装置。
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