JP2000193786A - 使用済燃料貯蔵建屋 - Google Patents

使用済燃料貯蔵建屋

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JP2000193786A
JP2000193786A JP10373216A JP37321698A JP2000193786A JP 2000193786 A JP2000193786 A JP 2000193786A JP 10373216 A JP10373216 A JP 10373216A JP 37321698 A JP37321698 A JP 37321698A JP 2000193786 A JP2000193786 A JP 2000193786A
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秀俊 金井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】使用済燃料をキャニスタに収納して貯蔵する場
合でも、均一かつ十分な冷却効果を確保し、耐震上強度
に影響を与えずに十分な放射線遮蔽能力を得る。 【解決手段】建屋中心側上部に排気塔15を立設し、建
屋内部のうちキャニスタ貯蔵エリア7を仕切壁29を介
して略箱形の貯蔵セル12L,12Rに仕切り、貯蔵セ
ル12L,12Rの建屋外周側壁面38に外気取入口1
4を設け、各貯蔵セル12L,12Rの建屋中心側領域
から排気塔15へと連通する排気通路37を設け、各貯
蔵セル12L,12R内に使用済燃料入りキャニスタ6
を貯蔵する使用済燃料貯蔵建屋1において、各貯蔵セル
12L,12Rの仕切壁29は、排気塔外壁27よりも
建屋中心側に位置し、その仕切壁29の上部に連続し
て、排気塔15内部上方に延びる遮蔽用構造物28を設
ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、使用済燃料を貯蔵
する施設に係わり、特に、その施設に備えられる使用済
燃料貯蔵建屋に関する。
【0002】
【従来の技術】原子力発電所では、原子炉に装荷された
核燃料集合体を、使用年数に応じて順次新しい燃料と交
換する。このとき、原子炉から取り出された使用済燃料
は、核分裂物質の崩壊によってなお強い放射線と熱を放
出し続けているため、一般には、発電所内に設けた貯蔵
プールに水沈させ冷却している。
【0003】このように貯蔵プールに使用済燃料を水沈
させて冷却する場合、冷却水は放射能に汚染されている
ため、その冷却水の処理に多大なコストを要する。その
ため、使用済燃料貯蔵建屋を備えた施設を別途設け、使
用済燃料の発熱量が基準以下に減少した時点で速やかに
貯蔵プールから引き出してその使用済燃料貯蔵建屋内に
おいて貯蔵を行うか、若しくは、貯蔵プールを用いず原
子炉から取り出した使用済燃料を直接使用済燃料貯蔵建
屋に貯蔵し、これによって貯蔵コストの低減が図られて
いる。
【0004】このような使用済燃料貯蔵建屋の構造の一
例として、例えば、特開昭58−86500号公報に開
示のものがある。この使用済燃料貯蔵建屋では、使用済
燃料貯蔵用の容器であるキャスクを大部屋状の建屋内に
多数配列する。そして、建屋両側側壁に設けた外気取入
口から外気を取り入れ、さらに導入ダクトを介して建屋
内へと導き、建屋の中央部上方天井に設けた排出口から
建屋外に放出する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】使用済燃料貯蔵建屋
は、放射性物質取り扱い施設という性格上、非常に高い
耐震性が要求される。上記のような1つの大部屋状の建
屋構造で耐震性を向上しようとすると、建屋の外壁の断
面強度を大きくするほかなく、構造上限界があるととも
に、コスト高騰を招くという課題があった。
【0006】そこで、上記の課題に対応するための使用
済燃料貯蔵建屋の構造の一例が、例えば、特開平9−1
13679号公報に開示されている。この使用済燃料貯
蔵建屋では、キャスクを運搬するクレーンを建屋外の天
井上部に設置することで建屋天井を低くする。また、建
屋内部に、建屋長手方向(クレーン走行方向)に延びる
2つの仕切壁及びこれに直角な方向に延びる多数の仕切
壁を設け、これによって建屋内を多数の略箱形の小部屋
に仕切り、各小部屋内にはキャスクを4つずつ配列可能
な構造とする。さらに、各小部屋の建屋外周側壁面に外
気取入口を設けるとともに、上記長手方向仕切壁の略上
方において建屋天井から突出するように排気塔を立設す
る。このとき、各小部屋の建屋中心側壁面は、建屋中心
側に位置する上記長手方向仕切壁によって構成されるこ
ととなるが、この壁面の上端近傍に上記排気塔へと連通
する開口部を設けている。なお、この開口部の存在によ
り、排気塔の荷重は略直下の長手方向仕切壁で受けるこ
とが困難となるが、上記した多数の箱形小部屋区分構造
における各小部屋の上壁や側壁等の結合構造体全体によ
って主として支持するようになっている。
【0007】各小部屋内において、建屋外周側壁面の外
気取入口から導入された冷却風は、建屋中央側へ向かっ
て流れた後、建屋中心側に位置する上記長手方向仕切壁
上端部の開口部から排気塔へと流入し、このような建屋
外周側から建屋中央部への流れによって上記公知例同様
の均一な冷却効果を確保するようになっている。また、
建屋内部の空間を、上記のような仕切壁を用いた多数の
小部屋仕切構造とすることにより、低コストで高い耐震
性を備えた建屋構造とすることができる。
【0008】ところで、以上の従来技術においては、使
用済燃料を収納容器としてのキャニスタに収納し、さら
にこのキャニスタを運搬・貯蔵用容器としてのキャスク
に収納して運搬し、この状態のまま貯蔵する。このた
め、キャスクには、比較的高い放射線遮蔽能力及び自己
冷却能力が備えられていた。
【0009】ところが、近年、遮蔽コスト低減の観点か
ら、このように各使用済燃料ごとに放射線遮蔽を行わ
ず、建屋壁面側に放射線遮蔽能力をまとめて持たせる方
法が提唱されている。公知例としては、使用済燃料貯蔵
施設ではないが、放射性廃棄物貯蔵施設に関するものと
して、例えば国際公開番号WO○○/○○○○○号公報
に開示のものがある。この放射性廃棄物貯蔵施設では、
放射性廃棄物固化体を、放射線遮蔽能力が低くかつ自己
冷却能力をもたないキャニスタに収納しただけの状態
で、建屋内の貯蔵室に配列している。そして、放射線の
遮蔽については、使用済燃料を貯蔵配置しておく建屋壁
面側に十分な遮蔽能力を持たせることで対応している。
【0010】ここで、近年、前述したような使用済燃料
の貯蔵に際しても、上記放射性廃棄物の貯蔵と同様、キ
ャニスタに収納しただけの状態で貯蔵し、建屋壁面側で
放射線遮蔽を行うことで遮蔽コストの低減を図ることが
考えられている。しかしながら、このようなキャニスタ
による貯蔵方式を、前述した特開平9−113679号
公報による建屋構造において適用しようとした場合に
は、以下のようなキャニスタ貯蔵方式固有の課題が新た
に生じる。
【0011】すなわち、キャスクには例えば周囲に放熱
フィンが設けられ、これによって前述したようにある程
度の自己冷却能力を備えている。したがって、キャスク
外周部からの発熱量はそれほど大きくない。これに対
し、キャニスタは自己冷却能力がないため、キャニスタ
外周部からの発熱量が比較的大きい。そのため、冷却風
を用いて空冷を行うためには、比較的大きな冷却風量が
必要となる。しかしながら、上記特開平9−11367
9号では、各小部屋の建屋中心側壁面(長手方向仕切
壁)よりも排気塔壁面のほうが建屋中心側に位置する構
造上、仕切壁上端部の開口部の流路面積を大きくとるこ
とができない。そのため、冷却風量をあまり大きく確保
することができず、キャニスタを十分に冷却するのが困
難となる。
【0012】ここで、開口部流路面積を増大するため
に、排気塔の壁面を長手方向仕切壁より建屋外周側に移
設し排気塔を太さ方向に拡大することも考えられなくは
ない。この場合、冷却風量の増大が可能となるため、上
述したキャニスタ冷却についての課題は解消する。しか
しながら、以下のようなキャニスタ貯蔵方式固有の別の
課題が生じる。すなわち、前述したように、キャスク貯
蔵方式においては、キャスク自体がそれぞれ十分な放射
線遮蔽能力を備えているため、建屋内作業員立入領域に
おける被爆や建屋外への放射線漏洩が問題となることは
ない。ところが、キャニスタは放射線遮蔽能力が低いた
め、それらの点について十分な配慮が必要である。しか
し、上記のように特開平9−113679号の構造にお
いて、排気塔の壁面を長手方向仕切壁より建屋外周側に
移設し開口部を拡大した場合、仕切壁を十分な厚さにし
たとしても、その拡大された開口部を介し天井上方の排
気塔内へと放射線漏洩が生じる。そのため、建屋全体と
して、十分な放射線遮蔽能力を備えることが不可能とな
る。
【0013】但し、このようにして排気塔内に漏洩した
放射線に対し排気塔の壁面厚さ自体を厚くし、排気塔に
おいて放射線遮蔽能力を持たせることも考えられなくも
ない。しかしながら、この場合排気塔の自重が増大する
ため、上記した箱形小部屋区分構造によっても耐震上強
度の確保が困難となる。また、遮蔽コストの増大にもつ
ながる。
【0014】本発明の目的は、使用済燃料をキャニスタ
に収納して貯蔵する場合でも、均一かつ十分な冷却効果
を確保し、かつ、耐震上強度に影響を与えることなく十
分な放射線遮蔽能力を得ることができる使用済燃料貯蔵
建屋を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】(1)上記目的を達成す
るために、本発明は、建屋中心側上部に排気塔を立設
し、建屋内部のうち使用済燃料を貯蔵する部分を少なく
とも1つの仕切壁を介して複数の略箱形の小部屋に仕切
り、各小部屋の建屋外周側壁面に外気取入口を設け、各
小部屋の建屋中心側領域から前記排気塔へと連通する排
気通路を設け、各小部屋内に使用済燃料入りキャニスタ
を貯蔵する使用済燃料貯蔵建屋において、各小部屋の建
屋中心側壁面は、排気塔壁面よりも建屋中心側に位置し
ており、かつ、その各小部屋の建屋中心側壁面の上部に
連続して、前記排気塔内部上方に延びる遮蔽用構造物を
設ける。本発明においては、各小部屋内において建屋外
周側壁面の外気取入口から導入された冷却風は、建屋中
心側領域へ向かって流れた後、排気通路を経て排気塔へ
と流入する。このような建屋外周側から建屋中心側への
冷却風流れにより、均一な冷却効果を確保することがで
きる。また、使用済燃料をキャニスタに収納して建屋内
に貯蔵する場合、キャニスタは自己冷却能力がなくキャ
ニスタ外周部からの発熱量が比較的大きいので、十分な
空冷を行うためには比較的大きな冷却風量が必要であ
る。これに応じて、本発明においては、各小部屋の建屋
中心側壁面が排気塔壁面よりも建屋中心側に位置してい
る。これにより、各小部屋の建屋中心側壁面より排気塔
壁面のほうが建屋中心側に位置している場合よりも、そ
の構造上流路面積を大きくとることができる。したがっ
て、冷却風量を十分に確保することができ、キャニスタ
を十分に冷却することができる。さらに、使用済燃料を
キャニスタに収納して建屋内に貯蔵する場合、キャニス
タはキャスクと異なり放射線遮蔽能力が低いため、建屋
内作業員立入領域における被爆や建屋外への放射線漏洩
防止について十分な配慮が必要である。これに応じて、
本発明においては、各小部屋の建屋中心側壁面の上部に
連続して遮蔽用構造物を設け、しかもこの構造物を排気
塔内部を上方に延ばして配置する。これにより、各小部
屋内から排気通路を介し天井上方の排気塔内へ向かって
放射線漏洩が生じたとしても、その排気塔内の遮蔽用構
造物によって遮蔽され、それ以上の漏洩は防止される。
これにより、例えば各小部屋の上方に作業員の立入領域
があったとしても作業員の被爆を防止できるとともに、
建屋外への放射性漏洩も防止でき、十分な放射線遮蔽能
力を備えることができる。 したがって、排気塔の壁面
自体が遮蔽機能を備える必要はないため、壁面厚さを可
能な限り薄くすることができる。これにより、耐震上に
おいても十分な強度を確保することができる。また、排
気塔の太さ方向寸法増大を防止できるので、結果として
建屋容積が低減でき、使用済燃料貯蔵建屋の高密度化が
可能となる。
【0016】(2)上記(1)において、好ましくは、
前記遮蔽用構造物は、前記排気塔内部に略鉛直方向に配
置された第1壁面を備えている。排気塔内に設ける遮蔽
用構造物を略鉛直壁面構造とすることにより、その下部
の建屋中心側壁面と合わせて略一枚板構造とすることが
可能となる。これにより、構造の簡素化を図れるととも
に排気塔の太さ方向寸法の増大を防止でき、コスト低減
を図ることができる。
【0017】(3)上記(1)または(2)において、
また好ましくは、前記遮蔽用構造物は、前記排気塔内部
に略水平方向に配置された第2壁面を備えている。例え
ば排気通路が略鉛直方向に設けられており、さらに遮蔽
用構造物が略鉛直壁面構造である場合には、排気通路直
下近傍のキャニスタからの放射線が遮蔽用構造物で十分
に遮蔽されず、排気塔内部のかなり上方にまで至る可能
性がないとは言えない。そこで本発明においては、排気
塔内部に略水平方向に第2壁面を配置することにより、
このような場合の放射線も確実に遮蔽して排気塔内部の
上方に至るのを防止できる。
【0018】(4)上記(1)において、また好ましく
は、前記複数の小部屋を、前記排気塔を挟んで第1の側
及びその反対側である第2の側にそれぞれ位置する、少
なくとも1つの第1小部屋及び第2小部屋に分けて配置
し、キャスク内に収納された前記使用済燃料入りキャニ
スタを該キャスクから取り出すためのキャスクピット
を、前記第1小部屋に対応した前記第1の側の第1キャ
スクピットと、前記第2の部屋に対応した前記第2の側
の第2キャスクピットとに分けて配置し、前記第1キャ
スクピットの階上フロアの床面と前記第2キャスクピッ
トの階上フロアの床面とを接続する接続床面を設け、前
記第1及び第2キャスクピットの階上フロアの床面、前
記第1及び第2小部屋の階上フロアの床面、及び前記接
続床面をすべて略同一高さとし、前記略同一高さの床面
上の相互間において自在に走行し、前記第1及び第2キ
ャスクピットで取り出されたキャニスタを前記第1及び
第2小部屋にそれぞれ運搬する自走式運搬手段を設け
る。これにより、接続床面を介し、第1の側にある第1
キャスクピット階上フロア及び第1小部屋階上フロア
と、第2の側にある第2キャスクピット階上フロア及び
第2小部屋階上フロアとの両方に、1つの自走式運搬手
段のみでアクセス可能となる。すなわち、1つの自走式
運搬手段のみで、各キャスクピットから対応する各小部
屋へのキャニスタの運搬を行うことができる。また、一
方のキャスクピットで例えばクレーンによるキャスクの
搬入作業が行われていても、自走式運搬手段で他方のキ
ャスクピットから小部屋への運搬を行うことができる。
【0019】(5)上記(1)において、また好ましく
は、前記複数の小部屋を、前記排気塔を挟んで第1の側
及びその反対側である第2の側にそれぞれ位置する、少
なくとも1つの第1小部屋及び第2小部屋に分けて配置
し、キャスク内に収納された前記使用済燃料入りキャニ
スタを該キャスクから取り出すためのキャスクピット
を、前記第1小部屋に対応した前記第1の側の第1キャ
スクピットと、前記第2の部屋に対応した前記第2の側
の第2キャスクピットとに分けて配置し、これら第1キ
ャスクピットと第2キャスクピットとの間に、前記キャ
スクを積載し建屋内に搬入するトレーラーの進入領域を
設け、前記進入領域に進入した前記トレーラーに積載さ
れたキャスクを吊架し、前記第1または第2キャスクピ
ットへ運搬するクレーンを設ける。第1の側と第2の側
とに分かれた第1・第2キャスクピットの間にトレーラ
ーを進入させる構造とし、このトレーラーからクレーン
で第1または第2のキャスクピットにキャスクを運搬す
る。これにより、1つのクレーンを共用していずれのキ
ャスクピットにもキャスクの運搬を行うことができる。
また、一方のキャスクピットで例えば自走式運搬手段に
よるキャニスタの運搬作業が行われていても、クレーン
でトレーラーから他方のキャスクピットへの搬入を行う
ことができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図面
を参照しつつ説明する。
【0021】図2は、本実施形態による使用済燃料貯蔵
建屋の地上1階部分の構造を表す水平断面図であり、図
3は、図2中III−III断面による鉛直断面図であり、図
1は、図2中I−I断面による鉛直断面図である。ま
た、図4は、本実施形態による使用済燃料貯蔵建屋の地
上2階部分の構造を表す水平断面図であり、図5は、図
2及び図4中V−V断面による鉛直断面図であり、図6
は、図2及び図4中VI−VI断面による鉛直断面図であ
る。
【0022】これら図1〜図6において、本実施形態に
よる使用済燃料貯蔵建屋1は、原子炉から取り出された
使用済燃料入りのキャニスタ6を、運搬用のキャスク2
に収納された状態で受け入れ、受け入れ後にキャスク2
からキャニスタ6を取り出し、キャニスタ6に収納され
た状態で使用済燃料の貯蔵を行うものである。すなわ
ち、使用済燃料貯蔵建屋1は、キャスク2を積載したト
レーラー3を受け入れるトレーラエリア4と、トレーラ
エリア4に進入したトレーラー3上のキャスク2を吊架
し、キャスクピット5(後述)へ運搬する天井クレーン
17と、キャスク2内に収納された使用済燃料入りキャ
ニスタ6をキャスク2から取り出すためのキャスクピッ
ト5と、キャスクピット5で取り出されたキャニスタ6
をキャニスタ貯蔵エリア7(後述)に運搬し装荷する自
走式装荷機18と、建屋内部のうち使用済燃料をキャニ
スタ6ごと貯蔵する部分であるキャニスタ貯蔵エリア7
と、建屋中心側上部天井に立設した排気塔15とを備え
ている。
【0023】キャニスタ貯蔵エリア7は、仕切壁29を
介して、それぞれが略箱形の小部屋を形成する2つのキ
ャニスタ貯蔵セル12L,12Rに仕切られている。こ
れらキャニスタ貯蔵セル12L,12Rは、後述のよう
に仕切壁29のほぼ鉛直上方に排気塔15を挟んで図1
中左側に位置するキャニスタ貯蔵セル12Lと、図1中
右側に位置するキャニスタ貯蔵セル12Rとから構成さ
れている。キャスクピット5は、上記したキャニスタ貯
蔵セル12L,12Rの配置に対応し、キャニスタ貯蔵
セル12Lの図2中上方に隣接する図2中左側のキャス
クピット5Lと、キャニスタ貯蔵セル12Rの図2中上
方に隣接する図2中右側のキャスクピット5Rとから構
成されている。トレーラエリア4は、上記したキャスク
ピット5Lとキャスクピット5Rとの間に設けられてお
り、図2に示すように、階段室8と付帯設備室9とを併
設している。そしてこのトレーラエリア4には、図2中
上方よりキャスク2を搭載したトレーラー3が進入し停
止するようになっている。
【0024】天井クレーン17は、キャスクピット5L
の階上フロア30L最上部からキャスクピット5Rの階
上フロア30R最上部にかけて連続的に敷設されたレー
ル39上を自走することにより、図3中左右方向に移動
自在に構成されている。
【0025】キャスクピット5Lの階上フロア30Lの
床面31Lと、キャスクピット5Rの階上フロア30R
の床面31Rとは、接続床面32によって接続されてい
る。このとき、キャスクピット階上フロア30Lの床面
31L、キャスクピット階上フロア30Rの床面31
R、及び接続床面32は互いに略同一高さであるととも
に、さらにキャニスタ貯蔵セル12Lの階上フロア33
Lの床面34L及びキャニスタ貯蔵セル12Rの階上フ
ロア33Rの床面34Rもそれらと略同一高さとなって
いる。
【0026】そしてこれを利用して、キャスクピット階
上フロア30Lの床面31Lと貯蔵セル階上フロア33
Lの床面34Lとには、自走式装荷機18が枠体18a
に備えられた走行手段(図示せず)を介し図4中上下方
向に走行するための走行用レール19L,19Lが設け
られている。同様に、キャスクピット階上フロア30R
の床面31Rと貯蔵セル階上フロア33Rの床面34R
とには、走行用レール19R,19Rが設けられてい
る。さらに、キャスクピット階上フロア30Lの床面3
1L、接続床面32、及びキャスクピット階上フロア3
0Rの床面31Rには、自走式装荷機18が枠体18a
に備えられた別の走行手段(図示せず)を介し図4中左
右方向に走行するための走行用レール19H,19Hが
設けられている。これにより、自走式装荷機18は、全
体として、それら略同一高さの床面31L,34L,3
2,31R,34R上の相互間において自在に走行可能
となっている。なおこのとき、自走式装荷機18は、上
記のように全体として走行し移動可能であるのに加え
て、その移動した場所で、装荷機本体18b(図4参
照)が図示しないスライド手段を介し枠体18aに対し
て図4中左右方向にスライド可能である。
【0027】また、この自走式装荷機18の動作に関連
し、キャニスタ貯蔵セル12L,12Rの階上フロア3
3L,33Rの端部外壁42が、キャニスタ貯蔵セル1
2L,12Rの端部外壁43よりも、図4中手前側(図
5及び図6中右側)に張り出した構造となっている。
【0028】キャニスタ貯蔵セル12L,12Rは、建
屋外周側壁面38に設けられた外気取入口14と、建屋
中心側領域から排気塔15内へ連通する排気通路37と
を備えている。そしてこのとき、図1に示すように、各
キャニスタ貯蔵セル12L,12Rの建屋中心側壁面を
構成する仕切壁29が、排気塔外壁27よりも排気塔内
側(建屋中心側)に位置している。これらキャニスタ貯
蔵セル12L,12Rは、仕切壁29を介して互いに面
対称構造であり、壁、床部材等は同一構造・同一寸法と
して標準化が図られている。これにより、後述するよう
にこの建屋構造をベ一スとしつつさらにキャニスタ貯蔵
セル12を容易に増設することが可能となっている。
【0029】排気塔15内には、上記したキャニスタ貯
蔵セル12L,12Rの建屋中心側壁面を構成する仕切
壁29の上部に連続するように、排気塔外壁27内部上
方に延びる遮蔽用構造物28が設けられている。この遮
蔽用構造物28は、排気塔15内部に略鉛直方向に配置
された鉛直壁面部28aと、排気塔15内部に略水平方
向に配置された水平壁面部28bとを備えている。
【0030】なお、以上の構成において、建屋外壁1
0、建屋天井11、キャニスタ貯蔵セル外壁43、及び
キャニスタ貯蔵セル階上フロア外壁42等の建屋外部と
の境界をなす部分や、また建屋外部との境界をなす部分
ではないが放射線遮蔽機能を要求されるキャスクピット
階上フロア床面31L,31R、キャニスタ貯蔵セル階
上フロア床面34L,34R、仕切壁29、及び構造物
28等は、周辺の環境や作業員立入領域(キャスクピッ
ト階上フロア30L,30R及びキャニスタ貯蔵セル階
上フロア33L,33R)に対し放射線影響を与えるこ
とのないような十分な壁面厚さを有している。また、各
図において、23は建屋マット部を示している。
【0031】また、上記において、トレーラエリア4
が、キャスクを積載し建屋内に搬入するトレーラーの進
入領域を構成し、自走式装荷機18が、略同一高さの床
面上の相互間において自在に走行する自走式運搬手段を
構成する。また、図1〜図4中左側が第1の側、右側が
第2の側を構成する。さらに、キャニスタ貯蔵セル12
L,12Rが略箱形の小部屋を構成し、それらのうち、
キャニスタ貯蔵セル12Lが第1の側に位置する第1小
部屋を構成し、キャニスタ貯蔵セル12Rが第2の側に
位置する第2小部屋を構成する。また、キャスクピット
5L,5Rのうち、キャスクピット5Lが第1の側の第
1キャスクピットを構成し、キャスクピット5Rが第2
の側の第2キャスクピットを構成する。さらに、排気塔
外壁27が排気塔壁面を構成し、遮蔽用構造物の鉛直壁
面部28aは排気塔内部に略鉛直方向に配置された第1
壁面を構成し、水平壁面部28bは排気塔内部に略水平
方向に配置された第2壁面を構成する。
【0032】次に、上記構成の使用済燃料貯蔵建屋にお
ける搬入・貯蔵手順について説明する。トレーラー3に
積載されてトレーラエリア4に搬入されたキャスク2
は、クレーン吊り上げ用の治具21及びワイヤーロープ
22(図6参照)が取り付けられた後、接続床面32に
設けた開口部32a(図4参照)を介してクレーン17
で吊り上げられる。そして、クレーン17によって図4
中左方向(または右方向)に運搬され、あらかじめキャ
スクピット階上フロア30L(または30R)の床面3
1L(または31R)のキャスクピット上部ハッチ25
を開けておいて、この開口部を介してキャスクピット5
L(または5R)内に吊り下ろされる。さらに、キャス
クピット5L(または5R)内において、天井に設置さ
れたホイスト式天井クレーン26によって、所定の位置
に並べ変えられる。このようにして、順次キャスクピッ
ト5L(または5R)内にキャスク2が静置されてい
く。
【0033】キャニスタ貯蔵セル12への運搬時は、そ
れらキャスクピット5L(または5R)内のキャスク2
のうち所定のものに内蔵されているキャニスタ6が、ホ
イスト式天井クレーン26で吊り上げられてキャスク2
より取り出され、キャスクピット階上フロア30L(ま
たは30R)の床面31L(または31R)に設けた遮
蔽プラグ35の直下の載置台36に載置される。そし
て、前述の走行手段によって自走式装荷機18全体を、
キャスクピット階上フロア30L(または30R)へ移
動させるとともに、前述のスライド手段によって装荷機
本体18bを遮蔽プラグ35の直上位置にまでスライド
させる。そして、遮蔽プラグ35によって所定の遮蔽能
力を維持しつつ、装荷機本体18bから例えばアーム状
のキャニスタ把持手段を下方にのばしてキャスクピット
5L(または5R)内に侵入させ、載置台36上のキャ
ニスタ6を把持して持ち上げ、装荷機本体18b内に抱
きかかえる。
【0034】その後、再び前述の走行手段によって自走
式装荷機18全体を貯蔵セル階上フロア33L(または
33R)へ移動させる。このとき、貯蔵セル階上フロア
33L(または33R)の床面34L(または34R)
には、キャニスタ貯蔵セル12L(または12R)内の
各キャニスタ貯蔵位置の直上にそれぞれ遮蔽プラグ24
が設けられており、自走式装荷機18は、前述の走行手
段及びスライド手段によって、キャニスタ6を貯蔵しよ
うとする位置に対応する遮蔽プラグ24の直上位置に装
荷機本体18bを位置決めする。そして、遮蔽プラグ2
4によって所定の遮蔽能力を維持しつつ、キャニスタ6
を抱きかかえたキャニスタ把持手段を下降させてキャニ
スタ貯蔵セル12L(または12R)内に侵入させ、所
定の貯蔵位置まで下ろして静置する。
【0035】このキャニスタ貯蔵セル12L(または1
2R)内に貯蔵されたキャニスタ6に対する冷却は、空
気による空冷で行われる。すなわち、キャニスタ貯蔵セ
ル12L(または12R)の給気ルーバ13を介し外気
取入口14から取り入れられた冷却風Pは、キャニスタ
貯蔵セル12L(または12R)内の建屋外周側に設け
られた整流板20aを通過した後、略水平方向に建屋中
央側に向かって流れ、貯蔵されているキャニスタ6のま
わりを流れてそれらを除熱しながら通過する。そして、
キャニスタ貯蔵セル12L(または12R)内の建屋中
央側に設けられた整流板20bを通過した後、排気通路
37から排気塔15内へ流入し、排気塔15の上部にあ
る排気ルーバ16を介し建屋外部へ放出される。
【0036】以上のように構成した本実施形態の使用済
燃料貯蔵建屋1によれば、以下のような効果を奏する。
【0037】(1)キャニスタの均一かつ十分な冷却 本実施形態の使用済燃料貯蔵建屋1においては、各キャ
ニスタ貯蔵セル12L,12R内において建屋外周側壁
面38の外気取入口14から導入された冷却風Pは、建
屋中心側へ向かって流れた後、排気通路37を経て排気
塔15へと流入する。このような建屋外周側から建屋中
心側への一様かつ円滑な冷却風流れにより、キャニスタ
6の均一な冷却効果を確保することができる。また、一
般に使用済燃料をキャニスタに収納して建屋内に貯蔵す
る場合、キャニスタは自己冷却能力がなく外周部からの
発熱量が比較的大きいので、十分な空冷を行うためには
比較的大きな冷却風量が必要である。本実施形態におい
ては、これに応じて、各キャニスタ貯蔵セル12L,1
2Rの建屋中心側壁面(=仕切壁29)を排気塔外壁2
7よりも建屋中心側に位置させることにより、その逆の
建屋中心側壁面より排気塔外壁のほうが建屋中心側に位
置している従来構造に比べ、流路面積を大きくとること
が可能となっている。したがって、冷却風Pの流量を十
分に確保することができ、キャニスタ6を十分に冷却す
ることができる。
【0038】(2)放射線遮蔽能力の確保 さらに、一般に使用済燃料をキャニスタに収納して建屋
内に貯蔵する場合、キャニスタはキャスクと異なり放射
線遮蔽能力が低いため、建屋内作業員立入領域における
被爆や建屋外への放射線漏洩防止について十分な配慮が
必要である。これに応じて、本実施形態においては、各
キャニスタ貯蔵セル12L,12Rの建屋中心側壁面
(=仕切壁29)の上部に連続して遮蔽用構造物28を
設け、しかもこの構造物28を排気塔15内部に上方に
延ばして配置している。これにより、各キャニスタ貯蔵
セル12L,12R内から排気通路37を介し例えば図
1中破線矢印アのように斜め上方に排気塔15内へ向か
って放射線漏洩が生じたとしても、排気塔15内の遮蔽
用構造物28によって遮蔽され、それ以上の漏洩は防止
される。これにより、作業員の立入領域であるキャニス
タ貯蔵セル階上フロア33L,33Rでの作業員の被爆
を防止できるとともに、建屋外への放射性漏洩も防止で
き、十分な放射線遮蔽能力を備えることができる。した
がって、排気塔外壁27自体が遮蔽機能を備える必要は
ないため、その厚さを可能な限り薄くすることができ
る。これにより、排気塔15の荷重が小さくなるため、
その下部構造において耐震上十分な強度を確保すること
ができる。また、排気塔15の太さ方向寸法(図1中の
a)の増大を防止できるので、結果として建屋容積が低
減でき、使用済燃料貯蔵建屋の高密度化が可能となる。
【0039】また、遮蔽用構造物28が鉛直壁面部28
aを備えた構造であることにより、その下部の仕切壁2
9と合わせて略一枚板構造とすることが可能となる。こ
れにより、構造の簡素化を図れるとともに、これによっ
ても排気塔15の太さ方向寸法(図1中のa)の増大を
防止でき、コスト低減を図ることができる。さらにこの
とき、排気通路37直下の仕切壁29近傍からの放射線
は、鉛直壁面部28aだけでは十分に遮蔽されず、排気
塔15内部のかなり上方にまで至る可能性がないとは言
えない。本実施形態においては、排気塔15内部の構造
物28が水平壁面部28bを備えることにより、このよ
うな場合の放射線も確実に遮蔽し、排気塔15内部の上
方に至るのを防止できる。
【0040】(3)自走式装荷機の共用化 本実施形態の使用済燃料貯蔵建屋1においては、キャス
クピット階上フロア30Lの床面31L、キャスクピッ
ト階上フロア30Rの床面31R、接続床面32、キャ
ニスタ貯蔵セル12Lの階上フロア33Lの床面34
L、及びキャニスタ貯蔵セル12Rの階上フロア33R
の床面34Rが略同一高さとなっている。そして、これ
を利用して走行用レール19L,19R,19Hが設け
られ、自走式装荷機18は、全体として、それら略同一
高さの床面31L,34L,32,31R,34R上の
相互間において自在に走行可能となっている。これによ
り、接続床面32を介し、図1〜図4中左側にあるキャ
スクピット階上フロア31L及びキャニスタ貯蔵セル階
上フロア34Lと、右側にあるキャスクピット階上フロ
ア31R及びキャニスタ貯蔵セル階上フロア34Rとの
両方に、1つの自走式装荷機18のみでアクセス可能と
なる。すなわち、1つの自走式装荷機18のみで、各キ
ャスクピット5L,5Rから対応するキャニスタ貯蔵セ
ル12L,12Rへのキャニスタ6の運搬を行うことが
できる。したがって例えば、一方のキャニスタ貯蔵セル
12が満杯でキャニスタ6を貯蔵できなくなった場合
も、自走式装荷機18を用いてもう一方のキヤニスタ貯
蔵セル12へキャニスタ6を貯蔵することが可能とな
る。また、一方のキャスクピット5でクレーン17によ
るキャスク搬入等何らかの作業が行われていても、自走
式装荷機18で他方のキャスクピット5からキャニスタ
貯蔵セル12への運搬を行うことができる。
【0041】(4)クレーンの共用化 本実施形態の使用済燃料貯蔵建屋1においては、図1〜
図4中左側と右側とに分かれたキャスクピット5L,5
Rの間にトレーラー3を進入させる構造とし、かつ、ク
レーン17がレール39上を自走することで図3中左右
方向に移動自在に構成されている。これにより、1つの
天井クレーン17のみで、両側のキャスクピット階上フ
ロア30L,30Rをカバーすることが可能となり、ト
レーラー3からいずれのキャスクピット5a,5bにも
キャスク2の運搬を行うことができる。また、一方のキ
ャスクピット5で自走式装荷機18によるキャニスタ運
搬等の何らかの作業が行われていても、クレーン17で
トレーラー3から他方のキャスクピット5への搬入を行
うことができる。
【0042】(5)マット物量低減 前述したように、自走式装荷機18は、走行手段及びス
ライド手段によって装荷機本体18bを位置決めする
が、このとき、枠体18a上に装荷機本体18bがスラ
イド自在に搭載されている構造上、キャニスタ貯蔵セル
階上フロア33L,33Rの図4中手前側(図5及び図
6中右側)端部ぎりぎりまで自走式装荷機18を寄せた
としても、装荷機本体18bをその端部ぎりぎりまで寄
せることはできない。
【0043】したがって、キャニスタ貯蔵セル12L,
12Rの図2中手前側(図5及び図6中右側)端部ぎり
ぎりの位置にキャニスタ6を下ろし貯蔵したい場合に
は、キャニスタ貯蔵セル階上フロア33L,33Rの図
4中手前側(図5及び図6中右側)内壁面40の位置
を、あらかじめキャニスタ貯蔵セル12L,12Rの図
2中手前側(図5及び図6中右側)内壁面41の位置よ
りも図4中手前側(図5及び図6中右側)に設定してお
く必要がある。
【0044】このような内壁面40と内壁面41との位
置の差に係わらず対応する外壁42と外壁43との位置
をもし同じにすると、キャニスタ貯蔵セル12L,12
Rの内壁面41と外壁43との間が不必要に厚くなり、
マット増大につながる。そこで本実施形態の使用済燃料
貯蔵建屋1では、キャニスタ貯蔵セル12L,12Rの
階上フロア33L,33Rの外壁42が、キャニスタ貯
蔵セル12L,12Rの外壁43よりも、図4中手前側
(図5及び図6中右側)に張り出した構造とし、ここに
自走式装荷機18の端部を収納することで、図5中寸法
bに相当するマット物量の低減を図っている。
【0045】(6)増設の容易化 本実施形態では、上述したように、建屋内部のうち使用
済燃料を貯蔵するキャニスタ貯蔵エリア7を、仕切壁2
9を用いてキャニスタ貯蔵セル12に仕切る構造とする
ことにより、キャニスタ貯蔵エリア7の標準化を可能と
している。これによって、周辺環境に対する隔離性を確
保しつつ、放射線管理の厳しいキャニスタ貯蔵セル12
を容易に増設することができる。この増設した構造の一
例を図7及び図8に示す。
【0046】図7は、キャニスタ貯蔵セル12を複数個
増設した場合における使用済燃料貯蔵建屋の地上1階部
分の構造を表す水平断面図であり、図2に対応する図で
ある。また、図8は、図7中VIII−VIII断面による鉛直
断面図であり、図6に対応する図である。これら図7及
び図8に示すように、増設の際には、同一寸法・同一構
造のキャニスタ貯蔵セル12L,12Rを、図2及び図
6の構造から並列に継ぎ足していく。またこのとき図5
及び図6と図8、あるいは図2と図7とを比較してわか
るように、増設の際には、キャニスタ貯蔵セル階上フロ
ア33L,33Rの外壁42の撤去作業のみが必要であ
り、キャニスタ貯蔵セル12L,12Rの外壁43の躯
体の撤去の必要はなく、そのままさらなるキャニスタ貯
蔵セル12L,12を引き続き継ぎ足していけばよい。
これにより、厳しい放射線管理区域であるキャニスタ貯
蔵セル12L,12Rの周辺環境に対する隔離性を確保
しつつ、増設を容易に行うことができる。
【0047】
【発明の効果】本発明によれば、各小部屋の建屋中心側
壁面を、排気塔壁面よりも建屋中心側に位置させるの
で、使用済燃料をキャニスタに収納して貯蔵する場合で
も均一かつ十分な冷却効果を確保できる。また、各小部
屋の建屋中心側壁面の上部に連続して排気塔内部上方に
延びる遮蔽用構造物を設けるので、耐震上強度に影響を
与えることなく十分な放射線遮蔽能力を得ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による使用済燃料貯蔵建屋
の要部構造を表す断面図である。
【図2】図1に示した使用済燃料貯蔵建屋の地上1階部
分の構造を表す水平断面図である。
【図3】図2中III−III断面による鉛直断面図である。
【図4】図1に示した使用済燃料貯蔵建屋の地上2階部
分の構造を表す水平断面図である。
【図5】図2及び図4中V−V断面による鉛直断面図で
ある。
【図6】図2及び図4中VI−VI断面による鉛直断面図で
ある。
【図7】キャニスタ貯蔵セルを複数個増設した変形例に
おける使用済燃料貯蔵建屋の地上1階部分の構造を表す
水平断面図である。
【図8】図7中VIII−VIII断面による鉛直断面図であ
る。
【符号の説明】
1 使用済燃料貯蔵建屋 2 キャスク 3 トレーラ 4 トレーラエリア(トレーラーの侵入領域) 5L キャスクピット(第1キャスクピット) 5R キャスクピット(第2キャスクピット) 6 キャニスタ 7 キャニスタ貯蔵エリア(使用済燃料を貯蔵
する部分) 12L キャニスタ貯蔵セル(第1小部屋) 12R キャニスタ貯蔵セル(第2小部屋) 14 外気取入口 15 排気塔 17 天井クレーン(クレーン) 18 自走式装荷機(自走式運搬手段) 27 排気塔外壁(排気塔壁面) 28 構造物 28a 鉛直壁面部(第1壁面) 28b 水平壁面部(第2壁面) 29 仕切壁 30L,R キャスクピット階上フロア 31L,R キャスクピット階上フロアの床面 32 接続床面 33L,R キャニスタ貯蔵セル階上フロア 34L,R キャニスタ貯蔵セル階上フロアの床面 37 排気通路 38 キャニスタ貯蔵セルの建屋外周側壁面
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年2月19日(1999.2.1
9)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正内容】
【0009】ところが、近年、遮蔽コスト低減の観点か
ら、このように各使用済燃料ごとに放射線遮蔽を行わ
ず、建屋壁面側に放射線遮蔽能力をまとめて持たせる方
法が提唱されている。公知例としては、使用済燃料貯蔵
施設ではないが、放射性廃棄物貯蔵施設に関するものと
して、例えば国際公開番号WO98/36423号公報
に開示のものがある。この放射性廃棄物貯蔵施設では、
放射性廃棄物固化体を、放射線遮蔽能力が低くかつ自己
冷却能力をもたないキャニスタに収納しただけの状態
で、建屋内の貯蔵室に配列している。そして、放射線の
遮蔽については、使用済燃料を貯蔵配置しておく建屋壁
面側に十分な遮蔽能力を持たせることで対応している。
フロントページの続き (72)発明者 金井 秀俊 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立工場内 (72)発明者 原 潔 東京都港区元赤坂1丁目2番7号 鹿島建 設株式会社内 (72)発明者 松尾 一平 東京都港区元赤坂1丁目2番7号 鹿島建 設株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】建屋中心側上部に排気塔を立設し、建屋内
    部のうち使用済燃料を貯蔵する部分を少なくとも1つの
    仕切壁を介して複数の略箱形の小部屋に仕切り、各小部
    屋の建屋外周側壁面に外気取入口を設け、各小部屋の建
    屋中心側領域から前記排気塔へと連通する排気通路を設
    け、各小部屋内に使用済燃料入りキャニスタを貯蔵する
    使用済燃料貯蔵建屋において、 各小部屋の建屋中心側壁面は、排気塔壁面よりも建屋中
    心側に位置しており、 かつ、その各小部屋の建屋中心側壁面の上部に連続し
    て、前記排気塔内部上方に延びる遮蔽用構造物を設けた
    ことを特徴とする使用済燃料貯蔵建屋。
  2. 【請求項2】請求項1記載の使用済燃料貯蔵建屋におい
    て、前記遮蔽用構造物は、前記排気塔内部に略鉛直方向
    に配置された第1壁面を備えていることを特徴とする使
    用済燃料貯蔵建屋。
  3. 【請求項3】請求項1または2記載の使用済燃料貯蔵建
    屋において、前記遮蔽用構造物は、前記排気塔内部に略
    水平方向に配置された第2壁面を備えていることを特徴
    とする使用済燃料貯蔵建屋。
  4. 【請求項4】請求項1記載の使用済燃料貯蔵建屋におい
    て、前記複数の小部屋を、前記排気塔を挟んで第1の側
    及びその反対側である第2の側にそれぞれ位置する、少
    なくとも1つの第1小部屋及び第2小部屋に分けて配置
    し、キャスク内に収納された前記使用済燃料入りキャニ
    スタを該キャスクから取り出すためのキャスクピット
    を、前記第1小部屋に対応した前記第1の側の第1キャ
    スクピットと、前記第2の部屋に対応した前記第2の側
    の第2キャスクピットとに分けて配置し、前記第1キャ
    スクピットの階上フロアの床面と前記第2キャスクピッ
    トの階上フロアの床面とを接続する接続床面を設け、前
    記第1及び第2キャスクピットの階上フロアの床面、前
    記第1及び第2小部屋の階上フロアの床面、及び前記接
    続床面をすべて略同一高さとし、前記略同一高さの床面
    上の相互間において自在に走行し、前記第1及び第2キ
    ャスクピットで取り出されたキャニスタを前記第1及び
    第2小部屋にそれぞれ運搬する自走式運搬手段を設けた
    ことを特徴とする使用済燃料貯蔵建屋。
  5. 【請求項5】請求項1記載の使用済燃料貯蔵建屋におい
    て、前記複数の小部屋を、前記排気塔を挟んで第1の側
    及びその反対側である第2の側にそれぞれ位置する、少
    なくとも1つの第1小部屋及び第2小部屋に分けて配置
    し、キャスク内に収納された前記使用済燃料入りキャニ
    スタを該キャスクから取り出すためのキャスクピット
    を、前記第1小部屋に対応した前記第1の側の第1キャ
    スクピットと、前記第2の部屋に対応した前記第2の側
    の第2キャスクピットとに分けて配置し、これら第1キ
    ャスクピットと第2キャスクピットとの間に、前記キャ
    スクを積載し建屋内に搬入するトレーラーの進入領域を
    設け、前記進入領域に進入した前記トレーラーに積載さ
    れたキャスクを吊架し、前記第1または第2キャスクピ
    ットへ運搬するクレーンを設けたことを特徴とする使用
    済燃料貯蔵建屋。
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