JP2000301148A - 造水方法 - Google Patents

造水方法

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JP2000301148A
JP2000301148A JP11265472A JP26547299A JP2000301148A JP 2000301148 A JP2000301148 A JP 2000301148A JP 11265472 A JP11265472 A JP 11265472A JP 26547299 A JP26547299 A JP 26547299A JP 2000301148 A JP2000301148 A JP 2000301148A
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membrane
seawater
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filtration
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Yuichiro Nakaoki
優一郎 中沖
Takuhei Kimura
拓平 木村
Yoshinari Fusaoka
良成 房岡
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Toray Industries Inc
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    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
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Abstract

(57)【要約】 【課題】膜分離装置において、膜の確実な殺菌方法の提
供し、効率的な造水方法を提供する。 【解決手段】分離膜を用い、耐酸性菌の生存率が1%を
超えないように供給水のpHをコントロールしながら造
水する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は水を膜、特に逆浸透
膜を用いて分離を行う際の脱塩、分離、更には海水淡水
化を行うときに用いることができる造水方法に関する。
【0002】
【従来の技術】膜による分離技術は、海水及びカン水の
淡水化、医療、工業用純水、超純水の製造、工業廃水処
理など幅広い分野に利用されている。これら膜分離にお
いて、微生物による分離装置の汚染は、得られる透過水
の水質悪化や、膜面上での微生物増殖あるいは微生物お
よびその代謝物の膜面への付着などによる膜の透過性、
分離性の低下をもたらす。このような重要な問題を回避
するため、膜分離装置の殺菌法が種々提案されている
が、一般的には殺菌剤を常時、あるいは間欠的に供給液
に添加する方法がとられている。殺菌剤としては、実績
があり、価格、操作面でも有利な塩素系殺菌剤を0.1
〜50ppm程度の濃度になるよう添加するのが最も一
般的である。ただし塩素系殺菌剤は逆浸透膜の化学的劣
化をもたらすため、該殺菌剤を使用した場合は逆浸透膜
に供給する前に、還元剤を用いて遊離塩素を還元する必
要がある。還元剤としては一般的に亜硫酸水素ナトリウ
ムを1〜10倍等量添加する。これは残存殺菌剤を完全
に消去すると同時に、還元剤が溶存酸素とも反応するこ
とを考慮した濃度である。ところが、本方法で運転を続
けても膜性能の低下する場合があることから、このよう
な操作方法が微生物を殺菌するのに必ずしも充分ではな
いことが明らかになってきた。これについては、塩素を
添加することによって、供給液中に存在する有機炭素が
酸化され、微生物に分解されやすい化合物に変換される
という説もある(A. B. Hamida and I. Moch, jr., Des
alination & Water Reuse, 6/3, 40〜45, (1996).)が、
実証はされていない。そこで間欠的に亜硫酸水素ナトリ
ウムを、通常500ppmの濃度で添加することによっ
て殺菌する方法が開発され、一般的に使用されるに至っ
たが、本方法も場合によって有効とは言い難く、微生物
が膜に堆積することが次第に明らかになってきている。
亜硫酸水素ナトリウムの殺菌効果としては、供給液中の
酸素を除去できること、pHを低下させること、などが
挙げられる。しかし膜装置の運転に際して、亜硫酸水素
ナトリウムの間欠添加の殺菌が効果的とは言い難い現状
である。本発明者らはその原因を究明し、中性〜弱アル
カリ性で生息する一般の好気性細菌にとって嫌気状態
は、生育は抑えられても死に至る環境ではなく、むしろ
pHの低下が最も殺菌に有効であるという結論に達し
た。これは微生物学的に見ても矛盾しない結論といえ
る。一方海水のように塩濃度の高い供給液では、500
ppmという高濃度の亜硫酸水素ナトリウムを添加して
も、一般の細菌は死滅するほどpHが下がらないことが
判明した。従って、より低濃度の塩を含む供給液におい
ても、亜硫酸水素ナトリウムの殺菌効果が、嫌気状態に
なることが原因ではなく、pHの低下が効果的であり、
高価な亜硫酸水素ナトリウムを高濃度添加する必要はな
く、単に硫酸など安価な酸を添加してpHを低下させる
だけで、充分殺菌できることを見出し、特願平10−2
04873号の膜の殺菌方法に到達した。しかし、さら
に酸性条件に耐性をもつ菌が膜に堆積した場合などへの
対応など、一層有効に殺菌する方法の必要性が認識され
てきている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような状況のも
と、酸性条件に耐性をもつ微生物の殺菌条件を鋭意検討
した結果、硫酸など安価な酸を添加してpHを低下させ
耐酸性菌以外を殺菌し、耐酸性菌については膜への堆積
状況に応じて酸を添加するときに数回に一度、添加量を
増やしてさらにpHを低下させるだけで、耐酸性菌も充
分殺菌できることを見出し、本発明に到達したものであ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は下記の構
成により達成される。即ち本発明は、「分離膜を用い、
耐酸性菌の生存率が1%を超えないように供給水のpH
をコントロールしながら造水することを特徴とする造水
方法。」からなるものである。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明において、膜分離装置とは
造水、濃縮、分離などの目的で、被処理液を加圧下で膜
モジュールに供給し、透過液と濃縮液に分離するための
装置をいう。膜モジュールには逆浸透膜モジュール、限
外ろ過膜モジュール、精密ろ過膜モジュールなどがあ
り、膜分離装置はそこで主に使用する膜モジュールの種
類によって逆浸透膜装置、限外ろ過膜装置、精密ろ過膜
装置に分けられるが、具体的には逆浸透膜装置が挙げら
れる。逆浸透膜装置は、通常は逆浸透膜エレメント、耐
圧容器、加圧ポンプなどで構成される。該逆浸透膜装置
に供給される被分離液は通常、殺菌剤、凝集剤、さらに
還元剤、pH調整剤などの薬液添加と凝集、沈殿、砂ろ
過、ポリッシングろ過、活性炭ろ過、精密ろ過、限外ろ
過、保安フィルターなどの前処理が行なわれる。例え
ば、海水の脱塩の場合には、海水を取込んだ後、沈殿池
で粒子などを分離し、またここで塩素などの殺菌剤を添
加して殺菌を行なう。さらに塩化鉄、ポリ塩化アルミニ
ウムなどの凝集剤を添加して砂ろ過を行う。ろ液は貯槽
に貯められ、硫酸などでpHを調整した後高圧ポンプに
送られる。この送液中に亜硫酸水素ナトリウムなどの還
元剤を添加して殺菌剤を消去し、保安フィルターを透過
した後、高圧ポンプで昇圧されて逆浸透膜モジュールに
供給される。ただし、これらの前処理は用いる供給液の
種類、用途に応じて適宜採用される。
【0006】ここで逆浸透膜とは、被分離混合液中の一
部の成分、例えば溶媒を透過させ他の成分を透過させな
い半透性の膜である。ナノフィルトレーション膜または
ルースRO膜なども広い意味では逆浸透膜に含まれる。
その素材には酢酸セルロース系ポリマー、ポリアミド、
ポリエステル、ポリイミド、ビニルポリマーなどの高分
子素材がよく使用されている。またその膜構造は膜の少
なくとも片面に緻密層を持ち、精密層から膜内部あるい
はもう片方の面に向けて徐々に大きな孔径の微細孔を有
する非対称膜、非対称膜の緻密層の上に別の素材で形成
された非常に薄い活性層を有する複合膜がある。膜形態
には中空糸、平膜がある。中空糸、平膜の膜厚は10μ
m〜1mm、中空糸の外径は50μm〜4mmである。
また平膜では非対称膜、複合膜は織物、編み物、不織布
などの基材で支持されていることが好ましい。しかし、
本発明の方法は、逆浸透膜の素材、膜構造や膜形態によ
らず利用することができ、いずれも効果がある。代表的
な逆浸透膜としては、例えば酢酸セルロース系やポリア
ミド系の非対称膜およびポリアミド系、ポリ尿素系の活
性層を有する複合膜などがあげられる。これらの中で
も、酢酸セルロース系の非対称膜、ポリアミド系の複合
膜に本発明の方法が有効であり、さらに芳香族系のポリ
アミド複合膜では効果が大きい。
【0007】逆浸透膜モジュールとは、上記逆浸透膜を
実際に使用するために形態化したものであり、平膜はス
パイラル、チューブラー、プレート・アンド・フレーム
のモジュールに組み込んで、また中空糸は束ねた上でモ
ジュールに組み込んで使用することができるが、本発明
はこれらの逆浸透膜モジュールの形態に左右されるもの
ではない。
【0008】また、逆浸透膜モジュールはスパイラル形
状では供給水の流路材、透過水流路材などの部材を組み
込んでおり、これら部材の構成はいずれの物を用いても
良いが特に高濃度用、高圧用に設計されたモジュールで
効果がある。
【0009】逆浸透膜装置の運転圧力は0.1MPa〜
15MPaであり、供給液の種類、運転方法などで適宜
使い分けられる。カン水や超純水など浸透圧の低い溶液
を供給液とする場合には比較的低圧で、海水淡水化や廃
水処理、有用物の回収などの場合には比較的高圧で使用
される。
【0010】逆浸透膜装置の運転温度は0℃から100
℃の範囲であり、0℃よりも低いと供給液が凍結して使
用できず、100℃よりも高い場合には供給液の蒸発が
起こり使用できない。
【0011】また、分離装置の回収率は5から100%
まで分離操作、装置に応じて設定することが出来る。逆
浸透膜装置の回収率は5から98%の間で適宜選択する
ことが出来る。ただし、供給液や濃縮液の性状、濃度、
浸透圧に応じて前処理、運転圧力、を考慮しなければな
らない。例えば海水淡水化の場合には、通常10〜40
%、高効率の装置の場合には40〜70%の回収率であ
る。カン水淡水化や超純水製造の場合には70%以上、
90〜95%の回収率で運転することもできる。
【0012】逆浸透膜装置の構成は主に高圧ポンプと逆
浸透膜モジュールからなるが、高圧ポンプは装置の運転
圧力に応じて最適のポンプを選定することができる。
【0013】また、逆浸透膜モジュールの配列は1段で
使用することもできるが供給水に対して直列、並列に多
段に配列することが出来る。直列に配列する場合は逆浸
透膜モジュールの間に昇圧ポンプを設置することが出来
る。海水淡水化の直列の配列では装置コストの観点から
特に2段の配列が好ましく、直列に配列したモジュール
の間に昇圧ポンプを設置して供給液を1.0〜5.0M
Pa程度、昇圧して後段のモジュールに供給することが
好ましい。供給液に対して直列に配列した場合には膜モ
ジュールと供給水が接触する時間が長いので本発明の方
法の効果が大きい。さらに、逆浸透膜モジュールは透過
水に対して直列に配列することもできる。透過水の水質
が不充分な場合や透過水中の溶質成分を回収したい場合
には好ましい方法である。透過水に対して直列に配列す
る場合には、間にポンプを設置し、透過水を再び加圧す
るか、前段で余分に圧力をかけておき背圧をかけて膜分
離することが出来る。透過水に対して直列に配列する場
合には後ろの膜モジュール部分の殺菌を行うために酸の
添加装置を膜モジュールと膜モジュールの間に設ける。
【0014】逆浸透膜の装置においては供給水のうち膜
を透過しなかった部分は濃縮水として膜モジュールから
取り出される。この濃縮水は用途に応じて処理した後に
廃棄したり、さらに他の方法で濃縮することも可能であ
る。また、濃縮水はその一部又は全てを供給水に循環す
ることもできる。膜を透過した部分においても用途に応
じて廃棄したり、そのまま利用したり、あるいは供給水
にその一部又は全てを循環することができる。
【0015】一般に逆浸透膜装置の濃縮水は圧力エネル
ギーを有しており、運転コストの低減化のためにはこの
エネルギーを回収することが好ましい。エネルギー回収
の方法としては任意の部分の高圧ポンプに取り付けたエ
ネルギー回収装置で回収することもできるが、高圧ポン
プの前後や、モジュールの間に取り付けた専用のタービ
ンタイプのエネルギー回収ポンプで回収することが好ま
しい。また、膜分離装置の処理能力は一日当たり水量で
0.5m3〜100万m3の装置である。
【0016】また本発明が使用される分離装置では、装
置配管は出来るだけ滞留部の少ない構造とすることが好
ましい。
【0017】本発明において、pHを2.7〜4にする
工程Aは膜に対して高い殺菌効果を提供する上で極めて
重要であり、pHを2.6以下にする工程Bは膜に対し
て耐酸性菌を含めた細菌に対して高い殺菌効果を提供す
る上で極めて重要である。これは特に海水を供給水とし
て使用する膜ろ過においてこの効果は顕著である。特に
海水を供給水として使用する膜ろ過においてこの効果は
顕著である。微生物の死滅するpHは個々の微生物に特
有であり、例えば大腸菌の場合生育の下限はpH4.6
であるが、死滅はpH3.4以下でおこる。一方海水中
にも多種多様の微生物が存在し、それぞれ死滅するpH
が異なる。多種の生菌を含む海水をpH4以下に一定時
間保持すれば、50〜100%を死滅させることが可能
である。またpH3.9以下の酸性度、さらにpH3.
7以下の酸性度も好ましい範囲である。しかし、多種の
生菌を含む海水中には耐酸性の微生物も存在するが、海
水をpH2.6以下に一定時間保持すれば、耐酸性菌の
内、60〜100%を死滅させることが可能である。p
Hを所望の状態にするためには、通常は酸を用いる。酸
としては、有機酸、無機酸いずれを用いても差し支えな
いが、経済的な面を考えると、硫酸を用いることが好ま
しい。また硫酸の添加量は供給液の塩濃度に比例する。
例えば加圧滅菌(120℃、15分)した生理食塩水
(食塩濃度0.9%)では硫酸50ppmの添加でpH
3.2まで低下するが、加圧滅菌(120℃、15分)
した3カ所の海水および市販の人工海水(塩濃度約3.
5%)では、硫酸を100ppm添加した場合でもpH
5.0〜5.8であった。これは主に海水のMアルカリ
度によって大きく変動すると考えられる。さらにpH4
以下にするためには、120ppm以上の添加、pH
2.6以下にするためには、250ppm以上の添加が
好ましい。最大添加量は経済性や配管等設備への影響を
考えると、400ppm、更に好ましくは300ppm
である。なお上記の海水、人工海水への硫酸添加濃度を
更に150ppm、200ppm、250ppm、30
0ppmとすると、それぞれpH3.2〜3.6、pH
2.8〜2.9、pH2.6、pH2.4と、添加濃度
が高くなるに従ってpH変動は減少する。常にpH2.
6以下にすれば、酸耐性菌を含む全ての細菌に対して高
い殺菌効果を示すが、海水中の細菌に占める耐酸性菌の
割合は小さいため、通常はpH2.7〜4で殺菌し、耐
酸性菌に対しては時にpH2.6以下にして殺菌するこ
とが、供給液を酸性にするための薬液費の削減と配管等
設備への影響の面から、好ましい。
【0018】本発明の膜の殺菌は、被処理水が前処理を
終えて膜モジュールに供給される工程において、間欠的
に実施される。その工程の時間、工程頻度は、使用場
所、使用条件などで大きく異なり、適宜選択される。例
えば、工程Aおよび工程Bの1回の時間は、それぞれ
0.5〜2.5時間とすることができる。また頻度とし
ては、1日ごと、1週間ごと、1ヶ月ごと、と言った間
隔で行うことができるが、酸性水処理工程Aは1日〜3
0日に1回の頻度、酸性水処理工程Bは2日〜180日
に1回の頻度が好ましい。これらは膜の透過水量の減
少、濃縮液の生菌数や含有有機炭素の増加、膜圧の上昇
などによって変動する。また非連続使用の場合は、非通
水すなわち、休止中に膜を浸漬状態とすることで実施す
ることも可能である。また、複数回の工程Aおよび工程
Bが行われる、一定の期間に注目した場合、酸性水処理
工程Aの合計時間と酸性水処理工程Bの合計時間との比
が1/100〜100の範囲となることが好ましい。ま
た、本発明において、工程Aの状態から工程Bの作業
へ、逆に工程Bの状態から工程Aの作業に直接移ること
ができるが、本発明では処理工程Aと処理工程Bとの間
にpH未調整の供給液を供給することが好ましい。この
場合pH未調整の供給液は、通常の水の膜分離操作にて
分離し、透過液または濃縮液を本来の目的として使用す
ることができる。
【0019】さらに、本発明の殺菌方法は、塩素などの
他の殺菌方法と併用することも可能である。
【0020】本発明の膜の殺菌方法は、単に膜分離装置
のみならず、膜分離装置を一部に含む水の分離システム
にも適用できる。例えば以下に示す構成のシステムであ
る。 A.取水装置。これは原水を取り込む装置であって、通
常取水ポンプ、薬品注入設備などで構成される。 B.取水装置に連通した前処理装置。これは分離膜装置
に供給する水を前処理して所望の程度まで精製するもの
である。例えば以下の順に構成することができる。 B−1 凝集濾過装置。 B−2 ポリッシングろ過装置。ただしB−1、B−2
の替わりに限外ろ過装置や精密ろ過装置を用いても良
い。 B−3 凝集剤、殺菌剤、pH調整剤などの薬品注入設
備。 C.前処理装置に通連し必要に応じて設置される中間
槽。これは水量調節、水質の緩衝作用の機能を提供する
ものである。 D.Cを設置する場合には中間槽に通連し、またはCを
設置しない場合には前処理装置から通連したフィルタ
ー。これは膜分離装置に供給される水の固形不純物を除
去する。 E.膜分離装置。高圧ポンプおよび分離膜モジュールか
らなる。膜分離装置は複数設置して、これらを並列に設
置しても、直列に設置してもよい。直列に設定する場合
には、後段の分離膜装置に供給する水圧を上げるための
ポンプを膜分離装置間に設けることができる。 F.膜分離装置の膜透過側出口部分に通連した後処理装
置。以下の装置が例示される。 F−1 脱気装置。これは脱炭酸の機能を有するもので
ある。 F−2 カルシウム塔。 F−3 塩素注入。 G.膜分離装置の原水側出口部分に通連した後処理装
置。以下の装置が例示される。 G−1 pHが低下した供給液を処理する装置。例えば
中和装置。 G−2 放流設備。 H.その他、廃水の処理装置を適宜設けても良い。
【0021】このような装置においては任意のところに
ポンプを設けることができる。またpHを2.7〜4ま
たは2.6以下とするために薬剤または薬剤の溶液を添
加するのはAの取水装置、Bの前処理装置において、も
しくは前処理装置の前、または、Dのフィルターの前、
もしくはフィルターの後であることが好ましい。
【0022】また、本願発明の効果をより高めるため
に、酸添加装置は自動制御できるものが好ましく、適宜
注入量をコントロールできるポンプを備え付けているこ
とが好ましい。また、コントロールのために装置内の適
当な箇所に供給液、濃縮液のpHを測定する装置を備え
付けていることが好ましい。また、間欠的添加をコント
ロールするために時間を測定できる装置を有しているこ
とが好ましい。さらに好ましくは自動運転できる自動制
御装置を具備してなることが好ましい。
【0023】本願発明の装置はその構成部材、例えば配
管、バルブなどはpH2.6以下の条件で変化しにくい
ものを使用する。
【0024】さらにpHを2.7〜4とすることによっ
て高い殺菌効果が得られると同時に、配管内のスケール
を除去できるという効果も得ることができる。またpH
を2.6以下とすることによって酸性条件に耐性を持つ
微生物を殺菌することが出来る。さらには、塩素等の酸
化物による膜劣化を防止するために亜硫酸水素ナトリウ
ムを通常一定量以上となるように添加するが、膜面上に
付着する微生物(イオウ細菌などが考えられる)、金属
塩等の影響で、消費量が増えるような場合にも、本発明
の酸性水処理によってその添加量を著しく低減できる効
果も得ることができる。
【0025】本発明の方法は、膜を用いる分離に好適に
使用できるが特に水溶液の分離に効果が大きい。さら
に、分離の用途としては精密ろ過膜を用いた液体と固形
分の分離・濃縮、限外ろ過膜を用いた濁質分の分離・濃
縮、逆浸透膜を用いた溶解成分の分離・濃縮に効果があ
る。特に、海水の淡水化や、カン水の淡水化、工業用水
の製造、超純水、純水の製造、医薬用水の製造、食品の
濃縮、水道原水の除濁、水道における高度処理で効果が
大きい。従来の酸化性殺菌剤で分離しやすい有機物、等
を分離・濃縮する場合にも、殺菌による分解なしで濃
縮、回収することが出来、本発明の方法の効果が大き
い。また、飲料水製造の場合には塩素殺菌によるトリハ
ロメタン発生を防止できる効果がある。
【0026】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限定され
るものではない。
【0027】比較例1 加圧滅菌(120℃、15分)した市販の3.5%人工
海水に、海水を1%加え、pHを測定したところpH
8.5であった。20℃で2時間保持した後、pH7に
調整した海洋性細菌用寒天培地に100μlを塗布し、
20℃で保温した。数日間培養すると、寒天培地上にコ
ロニーが200個出現した。
【0028】実施例1 加圧滅菌(120℃、15分)後硫酸を200ppmと
なるように添加してpHを調整した市販の3.5%人工
海水に、海水を1%加え、pHを調製したところpH
2.8であった。20℃で2時間保持した後、pH7に
調整した海洋性細菌用寒天培地に100μlを塗布し、
20℃で保温した。数日間培養すると、寒天培地上にコ
ロニーが3個出現した。比較例1と合わせて結果を表1
に示す。これらの菌はpH2.8では殺菌できない耐酸
性菌であり、海水中に細菌の1.5%存在していたと考
えられる。
【0029】
【表1】
【0030】実施例2 加圧滅菌(120℃、15分)後硫酸を添加してpHを
調整した市販の3.5%人工海水に、実施例1で取得し
た未同定の耐酸性菌3株を一定量ずつ加え、20℃で一
定時間保持した後の生存率を求めて表2の結果を得た。
表2から、pH2.6以下に0.5時間以上保持するこ
とによって極めて高い殺菌効果が提供されることが理解
できる。
【0031】
【表2】
【0032】実施例3 海水を供給水として用い、前処理工程を行う前処理装置
およびポリアミドからなる逆浸透膜を有するモジュール
を有する膜分離装置を運転して淡水への逆浸透ろ過を行
った。前処理工程において供給海水に塩素を残存濃度が
10ppmとなるよう連続添加し、逆浸透膜モジュール
の手前で亜硫酸水素ナトリウムを添加した。亜硫酸水素
ナトリウムの添加濃度は、逆浸透膜モジュールから排出
されるブライン中の残存濃度が1ppm以上になるよう
に調節した。運転開始後、亜硫酸水素ナトリウムの消費
量が上昇し、10日間運転後には21ppmに到達し
た。その後、硫酸を添加してpHを2.5に調整した供
給水を1日目、2日目、10日目に30分間通水、また
同様にしてpHを3に調整した供給水を14日目、27
日目に30分間通水したところ、亜硫酸ナトリウムの消
費量は10ppmまで低下した。
【0033】実施例4 海水を供給水として用い、海水を供給水として用い、前
処理工程を行う前処理装置およびポリアミドからなる逆
浸透膜を有するモジュールを有する膜分離装置2機(装
置AおよびB)を同時並行で運転し、淡水への逆浸透ろ
過を行った。前処理後の海水に実施例1で取得した耐酸
性菌の培養液を添加して通水した。どちらもpHを3.
5〜4.0に調整した供給水を1日30分通水し30日
連続運転をすると膜圧の上昇が見られた。その後、膜分
離装置AはpHを2.6に調整した供給水を1日30
分、膜分離装置BはpHを3.5〜4.0に調整した供
給水を1日30分通水し、さらに5日に1度は供給水の
pHを2.6に調整して1日30分通水した。30日間
連続運転を行った結果、どちらの膜分離装置も差圧の変
化がなかった。また通常運転時にろ過濃縮水の生菌数を
測定したところ、どちらの膜分離装置もpHを3.5〜
4.0に調整した供給水のみを通水していた時と比較し
て、1/100以下に減少していた。結果を表3にまと
める。表3から、pH3.5〜4.0に調整した供給水
では殺菌効果が不充分であったが、pH2.6に調整し
た供給水では充分な殺菌効果があり、さらにその殺菌効
果は5回に1度pH2.6に下げただけで充分であった
ことが理解できる。
【0034】
【表3】
【0035】
【発明の効果】膜分離装置を用いて水を精製する際に、
膜面あるいは膜付近に存在する耐酸性菌を含む微生物を
殺菌する方法として、従来用いられてきた高濃度亜硫酸
水素ナトリウムの間欠添加に比べ、本発明の方法によれ
ば確実な殺菌が可能となる。
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Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分離膜を用い、耐酸性菌の生存率が1%
    を超えないように供給水のpHをコントロールしながら
    造水することを特徴とする造水方法。
  2. 【請求項2】 供給水に硫酸を添加して供給水のpHを
    コントロールする、請求項1に記載の造水方法。
  3. 【請求項3】 pHを2.6以下にコントロールする、
    請求項1または2に記載の造水方法。
  4. 【請求項4】 供給水として海水を用いる、請求項1〜
    3のいずれかに記載の造水方法。
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