JP2000189963A - 造水装置および造水方法 - Google Patents

造水装置および造水方法

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JP2000189963A
JP2000189963A JP11221070A JP22107099A JP2000189963A JP 2000189963 A JP2000189963 A JP 2000189963A JP 11221070 A JP11221070 A JP 11221070A JP 22107099 A JP22107099 A JP 22107099A JP 2000189963 A JP2000189963 A JP 2000189963A
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water
cartridge
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fresh
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Toshiyuki Kawashima
敏行 川島
Ichiro Kawada
一郎 河田
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Nitto Denko Corp
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  • Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)
  • Water Treatment By Sorption (AREA)
  • Physical Water Treatments (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 菌の繁殖による透過液質の劣化を防止しつつ
低コストで信頼性の高い運転を行なうことができるとと
もに騒音の問題も生じない造水装置および造水方法を提
供することである。 【解決手段】 造水カートリッジ4の前段に活性炭カー
トリッジ2を設ける。活性炭カートリッジ2の原水入口
に給水弁11を接続する。給水弁11および活性炭カー
トリッジ2をバイパスするようにバイパス配管13を接
続し、これにバイパス弁12を介挿する。造水カートリ
ッジ4の濃縮水取り出し配管7にフラッシング弁9を設
け、透過水取り出し配管5に紫外線殺菌灯55を設け
る。所定のタイミングでバイパス弁12を開き、残留塩
素を含む原水を造水カートリッジ4に供給する。また、
所定のタイミングでフラッシング弁9を開き、造水カー
トリッジ4をフラッシングする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、残留塩素が含まれ
る被処理液を逆浸透膜を備えた造水カートリッジに供給
することにより脱塩処理する造水装置および造水方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】水道水、工業用水等の残留塩素が含まれ
る被処理液を(以下、原水と呼ぶ)脱塩する際には、逆
浸透膜(RO膜)を備えた造水カートリッジを有する造
水装置により、原水を透過水と濃縮水に分離する。限ら
れた規模の造水装置において、必要十分な量の透過水を
得る方法としては、造水装置に透過水貯溜タンクを設け
て、透過水の未使用時に、その透過水貯溜タンクに透過
水を貯めておく方法や、造水装置に加圧ポンプ等の昇圧
手段を設けて単位膜面積当たりの透過水量を大きくする
方法がある。
【0003】図8は、加圧ポンプを備えた従来の造水装
置の一例を示す構成図である。図8に示す造水装置にお
いては、加圧ポンプ100および造水カートリッジ4が
脱塩処理に用いられる。造水カートリッジ4は逆浸透膜
を備える。逆浸透膜は長時間塩素にさらすと耐久性が乏
しくなるので、原水に含まれる残留塩素を除去するため
に活性炭カートリッジ2が前処理に用いられる。
【0004】原水は、原水供給配管1を通じて活性炭カ
ートリッジ2に供給される。活性炭カートリッジ2の透
過水は、前処理水として、加圧ポンプ100により前処
理水供給配管3を通して造水カートリッジ4に供給され
る。逆浸透膜を備えた造水カートリッジ4により、前処
理水は透過水および濃縮水に分離される。分離された透
過水は、透過水取り出し配管5を通して処理水として外
部へ取り出される。一方、濃縮水は、濃縮水取り出し配
管7を通って外部へ排出される。なお、濃縮水取り出し
配管7には圧力調整弁6が設けられており、濃縮水量を
抑えるように設定されている。これにより、造水カート
リッジ4における膜の透過が促進される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記の造水装置におい
ては、加圧ポンプ100を駆動するためにモータや発動
機等の駆動装置(図示せず)が必要であるとともに、こ
れらの駆動装置を制御するための制御装置(図示せず)
が必要である。このため、造水コストが増加するととも
に造水装置の価格が上昇する。また、加圧ポンプ100
や駆動装置が発生する騒音も問題となる。
【0006】さらに、造水装置による造水作業を長期間
停止した場合には、造水カートリッジの内部に菌が繁殖
し、造水作業の再開時に繁殖した菌が透過水に混入して
透過水質が劣化する。
【0007】本発明の目的は、菌の繁殖による透過液質
の劣化を防止しつつ低コストで信頼性の高い運転を行う
ことができるとともに騒音の問題も生じない造水装置お
よび造水方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段および発明の効果】本発明
者は、加圧ポンプを用いることなくかつ菌の繁殖を抑え
つつ被処理液の脱塩処理を行うべく種々の実験および検
討を行った結果、濃度0.05%のNaCl水溶液の阻
止率が95%以上でかつ透過水量が0.1m3 /m2
日・kgf/cm2 以上の性能を有する逆浸透膜を使用
すると、2kgf/cm2 以下の圧力を有する被処理液
を加圧ポンプを用いることなく逆浸透膜を備えた造水カ
ートリッジに供給して脱塩処理を行うことができること
を見い出した。
【0009】また、本発明者は、被処理液を残留塩素を
除去するための前処理器を介して造水カートリッジに供
給するとともに、前処理器をバイパスさせて被処理液を
適宜造水カートリッジに供給することにより、造水カー
トリッジ内の菌の繁殖を抑制できることを見い出した。
そして、本発明者は、これらの知見に基づいて以下の発
明を案出した。
【0010】本発明に係る造水装置は、逆浸透膜を備え
た造水カートリッジに被処理液を昇圧する昇圧手段を介
することなく所定の圧力を有する被処理液を供給する供
給系が設けられるとともに、造水カートリッジの処理液
取り出し経路に紫外線殺菌灯が設けられたものである。
【0011】本発明に係る造水装置においては、所定の
圧力を有する被処理液が供給系により逆浸透膜を備えた
造水カートリッジに供給され、脱塩処理される。この場
合、昇圧手段として加圧ポンプを用いることなく無動力
で所定の圧力を有する被処理液が造水カートリッジに供
給されるので、加圧ポンプを駆動するための駆動装置や
駆動装置を制御するための制御装置が不要となる。した
がって、造水コストが低減されるとともに、造水装置の
価格の上昇も抑制される。また、加圧ポンプおよび駆動
装置が発する騒音の問題も生じない。さらに、加圧ポン
プ、駆動装置および制御装置が不要となるので、造水装
置がコンパクトになるとともに、電気代も不要となる。
【0012】また、処理液取り出し経路に設けられた紫
外線殺菌灯により、造水カートリッジ内および処理液取
り出し経路内において発生しかつ造水カートリッジの処
理液に混入した菌を殺菌することができるため、殺菌さ
れた高品質の処理液を得ることが可能となる。
【0013】なお、紫外線殺菌灯は、処理液取り出し経
路の処理液取水口近くに設けられることが好ましい。そ
れにより、処理液取水口に達する間に、殺菌された処理
液中に再び処理液取り出し経路内の菌が混入することを
防止できる。
【0014】被処理液に含まれる残留塩素を除去するた
めの前処理器が造水カートリッジの前段に設けられ、前
処理器をバイパスするようにバイパス経路が設けられる
とともに、バイパス経路を開閉する開閉手段が設けられ
てもよい。
【0015】この場合、所定の圧力を有する被処理液が
昇圧手段を介することなく前処理器に供給され、被処理
液に含まれる残留塩素が除去される。前処理器から得ら
れる被処理液は、昇圧手段を介することなくさらに逆浸
透膜を備えた造水カートリッジに供給され、脱塩処理さ
れる。
【0016】殺菌作用を有する残留塩素が除去された被
処理液が造水カートリッジの内部に滞溜すると、菌が繁
殖しやすくなる。そこで、開閉手段によりバイパス経路
を開き、残留塩素を含む被処理液を造水カートリッジに
供給する。それにより、造水カートリッジ内の菌の繁殖
を抑制することができ、菌の繁殖による処理液の液質の
劣化がより防止される。
【0017】被処理液が0.3kgf/cm2 以上3k
gf/cm2 以下の圧力を有してもよい。この場合に
は、加圧ポンプ等の昇圧手段を用いることなく脱塩処理
を行うことができる。
【0018】また、造水カートリッジの逆浸透膜をフラ
ッシングするためのフラッシング手段が設けられてもよ
い。ここで、フラッシングとは、水流により分離膜の膜
面の洗浄を行うことである。
【0019】この場合、フラッシング手段により造水カ
ートリッジの逆浸透膜をフラッシングし、造水カートリ
ッジの逆浸透膜の膜面に滞溜した不純物を造水カートリ
ッジの外部に放出することができる。その結果、逆浸透
膜における膜面線速度の不足から生じる短期間での処理
液の液質の劣化および処理液量の経時的な減少が防止さ
れる。
【0020】また、造水カートリッジにより脱塩処理さ
れた処理液を外部に排出する処理液排出経路が設けられ
てもよい。この場合、処理液取り出し経路から取り出さ
れた処理液は、脱塩水として種々の用途で使用される。
一方、処理液排出経路から排出された処理液は、使用さ
れずに排水として排出される。
【0021】このように処理液排出経路が設けられた造
水装置においては、造水カートリッジ内に堆積した不純
物を、処理液とともに処理液排出経路を通して外部に排
出することが可能となる。このように不純物を多く含有
する処理液が処理液排出経路から排出されるため、液質
の高い処理液のみが処理液取り出し経路から取り出され
る。したがって、処理液取り出し経路から取り出される
処理液への不純物の混入が防止され、処理液の液質の劣
化がより防止される。
【0022】本発明に係る造水方法は、所定の圧力を有
する被処理液を昇圧手段を介することなく逆浸透膜を備
えた造水カートリッジに供給するとともに、紫外線殺菌
灯を備えた処理液取り出し経路を通して造水カートリッ
ジの処理液を取り出すものである。
【0023】本発明に係る造水方法においては、所定の
圧力を有する被処理液を逆浸透膜を備えた造水カートリ
ッジに供給し、脱塩処理を行う。この場合、昇圧手段と
して加圧ポンプを用いることなく無動力で所定の圧力を
有する被処理液を造水カートリッジに供給するので、加
圧ポンプを駆動するための駆動装置や駆動装置を制御す
るための制御装置が不要となる。したがって、造水コス
トが低減されるとともに、造水装置の価格の上昇も抑制
される。また、加圧ポンプおよび駆動装置が発する騒音
の問題も生じない。
【0024】また、処理液取り出し経路を処理液が流れ
る過程において、造水カートリッジ内および処理液取り
出し経路内において発生しかつ造水カートリッジの処理
液に混入した菌が紫外線殺菌灯により殺菌される。それ
により、殺菌された高品質の処理液を処理液取り出し経
路から取り出すことが可能となる。
【0025】所定の圧力を有する被処理液を残留塩素を
除去するための前処理器を介して逆浸透膜を備えた造水
カートリッジに供給するとともに、所定のタイミングで
被処理液を前処理器をバイパスさせて造水カートリッジ
に供給してもよい。
【0026】この場合、所定の圧力を有する被処理液を
昇圧手段を介することなく前処理器に供給し、被処理液
に含まれる残留塩素を除去する。この前処理器から得ら
れる被処理液を昇圧手段を介することなくさらに逆浸透
膜を備えた造水カートリッジに供給し、脱塩処理を行
う。
【0027】殺菌作用を有する残留塩素が除去された被
処理液が造水カートリッジの内部に滞溜すると、菌が繁
殖しやすくなる。そこで、所定のタイミングで被処理液
を前処理器をバイパスさせて造水カートリッジに供給す
ることにより、残留塩素を含む被処理液を造水カートリ
ッジに供給することができる。それにより、造水カート
リッジ内の菌の繁殖を抑制することができる。その結
果、菌の繁殖による処理液の液質の劣化がより防止され
る。
【0028】また、所定のタイミングで造水カートリッ
ジの逆浸透膜をフラッシングしてもよい。それにより、
造水カートリッジの逆浸透膜の膜面に滞溜した不純物を
造水カートリッジの外部に放出することが可能となる。
その結果、逆浸透膜における膜面線速度の不足から生じ
る短期間での処理液の液質の劣化および処理液量の経時
的な減少がさらに防止される。
【0029】また、造水カートリッジにおいて脱塩処理
した処理液を処理液排出経路を通して所定のタイミング
で外部に排出してもよい。この場合、造水カートリッジ
内および処理液出口側において堆積した不純物を、処理
液とともに外部に排出することが可能となる。このよう
に不純物を多く含有する処理液を処理液排出経路を通し
て排出するため、処理液取り出し経路から取り出される
処理液への不純物の混入が低減される。したがって、処
理液の液質の劣化がさらに防止され、液質の高い処理液
を得ることが可能となる。
【0030】
【発明の実施の形態】図1は本発明に係る造水装置の第
1の例を示す構成図である。
【0031】図1に示す造水装置においては、活性炭カ
ートリッジ2が前処理に用いられる。また、造水カート
リッジ4が脱塩処理に用いられる。
【0032】活性炭カートリッジ2の原水入口には、給
水弁11を介して原水供給配管1が接続されている。活
性炭カートリッジ2の透過水出口は、前処理水供給配管
3を介して造水カートリッジ4の原水入口に接続されて
いる。給水弁11および活性炭カートリッジ2をバイパ
スにするようにバイパス配管13が接続され、バイパス
配管13にバイパス弁12が介挿されている。給水弁1
1およびバイパス弁12は自動弁からなる。
【0033】造水カートリッジ4の透過水出口に透過水
取り出し配管5が接続され、濃縮水出口に濃縮水取り出
し配管7が接続されている。
【0034】透過水取り出し配管5には、紫外線殺菌灯
(UVランプ)55が設けられるとともに、この紫外線
殺菌灯55の光線を透過水に照射可能な領域が設けられ
ている。
【0035】例えば、紫外線殺菌灯55の外周部に、ガ
ラスまたは石英からなる透過水取り出し配管5をスパイ
ラル状に巻き付けてもよい。この場合、透過水取り出し
配管5内を透過水が流れる過程において、紫外線殺菌灯
55の光線が透過水に照射される。
【0036】あるいは、透過水取り出し配管5中にタン
ク部を設けて透過水を貯留し、このタンク部内において
透過水に紫外線殺菌灯55の光線を照射してもよい。
【0037】濃縮水取り出し配管7には圧力調整弁6が
介挿されており、圧力調整弁6と並列に、フラッシング
弁9が洗浄水配管8を介して接続されている。フラッシ
ング弁9は自動弁からなる。
【0038】フラッシング弁9およびバイパス弁12の
開閉動作はタイマ10によりそれぞれ独立にまたは同時
に制御される。フラッシング弁9およびタイマ10は、
造水カートリッジ4の洗浄処理に用いられる。また、給
水弁11の開閉動作がタイマ10によりフラッシング弁
9およびバイパス弁12と独立にまたは同時に制御され
てもよい。
【0039】本例では、原水供給配管1および給水弁1
1が供給系に相当し、活性炭カートリッジ2が前処理器
に相当する。また、透過水取り出し配管5が処理液取り
出し経路に相当する。さらに、バイパス配管13がバイ
パス経路に相当し、バイパス弁12が開閉手段に相当
し、洗浄水配管8およびフラッシング弁9がフラッシン
グ手段に相当する。
【0040】造水カートリッジ4として、例えば逆浸透
膜モジュールが用いられる。逆浸透膜モジュールは、圧
力容器内に逆浸透膜スパイラル型エレメントを装填して
なる。ここでは、濃度0.05%のNaCl水溶液の阻
止率が95%以上でかつ透過水量が0.1m3 /m2
日・kgf/cm2 以上の性能を有する逆浸透膜モジュ
ールを用いる。
【0041】なお、供給水の対象溶質の濃度をCfと
し、透過水のその対象溶質の濃度をCpとすると、阻止
率R(%)は以下の式(1)で定義される。
【0042】 R(%)=(1−Cp/Cf)×100 ・・・(1) このような逆浸透膜モジュールにおける透過水量は、通
常の膜分離操作に用いられる逆浸透膜モジュールの透過
水量と比べて非常に大きい。造水カートリッジ4に用い
る逆浸透膜モジュールでは、例えば水温25℃、操作圧
力7.5kgf/cm2 の条件下において、濃度0.0
5%のNaCl水溶液の阻止率は95%以上であり、そ
の透過水量は0.8m3 /m2 ・日以上である。一方、
通常の膜分離操作に用いられる逆浸透膜モジュールで
は、濃度0.05%のNaCl水溶液の阻止率は95%
以上であり、透過水量は0.6m3 /m2 ・日以下であ
る。
【0043】まず、図1に示す造水装置の前処理および
脱塩処理について説明する。なお、前処理および脱塩処
理の際には、給水弁11を開き、バイパス弁12および
フラッシング弁9を閉じておく。造水装置の運転中は紫
外線殺菌灯55を点灯したままとする。なお、造水装置
の運転停止中は紫外線殺菌灯55を消灯する。
【0044】原水としては、水道水や工業用水のように
所定の圧力で供給される水や汲み上げポンプの圧力が残
留する井戸水を用いる。
【0045】前処理では、原水供給配管1により供給さ
れた原水が活性炭カートリッジ2の内部に供給される。
活性炭カートリッジ2において、供給された原水に含ま
れる残留塩素が除去される。活性炭カートリッジ2の透
過水は、前処理水として、前処理水供給配管3を通して
造水カートリッジ4の内部に供給される。
【0046】前処理水は、造水カートリッジ4により脱
塩され、不純物が除去された透過水と不純物が濃縮され
た濃縮水とに分離される。透過水は、造水カートリッジ
4の透過水出口に接続された透過水取り出し配管5を通
り、透過水取り出し口から処理水として外部へ取り出さ
れる。濃縮水は、造水カートリッジ4の濃縮水出口に接
続された濃縮水取り出し配管7を通り外部へ排出され
る。
【0047】ここで、透過水が透過水取り出し配管5を
通して外部へ取り出される過程において、透過水に紫外
線殺菌灯55の光線が照射される。それにより、造水カ
ートリッジ4内および透過水取り出し配管5内において
発生および繁殖しかつ透過水中に混入した菌が殺菌され
る。このようにして、殺菌された水質の高い透過水(処
理水)が透過水取り出し配管5の透過水取水口から得ら
れる。
【0048】なお、上記の紫外線殺菌灯55は、透過水
取り出し配管5の透過水取水口の近くに設けることが好
ましい。紫外線殺菌灯55を造水カートリッジ4の透過
水出口の近くに設ける場合、紫外線殺菌灯55により透
過水中の菌が一旦は殺菌される。しかしながら、殺菌さ
れた透過水が透過水取水口に達するまでの距離が長いた
め、再び透過水に透過水取り出し配管5内の菌が混入す
るおそれがある。これに対し、紫外線殺菌灯55を透過
水取水口の近くに設ける場合、殺菌された透過水が透過
水取水口に達するまでの距離が短い。このため、透過水
取り出し配管5内の菌が透過水に混入するのを抑制する
ことが可能となる。したがって、より水質の高い透過水
を得ることが可能となる。
【0049】濃縮水取り出し配管7に設けられた圧力調
整弁6は、濃縮水が所定量以下になるように設定されて
いる。これにより、濃縮水量が抑制されるとともに透過
水量が増加する。
【0050】ここでは、造水カートリッジ4に供給され
る原水の量aと造水カートリッジ4から得られる透過水
の量bとの比率b/aが、b/a>0.5となるように
圧力調整弁6を設定する。この場合、供給した原水に対
して、50%より高い回収率で透過水が得られるため、
効率がよく経済的である。
【0051】上記の造水装置においては、0.3kgf
/cm2 以上3kgf/cm2 以下の圧力を有する原水
を加圧ポンプを用いることなく無動力で造水カートリッ
ジ4に供給し、効率よく脱塩処理することが可能であ
る。
【0052】バイパス弁12はタイマ10により制御さ
れており、造水作業の中断の間(造水装置の運転停止
中)または造水作業中(造水装置の運転中)に所定の時
間間隔ごとに所定の時間ずつバイパス弁12が自動的に
開くように設定される。バイパス弁12が開いていると
きには、給水弁11は閉じられていても、開いていても
よい。造水作業の中断時のみ給水弁11が閉じられると
いう制御は単純であるため、好ましい。
【0053】それにより、殺菌効果を有する残留塩素を
含む原水がバイパス配管13を通して造水カートリッジ
4の内部に供給される。その結果、造水カートリッジ4
内の菌の繁殖を抑制することができる。
【0054】造水装置の運転停止中に定期的にバイパス
弁12を開く場合、造水カートリッジ4内が殺菌および
滅菌され、造水装置の運転停止中における造水カートリ
ッジ4内での菌の繁殖を抑制することが可能となる。な
お、この場合においては、バイパス弁12とともに給水
弁11を開く。
【0055】一方、造水装置の運転中に定期的にバイパ
ス弁12を開く場合、造水カートリッジ4内が殺菌およ
び滅菌され、造水装置の運転中における造水カートリッ
ジ4内での菌の繁殖を抑制することが可能となる。
【0056】なお、造水装置の運転停止中または運転中
に、不定期的にバイパス弁12を開いてもよい。例え
ば、造水装置の運転中において、菌の繁殖による透過水
質の劣化が生じた際にバイパス弁12を開いてもよい。
このような場合においても、造水カートリッジ4内を殺
菌および滅菌し、透過水質の劣化を抑制することが可能
となる。
【0057】また、上記以外に、中断していた造水作業
の再開と同時(造水装置の運転再開時)にバイパス弁1
2を開いてもよい。あるいは、造水作業の中断と同時
(造水装置の運転停止と同時)にバイパス弁12を開い
てもよい。なお、この場合の造水装置の運転再開時と
は、造水装置の主電源をオンにして制御回路を作動させ
る時点でもよく、または、主電源をオンにした後に運転
スイッチをオンにする時点であってもよい。ここで、制
御回路とは、図1のタイマ10を含み、給水弁11、バ
イパス弁12、フラッシング弁9およびその他の自動弁
を制御する回路である。また、運転スイッチは、制御回
路に運転の開始を指令するために用いる。なお、運転の
停止は、停止スイッチにより制御回路に指示される。
【0058】造水装置の運転再開時にバイパス弁12を
開く場合、造水装置の運転停止中において造水カートリ
ッジ4内で繁殖した菌を殺菌および滅菌することが可能
となる。このようにして、造水装置の運転再開時にバイ
パス弁12を開いた状態で運転を行った後、バイパス弁
12を閉じて通常の運転を行う。それにより、造水装置
の運転中における造水カートリッジ4内での菌の繁殖を
抑制することが可能となる。
【0059】また、造水装置の運転停止と同時にバイパ
ス弁12を開く場合、造水装置の運転中において造水カ
ートリッジ4内で繁殖した菌を殺菌および滅菌すること
が可能となる。このようにして、造水装置の運転停止と
同時にバイパス弁12を開いた状態で原水を供給した
後、バイパス弁12を閉じ、造水装置を停止状態とす
る。それにより、造水装置の運転停止中における造水カ
ートリッジ4内での菌の繁殖を抑制することが可能とな
る。
【0060】なお、造水装置の運転停止中または運転停
止と同時にバイパス弁12を開いて造水カートリッジ4
内に残留塩素を含む原水を供給する場合、供給された原
水は造水カートリッジ4を経た後、濃縮水取り出し配管
7を通して外部へ排出される。この場合、例えば、透過
水側経路を閉じることにより、この原水が濃縮水取り出
し配管7へ導出される。
【0061】バイパス弁12を開く時間間隔は10分以
上12時間以下であることが好ましい。この時間間隔が
12時間よりも長いと、バイパス配管13を通して造水
カートリッジ4に供給される原水に含まれる残留塩素の
効果がなくなり、菌の繁殖が促される。一方、この時間
間隔が10分よりも短いと、残留塩素を含む原水が頻繁
に造水カートリッジ4に供給され、透過水の水質の劣化
が生じる。
【0062】また、バイパス弁12を開く時間は5秒間
以上5分間以下であることが好ましく、15秒間以上2
分間以下であることがより好ましい。バイパス弁12を
開く時間が5秒間よりも短いと、造水カートリッジ4内
の菌の繁殖を十分に抑制することができない。一方、バ
イパス弁12を開く時間が5分間よりも長いと、造水カ
ートリッジ4内の逆浸透膜に損傷を与えるおそれがあ
る。
【0063】次に、造水カートリッジ4の洗浄処理につ
いて説明する。造水カートリッジ4の洗浄には、以下に
示すフラッシングが行われる。なお、洗浄処理の際は、
紫外線殺菌灯55を消灯する。
【0064】洗浄に際しては、給水弁11を開いて原水
を供給するとともに、洗浄水配管8に設けられたフラッ
シング弁9を開く。この場合、前述の脱塩処理の際には
圧力調整弁6により水量が抑制されていた濃縮水が、洗
浄水配管8を通して大量に外部に排出される。それによ
り、造水カートリッジ4の逆浸透膜における膜面線速度
が高くなり、膜面に滞溜した不純物を造水カートリッジ
4の外部に放出することが可能となる。図1において
は、フラッシング弁9はタイマ10により制御されてお
り、所定の時間間隔ごとに所定の時間ずつフラッシング
弁9が自動的に開くように設定されている。
【0065】例えば、中断していた造水作業を再開する
際(造水装置の運転再開時)に所定の時間フラッシング
弁9が自動的に開くように設定されてもよい。この場
合、造水装置の運転再開時に給水弁11およびフラッシ
ング弁9を開いてフラッシングを行った後、フラッシン
グ弁9を閉じて通常の運転を行う。または、造水作業の
中断の間(造水作業の運転停止中)に所定の時間間隔ご
とに所定の時間ずつフラッシング弁9が自動的に開くよ
うに設定されてもよい。この場合、フラッシング弁9を
開くとともに給水弁11を開き、原水を造水カートリッ
ジ4に供給してフラッシングを行う。
【0066】造水装置の運転再開時にフラッシング弁9
を開く場合、および運転停止中に定期的にフラッシング
弁9を開く場合においては、造水装置の運転停止中にお
いて造水カートリッジ4内で発生および堆積した菌体、
膜面に滞溜した不純物等の汚染成分をフラッシングによ
り外部へ排出することが可能となる。
【0067】なお、上記以外にも、造水装置の運転中に
定期的にフラッシング弁9を開いてもよい。あるいは、
造水装置の運転停止と同時にフラッシング弁9を開いて
フラッシングを行った後、フラッシング弁9を閉じて運
転停止状態としてもよい。これらの場合においては、造
水装置の運転中において造水カートリッジ4内で発生お
よび堆積した菌体、膜面に滞溜した不純物等の汚染成分
をフラッシングにより外部へ排出することが可能とな
る。
【0068】また、造水装置の運転中または停止中にお
いて、不定期的にフラッシング弁9を開いてフラッシン
グを行ってもよい。例えば、造水装置の運転中におい
て、透過水質の劣化が生じた際にフラッシング弁9を開
いてもよい。この場合においても前述と同様の効果が得
られる。
【0069】バイパス弁12を開く時間間隔cとフラッ
シング弁9を開く時間間隔dとの比率c/dが1よりも
小さいと、残留塩素を含む原水が頻繁に造水カートリッ
ジ4に供給され、透過水の水質の劣化が生じる。したが
って、バイパス弁12を開く時間間隔cとフラッシング
弁9を開く時間間隔dとの比率c/dが1以上であるこ
とが好ましい。
【0070】以上のように、上記の造水装置において
は、透過水取り出し配管5に紫外線殺菌灯55を設ける
ことにより、透過水中に混入した菌を殺菌することが可
能となる。それにより、透過水における菌の繁殖が抑制
され、水質の劣化が防止される。
【0071】また、バイパス弁12を開くことにより、
残留塩素を含む原水が造水カートリッジ4に供給される
ので、造水カートリッジ4内の菌の繁殖を抑制すること
ができる。その結果、菌の繁殖による透過水の水質の劣
化がさらに防止される。
【0072】また、フラッシングにより造水カートリッ
ジ4の逆浸透膜の膜性能を維持することが可能となるた
め、脱塩処理の際の膜面線速度が小さくても透過水の水
質は劣化せず、また、透過水量の経時的な減少も生じな
い。それゆえ、前述のように、造水カートリッジ4に供
給される原水の量aと造水カートリッジ4から得られる
透過水の量bとの比率b/aを、b/a>0.5とする
ことができる。
【0073】一方、図8に示した従来の造水装置では、
造水カートリッジ4による脱塩処理の際の膜面線速度を
高くすることにより膜性能を維持するため、透過水の量
bをできるだけ少なくし、濃縮水の量(a−b)を原水
の量aに近づける必要がある。例えば、透過水の量bと
原水の量aとの比率b/aを0.1または0.2のよう
にできるだけ小さくすれば、逆浸透膜における膜面線速
度は原水の入口に近い状態で維持されることになる。し
かしながら、通常、濃縮水は排水として排出されるた
め、透過水の量bと原水の量aとの比率b/aが小さい
と、目的とする透過水の量bが少なくなり、不経済であ
る。
【0074】これに対し、図1に示す造水装置は、前述
のように透過水の量bと原水の量aとの比率b/aを
0.5よりも大きくすることができるため、経済的な透
過水量が得られる。
【0075】また、上記の造水装置においては加圧ポン
プが不要となるため、造水コストおよび造水装置の価格
を抑えることができるとともに、効率のよい脱塩処理を
長期間にわたり安定して行うことが可能となる。したが
って、騒音を発生することなく低コストで造水を行い、
水質の高い処理水を得ることが可能である。
【0076】図2は本発明に係る造水装置の第2の例を
示す構成図である。図2に示す造水装置においては、活
性炭カートリッジ2が前処理に用いられる。また、10
台の造水カートリッジ4が脱塩処理に用いられる。
【0077】10台の造水カートリッジ4を2台ずつ直
列に接続し、直列に接続された各2台の造水カートリッ
ジ4を1ユニットとすることにより、5組のユニット1
01〜105が構成される。5組のユニット101〜1
05は並列に配列される。
【0078】原水供給配管1は、給水弁11、活性炭カ
ートリッジ2および前処理水供給配管3を介して各ユニ
ット101〜105の前段の造水カートリッジ4の原水
入口に接続されている。給水弁11は自動弁からなる。
給水弁11および活性炭カートリッジ2をバイパスする
ようにバイパス配管13が接続され、バイパス配管13
にバイパス弁12が介挿されている。バイパス弁12は
自動弁からなる。各ユニット101〜105の前段の造
水カートリッジ4の濃縮水出口は、濃縮水取り出し配管
7aを介して、各ユニット101〜105の後段の造水
カートリッジ4の原水入口に接続されている。各ユニッ
ト101〜105の後段の造水カートリッジ4の濃縮水
出口は、濃縮水取り出し配管7bを介して、濃縮水取り
出し配管7に接続されている。各々の濃縮水取り出し配
管7bには圧力調整弁6が介挿されている。また、各圧
力調整弁6に並列に、各フラッシング弁9が洗浄水配管
8を介して接続されている。5つのフラッシング弁9お
よびバイパス弁12の開閉動作は、共通のタイマ10に
よりそれぞれ独立または同時に制御される。なお、給水
弁11の開閉動作も、タイマ10により、フラッシング
弁9およびバイパス弁12と同時にまたは独立に制御さ
れてもよい。各ユニット101〜105の前段および後
段の造水カートリッジ4の透過水出口は、透過水取り出
し配管5a,5bを介して透過水取り出し配管5に接続
されている。透過水取り出し配管5には紫外線殺菌灯5
5が設けられるとともに、図1に示す造水装置において
前述したような紫外線殺菌灯55の光線を透過水に照射
する領域が設けられている。
【0079】造水カートリッジ4としては、図1の造水
装置において説明した逆浸透膜モジュールが用いられ
る。
【0080】以下に、図2に示す造水装置の前処理およ
び脱塩処理について説明する。なお、前処理および脱塩
処理の際には、給水弁11を開くとともに、バイパス弁
12および各フラッシング弁9を閉じ、紫外線殺菌灯5
5を点灯させる。また、原水としては、図1の造水装置
において説明した原水を用いる。
【0081】前処理では、原水供給配管1により供給さ
れた原水が活性炭カートリッジ2の内部に供給される。
各々の活性炭カートリッジ2において、供給された原水
に含まれる残留塩素が除去される。活性炭カートリッジ
2の透過水は、前処理水として、前処理水供給配管3を
通り、各ユニット101〜105の前段の造水カートリ
ッジ4の内部に供給される。前処理水は、各ユニット1
01〜105の前段の造水カートリッジ4において脱塩
され、不純物が除去された透過水と不純物が濃縮された
濃縮水とに分離される。その濃縮水は、各ユニット10
1〜105の前段の造水カートリッジ4の濃縮水出口に
接続された各々の濃縮水取り出し配管7aを通り、各ユ
ニット101〜105の後段の造水カートリッジ4の内
部に供給される。一方、透過水は、各ユニット101〜
105の前段の造水カートリッジ4の透過水出口に接続
された各々の透過水取り出し配管5aを通り、さらに透
過水取り出し配管5を通って、透過水取り出し口から処
理水として外部へ取り出される。
【0082】各ユニット101〜105の後段の造水カ
ートリッジ4において、前段の造水カートリッジ4の濃
縮水はさらに脱塩され、不純物が除去された透過水と不
純物が濃縮された濃縮水とに分離される。その透過水
は、各ユニット101〜105の後段の造水カートリッ
ジ4の透過水出口に接続された各々の透過水取り出し配
管5bを通り、さらに透過水取り出し配管5を通って、
透過水取り出し口から処理水として外部へ取り出され
る。一方、濃縮水は、各ユニット101〜105の後段
の造水カートリッジ4の濃縮水出口に接続された各々の
濃縮水取り出し配管7bを通り、さらに濃縮水取り出し
配管7を通って外部へ排出される。各々の濃縮水取り出
し配管7bに設けられた各圧力調整弁6は、各ユニット
101〜105の前段および後段の造水カートリッジ4
の濃縮水が所定量以下になるように設定されている。こ
れにより、濃縮水量が抑制されるとともに透過水量が増
加する。
【0083】ここでは、各ユニット101〜105の前
段の造水カートリッジ4に供給される原水の量aと前段
の造水カートリッジ4および後段の造水カートリッジ4
から得られる透過水の量bとの比率b/aが、b/a>
0.5となるように各圧力調整弁6を設定する。この場
合、供給した原水に対して、50%より高い回収率で透
過水が得られるため、効率がよく経済的である。
【0084】また、各ユニット101〜105の前段お
よび後段の造水カートリッジ4の透過水が透過水取り出
し配管5a,5b,5を通して外部へ取り出される過程
において、透過水に紫外線殺菌灯55の光線が照射され
る。それにより、造水カートリッジ4内および透過水取
り出し配管5a,5b,5内において発生および繁殖し
かつ透過水中に混入した菌が殺菌される。このようにし
て、殺菌された水質の高い透過水(処理水)が透過水取
り出し配管5の透過水取水口から得られる。
【0085】なお、図1の造水装置において前述したよ
うに、透過水取り出し配管5において、紫外線殺菌灯5
5は透過水取水口の近くに設けることが好ましい。
【0086】上記の造水装置においては、3kgf/c
2 以下の圧力を有する原水を、昇圧手段として加圧ポ
ンプを用いることなく無動力で各ユニット101〜10
5の前段および後段の造水カートリッジ4に供給し、効
率よく脱塩処理することが可能である。
【0087】バイパス弁12はタイマ10により制御さ
れており、造水作業の中断の間または造水作業中に所定
の時間間隔ごとに所定の時間ずつバイパス弁12が自動
的に開くように設定される。バイパス弁12が開いてい
るときには、給水弁11は閉じられていても、開いてい
てもよい。造水作業の中断時のみ給水弁11が閉じられ
るという制御は単純であるため、好ましい。
【0088】それにより、殺菌効果を有する残留塩素を
含む原水がバイパス配管13を通して造水カートリッジ
4の内部に供給される。その結果、造水カートリッジ4
内の菌の繁殖を抑制することができる。
【0089】造水作業の中断の間(造水装置の運転停止
中)に定期的にバイパス弁12および給水弁11を開く
場合、造水カートリッジ4内が殺菌および滅菌され、造
水装置の運転停止中における造水カートリッジ4内での
菌の繁殖を抑制することが可能となる。
【0090】一方、造水作業中(造水装置の運転中)に
定期的にバイパス弁12を開く場合においては、造水カ
ートリッジ4内が殺菌および滅菌され、造水装置の運転
中における造水カートリッジ4内での菌の繁殖を抑制す
ることが可能となる。
【0091】なお、造水装置の運転中または運転停止中
に不定期的にバイパス弁12を開いてもよい。例えば造
水装置の運転中において、菌の繁殖による透過水質の劣
化が生じた際にバイパス弁12を開いてもよい。この場
合においても、造水カートリッジ4内を殺菌および滅菌
し、透過水質の劣化を抑制することが可能となる。
【0092】また、上記以外に、中断していた造水作業
の再開時(造水装置の運転再開時)にバイパス弁12を
開いてもよく、あるいは、造水作業の中断と同時(造水
作業の運転停止と同時)にバイパス弁12を開いてもよ
い。なお、この場合の造水作業の再開時とは、図1に示
した造水装置において前述した通りである。
【0093】造水装置の運転再開時にバイパス弁12を
開く場合、造水装置の運転停止中において造水カートリ
ッジ4内で繁殖した菌を殺菌および滅菌することが可能
となる。このようにして造水装置の運転開始時にバイパ
ス弁12を開いた状態で運転を行った後、バイパス弁1
2を閉じて通常の運転を行う。それにより、造水装置の
運転中における造水カートリッジ4内での菌の繁殖を抑
制することが可能となる。
【0094】また、造水装置の運転停止と同時にバイパ
ス弁12を開く場合、造水装置の運転中において造水カ
ートリッジ4内で繁殖した菌を殺菌および滅菌すること
が可能となる。このようにして造水装置の運転停止と同
時にバイパス弁12を開いた後、バイパス弁12を閉
じ、造水装置を停止状態とする。それにより、造水装置
の運転停止中における造水カートリッジ4内での菌の繁
殖を抑制することが可能となる。
【0095】なお、造水装置の運転停止中または運転停
止と同時にバイパス弁12を開いて造水カートリッジ4
内に残留塩素を含む原水を供給する場合、供給された原
水は造水カートリッジ4を経た後、濃縮水取り出し配管
7を通して外部へ排出される。この場合、例えば、透過
水側経路を閉じることにより、この原水が濃縮水取り出
し配管7へ導出される。
【0096】次に、各ユニット101〜105の前段お
よび後段の造水カートリッジ4の洗浄処理について説明
する。造水カートリッジ4の洗浄には、フラッシングが
行われる。なお、フラッシングの際には、紫外線殺菌灯
55を消灯する。
【0097】洗浄に際しては、給水弁11を開いて原水
を供給するとともに、各洗浄水配管8に設けられたフラ
ッシング弁9を同時に開く。この場合、前述の脱塩処理
の際には圧力調整弁6により水量が抑制されていた濃縮
水が、各々の洗浄水配管8および濃縮水取り出し配管7
を通して大量に外部に排出される。それにより、各ユニ
ット101〜105の前段および後段の造水カートリッ
ジ4の逆浸透膜における膜面線速度が高くなり、膜面に
滞溜した不純物を前段および後段の造水カートリッジ4
の外部に放出することが可能となる。図2においては、
各フラッシング弁9は共通のタイマ10により制御され
ており、所定の時間間隔ごとに所定の時間ずつ各フラッ
シング弁9が同時に開くように設定されている。
【0098】例えば、中断していた造水作業を再開する
際(造水装置の運転再開時)に、所定の時間、各フラッ
シング弁9が自動的に開くように設定されてもよい。こ
のようにして造水装置の運転再開時にフラッシングを行
った後、各フラッシング弁9を閉じて通常の運転を行
う。あるいは、造水作業の中断の間(造水装置の運転停
止中)に所定の時間間隔ごとに所定時間ずつ各フラッシ
ング弁9が自動的に開くように設定されてもよい。この
場合、フラッシング弁9を開くとともに給水弁11を開
き、原水を造水カートリッジ4に供給してフラッシング
を行う。
【0099】運転再開時に各フラッシング弁9を開く場
合および運転停止中に定期的に各フラッシング弁9を開
く場合、造水装置の運転停止中において造水カートリッ
ジ4内で発生および堆積した菌体、膜面に滞溜した不純
物等の汚染成分を、フラッシングにより外部へ排出する
ことが可能となる。
【0100】なお、上記以外にも、造水装置の運転中に
定期的に各フラッシング弁9を開いてもよい。あるい
は、造水装置の運転停止と同時に各フラッシング弁9を
開いてフラッシングを行った後、各フラッシング弁9を
閉じて運転停止状態としてもよい。この場合において
は、造水装置の運転中において造水カートリッジ4内で
発生および堆積した菌体、膜面に滞溜した不純物等の汚
染成分をフラッシングにより外部へ排出することが可能
となる。
【0101】また、造水装置の運転中または停止中にお
いて不定期的に各フラッシング弁9を開いてもよい。例
えば造水装置の運転中において、透過水質の劣化が生じ
た際にフラッシング弁9を開いてもよい。この場合にお
いても、前述と同様の効果が得られる。
【0102】以上のように、上記の造水装置において
は、透過水取り出し配管5に紫外線殺菌灯55を設ける
ことにより、透過水中に混入した菌を殺菌することが可
能となる。それにより、透過水における菌の繁殖が抑制
され、水質の劣化が防止される。
【0103】また、バイパス弁12を開くことにより、
残留塩素を含む原水が10台の造水カートリッジ4に供
給されるので、造水カートリッジ4内の菌の繁殖を抑制
することができる。その結果、菌の繁殖による透過水の
水質の劣化がさらに防止される。
【0104】また、フラッシングにより各ユニット10
1〜105の前段および後段の造水カートリッジ4の逆
浸透膜の膜性能を維持することが可能となるため、脱塩
処理の際の膜面線速度が小さくても透過水の水質は劣化
せず、また、透過水量の経時的な減少も生じない。それ
ゆえ、前述のように、各ユニット101〜105の前段
の造水カートリッジ4に供給される原水の量aと前段お
よび後段の造水カートリッジ4から得られる透過水の量
bとの比率b/aを、b/a>0.5とすることができ
る。
【0105】なお、バイパス弁12を開く時間間隔、バ
イパス弁を開く時間およびバイパス弁12を開く時間間
隔cとフラッシング弁9を開く時間間隔dとの比率c/
dについては、図1に示した造水装置において前述した
通りである。
【0106】上記の造水装置においては加圧ポンプが不
要となるため、造水コストおよび造水装置の価格を抑え
ることができるとともに、効率のよい脱塩処理を長期間
にわたり安定して行うことが可能となる。したがって、
騒音を発生することなく低コストで造水を行い、水質の
高い処理水を得ることが可能である。
【0107】なお、図2に示す造水装置は、造水カート
リッジ4が複数台設けられた場合の構成の一例であり、
これ以外の構成も可能である。造水カートリッジ4が複
数台並列または直列に設けられている場合、各造水カー
トリッジ4にフラッシング弁が内蔵されてもよく、各造
水カートリッジ4の濃縮水取り出し配管の連結部の最後
尾にフラッシング弁が設けられてもよい。さらに、並列
または直列に配列された所定数の造水カートリッジ4の
濃縮水取り出し配管の連絡部の最後尾にフラッシング弁
が設けられたものを1ユニットとし、複数のユニットを
並列または直列に配列してもよい。
【0108】例えば、本発明に係る造水装置の第3の例
として、図3に示すように、5つのユニット101〜1
05の前段の造水カートリッジ4の原水入口がそれぞれ
開閉弁15を介して共通の活性炭カートリッジ2に接続
され、5つのユニット101〜105の後段の造水カー
トリッジ4の濃縮水出口に共通の圧力調整弁6およびフ
ラッシング弁9が設けられてもよい。また、本発明に係
る造水装置の第4の例として、図4に示すように、各ユ
ニット101〜105の2つの造水カートリッジ4が並
列に接続され、並列に接続された各2つの造水カートリ
ッジ4の原水入口がそれぞれ活性炭カートリッジ2およ
び共通の給水弁11を介して共通の原水供給配管1に接
続されてもよい。さらに、本発明に係る造水装置の第5
の例として、図5に示すように、各ユニット101〜1
05の2つの造水カートリッジ4が並列に接続され、並
列に接続された各2つの造水カートリッジ4の原水入口
が開閉弁15を介して共通の活性炭カートリッジ2に接
続され、5つのユニット101〜105の造水カートリ
ッジ4の濃縮水出口に共通の圧力調整弁6およびフラッ
シング弁9が設けられてもよい。また、本発明に係る造
水装置の第6の例として、図6に示すように、各ユニッ
ト101〜105の前段の造水カートリッジ4の透過水
取り出し配管5aが後段の造水カートリッジ4の原水入
口に接続されて各ユニット101〜105の2つの造水
カートリッジ4が直列に接続され、5つのユニット10
1〜105の前段の造水カートリッジ4の原水入口が共
通の活性炭カートリッジ2に接続され、5つのユニット
101〜105の前段の造水カートリッジ4の濃縮水出
口に共通の圧力調整弁6およびフラッシング弁9が設け
られ、5つのユニット101〜105の後段の造水カー
トリッジ4の濃縮水出口に共通の圧力調整弁6およびフ
ラッシング弁9が設けられてもよい。第3から第6のい
ずれの例においても、各ユニット101〜105の2つ
の造水カートリッジ4の透過水を取り出す透過水取り出
し配管5に、紫外線殺菌灯55が設けられている。
【0109】図7は本発明に係る造水装置の第7の例を
示す構成図である。図7に示す造水装置は、以下の点を
除いて、図1に示した造水装置と同様の構成を有する。
【0110】図7に示す造水装置においては、透過水排
出弁52が介挿された透過水排出配管51が、透過水取
り出し配管5に接続されている。また、透過水取り出し
配管5には、透過水取り出し弁50が介挿されている。
この場合、透過水取り出し弁50および透過水排出弁5
2は自動弁であってもよく、開閉動作がタイマ等により
それぞれ独立または同時に制御されてもよい。
【0111】図7に示す造水装置においては、図1に示
した造水装置と同様にして前処理および脱塩処理が行わ
れる。なお、前処理および脱塩処理の際には、透過水取
り出し配管5の透過水取り出し弁50を開くとともに、
透過水排出配管51の透過水排出弁52を閉じる。
【0112】上記の造水装置においては、0.3kgf
/cm2 以上3kgf/cm2 以下の圧力を有する原水
を加圧ポンプを用いることなく無動力で造水カートリッ
ジ4に供給し、効率良く脱塩処理することが可能であ
る。
【0113】また、造水カートリッジ4に供給される原
水の量aと造水カートリッジ4から得られる透過水の量
bとの比率b/aが、b/a>0.5となるように圧力
調整弁6が設定されるため、供給した原水に対して、5
0%より高い回収率で透過水が得られる。したがって、
効率が良く経済的である。
【0114】また、造水カートリッジ4の透過水が透過
水取り出し配管5を通して外部へ取り出される過程にお
いて、透過水に紫外線殺菌灯55の光線が照射される。
それにより、造水カートリッジ4内および透過水取り出
し配管5内において発生および繁殖しかつ透過水中に混
入した菌は、紫外線殺菌灯55により殺菌される。この
ようにして、殺菌された水質の高い透過水が透過水取り
出し配管5の透過水取水口から得られる。
【0115】なお、図1の造水装置において前述したよ
うに、この場合においても、上記の紫外線殺菌灯55は
透過水取り出し配管5の透過水取水口の近くに設けるこ
とが好ましい。
【0116】また、上記の造水装置においては、図1に
示した造水装置と同様にして残留塩素を含む原水がバイ
パス配管13を通して造水カートリッジ4内に供給さ
れ、造水カートリッジ4内の殺菌および滅菌が行われ
る。その結果、造水カートリッジ4内の菌の繁殖を抑制
することができる。
【0117】ここで、造水装置の運転停止と同時にバイ
パス弁12を開く場合、および造水装置の運転停止中に
定期的にバイパス弁12を開く場合、バイパス配管13
を通して供給された残留塩素を含む原水は、造水カート
リッジ4を経た後、透過水取り出し配管5および透過水
排出配管51を通して外部へ排出されてもよい。この場
合、透過水取り出し配管5の透過水取り出し弁50を閉
じるとともに、透過水排出配管51の透過水排出弁52
を開く。それにより、透過水取り出し配管5が残留塩素
を含む原水により滅菌および殺菌される。その結果、造
水装置の運転停止中における透過水取り出し配管5での
菌の繁殖を抑制することが可能となり、透過水に汚染成
分が混入するのを防止することが可能となる。
【0118】なお、バイパス弁12を開く時間間隔およ
びバイパス弁12を開く時間については、図1に示した
造水装置において前述した通りである。
【0119】また、上記の造水装置においては、図1に
示した造水装置と同様にして洗浄水配管8を通してフラ
ッシングが行われる。それにより、造水カートリッジ4
の膜面に滞溜した不純物を造水カートリッジ4の外部に
放出することが可能となる。
【0120】なお、バイパス弁12を開く時間間隔cと
フラッシング弁9を開く時間間隔dとの比率c/dにつ
いては、図1に示した造水装置において前述した通りで
ある。
【0121】さらに、上記の造水装置において、中断し
ていた造水作業を再開する際(造水装置の運転再開
時)、透過水排出弁52を開くとともに透過水取り出し
弁50を閉じた状態で運転を行う。この場合、造水カー
トリッジ4の透過水は、透過水排出配管51を通して外
部へ排出される。このようにして造水装置の運転再開時
に透過水排出弁52を開いて透過水の放流を行った後、
透過水排出弁52を閉じるとともに透過水取り出し弁5
0を開き、通常の運転を行う。
【0122】上記の透過水の放流により、造水装置の運
転停止中において造水カートリッジ4内および透過水取
り出し配管5内で発生および堆積した菌体等の汚染成分
を、透過水とともに透過水排出配管51を通して外部へ
排出することができる。その結果、造水カートリッジ4
内および透過水取り出し配管5内の汚染成分を除去する
ことが可能になり、透過水取り出し配管5を通して取り
出される透過水への汚染成分の混入を抑制することが可
能となる。
【0123】以上のように、上記の造水装置において
は、透過水取り出し配管5に紫外線殺菌灯55を設ける
ことにより、透過水中に混入した菌を殺菌することが可
能となる。それにより、透過水における菌の繁殖が抑制
され、水質の劣化が防止される。
【0124】また、バイパス弁12を開くことにより、
残留塩素を含む原水が造水カートリッジ4に供給される
ので、造水カートリッジ4内の菌の繁殖を抑制すること
ができる。その結果、菌の繁殖による透過水の水質の劣
化がさらに防止される。
【0125】また、フラッシングにより造水カートリッ
ジ4の逆浸透膜の膜性能を維持することが可能となるた
め、脱塩処理の際の膜面線速度が小さくても透過水の水
質は劣化せず、また、透過水量の経時的な減少も生じな
い。それゆえ、前述のように、造水カートリッジ4に供
給される原水の量aと造水カートリッジ4から得られる
透過水の量bとの比率b/aを、b/a>0.5とする
ことができ、経済的な透過水量が得られる。
【0126】さらに、透過水排出配管51を通して透過
水を放流することにより、造水カートリッジ4内および
透過水取り出し配管5内の汚染成分を外部に排出するこ
とが可能となる。その結果、造水カートリッジ4の逆浸
透膜の膜性能を維持することが可能となるとともに、透
過水の水質の劣化がより防止される。
【0127】上記の造水装置においては、加圧ポンプが
不要となるため、造水コストおよび造水装置の価格を抑
えることができるとともに、効率の良い脱塩処理を長期
間にわたり安定して行い、水質の高い処理水を得ること
が可能となる。したがって、騒音を発生することなく低
コストで造水を行うことが可能である。
【0128】なお、上記においては1台の造水カートリ
ッジ4から構成される造水装置について説明したが、造
水カートリッジ4が複数台並列または直列に設けられた
構成の造水装置も可能である。
【0129】例えば、造水カートリッジ4が複数台並列
または直列に設けられている場合、各造水カートリッジ
4の透過水取り出し配管の連結部の最後尾に、透過水排
出弁52が介挿された透過水排出配管51が接続され
る。また、透過水排出配管51の連結部よりも下流側の
透過水取り出し配管に、透過水取り出し弁50が介挿さ
れるとともに紫外線殺菌灯55が設けられる。あるい
は、並列または直列に配列された所定数の造水カートリ
ッジ4を1ユニットとし、複数のユニットを並列または
直列に配列してもよい。この場合、例えば複数のユニッ
トの造水カートリッジ4の透過水取り出し配管の連結部
の最後尾に、上述の透過水排出配管51、透過水排出弁
52、透過水取り出し弁50および紫外線殺菌灯55が
設けられる。
【0130】上記いずれの場合においても、図7に示し
た造水装置と同様、加圧ポンプが不要となり、造水コス
トおよび造水装置の価格を抑えることができるととも
に、効率のよい脱塩処理を長期間にわたり安定して行う
ことが可能となる。したがって、騒音を発生することな
く、低コストで造水を行い、水質の高い処理水を得るこ
とが可能となる。
【0131】図1〜図7に示す造水装置により得られた
処理水を洗浄用水に使用してもよい。ここで洗浄用水と
は、洗浄効果の向上と洗浄後乾燥時の表面残留物の発生
防止のために使用する。また、得られた処理水をボイラ
ー用軟水、食品製造用軟水、水耕栽培用農業用水、実験
室用純水、加湿器用水または飲料用水に使用してもよ
い。さらに、この処理水をイオン交換器または連続電気
再生イオン交換装置に供給してもよい。この場合には、
処理水の純度がさらに高められるため、超純水が得られ
る。なお、ここで述べた連続電気再生イオン交換装置と
は、イオン交換膜を用いない電気透析やイオン交換膜を
用いた電気透析等、外部から電流を与えてイオン交換を
連続的に行う装置のことを意味する。
【0132】
【実施例】以下に示す実施例および比較例の造水装置を
運転し、原水の脱塩処理を行った。原水としては、滋賀
県草津市水道水を用いた。この水道水の特性は表1に示
す通りである。
【0133】
【表1】
【0134】[実施例]実施例においては、図1に示す
造水装置を用いた。なお、造水カートリッジ4には、日
東電工株式会社製逆浸透膜スパイラル型膜エレメントL
ES90−D8を使用した。この逆浸透膜スパイラル型
膜エレメントの性能は表2に示す通りである。
【0135】
【表2】
【0136】上記の水道水を供給水量6.5L/分で活
性炭カートリッジ2に供給して残留塩素を除去し、造水
カートリッジ4で造水作業を実施した。この場合、造水
作業の実施中(造水装置の運転中)に1時間に1回の割
合で30秒間ずつフラッシング弁9を開放し、フラッシ
ングを行った。フラッシング弁9と同時にバイパス弁1
2を開閉し、残留塩素を含んだ水道水を造水カートリッ
ジ4に供給した。
【0137】造水作業開始から48時間後に透過水取水
口からサンプリングした透過水の電導度は12μS/c
mであり、透過水量は4.5L/分であった。また、こ
の透過水からJISK0101工業用水試験方法の6
3.2一般細菌の項に準じて菌を培養したところ、菌体
検出数は0CFUであった。なお、CFUは、1個のコ
ロニーが1個の菌から形成されたとした場合の計数であ
る。
【0138】[比較例]比較例においては、透過水取り
出し配管5に紫外線殺菌灯55が設けられていない点を
除いて、図1に示す造水装置と同様の構造を有する造水
装置を用いた。なお、造水カートリッジ4には、実施例
と同様の逆浸透膜スパイラル型膜エレメントを用いた。
この造水装置を実施例1と同様の運転方法により運転し
た。
【0139】造水作業開始から48時間後に透過水取水
口からサンプリングした透過水の電導度は12μS/c
mであり、透過水量は4.5L/分であった。また、菌
体検出数は850CFUであった。
【0140】以上の実施例および比較例において示すよ
うに、透過水取り出し配管5に紫外線殺菌灯55が設け
られた実施例の造水装置においては、造水カートリッジ
4内および透過水取り出し配管5内において発生しかつ
透過水中に混入した菌を紫外線殺菌灯55により殺菌す
ることができる。このため、透過水において菌が繁殖せ
ず、水質の高い透過水が得られる。これに対し、透過水
取り出し配管5に紫外線殺菌灯55が設けられていない
比較例の造水装置においては、造水カートリッジ4内お
よび透過水取り出し配管5内において発生しかつ透過水
中に混入した菌が殺菌されないため、透過水において菌
が繁殖し、透過水質が劣化する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る造水装置の第1の例を示す構成図
である。
【図2】本発明に係る造水装置の第2の例を示す構成図
である。
【図3】本発明に係る造水装置の第3の例を示す構成図
である。
【図4】本発明に係る造水装置の第4の例を示す構成図
である。
【図5】本発明に係る造水装置の第5の例を示す構成図
である。
【図6】本発明に係る造水装置の第6の例を示す構成図
である。
【図7】本発明に係る造水装置の第7の例を示す構成図
である。
【図8】加圧ポンプを備えた従来の造水装置の一例を示
す構成図である。
【符号の説明】
2 活性炭カートリッジ 4 造水カートリッジ 6 圧力調整弁 9 フラッシング弁 11 給水弁 12 バイパス弁 51 透過水排出配管 52 透過水排出弁 55 紫外線殺菌灯

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 逆浸透膜を備えた造水カートリッジに被
    処理液を昇圧する昇圧手段を介することなく所定の圧力
    を有する被処理液を供給する供給系が設けられるととも
    に、前記造水カートリッジの処理液取り出し経路に紫外
    線殺菌灯が設けられたことを特徴とする造水装置。
  2. 【請求項2】 前記被処理液に含まれる残留塩素を除去
    するための前処理器が前記造水カートリッジの前段に設
    けられ、前記前処理器をバイパスするようにバイパス経
    路が設けられるとともに、前記バイパス経路を開閉する
    開閉手段が設けられたことを特徴とする請求項1記載の
    造水装置。
  3. 【請求項3】 前記被処理液が0.3kgf/cm2
    上3kgf/cm2以下の圧力を有することを特徴とす
    る請求項1または2記載の造水装置。
  4. 【請求項4】 前記造水カートリッジの逆浸透膜をフラ
    ッシングするフラッシング手段が設けられたことを特徴
    とする請求項1〜3のいずれかに記載の造水装置。
  5. 【請求項5】 前記造水カートリッジにより脱塩処理さ
    れた処理液を外部に排出する処理液排出経路がさらに設
    けられたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記
    載の造水装置。
  6. 【請求項6】 所定の圧力を有する被処理液を昇圧手段
    を介することなく逆浸透膜を備えた造水カートリッジに
    供給するとともに、紫外線殺菌灯を備えた処理液取り出
    し経路を通して前記造水カートリッジの処理液を取り出
    すことを特徴とする造水方法。
  7. 【請求項7】 前記被処理液を残留塩素を除去するため
    の前処理器を介して前記造水カートリッジに供給すると
    ともに、所定のタイミングで前記前処理器をバイパスさ
    せて前記被処理液を前記造水カートリッジに供給するこ
    とを特徴とする請求項6記載の造水方法。
  8. 【請求項8】 所定のタイミングで前記造水カートリッ
    ジの逆浸透膜をフラッシングすることを特徴とする請求
    項6または7記載の造水方法。
  9. 【請求項9】 前記造水カートリッジの前記処理液を前
    記処理液排出経路を通して所定のタイミングで外部に排
    出することを特徴とする請求項6〜8のいずれかに記載
    の造水方法。
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