JPH1184068A - 放射性物質の貯蔵設備 - Google Patents

放射性物質の貯蔵設備

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JPH1184068A
JPH1184068A JP9248770A JP24877097A JPH1184068A JP H1184068 A JPH1184068 A JP H1184068A JP 9248770 A JP9248770 A JP 9248770A JP 24877097 A JP24877097 A JP 24877097A JP H1184068 A JPH1184068 A JP H1184068A
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Hideaki Kurokawa
秀昭 黒川
Masashi Oda
将史 小田
Naoki Kumagai
直己 熊谷
Hidetoshi Kanai
秀俊 金井
Takehisa Yamazaki
武久 山崎
Youji Tokuhira
洋史 得平
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Hitachi Ltd
Takenaka Komuten Co Ltd
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Hitachi Ltd
Takenaka Komuten Co Ltd
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 数十年にわたって安全に使用済燃料などの放
射性物質を貯蔵できるコンクリートキャスクを主とする
放射性物質の貯蔵設備を提供する。 【解決手段】 貯蔵初期の高発熱量、高放射線量の時
に、除熱促進と遮蔽を兼ねる除熱遮蔽促進カバー106
を貯蔵設備100のコンクリート遮蔽体101の外周部
に被せる。その際、除熱については、スタック部108
を設けて煙突効果によって冷却空気流の流量を増大さ
せ、遮蔽については、遮蔽部107の材料や多層構造を
勘案して遮蔽すべき放射線の種類に対応した構造をと
る。除熱遮蔽促進カバー106は、貯蔵初期の高発熱、
高放射線量時における除熱・遮蔽機能を補強することか
ら、コンクリート遮蔽体(キャスク)自身は、貯蔵初期
の条件に対応させる必要がなくなり、コンクリート遮蔽
体(キャスク)自身を小さくすることが可能となり、よ
り低コストで提供できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】発明は、放射性物質の貯蔵設
備に係り、特に、原子力発電所から発生する使用済燃料
等の放射性物質等の高レベル放射性物質を貯蔵するのに
最適な放射性物質の貯蔵設備に関するものである。
【0002】
【従来の技術】原子力発電所から発生する使用済燃料集
合体は、解体処理するとともにプルトニウム等の再度燃
料として使用できる有用物質を回収するため、再処理さ
れる計画にある。従来、この様な使用済燃料集合体は、
その再処理を行なうまでの間、原子炉の燃料集合体プー
ル等に一時保管される方式がとられれきたが、年々増大
する使用済燃料集合体によりそのプール等の保管設備も
限界に達するおそれがある。そこで、再処理を行なうま
での期間、安全に、安価にかつ取り出し可能な状態で長
期間保管できる設備が必要となってきている。
【0003】前記した様に、使用済燃料は発電所に既設
の燃料貯蔵プールにおいて貯蔵されてきたが、従来の水
に代わって空気による自然冷却を行う乾式法の開発が進
められ、プール法に比べて運転コストが低いことから注
目されている。
【0004】乾式法にも種類があるが大きく分類する
と、従来の輸送キャスクに似た金属キャスク法と溶接密
封金属容器(以下、「キャニスタ」と称する。)を用い
た方法の2つに分けられる。キャニスタ方式にはさら
に、多数のキャニスタを1つの貯蔵設備で遮蔽するボー
ルト方式と、1つのキャニスタ毎に1つのコンクリート
構造物で遮蔽するサイロもしくはコンクリートキャスク
方式とに分けられる。それぞれの方式に一長一短がある
が、近年、米国ではコンクリートキャスク方式が低コス
トであることから注目されてきている。この様な放射性
物質乾式貯蔵設備としては、原子力工業、第38巻、第
10号(1992)、NRC Safety AnalysisReport, ADO
CK 07201007等に示されている。
【0005】図5および図6に従来から実施されている
コンクリートキャスクの方式の貯蔵設備100の概略構
成を示す。図5は当該貯蔵設備の縦断面図、図6は横断
面図である。この貯蔵設備100は、コンクリート遮蔽
体101とキャニスタ102とから基本的に構成されて
いる。キャニスタ102は、使用済燃料集合体を複数体
封入した溶接密封構造であり、封入した内部の放射性物
質が外部に漏洩しない構造を有し、円筒状に形成されて
いる。さらに内部の使用済燃料集合体から発生する崩壊
熱はキャニスタ外部の空気によって冷却される。キャニ
スタ102は同じく円筒状のコンクリート遮蔽体101
の中に装荷され、コンクリート遮蔽体101とキャニス
タ102の間には一定の空気流路105を形成するギャ
ップが設けられる。この空気流路105に外部空気を導
入するために、コンクリート遮蔽体101には吸気口1
03および排気口104が設けられ、前記空気流路10
5と連通している。吸気口103はコンクリート遮蔽体
101の底部側に設けられ、排気口は104は上部側に
設けられている。
【0006】通常、使用済燃料からは崩壊熱に伴う発熱
と放射線の発生を伴う。したがって、使用済燃料の貯蔵
設備100は使用済燃料の冷却、放射線の遮蔽、放射性
物質の密封性能が必要になる。コンクリートキャスク方
式では、冷却はキャニスタ102とコンクリート遮蔽体
101間の空気流路105を流れる空気で、遮蔽は外側
のコンクリート遮蔽体101で、密封はキャニスタ10
2で担保する。ここで、密封は絶対に放射性物質が外部
に漏洩しないこと、遮蔽は貯蔵施設内や施設外の放射線
量が法律による規準以下であること、冷却では、通常4
0年間の貯蔵期間中、使用済燃料の燃料被覆管の表面温
度が約400℃を越えず、かつコンクリート構造部の温
度が65℃を越えないようにすることが要求されてい
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、これまでコ
ンクリートキャスク方式の貯蔵設備は米国での使用を前
提として開発されていることから、米国の安全基準で設
計されてきた。表1に米国で実用化されつつあるコンク
リートキャスクの性能(コンクリート温度およびスカイ
シャイン値)と日本での目標値の比較結果を示す。
【0008】
【表1】
【0009】この結果、タイプAとタイプBのどちらの
コンクリートキャスクにおいてもコンクリートの内面温
度は日本での基準値である65℃を越えている。また、
遮蔽性能の指標の1つであるスカイシャインの値も、日
本での目標値に比べ高い値を示している。このことは、
同じ貯蔵設備を同じ条件で日本において使用すると、貯
蔵当初、すなわち高発熱・高放射線量時における使用済
燃料を基準値以内の条件で貯蔵することができないこと
を意味する。したがって、全貯蔵期間にわたって前記基
準値を満足するためには、除熱性能および遮蔽性能を向
上させる必要がある。
【0010】本発明は、このようは背景に鑑みてなされ
たもので、その第1の目的は、数十年にわたって安全に
使用済燃料などの放射性物質を貯蔵できるコンクリート
キャスクを主とする放射性物質の貯蔵設備を提供するこ
とにある。
【0011】第2の目的は、発熱量が大きい貯蔵初期に
除熱性能を向上させることができる放射性物質の貯蔵設
備を提供することにある。
【0012】第3の目的は放射線量が大きい貯蔵初期に
遮蔽性能を向上させることができる放射性物質の貯蔵設
備を提供することにある。
【0013】第4の目的は一定期間経過後に容易に除熱
性能や遮蔽性能を向上させる補助設備を取り外し、設備
本来の仕様で貯蔵することができる放射性物質の貯蔵設
備を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、第1の手段は 放射性物質を金属からなる密封容器
に封入し、その外側を主にコンクリートからなる遮蔽体
で囲み、この遮蔽体と前記密封容器のと間に空気を流し
て放射性物質の崩壊熱を除去する放射性物質の貯蔵設備
において、前記遮蔽体と前記密封容器との間に流される
空気の流れを促進させる手段を設けたことを特徴とす
る。
【0015】第2の手段は、痔1の手段において、前記
遮蔽体の外周部に沿って所定の空隙をもって補助遮蔽体
を設け、前記空気の流れを促進させる手段が、前記空隙
によって形成された空間部の空気の流れをも促進させる
ように構成したことを特徴とする。
【0016】第3の手段は、第1または第2の手段にお
ける空気の流れを促進させる手段が、貯蔵設備の冷却空
気の出口高さを高くすることによってドラフト力を向上
させる装置からなることを特徴とする。
【0017】第4の手段は、第3の手段におけるドラフ
ト力を向上させる装置が、遮蔽体に対して取り外し可能
に取り付けられていることを特徴とする。
【0018】第5の手段は、第1の手段において、前記
遮蔽体と前記密封容器との間に流される空気の入り口側
と出口側との短絡を防止する手段を備えていることを特
徴とする。
【0019】第6の手段は、放射性物質を金属からなる
密封容器に封入し、その外側を主にコンクリートからな
る遮蔽体で囲み、この遮蔽体と前記密封容器のと間に空
気を流して放射性物質の崩壊熱を除去する放射性物質の
貯蔵設備において、前記遮蔽体の外周部に沿って補助遮
蔽体を設けたことを特徴とする。
【0020】第7の手段は、第2または第6の手段にお
ける補助遮蔽体が、コンクリートあるいは積極的に放射
線を遮蔽する材料からなることを特徴とする。
【0021】第8の手段は、第7の手段における積極的
に放射性物質を遮蔽する材料が、異なる材料により複数
層にわたって形成されていることを特徴とする。
【0022】第9の手段は、第2、第6、および第7の
いずれかの手段において、前記補助遮蔽体が、取り外し
可能に設けられていることを特徴とする。
【0023】具体的には、本発明の目的を達成するため
の手段としては、貯蔵初期の高発熱量、高放射線量の時
に、除熱促進と遮蔽を兼ねるカバーを補助的に設置する
ことにより解決できる。さら詳しくは、貯蔵開始時の使
用済燃料の性状に合わせたコンクリートキャスクの設計
を行うと、例えば遮蔽性能の観点からコンクリート遮蔽
体の厚さが1.5m(従来の米国版では約70cm程
度)にもなるケースが生じ、キャスク1体がコンクリー
トの固まりになってしまうことが予想される。また、冷
却性能もコンクリートの制限温度の65℃を守るために
は、多量の冷却空気を流す必要が生じ、コンクリートキ
ャスク自身の高さを高くしてドラフト力を増大する必要
が生じる。しかし、貯蔵初期の性能で貯蔵設備全ての仕
様がオーバースペックになることは、無駄と考えられ
る。周知の様に、使用済燃料の発熱量や放射線量は放射
性物質の半減期に伴い、炉取出し直後より単調減少す
る。すなわち、貯蔵期間の経過とともに発熱量や放射線
量は低下していく。そこで、高発熱量、高放射線量の時
に、除熱促進と遮蔽を兼ねるカバーを補助的に設置する
ことにより貯蔵設備自身のの簡素化を図ることができ
る。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、図面を用いて本発明の実施
形態について詳細に説明する。
【0025】[第1の実施形態]図1は本発明の一実施
形態に係る放射性物質の貯蔵設備としての使用済燃料貯
蔵設備(以下、単に「貯蔵設備」と称する。)を示す縦
断面図である。なお、以下の説明において、前述の従来
例と同等な各部には同一の参照符号を付し、重複する説
明は適宜省略する。
【0026】この実施形態に係る貯蔵設備100は、コ
ンクリート遮蔽体101、キャニスタ102および除熱
遮蔽促進カバー106とから構成される。
【0027】この実施形態に係るキャニスタ102は、
排気口104がキャニスタ102の上端に開口している
ことを除いて前述の図5および図6に示した従来例を同
様に構成されている。
【0028】コンクリート遮蔽体101の上部には、除
熱遮蔽促進カバー106が上方から被せるようにして取
り付けられている。除熱遮蔽促進カバー106は遮蔽を
補強する遮蔽部107と冷却を促進させるスタック部1
08とからなる。この除熱遮蔽促進カバー106はコン
クリートキャスク容器101にスタック部108の内面
に形成された接触部109がコンクリート遮蔽体101
側の上端部で支持され、接触部109では吸気口103
と排気口104が外部で短絡しないように密封機能を有
している。このため、吸気口103からコンクリート遮
蔽体101に導入された冷却空気は、空気流路105を
流れる間にキャニスタ102からの熱によって加温さ
れ、排気口104通ってコンクリート遮蔽体101外に
排出される。さらに、昇温した空気は除熱遮蔽促進カバ
ー106を通り貯蔵設備100外部に放出される。
【0029】ここで、冷却空気が流れるための駆動力は
キャニスタ102および除熱遮蔽促進カバー106のス
タック部108内の空気の平均密度と外気の平均密度の
差(比重差によるドラフト力)となることから、スタッ
ク部108の高さが高いほど多くの冷却空気を流すこと
ができる。また、コンクリート遮蔽体101外側の遮蔽
部107の存在により、キャニスタ102からの放射線
をコンクリート遮蔽体101に加え、遮蔽部107によ
って遮蔽できるので、法律上安全なレベルの放射線量ま
で低減させることが可能になる。
【0030】このように本実施形態によれば使用済燃料
の貯蔵初期の高発熱、高放射線量時における除熱および
遮蔽を除熱遮蔽促進カバー106によって補強すること
から、コンクリート遮蔽体101自身の構造を小さく
(薄く)設計することが可能になる。さらに、発熱量や
放射線量が低減した後には除熱遮蔽促進カバー106を
取り外して別の新しいコンクリート遮蔽体101の除熱
・遮蔽の促進に再利用することができる。これにより、
資源の浪費を抑制することも可能になる。
【0031】また、コンクリートキャスクの設計には貯
蔵する使用済燃料の仕様により遮蔽能に対する設計が異
なる。例えば、同一燃料でも水プールでの初期冷却年数
が短い場合と長い場合とでは、崩壊熱や放射線量が低減
される分、冷却時間が長い燃料の方が除熱と遮蔽は楽に
なる。したがって、冷却年数が短い燃料を貯蔵する場合
に、この除熱遮蔽促進カバー106を適用することによ
って、設計仕様よりも高発熱・高放射線量の燃料を同一
のコンクリートキャスクに貯蔵することが可能になる。
【0032】また、スタック部108の高さ、言い換え
れば貯蔵設備の冷却空気出口高さを高くすることで、ド
ラフト力を向上できるため、この高さの設定に応じて冷
却性能を大幅に向上させることができ、しいては燃料被
覆管の温度やコンクリート構造部の温度の低減を図るこ
とができる。
【0033】[第2の実施形態]図2および図3に放射
性物質の貯蔵設備の第2の実施形態を示す。図2は第2
の実施形態に係る使用済燃料貯蔵設備の縦断面図、図3
は排気口に沿って断面した断面図である。
【0034】この実施形態は、前述の第1の実施形態よ
りも簡易的に除熱促進を行う例である。この貯蔵設備1
00は、コンクリート遮蔽体101、キャニスタ102
および除熱促進ダクト107から構成される。
【0035】使用済燃料集合体を封入したキャニスタ1
02およびコンクリート遮蔽体101の機能は従来例と
同一であることから説明は割愛する。前記したように、
キャニスタ102内の使用済燃料の冷却促進(コンクリ
ート遮蔽体101の最高温度低下)には、コンクリート
遮蔽体101とキャニスタ102の間隙の空気流路10
5を流れる冷却空気の流量を増大させることが必要にな
る。この冷却空気の流量は外気の密度と貯蔵設備100
内の冷却空気の平均密度の差を駆動力とした温空気のド
ラフト力によって決定される。すなわち、高温の空気を
保持するスタック(煙突)を取り付けることでその駆動
力は増大する。そこで、この実施形態では、除熱促進ダ
クト107として補助スタックを各排気口104に取り
付けて、この補助スタック107の高さ分だけ、冷却空
気の駆動力を増大させるようにした。すなわち、補助ス
タック107内にある加熱された空気の密度と外気の密
度の差分だけ、ドラフト力を増大させることができ、こ
れにより冷却空気の流量が増大する。
【0036】図3から分かるように、本実施形態に係る
貯蔵設備100では、4つの排気口104の全てに補助
スタック107を取り付けるだけで、冷却空気の流量を
増大させることができ、その結果、キャニスタ102内
の使用済燃料の冷却促進とコンクリート遮蔽体101の
最高温度の低下を図ることができる。
【0037】[第3の実施形態]図4に放射性物質の貯
蔵設備の第3の実施形態を示す。図4は第3の実施形態
に係る使用済燃料貯蔵設備の縦断面図である。
【0038】この第3の実施形態に係る貯蔵設備100
も第1の実施形態と同様にコンクリート遮蔽体101、
キャニスタ102および除熱遮蔽促進ダクト106から
構成される。
【0039】使用済燃料集合体を封入したキャニスタ1
02およびコンクリート遮蔽体101の機能は従来例と
同一であることから説明は割愛する。本実施形態におい
て第1の実施形態と異なる点は、除熱遮蔽促進カバー1
06の密封構造および支持構造、並びに材質である。以
下にその詳細を述べる。
【0040】除熱遮蔽促進カバー106は遮蔽部10
7、スタック部108、および支持部110とから構成
される。支持部110は、コンクリート遮蔽体101の
最下端に設けられた底板112の上面に載置された円筒
状のもので、この上端に除熱遮蔽促進カバー106の遮
蔽部107の下端部がさらに載置され、除熱遮蔽促進カ
バー106の重量は支持部110で受ける。両者の接触
点は、遮蔽性を確保するために継ぎ手構造となってい
る。
【0041】また、吸気口103と排気口104とが外
部で短絡しないようにするための密封機能は、支持部1
09の上方に存在する密封栓111によって担保され
る。さらに、この遮蔽部107は内層108aと外層1
08bの二重構造を有しており、ここでは、外層108
bは使用済燃料から発生する中性子線を遮蔽する材料
(例えば合成樹脂など)であり、内層108aは同じく
使用済燃料から発生するγ線を遮蔽する材料(例えば鉄
や鉛などの重金属など)によって構成されている。この
ようにして、貯蔵する放射性物質の性状に合致した材
料、材料配分、および厚さなどと適宜設定することによ
り、言い換えれば、内層108aと外層108bの材質
を変えたり、厚さを適宜設定して除熱遮蔽促進カバー1
06を製造することにより、貯蔵する放射性物質の性状
に対応した最適な仕様の除熱遮蔽促進カバー106を製
造することができる。なお、このような多層構造のカバ
ー106は第1の実施形態におけるカバー106にも適
用できることはいうまでもない
【0042】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば以下のよ
うな効果がある。
【0043】請求項1記載の発明によれば、遮蔽体と密
封容器との間に流される空気の流れを促進させる手段を
設けたので、除熱性能の向上を図ることができ、特に、
発熱量が大きい貯蔵初期の除熱に効果がある。また、こ
のように構成することにより、数十年にわたって安全に
使用済燃料などの放射性物質を貯蔵できるコンクリート
キャスクを主とする放射性物質の貯蔵設備を提供するこ
とができる。
【0044】請求項2記載の発明によれば、遮蔽体の外
周部に沿って所定の空隙をもって補助遮蔽体を設け、前
記空気の流れを促進させる手段は、前記空隙によって形
成された空間部の空気の流れをも促進させるので、密封
容器と遮蔽体間の除熱のみならず、遮蔽体と補助遮蔽体
間の除熱をも行うので、請求項1記載の発明よりもさら
に除熱性能の向上を図ることが可能となり、貯蔵処理の
除熱効果もより大きくなる。
【0045】請求項3記載の発明によれば、空気の流れ
を促進させる手段が、貯蔵設備の冷却空気の出口高さを
高くすることによってドラフト力を向上させる装置から
なるので、空気の流れを促進するために何等動力を必要
とすることなく、簡単な構造で除熱効果を促進すること
ができる。
【0046】請求項4記載の発明によれば、ドラフト力
を向上させる装置が、遮蔽体に対して取り外し可能に取
り付けられているので、一定期間経過後に前記装置を取
り外し、設備本来の仕様で貯蔵することができる。これ
によって、設計仕様よりも高発熱の放射性物質を同一の
貯蔵装置に貯蔵することが可能になり、結果としてより
低コストでこの貯蔵装置を提供することができる。
【0047】請求項5記載の発明によれば、遮蔽体と前
記密封容器との間に流される空気の入り口側と出口側と
の短絡を防止する手段を備えているので、除熱と確実の
おこなうことができる。
【0048】請求項6記載の発明によれば、遮蔽体の外
周部に沿って補助遮蔽体を設けたので、遮蔽性能を補助
遮蔽体によってより向上させることが可能となり、これ
によって、放射線量が大きい貯蔵初期の遮蔽に効果があ
る。また、このように構成することにより、数十年にわ
たって安全に使用済燃料などの放射性物質を貯蔵できる
コンクリートキャスクを主とする放射性物質の貯蔵設備
を提供することができる。
【0049】請求項7記載の発明によれば、補助遮蔽体
をコンクリートあるいは積極的に放射線を遮蔽する材料
から形成したので、放射線の種類に応じて補助遮蔽体の
材料を適宜設定することができ、コストと能力を勘案し
た設計が可能になる。
【0050】請求項8記載の発明によれば、積極的に放
射性物質を遮蔽する材料が、異なる材料により複数層に
わたって形成されているので、遮蔽する放射性物質に対
応して最適な遮蔽性を得ることが可能となり、これによ
って、安全に長期にわたる貯蔵を行うことができる。
【0051】請求項9記載の発明によれば、補助遮蔽体
が、取り外し可能に設けられているので、一定期間経過
後に前記補助遮蔽体を取り外し、設備本来の仕様で貯蔵
することができる。これによって、設計仕様よりも高放
射線量の放射性物質を同一の貯蔵装置に貯蔵することが
可能になり、結果としてより低コストでこの貯蔵装置を
提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る使用済燃料貯蔵
設備を示す縦断面図である。
【図2】本発明の第2の実施形態に係る使用済燃料貯蔵
設備を示す縦断面図である。
【図3】図2の貯蔵設備を排気口部分で断面した断面図
である。
【図4】本発明の第3の実施形態に係る使用済燃料貯蔵
設備を示す縦断面図である。
【図5】従来例に係る使用済燃料貯蔵設備の一例を示す
縦断面図である。
【図6】図5の貯蔵設備を排気口部分で断面した断面図
である。
【符号の説明】
100 (使用済燃料)貯蔵設備 101 コンクリート遮蔽体 102 キャニスタ 103 吸気口 104 排気口 105 空気流路 106 除熱遮蔽促進カバー 107 遮蔽部 108 スタック部 109 接触部 110 支持部 111 密封部 112 底板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G21F 9/36 501 G21F 5/00 W 541 (72)発明者 熊谷 直己 茨城県日立市大みか町七丁目2番1号 株 式会社日立製作所電力・電機開発本部内 (72)発明者 金井 秀俊 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立工場内 (72)発明者 山崎 武久 東京都中央区銀座八丁目21番1号 株式会 社竹中工務店東京本店内 (72)発明者 得平 洋史 東京都中央区銀座八丁目21番1号 株式会 社竹中工務店東京本店内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 放射性物質を金属からなる密封容器に封
    入し、その外側を主にコンクリートからなる遮蔽体で囲
    み、この遮蔽体と前記密封容器のと間に空気を流して放
    射性物質の崩壊熱を除去する放射性物質の貯蔵設備にお
    いて、 前記遮蔽体と前記密封容器との間に流される空気の流れ
    を促進させる手段を設けたことを特徴とする放射性物質
    の貯蔵設備。
  2. 【請求項2】 前記遮蔽体の外周部に沿って所定の空隙
    をもって補助遮蔽体を設け、前記空気の流れを促進させ
    る手段は、前記空隙によって形成された空間部の空気の
    流れをも促進させることを特徴とする請求項1に記載の
    放射性物質の貯蔵設備。
  3. 【請求項3】 前記空気の流れを促進させる手段が、貯
    蔵設備の冷却空気の出口高さを高くすることによってド
    ラフト力を向上させる装置からなることを特徴とする請
    求項1または2に記載の放射性物質の貯蔵設備。
  4. 【請求項4】 前記ドラフト力を向上させる装置が、遮
    蔽体に対して取り外し可能に取り付けられていることを
    特徴とする請求項3に記載の放射性物質の貯蔵設備。
  5. 【請求項5】 前記遮蔽体と前記密封容器との間に流さ
    れる空気の入り口側と出口側との短絡を防止する手段を
    備えていることを特徴とする請求項1に記載の放射性物
    質の貯蔵設備。
  6. 【請求項6】 放射性物質を金属からなる密封容器に封
    入し、その外側を主にコンクリートからなる遮蔽体で囲
    み、この遮蔽体と前記密封容器のと間に空気を流して放
    射性物質の崩壊熱を除去する放射性物質の貯蔵設備にお
    いて、 前記遮蔽体の外周部に沿って補助遮蔽体を設けたことを
    特徴とする放射性物質の貯蔵設備。
  7. 【請求項7】 前記補助遮蔽体が、コンクリートあるい
    は積極的に放射線を遮蔽する材料からなることを特徴と
    する請求項2または6に記載の放射性物質の貯蔵設備。
  8. 【請求項8】 前記積極的に放射性物質を遮蔽する材料
    が、異なる材料により複数層にわたって形成されている
    ことを特徴とする請求項7記載の放射性物質の貯蔵設
    備。
  9. 【請求項9】 前記補助遮蔽体が、取り外し可能に設け
    られていることを特徴とする請求項2、6および7のい
    ずれか1項に記載の放射性物質の貯蔵設備。
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