JP3353810B2 - 逆浸透法海水淡水化システム - Google Patents

逆浸透法海水淡水化システム

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    • Y02W10/37Wastewater or sewage treatment systems using renewable energies using solar energy

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は逆浸透膜を利用し、海水
から飲料水や工業用水等を得る逆浸透法海水淡水化シス
テムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】膜法による液状混合物の分離・濃縮は、
蒸留などの分離技術による分離・濃縮に較べ省エネルギ
ーであり、かつ物質の状態変化を伴わないことから、果
汁の濃縮,ビール酵素の分離などの食品分野、海水及び
かん水の淡水化による飲料水,工業用水などの製造、電
子工業に於ける超純水の製造や医薬品工業や医療分野に
於ける無菌水の製造などの水精製分野、あるいは工業廃
水からの有価物の回収といった多分野に於いて幅広く利
用されている。
【0003】このように、分離膜による水処理は最先端
技術を支える不可欠のプロセスとして定着しているが、
特にその中でも、逆浸透膜を用いた逆浸透法による海水
やかん水の淡水化はクリーンなプロセスであり、かつ蒸
発法・電気透析法による淡水化と比較して省エネルギー
・低コスト・操作の簡便性の点で有利であることから、
これまでに大きな実績をあげている。
【0004】ところで、この逆浸透法による海水淡水化
システムを長期間安定して運転するためには、これに用
いられる逆浸透膜を保護する必要性から、逆浸透膜への
供給水の殺菌や濁質成分除去を始めとする適切な前処理
工程が不可欠であり、この前処理工程についても逆浸透
膜の進歩に伴って最適化が図られてきた。
【0005】逆浸透法を利用した海水淡水化システム
は、例えば「膜利用技術ハンドブック」(大矢晴彦編
集、幸書房、1978年)や「最新の膜処埋技術とその
応用」(清水博・西村正入監修、フジテクノシステム、
1984年)等の多くの文献で開示されているように、
逆浸透膜やプラント配管等を保護するために、取水した
海水の殺菌や濁質成分除去を行う前処理工程と、該前処
理工程から供給される海水を逆浸透膜への供給水として
浸透圧以上の高圧で逆浸透膜へ供給し造水を行う逆浸透
膜工程と、ユースポイントでの用途別供給のために逆浸
透膜工程から供給される造水に対し後塩素添加処理やp
H調整処理を行う後処埋工程とに大別することができ
る。なお、該後処理工程はその用途から必要に応じ設け
られるものである。
【0006】以下、従来の逆浸透法海水淡水化システム
の一般的な手順を説明する。図1は従来の逆浸透法海水
淡水化システムの概略図であり、前処理工程と、それに
続く逆浸透膜工程とを表している。そして、上記前処理
工程は、主にシステム系内での微生物の繁殖による生物
汚染を抑制あるいは防止するための原海水の殺菌処理、
原海水中に含まれる濁質成分を除去するための凝集沈殿
処理、及び逆浸透膜の性能を維持するためのpH調整処
理で構成されている。
【0007】即ち、図1に示すように、海水取水ポンプ
lによって取水された原海水は、まず塩素注入ポンプ3
によって酸化剤タンク4から注入される塩素等の酸化剤
によって殺菌され、原海水タンク2に蓄えられる(殺菌
処理)。そして、原海水タンク2に蓄えられた海水はポ
ンプ11によって汲み上げられ、凝集剤ポンプ12によ
って送られてくる凝集剤タンク13からの凝集剤の添加
を受けた後、砂濾過層14へ送り込まれ、ここで懸濁粒
子や海藻類等の生物性懸濁粒子等が除去される(凝集沈
殿処理)。その後、一旦、処埋水タンク15に蓄えられ
た海水はポンプ5によって汲み上げられ、酸注入ポンプ
7を介して酸タンク7から注入される酸によってpH調
整される(pH調整処理)。
【0008】以上の前処理工程を経た海水は、簡易濾過
器、例えばカートリッジフィルター8、高圧ポンプ9及
び逆浸透膜モジュール10によって構成される逆浸透膜
工程に供給される。この逆浸透膜工程において、海水は
高圧ポンプ9によって浸透圧の2〜3倍の高圧に高めら
れて逆浸透膜モジュール10へ供給される。そして、こ
の逆浸透膜モジュール10により塩分が分離除去され、
淡水ライン15及び濃縮水ライン16にそれぞれ淡水及
び濃縮水として供給される。その後、淡水タンク17に
蓄えられた淡水は、その利用用途に応じ、図示しない塩
素滅菌処理やpH調整処理を行う後処理工程へと供給さ
れる。
【0009】なお、一般にカートリッジフィルター8は
高圧ポンプ9の目詰まりを防止するために使用される。
【0010】また、逆浸透膜素材の種類によっては、塩
素をはじめとする殺菌剤に対する化学安定性に劣り、再
生不能の性能低下を引き起こすことから、いったん海水
に供給した殺菌剤を逆浸透膜の入口直前で重亜硫酸ナト
リウム等の還元剤を注入して除去する、といった煩雑な
装置構成をとる場合もある。
【0011】このように、従来の逆浸透法海水淡水化シ
ステムは、逆浸透膜の性能劣化を防止し、システムの長
期間安定使用を可能とするために、前処理工程において
海水の殺菌や濁質成分除去を十分に行ってから、海水を
逆浸透膜工程へ供給するように構成していた。
【0012】しかしながら、この前処理工程の内、特に
凝集剤注入と砂濾過とを行う凝集沈殿処理のための設備
は、海水淡水化システムのプラント占有面積の約7割を
も占めており、そのため、海水淡水化システム建設に伴
うコスト面での前処理工程比率も約8割に相当するに到
っている。
【0013】このため、生産水量が少ない小型の逆浸透
法海水淡水化システムでは取扱い易さやシステムの小型
化が優先されるという事情から、前処理工程を大幅に簡
素化するか、あるいは原海水を直接供給するようにして
おり、そのため、海水に含まれる濁質成分等による逆浸
透膜寿命の低下が間題となっている。
【0014】これとは逆に、生産水量が多い大型の逆浸
透法海水淡水化システムでは、長期間にわたり逆浸透膜
の性能を維持する必要性から、十分な前処理工程が必要
不可欠であり、そのため、前処理工程に起因するプラン
トの設置面積及び設置費用の増大が問題となっている。
【0015】ところで、前処理工程を簡略化した逆浸透
法海水淡水化システムとして、供給水として深層海水を
使用した事例がフランス特許No.8013382に開
示されている。しかしながら、この事例は海難用途での
バッチ方式であり、長期間にわたって淡水化を行うため
のものではない。あくまでも、緊急避難時に、逆浸透法
における駆勤力として海水圧力を使用してなるものであ
る。
【0016】同様の事例は、特開昭55−99379号
公報、特開昭56−87406号公報、特開昭58−2
10803号公報及び特開平2−187189号公報に
も開示されているが、これらはいずれも海水の自然圧を
逆浸透法による海水淡水化の駆動力として利用すること
により、高圧ポンブや高圧配管を省略することを目的と
しており、そのため、逆浸透膜モジュールを深海層に沈
めるように構成してなるものである。従って、上記何れ
の公開公報に記載のシステムも逆浸透膜モジュールの深
海層への設置やその補修が困難であるという問題を有し
ている。
【0017】また、同じく深層海水での逆浸透法海水淡
水化として、1994年の「海洋の資源と環境国際シン
ポジウム」において研究報告が開示されている。しかし
ながら、この研究報告は、一般に知られている深層海水
の清浄性を用いれば、逆浸透装置の前処理が簡素化でき
る可能性を示唆しているにすぎず、その構成、効果につ
いての具体的な開示は一切ない。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、前処埋工程と逆浸透圧膜工程とを有する逆
浸透法海水淡水化システムにおいて、上記前処理工程を
簡素化しても、なおかつ、逆浸透膜の汚れを抑え、造水
性能の低下を防止することである。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明者は従来の課題を
解決すべく鋭意検討した結果、特定の深度から取水した
海水を逆浸透膜モジュールヘの供給水として利用すれ
ば、前処理工程を簡素化しても懸濁物質等による逆浸透
膜表面の汚染を防止でき、長期間にわたり造水能力を維
持させるのに有効であることを見い出した。
【0020】即ち、本発明は、取水した原海水の前処理
を行う前処理工程と、該前処理工程からの海水を逆浸透
膜への供給水として浸透圧以上の高圧で供給し造水を行
う逆浸透膜工程とを有する逆浸透法海水淡水化システム
において、上記原海水として、深度100m以上の海水
層より取水した海水を使用することにより、上記前処理
工程を簡素化したことを特徴とするものである。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明の一の形態は、深度100
m以上の海水層より取水した海水を被処理水として使用
することを特徴とするものであるが、この深度100m
以上の海水層より取水した原海水は常時低温であり、そ
のため、以下の作用、効果が得られる。
【0022】逆浸透膜の素材が酢酸セルロース系高分子
やポリアミド系高分子等においては、供給水のpHと水
温との相互作用が、逆浸透膜の塩除去作用のあるスキン
層でのミクロな分子構造変化を引き起こし、これが逆浸
透膜の塩除去性能を低下させてしまうことが報告されて
いる。
【0023】例えば、海水淡水化用逆浸透膜として世界
的に実績のある三酢酸セルロースを素材とする逆浸透膜
を例に上げてみると、pH8.3の原海水を25℃でl
年間供給し続けると塩濃度が運転初期塩濃度の20倍に
まで上昇し、水質が悪化してしまう。
【0024】これに対し、水温が10℃であれば1年間
供給し続けても塩濃度は運転初期塩濃度の2倍までにし
か上昇しない。
【0025】このように、逆浸透膜への供給水が常時低
温であることは、逆浸透膜の塩除去性能の低下を抑制す
るのに非常に有効である。
【0026】本発明においては5〜20℃の水温、好ま
しくは5〜15℃の水温、更に好ましくは5〜10℃の
水温の海水を取水し、逆浸透膜へ供給することが好まし
い。
【0027】また、深度100m以上の海水層は一般に
太陽熱や海流等による対流の影響を受けない海水層であ
り、この海水は海面から数10m程度の深度の海水に比
して、太陽熱により発生する植物性プランクトン等が少
なく、さらに陸水が混入しうる場所でも海流等により懸
濁粒子が混入している恐れも少ない、懸濁物質の少ない
海水である。
【0028】従って、被処理水として、深度100m以
上、好ましくは深度200m以上のの海水層より取水し
た、懸濁物質の少ない海水を使用することにより、植物
性プランクトンや懸濁粒子等による逆浸透膜表面や配管
の汚れ等を有効に防止することが可能となる。
【0029】また、本発明の他の形態では、上記原海水
を逆浸透膜へ供給する前に、簡易濾過器を用いて原海水
を濾過するようしており、これにより、原海水を逆浸透
圧以上の高圧で逆浸透膜に供給するための高圧ポンプの
目詰まりの防止を図ることが可能となる。
【0030】また、本発明の他の形態では、逆浸透膜へ
供給される原海水に殺菌剤を添加するようにしている。
この殺菌剤は、逆浸透膜モジュール内あるいは配管内で
のバクテリアの繁殖を抑制することを可能とするもので
ある。
【0031】殺菌剤としては、次亜塩素酸ナトリウム溶
液、または海水を電解させて生成する次亜塩素酸溶液、
トリハロメタンを全く生成しないクロラミン溶液、プ−
ル等での使用が認められている二酸化塩素溶液等を使用
することが可能である。
【0032】殺菌剤の注入方法としては、連続的に一定
濃度になるように注入する連続注入法と、例えば、特開
平7−171565号公報記載の一定時間のみ殺菌剤を
注入する間欠注入法との何れでも実施可能である。
【0033】殺菌剤の注入濃度としては、塩素濃度換算
で0.1〜0.5mg/lが好ましく、0.l〜0.3
mg/lがさらに好ましい。
【0034】また、本発明の他の形態では、逆浸透膜へ
の供給水に対し予めpH調整を行っている。これによ
り、上述したpHと水温との相互作用による逆浸透膜の
塩除去性能低下を抑制することができる。
【0035】更に、供給水のpH調整を行うことによ
り、以下の効果を得ることができる。即ち、例えば海水
中のカルシウムイオンはpH7以上でカルシウム塩とし
て析出し易い状態にある。従って、供給水のpH調整を
行うことにより、カルシウム起因の析出物をはじめとす
るスケール成分の生成を抑止することができる。
【0036】pH調整剤としては硫酸または塩酸等が使
用可能であり、pH調整値としては6.5〜7.5、好
ましくは6.5〜7.0、更に好ましくは6.5〜6.
8とするのが良い。
【0037】本発明における逆浸透膜の素材は何ら特定
のものに限定されるものではなく、例えば、酢酸セルロ
ース、三酢酸セルロース、架橋ポリアミド、芳香族系ポ
リアミド、架橋アラミド系高分子、ポリアミドヒドラジ
ド類、ポリ尿素類、ポリピニルアルコール類、ポリスル
ホン類等を単独、あるいは混合してなるもの等種々のも
のを使用することができるが、これらのうち三酢酸セル
ロースの逆浸透膜は有機物が付着しにくいので、特に好
適に使用することができる。
【0038】また、本発明における逆浸透膜モジュール
形状も何ら特定のものに限定されるものではなく、例え
ば、中空糸捲上方式、中空糸平行配列方式、平膜積層方
式、平膜スパイラル方式等の種々のものが使用可能であ
る。
【0039】
【実施例】以下、本発明の好ましい実施例について説明
するが、本発明はこれに何ら限定されるものではない。
【0040】図2は、本実施例における逆浸透法海水淡
水化システムの概略図である。図において、図1と同一
符号は同じものを示す。この図2から明らかなように、
本実施例のシステムは、従来の逆浸透法海水淡水化シス
テムと比較して、前処理工程における凝集沈殿処理を不
要としたものである。
【0041】尚、本実施例においては、濁質指標として
FI(Fouling Index)を採用し、Mil
lipore社製FI評価キットを使用して測定した。
【0042】また、供給水及び透過水の塩濃度は東亜電
波工業社製の電気伝導度計(CM−30ET)を使用し
た。
【0043】また、供給水中の生菌数はASTM−F6
0記載の方法に準拠して行った。
【0044】ここで、濁質指標のFIとは、0.45μ
mφの限外濾過膜を測定セルに装着し、計装空気または
圧縮空気を導入することにより検水を2.1kg/cm
2に圧力上昇させた状態でセルに導入し、始めの500
mlが透過する時間と、15分経過した後の500ml
が透過する時間との比より、濁質程度を評価するもので
ある。
【0045】実施例1 本実施例1は図2のフローに準じて実施した。なお、本
実施例及び以下の実施例ならびに比較例においては、原
海水の取水深度による逆浸透膜モジュール性能の低下を
判定するために、塩素注入ポンプ3と酸化剤タンク4と
からなる殺菌処理及び酸注入ポンプ6と酸タンク7とか
らなるpH調整処理は施していない。即ち、原海水を海
水取水ポンプ1により取水して原海水タンク2に蓄え、
ポンプ5によりカートリッジフィルタ8を通した後、高
圧ポンプ9により逆浸透膜モジュール10へ供給するよ
うにした。
【0046】なお、逆浸透膜モジュール10には三酢酸
セルロース製中空糸型逆浸透膜モジュールを使用し、カ
ートリッジフィルタ8には10μmのものを使用した。
【0047】本実施例1では原海水として深度300m
の海水を用いた。逆浸透膜モジュ−ルは、供給圧力:
5.5MPa、回収率:30%の条件で運転した。また
原海水のpHは7.8〜8.3、FIは4.0〜4.5
であり、水温はl5〜16℃でほぼ一定に椎移してい
た。
【0048】本実施例における逆浸透膜モジュール性能
の評価結果を表1に示す。
【0049】
【表1】
【0050】表1に示すように、運転100日目におい
ても透過水電気伝導度は280μS/cm、透過水量は
145L(リットル)/時の性能を維持していた。
【0051】なお、本実施例方法を実用的に行う場合に
は、原海水の殺菌及びpH調整を行うことは言うまでも
ない。
【0052】実施例2 本実施例2では、原海水として深度100mから海水を
取水し、上記実施例lと同じシステム、同じ運転条件に
て淡水化を行った。原海水のpHは8.0〜8.3、F
Iは4.0〜4.5、水温はl6〜18℃で椎移した。
【0053】本実施例2での逆浸透膜モジュール性能の
評価結果を表1に併せて示す。
【0054】表1に示すように、運転100日目におい
ても透過水電気伝導度は290μS/cm、透過水量は
145L/時の性能を維持していた。
【0055】この結果から、深度100mから取水した
原海水を供給水として用いた場合でも、深度300mか
ら取水した原海水を供給水として用いた場合と同程度の
性能を維持できることが分かる。
【0056】比較例1 本比較例1は、原海水として深度10mの海水を用い、
上記実施例l、2と同じシステム、同じ運転条件にて実
施したものである。原海水の水温は18〜22℃で椎移
した。
【0057】この比較例1における逆浸透膜モジュール
性能の評価結果を表1に併せて示す。表1に示すよう
に、運転100日目に透過水電気伝導度は401μS/
cmまで上昇し、透過水量も108L/時まで減少し
た。その直後、差圧上昇のため運転を中止した。
【0058】この比較例1の結果と上記実施例1、2の
結果とから、原海水として100m程度深海より取水し
た海水を用いることは、逆浸透膜モジュール内の汚れを
抑え、差圧上昇を抑制する作用があることが分かる。
【0059】なお、本比較例1の原海水、即ち、深度1
0mの海水のFlは5.5〜6.0であり、上記実施例
1、2で原海水として用いた深度300m、100mの
海水に比べ懸濁物質の多い汚れた海水であった。
【0060】比較例2 本比較例2は、原海水として深度10mの海水を用い、
図lに示す従来の逆浸透法海水淡水化システムのフロー
に準じて実施したが、上記実施例1、2及び比較例1と
の整合を図るため、塩素注入ポンプ3と酸化剤タンク4
とからなる殺菌処理及ぴ酸注入ポンプ6と酸タンク7と
からなるpH調整処理は施していない。
【0061】この比較例2における逆浸透膜モジュール
性能の評価結果を表1に併せて示す。表1に示すよう
に、運転100日目においても透過水電気伝導度は25
0μS/cm、透過水量は150L/時と安定している
が、これは上記実施例1、2の評価結果と同程度であ
る。
【0062】この比較例2の結果と上記実施例1、2の
結果とから、原海水として100m程度深海より取水し
た海水を用いることによって、前処理工程を大幅に省略
しても造水性能を維持できることが分かる。
【0063】また、本比較例2における逆浸透膜モジュ
ール10への供給海水のFIは3.0〜4.0であり、
上記比較例1における供給海水のFIが5.5〜6.0
であることから、従来の前処理工程、特に、凝集沈殿処
理によって原海水の懸濁物資が除去されることが分か
る。
【0064】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、取水し
た原海水の前処理を行う前処理工程と、該前処理工程か
らの海水を逆浸透膜への供給水として浸透圧以上の高圧
で供給し造水を行う逆浸透膜工程とを有する逆浸透法海
水淡水化システムにおいて、上記原海水として、深度1
00m以上の海水層より取水した海水を使用するように
したので、前処理工程における凝集剤注入や砂濾過処理
を省略しても造水性能を維持、安定化させることがで
き、結果として高性能な海水淡水化システムを低コス
ト、省スペースで得ることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図l】従来の逆浸透法海水淡水化システムの一例の概
略図である。
【図2】本発明の逆浸透法海水淡水化システムの一例の
概略図である。
【符号の説明】
l.海水取水ポンプ 2.原海水タンク 3.塩素注入
ポンプ 4.殺菌剤タンク 5.ポンプ 6.酸注入ポ
ンプ 7.酸タンク 8.カ−トリッジフィルター
9.高圧ポンプ 10.逆浸透膜モジュ−ル 15.淡
水ライン 16.濃縮水ライン 17.淡水タンク
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平10−159709(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C02F 1/44 B01D 61/02

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 取水した原海水の前処理を行う前処理工
    程と、該前処理工程からの海水を逆浸透膜への供給水と
    して浸透圧以上の高圧で供給し造水を行う逆浸透膜工程
    とを有する逆浸透法海水淡水化システムにおいて、 上記原海水として、深度100m以上の海水層より取水
    した海水を使用することにより、上記前処理工程を簡素
    化したことを特徴とする逆浸透法海水淡水化システム。
  2. 【請求項2】 上記原海水を逆浸透膜へ供給する前に、
    簡易濾過器を用いて原海水の濾過を行うようにしたこと
    を特徴とする請求項1記載の逆浸透法海水淡水化システ
    ム。
  3. 【請求項3】 上記原海水はFIが4.5以下であるこ
    とを特徴とする請求項1又は2に記載の逆浸透法海水淡
    水化システム。
  4. 【請求項4】 上記原海水は水温が5〜20℃であるこ
    とを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の逆
    浸透法海水淡水化システム。
  5. 【請求項5】 上記原海水を逆浸透膜へ供給する前に、
    該原海水に対し塩素濃度換算として0.1〜0.5mg
    /lの範囲で連続的または間欠的に殺菌剤を添加するよ
    うにしたことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか
    に記載の逆浸透法海水淡水化システム。
  6. 【請求項6】 上記原海水を逆浸透膜へ供給する前に、
    該原海水を予めpH6.5〜7.5の範囲でpH調整す
    るようにしたことを特徴とする請求項1ないし5のいず
    れかに記載の逆浸透法海水淡水化システム。
  7. 【請求項7】 上記逆浸透膜が三酢酸セルロースからな
    ることを特徴とする請求項lないし6のいずれかに記載
    の逆浸透法海水淡水化システム。
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