JP2005185985A - 水の製造方法および製造装置 - Google Patents

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啓一 池田
Masahiro Kihara
正浩 木原
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Abstract

【課題】アンモニアを含有する原水を精密ろ過膜および/または限外ろ過膜でろ過し、そのろ過水を逆浸透膜および/またはナノろ過膜でろ過する水の製造方法において、それぞれの膜面上での微生物増殖あるいは微生物およびその代謝物の膜面への付着を防止することが可能であると同時に、薬品コストを抑え、殺菌剤による膜の劣化を最小限に抑制できることが可能な水の製造方法および製造装置を提供する。
【解決手段】
アンモニアを含有する原水を精密ろ過膜(MF膜)および/または限外ろ過膜(UF膜)でろ過し、該ろ過水を逆浸透膜(RO膜)および/またはナノろ過膜(NF膜)でろ過する水の製造方法であって、MF膜および/またはUF膜の前段で原水に次亜塩素酸を注入しながらろ過する工程と、二酸化塩素を含有する洗浄水でMF膜および/またはUF膜を断続的に逆洗する工程とを有する
【選択図】図1

Description

本発明は、次亜塩素酸および二酸化塩素を用いて清澄水を製造する水の製造方法および製造装置に関する。
近年、上下水道や廃水処理等の水処理用途において、原水中の不純物を分離除去して清澄な水に変換する膜ろ過法の普及が進んでいる。膜の除去対象物質は、膜の種類によって異なるが、精密ろ過膜(MF膜)や限外ろ過膜(UF膜)の場合は、一般的に懸濁物質、細菌、原虫、コロイド物質等が挙げられ、逆浸透膜(RO膜)やナノろ過膜(NF膜)の場合は、溶解性有機物、ウイルス、イオン物質等が挙げられる。
原水をMF膜やUF膜でろ過し、そのろ過水をRO膜やNF膜でろ過する清澄水の製造方法はインテグレーテッド廃水再利用技術と呼称される(例えば、非特許文献1参照)。
この技術は、前段のMF膜やUF膜においても後段のRO膜やNF膜においても膜ろ過水量に伴って、膜表面や膜細孔内にフミン質やタンパク質等の付着量が増大していき、ろ過水量の低下あるいは膜差圧の上昇が問題となっている。また、その一方で、膜面上での微生物増殖あるいは微生物およびその代謝物の膜面への付着によるろ過性能の低下、すなわち、バイオファウリングの問題も有していた。この問題を回避するため、膜分離装置の殺菌法が種々提案されているが、一般的には殺菌剤を常時、あるいは間欠的に原水に注入する方法がとられている。
原水のアンモニア濃度が数mg/l〜数十mg/lと高い場合は、殺菌剤の選定に留意する必要がある。一般的に広く用いられている次亜塩素酸ナトリウムを用いた場合、遊離塩素とアンモニアが反応して、クロラミンが生成される。クロラミンは遊離塩素と比較すると殺菌力が弱く、とりわけ有機物濃度が高い原水に対しては、膜表面に付着した微生物の周囲が有機物等で保護されるため、バイオファウリングの抑制効果は、ほとんど期待できない。また、膜表面や膜細孔内のフミン質やタンパク質はほとんど分解されないため、ろ過性能の回復は困難である。
遊離塩素が残留するように不連続点以上の次亜塩素酸を注入する方法は、多量の次亜塩素酸を注入することになり、薬品コストが膨大となる。また、原水中の有機物と次亜塩素酸が反応してトリハロメタン等の有害副生成物が膜ろ過水中に含有する問題も有している。
そこで、二酸化塩素を注入した原水を膜ろ過する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。二酸化塩素はアミンとの反応性が極めて弱く、アンモニアとは反応しない。このためクロラミンを形成しないので、殺菌力は持続する。また有機物の塩素化反応が起こりにくいので、トリハロメタン等の有害副生成物が生成しにくいのが特長である。
しかし、この運転方法には、以下の問題点が生じることが知られている。MF膜および/またはUF膜のろ過水には、少量といえども二酸化塩素が残留しているため、後段のRO膜および/またはNF膜の機能層の劣化が促進し、処理水質が悪化してしまう。そこで、RO膜および/またはNF膜の処理前に還元剤を注入し、二酸化塩素を消失した後にRO膜やNF膜の殺菌剤を新たに注入する方法が考えられるが、この方法では薬品コストが高くなる問題を有する。
そこで、各種殺菌剤を注入した膜ろ過水で逆流洗浄し、膜表面に付着していた微生物を殺菌するとともに、膜表面や膜細孔内に付着していた汚染物質を排除する方法が考えられる。殺菌剤としては、次亜塩素酸ナトリウム、二酸化塩素、過酸化水素、オゾン等が挙げられる。次亜塩素酸ナトリウムは前述したように、遊離塩素が残留するように注入した場合、薬品コストが膨大となる。二酸化塩素は遊離塩素と同等の殺菌効果を保持するものの、有機物等で周囲を保護された微生物を死滅させるのに、数十秒の逆洗時間(接触時間)に対して数十〜数百mg/l程度の高濃度注入が必要である。さらに過酸化水素は、次亜塩素酸や二酸化塩素と比較すると、殺菌効果が低いため、数百〜数千mg/l程度の高濃度注入が必要であり、薬品コストが高くなる問題を有する。オゾンは、殺菌効果が極めて高いと同時に酸化力も強大であるため、膜および膜モジュール内部のポッティング部を劣化させる問題を有する。また、設備コストや電力コストが高いことも問題である。
山村弘之、"水資源有効利用システム用膜の現状と今後の課題"、「膜(MEMBRANE)」、日本膜学会、Vol.28、No.5、p235 特開平8−89957号公報
本発明は、従来の技術の上述した問題点を解決し、アンモニアを含有していた原水において、膜面上での微生物増殖あるいは微生物およびその代謝物の膜面への付着を防止することが可能であると同時に、薬品コストを抑え、殺菌剤による膜の劣化を最小限に抑制できる水の製造方法および装置を提供することを目的とするものである。
上記目的を達成するため、本発明は以下の構成を採用する。
すなわち、アンモニアを含有する原水を精密ろ過膜(MF膜)および/または限外ろ過膜(UF膜)でろ過し、該ろ過水を逆浸透膜(RO膜)および/またはナノろ過膜(NF膜)でろ過する水の製造方法であって、MF膜および/またはUF膜の前段で原水に次亜塩素酸を注入しながらろ過する工程と、二酸化塩素を含有する洗浄水でMF膜および/またはUF膜を断続的に逆洗する工程とを有することを特徴とする水の製造方法である。
このとき、RO膜および/またはNF膜の機能層の劣化防止の観点から、遊離塩素が残留しないよう、次亜塩素酸の注入量が不連続点未満であることが好ましく、さらには、RO膜および/またはNF膜の機能層の劣化を防止し、かつバイオファウリングの抑制が可能となるよう、MF膜および/またはUF膜のろ過水のクロラミン濃度が0.01mg/l以上5mg/l以下となるように原水に次亜塩素酸を注入することが好ましい。
また、本発明は、アンモニアを含有する原水をろ過する精密ろ過膜(MF膜)および/または限外ろ過膜(UF膜)と、該ろ過水をろ過する逆浸透膜(RO膜)および/またはナノろ過膜(NF膜)を備えた水の製造装置であって、MF膜および/またはUF膜の前段に次亜塩素酸を注入する設備を設けるとともに、上記MF膜および/またはUF膜の後段に逆流洗浄水に二酸化塩素を注入する設備を設けたことを特徴とする水の製造装置である。
本発明は、MF膜および/またはUF膜の前段に不連続点未満の次亜塩素酸を注入してクロラミンを生成させることで、原水中の浮遊微生物を殺菌するとともに、MF膜および/またはUF膜のろ過水中に残留していたクロラミンで後段のRO膜および/またはNF膜の殺菌も行う。また逆流洗浄水に二酸化塩素を注入することで、MF膜および/またはUF膜表面上に付着している微生物の周囲を保護している有機物を分解、剥離するため、膜表面上に残存した微生物は、その後に注入するクロラミンによって、原水中の浮遊微生物と同様、容易に殺菌されやすい状態になっていることから、薬品コストが抑制され、殺菌剤による膜の劣化が最小限に抑制される。
以下、図面に示す実施態様に基づいて本発明をさらに説明する。
図1は、本発明に好ましく用いられる膜ろ過装置の一実施態様を示す概略フロー図である。
本発明の清澄水の製造方法に好ましく用いられるろ過装置は、例えば図1に示すように、河川水、湖沼水、下水二次処理水、農業排水等を原水(被処理水)として一旦貯留する原水タンク1と、原水を固液分離するための、MF/UF膜モジュール5と、その膜ろ過水を一旦貯留するMF/UF膜ろ過水タンク7と、MF/UF膜ろ過水タンク7内のMF/UF膜ろ過水を高度処理するための、RO/NF膜モジュール14と、MF/UF膜ろ過水をRO/NF膜モジュール14に供給するための高圧ポンプ13と、RO/NF膜ろ過水を貯留するRO/NF膜ろ過水タンク15が設けられている。
また、原水タンク1とMF/UF膜モジュール5の間には、原水をMF/UF膜モジュール5に供給するための原水ポンプ2と、原水に次亜塩素酸を注入するための次亜塩素酸注入設備3と、膜の物理洗浄時に閉となる原水供給バルブ4とが設けられている。一方、MF/UF膜モジュール5とMF/UF膜ろ過水タンク7との間には、MF/UF膜モジュール5の膜ろ過時に開となるろ過バルブ6と、MF/UF膜ろ過水を逆流洗浄水としてMF/UF膜モジュール5へ導入するための逆洗ポンプ8と、逆流洗浄水として利用されるMF/UF膜ろ過水に二酸化塩素を注入するための二酸化塩素注入設備9と、逆流洗浄時に開となる逆洗バルブ10とが設けられている。
さらに、MF/UF膜モジュール5には、MF/UF膜モジュール5内の水を排出する時に開となる排水バルブ11と、MF/UF膜モジュール5内のエアーを排出する時やMF/UF膜モジュール5内の水を排出する時に開となるエアー排出バルブ12も設けられている。
ここで、MF/UF膜モジュール5としては、例えば、中空糸状の分離膜がU字状に湾曲した状態、もしくはI字状に両端ポッティングした状態で筒状のハウジング内部に配置されており、ハウジングの下部には洗浄終了後のMF/UF膜モジュール5内の原水側の水を排出するための開口部が設けられているものを採用することができる。分離膜としては、孔径が0.01μm〜10μm程度のMF膜や孔径が数nm〜数十nm程度のUF膜の少なくとも一方を選択して用いることができ、その素材としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、酢酸セルロース(CA)、ポリエチレン(PE)、ポリスルホン(PS)、ポリエーテルスルホン(PES)、セラミックス等のいずれを用いても構わない。
次亜塩素酸注入設備3は、次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カルシウム、塩素ガスを水中に溶解した塩素水等を原水に注入する設備である。塩素ガスは水中に溶解することで次亜塩素酸を生じる(Cl2+H2O→HOCl+HCl)。
次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カルシウムの場合、貯留タンク、注入ポンプ、注入配管等から構成されている。貯留タンク内の有効塩素濃度は例えば数%程度に調整されている。
塩素ガスの場合、圧力ボンベに貯留した液化塩素を気化器で確実に気化させてから計量注入機で高濃度塩素水をつくり、原水に注入する。計量注入機の代表は湿式真空注入機であり、高速の水流をインジェクタに流し、その狭窄部に生ずる負圧によって塩素ガスを吸引混合して高濃度塩素水をつくり、注入点まで送り込む方法である。
二酸化塩素注入設備9は、貯留タンク、注入ポンプ、注入配管等から構成されている。貯留タンク内の有効塩素濃度は例えば数千ppm程度に調整され、貯留タンクは密閉構造とする。
以上の塩素と接触する貯留タンク、注入ポンプヘッド、注入配管等の材質は、例えば硬質塩化ビニル、ポリフッ化エチレン樹脂(例えば、「テフロン」(登録商標)など)等の耐食性をもったものを採用することができる。
RO/NF膜モジュール14に使用される分離膜としては、例えば、脱塩率が93%以上(評価条件 NaCl濃度:500mg/l、操作圧力:0.5MPa)のRO膜や、脱塩率が5%以上93%未満(評価条件 NaCl濃度:500mg/l、操作圧力:0.5MPa)のNF膜の少なくとも一方を選択して用いることができ、その素材としては、RO膜の場合、酢酸セルロース、セルロース系のポリマー、ポリアミド、およびビニルポリマー等の高分子材料を用いることができる。
代表的な逆浸透膜としては、酢酸セルロース系またはポリアミド系の非対称膜、および、ポリアミド系の活性層を有する複合膜を挙げることができる。中でも、ポリアミド系の活性層の表層にポリビニルアルコールを被覆させた複合膜は、高排除性能かつ高透水性かつ高耐汚染性を有するので好ましい。NF膜の場合、ポリアミド系、ポリピペラジンアミド系、ポリエステルアミド系、あるいは水溶性のビニルポリマーを架橋したものなどがある。
分離膜の形状としてはRO膜、NF膜ともに平膜、中空糸膜があり、例えば膜厚を10μm〜1mmの範囲、中空糸膜の場合は外径を50μm〜4mmの範囲とすることが好ましい。
RO/NF膜モジュール14のモジュール形状は、分離膜が平膜状の場合はスパイラル型、プリーツ型、プレート・アンド・フレーム型、円盤状のディスクを積み重ねたディスクタイプがあり、中空糸膜の場合は、中空糸をU字状やI字状に束ねて容器に収納した中空糸膜型があるが、本発明はこれらモジュールの形態に左右されるものではない。
また、本発明において、アンモニアには、RO膜、NF膜のいずれか一方を使用するのもよいし、両方を使用するのもよい。これらは、RO/NF膜ろ過水の利用目的に応じて適宜選定すればよい。
RO/NF膜モジュール14は、多段に配置して、前段のRO/NF膜モジュール14の濃縮水を後段のRO/NF膜モジュール14で処理するように構成してもよい。この場合には、後段のRO膜やNF膜の濃縮水中のカルシウム、マグネシウム、シリカ等の濃度が、溶解度を超えないように注意することである。
RO/NF膜モジュール14のろ過圧力は、RO/NF膜供給水(MF/UF膜ろ過水)の種類、運転方法等により、0.5〜3.0MPa程度の範囲内で適宜設定することが好ましい。河川水や湖沼水等の淡水を処理する場合は浸透圧が低いため比較的低圧でろ過することができる。
上述の処理装置において、清澄水の製造は次のように実施される。
まず、原水供給バルブ4、エアー排出バルブ12を開、ろ過バルブ6、逆洗バルブ10、排水バルブ11を閉にした状態で、原水ポンプ2および次亜塩素酸注入設備3を稼働し、次亜塩素酸を注入した原水をMF/UF膜モジュール5に供給する。アンモニアを含む水に次亜塩素酸の注入を増やしていくと残留塩素量が増加するが、ある点に達すると急激に減少し、ついで再び増加する現象が起こる。このような形で残留塩素量が最低点を示す点を不連続点という。不連続点以上の注入塩素量の場合、原水中に遊離塩素が残留しており、後段のRO膜/NF膜の機能層の劣化が著しく進行することから、次亜塩素酸の注入量は不連続点未満とすることが好ましい。さらに、次亜塩素酸とアンモニアが反応して生成したクロラミンの濃度は後段のRO膜/NF膜の機能層が劣化しにくく、かつバイオファウリングの抑制が可能な0.01mg/l以上5mg/l以下となるよう次亜塩素酸注入量を制御したほうが好ましい。原水中に浮遊している微生物はクロラミンによって殺菌される。MF/UF膜モジュール5内の原水側空間全てが原水で満たされた後、エアー排出バルブ12を閉、ろ過バルブ6を開にすることで、原水がろ過され、ろ過水がMF/UF膜ろ過水タンク7に流入する。MF/UF膜ろ過水のクロラミンは、後段のRO/NF膜モジュール14の微生物増殖を防止する。
しかしながら、このようなろ過運転を長期間継続すると、一部の微生物が、有機物や懸濁成分とともにMF/UF膜表面に付着し、スライム状の代謝物(多糖類、タンパク質等)を生産、蓄積していく。この代謝物はMF/UF膜の細孔を閉塞し、ろ過水量の低下あるいは膜差圧の上昇が起こる。この現象を防止するため、断続的に次に説明する膜洗浄を行う。
膜洗浄は、まず、原水ポンプ2および次亜塩素酸注入設備3を停止し、エアー排出バルブ12を開にし、ろ過バルブ6を閉にしてろ過工程を停止した後、逆洗バルブ10を開にして逆洗ポンプ8を作動させ、二酸化塩素注入設備9から二酸化塩素を注入した膜ろ過水で逆流洗浄する。逆流洗浄水に含まれる二酸化塩素は微生物の周囲を保護している有機物を分解し、剥離させる効果を有しており、微生物が膜表面上に残存していても、有機物による微生物の保護作用が大幅に低減されるため、その後のろ過工程でのクロラミンによって殺菌が容易となる。
次に、逆洗ポンプ8および二酸化塩素注入設備9を停止し、逆洗バルブ10を閉にし、逆洗工程を停止する。その後、排水バルブ11を開にして、モジュール内の水を系外に全量排出させるが、逆流洗浄停止後、一定時間静置し、膜と二酸化塩素との接触時間を延長した後に、排水バルブ11を開にして、モジュール内の水を系外に全量排出させてもよい。全量排出した後、排水バルブ11を閉にして上述のろ過工程を再開し、ろ過工程、膜洗浄工程とを繰り返す。
なお、本発明においては、膜洗浄は二酸化塩素水による逆流洗浄のみを実施しているが、原水の濁度や有機物濃度が高く、膜表面に懸濁成分や有機物が多く付着している場合は、MF/UF膜モジュール5の下部から気泡を導入し、膜を揺動させ、膜同士を触れ合わせることにより膜表面の付着物質を掻き落とす空気洗浄を併用したほうが好ましい。このとき、逆流洗浄と空気洗浄を同時に行ってもよいし、逆流洗浄の後に空気洗浄を行っても良いし、空気洗浄の後に逆流洗浄を行っても良い。また、逆流洗浄と空気洗浄を同時に行う場合、その洗浄開始時間が同じでなくてもよく、洗浄終了時間が同じでなくてもよい。
本発明は、上下水道や廃水処理等の水処理用途において、特に、水中に有機物とともにアンモニアを多量に含有する畜産農業廃水、し尿、下水等を活性汚泥法等で生物処理した後の水をさらに浄化して清澄な水を得るにあたり好適に利用できる。また、得られた水は飲料水、トイレ水、噴水や人工池のような景観水に利用できる。
(実施例1)
図1に示す装置を用い、アンモニア濃度5mg/lの下水二次処理水を3ヶ月間処理した。MF/UF膜モジュール5内の分離膜は公称孔経0.1μmのポリフッ化ビニリデン製中空糸型MF膜を用いた。ろ過運転方式はろ過流束1.5m/dの定流量ろ過運転とし、ろ過工程中は常時、残留クロラミン濃度が2mg/lになるよう、次亜塩素酸ナトリウムを注入した。膜洗浄は、ろ過工程30min毎に行った。
膜洗浄の手順はまず、原水ポンプ2および次亜塩素酸注入設備3を停止し、エアー排出バルブ12を開にし、ろ過バルブ6を閉にしてろ過工程を停止した後、逆洗バルブ10を開にして逆洗ポンプ8と二酸化塩素注入設備9を作動させ、二酸化塩素を注入したMF膜ろ過水で逆流洗浄した。逆流洗浄時間は1minで、注入した二酸化塩素濃度は10mg/lとした。次に、逆洗ポンプ8および二酸化塩素注入設備9を停止し、逆洗バルブ10を閉にし、逆洗工程を停止し、排水バルブ11を開にして、モジュール内の水を系外に全量排出させた後、排水バルブ11を閉にして上述のろ過工程を再開した。
RO/NF膜モジュール14としては、膜材質がポリアミド、脱塩率が55%、膜面積が7m2のスパイラル型NF膜モジュールを用いた。運転方式は、定流量運転(膜透過流束:0.5m/d)とし、水回収率を80%に設定した。
その結果、運転開始時のMF/UF膜モジュール5の膜ろ過差圧は10kPaであったのに対して、運転開始から3ヶ月後の膜ろ過差圧も20kPaと安定していた。また、運転開始時のRO/NF膜モジュール14の膜ろ過差圧は350kPaであったのに対して、運転開始から3ヶ月後の膜ろ過差圧も400kPaと安定していた。RO/NF膜モジュール14の脱塩率は、運転期間中55%を維持していた。
(実施例2)
ろ過工程中は常時、残留クロラミン濃度が0.005mg/lになるよう、次亜塩素酸ナトリウムを注入した以外は実施例1と全く同じにした。その結果、運転開始時のMF/UF膜モジュール5の膜ろ過差圧は10kPaであったのに対して、運転開始から3ヶ月後の膜ろ過差圧は実施例1より上昇しており、110kPaとなった。また、運転開始時のRO/NF膜モジュール14の膜ろ過差圧は350kPaであったのに対して、運転開始から3ヶ月後の膜ろ過差圧も420kPaと安定していた。RO/NF膜モジュール14の脱塩率は、運転期間中55%を維持していた。
(実施例3)
ろ過工程中は常時、残留クロラミン濃度が5.5mg/lになるよう、次亜塩素酸ナトリウムを注入した以外は実施例1と全く同じにした。その結果、運転開始時のMF/UF膜モジュール5の膜ろ過差圧は10kPaであったのに対して、運転開始から3ヶ月後の膜ろ過差圧も18kPaと安定していた。また、運転開始時のRO/NF膜モジュール14の膜ろ過差圧は350kPaであったのに対して、運転開始から3ヶ月後の膜ろ過差圧も390kPaと安定していた。ところが、運転開始から3ヶ月後のRO/NF膜モジュール14の脱塩率は、実施例1より低下しており、51%となった。
(比較例1)
ろ過工程中に次亜塩素酸ナトリウムを注入せずにそのまま30min膜ろ過した以外は、実施例1と全く同じにした。その結果、運転開始時のMF/UF膜モジュール5の膜ろ過差圧は10kPaであったのに対して、運転開始から1ヶ月後の膜ろ過差圧は150kPaに上昇したため、薬液洗浄せざるを得なかった。また、運転開始時のRO/NF膜モジュール14の膜ろ過差圧は350kPaであったのに対して、運転開始から1ヶ月後には膜ろ過差圧は1200kPaにまで上昇したため、薬液洗浄せざるを得なかった。RO/NF膜モジュール14の脱塩率は、運転期間中55%を維持していた。
(比較例2)
膜洗浄で、二酸化塩素を注入せずにそのままMF膜ろ過水で逆流洗浄した以外は、実施例1と全く同じにした。その結果、運転開始時のMF/UF膜モジュール5の膜ろ過差圧は10kPaであったのに対して、運転開始から1ヶ月後には膜ろ過差圧は250kPaに上昇したため、薬液洗浄せざるを得なかった。また、運転開始時のRO/NF膜モジュール14の膜ろ過差圧は350kPaであったのに対して、運転開始から3ヶ月後の膜ろ過差圧も400kPaと安定していた。RO/NF膜モジュール14の脱塩率は、運転期間中55%を維持していた。
(比較例3)
膜洗浄で、二酸化塩素の代わりに次亜塩素酸ナトリウムを注入して逆流洗浄した以外は、実施例1と全く同じにした。注入した二酸化塩素濃度は10mg/lとした。その結果、運転開始時のMF/UF膜モジュール5の膜ろ過差圧は10kPaであったのに対して、運転開始から1ヶ月後には膜ろ過差圧は220kPaに上昇したため、薬液洗浄せざるを得なかった。また、運転開始時のRO/NF膜モジュール14の膜ろ過差圧は350kPaであったのに対して、運転開始から3ヶ月後の膜ろ過差圧も400kPaと安定していた。RO/NF膜モジュール14の脱塩率は、運転期間中55%を維持していた。
本発明に好ましく用いられる膜ろ過装置の一実施態様を示す概略フロー図である。
符号の説明
1:原水タンク
2:原水ポンプ
3:次亜塩素酸注入設備
4:原水供給バルブ
5:MF/UF膜モジュール
6:ろ過バルブ
7:MF/UF膜ろ過水タンク
8:逆洗ポンプ
9:二酸化塩素注入設備
10:逆洗バルブ
11:排水バルブ
12:エアー排出バルブ
13:高圧ポンプ
14:RO/NF膜モジュール
15:RO/NF膜ろ過水タンク

Claims (4)

  1. アンモニアを含有する原水を精密ろ過膜(MF膜)および/または限外ろ過膜(UF膜)でろ過し、該ろ過水を逆浸透膜(RO膜)および/またはナノろ過膜(NF膜)でろ過する水の製造方法であって、MF膜および/またはUF膜の前段で原水に次亜塩素酸を注入しながらろ過する工程と、二酸化塩素を含有する洗浄水でMF膜および/またはUF膜を断続的に逆洗する工程とを有することを特徴とする水の製造方法。
  2. 次亜塩素酸の注入量が不連続点未満であることを特徴とする、請求項1に記載の水の製造方法。
  3. MF膜および/またはUF膜のろ過水のクロラミン濃度が0.01mg/l以上5mg/l以下となるように原水に次亜塩素酸を注入することを特徴とする、請求項2に記載の水の製造方法。
  4. アンモニアを含有する原水をろ過する精密ろ過膜(MF膜)および/または限外ろ過膜(UF膜)と、該ろ過水をろ過する逆浸透膜(RO膜)および/またはナノろ過膜(NF膜)を備えた水の製造装置であって、MF膜および/またはUF膜の前段に次亜塩素酸を注入する設備を設けるとともに、上記MF膜および/またはUF膜の後段に逆流洗浄水に二酸化塩素を注入する設備を設けたことを特徴とする水の製造装置。
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