JP4046878B2 - 超音波モータ及び回動装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ロータを複数軸中心に回動駆動させる超音波モータに関し、特に車両用のサイドミラー、車室内ミラー、エアコンの送風案内翼、日除け(サンバイザー)等を駆動させる回動装置に備えて好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、車両用のサイドミラーには、電動ミラー装置を備えたものがある。一般的に、電動ミラー装置は、ミラーカバーの回動(畳み込み及び使用状態に戻す)用、鏡面前後傾動用、鏡面左右傾動用の3個のDCモータを備えている。そして、電動ミラー装置は、車内の操作スイッチを操作することにより、各DCモータにてミラーを傾動させ、ミラーの鏡面角度を調節するようになっている。又、電動ミラー装置は、車内の操作スイッチを操作することにより、ミラーカバーを回動させ、ミラーカバーを畳み込む又は使用状態に戻すようになっている。
【0003】
又、電動ミラー装置としては、特開平8−95640号公報に開示されたものがある。この電動ミラー装置(ミラー角度調整装置)は、略球状のロータを任意の方向に回転駆動可能な球面モータを備えている。そして、そのロータにはミラーが固定されている。球面モータは、超音波モータの一種であって、微少振動を発生する4個のステータを、ロータの表面に上下左右から圧接して構成されている。そして、微少振動を発生させるステータを切り替えたり、ステータの振動モードを変化させることにより、ロータを任意の方向に回転させ、ミラーの鏡面角度を調節するようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記一般的な電動ミラー装置では、3個のDCモータが必要であるため、そのコストが高くなってしまう。又、この電動ミラー装置では、高速運転時の風圧等でミラーカバーが畳み込まれないように、ミラーカバーを強く保持させている。従って、ミラーカバーを畳み込むためには、高トルクが必要となり、ミラーカバー回動用のDCモータには減速機が必要となる。さらに、この電動ミラー装置では、走行時の振動等でミラーが傾動してしまうのを防止するために、ミラーを強く保持させている。従って、ミラーを傾動させるためには、高トルクが必要となり、鏡面傾動用のDCモータには減速機が必要となる。その結果、この電動ミラー装置では、部品点数が増加してしまい、その組付け作業が複雑化してしまううえ装置が大型化するという問題がある。さらにまた、この電動ミラー装置では、作動中に減速機の歯車が噛合うため、騒音が発生してしまうという問題がある。
【0005】
特開平8−95640号公報に開示された電動ミラー装置では、球面モータに独立した4つのステータが必要であるため、その取付作業が面倒であるという問題がある。又、この電動ミラー装置では、ロータが4個のステータに上下左右から圧接されることにより支持されている。従って、例えば、上下2つのステータに微少振動を発生させ、ロータを垂直軸中心に回動させる場合、左右2つのステータが該回動に対する負荷となるため、モータの効率が低くなるという問題がある。さらに、この電動ミラー装置は、ミラーカバーを回動させる(畳み込む及び使用状態に戻す)機能を備えていない。即ち、この電動ミラー装置をミラーカバーの回動も行なう電動ミラー装置とするには、前記一般的な電動ミラー装置と同様に回動用のDCモータ及び減速機が必要となる。従って、部品点数が増加し、その組付け作業が複雑化してしまうという問題がある。又、前述したように、減速機により騒音が発生するといった問題が生じる。
【0006】
本発明の第1の目的は、ロータを複数軸中心に回動駆動させる超音波モータにおいて、独立した複数のステータを必要とせず、効率の良い超音波モータを提供することにある。
【0007】
第2の目的は、サイドミラーの鏡面角度を調節する機能、及びミラーカバーを回動させる(畳み込む及び使用状態に戻す)機能を備えた回動装置において、取り付ける際の部品点数が少なく、減速機による騒音が発生しない回動装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決しようとする手段】
請求項1に記載の発明は、球面と、一方向の軸中心の回動を許容するとともに、その軸中心以外の軸中心の回動を所定の範囲で許容する貫通孔を有するロータと、前記ロータの球面と接触する接触部を有し、その接触部に該ロータを複数軸中心に回動駆動させるための超音波振動を発生するステータと、前記貫通孔を挿通するように前記ステータと連結される軸部と、前記軸部に連結され、前記ロータの球面を前記接触部に押圧接触させるとともに、該ロータを該接触部と共に複数軸中心で回動可能に保持する保持部材とを備えた超音波モータである。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の超音波モータにおいて、前記ロータを、略球状に形成し、前記貫通孔を、該ロータの中心を貫通するとともに、中心に向かうほど径が小さくなるように形成した。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の超音波モータにおいて、前記ロータの球面を形成する部分を、均一の厚さで形成し、前記保持部材を、前記ロータの球面の裏面と圧接する球面を有するように形成した。
【0011】
請求項4に記載の発明は、略球形状のロータと、前記ロータの球面と接触する第1接触部を有し、その第1接触部に該ロータを複数軸中心に回動駆動させるための超音波振動を発生する第1のステータと、前記第1接触部が接触する前記ロータの球面とは逆方向に形成される球面と接触する第2接触部を有し、その第2接触部に該ロータを複数軸中心に回動駆動させるための超音波振動を発生する第2のステータとを備え、前記第1及び第2ステータを、前記ロータを挟んで締結することにより、該ロータの球面を該第1接触部と該第2接触部に押圧接触させるとともに、該第1接触部と該第2接触部にて該ロータを複数軸中心で回動可能に保持させた超音波モータである。
【0012】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の超音波モータにおいて、前記ロータには、その中心を貫通するとともに、中心に向かうほど径が小さくなる貫通孔を形成し、前記第1及び第2のステータを、前記貫通孔を挿通する軸部材にて締結した。
【0013】
請求項6に記載の発明は、略球形状のロータと、前記ロータの球面と接触する接触部を有し、その接触部に該ロータを複数軸中心に回動駆動させるための超音波振動を発生するステータと、前記接触部が接触する前記ロータの球面とは逆方向に形成される球面に押圧接触された状態で、該ロータの球面を該ステータの接触部に押圧接触させるとともに、該ロータを該ステータの接触部と共に複数軸中心で回動可能に保持する保持部材と、前記保持部材を前記ロータの球面に押圧接触させるように、前記保持部材と前記ステータとを連結する連結部材とを備えた超音波モータである。
【0014】
請求項7に記載の発明は、請求項1乃至3、及び6のいずれか1項に記載の超音波モータにおいて、前記保持部材は、軸受である。
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の超音波モータにおいて、前記軸受は、転動体を有する転がり軸受であって、その転動体を前記ロータに直接接触させた。
【0015】
請求項9に記載の発明は、球面を有するロータと、前記ロータの球面と接触する接触部を有し、その接触部に該ロータを複数軸中心に回動駆動させるための超音波振動を発生するステータと、前記ロータに設けられ、該ロータの球面が前記接触部に接触する方向に対して略垂直方向に延びる延出部と、前記延出部と前記ステータとを、該ロータの球面が該接触部に押圧されるように、かつ該延出部が該ステータに対して傾動可能となるように連結するバネ部材とを備えた超音波モータである。
【0016】
請求項10に記載の発明は、請求項1乃至9のいずれか1項に記載の超音波モータを備え、作動部材を複数軸中心に回動駆動する回動装置であって、前記ロータを作動部材に対して固定し、該ロータの複数軸中心の回動にて、作動部材を複数軸中心に回動する。
【0017】
請求項11に記載の発明は、請求項10に記載の回動装置において、前記作動部材は、車両のサイドに設けられるミラーカバー及びそのミラーカバーに固定されるミラーであって、前記ステータを、車両に対して固定し、前記ロータを前記ミラー及び前記ミラーカバーの少なくとも一方に直接連結し、該ロータの一方向の軸中心の回動にてミラーカバーの回動、及びミラーの左右の傾動を行い、該ロータの他方向の軸中心の回動にてミラーの前後の傾動を行なう。
【0018】
(作用)
請求項1に記載の発明によれば、ステータには、ロータの貫通孔を挿通する軸部が連結される。ロータは、軸部が挿通された貫通孔にて、一方向の軸中心、即ち該軸部中心の回動が許容されるとともに、軸部中心以外の軸中心の回動が所定の範囲で許容される。ロータの球面は、軸部に連結された保持部材にてステータの接触部に押圧接触される。又、ロータは、ステータの接触部と保持部材にて複数軸中心で回動可能に保持される。そして、ステータの接触部には、ロータを複数軸中心に回動駆動させるための超音波振動が発生される。従って、ロータはステータの超音波振動に応じて複数軸中心に回動駆動される。
【0019】
請求項2に記載の発明によれば、ロータは、略球状に形成され、前記貫通孔が該ロータの中心を貫通するとともに、中心に向かうほど径が小さくなるように形成される。従って、ロータは、軸部が挿通された貫通孔にて、軸部中心の回動が許容されるとともに、軸部以外の軸中心の回動が所定の範囲で許容される。
【0020】
請求項3に記載の発明によれば、ロータは、その球面の裏面が保持部材の球面にて押圧される。従って、ロータの球面は保持部材の球面にてステータの接触部に押圧接触される。又、ロータはステータの接触部と該保持部材の球面にて複数軸中心で回動可能に保持される。
【0021】
請求項4に記載の発明によれば、ロータは、その球面が第1接触部と第2接触部に押圧接触されるとともに、第1接触部と第2接触部にて複数軸中心で回動可能に保持される。そして、第1及び第2のステータの第1及び第2接触部には、ロータを複数軸中心に回動駆動させるための超音波振動が発生される。従って、ロータは第1及び第2のステータの超音波振動に応じて複数軸中心に回動駆動される。
【0022】
請求項5に記載の発明によれば、ロータは、軸部材にて、軸部材中心の回動が許容されるとともに、軸部材以外の軸中心の回動が所定の範囲で許容される。
請求項6に記載の発明によれば、保持部材は、連結部材によりステータの接触部が接触するロータの球面とは逆方向に形成される球面と押圧接触される。すると、ロータの球面は、保持部材にてステータの接触部に押圧接触される。又、ロータは、保持部材とステータの接触部にて複数軸中心で回動可能に保持される。そして、ステータの接触部には、ロータを複数軸中心に回動駆動させるための超音波振動が発生される。従って、ロータはステータの超音波振動に応じて複数軸中心に回動駆動される。
【0023】
請求項7に記載の発明によれば、ロータの球面は、軸部に連結された軸受にてステータの接触部に押圧接触される。従って、ロータが回動するときの負荷が小さくなる。
【0024】
請求項8に記載の発明によれば、ロータの球面は、軸部に連結された転がり軸受の転動体が直接接触さることにより、ステータの接触部に押圧接触される。従って、ロータが回動するときの負荷が小さくなる。
【0025】
請求項9に記載の発明によれば、延出部は、ロータの球面がステータの接触部に接触する方向に対して略垂直方向にロータから延びて設けられる。延出部とステータとは、バネ部材にて、ロータの球面が接触部に押圧されるように、かつ延出部がステータに対して傾動可能となるように連結される。そして、ステータの接触部には、ロータを複数軸中心に回動駆動させるための超音波振動が発生される。従って、ロータはステータの超音波振動に応じて複数軸中心に回動駆動される。
【0026】
請求項10に記載の発明によれば、作動部材は、ロータの複数軸中心の回動にて、同ロータと一体的に回動駆動される。
請求項11に記載の発明によれば、ミラー及びミラーカバーは、ロータと一体的に駆動される。ミラーカバーは、ロータの一方向の軸中心の回動にて回動され、その畳み込み及び使用状態に戻す動作が行われる。又、ミラーは、ロータの一方向の軸中心の回動にて左右の傾動が行われ、ロータの他方向の軸中心の回動にて前後の傾動が行われ、その鏡面角度が調節される。
【0027】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)
以下、本発明を車両用サイドミラーの電動ミラー(回動)装置に具体化した第1の実施の形態を図1〜図6に従って説明する。図1は、電動ミラー装置に備えられる超音波モータ1の要部断面図を示す。図2は、電動ミラー装置の要部分解斜視図を示す。図3は、電動ミラー装置の要部断面図を示す。図4は、電動ミラー装置の平面図を示す。図5は、電動ミラー装置の斜視図を示す。
【0028】
図5に示すように、電動ミラー装置は、超音波モータ1、ミラー2及びミラーカバー3を備えている。尚、本実施の形態では、ミラー2及びミラーカバー3が作動部材を構成している。図1に示すように、超音波モータ1は、ステータ4、ロータ5及び保持部材6を備えている。ステータ4は、第1から第4ブロック7〜10と、第1から第3圧電素子11〜13とを備えている。
【0029】
第1から第4ブロック7〜10は、導電性金属よりなり、本実施形態ではアルミ合金にて形成されている。第1から第4ブロック7〜10は略円柱体であって、その中心軸部には軸線方向に貫通する貫通孔7a〜10aが形成されている。又、第4ブロック10の上面には凹部10bが形成されている。そして、凹部10bの開口部には、球面と環状の面で接触するように形成された接触部10cが形成されている。
【0030】
第1から第3圧電素子11〜13は、それぞれ円盤状に形成された2枚の圧電素子11a,11b〜13a,13bが接着されて形成され、その中心軸部には貫通孔11c〜13cが形成される。尚、第1から第3圧電素子11〜13の上面全体、下面全体及び接着面全体には、図示しない電極がそれぞれ配設されている。
【0031】
第1圧電素子11を構成する一方の圧電素子11aの分極方向は、平面に対して垂直で、かつ図2に破線で示すように、その平面の半分づつで逆とされている。又、第1圧電素子11を構成する他方の圧電素子11bの分極方向は、一方の圧電素子11aの逆、即ち、前記接着面の電極を中心として一方の圧電素子11aと対称とされている。
【0032】
第2圧電素子12を構成する一方の圧電素子12aの分極方向は、平面に対して垂直な一方向とされている。又、第2圧電素子12を構成する他方の圧電素子12bの分極方向は、一方の圧電素子12aの逆、即ち、前記接着面の電極を中心として一方の圧電素子12aと対称とされている。
【0033】
第3圧電素子13を構成する一方の圧電素子13aの分極方向は、平面に対して垂直で、かつ図2に破線で示すように、その平面の半分づつで逆とされている。又、第3圧電素子13を構成する他方の圧電素子13bの分極方向は、一方の圧電素子13aの逆、即ち、前記接着面の電極を中心として一方の圧電素子13aと対称とされている。
【0034】
前記第1ブロック7の上面と、第2ブロック8の下面との間には、第1圧電素子11が配設され、前記第2ブロック8の上面と、第3ブロック9の下面との間には、第2圧電素子12が配設される。又、前記第3ブロック9の上面と、第4ブロック10の下面との間には、第3圧電素子13が配設される。即ち、第1ブロック7、第1圧電素子11、第2ブロック8、第2圧電素子12、第3ブロック9、第3圧電素子13、第4ブロック10は、この順で積層され、それぞれ接着剤にて接着されている。尚、このとき、第1圧電素子11と、第3圧電素子13とは、図2に破線で示す分極の境界線が、90°ずれるように積層される。
【0035】
ロータ5は、ステンレス鋼等の剛体にて、略球形状に形成されている。ロータ5には、図1に示すように、その中心を通るとともに、中心に向かうほど径が小さくなる貫通孔5aが形成されている。従って、貫通孔5aは、該孔5aに軸が挿通された状態で、その軸中心のロータ5の回動を許容するとともに、その軸中心以外の軸中心の回動を所定の範囲で許容する。又、ロータ5には、貫通孔5aと直交方向に出力軸5bが延出して形成されている。尚、ロータ5の直径は、その球面5cが前記接触部10cと環状の面で接触するように設定されている。
【0036】
保持部材6は、略円盤状に形成され、その中心軸部には貫通孔6aが形成されている。又、保持部材6の下面中央、即ち貫通孔6aの下側の開口部には、ロータ5の球面と環状の面で接触するように形成された摺接部6bが形成されている。
【0037】
前記ステータ4は、図3に示すように、車両Aのウインドガラスと隣接した位置に設けられる取付け部14に固定されている。詳述すると、図2に示すように、取付け部14には、上方に延びるシャフト15が配設され、そのシャフト15にステータ4の軸心孔7a〜10a,11c〜13cが嵌め合わされて、接着剤にて接着されている。尚、ステータ4は、第1圧電素子11の分極の境界線が車両Aの側面と直交する方向となるように、即ち第3圧電素子13の分極の境界線が車両Aの側面と平行になるように固定されている。ここで、図4及び図5に示すように、車両Aの側面と直交する軸をX軸とし、車両Aの側面と平行な軸をY軸とし、上下方向の軸(シャフト15の軸)をZ軸とする。
【0038】
前記ロータ5は、その貫通孔5aがステータ4の凹部10bから上方に突出するシャフト15に嵌め合わされ、その球面がステータ4の接触部10cに接触されている。従って、ロータ5は、貫通孔5aにてシャフト15の軸(Z軸)中心の回動が許容されるとともに、シャフト15の軸中心以外の他の軸(例えば、X軸や、Y軸)中心の回動が所定の範囲で許容される。尚、所定の範囲とは、貫通孔5aの内壁面がシャフト15と、その回動方向に係合するまでの範囲である。
【0039】
前記保持部材6は、その貫通孔6aがロータ5の上方に突出するシャフト15に嵌め合わされ、その摺接部6bがロータ5の球面と接触されている。そして、保持部材6は、その上方に突出するシャフト15の雄ねじ部15aにナット16が螺合されることにより、ロータ5に圧接されている。従って、ロータ5は、ステータ4の接触部10cに押圧接触される。又、ロータ5は、保持部材6の摺接部6bとステータ4の接触部10cとの間で複数軸中心(X軸中心、Y軸中心、Z軸中心等を含む)で回動可能に保持される。尚、図6は、ロータ5の回動中において、貫通孔5aの内壁面がシャフト15と、その回動方向に係合した状態を示す。前記貫通孔5aの開口部は、図6に示されるごとく、いずれの方向の内壁面がシャフト15と係合した状態においても、接触部10c及び摺接部6bから外部に露出しない直径に設定されている。
【0040】
前記ロータ5の出力軸5bには、ミラーカバー3が固定されている。ミラーカバー3は、図4に示すように、上方から見て車両の前方側がその端部に向かうほど後方側に撓んだ弧状(所謂、流線形)に形成されている。そして、ミラーカバー3には、ミラー2が固定されている。ミラー2は、図4に示すように、上方から見て車両の後方側に反射面が向くように固定されている。
【0041】
次に、超音波モータ1の電気的接続について説明する。
前記第1圧電素子11の上面及び下面の電極からなる組と、同第1圧電素子11の接着面の電極とは図示しない第1の高周波電圧装置に接続されている。第1の高周波電圧装置は、図示しない制御装置からの制御信号に基づいて、接着面の電極と上下の電極間に高周波電圧を供給する。
【0042】
前記第2圧電素子12の上面及び下面の電極からなる組と、同第2圧電素子11の接着面の電極とは図示しない第2の高周波電圧装置に接続されている。第2の高周波電圧装置は、図示しない制御装置からの制御信号に基づいて、接着面の電極と上下の電極間に高周波電圧を供給する。
【0043】
前記第3圧電素子13の上面及び下面の電極からなる組と、同第3圧電素子11の接着面の電極とは図示しない第3の高周波電圧装置に接続されている。第3の高周波電圧装置は、図示しない制御装置からの制御信号に基づいて、接着面の電極と上下の電極間に高周波電圧を供給する。
【0044】
前記制御装置は、車内に設けられる図示しない操作スイッチの操作に基づいて、第1から第3の高周波電圧装置にそれぞれ制御信号を出力する。尚、操作スイッチとは、公知のスイッチであって、ミラーカバー3を回動させる(図4に2点鎖線で示す畳み込んだ状態、又は実線で示す使用状態とする)ためのスイッチ、ミラー2を前後左右に傾動させるためのスイッチ等を備える。
【0045】
上記のように構成された電動ミラー装置の動作を説明する。
ミラーカバー3を畳み込んだ状態とするための操作スイッチが操作されると、制御装置からその操作に基づいた制御信号が出力される。すると、第1及び第3の高周波電圧装置から第1及び第3圧電素子11,13に高周波電圧が供給される。詳述すると、第1の高周波電圧装置から、第1圧電素子11の上面の電極と接着面の電極間、第1圧電素子11の下面の電極と接着面の電極間に同じ高周波電圧が供給される。又、第3の高周波電圧装置から、第3圧電素子13の上面の電極と接着面の電極間、第3圧電素子13の下面の電極と接着面の電極間に同じ高周波電圧が供給される。尚、第1の高周波電圧装置から供給される高周波電圧と、第3の高周波電圧装置から供給される高周波電圧とは、時間的位相差が90°とされている。
【0046】
すると、第1圧電素子11に接着面の電極を共通として上下に対称な高周波電圧が供給されることと、一方の圧電素子11aと他方の圧電素子11bの分極方向が接着面の電極を中心として対称とされていることから、第1圧電素子11では大きな(圧電素子11a,11bの振動を足算した)振動が発生される。この振動は、圧電素子11a,11bの分極方向がそれぞれ平面の半分づつで逆であることから、その分割した一方が伸びるときには他方が縮み、一方が縮むときには他方が伸びる振動となる。
【0047】
又、第3圧電素子13では、第1圧電素子11と同様に、分割した一方が伸びるときには他方が縮み、一方が縮むときには他方が伸びる大きな振動が発生される。尚、この第1圧電素子11の振動と第3圧電素子13の振動とは、時間的位相差が90°となる。
【0048】
すると、ステータ4の接触面10cでは、第1及び第3圧電素子11,13の各振動に基づく複合振動が発生され、ロータ5がシャフト15の軸(Z軸)中心で上方から見て(図4参照)時計回り方向に回動され、ミラーカバー3が畳み込まれた状態まで回動される。
【0049】
逆に、ミラーカバー3を使用状態とするための操作スイッチが操作された場合は、第1の高周波電圧装置から供給される高周波電圧と、第3の高周波電圧装置から供給される高周波電圧との時間的位相差が−90°とされることのみ異なり、他は同様の動作が行なわれる。すると、ミラーカバー3が使用状態まで回動される。
【0050】
ミラー2を左右に傾動させるための操作スイッチが操作された場合は、その操作された時間に応じた位置まで、前述したようにミラーカバー3が回動される。すると、ミラー2は、ミラーカバー3に固定されていることから、ミラーカバー3の回動とともに左右に傾動される。
【0051】
ミラー2を前後に傾動させるための操作スイッチが操作されると、制御装置からその操作に基づいた制御信号が出力される。すると、第1から第3の高周波電圧装置から第1から第3圧電素子11〜13に高周波電圧が供給される。詳述すると、第1の高周波電圧装置から、第1圧電素子11の上面の電極と接着面の電極間、第1圧電素子11の下面の電極と接着面の電極間に同じ高周波電圧が供給される。又、第2の高周波電圧装置から、第2圧電素子12の上面の電極と接着面の電極間、第2圧電素子12の下面の電極と接着面の電極間に同じ高周波電圧が供給される。さらに、第3の高周波電圧装置から、第3圧電素子13の上面の電極と接着面の電極間、第3圧電素子13の下面の電極と接着面の電極間に同じ高周波電圧が供給される。尚、第1の高周波電圧装置から供給される高周波電圧と、第2の高周波電圧装置から供給される高周波電圧と、第3の高周波電圧装置から供給される高周波電圧との時間的位相差は、ミラーカバー3(出力軸5b)の回動方向の位置と、操作スイッチの操作(前傾動又は後傾動の操作)に基づいた値に決定される。
【0052】
すると、第2圧電素子12に接着面の電極を共通として上下に対称な高周波電圧が供給されることと、一方の圧電素子12aと他方の圧電素子12bの分極方向が接着面の電極を中心として対称とされていることから、第2圧電素子12では大きな振動が発生される。この振動は、圧電素子12a,12bの分極方向がそれぞれ平面全体で一方向であることから、上面から下面までが一様に伸び縮みする縦振動となる。
【0053】
又、第1及び第3圧電素子11,13では、前述したように、分割した一方が伸びるときには他方が縮み、一方が縮むときには他方が伸びる大きな振動がそれぞれ発生される。尚、この第1圧電素子11の振動と第2圧電素子12の振動と第3圧電素子13の振動とは、時間的位相差が前記決定した値となる。
【0054】
すると、ステータ4の接触面10cでは、第1から第3圧電素子11〜13の各振動に基づく複合振動が発生され、ロータ5が出力軸5bの軸中心に回動される。すると、ミラー2がミラーカバー3とともに前後に傾動される。
【0055】
次に上記のように構成した電動ミラー装置の特徴的な作用効果を以下に記載する。
(1)本実施形態の超音波モータ1では、1つのステータ4に、ロータ5を複数軸中心に回動させるため振動を発生させるようにした。そして、シャフト15が挿通されるロータ5の貫通孔5aにて、ロータ5のZ軸中心の回動を許容するとともに、Z軸中心以外の軸中心の回動を所定の範囲で許容した。又、ロータ5を、ステータ4とシャフト15に固定された保持部材6により複数軸中心に回動可能に挟持させた。従って、ロータ5の回動に対する負荷は主に保持部材6との摩擦だけとなり、従来(特開平8−95640号公報に開示された装置)と比べて、小さい。その結果、この超音波モータ1は、モータ効率が高くなる。
【0056】
(2)本実施形態の超音波モータ1は、1つのステータ4にてロータ5を複数軸中心に回動させるようにした。従って、この超音波モータ1は、独立したステータを複数備える従来(特開平8−95640号公報)と比べて、その取付作業が容易となる。
【0057】
(3)本実施形態の超音波モータ1では、ロータ5を略球状に形成して、その中心を通るとともに、中心に向かうほど径が小さくなる貫通孔5aを形成した。そして、その貫通孔5aに保持部材6を保持するためのシャフト15を貫通させた。従って、ロータ5は、シャフト15の軸(Z軸)中心の回動が許容されるともに、その軸(Z軸)中心以外の軸中心の回動回動が所定の範囲で許容される。又、保持部材6を保持するためのシャフト15がロータ5の内部を通るため、保持部材6を保持するための部材が超音波モータ1を大型化してしまわない。
【0058】
(4)本実施の形態の電動ミラー装置では、超音波モータ1のロータ5にミラーカバー3及びミラー2を直接固定し、その1つの超音波モータ1にてミラー2を前後左右に傾動させたり、ミラーカバー3を回動させるようにした。従って、電動ミラー装置の部品点数が少なくなり、その取付作業が容易となる。
【0059】
(5)本実施の形態の電動ミラー装置では、超音波モータ1を用いている、即ちロータ5は、ステータ4及び保持部材6に挟持されるため、回動していないとき、ロータ5が強固に保持される。従って、ロータ5にミラーカバー3及びミラー2を固定したが、ミラーカバー3及びミラー2が走行時の風圧や振動により傾いてしまうことがない。その結果、この電動ミラー装置では、減速機を必要とせず、減速機の歯車による騒音が発生しない。
【0060】
(第2の実施の形態)
以下、本発明を車両用サイドミラーの電動ミラー(回動)装置に具体化した第2の実施の形態を図7〜図11に従って説明する。図7は、電動ミラー装置に備えられる超音波モータ21の要部断面図を示す。図8は、電動ミラー装置の要部分解斜視図を示す。図9は、電動ミラー装置の要部断面図を示す。図10は、電動ミラー装置の平面図を示す。図11は、電動ミラー装置の斜視図を示す。
【0061】
図11に示すように、電動ミラー装置は、超音波モータ21、ミラー22及びミラーカバー23を備えている。尚、本実施の形態では、ミラー22及びミラーカバー23が作動部材を構成している。図7に示すように、超音波モータ21は、第1ステータ24、第2ステータ25及びロータ26を備えている。尚、本実施の形態の第1ステータ24は、前記第1の実施の形態のステータ4とサイズが異なるのみなので、それらを構成する部材については符号を同じとしてその詳細な説明を一部省略する。又、第2ステータ25は第1ステータ24と上下が逆となっているだけなので、それらを構成する部材については同じ符号にzを加えてその詳細な説明を一部省略する。又、本実施の形態では、第1ステータ24の接触部10cが第1接触部を構成し、第2ステータ25の接触部10czが第2接触部を構成する。
【0062】
ロータ26は、ステンレス鋼等の剛体にて、略球形状に形成されている。ロータ26には、図7に示すように、その中心を通るとともに、中心に向かうほど径が小さくなる貫通孔26aが形成されている。従って、貫通孔26aは、該孔26aに軸が挿通された状態で、その軸中心のロータ26の回動を許容するとともに、その軸中心以外の軸中心の回動を所定の範囲で許容する。又、ロータ26には、貫通孔26aと直交方向に出力軸26bが延出して形成されている。尚、ロータ26の直径は、その球面26cが第1及び第2ステータ24,25の両接触部10c,10czとそれぞれ環状の面で接触するように設定されている。
【0063】
前記第1ステータ24は、図9に示すように、車両Aのウインドガラスと隣接した位置に設けられる取付け部27に固定されている。詳述すると、図7及び図8に示すように、取付け部27には、上方に延びるシャフト28が配設され、そのシャフト28にステータ24の軸心孔7a〜10a,11c〜13cが嵌め合わされて、接着剤にて接着されている。尚、ステータ24は、第1圧電素子11の分極の境界線が車両Aの側面と直交する方向となるように、即ち第3圧電素子13の分極の境界線が車両Aの側面と平行になるように固定されている。ここで、図10及び図11に示すように、車両Aの側面と直交する軸をX軸とし、車両Aの側面と平行な軸をY軸とし、上下方向の軸(シャフト15の軸)をZ軸とする。
【0064】
前記ロータ26は、その貫通孔26aが第1ステータ24の凹部10bから上方に突出するシャフト28に嵌め合わされ、その球面26cが第1ステータ24の接触部10cに接触されている。従って、ロータ26は、貫通孔26aにてシャフト28の軸(Z軸)中心の回動が許容されるとともに、シャフト28の軸中心以外の他の軸(例えば、X軸や、Y軸)中心の回動が所定の範囲で許容される。尚、所定の範囲とは、貫通孔26aの内壁面がシャフト28と、その回動方向に係合するまでの範囲である。
【0065】
前記第2ステータ25は、その軸心孔7az〜10az,11cz〜13czがロータ26の上方に突出するシャフト28に嵌め合わされ、その接触部10czがロータ26の球面26cと接触されている。そして、第2ステータ25は、その上方に突出するシャフト28の雄ねじ部28aにナット29が螺合されることにより、ロータ26に圧接されている。従って、ロータ26は、第1及び第2ステータ24,25の両接触部10c,10czに押圧接触される。又、ロータ26は、第1及び第2ステータ24,25の両接触部10c,10czの間で複数軸中心(X軸中心、Y軸中心、Z軸中心等を含む)で回動可能に保持される。
【0066】
尚、前記ロータ26の貫通孔26aの開口部は、ロータ26が回動して、その貫通孔26aの内壁面がシャフト28と係合した状態で、各接触部10c,10czから外部に露出しない直径に設定されている。又、ナット29の下面と第2ステータ25の上面との摩擦係数は、接触部10czとロータ26の球面との摩擦係数より十分大きくなるように成形されている。即ち、第2ステータ25は、シャフト28を中心として第1ステータ24に対して相対回動しないようにナット29にて保持されている。
【0067】
前記ロータ26の出力軸26bには、ミラーカバー23が固定されている。ミラーカバー23は、図10に示すように、上方から見て車両の前方側がその端部に向かうほど後方側に撓んだ弧状(所謂、流線形)に形成されている。そして、ミラーカバー23には、ミラー22が固定されている。ミラー22は、図10に示すように、上方から見て車両の後方側に反射面が向くように固定されている。
【0068】
第1ステータ24の第1から第3圧電素子11〜13の各電極は、前記第1の実施の形態と同様に、それぞれ図示しない第1から第3の高周波電圧装置に接続されている。又、第2ステータ25の第1から第3圧電素子11z〜13zは、同様に、それぞれ図示しない第4から第6の高周波電圧装置に接続されている。第1から第6の高周波電圧装置は、図示しない制御装置からの制御信号に基づいて、各電極間に高周波電圧を供給する。
【0069】
前記制御装置は、車内に設けられる図示しない操作スイッチの操作に基づいて、第1から第6の高周波電圧装置にそれぞれ制御信号を出力する。尚、操作スイッチとは、公知のスイッチであって、ミラーカバー23を回動させる(図10に2点鎖線で示す畳み込んだ状態、又は実線で示す使用状態とする)ためのスイッチ、ミラー22を前後左右に傾動させるためのスイッチ等を備える。
【0070】
上記のように構成された電動ミラー装置の動作を説明する。
ミラーカバー23を畳み込んだ状態とするための操作スイッチが操作されると、制御装置からその操作に基づいた制御信号が出力される。すると、第1、第3、第4及び第6の高周波電圧装置から第1及び第2ステータ24,25の各第1及び第3圧電素子11,13,11z,13zに高周波電圧が供給される。尚、第1の高周波電圧装置から供給される高周波電圧と、第3の高周波電圧装置から供給される高周波電圧とは、第1の実施の形態と同様に、時間的位相差が90°とされている。又、第4の高周波電圧装置から供給される高周波電圧と、第6の高周波電圧装置から供給される高周波電圧とは、時間的位相差が−90°とされている。
【0071】
すると、第1ステータ24の第1圧電素子11では、前記第1の実施の形態と同様に、分極方向を分割した一方が伸びるときには他方が縮み、一方が縮むときには他方が伸びる大きな振動が発生される。又、第1ステータ24の第3圧電素子13では、前記第1の実施の形態と同様に、分極方向を分割した一方が伸びるときには他方が縮み、一方が縮むときには他方が伸びる大きな振動が発生される。尚、この第1ステータ24における第1圧電素子11の振動と第3圧電素子13の振動とは、時間的位相差が90°となる。
【0072】
又、このとき、第2ステータ25の第1圧電素子11zでは、第1ステータ24の第1圧電素子11と同様に、分極方向を分割した一方が伸びるときには他方が縮み、一方が縮むときには他方が伸びる大きな振動が発生される。又、第2ステータ24の第3圧電素子13zでは、第1ステータ24の第1圧電素子11と同様に、分極方向を分割した一方が伸びるときには他方が縮み、一方が縮むときには他方が伸びる大きな振動が発生される。尚、この第2ステータ25における第1圧電素子11zの振動と第3圧電素子13zの振動とは、時間的位相差が−90°となる。
【0073】
すると、第1及び第2ステータ24,25の各接触面10c,10czでは、第1及び第3圧電素子11,13,11z,13zの各振動に基づく複合振動がそれぞれ発生され、ロータ26がシャフト28の軸(Z軸)中心で上方から見て(図10参照)時計回り方向に回動され、ミラーカバー23が畳み込まれた状態まで回動される。
【0074】
逆に、ミラーカバー23を使用状態とするための操作スイッチが操作された場合は、第1の高周波電圧装置から供給される高周波電圧と、第3の高周波電圧装置から供給される高周波電圧との時間的位相差が−90°とされる。又、第4の高周波電圧装置から供給される高周波電圧と、第6の高周波電圧装置から供給される高周波電圧との時間的位相差が90°とされる。従って、第1ステータ24における第1圧電素子11の振動と第3圧電素子13の振動とは、時間的位相差が−90°となる。又、第2ステータ25における第1圧電素子11zの振動と第3圧電素子13zの振動とは、時間的位相差が90°となる。すると、ロータ26がシャフト28の軸(Z軸)中心で上方から見て(図10参照)反時計回り方向に回動され、ミラーカバー23が使用状態まで回動される。
【0075】
ミラー22を左右に傾動させるための操作スイッチが操作された場合は、その操作された時間に応じた位置まで、前述したようにミラーカバー23が回動される。すると、ミラー22は、ミラーカバー23に固定されていることから、ミラーカバー23の回動とともに左右に傾動される。
【0076】
ミラー22を前後に傾動させるための操作スイッチが操作されると、制御装置からその操作に基づいた制御信号が出力される。すると、第1から第6の高周波電圧装置から第1及び第2ステータ24,25の各第1から第3圧電素子11〜13に高周波電圧が供給される。尚、第1から第3の高周波電圧装置から供給される各高周波電圧の時間的位相差は、第1の実施の形態と同様に、ミラーカバー23(出力軸26b)の回動方向の位置と、操作スイッチの操作(前傾動又は後傾動の操作)に基づいた値に決定される。又、第4から第6の高周波電圧装置から供給される各高周波電圧の時間的位相差は、第1から第3の高周波電圧装置から供給される各高周波電圧の時間的位相差に対応した値に決定される。
【0077】
すると、第1及び第2ステータ24,25の各第2圧電素子12,12zでは、第1の実施の形態と同様に、上面から下面までが一様に伸び縮みする大きな縦振動が発生される。
【0078】
又、第1及び第2ステータ24,25の各第1及び第3圧電素子11,13,11z,13zでは、前述したように、分割した一方が伸びるときには他方が縮み、一方が縮むときには他方が伸びる大きな振動がそれぞれ発生される。尚、この第1圧電素子11,11zの振動と第2圧電素子12,12zの振動と第3圧電素子13,13zの振動とは、時間的位相差が前記決定した値となる。
【0079】
すると、第1及び第2ステータ24,25の各接触面10c,10czでは、第1から第3圧電素子11〜13,11z〜13zの各振動に基づく複合振動がそれぞれ発生され、ロータ26が出力軸26bの軸中心に回動される。すると、ミラー22がミラーカバー23とともに前後に傾動される。
【0080】
次に上記のように構成した電動ミラー装置の特徴的な作用効果を以下に記載する。
(1)本実施形態の超音波モータ21では、ロータ26を、第1及び第2ステータ24,25により複数軸中心に回動可能に挟持させた。そして、その第1及び第2ステータ24,25に、ロータ26を複数軸中心に回動させるため振動を発生させるようにした。従って、ロータ26の回動に対する余分な負荷は略なくなり、従来(特開平8−95640号公報に開示された装置)と比べて、小さい。その結果、この超音波モータ21は、モータ効率が高くなる。
【0081】
(2)本実施形態の超音波モータ21は、ロータ26を複数軸中心に回動させるためのステータ24,25を2つとした。従って、この超音波モータ21は、独立したステータを多数備える従来(特開平8−95640号公報)と比べて、その取付作業が容易となる。
【0082】
(3)本実施形態の超音波モータ21では、ロータ26を略球状に形成して、その中心を通るとともに、中心に向かうほど径が小さくなる貫通孔26aを形成した。そして、その貫通孔26aに第2ステータ25を保持するためのシャフト28を貫通させた。従って、ロータ26は、該貫通孔26aにてシャフト28の軸(Z軸)中心の回動が許容されるともに、その軸(Z軸)中心以外の軸中心の回動が所定の範囲で許容される。又、第1及び第2ステータ24,25を締結するためのシャフト28がロータ26の内部を通るため、第1及び第2ステータ24,25を締結するための部材が該超音波モータ21を大型化してしまわない。
【0083】
(4)本実施の形態の電動ミラー装置では、超音波モータ21のロータ26にミラーカバー23及びミラー22を直接固定し、その1つの超音波モータ21にてミラー22を前後左右に傾動させたり、ミラーカバー23を回動させるようにした。従って、電動ミラー装置の部品点数が少なくなり、その取付作業が容易となる。
【0084】
(5)本実施の形態の電動ミラー装置では、ロータ26は、第1及び第2ステータ24,25に挟持されるため、回動していないとき、強固に保持される。従って、ロータ26にミラーカバー23及びミラー22を固定したが、ミラーカバー23及びミラー22が走行時の風圧や振動により傾いてしまうことがない。その結果、この電動ミラー装置では、減速機を必要とせず、減速機の歯車による騒音が発生しない。
【0085】
(第3の実施の形態)
以下、本発明を車室内ミラーの電動ミラー(回動)装置に具体化した第3の実施の形態を図12に従って説明する。図12は、電動ミラー装置の要部断面図を示す。
【0086】
図12に示すように、電動ミラー装置は、超音波モータ31、ミラー32及びミラーカバー33を備えている。尚、本実施の形態では、ミラー32及びミラーカバー33が作動部材を構成している。超音波モータ31は、ステータ34と、ロータ35と、保持部材及び軸部としての連結シャフト36とを備えている。尚、本実施の形態のステータ34は、前記第1の実施の形態のステータ4とサイズが異なるのみなので、それらを構成する部材については符号を同じとしてその詳細な説明を一部省略する。
【0087】
ロータ35は、半球の球面35aを有するように形成され、その球面35aを形成する部分は均一の厚さとなっている。即ち、ロータ35は、所定厚さの板材を球面状に形成してなる。これにより、ロータ35の球面35aの裏面35bは、球面と密着するような曲面に形成される。ロータ35の球面35aの中央には、裏面35bに貫通する貫通孔35cが形成されている。尚、ロータ35の球面の直径は、ステータ34の接触部10cと環状の面で接触するように設定されている。
【0088】
連結シャフト36は、軸部36aと、保持部36bと、雄ねじ部36cとから構成されている。軸部36aは、前記ステータ34の軸心孔7a〜10a,11c〜13cと略同径に形成されている。保持部36bは、軸部36aの基端部に形成されている。そして、ロータ35の裏面35bと密着する球面を有するように、球体を切り取った形状に形成されている。雄ねじ部36cは、軸部36aの先端部に形成されている。
【0089】
前記ステータ34は、車室内Bのフロントガラスと隣接した天井側に設けられる固定プレート37に固定される。詳述すると、固定プレート37は、その中央部が天井面と隙間を有するように形成されている。固定プレート37の中央部の中心には、室内側から天井側に貫通する孔37aが形成されている。又、中央部の室内側の面には、筒状に形成されたカバー38が孔37aを囲うように固定されている。そして、ステータ34は、車内側からカバー38内に挿入され、その底部、即ち第1ブロック7の下面が固定プレート37に固定されている。尚、このとき、ステータ34は、カバー38と一定の隙間を有して固定され、その軸心孔7a〜10a,11c〜13cが、固定プレート37の孔37aと一直線とされている。
【0090】
前記ロータ35は、連結シャフト36にて、その球面35aがステータ34の接触部10cに押圧接触されるとともに、複数軸中心で回動可能に保持される。詳述すると、連結シャフト36は、ロータ35の貫通孔35cから挿入され、ステータ34及び固定プレート37の孔7a〜10a,11c〜13c,37aに嵌挿される。そして、固定プレート37から突出する雄ねじ部36cにナット39が螺合されることにより、ロータ35、ステータ34及び固定プレート37が締結されている。これにより、ロータ35は、その裏面35bに連結シャフト36の保持部36bが押圧され、その球面35aがステータ34の接触部10cに押圧接触されるとともに、複数軸中心で回動可能に保持される。又、ロータ35は、連結シャフト36の軸部36aにて連結シャフト36の軸中心の回動が許容されるとともに、連結シャフト36の軸中心以外の他の軸中心の回動が所定の範囲で許容される。
【0091】
尚、所定の範囲とは、貫通孔35aの内壁面が連結シャフト36と、その回動方向に係合するまでの範囲である。又、ロータ35の貫通孔35cの開口部は、ロータ35が回動して、その貫通孔35cの内壁面が連結シャフト36と係合した状態で、接触部10cから外部に露出しない直径に設定されている。さらに、保持部36bは、ロータ35が回動して、その貫通孔35cの内壁面が連結シャフト36と係合した状態で、該球面35aの端部から突出しないようにその大きさが設定されている。
【0092】
前記ロータ35の球面35aの端部には、ミラーカバー33が固定されている。ミラーカバー33は、長方形のプレート状に形成されている。そして、ミラーカバー33には、ミラー32が固定されている。ミラー32は、車室内において、その長方形の反射面が車両の後方(リアガラス)側を向くように固定されている。
【0093】
ステータ34の第1から第3圧電素子11〜13の各電極は、前記第1の実施の形態と同様に、それぞれ図示しない第1から第3の高周波電圧装置に接続されている。第1から第3の高周波電圧装置は、図示しない制御装置からの制御信号に基づいて、各電極間に高周波電圧を供給する。
【0094】
前記制御装置は、車内のステアリング付近に設けられる図示しない操作スイッチの操作に基づいて、第1から第3の高周波電圧装置にそれぞれ制御信号を出力する。尚、操作スイッチとは、ミラー32(ミラーカバー33)を(連結シャフト36の軸中心に)回動させるためのスイッチ、ミラー32の鏡面を前後左右に傾動させるためのスイッチ等を備える。
【0095】
上記のように構成された電動ミラー装置の動作を説明する。
ミラー32を一方向に回動、即ちミラー32の長方形の鏡面を一方向に回動させる操作スイッチが操作されると、制御装置からその操作に基づいた制御信号が出力される。すると、第1及び第3の高周波電圧装置から第1及び第3圧電素子11,13に高周波電圧が供給される。尚、第1の高周波電圧装置から供給される高周波電圧と、第3の高周波電圧装置から供給される高周波電圧とは、第1の実施の形態と同様に、時間的位相差が90°とされている。
【0096】
すると、第1圧電素子11では、前記第1の実施の形態と同様に、分極方向を分割した一方が伸びるときには他方が縮み、一方が縮むときには他方が伸びる大きな振動が発生される。又、第3圧電素子13では、前記第1の実施の形態と同様に、分極方向を分割した一方が伸びるときには他方が縮み、一方が縮むときには他方が伸びる大きな振動が発生される。尚、この第1圧電素子11の振動と第3圧電素子13の振動とは、時間的位相差が90°となる。
【0097】
すると、ステータ34の接触面10cでは、第1及び第3圧電素子11,13の各振動に基づく複合振動が発生され、ロータ35が連結シャフト36の軸中心で一方向に回動され、ミラー32がミラーカバー33とともに一方向に回動される。尚、このとき、ミラー32は操作スイッチが操作された時間に応じた位置まで回動される。又、この回動では、ミラー32の鏡面が連結シャフト36に対して垂直な面である場合を除き、ミラー32の回動に伴なって、その鏡面の角度も変化する。
【0098】
逆に、ミラー32を他方向に回動させる操作スイッチが操作された場合は、第1の高周波電圧装置から供給される高周波電圧と、第3の高周波電圧装置から供給される高周波電圧との時間的位相差が−90°とされることのみ異なり、他は同様の動作が行われる。すると、ミラー32は、操作スイッチが操作された時間に応じた位置まで他方向に回動される。
【0099】
ミラー32の鏡面を前後左右方向に傾動させるための操作スイッチが操作されると、制御装置からその操作に基づいた制御信号が出力される。すると、第1から第3の高周波電圧装置から第1から第3圧電素子11〜13に高周波電圧が供給される。尚、第1から第3の高周波電圧装置から供給される各高周波電圧の時間的位相差は、第1の実施の形態と同様に、ミラーカバー33の回動方向の位置と、操作スイッチの操作(前傾動又は後傾動又は左傾動又は右傾動又は各斜め傾動の操作)に基づいた値に決定される。
【0100】
すると、第2圧電素子12では、第1の実施の形態と同様に、上面から下面までが一様に伸び縮みする大きな縦振動が発生される。
又、第1及び第3圧電素子11,13では、前述したように、分割した一方が伸びるときには他方が縮み、一方が縮むときには他方が伸びる大きな振動がそれぞれ発生される。尚、この第1圧電素子11の振動と第2圧電素子12の振動と第3圧電素子13の振動とは、時間的位相差が前記決定した値となる。
【0101】
すると、ステータ34の接触面10cでは、第1から第3圧電素子11〜13の各振動に基づく複合振動がそれぞれ発生され、ロータ35が連結シャフト36の軸以外の軸中心(例えば、図中紙面直交方向の軸中心や紙面左右方向の軸中心)で回動される。すると、ミラー32の鏡面がミラーカバー33とともに前後左右に傾動される。
【0102】
次に上記のように構成した電動ミラー装置の特徴的な作用効果を以下に記載する。
(1)本実施形態の電動ミラー装置では、車内のステアリング付近に設けられる操作スイッチを操作することにより、フロントガラスと隣接した天井側に配設されるミラー32を回動させたり、ミラー32の鏡面を傾動させたりすることができる。従って、運転手は容易にミラー32の鏡面角度を調節することができる。又、その際、手がフロントガラスからの景色及びミラー32の鏡面に映る景色を妨害してしまうことがない。
【0103】
(2)本実施形態の超音波モータ31では、1つのステータ34に、ロータ35を複数軸中心に回動させるため振動を発生させるようにした。そして、連結シャフト36の軸部36aが挿通される貫通孔35cにて、ロータ35の連結シャフト36の軸中心の回動を許容するとともに、連結シャフト36の軸中心以外の軸中心の回動を所定の範囲で許容した。又、ロータ35を、ステータ34の接触部10cと連結シャフト36の保持部36bにより複数軸中心に回動可能に挟持させた。従って、ロータ35の回動に対する負荷は主に保持部36bとの摩擦だけとなり、従来(特開平8−95640号公報に開示された装置)と比べて、小さい。その結果、この超音波モータ31は、モータ効率が高くなる。
【0104】
(3)本実施形態の超音波モータ31は、ロータ35を複数軸中心に回動させるためのステータ34を1つとした。従って、この超音波モータ31は、独立したステータを複数備える従来(特開平8−95640号公報)と比べて、その取付作業が容易となる。
【0105】
(4)本実施形態の超音波モータ31では、球面35aを有するロータ35に貫通孔35aを形成した。そして、その貫通孔35aに保持部36bを有する連結シャフト36の軸部36aを挿入した。従って、ロータ35は、連結シャフト36の軸中心の回動が許容されるともに、その軸中心以外の軸中心の回動が所定の範囲で許容される。又、ロータ35を押圧する保持部36bを保持するための軸部36aがロータ35の内部を通るため、保持部36bを保持するための部材が超音波モータ31を大型化してしまわない。
【0106】
(5)本実施形態の超音波モータ31では、ロータ35を、半球の球面35aを有するように形成し、その球面35aを形成する部分を均一の厚さとした。そして、ロータ35を接触部10cとともに挟持する連結シャフト36の保持部36bの大きさは、ロータ35が回動してその貫通孔35cの内壁面が連結シャフト36と係合した状態で、該球面35aの端部から突出しないように設定した。従って、球面35aの端部に直接ミラーカバー33を固定することができる。その結果、該電動ミラー装置が連結シャフト36の軸方向に長くなってしまうことが低減される。
【0107】
(6)本実施形態の電動ミラー装置では、超音波モータ31のロータ35にミラーカバー33及びミラー32を直接固定し、その1つの超音波モータ31にてミラー32を回動させたり、ミラー32の鏡面を前後左右に傾動させるようにした。従って、電動ミラー装置の部品点数は少なく、その取付作業は容易となる。
【0108】
(7)本実施形態の電動ミラー装置では、ロータ35は、ステータ34及び保持部36bに挟持されるため、回動していないとき、強固に保持される。従って、ロータ35にミラーカバー33及びミラー32を固定したが、ミラーカバー33及びミラー32が走行時の振動により傾いてしまうことがない。その結果、この電動ミラー装置では、減速機等を必要とせず、減速機の歯車による騒音が発生しない。
【0109】
上記各実施の形態は、以下のように変更して実施してもよい。
・上記第3の実施の形態の超音波モータ31は、図13に示す超音波モータ41に変更してもよい。尚、第3の実施の形態と同様の部分については同様の符号を付して、その詳細な説明を省略する。又、第3の実施の形態と同様な動作についても、その詳細な説明を省略する。超音波モータ41は、ステータ42、ロータ43、ナット44、及び保持部材45を備えている。ステータ42は、第1から第4ブロック46〜49、前記第1から第3圧電素子11〜13、及び軸部としての締結ネジ50を備えている。
【0110】
第1及び第4ブロック46,49には、その中心軸方向に貫通する雌ネジ46a,49aが形成されている。第2及び第3ブロック47,48には、その中心軸方向に貫通する貫通孔47a,48aが形成されている。又、第4ブロック49の上部には凹部が形成され、その開口部には、球面と環状の面で接触する接触部49bが形成されている。締結ネジ50は、その外周面に雌ネジ46a,49aと対応した第1雄ネジ50aが形成され、その上端にはナット44と対応した軸部としての第2雄ネジ50bが軸線方向に突出して形成されている。
【0111】
そして、第1ブロック46、第1圧電素子11、第2ブロック47、第2圧電素子12、第3ブロック48、第3圧電素子13、第4ブロック49は、この順で積層されて締結ネジ50の第1雄ネジ50aにより締結され、ステータ42を構成している。尚、このとき、第1圧電素子11と第3圧電素子13とは、分極の境界線が90°ずれるように締結されている。
【0112】
ロータ43は、半球の球面43aを有するように形成され、その球面43aを形成する部分は均一の厚さとなっている。これにより、ロータ43の球面43aの裏面43bは、球面と密着するような曲面に形成される。ロータ43の球面43aの中央には、裏面43bに貫通する貫通孔43cが形成されている。尚、ロータ43の球面43aは、ステータ42の接触部49bと環状の面で接触するように設定されている。
【0113】
保持部材45は、ロータ43の裏面43bと密着する球面を有するように、球体を切り取った形状に形成されている。又、保持部材45には、その軸中心に貫通する孔45aが形成されている。
【0114】
前記ロータ43は、保持部材45にて、その球面43aがステータ42の接触部49bに押圧接触されるとともに、複数軸中心で回動可能に保持される。詳述すると、ロータ43は、その球面43aがステータ42の接触部49bに当接され、その裏面43bに保持部材45の球面が当接される。そして、ロータ43の貫通孔43c及び保持部材45の孔45aを貫通する締結ネジ50の第2雄ネジ50bにナット44が螺合されることにより、保持部材45、ロータ43及びステータ42が締結されている。これにより、ロータ43は、その裏面43bが保持部材45の球面に押圧され、その球面43aがステータ42の接触部49bに押圧接触されるとともに、複数軸中心で回動可能に保持される。又、ロータ43は、第2雄ネジ50bが挿通された貫通孔43cにて締結ネジ50の軸中心の回動が許容されるとともに、締結ネジ50の軸中心以外の他の軸中心の回動が所定の範囲で許容される。
【0115】
尚、所定の範囲とは、貫通孔43cの内壁面が第2雄ネジ50bと、その回動方向に係合しない範囲である。又、ロータ43の貫通孔43cの開口部は、ロータ43が回動して、その貫通孔43cの内壁面が第2雄ネジ50bと係合した状態で、接触部49bから外部に露出しない直径に設定されている。さらに、保持部材45は、ロータ43が回動して、その貫通孔43cの内壁面が第2雄ネジ50bと係合した状態で、該球面43aの端部から突出しないようにその大きさが設定されている。
【0116】
このように構成された超音波モータ41を図12の固定プレート37に固定しても、第3の実施の形態と同様に動作し、第3の実施の形態の効果と同様の効果を得ることができる。又、勿論、固定プレート37を使用せず、ステータ42を直接フロントガラスと隣接した天井に固定してもよい。
【0117】
・上記第3の実施の形態の超音波モータ31は、図14に示す超音波モータ51に変更してもよい。超音波モータ51は、ステータ52、ロータ53、保持部材としての軸受54、保持プレート55及び固定台56を備えている。
【0118】
ステータ52は、第1から第4ブロック7y,8〜10、及び第1から第3圧電素子11〜13を備えている。尚、第1ブロック7yは、第3の実施の形態の第1ブロック7と比べて、その中心軸部に雌ネジを切った貫通孔が形成されていることのみ異なるので、同様の部分については同様の符号を付して、その詳細な説明を省略する。このステータ52は、第4ブロック10の凹部10bから挿入されたボルト57の先端雄ネジ部が第1ブロック7yの雌ネジに螺合されることにより締結されている。
【0119】
ロータ53は、略球形状に形成されている。ロータ53の球面53aの一部には、出力軸53bが延出して形成されている。尚、ロータ53の直径は、その球面53aがステータ52の接触部10cと環状の面で接触するように設定されている。
【0120】
軸受54は、転がり軸受に属する環状の玉軸受であって、転動体としての複数の玉54aと、その玉54aを保持する環状のレース54bとを備える。そして、軸受54はその複数の玉54aによってロータ53の球面53aと複数の点で直接接触するように形成されている。
【0121】
保持プレート55には、軸受54のレース54bを保持するための凹部55aが形成され、その凹部55aの底部中央には孔55bが形成されている。
固定台56は板状に形成され、その一平面上に2本のシャフト56a,56bが立設されている。尚、この別例では、保持プレート55とシャフト56a,56bを備えた固定台56が連結部材を構成している。
【0122】
前記ステータ52は、固定台56の一平面上に固定されている。
前記ロータ53は、軸受54にてその球面53aがステータ52の接触部10cに押圧接触されるとともに、軸受54及び接触部10cにて複数軸中心で回動可能に保持される。詳述すると、ロータ53は、その球面53aがステータ52の接触部10cに接触され、その接触された球面53aの逆方向に形成される球面53aに軸受54の玉54aが接触される。そして、軸受54の玉54aがロータ53の球面53aに押圧接触されるように、軸受54のレース54bを保持した保持プレート55が、2本のシャフト56a,56bに連結固定されている。これにより、ロータ53は、その球面53aがステータ52の接触部10cに押圧接触されるとともに、複数軸中心で回動可能に保持される。尚、このとき、ロータ53は、その出力軸53bが環状の軸受54の孔及び保持プレート55の孔55bを貫通した状態となるように保持される。これにより、ロータ53は、軸受54の孔及び保持プレート55の孔55bの中心を通る軸中心の回動が許容されるとともに、その軸中心以外の他の軸中心の回動が所定の範囲で許容される。尚、所定の範囲とは、出力軸53bが環状の軸受54の孔又は保持プレート55の孔55bと、その回動方向に係合しない範囲である。この出力軸53bの先端には、前記ミラーカバー33が固定されている。
【0123】
このように構成された超音波モータ51を固定プレート37に固定しても、第3の実施の形態と同様に動作し、第3の実施の形態の効果(1),(3),(6)と同様の効果を得ることができる。
【0124】
又、ロータ53をステータ52の接触部10cと軸受54の複数の玉54aにより複数軸中心で回動可能に挟持した。従って、ロータ52の回動に対する負荷は複数の玉54aとの転がり摩擦だけとなり、従来(特開平8−95640号公報に開示された装置)と比べて、小さい。その結果、この超音波モータ51は、モータ効率が高くなる。
【0125】
さらに、ロータ53は、軸受54と接触面10cに挟持されるため、回動していないとき、即ちステータ52が振動していないとき、該接触面10cとの摩擦により、回動することなく保持される。従って、ロータ53にミラーカバー33及びミラー32を固定したが、ミラーカバー33及びミラー32が走行時の振動により傾いてしまうことがない。その結果、この電動ミラー装置では、減速機等を必要とせず、減速機の歯車による騒音が発生しない。尚、勿論、固定プレート37を使用せず、超音波モータ51の固定台56を直接フロントガラスと隣接した天井に固定してもよい。又、固定台56は、例えば第1ブロック7y(第2〜第4ブロックのいずれか1つでもよい)に、径方向外側に延びるフランジ部を設けて代用してもよい。
【0126】
・上記第3の実施の形態の超音波モータ31は、図15に示す超音波モータ71に変更してもよい。超音波モータ71は、ステータ72、ロータ73、バネ部材としてのコイルばね74a,74b及び固定台75を備えている。尚、ステータ72は、上記別例のステータ52と構成が同じであるため、同様の各部材については同様の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0127】
ロータ73は、半球形状の半球部73aと、その球面の端部から端部と同じ径で延びる円柱部73bとから構成されている。半球部73aは、その球面がステータ72の接触部10cと環状の面で接触するように設定されている。円柱部73bの端部外周面には、長方形を形成するように径方向外側に延びる延出部としてのミラーカバー76が固定されている。このミラーカバー76には前記ミラー32が固定されている。尚、この別例では、ミラー32及びミラーカバー76が作動部材を構成している。
【0128】
ステータ72は、その下面、即ち第1ブロック7yの下面が固定台75の一平面上に固定されている。そして、ミラーカバー76と、固定台75とは、引き合わせる方向に付勢する2つのコイルばね74a,74bにて連結されている。2つのコイルばね74a,74bは、ステータ72の中心軸線と平行に配設されるとともに、ステータ72の中心軸線に対して対称に配設される。従って、ロータ73の球面は接触部10cに押圧接触される。又、ミラーカバー76は、コイルばね74a,74bが伸縮可能であることから、ステータ72に対して全ての方向に傾動可能とされる。即ち、ロータ73は、複数軸中心に所定の範囲で回動可能とされる。尚、所定の範囲とは、ミラーカバー76とステータ72とがその回動方向に係合しない範囲、又はコイルばね74a,74bの伸縮が行われる範囲である。
【0129】
このように構成された超音波モータ71を固定プレート37に固定しても、第3の実施の形態と同様に動作し、第3の実施の形態の効果(1),(3),(6)と同様の効果を得ることができる。
【0130】
又、ミラーカバー76と固定台75とをコイルばね74a,74bで連結することにより、ロータ73を複数軸中心で回動可能に保持した。従って、ロータ73の回動に対する負荷はコイルばね74a,74bの付勢力に反する力だけとなり、従来(特開平8−95640号公報に開示された装置)と比べて、小さい。その結果、この超音波モータ71は、モータ効率が高くなる。
【0131】
さらに、ミラーカバー76をロータ73の円柱部73bから径方向外側に延びるように設け、そのミラーカバー76と固定台75とをコイルばね74a,74bで連結することによりロータ73を保持した。従って、ロータ73を保持するために、電動ミラー装置がステータ72の長手方向に長くなってしまうことは低減される。
【0132】
さらにまた、ロータ73は、コイルばね74a,74bにより接触面10cに押圧されているため、回動していないとき、即ちステータ72が振動していないとき、該接触面10cとの摩擦により、回動することなく保持される。従って、ロータ73にミラーカバー76及びミラー32を固定したが、ミラーカバー76及びミラー32が走行時の振動により傾いてしまうことがない。その結果、この電動ミラー装置では、減速機等を必要とせず、減速機の歯車による騒音が発生しない。尚、勿論、固定プレート37を使用せず、超音波モータ71の固定台75を直接フロントガラスと隣接した天井に固定してもよい。又、コイルばね74a,74bの数は適宜変更してもよい。
【0133】
・上記第1及び第2の実施の形態では、ステータ4(第1及び第2ステータ24,25)は、車両A(取付け部14,27)に対して直接固定されるとしたが、クラッチ等を介して固定してもよい。例えば、ステータ4と取付け部14の間に外力によってZ軸中心に回動するクラッチを設ける。このようにすると、外部から外力が加わったときにミラーカバー3,23がZ軸中心に回動するため、衝突した際等の障害が防止される。
【0134】
・上記第1及び第2の実施の形態の超音波モータ1,21は、ミラーカバー3,23の外部に設けられ露出していたが、ミラーカバー3,23の内部に収容させて露出しないようにしてもよい。このようにすると、駆動中の異物の挟み込みが防止される。又、美観が向上される。
【0135】
・上記各実施の形態及び別例では、超音波モータ1,21,31,41,51,71を備えた電動ミラー(回動)装置に具体化したが、超音波モータ1,21,31,41,51,71は、他の作動部材を回動駆動する回動装置に備えてもよい。例えば、図16に示すように、第1の実施の形態の超音波モータ1を作動部材としての日除け(サンバイザー)81を駆動する回動装置に備えて実施してもよい。詳述すると、超音波モータ1のステータ4は、車室内のフロントガラスCと隣接した天井Dに固定されている。このとき、ステータ4は、前記シャフト15の軸(Z軸)がフロントガラスCの上辺と略平行になるように固定されている。そして、ロータ5の出力軸5bにはサンバイザー81が固定されている。
【0136】
このように構成された日除け回動装置では、超音波モータ1のロータ5がZ軸中心に回動駆動可能であるため、サンバイザー81をZ軸中心に回動させて、使用状態(図中、実線で示す)や収納状態(図中、2点鎖線で示す)とすることができる。又、超音波モータ1のロータ5はZ軸以外の軸中心に所定の範囲で回動駆動可能であるため、サンバイザー81をZ軸以外の軸中心に回動させて、日光の入射角度に応じた傾きに傾動させることができる。そして、上記のように駆動させるための操作スイッチを車内のステアリング付近に設けると、サンバイザー81を駆動する際、手がフロントガラスからの景色を妨害してしまうことがない。又、車両に日光入射角度検出センサを設け、日光の入射角度に応じてサンバイザー81を駆動させるようにしてもよい。
【0137】
・例えば、図17及び図18に示すように、第1の実施の形態の超音波モータ1を車載エアコンの作動部材としての送風案内翼(以下、翼)91を駆動する回動装置に備えて実施してもよい。詳述すると、超音波モータ1のステータ4は、ケース92内に保持されている。ケース92は、車内に露出した送風口93の奥で支柱94に固定されている。このとき、ケース92は、前記シャフト15の軸(Z軸)が送風口93と垂直になるように固定されている。そして、ロータ5には、前記出力軸5bの反対側の球面に出力軸5cが形成されている。両出力軸5b,5cにはそれぞれ翼91が固定されている。
【0138】
このように構成された送風案内翼回動装置では、超音波モータ1のロータ5がZ軸中心に回動駆動可能であるため、翼91をZ軸中心で回動させることができる。又、超音波モータ1のロータ5はZ軸以外の軸中心に所定の範囲で回動駆動可能であるため、翼91をZ軸以外の軸中心で回動させることができる。従って、車載エアコンの風の向きを変化させることができる。さらに、翼91を予め設定したパターン又はランダムで駆動させるようにすれば、車載エアコンの風の向きを予め設定したパターン又はランダムで変化させることができる。
【0139】
・上記第2の実施の形態では、ロータ26の貫通孔26aにシャフト28を貫通させ、該シャフト28にて第1及び第2ステータ24,25を締結したが、第1及び第2ステータ24,25を他の方法で締結してもよい。
【0140】
例えば、図19及び図20に示すように、各ステータ24,25をそれぞれ接着し、外から支えるように変更してもよい。尚、この場合、第1及び第2ステータ24,25には軸心孔が必要無くなり、ロータ26には貫通孔26aが必要無くなるが、ステータ24,25は第2の実施の形態と同様に振動し、ロータ26は同様に駆動されるため、符号を同じとしてその詳細な説明を省略する。又、図20に示すように、前記取付け部27にはシャフト28が必要無くなる。
【0141】
図20に示すように、前記取付け部27の上面には、円環状に凸設された係止部27aが形成されている。係止部27aの内径は、第1ステータ24の外径と同じに設定されている。車両には、取付け部27の上面と対向する位置に支持部95が設けられている。支持部95には、上下方向に貫通するネジ孔95aが形成されている。尚、図19に示すように、支持部95は、取付け部27の係止部27aとの間隔が、第1及び第2ステータ24,25がロータ26を挟んだときの長さより長くなるように設けられている。
【0142】
第1及び第2ステータ24,25はロータ26を挟んだ状態で、第1ステータ24の底部が係止部27aに嵌め込まれている。そして、ネジ孔95aに螺合されたボルト96の先端にて、第1及び第2ステータ24,25がロータ26を挟んだ状態で締結されている。
【0143】
このようにしても第2の実施の形態と同様に動作し、第2の実施の形態の効果(1),(2),(4),(5)と同様の効果を得ることができる。
上記各実施の形態及び別例から把握できる請求項以外の技術的思想について、以下にその効果とともに記載する。
【0144】
(イ)請求項3に記載の超音波モータにおいて、
前記保持部材(36,45)を、前記ロータ(35,43)の球面(35a,43a)の端部から突出しないように形成したことを特徴とする超音波モータ。
【0145】
このようにすると、ロータの球面の端部に直接、作動部材(例えば、ミラー)を固定することができる。従って、作動部材と超音波モータとを備えた回動装置が、軸部の長手方向に長くなってしまうことがない。
【0146】
(ロ)請求項1に記載の超音波モータにおいて、前記軸部(15,36)は、前記接触部(10c)の反対側まで該ステータ(4,34)を貫通し、その反対側の面から保持部材(6,36)までを締結させるシャフト(15,36)であることを特徴とする超音波モータ。
【0147】
このようにすると、保持部材、ロータ及びステータは、シャフトにて締結される。
(ハ)請求項10に記載の回動装置において、
前記作動部材は、車内に設けられるミラー(32)であって、
前記ステータ(34,42,52,72)を、車両に対して固定し、
前記ロータ(35,43,53,73)に前記ミラー(32)を固定し、該ロータ(35,43,53,73)の複数軸中心の回動にて、ミラー(32)の回動、及びミラー(32)の傾動を行なうことを特徴とする回動装置。
【0148】
このようにすると、車内に設けられるミラーの回動、及びミラーの傾動は、ロータの複数軸中心の回動にて行われる。
(ニ)請求項10に記載の回動装置において、
前記作動部材は、車内に設けられる日除け(81)であって、
前記ステータ(4)を、車両に対して固定し、
前記ロータ(5)に前記日除け(81)を固定し、該ロータ(5)の複数軸中心の回動にて、該日除け(81)の回動を行なうことを特徴とする回動装置。
【0149】
このようにすると、日除けの回動は、ロータの複数軸中心の回動にて行われる。
(ホ)請求項10に記載の回動装置において、
前記作動部材は、車載エアコンの送風案内翼(91)であって、
前記ステータ(4)を、送風案内口(93)と隣接して固定し、
前記ロータ(5)に前記送風案内翼(91)を固定し、該ロータ(5)の複数軸中心の回動にて、該送風案内翼(91)の回動を行なうことを特徴とする回動装置。
【0150】
このようにすると、送風案内翼の回動は、ロータの複数軸中心の回動にて行われる。
【0151】
【発明の効果】
以上詳述したように、請求項1〜9に記載の発明によれば、ロータを複数軸中心に回動駆動させる超音波モータにおいて、独立した多数のステータを必要とせず、効率の良い超音波モータを提供することができる。
【0152】
請求項10及び11に記載の発明によれば、サイドミラーの鏡面角度を調節する機能、及びミラーカバーを回動させる(畳み込む及び使用状態に戻す)機能を備えた回動装置において、取り付ける際の部品点数が少なく、減速機による騒音が発生しない回動装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態の超音波モータの要部断面図。
【図2】第1の実施の形態の電動ミラー装置の要部分解斜視図。
【図3】第1の実施の形態の電動ミラー装置の要部断面図。
【図4】第1の実施の形態の電動ミラー装置の平面図。
【図5】第1の実施の形態の電動ミラー装置の斜視図。
【図6】第1の実施の形態のロータの回動を説明するための説明図。
【図7】第2の実施の形態の超音波モータの要部断面図。
【図8】第2の実施の形態の電動ミラー装置の要部分解斜視図。
【図9】第2の実施の形態の電動ミラー装置の要部断面図。
【図10】第2の実施の形態の電動ミラー装置の平面図。
【図11】第2の実施の形態の電動ミラー装置の斜視図。
【図12】第3の実施の形態の電動ミラー装置の要部断面図。
【図13】別例の電動ミラー装置の要部断面図。
【図14】別例の電動ミラー装置の一部断面図。
【図15】別例の電動ミラー装置の一部断面図。
【図16】別例の日除け駆動装置を説明するための斜視図。
【図17】別例の送風案内翼駆動装置を説明するための要部断面図。
【図18】別例の送風案内翼駆動装置を説明するための要部断面図。
【図19】別例の電動ミラー装置の要部断面図。
【図20】別例の電動ミラー装置の要部分解斜視図。
【符号の説明】
1,21,31,41,51,71…超音波モータ、2,22…ミラー、3,23…ミラーカバー、4,34,42,52,72…ステータ、5,26,35,43,53,73…ロータ、6,45…保持部材、15,28,56a,56b…シャフト、24…第1ステータ、25…第2ステータ、36…連結シャフト、54…軸受、55…保持プレート、56…固定台、76…ミラーカバー、5a,26a,35c,43c…貫通孔、10c,10cz,49b…接触部、5c,26c,35a,43a,53a…球面、35b,43b…球面の裏面、54a…玉、74a,74b…コイルばね。

Claims (11)

  1. 球面(5c,35a,43a)と、一方向の軸中心の回動を許容するとともに、その軸中心以外の軸中心の回動を所定の範囲で許容する貫通孔(5a,35c,43c)を有するロータ(5,35,43)と、
    前記ロータ(5,35,43)の球面(5c,35a,43a)と接触する接触部(10c,49b)を有し、その接触部(10c,49b)に該ロータ(5,35,43)を複数軸中心に回動駆動させるための超音波振動を発生するステータ(4,34,42)と、
    前記貫通孔(5a,35c,43c)を挿通するように前記ステータ(4,34,42)と連結される軸部(15,36,50)と、
    前記軸部(15,36,50)に連結され、前記ロータ(5,35,43)の球面(5c,35a,43a)を前記接触部(10c,49b)に押圧接触させるとともに、該ロータ(5,35,43)を該接触部(10c,49b)と共に複数軸中心で回動可能に保持する保持部材(6,36,45)と
    を備えたことを特徴とする超音波モータ。
  2. 請求項1に記載の超音波モータにおいて、
    前記ロータ(5)を、略球状に形成し、
    前記貫通孔(5a)を、該ロータ(5)の中心を貫通するとともに、中心に向かって縮径したことを特徴とする超音波モータ。
  3. 請求項1に記載の超音波モータにおいて、
    前記ロータ(35,43)の球面(35a,43a)を形成する部分を、均一の厚さで形成し、
    前記保持部材(36,45)を、前記ロータ(35,43)の球面(35a,43a)の裏面(35b,43b)と圧接する球面を有するように形成したことを特徴とする超音波モータ。
  4. 略球形状のロータ(26)と、
    前記ロータ(26)の球面(26c)と接触する第1接触部(10c)を有し、その第1接触部(10c)に該ロータ(26)を複数軸中心に回動駆動させるための超音波振動を発生する第1のステータ(24)と、
    前記第1接触部(10c)が接触する前記ロータ(26)の球面(26c)とは逆方向に形成される球面(26c)と接触する第2接触部(10cz)を有し、その第2接触部(10cz)に該ロータ(26)を複数軸中心に回動駆動させるための超音波振動を発生する第2のステータ(25)とを備え、
    前記第1及び第2ステータ(24,25)を、前記ロータ(26)を挟んで締結することにより、該ロータ(26)の球面(26c)を該第1接触部(10c)と該第2接触部(10cz)に押圧接触させるとともに、該第1接触部(10c)と該第2接触部(10cz)にて該ロータ(26)を複数軸中心で回動可能に保持させることを特徴とする超音波モータ。
  5. 請求項4に記載の超音波モータにおいて、
    前記ロータ(26)には、その中心を貫通するとともに、中心に向かうほど径が小さくなる貫通孔(26a)を形成し、
    前記第1及び第2のステータ(24,25)を、前記貫通孔(26a)を挿通する軸部材(28)にて締結したことを特徴とする超音波モータ。
  6. 略球形状のロータ(53)と、
    前記ロータ(53)の球面(53a)と接触する接触部(10c)を有し、その接触部(10c)に該ロータ(53)を複数軸中心に回動駆動させるための超音波振動を発生するステータ(52)と、
    前記接触部(10c)が接触する前記ロータ(53)の球面(53a)とは逆方向に形成される球面(53a)に押圧接触された状態で、該ロータ(53)の球面(53a)を該ステータ(52)の接触部(10c)に押圧接触させるとともに、該ロータ(53)を該ステータ(52)の接触部(10c)と共に複数軸中心で回動可能に保持する保持部材(54)と、
    前記保持部材(54)を前記ロータ(53)の球面に押圧接触させるように、前記保持部材(54)と前記ステータ(52)とを連結する連結部材(55,56,56a,56b)と
    を備えたことを特徴とする超音波モータ。
  7. 請求項1乃至3、及び6のいずれか1項に記載の超音波モータにおいて、
    前記保持部材(54)は、軸受(54)であることを特徴とする超音波モータ。
  8. 請求項7に記載の超音波モータにおいて、
    前記軸受(54)は、転動体(54a)を有する転がり軸受(54)であって、その転動体(54a)を前記ロータ(53)に直接接触させたことを特徴とする超音波モータ。
  9. 球面を有するロータ(73)と、
    前記ロータ(73)の球面と接触する接触部(10c)を有し、その接触部(10c)に該ロータ(73)を複数軸中心に回動駆動させるための超音波振動を発生するステータ(72)と、
    前記ロータ(73)に設けられ、該ロータ(73)の球面が前記接触部(10c)に接触する方向に対して略垂直方向に延びる延出部(76)と、
    前記延出部(76)と前記ステータ(72)とを、該ロータ(73)の球面(73a)が該接触部(10c)に押圧されるように、かつ該延出部(76)が該ステータ(72)に対して傾動可能となるように連結するバネ部材(74a,74b)と
    を備えたことを特徴とする超音波モータ。
  10. 請求項1乃至9のいずれか1項に記載の超音波モータ(1,21,31,41,51,71)を備え、作動部材(2,3,22,23,32,33,76,81,91)を複数軸中心に回動駆動する回動装置であって、前記ロータ(5,26,35,43,53,73)を作動部材(2,3,22,23,32,33,76,81,91)に対して固定し、該ロータ(5,26,35,43,53,73)の複数軸中心の回動にて、作動部材(2,3,22,23,32,33,76,81,91)を複数軸中心に回動することを特徴とする回動装置。
  11. 請求項10に記載の回動装置において、
    前記作動部材(2,3,22,23)は、車両のサイドに設けられるミラーカバー(3,23)及びそのミラーカバー(3,23)に固定されるミラー(2,22)であって、
    前記ステータ(4,24,25)を、車両に対して固定し、
    前記ロータ(5,26)を前記ミラー(2,22)及び前記ミラーカバー(3,23)の少なくとも一方に直接連結し、該ロータ(5,26)の一軸中心の回動にてミラーカバー(3,23)の回動、及びミラー(2,22)の左右の傾動を行い、該ロータ(5,26)の他軸中心の回動にてミラー(2,22)の前後の傾動を行なうことを特徴とする回動装置。
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