JP2003167095A - キャスク貯蔵施設 - Google Patents
キャスク貯蔵施設Info
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Abstract
数を削減することができ、生産性の高いキャスク貯蔵施
設を提供すること、又建屋が過度に温度上昇することを
防止し、建屋の放射線遮へい性能を高め、健全性を高め
たキャスク貯蔵施設を提供することにある。 【解決手段】本発明は、放射性物質又は使用済燃料を内
蔵した密封容器を貯蔵する貯蔵室を備え、該貯蔵室に外
部から取り入れた空気を前記貯蔵室に取り入れる吸気口
及び前記貯蔵室内の空気を外部に排出する排気口を有す
るキャスク貯蔵施設において、前記排気口と前記貯蔵室
とを結び前記貯蔵室の天井の最上部に接続された排気ダ
クトと、前記吸気口と前記貯蔵室とを結び前記貯蔵室の
側壁に接続された吸気ダクトとを有し、該吸気ダクトは
前記排気ダクトに隣接して設けられていることを特徴と
する。
Description
棄物や原子力発電所から発生する使用済燃料等の発熱を
伴う放射性物質を収納したキャスクを貯蔵する新規なキ
ャスク貯蔵施設に関する。
合体は、ウラン及びプルトニウム等の再使用可能な核燃
料物質を回収するために再処理するが、このときに発生
する高レベル放射性廃棄物はガラス固化される。この放
射性廃棄物ガラス固化体は崩壊熱が発生するため、発熱
量が小さくなり処分が可能になるまでの間冷却しながら
貯蔵する必要がある。また、使用済燃料集合体は、再処
理されるまでの間原子力発電所内の貯蔵プールに保管さ
れるが、年々増大する使用済燃料集合体に原子力発電所
内の貯蔵プールが容量不足となり、長期間貯蔵可能な新
たな貯蔵施設の建設が望まれている。この貯蔵施設に
は、コスト及び長期に亘る安全性や実績から、キャスク
による貯蔵が考えられている。
ャスクの冷却性能維持、キャスクからのガンマ線及び中
性子線の遮へい性能維持、これらの性能を維持するため
に十分な構造強度が必要とされる。
開平9−26497号公報、特開2000−18058
6号公報及び特開平9−113679号公報に記載され
た貯蔵施設がある。
ャスク貯蔵施設では、キャスク貯蔵室の中にキャスク搬
送用の天井クレーンを設け、建屋の下部側壁に冷却空気
の給気口を、また上部側壁又は天井中央に排気口を設け
る構成としている。この構成によれば、キャスクからの
熱によりキャスク周囲の空気温度は上昇して貯蔵室上部
に設けられた排気口より排出され、同時に吸気口下部に
設けられた吸気口より低温の外部の空気が流入されるた
め、貯蔵室内に空気の自然循環が生じてキャスクの冷却
性能を維持することができる。また、キャスクからの放
射線は、十分な厚さを持つ貯蔵室の壁又は天井にて遮へ
いを行う。
及び特開平9−113679号公報に示されたキャスク
貯蔵施設では、貯蔵室天井の上側にブリッジ型の搬送ク
レーンを設置し、貯蔵室天井が開閉式となって貯蔵室内
にキャスクを搬入及び搬出する構造となっている。キャ
スクを冷却するための給気口を貯蔵室の側壁に、排気口
を貯蔵室の側壁又は天井に設ける構造とし、冷却空気流
路を構成している。キャスクからの放射線は、十分な厚
さを持つ貯蔵室の壁又は天井にて遮へいを行う。
蔵施設では、いずれも吸気口が貯蔵室側面に設けられて
いるため、吸気口がある側面に別の貯蔵室を併設する場
合は、吸気口から十分に空気が取り入れられるよう、貯
蔵室同士の間隔を十分に空けて設置する必要がある。こ
のため、多数の貯蔵室を併設する場合、建屋の床面積よ
りも余分に敷地が必要となる。また、施設周辺の警官へ
の配慮などから、貯蔵室を地中に設けようとする場合、
上記従来のキャスク貯蔵施設では吸気口が貯蔵室側面の
下方に設けられているため、さらに吸気口から地上まで
吸気ダクトを設けて空気を取り入れる必要がある。そう
すると、1つの貯蔵室に対し、排気用と吸気用の2つの
ダクトを建設する必要があるため、建設コストの増大を
招くことになる。
び本数を削減することができ、生産性の高いキャスク貯
蔵施設を提供することにある。
昇することを防止し、建屋の放射線遮へい性能を高め、
健全性を高めたキャスク貯蔵施設を提供することにあ
る。
は使用済燃料を内蔵した密封容器を貯蔵する貯蔵室を備
え、該貯蔵室に外部から取り入れた空気を前記貯蔵室に
取り入れる吸気口及び前記貯蔵室内の空気を外部に排出
する排気口を有するキャスク貯蔵施設において、前記排
気口と前記貯蔵室とを結び前記貯蔵室の天井の最上部に
接続された排気ダクトと、前記吸気口と前記貯蔵室とを
結び前記貯蔵室の側壁に接続された吸気ダクトとを有
し、該吸気ダクトは前記排気ダクトに隣接して設けられ
ていることを特徴とする。
気口と前記貯蔵室とを結び前記貯蔵室の天井の最上部に
接続された吸気ダクトと、前記排気口と前記貯蔵室とを
結び前記貯蔵室の側壁に接続された排気ダクトとを有
し、前記吸気ダクトは前記排気ダクトに隣接して設けら
れていることを特徴とする。
前記排気口及び吸気口が前記貯蔵室の天井の外側に配置
されていることを特徴とする。
室の天井又は壁の内側面に、前記貯蔵室を構成する構造
物より熱伝導性が低く、かつ前記構造物より多い水素原
子含有量を有する材料が貼られていることを特徴とす
る。
を結ぶ排気ダクトを貯蔵室の天井又は側壁の最上部に接
続し、さらに吸気口と貯蔵室とを結ぶ吸気ダクトを排気
ダクトに隣接して設け、吸気ダクトと排気ダクトを一体
化することにある。吸気ダクトを貯蔵室上部に設けた排
気ダクトの隣に設置することで、従来のキャスク貯蔵施
設にあった、建屋側面下部の吸気口を設ける必要がな
い。このため、建屋を2つ以上併設する場合、建屋と建
屋の間に吸気のための空間を設ける必要が無く、建屋同
士を密着して設置することが可能となり、敷地面積の削
減による建設コスト低減を図ることができる。また、吸
気口が下部に存在しないため、吸気口からの放射線スト
リーミングによる貯蔵施設境界への放射線量の影響を、
大幅に低減することができる。
慮し、貯蔵室床面を地表面よりも下方に設けることにあ
る。それにより、地表面から見た貯蔵建屋の高さをでき
るだけ低くすることができ、貯蔵施設周辺に対する景観
を著しく向上することができる。また、貯蔵室側面から
の放射線量が低減するため、建屋の放射線遮へい能力を
向上することができる。
面を、排気ダクトの遠方に置いて最も低く、排気ダクト
の接続位置において最も高くなるように傾斜して設ける
ことにある。キャスクからの発熱により高温となった空
気は、密度が低いためにどんどん上昇しようとする。こ
のため、排気ダクトの位置で最も高くなるように天井面
を傾斜させておくと、排気ダクトに向かって、高温の空
気がスムーズに流れ、空気の自然循環を促進するととも
に、高温の空気による淀みの発生を防止し、建屋が局所
的に高温となることを防止することができる。
と貯蔵室の接続位置を、貯蔵室の最下部に設けることに
ある。それにより、貯蔵室内では、貯蔵室下部に導入さ
れた低温の空気が、キャスクの周囲を通過しながら暖め
られて上昇し、貯蔵室上部の排気ダクトへと、空気の流
れが一方向になるため、自然循環が無理なく行われ、高
温の空気による淀みの発生を防止し、建屋が局所的に高
温となることを防止することができる。
側壁面又は床面に板を設置し、壁面又は床面と板との間
に空気流路を形成することにある。それにより、キャス
ク表面からの熱放射による建屋壁面又は床面の温度上昇
を防止し、貯蔵施設の健全性を高めることができる。
側壁面又は床面に板を設置し、壁面又は床面と板との間
に空気流路を形成し、吸気ダクトがこの空気流路と接続
していることにある。それにより、貯蔵室の壁又は床の
表面には低温の空気が流れるため、建屋の壁又は床の温
度上昇を著しく防止し、貯蔵施設の健全性を高めること
ができる。
キャスクの底面と貯蔵室の床面との間に空隙を設けるこ
とにある。それにより、吸気口から遠方のキャスクと吸
気口との間に他のキャスクが存在する場合、キャスクと
床面の間に空隙を設けることで、吸気口から遠方のキャ
スクにおいても低温の空気が到達しやすくなり、全ての
位置におけるキャスクを一様に冷却することができる。
又は側壁の内側面に合成樹脂製の板材を設置することに
ある。それにより、合成樹脂による断熱効果で、建屋の
天井又は壁面の温度を低下させることができるととも
に、建屋天井又は壁面を通過する中性子線量を低減する
ことができ、貯蔵施設の遮へい性能を向上することがで
きる。
壁材より熱伝導性が低く、かつ壁材としての構造材より
水素原子含有量が大きな材料を貼り付けることで、建屋
の天井又は壁面の温度低下と、貯蔵施設の遮へい性能の
向上を図ることができる。
ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂、
又はエンジニアリングプラスチック、又はエポキシ樹
脂、又はシリコーンゴム又はシリコーン樹脂が好まし
く、建屋の天井又は壁面の温度低下と、貯蔵施設の遮へ
い性能の向上を図ることができる。
の内側面に、壁材より熱伝導性が低く、かつ壁材より水
素原子含有量が大きな材料を使用し、その内側に空気流
路を設けることで、貯蔵施設の遮へい性能の向上を図
り、さらに壁材と、貯蔵室天井又は壁の内側面に設置す
る、壁材より熱伝導性が低くかつ壁材より水素原子含有
量が大きな材料の両方の温度低減を図ることができる。
の内側面に設置する、壁材より熱伝導性が低く、かつ壁
材より水素原子含有量が大きな材料の表面及び内部に、
その材料を設置する天井又は壁面に平行に良熱伝導板を
設置することで、壁面及び壁材より熱伝導性が低く、か
つ壁材より水素原子含有量が大きな材料の両方の局所的
な温度上昇を防止することができる。
明の好適な一実施例を示すキャスク貯蔵施設の図であ
る。図1は本発明のキャスク貯蔵施設の縦断面図、図2
本発明のキャスク貯蔵施設の平面図、図3は本発明のキ
ャスク貯蔵施設におけるキャスク貯蔵室内部の斜視図、
図4は本発明の貯蔵状態におけるキャスク付近の拡大
図、図5は本発明のキャスク貯蔵室内の縦断面での空気
の流れを示した模式図及び図6は本発明のキャスク貯蔵
室内の水平断面での空気の流れを示した模式図である。
電所から発生した使用済燃料集合体又は放射性廃棄物を
収納し密封した金属製の密封容器である金属キャスクを
貯蔵する施設1である。この施設はコンクリート製の建
屋からなり、図2の平面図に示すように、キャスク貯蔵
建屋2及びキャスク受入建屋3の内部が構成される。
トレーラが入るトレーラエリア4、天井クレーンを用い
てキャスクをトレーラに積み降ろしするキャスク受入エ
リア5、受入、搬出するキャスクの各種検査を行うキャ
スク検査エリア6、及び受入れたキャスクを一時保管で
きるキャスク仮置きエリア7から構成される。また、受
入建屋には事務室、入退域管理室、電気品室、パレット
補修エリア10及び管理制御室等も配されている。ま
た、キャスク貯蔵建屋は、キャスク搬送エリア8及びキ
ャスク貯蔵室9から構成される。
5及びキャスク仮置きエリア7と、キャスク貯蔵建屋2
のキャスク搬送エリア8及びキャスク貯蔵室9は、地下
部分に設置され、各エリアの床面の高さは同一に設定さ
れている。
されてきたキャスク11は、キャスク受入建屋3内のト
レーラエリア4で天井クレーンによりキャスク受入エリ
ア5に運ばれる。キャスク受入エリア5には、キャスク
搬送用のエアパレット搬送システム又はフォークリフト
の類のキャスク搬送システムがあらかじめ用意され、キ
ャスク受入エリア5に運ばれたキャスク11は、キャス
ク搬送システムの上に搭載される。キャスク搬送システ
ムに搭載されたキャスク11は、まずキャスク仮置きエ
リア7に運ばれて一時保管される。一時保管後、キャス
ク11は再びキャスク搬送システムに搭載され、キャス
ク検査エリア6に運ばれる。そこで、キャスク11の外
観検査、線量率測定検査、密封確認検査、温度測定検
査、表面汚染測定検査等の各種検査が行われる。また、
キャスク検査エリア6では、トレーラからの吊り降ろし
に用いた天井クレーンを用いることができるため、キャ
スク11の両端につけられた緩衝体が外されるととも
に、キャスク11は縦向きにされてキャスク搬送システ
ムに搭載される。
9までのキャスク11の搬送は、天井クレーンを用いず
に、すべてキャスク搬送システムにより行う。検査の終
えたキャスク11は、キャスク搬送システムによって、
キャスク貯蔵建屋2のキャスク搬送エリア8を経て、キ
ャスク貯蔵室9に搬送される。所定の貯蔵位置に搬送さ
れたキャスク11は、あらかじめ床に設置されたキャス
ク固定架台12にボルトで固定され、キャスク搬送シス
テムが取り除かれ、貯蔵が開始される。
すとおり、キャスク冷却用空気の吸気口13及び排気口
14が、吸気ダクト15及び排気ダクト16を介して設
けられ、放射性物質により発熱するキャスクを冷却す
る。吸気口13と排気口14とは互いに直角となるよう
に設けられている。図1においては、吸気口13は紙面
垂直方向に開口している。このようにすることにより、
キャスク貯蔵室9を2つ以上設ける場合、図1に示すと
おり、キャスク貯蔵室9同士が密接するように設けるこ
とが可能となる。
9とを結び貯蔵室9の天井の最上部に接続された排気ダ
クト16と、吸気口13と貯蔵室9とを結び貯蔵室9の
側壁に接続された吸気ダクト15とを有し、吸気ダクト
15は排気ダクト16に隣接して設けられているが、こ
の構造に対して、排気口14と排気ダクト16を、吸気
口13と吸気ダクト15とに変えた構造でも達成できる
ものである。
に示すように、吸気口13と貯蔵室9とを結び貯蔵室9
の天井の最上部に接続された吸気ダクト15と、排気口
14と貯蔵室9とを結び前記貯蔵室の側壁に接続された
排気ダクトとを有し、排気口14及び吸気口13が貯蔵
室9の天井の外側に配置されている。キャスク貯蔵設備
は、約85m×約95mと大きな建物であるが、このよ
うな建物に対して、排気口14と吸気口13が一体にな
って、貯蔵室9の天井の外側に8個、良好な空気の吸気
及び排気が行われるように必要最小限の数で整然と配置
させることができ、従って、よりコンパクトな構造とな
る。
いるため、吸気口13及び排気口14は、キャスク貯蔵
室9よりも上方に設置されている。このため、吸気ダク
ト15及び排気ダクト16が、キャスク貯蔵室9から上
方にのびることになる。キャスク貯蔵室9の側壁側に吸
気ダクト15が設けられ、吸気ダクト15に隣接して排
気ダクト16が設けられ、おのおの上端にて吸気口13
及び排気口14に接続している。以上の構造により、吸
気ダクト15及び排気ダクト16は、キャスク貯蔵施設
1の外から見た場合、一つのダクトのように見えるた
め、吸気ダクト15と排気ダクト16をそれぞれ独立に
設ける場合に比べて、外観上のダクト本数が1/2に削
減されることになり、キャスク貯蔵施設が周辺住民に与
える威圧感を低減することができる。
スク貯蔵建屋3の外壁は、航空機等の落下物に対して十
分な強度を確保する必要があり、さらにキャスクからの
放射線を遮へいする必要がある。これは、吸気ダクト1
5及び排気ダクト16の外壁に対しても同様である。こ
のため、吸気ダクト15及び排気ダクト16の外壁は、
0.5mないし2mもの厚さが必要であると見積もられ
る。しかし、吸気ダクト15と排気ダクト16を隣接し
て設けることにより、少なくとも吸気ダクト15と排気
ダクト16の間の壁については、落下物に対する強度や
遮へいを必要としないため、壁厚を著しく削減すること
ができ、建屋の建設コストを削減することができる。
から受ける熱により暖められ、温度が上昇する。温度の
上昇とともに密度も減少するため、暖められた空気はキ
ャスク貯蔵室9の上方に上昇する。ここで、キャスク貯
蔵室9の天井面17を、キャスク貯蔵室9の中央で最も
低く、排気ダクト16との接続部で最も高くなるように
傾斜させることにより、キャスク貯蔵室9の上方に上昇
した高温の空気は、さらに排気ダクト16の方に流れ、
排気ダクト16を通って排気口14より外部へ放出され
る。同時に、上昇した空気を補うために、キャスク11
下部に空気が流れ込む。ここで、キャスク貯蔵室9と吸
気ダクト15との接続部18を、キャスク貯蔵室9の下
方に設けることで、高温の空気が吸気ダクト15に流れ
込み逆流するのを防ぎ、外部から吸気口13、吸気ダク
ト15を通って、キャスク11下方に低温の空気がスム
ーズに流れ込むようになる。このようにして、図5に示
すように、吸気口13から排気口14まで自然循環によ
る冷却用空気の流れ19が持続し、貯蔵期間中、キャス
ク11を冷却し続ける。
クト15と排気ダクト16が同じ側壁側に位置してい
る。このため、冷却用空気は、吸気ダクト15及び排気
ダクト16に最も近いキャスク11A周辺で流れやす
く、逆に吸気ダクト15及び排気ダクト16に最も遠い
キャスク11B周辺では流れにくくなる。そこで、吸気
ダクト15及び排気ダクト16に最も遠いキャスク11
Bにまで冷却用空気が流れ込みやすくするため、図4に
示すように、キャスク固定用架台12によって、キャス
ク11の底面とキャスク貯蔵室9の床面20の間に空間
ができるように固定する。そうして、床面20付近で冷
却用空気を流れやすくし、低温の空気が、吸気ダクト1
5及び排気ダクト16に最も遠いキャスク11Bにまで
十分に届くようにしている。
質による発熱のため、表面においても高温となり、内容
物によっては150℃ないし200℃にも達することも
ある。このため、キャスク11表面からの放射熱によ
り、キャスク貯蔵室9の側壁21、天井面17及び床面
20の温度が著しく上昇する。建屋のコンクリート温度
は一般に65℃の制限温度が決められている。そこで、
床面20、側壁21と、キャスク貯蔵建屋2のコンクリ
ート22Aの間に空間23を設け、放射熱が直接コンク
リート22Aに伝わらないようにしている。さらに、図
5及び図6に示すように、この空間23の一端を吸気ダ
クト15に直接接続することにより、空間23内に低温
の空気を流し、コンクリート22Aの温度が制限値を越
えることを防止する。
蔵建屋2から外部への放熱はほとんど期待できないが、
天井17においては、上面より外部への放熱が期待でき
るため、天井面に空間23を設ける代わりに、内側に断
熱材24を設置することで、天井部分のコンクリート2
2Bの温度を低減することができる。この断熱材24
は、熱伝導率がコンクリートと同等か、より低いものな
ら何でもよいが、ポリエチレン樹脂やエポキシ樹脂、ア
クリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリプロピレン樹
脂、アクリル樹脂等の合成樹脂とすることで、樹脂中に
多く含まれる水素により、コンクリートのみに比べて中
性子線の遮へい能力が向上するため、貯蔵施設1の敷地
境界での線量率を低減できる。
成により、キャスク11及び貯蔵建屋のコンクリート2
2に対する冷却性能を維持しつつ、空気ダクトの本数及
びダクト壁の断面積が削減され、建設コストの低減を図
ることができる。また、地上部に露出する建屋の大きさ
が低く抑えられるので、外観上も威圧感のないものとな
る。
スク貯蔵施設の断面図である。実施例1と同一の構成
は、同一符号で示す。本実施例のキャスク貯蔵施設も、
実施例1と同様に、原子力発電所から発生した使用済燃
料集合体又は放射性廃棄物を収納し密封した金属製の容
器である金属キャスクを貯蔵する施設1であり、キャス
ク貯蔵建屋2及びキャスク受入建屋3により構成され
る。
9までのキャスク11の搬送に、キャスク搬送用のエア
パレット搬送システム又はフォークリフトの類のキャス
ク搬送システムではなく、天井クレーン25を用いる点
である。このため、キャスク貯蔵建屋2の天井までの高
さは、実施例1の場合よりも大きくする必要がある。こ
のため、建屋全体の大きさが大きくなり、建設コストが
増加する。しかしながら、建屋全体を地下部分に設置す
ることで、地上部に露出する建屋の大きさは実施例1と
同程度にすることができる。また、キャスク11の搬送
に天井クレーン25を用いるため、キャスク受入エリア
5からキャスク貯蔵室9までを通じて、床面に段差があ
っても問題とはならない。
吸気口13と貯蔵室9とを結び貯蔵室9の天井の最上部
に接続された吸気ダクト15と、排気口14と貯蔵室9
とを結び前記貯蔵室の側壁に接続された排気ダクトとを
有し、排気口14及び吸気口13が貯蔵室9の天井の外
側に配置され、又建物の大きさに応じて設けられる。そ
れにより前述と同様な効果が得られるものである。
スク貯蔵施設の断面図である。実施例1と同一の構成
は、同一符号で示す。本実施例のキャスク貯蔵施設も、
実施例1と同様に、原子力発電所から発生した使用済燃
料集合体又は放射性廃棄物を収納し密封した金属製の容
器である金属キャスクを貯蔵する施設1であり、キャス
ク貯蔵建屋2及びキャスク受入建屋3により構成され
る。
ャスク貯蔵室9までのキャスク11の搬送に、キャスク
搬送用のエアパレット搬送システム又はフォークリフト
の類のキャスク搬送システムではなく、建屋の上に設け
られたブリッジクレーン26を用いる点である。ブリッ
ジクレーン26はキャスク貯蔵建屋2の上の屋外に設け
られており、キャスク貯蔵室9の所定のキャスク貯蔵位
置の上にある天井は開閉可能な蓋27となっている。キ
ャスク11は、キャスク受入建屋3よりキャスク貯蔵室
9まで、ブリッジクレーン26により搬送され、キャス
ク貯蔵室9の所定の貯蔵位置の上に来たら、所定の貯蔵
位置の上にある蓋27を開き(又は、あらかじめ蓋27
を開いておいてからキャスク11を搬送し)、キャスク
11を所定の貯蔵位置に搬入する。この実施例では、キ
ャスク貯蔵建屋2の高さを、実施例1と同様に低く抑え
ることが可能となるとともに、キャスク搬送エリアが不
要となるため、実施例1に比べ、さらに建屋をコンパク
ト化することが可能となる。しかしながら、キャスク1
1をキャスク貯蔵室9内に搬入する際に、蓋27を開く
ため、その開口部を通じて放射線が多く外部へ漏洩し、
キャスク貯蔵施設1の敷地境界における放射線量が増大
するおそれがある。また、キャスク11の搬送にブリッ
ジクレーン26を用いるため、キャスク受入エリア5か
らキャスク貯蔵室9までを通じて、床面に段差があって
も問題とはならない。
吸気口13と貯蔵室9とを結び貯蔵室9の天井の最上部
に接続された吸気ダクト15と、排気口14と貯蔵室9
とを結び前記貯蔵室の側壁に接続された排気ダクトとを
有し、排気口14及び吸気口13が貯蔵室9の天井の外
側に配置され、又建物の大きさに応じて設けられる。そ
れにより前述と同様な効果が得られるものである。
あるキャスク貯蔵施設の断面図である。実施例1と同一
の構成は、同一符号で示す。貯蔵室33の天井32及び
高温空気が接する構造物としての壁31は鉄筋コンクリ
ートの高温空気側に水素含有量がコンクリートよりも多
いポリエチレンを設置している。ポリエチレン30は熱
伝導率がコンクリートの約1W/(m・K)と比べて0.
25〜0.34W/(m・K)と低いため、コンクリート
表面温度の上昇を抑制することができる。加えてコンク
リートよりも使用制限温度が高いため貯蔵室内の許容で
きる最高空気温度を大幅に向上させることができる。ま
た、ポリエチレンは水素含有量がコンクリートより多く
中性子のしゃへい能力がコンクリートより高いため、同
じしゃへい性能を得るために必要なコンクリート厚さを
低減することができる。結果として、天井及び壁の重量
を低減した施設とすることができる。
良熱伝導体36を、壁及び天井に設置するポリエチレン
の表面及び内部、又はポリエチレンを設置する壁もしく
は天井面に平行に設置することで、ポリエチレンの温度
分布を均一にする効果が得られ、ポリエチレンの局所的
な温度上昇を抑止するために有効である。
ク貯蔵施設の断面図である。実施例1と同一の構成は、
同一符号で示す。本実施例では高温空気が接する天井3
2及び壁31にポリエチレン30を貼りかつ、ポリエチ
レンとコンクリートの間に冷却流路37を設ける事を特
徴とする。この実施例では実施例4と同様に、ポリエチ
レンの中性子しゃへい能力がコンクリートより高いた
め、同じしゃへい性能を得るために必要なコンクリート
厚さを低減できる事に加え、ポリエチレンとコンクリー
トの間に設けられた冷却流路37を流れる空気によりコ
ンクリート及びポリエチレンが冷却されるため、コンク
リート及びポリエチレンの温度を低減することができ
る。
良熱伝導体36を、壁及び天井に設置するポリエチレン
の表面及び内部、又はポリエチレンを設置する壁もしく
は天井面に平行に設置することは、ポリエチレンの局所
的な温度上昇を抑止するために有効である。
及び本数を削減することができ、生産性の高いキャスク
貯蔵施設を提供することができる。
上昇することを防止し、建屋の放射線遮へい性能を高
め、健全性を高めたキャスク貯蔵施設を提供するこがで
きる。
る。
貯蔵室内部の斜視図である。
大図である。
の流れを示した模式図である。
気の流れを示した模式図である。
る。
る。
る。
る。
る。
ャスク受入建屋、4…トレーラエリア、5…キャスク受
入エリア、6…キャスク検査エリア、7…キャスク仮置
きエリア、8…キャスク搬送エリア、9…キャスク貯蔵
室、10…パレット補修エリア、11…キャスク、12
…キャスク固定架台、13…吸気口、14…排気口、1
5…吸気ダクト、16…排気ダクト、17…キャスク貯
蔵室9の天井面、18…キャスク貯蔵室9と吸気ダクト
15との接続部、19…冷却用空気の流れ、20…キャ
スク貯蔵室9の床面、21…キャスク貯蔵室9の側壁、
22…キャスク貯蔵建屋2のコンクリート、23…空
間、24…断熱材、25…天井クレーン、26…ブリッ
ジクレーン、27…蓋。
Claims (16)
- 【請求項1】放射性物質又は使用済燃料を内蔵した密封
容器を貯蔵する貯蔵室を備え、該貯蔵室に外部から取り
入れた空気を前記貯蔵室に取り入れる吸気口及び前記貯
蔵室内の空気を外部に排出する排気口を有するキャスク
貯蔵施設において、前記排気口と前記貯蔵室とを結び前
記貯蔵室の天井の最上部に接続された排気ダクトと、前
記吸気口と前記貯蔵室とを結び前記貯蔵室の側壁に接続
された吸気ダクトとを有し、該吸気ダクトは前記排気ダ
クトに隣接して設けられていることを特徴とするキャス
ク貯蔵施設。 - 【請求項2】放射性物質又は使用済燃料を内蔵した密封
容器を貯蔵する貯蔵室を備え、該貯蔵室に外部から取り
入れた空気を前記貯蔵室に取り入れる吸気口及び前記貯
蔵室内の空気を外部に排出する排気口を有するキャスク
貯蔵施設において、前記吸気口と前記貯蔵室とを結び前
記貯蔵室の天井の最上部に接続された吸気ダクトと、前
記排気口と前記貯蔵室とを結び前記貯蔵室の側壁に接続
された排気ダクトとを有し、前記吸気ダクトは前記排気
ダクトに隣接して設けられていることを特徴とするキャ
スク貯蔵施設。 - 【請求項3】放射性物質又は使用済燃料を内蔵した密封
容器を貯蔵する貯蔵室を備え、該貯蔵室に外部から取り
入れた空気を前記貯蔵室に取り入れる吸気口及び前記貯
蔵室内の空気を外部に排出する排気口を有するキャスク
貯蔵施設において、前記排気口と前記貯蔵室とを結び前
記貯蔵室の天井の最上部に接続された排気ダクトと、前
記吸気口と前記貯蔵室とを結び前記貯蔵室の側壁に接続
された吸気ダクトとを有し、前記排気口及び吸気口が前
記貯蔵室の天井面より上側に配置されていることを特徴
とするキャスク貯蔵施設。 - 【請求項4】放射性物質又は使用済燃料を内蔵した密封
容器を貯蔵する貯蔵室を備え、該貯蔵室に外部から取り
入れた空気を前記貯蔵室に取り入れる吸気口及び前記貯
蔵室内の空気を外部に排出する排気口を有するキャスク
貯蔵施設において、前記吸気口と前記貯蔵室とを結び前
記貯蔵室の天井の最上部に接続された吸気ダクトと、前
記排気口と前記貯蔵室とを結び前記貯蔵室の側壁に接続
された排気ダクトとを有し、前記排気口及び吸気口が前
記貯蔵室の天井面より上側に配置されていることを特徴
とするキャスク貯蔵施設。 - 【請求項5】放射性物質又は使用済燃料を内蔵した密封
容器を貯蔵する貯蔵室を備え、該貯蔵室に外部から取り
入れた空気を前記貯蔵室に取り入れる吸気口及び前記貯
蔵室内の空気を外部に排出する排気口を有し、放射性物
質又は使用済燃料から発生する熱を前記密封容器の周囲
を流れる空気によって除去するキャスク貯蔵施設におい
て、前記貯蔵室の天井又は壁の内側面に、前記貯蔵室を
構成する構造物より熱伝導性が低く、かつ前記構造物よ
り多い水素原子含有量を有する材料が設けられているこ
とを特徴とするキャスク貯蔵施設。 - 【請求項6】請求項1〜4のいずれかにおいて、前記貯
蔵室の天井又は壁の内側面に、前記貯蔵室を構成する構
造物より熱伝導性が低く、かつ前記構造物より多い水素
原子含有量を有する材料が設けられていることを特徴と
するキャスク貯蔵施設。 - 【請求項7】請求項1〜6のいずれかにおいて、前記貯
蔵室の床面が、地表面よりも下方に位置することを特徴
とするキャスク貯蔵施設。 - 【請求項8】請求項1〜7のいずれかにおいて、前記貯
蔵室の天井面が、前記排気ダクトより遠方において最も
低く、前記排気ダクトとの接続位置において最も高くな
るように傾斜して設けられていることを特徴とするキャ
スク貯蔵施設。 - 【請求項9】請求項1〜8のいずれかにおいて、前記吸
気ダクトと前記貯蔵室の接続位置が、前記貯蔵室の最下
部に位置することを特徴とするキャスク貯蔵施設。 - 【請求項10】請求項1〜9のいずれかにおいて、前記
貯蔵室の内側壁面又は床面に設置された板と前記壁面又
は床面との間に空気流路を形成することを特徴とするキ
ャスク貯蔵施設。 - 【請求項11】請求項10において、前記吸気ダクトが
前記空気流路と接続していることを特徴とするキャスク
貯蔵施設。 - 【請求項12】請求項1〜11のいずれかにおいて、貯
蔵状態の前記密封容器の底面と前記貯蔵室の床面との間
に空隙が設けられていることを特徴とするキャスク貯蔵
施設。 - 【請求項13】請求項1〜12のいずれかにおいて、前
記水素原子含有量が大きな材料は、合成樹脂製のフイル
ム又は板材であることを特徴とするキャスク貯蔵施設。 - 【請求項14】請求項5〜13において、前記水素原子
含有量が大きな材料は、ポリエチレン及びポリプロピレ
ンのいずれかよりなるオレフィン系樹脂、エンジニアリ
ングプラスチック、エポキシ樹脂、シリコーンゴム及び
シリコーン樹脂のいずれかであることを特徴とするのキ
ャスク貯蔵施設。 - 【請求項15】請求項5〜14のいずれかにおいて、前
記水素原子含有量が大きな材料の中に空気流路を設けた
ことを特徴とするキャスク貯蔵施設。 - 【請求項16】請求項5〜15のいずれかにおいて、前
記水素原子含有量が大きな材料の表面及び内部に、前記
材料を設置する天井又は壁面に対して平行に良熱伝導板
を設置したことを特徴とするキャスク貯蔵施設。
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JP2001366225A JP3881545B2 (ja) | 2001-11-30 | 2001-11-30 | キャスク貯蔵施設 |
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