JP2003112181A - 水処理方法および水処理装置 - Google Patents

水処理方法および水処理装置

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JP2003112181A
JP2003112181A JP2002194301A JP2002194301A JP2003112181A JP 2003112181 A JP2003112181 A JP 2003112181A JP 2002194301 A JP2002194301 A JP 2002194301A JP 2002194301 A JP2002194301 A JP 2002194301A JP 2003112181 A JP2003112181 A JP 2003112181A
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membrane
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membrane separation
water treatment
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JP2002194301A
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Keiichi Ikeda
啓一 池田
Toshihiro Ikeda
敏裕 池田
Ryota Takagi
亮太 高木
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Toray Industries Inc
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    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W10/00Technologies for wastewater treatment
    • Y02W10/10Biological treatment of water, waste water, or sewage

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  • Biological Treatment Of Waste Water (AREA)
  • Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】分離膜の劣化を促進する可能性のある各種殺菌
剤を添加しなくてもバイオファウリングによる運転性能
の低下を防止でき、NF膜やRO膜の高流束運転が可能な水
処理方法を提供する。 【解決手段】被処理水を生物処理した後に膜分離する水
処理方法であって、膜分離に際して被処理水の同化可能
有機炭素(AOC)を30μg/l以下に制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、分離膜を用いて河
川、湖沼等の原水から高品質の水を製造する水処理方法
や造水方法に関する。
【0002】
【従来の技術】河川、湖沼等の原水から高品質の水道水
を製造する方法の1つとして、分離膜を用いた水処理方
法がある。原水には濁質、微生物、有機物等の不純物が
含有していることから、分離膜で原水を直接濾過した場
合、膜表面に付着する不純物が多くなり、差圧が急上昇
する。とりわけRO膜やNF膜の場合、被処理水中の懸濁物
質が膜面に付着してファウリングを引き起こしやすいこ
とから、十分な前処理が必要であり、その一例として砂
濾過、保安フィルター等の不純物除去装置が挙げられ
る。
【0003】ところで、RO膜やNF膜の被処理水中の不純
物の管理指標としてFI値(foulingindex)が用いられ
る。FI値とはファウリングに関する指標で、次式で表さ
れるが、一般に、RO膜やNF膜を安定した状態で運転する
ためのRO膜、NF膜の被処理水のFI値は、スパイラル型モ
ジュールの場合4〜5以下、中空糸型モジュールの場合3
〜4以下といわれている。
【0004】FI=(1−T0/T15)×100/15 T0 :0.45μmのメンブレンフィルターを用いて、試料水
を206kPaの加圧下で濾過したときに、初めに500mlを濾
過するのに要した時間。
【0005】T15:T0のあと同じ状態で続けて15分間濾
過した後に、試料水を再び500ml濾過するのに要した時
間。
【0006】しかしながら、FI値を上記の範囲に制御し
ても、膜面での微生物増殖あるいは膜面への微生物や微
生物の代謝物で占められているスライム状物質(生物
膜)の付着、すなわちバイオファウリングにより、RO膜
やNF膜の濾過差圧が急上昇し、膜の透過性、分離性が低
下することがある。
【0007】このバイオファウリング防止のためには膜
分離装置の殺菌法が種々提案されており、一般的な方法
として、殺菌剤を常時、あるいは間欠的に被処理水に添
加する方法がある。中でも最も一般的であるのが、価
格、操作面でも有利な塩素系殺菌剤を0.1〜50pp
m程度の濃度になるよう添加する方法である。
【0008】しかしながら、RO膜やNF膜の材質はポリア
ミド系、酢酸セルロース系ポリマーが主流であり、膜面
は塩素と接触することで化学的に劣化し、膜性能が早期
に低下するので、高濃度の塩素殺菌を極力避ける必要が
ある。また、塩素系殺菌剤は酸化反応性の高いものが多
く、被処理水中のFe2+、Mn2+、硫化物、有機物等を酸化
する。Fe2+、Mn2+が膜面で酸化反応した場合、Fe(O
H)3、MnO2が膜面に付着してファウリングを引き起こ
し、急激な処理水量低下を招く。さらに、塩素殺菌は水
中に浮遊した微生物に対しては有効ではあるが、膜面で
生成した生物膜は、細胞外ポリマー物質を生産し、外部
から細胞を保護する耐塩素性の高い細菌が多くを占めて
いるため、数百〜数千ppm以上の高濃度で無い限り、殺
菌効果は薄いという問題がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術の問題点を鑑み、殺菌剤を添加しなくても分離膜のバ
イオファウリングを防止でき、高流束運転が可能となる
水処理方法、造水方法を提供することを目的とするもの
である。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を達成するため
の本発明は、被処理水を生物処理した後に膜分離する水
処理方法であって、膜分離に際して被処理水の同化可能
有機炭素(AOC)を30μg/l以下に制御する水処理方法
を特徴とするものである。また、本発明は、被処理水を
生物処理した後に膜分離する水処理方法であって、膜分
離に際して被処理水の同化可能有機炭素(AOC)を20μg
/l以下に制御する水処理方法を特徴とするものであ
る。
【0011】このとき、膜分離に際して被処理水のリン
濃度を10μg/l以下に制御すること、逆浸透膜(RO膜)
および/またはナノ濾過膜(NF膜)を用いて膜分離を行
うことが好ましい。また、膜分離によって得られた濃縮
水の少なくとも一部を還流して生物処理することや、膜
分離によって得られた濃縮水の一部を還流して生物処理
した後に濃縮水の他の一部と混合して膜分離すること、
生物処理した被処理水を精密濾過および/または限外濾
過した後に膜分離することが好ましい。さらに、膜透過
流束を0.7m/d以上にして膜分離を行うことや、膜
透過流束を1.0m/d以上にして膜分離を行うことも
好ましい。
【0012】そして、上記いずれかの方法から透過水を
得る造水方法や、上記いずれかの方法を実施する水処理
装置も好ましい態様である。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の水処理方法は、たとえば
図1に示すように、生物処理装置1と、ナノ濾過膜およ
び逆浸透膜の少なくとも一方を備えた膜分離装置7とを
備えた水処理装置において実施される。図1の水処理装
置においては、生物処理装置1と膜分離装置7との間
に、生物処理装置1から漏出した生物を除去するための
濾過装置4が設けられ、また、生物処理水を貯水するタ
ンク2と、生物処理水を濾過装置4へ送水するための加
圧ポンプ3と、濾過装置4によって生物が除去された濾
過水を貯水するタンク5と、濾過水を昇圧して膜分離装
置7へ送水する加圧ポンプ6とが設けられている。さら
に、膜分離装置7で得られる濃縮水が生物処理装置1の
被処理水として還流するようにも構成されている。
【0014】ここで、本発明における生物処理装置1
は、生物の自然浄化作用を人為的に水槽の中で効率よく
進めさせるものであればよく、たとえば、図1に示すよ
うに、処理水槽9に微生物を付着させ生物膜を形成させ
る回転体8を設けている。この回転円板方式において
は、付着した微生物が酸素を取り込み易いように、回転
体8を完全に被処理水面以下に浸漬させるのではなく、
回転する中で大気にさらされるように配置する。また、
回転円板方式に代わって、水中にプラスチックの小筒を
設けて微生物を担持させるハニコーム方式や、粒状の濾
材による生物接触濾過方式等の生物処理装置を用いても
よい。生物接触濾過方式のろ材としては、砂、アンスラ
サイト、粒状活性炭等を使用してもよい。
【0015】濾過装置4は、生物処理装置1の微生物が
処理水と共に後段の膜分離装置に流れ込むのを防ぐため
に濾過できるものであればよく、たとえば孔径1μm以
下の精密濾過膜(MF膜)や限外濾過膜(UF膜)など
を備えたものや砂濾過装置などを用いることができる。
特に、濾過差圧の急上昇や濾過水量の低下を防ぎ、維持
管理を容易にするためは、膜に形成されている細孔内に
菌体が入りにくいように、膜の細孔を菌体より小さくし
たり、また、膜表面を平滑化することが好ましい。ま
た、MF膜やUF膜を用いる場合には、膜の充填率が高
く膜面積が大きい、外圧式クロスフロー型中空糸膜モジ
ュールや内径1mm以上の内圧式クロスフロー型中空糸膜
モジュール等が好ましい。膜素材としては、酢酸セルロ
ース、ポリアクリロニトリル、ポリエチレン、ポリエー
テルスルホン、ポリスルホン、ポリ弗化ビニリデン、セ
ラミック等いずれも適用可能である。
【0016】膜分離装置7は、逆浸透膜(RO膜)やU
F膜とRO膜との中間に位置するナノ濾過膜の少なくと
も一方を備えており、被処理水を濃縮水と透過水とに分
離する。ナノ濾過膜(NF膜:Nanofiltration Membran
e)とは、主に1nm前後のサイズであるトリハロメタン
前駆物質や農薬、フルボ酸等の低分子物質を除去するも
のであり、NaCl濃度500〜2,000mg/l、操作圧力0.3〜1.5
MPaの評価条件での脱塩率が5%以上93%未満となる膜
をいう。また、逆浸透膜(RO膜:Reverse Osmosis Memb
rane)は、上記低分子物質に加えてイオン性物質を除去
対象とする場合に用いられ、NaCl濃度500〜2,000mg/l、
操作圧力0.5〜3.0MPaの評価条件での脱塩率が93%以上
となる膜をいう。
【0017】これらNF膜やRO膜としては、酢酸セル
ロース系膜やポリアミド系膜などを用いることができ、
その膜構造としては、膜の少なくとも片面に緻密層を持
ち、緻密層から膜内部あるいはもう片方の面に向けて徐
々に大きな孔径の微細孔を有する非対称膜と、その非対
称膜の緻密層の上に別の素材で形成した非常に薄い活性
層を有する複合膜などがある。また、膜形態として、平
膜、中空糸膜などがあり、膜厚をたとえば10μm〜1mmの
範囲にし、中空糸膜の場合は外径をたとえば50μm〜4mm
の範囲にする。
【0018】そして、これらNF膜やRO膜は、平膜の
場合はスパイラル、プリーツ、プレート・アンド・フレ
ーム型に、また、中空糸膜は束ねた上で容器内に組み込
んでモジュール化して使用する。モジュールは、直列や
並列に多段に配置することができる。そして、モジュー
ルを直列に配置し、前段の濃縮水を後段のモジュールで
処理するようにした場合、AOC成分のほとんどはRO膜やN
F膜を通過しないため、後段の膜になればなるほど被処
理水のAOC濃度が高くなり、バイオファウリングを引き
起こしやすいことから、直列の本数は膜濃縮水のAOCが3
0μg/l以下になる程度に、さらには20μg/l以下になる
程度に設定するのが好ましい。なお、本発明はこれらモ
ジュールの形態に左右されるものではない。
【0019】このような水処理装置において、本発明は
次のように実施される。
【0020】生物処理装置1の処理水槽9に原水を導入
し、回転体8に付着している微生物により水中の有機
物、窒素、リン等を分解、除去し、膜分離装置7の被処
理水(濾過装置4の濾過水と濃縮水cとの混合水)に含
有されるAOC(同化可能有機炭素)が30μg/l以下、好ま
しくは20μg/l以下になるようにする。このとき、リン
濃度も10μg/l以下であることがより好ましい。続い
て、生物処理水をタンク2に一旦貯水した後、加圧ポン
プ3を通して濾過装置4に送水する。濾過装置4では、
主に微生物の濾過を行い、その濾過水をタンク5に貯水
した後に加圧ポンプ6によって0.5〜3.0MPa程度にまで
昇圧して膜分離装置7に供給し、濃縮水と透過水とに分
離する。透過水には必要に応じて塩素を添加し、濃縮水
はそのままモジュールから取り出してさらに濃縮して廃
棄する。
【0021】しかしながら、回収率を高めるためには、
濃縮水の少なくとも一部を生物処理装置1に還流して生
物処理等に供することが好ましい。具体的には、たとえ
ば濃縮水の一部(濃縮水b)を生物処理装置1に還流し
て生物処理、ろ過した後に濃縮水の他の一部(濃縮水
c)と混合し、AOC濃度を30μg/l以下、好ましくは20μ
g/l以下にして膜分離装置7に供給する。このとき、リ
ン濃度も10μg/l以下にして膜分離装置7に供給するこ
とが好ましい。濃縮水bと濃縮水cの流量割合は、膜分
離装置7の被処理水(濾過装置4の濾過水と濃縮水cと
の混合水)のAOC濃度が30μg/l以下、好ましくは20
μg/l以下になるように適宜調整する。
【0022】本発明者らはAOCとバイオファウリング生
成速度との関係について鋭意検討した結果、AOCとバイ
オファウリング生成速度の間に相関があり、適切な生物
処理を行い、RO膜あるいはNF膜の被処理水中のAOCを30
μg/l以下、好ましくは20μg/l以下に制御することで、
殺菌剤を添加しなくても膜面でのバイオファウリングを
抑制し、微生物由来の膜透過水量低下を防止でき、高流
束運転、高透過水量の確保が可能であることを見いだし
た。
【0023】AOC(同化可能有機炭素)とは、オランダ
のvan der Kooijらが開発し実用化した生物二次増殖ポ
テンシャルの指標である。水中のAOCは生物処理装置内
の微生物が分解あるいは摂取することにより減少する。
AOCとは水中の微生物増殖の栄養源になる数〜数十μg/l
レベルの有機炭素量のことであり、この数値が低いほど
水中の微生物は増殖しにくい。
【0024】AOCの測定方法は水中の細菌を加熱によっ
て殺すか不活化させたサンプル水を培地として、特定の
細菌(Pseudomonas fluorescens株P17とSpirillum株NO
X)を15℃で純粋培養したときの最大コロニー数(1ml
あたりのコロニー形成単位として表した最大コロニー
数、Nmax)に基づいている。AOCはNmax値とごく低濃度
でも完全に利用される特定基質(酢酸)に対する収率
(Y)を使って、次式のように計算される。
【0025】 AOC[μg/l]=(Nmax[CFU/ml]・1000/Y[CFU/μg] 生物処理でRO膜あるいはNF膜の被処理水中のAOCを30μg
/l以下、好ましくは20μg/l以下に維持するよう制御す
るために、生物処理の被処理水のpH、水温、生物膜と
水との接触時間、窒素・リン等の栄養塩類濃度、溶存酸
素等を管理する必要がある。一般には、pHは7.0〜7.
5、水温は20〜30℃、接触時間は2〜3時間、栄養塩類濃
度はC:N:P=100:10〜20:1〜5の範囲内である。
また、処理水槽9の容量、接触面積あたりの水量、回転
体8の回転数および図2に示すハニコーム方式の生物処
理装置1を用いた場合にはハニコーム10を通過する循
環流速等の運転条件は、生物処理の被処理水の水質によ
って異なり、事前に実施した実験の結果などから決定す
ればよい。
【0026】また、本発明においては、生物処理装置1
の中に濾過装置4を設け、すなわち、処理水槽9内に浸
漬膜を備えた濾過装置4を設け、浸漬膜の下方から曝気
しながら生物処理と精密濾過、限外濾過とを行ってもよ
い。この場合、一つの槽内で生物処理と精密濾過または
限外濾過とを同時に行えることから省スペース化が可能
となり、また、回転円板方式やハニコーム方式のような
生物単独処理の場合よりも生物処理槽内の生物濃度を大
きくすることができ、短い滞留時間、高いAOC負荷でも
生物処理能力が高くなる。
【0027】
【実施例】<実施例1>図1に示した水処理装置を用い
て、平均AOC97μg/l、平均リン濃度25μg/l、平均水温2
4℃の河川水を処理した。
【0028】生物処理装置1は、回転円板方式のものを
用い、円板を水槽内に約40%が水没するように設置し
た。また、生物処理装置1で処理した後の処理水のAOC
濃度が平均10μg/l、リン濃度が平均2μg/lとなるよう
に、円板の回転速度は20rpm、処理水槽9内での水の滞
留時間は5時間とした。AOC面積負荷(円板単位面積あた
りに負荷されるAOC量)は970μg/ m2・d、水量面積負荷
(円板単位面積あたりに負荷される水量)は10L/m2・dと
した。
【0029】濾過装置4としては、膜材質がポリアクリ
ロニトリル、膜の公称孔径が0.01μm、膜面積が12m2
の外圧式中空糸UF膜モジュールを用いた。運転方式は定
流量運転とし、膜透過流束を0.8m/dとした。
【0030】膜分離装置7としては、膜材質がポリアミ
ド、脱塩率が55%、膜面積が7m2のスパイラル型のNF
膜モジュール7を用いた。運転方式は、定流量運転(膜
透過流束:0.5m/d)とし、膜分離装置7での回収率を80
%に設定した。なお、この回収率とは、透過水流量/
(透過水流量+濃縮水a流量)×100で算出される。
また、生物処理装置1へ還流する濃縮水bと加圧ポンプ
6へ還流する濃縮水cとの流量割合は1:1とした。そ
のときの膜分離装置7の被処理水(濾過装置4の濾過水
と濃縮水cとの混合水)のAOCは平均12μg/l、リ
ン濃度が平均3μg/lであった。濃縮水a、cのAOC
は平均19μg/l、リン濃度が平均4μg/lであった。
【0031】その結果、運転開始直後の膜分離装置7の
運転圧力は0.35MPaであったが、運転開始から3000時間
経過した後も0.42MPaと安定していた。 <比較例1>河川水を生物処理装置1で処理することな
く濾過装置4に通水した以外は実施例1と同様に実験を
行った。実施例1の濃縮水bはなく、濃縮水cのみの還
流とした。
【0032】この結果、運転開始直後の膜分離装置7の
運転圧力は0.35MPaであったが、運転開始から3000時間
経過した後には1.7MPaに達し、薬液洗浄を行わざるをえ
なかった。 <実施例2>生物処理装置1へ還流する濃縮水bはな
く、加圧ポンプ6へ還流する濃縮水cのみの還流とした
以外は実施例1と同様に実験を行った。そのときの膜分
離装置7の被処理水(濾過装置4の濾過水と濃縮水cと
の混合水)のAOCは平均28μg/l、リン濃度が平均6
μg/lであった。濃縮水a、cのAOCは平均50μg/
l、リン濃度が平均11μg/lであった。
【0033】この結果、運転開始直後の膜分離装置7の
運転圧力は0.35MPaであったが、運転開始から3000時間
経過した後も0.8MPaと安定していた。 <実施例3>処理水槽9内での水の滞留時間を2時間と
し、AOC面積負荷(円板単位面積あたりに負荷されるAOC
量)を2300μg/ m2・d、水量面積負荷(円板単位面積あ
たりに負荷される水量)を25L/m2・dとし、生物処理装置
1で処理された後の水のAOC濃度が平均13μg/l、リン濃
度が平均3μg/lとした以外は、実施例1と同様にした。
生物処理装置1へ還流する濃縮水bと加圧ポンプ6へ還
流する濃縮水cとの流量割合は実施例1と同様1:1と
した。そのときの膜分離装置7の被処理水(濾過装置4
の濾過水と濃縮水cとの混合水)のAOCは平均16μg
/l、リン濃度が平均3μg/lであった。濃縮水a、b、
cのAOCは平均28μg/l、リン濃度が平均5μg/lで
あった。
【0034】この結果、運転開始直後のNF膜の運転圧力
は0.35MPaであったが、運転開始から3000時間経過した
後も0.6MPaと安定していた。 <実施例4>図2に示した水処理装置を用いて、平均AO
C110μg/l、平均リン濃度50μg/l、平均水温18℃の湖水
を処理した。
【0035】生物処理装置1としてはハニコーム方式の
ものを用い、処理水槽9の水中に蜂の巣状の筒の集合体
(ハニコーム)10を設け、その中に付着した生物膜と接
触するように水を循環させて浄化した。水の循環の動力
は、ハニコーム10の下方からの空気の吹き込みにより行
った。そして、この生物処理装置1で処理された後のAO
C濃度が平均10μg/l、リン濃度が平均5μg/lとなるよう
に、処理水槽9内の循環流速は2m/d、処理水槽9での水
の滞留時間は5時間とした。AOC面積負荷(ハニコーム単
位面積あたりに負荷されるAOC量)は840μg/ m2・d、水
量面積負荷(ハニコーム単位面積あたりに負荷される水
量)は10L/m2・dとした。
【0036】その他装置について、実施例1と同じであ
った。生物処理装置1へ還流する濃縮水bと加圧ポンプ
6へ還流する濃縮水cとの流量割合は1:1とした。そ
のときの膜分離装置7の被処理水(濾過装置4の濾過水
と濃縮水cとの混合水)のAOCは平均12μg/l、リ
ン濃度が平均6μg/lであった。濃縮水a、b、cのA
OCは平均19μg/l、リン濃度が平均9μg/lであっ
た。
【0037】この結果、運転開始直後の膜分離装置7の
運転圧力は0.35MPaであったが、運転開始から3000時間
経過した後も0.41MPaと安定していた。 <実施例5>生物処理装置1へ還流する濃縮水bはな
く、加圧ポンプ6へ還流する濃縮水cのみの還流とした
以外は実施例4と同様に実験を行った。そのときの膜分
離装置7の被処理水(濾過装置4の濾過水と濃縮水cと
の混合水)のAOCは平均29μg/l、リン濃度が平均1
3μg/lであった。濃縮水a、cのAOCは平均50μg/
l、リン濃度が平均25μg/lであった。
【0038】この結果、運転開始直後の膜分離装置7の
運転圧力は0.35MPaであったが、運転開始から3000時間
経過した後も0.92MPaと安定していた。 <実施例6>処理水槽9内での水の滞留時間を2時間と
し、AOC面積負荷(ハニコーム単位面積あたりに負荷さ
れるAOC量)を2100μg/ m2・d、水量面積負荷(ハニコー
ム単位面積あたりに負荷される水量)を25L/m2・dとし、
生物処理装置1で処理された後の水のAOC濃度が平均13
μg/l、リン濃度が平均9μg/lとなるようにした以外
は、実施例4と同様にした。生物処理装置1へ還流する
濃縮水bと加圧ポンプ6へ還流する濃縮水cとの割合は
実施例2と同様、1:1とした。そのときの膜分離装置
7の被処理水(濾過装置4の濾過水と濃縮水cとの混合
水)のAOCは平均16μg/l、リン濃度が平均11μg/
lであった。濃縮水a、b、cのAOCは平均28μg/
l、リン濃度が平均19μg/lであった。
【0039】この結果、運転開始直後のNF膜の運転圧力
は0.35MPaであったが、運転開始から3000時間経過した
後も0.74MPaと安定していた。
【0040】
【発明の効果】本発明によれば、RO膜やNF膜などを用い
た膜分離の被処理水を生物処理し、膜分離に際して被処
理水の同化可能有機炭素(AOC)が30μg/l以下、さら
には20μg/l以下になるように制御することで、一般に
微生物が増殖すると言われているAOC濃度10μg/l以上
であっても、殺菌剤を添加しなくて膜面でのバイオファ
ウリングの生成を抑制することができる。特に、生物処
理等により膜分離に際する被処理水のリン濃度も10μg
/l以下に制御する場合には、より高い効果が得られ
る。この結果、微生物に起因する膜透過水量の低下を防
止でき、たとえば0.7M/d以上、さらには1.0m
/d以上というような高流束運転、高透過水量の確保が
可能となり、また、分離膜の劣化を促進する可能性のあ
る各種殺菌剤を添加しなくてもよいので、膜性能の劣化
を防ぐこともでき、ランニングコストを低減することも
可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の水処理方法の一実施態様を示すフロー
図である。
【図2】本発明の水処理方法の他の実施態様を示すフロ
ー図である。
【符号の説明】
1 :生物処理装置 2、5:タンク 3、6:加圧ポンプ 4 :濾過装置 7 :膜分離装置 8 :回転体 9 :処理水槽 10 :ハニコーム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C02F 3/08 C02F 3/08 A Fターム(参考) 4D003 AA01 AA09 AB03 AB11 BA02 CA02 EA14 EA22 EA25 EA30 4D006 GA03 GA06 GA07 HA01 HA61 HA71 HA93 KA02 KA12 KA52 KA55 KA57 KB15 KB22 KE05R KE12R MA01 MA03 MC03 MC18 MC22 MC29 MC39 MC54 MC62 PA01 PB04

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被処理水を生物処理した後に膜分離する水
    処理方法であって、膜分離に際して被処理水の同化可能
    有機炭素(AOC)を30μg/l以下に制御することを特徴
    とする水処理方法。
  2. 【請求項2】被処理水を生物処理した後に膜分離する水
    処理方法であって、膜分離に際して被処理水の同化可能
    有機炭素(AOC)を20μg/l以下に制御することを特徴
    とする水処理方法。
  3. 【請求項3】膜分離に際して被処理水のリン濃度を10μ
    g/l以下に制御する、請求項1または2に記載の水処理
    方法。
  4. 【請求項4】逆浸透膜(RO膜)および/またはナノ濾過
    膜(NF膜)を用いて膜分離を行う、請求項1〜3のいず
    れかに記載の水処理方法。
  5. 【請求項5】膜分離によって得られた濃縮水の少なくと
    も一部を還流して生物処理する、請求項4に記載の水処
    理方法。
  6. 【請求項6】膜分離によって得られた濃縮水の一部を還
    流して生物処理した後に濃縮水の他の一部と混合して膜
    分離する、請求項4に記載の水処理方法。
  7. 【請求項7】生物処理した被処理水を精密濾過および/
    または限外濾過した後に膜分離する、請求項4〜6のい
    ずれかに記載の水処理方法。
  8. 【請求項8】膜透過流束を0.7m/d以上にして膜分
    離を行う、請求項1〜7のいずれかに記載の水処理方
    法。
  9. 【請求項9】膜透過流束を1.0m/d以上にして膜分
    離を行う、請求項1〜7のいずれかに記載の水処理方
    法。
  10. 【請求項10】請求項1〜9のいずれかの方法から透過
    水を得る造水方法。
  11. 【請求項11】請求項1〜10のいずれかの方法を実施
    する水処理装置。
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