JP2000189965A - 造水装置および造水方法 - Google Patents

造水装置および造水方法

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JP2000189965A
JP2000189965A JP11221072A JP22107299A JP2000189965A JP 2000189965 A JP2000189965 A JP 2000189965A JP 11221072 A JP11221072 A JP 11221072A JP 22107299 A JP22107299 A JP 22107299A JP 2000189965 A JP2000189965 A JP 2000189965A
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water
cartridge
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fresh
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Toshiyuki Kawashima
敏行 川島
Ichiro Kawada
一郎 河田
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Nitto Denko Corp
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    • Y02A20/138Water desalination using renewable energy
    • Y02A20/144Wave energy

Abstract

(57)【要約】 【課題】 外部への水漏れを防止しかつ低コストで信頼
性の高い運転を行うことができるとともに騒音の問題が
生じない造水装置および造水方法を提供することであ
る。 【解決手段】 外装ケース50の底部にドレンパン36
を設け、ドレンパン36上に活性炭カートリッジ2およ
び造水カートリッジ4を設ける。活性炭カートリッジ2
の原水入口に給水弁11を設け、給水弁11および活性
炭カートリッジ2をバイパスするようにバイパス配管1
3を接続し、バイパス弁12を介挿する。造水カートリ
ッジ4の濃縮水取り出し配管7に洗浄水配管8を接続
し、フラッシング弁9を設ける。ドレンパン36に設け
られたレベル検知器38の出力の状態に基づいて制御装
置10が給水弁11およびバイパス弁12の開閉動作を
制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、残留塩素が含まれ
る被処理液を逆浸透膜を備えた造水カートリッジに供給
することにより脱塩処理する造水装置および造水方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】水道水、工業用水等の残留塩素が含まれ
る被処理液を(以下、原水と呼ぶ)脱塩する際には、逆
浸透膜(RO膜)を備えた造水カートリッジを有する造
水装置により、原水を透過水と濃縮水に分離する。限ら
れた規模の造水装置において、必要十分な量の透過水を
得る方法としては、造水装置に透過水貯溜タンクを設け
て、透過水の未使用時に、その透過水貯溜タンクに透過
水を貯めておく方法や、造水装置に加圧ポンプを設けて
単位膜面積当たりの透過水量を大きくする方法がある。
【0003】図10は、加圧ポンプを備えた従来の造水
装置の一例を示す構成図である。図10に示す造水装置
においては、加圧ポンプ100および造水カートリッジ
4が脱塩処理に用いられる。造水カートリッジ4は逆浸
透膜を備える。逆浸透膜は長時間塩素にさらすと耐久性
が乏しくなるので、原水に含まれる残留塩素を除去する
ために活性炭カートリッジ2が前処理に用いられる。
【0004】原水は、原水供給配管1を通じて活性炭カ
ートリッジ2に供給される。活性炭カートリッジ2の透
過水は、前処理水として、加圧ポンプ100により前処
理水供給配管3を通して造水カートリッジ4に供給され
る。逆浸透膜を備えた造水カートリッジ4により、前処
理水は透過水および濃縮水に分離される。分離された透
過水は、透過水取り出し配管5を通して処理水として外
部へ取り出される。一方、濃縮水は、濃縮水取り出し配
管7を通って外部へ排出される。なお、濃縮水取り出し
配管7には圧力調整弁6が設けられており、濃縮水量を
抑えるように設定されている。これにより、造水カート
リッジ4における膜の透過が促進される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記の造水装置におい
ては、加圧ポンプ100を駆動するためにモータや発動
機等の駆動装置(図示せず)が必要であるとともに、こ
れらの駆動装置を制御するための制御装置(図示せず)
が必要である。このため、造水コストが増加するととも
に造水装置の価格が上昇する。また、加圧ポンプ100
や駆動装置が発生する騒音も問題となる。
【0006】また、室温に比べて水温の低い原水が造水
装置に供給される場合、活性炭カートリッジ2、造水カ
ートリッジ4、各配管1,3,5,7等の表面において
結露が発生し、これが造水装置の外部に漏れ出る。さら
に、各配管1,3,5,7の接続部において水漏れが発
生した場合、水が造水装置の外部に漏れ出る。このた
め、造水装置を室内に設置するのが困難である。
【0007】また、造水装置による造水作業を長期間停
止した場合には、造水カートリッジの内部に菌が繁殖
し、造水作業の再開時に繁殖した菌が透過水に含有し、
透過水質が劣化するという問題が生じる。
【0008】本発明の目的は、外部への水漏れを防止し
かつ低コストで信頼性の高い運転を行うことができると
ともに騒音の問題も生じない造水装置および造水方法を
提供することである。
【0009】本発明の他の目的は、外部への水漏れを防
止しかつ菌の繁殖による透過液質の劣化を防止しつつ低
コストで信頼性の高い運転を行うことができるとともに
騒音の問題も生じない造水装置および造水方法を提供す
ることである。
【0010】
【課題を解決するための手段および発明の効果】本発明
者は、加圧ポンプを用いることなくかつ菌の繁殖を抑え
つつ被処理液の脱塩処理を行うべく種々の実験および検
討を行った結果、濃度0.05%のNaCl水溶液の阻
止率が95%以上でかつ透過水量が0.1m3 /m2
日・kgf/cm2 以上の性能を有する逆浸透膜を使用
すると、2kgf/cm2 以下の圧力を有する被処理液
を加圧ポンプを用いることなく逆浸透膜を備えた造水カ
ートリッジに供給して脱塩処理を行うことができること
を見い出した。
【0011】また、本発明者は、被処理液を残留塩素を
除去するための前処理器を介して造水カートリッジに供
給するとともに、前処理器をバイパスさせて被処理液を
適宜造水カートリッジに供給することにより、造水カー
トリッジ内の菌の繁殖を抑制できることを見い出した。
そして、本発明者は、これらの知見に基づいて以下の発
明を案出した。
【0012】本発明に係る造水装置は、逆浸透膜を備え
た造水カートリッジと造水カートリッジに被処理液を昇
圧する昇圧手段を介することなく所定の圧力を有する被
処理液を供給する供給系とがドレンパン上に設けられ、
ドレンパン内の貯溜液のレベルを検出するレベル検知器
およびレベル検知器の出力に応答して供給系を制御する
制御手段が設けられたものである。
【0013】本発明に係る造水装置においては、所定の
圧力を有する被処理液が供給系により造水カートリッジ
に供給され、脱塩処理される。ここで、造水カートリッ
ジおよび供給系がドレンパン上に設けられているため、
造水カートリッジおよび供給系の表面において発生した
結露ならびに供給系の接続部等において発生した漏水は
ドレンパン内に貯溜される。それにより、造水装置の内
部において発生した結露および漏水が外部に漏れ出るの
を防止することが可能となる。
【0014】また、この場合においては、レベル検知器
がドレンパン内における貯溜液のレベル(水位)を検出
し、これに基づいて制御手段により供給系が制御される
ため、ドレンパン内の貯溜液が造水装置の外部に溢れ出
るのを防止することが可能となる。
【0015】上記の造水装置においては、昇圧手段とし
て加圧ポンプ等を用いることなく無動力で所定の圧力を
有する被処理液が造水カートリッジに供給されるので、
加圧ポンプを駆動するための駆動装置や、駆動装置を制
御するための制御装置が不要となる。したがって、造水
コストが低減されるとともに、造水装置の価格の上昇も
抑制される。また、加圧ポンプおよび駆動装置が発する
騒音の問題も生じない。さらに、加圧ポンプ、駆動装置
および制御装置が不要となるので、造水装置がコンパク
トになるとともに、電気代も不要となる。
【0016】レベル検知器は、ドレンパン内の貯溜液の
レベルが所定高さに達したか否かを検出し、制御手段
は、ドレンパン内の貯溜液のレベルが所定高さに達した
ことをレベル検知器が検出したときに供給系による造水
カートリッジへの被処理液の供給を停止させてもよい。
それにより、ドレンパン内の貯溜液が造水装置の外部に
溢れ出るのを防止することが可能となる。
【0017】ドレンパン内の貯溜液のレベルが所定高さ
に達したことをレベル検知器が検出したときに警報を発
する警報器が設けられてもよい。これにより、ドレンパ
ン内の貯溜液を排出して造水カートリッジへの被処理液
の供給を速やかに再開することが可能になる。
【0018】また、被処理液に含まれる残留塩素を除去
するための前処理器が造水カートリッジの前段に設けら
れ、前処理器をバイパスするようにバイパス経路が設け
られるとともに、バイパス経路を開閉する開閉手段が設
けられ、前処理器、バイパス経路および開閉手段がドレ
ンパン上に設置されてもよい。
【0019】この場合、所定の圧力を有する被処理液が
前処理器に供給され、被処理液に含まれる残留塩素が除
去される。前処理器から得られる被処理液は昇圧手段を
介することなく造水カートリッジに供給され、脱塩処理
が行われる。
【0020】殺菌作用を有する残留塩素が除去された被
処理液が造水カートリッジの内部に滞溜すると、菌が繁
殖しやすくなる。そこで、開閉手段によりバイパス経路
を開くことにより、残留塩素を含む被処理液を造水カー
トリッジに供給することができる。それにより、造水カ
ートリッジ内の菌の繁殖を抑制することができる。その
結果、菌の繁殖による透過液質の劣化が防止される。
【0021】ここで、前処理器、バイパス経路および開
閉手段がドレンパン上に設置されているため、前処理
器、バイパス経路および開閉手段の表面において発生し
た結露およびこれらの接続部等において発生した漏水は
ドレンパン内に貯溜される。したがって、造水装置の内
部において発生した結露および漏水が外部に漏れ出るの
を防止できる。
【0022】被処理液が0.3kgf/cm2 以上3k
gf/cm2 以下の圧力を有してもよい。この場合に
は、加圧ポンプ等の昇圧手段を用いることなく脱塩処理
を行うことができる。
【0023】造水カートリッジの逆浸透膜をフラッシン
グするためのフラッシング手段が設けられ、フラッシン
グ手段がドレンパン上に設置されてもよい。ここで、フ
ラッシングとは、水流により分離膜の膜面の洗浄を行う
ことである。
【0024】この場合、フラッシング手段により造水カ
ートリッジの逆浸透膜をフラッシングすることにより、
造水カートリッジの逆浸透膜の膜面に滞溜した不純物を
造水カートリッジの外部に放出することができる。その
結果、逆浸透膜における膜面線速度の不足から生じる短
期間での透過液質の劣化および透過液量の経時的な減少
が防止される。
【0025】ここで、フラッシング手段がドレンパン上
に設置されているため、フラッシング手段の表面におい
て発生した結露および漏水はドレンパン内に貯溜され
る。したがって、造水装置の内部において発生した結露
およびフラッシング手段の接続部等において発生した漏
水が外部に漏れ出るのを防止できる。
【0026】本発明に係る造水方法は、ドレンパン上に
おいて逆浸透膜を備えた造水カートリッジに所定の圧力
を有する被処理液を昇圧手段を介することなく供給する
とともに、ドレンパン内の貯溜液のレベルに応じて造水
カートリッジへの被処理液の供給を制御するものであ
る。
【0027】本発明に係る造水方法においては、ドレン
パン上において、所定の圧力を有する被処理液を造水カ
ートリッジに供給し、脱塩処理を行う。この場合、造水
カートリッジの表面において発生した結露および造水カ
ートリッジの接続部等において発生した漏水はドレンパ
ン内に貯溜される。それにより、造水装置の内部におい
て発生した結露および漏水が造水装置の外部に漏れ出る
のを防止することが可能となる。
【0028】また、ドレンパン内の貯溜液のレベル(水
位)に応じて造水カートリッジへの被処理液の供給を制
御するため、ドレンパン内の貯溜液が外部に溢れ出るの
を防止することが可能となる。
【0029】さらに、上記の造水方法においては、昇圧
手段として加圧ポンプ等を用いることなく無動力で所定
の圧力を有する被処理液を造水カートリッジに供給する
ので、加圧ポンプを駆動するための駆動装置や、駆動装
置を制御するための制御装置が不要となる。したがっ
て、造水コストが低減されるとともに、造水装置の価格
の上昇も抑制される。また、加圧ポンプおよび駆動装置
が発する騒音の問題も生じない。
【0030】ドレンパン上において被処理液を残留塩素
を除去するための前処理器を介して造水カートリッジに
供給するとともに、所定のタイミングで前処理器をバイ
パスさせて被処理液を造水カートリッジに供給してもよ
い。
【0031】この場合、所定の圧力を有する被処理液を
前処理器に供給し、被処理液に含まれる残留塩素を除去
する。さらに、前処理器から得られる被処理液を昇圧手
段を介することなく造水カートリッジに供給し、脱塩処
理を行う。
【0032】殺菌作用を有する残留塩素が除去された被
処理液が造水カートリッジの内部に滞溜すると、菌が繁
殖しやすくなる。そこで、所定のタイミングで前処理器
をバイパスさせて被処理液を造水カートリッジに供給す
ることにより、残留塩素を含む被処理液を造水カートリ
ッジに供給することができる。それにより、造水カート
リッジ内の菌の繁殖を抑制することができる。その結
果、菌の繁殖による透過液質の劣化が防止される。
【0033】この場合、ドレンパン上において上記の操
作を行うため、前処理器の表面において発生した結露お
よび前処理器の接続部等において発生した漏水はドレン
パン内に貯溜される。したがって、発生した結露および
漏水が外部に漏れ出るのを防止できる。
【0034】ドレンパン上において所定のタイミングで
造水カートリッジの逆浸透膜をフラッシングしてもよ
い。それにより、造水カートリッジの逆浸透膜の膜面に
滞溜した不純物を造水カートリッジの外部に排出するこ
とが可能となる。その結果、逆浸透膜における膜面線速
度の不足から生じる短期間での透過液質の劣化および透
過液量の経時的な減少が防止される。
【0035】この場合、ドレンパン上においてフラッシ
ングを行うため、フラッシング時において発生した結露
および漏水はドレンパン内に貯溜される。したがって、
発生した結露および漏水が外部に漏れ出るのを防止でき
る。
【0036】
【発明の実施の形態】図1は本発明に係る造水装置の第
1の例を示す構成図である。
【0037】図1に示す造水装置においては、活性炭カ
ートリッジ2が前処理に用いられる。また、造水カート
リッジ4が脱塩処理に用いられる。
【0038】活性炭カートリッジ2の原水入口には、給
水弁11を介して原水供給配管1が接続されている。活
性炭カートリッジ2の透過水出口は、前処理水供給配管
3を介して造水カートリッジ4の原水入口に接続されて
いる。給水弁11および活性炭カートリッジ2をバイパ
スにするようにバイパス配管13が接続され、バイパス
配管13にバイパス弁12が介挿されている。バイパス
弁12および給水弁11は自動弁からなる。
【0039】造水カートリッジ4の透過水出口に透過水
取り出し配管5が接続され、濃縮水出口に濃縮水取り出
し配管7が接続されている。
【0040】濃縮水取り出し配管7には圧力計31が設
けられるとともに、圧力調整弁6が介挿されている。さ
らに、圧力調整弁6と並列に、フラッシング弁9が洗浄
水配管8を介して接続されている。フラッシング弁9は
自動弁からなる。フラッシング弁9は、造水カートリッ
ジ4の洗浄処理に用いられる。
【0041】給水弁11、フラッシング弁9およびバイ
パス弁12の開閉動作は制御装置10によりそれぞれ独
立にまたは同時に制御される。
【0042】造水カートリッジ4として、例えば逆浸透
膜モジュールが用いられる。逆浸透膜モジュールは、圧
力容器内に逆浸透膜スパイラル型エレメントを装填して
なる。ここでは、濃度0.05%のNaCl水溶液の阻
止率が95%以上でかつ透過水量が0.1m3 /m2
日・kgf/cm2 以上の性能を有する逆浸透膜モジュ
ールを用いる。
【0043】なお、供給水の対象溶質の濃度をCfと
し、透過水のその対象溶質の濃度をCpとすると、阻止
率R(%)は以下の式(1)で定義される。
【0044】 R(%)=(1−Cp/Cf)×100 ・・・(1) このような逆浸透膜モジュールにおける透過水量は、通
常の膜分離操作に用いられる逆浸透膜モジュールの透過
水量と比べて非常に大きい。造水カートリッジ4に用い
る逆浸透膜モジュールでは、例えば水温25℃、操作圧
力7.5kgf/cm2 の条件下において、濃度0.0
5%のNaCl水溶液の阻止率は95%以上であり、そ
の透過水量は0.8m3 /m2 ・日以上である。一方、
通常の膜分離操作に用いられる逆浸透膜モジュールで
は、濃度0.05%のNaCl水溶液の阻止率は95%
以上であり、透過水量は0.6m3 /m2 ・日以下であ
る。
【0045】図1に示すように、外装ケース50内の底
部にドレンパン36が設けられ、上記の活性炭カートリ
ッジ2、造水カートリッジ4、各配管1,13,3,
5,7,8、各弁11,12,6,9、圧力計31およ
び制御装置10がドレンパン36上に設置されている。
【0046】図2は、図1に示す造水装置の外観の模式
的な正面図である。なお、図2においては造水装置の内
部構造を示すため、外装ケース50の前面の扉24を開
いた状態を示している。また、図2においては、造水カ
ートリッジ4以外の図示は省略している。
【0047】図2に示すように、外装ケース50の上部
には制御部30が設けられている。制御部30は、バイ
パス弁12、フラッシング弁9、給水弁11等の自動弁
を制御する制御装置10および後述する警報器39を含
む。制御装置10はタイマ等を含む。また、制御部30
には、圧力計31および操作パネル32が設けられてい
る。
【0048】外装ケース50の底部のドレンパン36に
はレベル検知器38が設けられている。
【0049】図3(a)は図1および図2の造水装置に
用いるドレンパンの一例を示す図であり、図3(b)は
図1および図2の造水装置に用いるドレンパンの他の例
を示す図である。図3(a)に示すドレンパン36に
は、レベル検知器38として電極式レベル検知器38a
が設けられている。一方、図3(b)に示すドレンパン
36には、レベル検知器38としてフロート式レベル検
知器38bが設けられている。
【0050】造水装置の内部において発生した結露およ
び漏水はドレンパン36内に貯溜される。それにより、
造水装置の外部に水が漏れ出るのを防止できる。また、
ドレンパン36内の貯溜水のレベル(水位)が所定高さ
に達すると、レベル検知器38a,38bの出力がオン
状態またはオフ状態となる。ここでは、ドレンパン36
内の貯溜水のレベルが所定高さに達した際に、レベル検
知器38a,38bの出力がオン状態になるものとす
る。レベル検知器38a,38bの出力の状態に応答し
て、制御装置10が給水弁11およびバイパス弁12の
開閉動作を制御し、原水の供給を停止させる。また、こ
の際に警報器39が周囲に警報を発するように設定され
ている。それにより、ドレンパン36内の貯溜水が溢れ
て造水装置の外部に水が漏れ出るのを防止できる。
【0051】本例においては、原水供給配管1および給
水弁11が供給系に相当し、活性炭カートリッジ2が前
処理器に相当する。また、制御装置10が制御手段に相
当する。さらに、バイパス配管13がバイパス経路に相
当し、バイパス弁12が開閉手段に相当し、洗浄水配管
8およびフラッシング弁9がフラッシング手段に相当す
る。
【0052】次に、図1に示す造水装置の前処理および
脱塩処理について説明する。なお、前処理および脱塩処
理の際には、給水弁11を開き、バイパス弁12および
フラッシング弁9を閉じておく。
【0053】原水としては、水道水や工業用水のように
所定の圧力で供給される水や汲み上げポンプの圧力が残
留する井戸水を用いる。
【0054】前処理では、原水供給配管1により供給さ
れた原水が活性炭カートリッジ2の内部に供給される。
活性炭カートリッジ2において、供給された原水に含ま
れる残留塩素が除去される。活性炭カートリッジ2の透
過水は、前処理水として、前処理水供給配管3を通して
造水カートリッジ4の内部に供給される。
【0055】前処理水は、造水カートリッジ4により脱
塩され、不純物が除去された透過水と不純物が濃縮され
た濃縮水とに分離される。透過水は、造水カートリッジ
4の透過水出口に接続された透過水取り出し配管5を通
り、処理水として外部へ取り出される。濃縮水は、造水
カートリッジ4の濃縮水出口に接続された濃縮水取り出
し配管7を通り外部へ排出される。
【0056】濃縮水取り出し配管7に設けられた圧力調
整弁6は、濃縮水が所定量以下になるように設定されて
いる。これにより、濃縮水量が抑制されるとともに透過
水量が増加する。なお、このような圧力調整弁6の設定
は、圧力計31を用いて行う。
【0057】ここでは、造水カートリッジ4に供給され
る原水の量aと造水カートリッジ4から得られる透過水
の量bとの比率b/aが、b/a>0.5となるように
圧力調整弁6を設定する。この場合、供給した原水に対
して、50%より高い回収率で透過水が得られるため、
効率がよく経済的である。
【0058】上記の造水装置においては、0.3kgf
/cm2 以上3kgf/cm2 以下の圧力を有する原水
を加圧ポンプを用いることなく無動力で造水カートリッ
ジ4に供給し、効率よく脱塩処理することが可能であ
る。
【0059】バイパス弁12は制御装置10により制御
されており、造水作業の中断の間(造水装置の運転停止
中)に所定の時間バイパス弁12が自動的に開くよう
に、または、造水作業中(造水装置の運転中)に所定の
時間間隔ごとに所定の時間ずつバイパス弁12が自動的
に開くように設定される。バイパス弁12が開いている
ときには、給水弁11は閉じられていても、開いていて
もよい。造水作業の中断時のみ給水弁11が閉じられる
という制御は単純であるため、好ましい。
【0060】それにより、殺菌効果を有する残留塩素を
含む原水がバイパス配管13を通して造水カートリッジ
4の内部に供給される。その結果、造水カートリッジ4
内の菌の繁殖を抑制することができる。
【0061】造水装置の運転停止中に定期的にバイパス
弁12を開く場合、造水カートリッジ4内が殺菌および
滅菌され、造水装置の運転停止中における造水カートリ
ッジ4内での菌の繁殖を抑制することが可能となる。
【0062】一方、造水装置の運転中に定期的にバイパ
ス弁12を開く場合においては、造水カートリッジ4内
が殺菌および滅菌され、造水装置の運転中における造水
カートリッジ4内での菌の繁殖を抑制することが可能と
なる。
【0063】なお、造水装置の運転中に不定期的にバイ
パス弁12を開いてもよい。この場合、例えば菌の繁殖
による透過水質の劣化が生じた際にバイパス弁12を開
く。それにより、造水カートリッジ4内を殺菌および滅
菌し、透過水質の劣化を抑制することが可能となる。
【0064】また、上記以外に、中断していた造水作業
の再開と同時(造水装置の運転再開時)にバイパス弁1
2を開いてもよい。あるいは、造水作業の中断と同時
(造水装置の運転停止と同時)にバイパス弁12を開い
てもよい。なお、この場合の造水装置の運転再開時と
は、造水装置の主電源をオンにして制御回路を作動させ
る時点でもよく、または、主電源をオンにした後に運転
スイッチをオンにする時点であってもよい。ここで、制
御回路とは、図1の制御装置10を含み、バイパス弁1
2、フラッシング弁9、給水弁11およびその他の自動
弁を制御する回路である。また、運転スイッチは、制御
回路に運転の開始を指令するために用いる。なお、運転
の停止は、停止スイッチにより制御回路に指示される。
【0065】造水装置の運転再開時にバイパス弁12を
開く場合、造水装置の運転停止中において造水カートリ
ッジ4内で繁殖した菌を殺菌および滅菌することが可能
となる。このようにして、造水装置の運転再開時にバイ
パス弁12を開いた状態で運転を行った後、バイパス弁
12を閉じて通常の運転を行う。それにより、造水装置
の運転中における造水カートリッジ4内での菌の繁殖を
抑制することが可能となる。
【0066】また、造水装置の運転停止と同時にバイパ
ス弁12を開く場合、造水装置の運転中において造水カ
ートリッジ4内で繁殖した菌を殺菌および滅菌すること
が可能となる。このようにして、造水装置の運転停止と
同時にバイパス弁12を開いた状態で原水を供給した
後、バイパス弁12を閉じ、造水装置を停止状態とす
る。それにより、造水装置の運転停止中における造水カ
ートリッジ4内での菌の繁殖を抑制することが可能とな
る。
【0067】なお、造水装置の運転停止中または運転停
止と同時にバイパス弁12を開いて造水カートリッジ4
内に残留塩素を含む原水を供給する場合、供給された原
水は造水カートリッジ4を経た後、濃縮水取り出し配管
7を通して外部へ排出される。この場合、例えば、透過
水側経路を閉じることにより、この原水が濃縮水取り出
し配管7へ導出される。
【0068】バイパス弁12を開く時間間隔は10分以
上12時間以下であることが好ましい。この時間間隔が
12時間よりも長いと、バイパス配管13を通して造水
カートリッジ4に供給される原水に含まれる残留塩素の
効果がなくなり、菌の繁殖が促される。一方、この時間
間隔が10分よりも短いと、残留塩素を含む原水が頻繁
に造水カートリッジ4に供給され、透過水質の劣化が生
じる。
【0069】また、バイパス弁12を開く時間は5秒間
以上5分間以下であることが好ましく、15秒間以上2
分間以下であることがより好ましい。バイパス弁12を
開く時間が5秒間よりも短いと、造水カートリッジ4内
の菌の繁殖を十分に抑制することができない。一方、バ
イパス弁12を開く時間が5分間よりも長いと、造水カ
ートリッジ4内の逆浸透膜に損傷を与えるおそれがあ
る。
【0070】次に、造水カートリッジ4の洗浄処理につ
いて説明する。造水カートリッジ4の洗浄には、以下に
示すフラッシングが行われる。
【0071】洗浄に際しては、まず、洗浄水配管8に設
けられたフラッシング弁9を開く。これにより、前述の
脱塩処理の際には圧力調整弁6により水量が抑制されて
いた濃縮水が、洗浄水配管8を通して大量に外部に排出
される。それにより、造水カートリッジ4の逆浸透膜に
おける膜面線速度が高くなり、膜面に滞溜した不純物を
造水カートリッジ4の外部に放出することが可能とな
る。図1においては、フラッシング弁9は制御装置10
により制御されており、所定の時間間隔ごとに所定の時
間ずつフラッシング弁9が自動的に開くように設定され
ている。
【0072】例えば、中断していた造水作業を再開する
際(造水装置の運転再開時)に所定の時間フラッシング
弁9が自動的に開くように設定されてもよい。この場
合、造水装置の運転再開時にフラッシングを行った後、
フラッシング弁9を閉じて通常の運転を行う。または、
造水作業の中断の間(造水作業の運転停止中)に所定の
時間間隔ごとに所定の時間ずつフラッシング弁9が自動
的に開くように設定されてもよい。
【0073】造水装置の運転再開時にフラッシング弁9
を開く場合、および運転停止中に定期的にフラッシング
弁9を開く場合においては、造水装置の運転停止中にお
いて造水カートリッジ4内で発生および堆積した菌体、
膜面に滞溜した不純物等の汚染成分をフラッシングによ
り外部へ排出することが可能となる。
【0074】なお、上記以外にも、造水装置の運転中に
定期的にフラッシング弁9を開いてもよい。あるいは、
造水装置の運転停止と同時にフラッシング弁9を開いて
フラッシングを行った後、フラッシング弁9を閉じて運
転停止状態としてもよい。これらの場合においては、造
水装置の運転中において造水カートリッジ4内で発生お
よび堆積した菌体、膜面に滞溜した不純物等の汚染成分
をフラッシングにより外部へ排出することが可能とな
る。また、造水装置の運転中において、透過水質の劣化
が生じた際にフラッシング弁9を開いてもよい。このよ
うに造水装置の運転中において不定期的にフラッシング
弁9を開く場合においても、前述と同様の効果が得られ
る。
【0075】バイパス弁12を開く時間間隔cとフラッ
シング弁9を開く時間間隔dとの比率c/dが1よりも
小さいと、残留塩素を含む原水が頻繁に造水カートリッ
ジ4に供給され、透過水の水質の劣化が生じる。したが
って、バイパス弁12を開く時間間隔cとフラッシング
弁9を開く時間間隔dとの比率c/dが1以上であるこ
とが好ましい。
【0076】上記の造水装置の前処理時、脱塩処理時お
よび洗浄処理時において、室温に比べて水温の低い原水
が造水装置に供給されると、活性炭カートリッジ2、造
水カートリッジ4、配管1,13,3,5,7,8等の
表面において結露が発生する。この場合、発生した結露
をドレンパン36が受け、これを貯溜する。さらに、各
配管1,13,3,5,7,8の接続部等において水漏
れが発生した場合においても、ドレンパン36が漏水を
受けて、これを貯溜する。それにより、結露および漏水
が造水装置の外部に漏れ出るのを防止することが可能と
なる。
【0077】ここで、ドレンパン36内の貯溜水のレベ
ル(水位)が所定高さに達すると、レベル検知器38の
出力がオン状態になる。レベル検知器38がオン状態に
なったことに応答して、制御部30の制御装置10が給
水弁11およびバイパス弁12を閉じ、造水装置の運転
を自動的に停止させる。それにより、ドレンパン36内
の貯溜水が溢れて造水装置の外部へ漏れ出るのを防止す
ることが可能となる。また、この際に警報器39が周囲
へ警報を発するので、速やかにドレンパン36内の貯溜
水を外部へ排出して造水装置の運転を再開することがで
きる。
【0078】このように、上記の造水装置においては、
ドレンパン36およびレベル検知器38により、造水装
置の外部に水が漏れ出るのを防止することができる。
【0079】また、バイパス弁12を開くことにより、
残留塩素を含む原水が造水カートリッジ4に供給される
ので、造水カートリッジ4内の菌の繁殖を抑制すること
ができる。その結果、菌の繁殖による透過水の水質の劣
化が防止される。
【0080】また、フラッシングにより造水カートリッ
ジ4の逆浸透膜の膜性能を維持することが可能となるた
め、脱塩処理の際の膜面線速度が小さくても透過水の水
質は劣化せず、また、透過水量の経時的な減少も生じな
い。それゆえ、前述のように、造水カートリッジ4に供
給される原水の量aと造水カートリッジ4から得られる
透過水の量bとの比率b/aを、b/a>0.5とする
ことができる。
【0081】一方、図10に示した従来の造水装置で
は、造水カートリッジ4による脱塩処理の際の膜面線速
度を高くすることにより膜性能を維持するため、透過水
の量bをできるだけ少なくし、濃縮水の量(a−b)を
原水の量aに近づける必要がある。例えば、透過水の量
bと原水の量aとの比率b/aを0.1または0.2の
ようにできるだけ小さくすれば、逆浸透膜における膜面
線速度は原水の入口に近い状態で維持されることにな
る。しかしながら、通常、濃縮水は排水として排出され
るため、透過水の量bと原水の量aとの比率b/aが小
さいと、目的とする透過水の量bが少なくなり、不経済
である。
【0082】これに対し、図1に示す造水装置は、前述
のように透過水の量bと原水の量aとの比率b/aを
0.5よりも大きくすることができるため、経済的な透
過水量が得られる。
【0083】上記の造水装置においては、加圧ポンプが
不要となるため造水コストおよび造水装置の価格を抑え
ることができかつ効率のよい脱塩処理を長期間にわたり
安定して行うことが可能となる。したがって、騒音を発
生することなく低コストで造水を行うことが可能であ
る。また、加圧ポンプおよびそれに付随する駆動装置、
制御装置等が不要となるため造水装置の小型化が図ら
れ、さらにドレンパン36およびレベル検知器38によ
り造水装置の外部への水漏れを防止できる。したがっ
て、このような造水装置は、室内に設置することが可能
となる。
【0084】図4は本発明に係る造水装置の第2の例を
示す構成図である。図4に示す造水装置においては、活
性炭カートリッジ2が前処理に用いられる。また、10
台の造水カートリッジ4が脱塩処理に用いられる。
【0085】10台の造水カートリッジ4を2台ずつ直
列に接続し、直列に接続された各2台の造水カートリッ
ジ4を1ユニットとすることにより、5組のユニット1
01〜105が構成される。5組のユニット101〜1
05は5段に並列に配列される。
【0086】原水供給配管1は、給水弁11、活性炭カ
ートリッジ2および前処理水供給配管3を介して各ユニ
ット101〜105の前段の造水カートリッジ4の原水
入口に接続されている。給水弁11および活性炭カート
リッジ2をバイパスするようにバイパス配管13が接続
され、バイパス配管13にバイパス弁12が介挿されて
いる。バイパス弁12および給水弁11は自動弁からな
り、開閉動作が制御装置10により独立または同時に制
御される。各ユニット101〜105の前段の造水カー
トリッジ4の濃縮水出口は、濃縮水取り出し配管7aを
介して、各ユニット101〜105の後段の造水カート
リッジ4の原水入口に接続されている。各ユニット10
1〜105の後段の造水カートリッジ4の濃縮水出口
は、濃縮水取り出し配管7bを介して、濃縮水取り出し
配管7に接続されている。各々の濃縮水取り出し配管7
bには圧力計31が設けられるとともに、圧力調整弁6
が介挿されている。また、各圧力調整弁6に並列に、各
フラッシング弁9が洗浄水配管8を介して接続されてい
る。5つのフラッシング弁9は自動弁からなり、開閉動
作が制御装置10により給水弁11およびバイパス弁1
2と独立にまたは同時に制御される。各ユニット101
〜105の前段および後段の造水カートリッジ4の透過
水出口は、透過水取り出し配管5a,5bを介して透過
水取り出し配管5に接続されている。
【0087】造水カートリッジ4としては、図1の造水
装置において説明した逆浸透膜モジュールが用いられ
る。
【0088】図4に示す造水装置において、1〜5段目
の各段の活性炭カートリッジ2、造水カートリッジ4、
圧力計31、各弁11,12,6,9および各配管1,
3,13,5,5a,5b,7,7a,7b,8は、ド
レンパン36(図示せず)上に設置されている。ドレン
パン36については図3(a),(b)に示した通りで
ある。この場合、各段ごとにドレンパン36を設けても
よく、あるいは全段共通のドレンパン36を設けてもよ
い。造水装置の内部において発生した結露および漏水
は、このドレンパン36内に貯溜される。それにより、
造水装置の外部に水が漏れ出るのを防止できる。
【0089】ドレンパン36内の貯溜水のレベルが所定
高さに達すると、ドレンパン36内に設けられたレベル
検知器38a,38bの出力がオン状態またはオフ状態
になる。ここでは、ドレンパン36内の貯溜水のレベル
が所定高さに達した際に、レベル検知器38a,38b
の出力がオン状態になるものとする。レベル検知器38
a,38bの出力状態に応答して、制御装置10が給水
弁11およびバイパス弁12の開閉動作を制御し、原水
の供給を停止させる。このとき、警報器39が周囲に警
報を発する。それにより、ドレンパン36内の貯溜水が
溢れて外部に漏れ出るのを防止できる。
【0090】なお、上記の造水装置において、1〜5段
目の各段が共通の外装ケース50内に収納されてもよ
く、あるいは各段ごとに外装ケース50内に収納されて
もよい。
【0091】以下に、図4に示す造水装置の前処理およ
び脱塩処理について説明する。なお、前処理および脱塩
処理の際には、給水弁11を開き、バイパス弁12およ
び各フラッシング弁9を閉じておく。また、原水として
は、図1の造水装置において説明した原水を用いる。
【0092】前処理では、原水供給配管1により供給さ
れた原水が活性炭カートリッジ2の内部に供給される。
各々の活性炭カートリッジ2において、供給された原水
に含まれる残留塩素が除去される。活性炭カートリッジ
2の透過水は、前処理水として、前処理水供給配管3を
通り、各ユニット101〜105の前段の造水カートリ
ッジ4の内部に供給される。前処理水は、各ユニット1
01〜105の前段の造水カートリッジ4において脱塩
され、不純物が除去された透過水と不純物が濃縮された
濃縮水とに分離される。その濃縮水は、各ユニット10
1〜105の前段の造水カートリッジ4の濃縮水出口に
接続された各々の濃縮水取り出し配管7aを通り、各ユ
ニット101〜105の後段の造水カートリッジ4の内
部に供給される。一方、透過水は、各ユニット101〜
105の前段の造水カートリッジ4の透過水出口に接続
された各々の透過水取り出し配管5aを通り、さらに透
過水取り出し配管5を通って、処理水として外部へ取り
出される。
【0093】各ユニット101〜105の後段の造水カ
ートリッジ4において、前段の造水カートリッジ4の濃
縮水はさらに脱塩され、不純物が除去された透過水と不
純物が濃縮された濃縮水とに分離される。その透過水
は、各ユニット101〜105の後段の造水カートリッ
ジ4の透過水出口に接続された各々の透過水取り出し配
管5bを通り、さらに透過水取り出し配管5を通って、
処理水として外部へ取り出される。一方、濃縮水は、各
ユニット101〜105の後段の造水カートリッジ4の
濃縮水出口に接続された各々の濃縮水取り出し配管7b
を通り、さらに濃縮水取り出し配管7を通って外部へ排
出される。各々の濃縮水取り出し配管7bに設けられた
各圧力調整弁6は、各ユニット101〜105の前段お
よび後段の造水カートリッジ4の濃縮水が所定量以下に
なるように設定されている。これにより、濃縮水量が抑
制されるとともに透過水量が増加する。
【0094】ここでは、各ユニット101〜105の前
段の造水カートリッジ4に供給される原水の量aと前段
の造水カートリッジ4および後段の造水カートリッジ4
から得られる透過水の量bとの比率b/aが、b/a>
0.5となるように各圧力調整弁6を設定する。この場
合、供給した原水に対して、50%より高い回収率で透
過水が得られるため、効率がよく経済的である。なお、
圧力調整弁6の設定は、圧力計31を用いて行う。
【0095】上記の造水装置においては、3kgf/c
2 以下の圧力を有する原水を、加圧ポンプを用いるこ
となく無動力で各ユニット101〜105の前段および
後段の造水カートリッジ4に供給し、効率よく脱塩処理
することが可能である。
【0096】バイパス弁12は制御装置10により制御
されており、造水作業の中断の間に所定の時間バイパス
弁12が自動的に開くように、または、造水作業中に所
定の時間間隔ごとに所定の時間ずつバイパス弁12が自
動的に開くように設定される。バイパス弁12が開いて
いるときには、給水弁11は閉じられる。
【0097】それにより、殺菌効果を有する残留塩素を
含む原水がバイパス配管13を通して造水カートリッジ
4の内部に供給される。その結果、造水カートリッジ4
内の菌の繁殖を抑制することができる。
【0098】造水作業の中断の間(造水装置の運転停止
中)に定期的にバイパス弁12を開く場合、造水カート
リッジ4内が殺菌および滅菌され、造水装置の運転停止
中における造水カートリッジ4内での菌の繁殖を抑制す
ることが可能となる。
【0099】一方、造水作業中(造水装置の運転中)に
定期的にバイパス弁12を開く場合においては、造水カ
ートリッジ4内が殺菌および滅菌され、造水装置の運転
中における造水カートリッジ4内での菌の繁殖を抑制す
ることが可能となる。
【0100】なお、造水装置の運転中に不定期的にバイ
パス弁12を開いてもよい。この場合、例えば菌の繁殖
による透過水質の劣化が生じた際にバイパス弁12を開
く。それにより、造水カートリッジ4内を殺菌および滅
菌し、透過水質の劣化を抑制することが可能となる。
【0101】また、上記以外に、中断していた造水作業
の再開時(造水装置の運転再開時)にバイパス弁12を
開いてもよく、あるいは、造水作業の中断と同時(造水
作業の運転停止と同時)にバイパス弁12を開いてもよ
い。なお、この場合の造水作業の再開時とは、図1に示
した造水装置において前述した通りである。
【0102】造水装置の運転再開時にバイパス弁12を
開く場合、造水装置の運転停止中において造水カートリ
ッジ4内で繁殖した菌を殺菌および滅菌することが可能
となる。このようにして造水装置の運転開始時にバイパ
ス弁12を開いた状態で運転を行った後、バイパス弁1
2を閉じて通常の運転を行う。それにより、造水装置の
運転中における造水カートリッジ4内での菌の繁殖を抑
制することが可能となる。
【0103】また、造水装置の運転停止と同時にバイパ
ス弁12を開く場合、造水装置の運転中において造水カ
ートリッジ4内で繁殖した菌を殺菌および滅菌すること
が可能となる。このようにして造水装置の運転停止と同
時にバイパス弁12を開いた状態で原水を供給した後、
バイパス弁12を閉じ、造水装置を停止状態とする。そ
れにより、造水装置の運転停止中における造水カートリ
ッジ4内での菌の繁殖を抑制することが可能となる。
【0104】なお、造水装置の運転停止中または運転停
止と同時にバイパス弁12を開いて造水カートリッジ4
内に残留塩素を含む原水を供給する場合、供給された原
水は造水カートリッジ4を経た後、濃縮水取り出し配管
7を通して外部へ排出される。この場合、例えば、透過
水側経路を閉じることにより、この原水が濃縮水取り出
し配管7へ導出される。
【0105】次に、各ユニット101〜105の前段お
よび後段の造水カートリッジ4の洗浄処理について説明
する。造水カートリッジ4の洗浄には、フラッシングが
行われる。
【0106】洗浄に際しては、まず、各洗浄水配管8に
設けられたフラッシング弁9を同時に開く。これによ
り、前述の脱塩処理の際には圧力調整弁6により水量が
抑制されていた濃縮水が、各々の洗浄水配管8および濃
縮水取り出し配管7を通して大量に外部に排出される。
それにより、各ユニット101〜105の前段および後
段の造水カートリッジ4の逆浸透膜における膜面線速度
が高くなり、膜面に滞溜した不純物を前段および後段の
造水カートリッジ4の外部に放出することが可能とな
る。図2においては、各フラッシング弁9は共通の制御
装置10により制御されており、所定の時間間隔ごとに
所定の時間ずつ各フラッシング弁9が同時に開くように
設定されている。
【0107】例えば、中断していた造水作業を再開する
際(造水装置の運転再開時)に、所定の時間、各フラッ
シング弁9が自動的に開くように設定されてもよい。こ
のようにして、造水装置の運転再開時にフラッシングを
行った後、各フラッシング弁9を閉じて通常の運転を行
う。あるいは、造水作業の中断の間(造水装置の運転停
止中)に所定の時間間隔ごとに所定時間ずつ各フラッシ
ング弁9が自動的に開くように設定されてもよい。
【0108】運転再開時に各フラッシング弁9を開く場
合および運転停止中に定期的に各フラッシング弁9を開
く場合、造水装置の運転停止中において造水カートリッ
ジ4内で発生および堆積した菌体、膜面に滞溜した不純
物等の汚染成分を、フラッシングにより外部へ排出する
ことが可能となる。
【0109】なお、上記以外にも、造水装置の運転中に
定期的に各フラッシング弁9を開いてもよい。あるい
は、造水装置の運転停止と同時に各フラッシング弁9を
開いてフラッシングを行った後、各フラッシング弁9を
閉じて運転停止状態としてもよい。これらの場合におい
ては、造水装置の運転中において造水カートリッジ4内
で発生および堆積した菌体、膜面に滞溜した不純物等の
汚染成分をフラッシングにより外部へ排出することが可
能となる。また、造水装置の運転中において、透過水質
の劣化が生じた際にフラッシング弁9を開いてもよい。
このように造水装置の運転中において不定期的にフラッ
シング弁9を開く場合においても、前述と同様の効果が
得られる。
【0110】なお、バイパス弁12を開く時間間隔、バ
イパス弁を開く時間およびバイパス弁12を開く時間間
隔cとフラッシング弁9を開く時間間隔dとの比率c/
dについては、図1に示した造水装置において前述した
通りである。
【0111】上記の造水装置の前処理時、脱塩処理時お
よび洗浄処理時において、室温に比べて水温の低い原水
が造水装置に供給されると、1〜5段目の各段におい
て、活性炭カートリッジ2、造水カートリッジ4、各配
管1,3,5,5a,5b,7,7a,7b,8,13
等の表面において結露が発生する。この場合、発生した
結露をドレンパン36(図示せず)が受けてこれを貯溜
する。さらに、各配管1,3,5,5a,7,7a,7
b,13,8の接続部等において水漏れが発生した場合
においても、ドレンパン36が漏水を受け、これを貯溜
する。それにより、結露および漏水が造水装置の外部に
漏れ出るのを防止することが可能となる。
【0112】ここで、ドレンパン36内の貯溜水のレベ
ル(水位)が所定高さに達すると、レベル検知器38
(図示せず)の出力がオン状態になる。レベル検知器3
8がオン状態になったことに応答して、制御装置10は
給水弁11およびバイパス弁12を閉じ、造水装置の運
転を自動的に停止させる。それにより、ドレンパン36
内の貯溜水が溢れて造水装置の外部へ漏れ出るのを防止
することが可能となる。また、この際に警報器39(図
示せず)が周囲へ警報を発するので、速やかにドレンパ
ン36内の貯溜水を外部へ排出して造水装置の運転を再
開することができる。
【0113】このように、上記の造水装置においては、
ドレンパン36およびレベル検知器38により、造水装
置の外部に水が漏れ出るのを防止することができる。
【0114】また、バイパス弁12を開くことにより、
残留塩素を含む原水が10台の造水カートリッジ4に供
給されるので、造水カートリッジ4内の菌の繁殖を抑制
することができる。その結果、菌の繁殖による透過水の
水質の劣化が防止される。
【0115】また、フラッシングにより各ユニット10
1〜105の前段および後段の造水カートリッジ4の逆
浸透膜の膜性能を維持することが可能となるため、脱塩
処理の際の膜面線速度が小さくても透過水の水質は劣化
せず、また、透過水量の経時的な減少も生じない。それ
ゆえ、前述のように、各ユニット101〜105の前段
の造水カートリッジ4に供給される原水の量aと前段お
よび後段の造水カートリッジ4から得られる透過水の量
bとの比率b/aを、b/a>0.5とすることができ
る。
【0116】上記の造水装置においては、加圧ポンプが
不要となるため造水コストおよび造水装置の価格を抑え
ることができかつ効率のよい脱塩処理を長期間にわたり
安定して行うことが可能となる。したがって、騒音を発
生することなく低コストで造水を行うことが可能であ
る。また、加圧ポンプおよびそれに付随する駆動装置、
制御装置等が不要となるため造水装置の小型化が図ら
れ、さらにドレンパン36およびレベル検知器38によ
り造水装置の外部への水漏れを防止できる。したがっ
て、このような造水装置は室内に設置することが可能と
なる。
【0117】なお、図4に示す造水装置は、造水カート
リッジ4が複数台設けられた場合の構成の一例であり、
これ以外の構成も可能である。造水カートリッジ4が複
数台並列または直列に設けられている場合、各造水カー
トリッジ4にフラッシング弁が内蔵されてもよく、各造
水カートリッジ4の濃縮水取り出し配管の連結部の最後
尾にフラッシング弁が設けられてもよい。さらに、並列
または直列に配列された所定数の造水カートリッジ4の
濃縮水取り出し口配管の連絡部の最後尾にフラッシング
弁が設けられたものを1ユニットとし、複数のユニット
を並列または直列に配列してもよい。
【0118】例えば、本発明に係る造水装置の第3の例
として、図5に示すように、5つのユニット101〜1
05の前段の造水カートリッジ4の原水入口がそれぞれ
開閉弁15を介して共通の活性炭カートリッジ2に接続
され、5つのユニット101〜105の後段の造水カー
トリッジ4の濃縮水出口に共通の圧力調整弁6およびフ
ラッシング弁9が設けられてもよい。また、本発明に係
る造水装置の第4の例として、図6に示すように、各ユ
ニット101〜105の2つの造水カートリッジ4が並
列に接続され、並列に接続された各2つの造水カートリ
ッジ4の原水入口がそれぞれ活性炭カートリッジおよび
共通の給水弁11を介して共通の原水供給配管1に接続
されてもよい。さらに、本発明に係る造水装置の第5の
例として、図7に示すように、各ユニット101〜10
5の2つの造水カートリッジ4が並列に接続され、並列
に接続された各2つの造水カートリッジ4の原水入口が
開閉弁15を介して共通の活性炭カートリッジ2に接続
され、5つのユニット101〜105の造水カートリッ
ジ4の濃縮水出口に共通の圧力調整弁6およびフラッシ
ング弁9が設けられてもよい。また、本発明に係る造水
装置の第6の例として、図8に示すように、各ユニット
101〜105において前段の造水カートリッジ4の透
過水取り出し配管5aが後段の造水カートリッジ4の原
水入口に接続されて各ユニット101〜105の2つの
造水カートリッジ4が直列に接続され、5つのユニット
101〜105の前段の造水カートリッジ4の原水入口
が共通の活性炭カートリッジ2に接続され、5つのユニ
ット101〜105の前段の造水カートリッジ4の濃縮
水出口に共通の圧力調整弁6およびフラッシング弁9が
設けられ、5つのユニット101〜105の後段の造水
カートリッジ4の濃縮水出口に共通の圧力調整弁6およ
びフラッシング弁9が設けられてもよい。
【0119】上記の第3〜第6の例においては、図4に
示す第2の例と同様、活性炭カートリッジ2、造水カー
トリッジ4、圧力計31、各弁および各配管がドレンパ
ン36(図示せず)上に設置されており、造水装置の内
部において発生した結露および漏水はドレンパン36に
貯溜される。また、ドレンパン36内の貯溜水のレベル
に応じて、制御装置10により造水装置の運転が制御さ
れる。それにより、図4において前述した効果と同様の
効果が得られる。
【0120】さらに、図9は本発明に係る造水装置の第
7の例を示す構成図である。図9に示す造水装置は、以
下の点を除いて、図1に示した造水装置と同様の構成を
有する。
【0121】図9に示す造水装置においては、透過水排
出弁52が介挿された透過水排出配管51が、透過水取
り出し配管5に接続されている。また、透過水取り出し
配管5には、透過水取り出し弁53が介挿されている。
この場合、透過水取り出し弁53および透過水排出弁5
2は自動弁であってもよく、開閉動作がそれぞれ独立に
または同時に制御されてもよい。
【0122】この場合、活性炭カートリッジ2、造水カ
ートリッジ4、圧力計31、各弁11,12,6,9,
53,52および各配管1,3,5,7,8,51がド
レンパン36上に設置され、さらに外装ケース50内に
収納されている。
【0123】図9に示す造水装置においては、図1に示
した造水装置と同様にして前処理および脱塩処理が行わ
れる。なお、前処理および脱塩処理の際には、透過水取
り出し配管5の透過水取り出し弁53を開くとともに、
透過水排出配管51の透過水排出弁52を閉じる。
【0124】上記の造水装置においては、0.3kgf
/cm2 以上3kgf/cm2 以下の圧力を有する原水
を加圧ポンプを用いることなく無動力で造水カートリッ
ジ4に供給し、効率良く脱塩処理することが可能であ
る。
【0125】また、造水カートリッジ4に供給される原
水の量aと造水カートリッジ4から得られる透過水の量
bとの比率b/aが、b/a>0.5となるように圧力
調整弁6が設定されるため、供給した原水に対して、5
0%より高い回収率で透過水が得られる。したがって、
効率が良く経済的である。なお、圧力調整弁6の設定
は、圧力計31を用いて行う。
【0126】また、造水装置においては、図1に示した
造水装置と同様にして残留塩素を含む原水がバイパス配
管13を通して造水カートリッジ4内に供給され、造水
カートリッジ4内の殺菌および滅菌が行われる。その結
果、造水カートリッジ4内の菌の繁殖を抑制することが
できる。
【0127】ここで、造水装置の運転停止と同時にバイ
パス弁12を開く場合、および造水装置の運転停止中に
定期的にバイパス弁12を開く場合、バイパス配管13
を通して供給された原水は、造水カートリッジ4を経た
後、透過水取り出し配管5および透過水排出配管51を
通して外部へ排出されてもよい。この場合、透過水取り
出し配管5の透過水取り出し弁53を閉じるとともに、
透過水排出配管51の透過水排出弁52を開く。それに
より、透過水取り出し配管5が残留塩素を含む原水によ
り滅菌および殺菌される。その結果、造水装置の運転停
止中における透過水取り出し配管5での菌の繁殖を抑制
することが可能となり、透過水取り出し配管5から取り
出す透過水に汚染成分が混入するのを防止することが可
能となる。
【0128】なお、バイパス弁12を開く時間間隔およ
びバイパス弁12を開く時間については、図1に示した
造水装置において前述した通りである。
【0129】また、上記の造水装置の洗浄処理時におい
ては、図1に示した造水装置と同様にして洗浄水配管8
を通してフラッシングが行われる。それにより、造水カ
ートリッジ4の膜面に滞溜した不純物を造水カートリッ
ジ4の外部に放出することが可能となる。
【0130】なお、バイパス弁12を開く時間間隔cと
フラッシング弁9を開く時間間隔dとの比率c/dにつ
いては、図1に示した造水装置において前述した通りで
ある。
【0131】さらに、上記の造水装置においては、中断
していた造水作業を再開する際(造水装置の運転再開
時)、透過水排出弁52を開くとともに透過水取り出し
弁53を閉じた状態で運転を行う。この場合、造水カー
トリッジ4の透過水は、透過水排出配管51を通して外
部へ排出される。このようにして造水装置の運転再開時
に透過水排出弁52を開いて透過水の放流を行った後、
透過水排出弁52を閉じるとともに透過水取り出し弁5
3を開き、通常の運転を行う。
【0132】上記のような透過水の放流により、造水装
置の運転停止中において造水カートリッジ4内および透
過水取り出し配管5内で発生および堆積した菌体等の汚
染成分を、透過水とともに外部へ排出することができ
る。その結果、造水カートリッジ4内および透過水取り
出し配管5内の汚染成分を除去することが可能になると
ともに、透過水取り出し配管5を通して取り出される透
過水に汚染成分が混入することを防止することが可能と
なる。
【0133】上記の造水装置の前処理時、脱塩処理時お
よび洗浄処理時において、室温に比べて水温の低い原水
が造水装置に供給されると、活性炭カートリッジ2、造
水カートリッジ4、各配管1,3,5,7,8,13,
51等の表面において結露が発生する。この場合、発生
した結露をドレンパン36が受けてこれを貯溜する。さ
らに、各配管1,3,5,7,8,13,51の接続部
等において水漏れが発生した場合においても、ドレンパ
ン36が漏水を受けてこれを貯溜する。それにより、結
露および漏水が造水装置の外部に漏れ出るのを防止する
ことが可能となる。
【0134】ここで、ドレンパン36内の貯溜水のレベ
ル(水位)が所定高さに達すると、レベル検知器38の
出力がオン状態になる。レベル検知器38がオン状態に
なったことに応答して、制御装置10は給水弁11およ
びバイパス弁12を閉じ、造水装置の運転を自動的に停
止させる。それにより、ドレンパン36内の貯溜水が溢
れて造水装置の外部へ漏れ出るのを防止することが可能
となる。また、この際に警報器39が周囲へ警報を発す
るので、速やかにドレンパン36内の貯溜水を外部へ排
出して造水装置の運転を再開することができる。
【0135】このように、上記の造水装置おいては、ド
レンパン36およびレベル検知器38により、造水装置
の外部に水が漏れ出るのを防止することができる。
【0136】また、定期的にバイパス弁12を開くこと
により、残留塩素を含む原水が造水カートリッジ4に供
給されるので、造水カートリッジ4内の菌の繁殖を抑制
することができる。その結果、菌の繁殖による透過水の
水質の劣化が防止される。
【0137】また、フラッシングにより造水カートリッ
ジ4の逆浸透膜の膜性能を維持することが可能となるた
め、脱塩処理の際の膜面線速度が小さくても透過水の水
質は劣化せず、また、透過水量の経時的な減少も生じな
い。それゆえ、前述のように、造水カートリッジ4に供
給される原水の量aと造水カートリッジ4から得られる
透過水の量bとの比率b/aを、b/a>0.5とする
ことができ、経済的な透過水量が得られる。
【0138】さらに、上記の透過水放流により、造水カ
ートリッジ4内および透過水取り出し配管5内の汚染成
分を外部に排出することが可能となる。その結果、造水
カートリッジ4の逆浸透膜の膜性能を維持することが可
能となるとともに、透過水の水質の劣化が防止される。
【0139】上記の造水装置においては、加圧ポンプが
不要となるため造水コストおよび造水装置の価格を抑え
ることができかつ効率の良い脱塩処理を長期間にわたり
安定して行うことが可能となる。したがって、騒音を発
生することなく低コストで造水を行うことが可能であ
る。また、加圧ポンプおよびそれに付随する駆動装置、
制御装置等が不要となるため造水装置の小型化が図ら
れ、さらにドレンパン36およびレベル検知器38によ
り造水装置外部への水漏れを防止できる。したがって、
このような造水装置は、室内に設置することが可能とな
る。
【0140】なお、上記においては造水装置の運転再開
時に透過水排出弁52を開く場合について説明したが、
造水装置の運転停止中に定期的に透過水排出弁52を開
いてもよい。この場合においても、造水装置の運転停止
中において造水カートリッジ4内および透過水取り出し
配管5内において発生および堆積した菌等の汚染成分を
外部へ排出することが可能となる。
【0141】さらに、上記においては1台の造水カート
リッジ4から構成される造水装置について説明したが、
造水カートリッジ4が複数台並列または直列に設けられ
た構成の造水装置も可能である。なお、このような構成
においても、活性炭カートリッジ2、造水カートリッジ
4、圧力計31、各弁および各配管はドレンパン36上
に設置される。
【0142】造水カートリッジ4が複数台並列または直
列に設けられている場合、各造水カートリッジ4の透過
水取り出し配管5の連結部の最後尾に、透過水排出弁5
2が介挿された透過水排出配管51が接続される。ま
た、透過水排出配管51の連結部よりも下流側の透過水
取り出し配管5に、透過水取り出し弁53が介挿され
る。さらに、並列または直列に配列された所定数の造水
カートリッジ4の透過水取り出し配管5の連結部の最後
尾に上述の透過水排出配管51、透過水排出弁52およ
び透過水取り出し弁53が設けられたものを1ユニット
とし、複数のユニットを並列または直列に配列してもよ
い。これらの場合においても、図9に示した造水装置と
同様、加圧ポンプが不要となり、造水コストおよび造水
装置の価格を抑えることができるとともに、効率のよい
脱塩処理を長期間にわたり安定して行うことが可能とな
る。したがって、騒音を発生することなく、低コストで
造水を行うことが可能となる。また、造水装置内で発生
した結露および配管の漏水をドレンパンが受けて貯溜す
るとともに、ドレンパン内の貯溜水のレベルに基づいて
造水装置の運転を制御するため、造水装置の外部に水が
漏れ出るのを防止することができ、室内への設置も可能
となる。
【0143】本発明に係る造水装置により得られた処理
水を洗浄用水に使用してもよい。ここで洗浄用水とは、
洗浄効果の向上と洗浄後乾燥時の表面残留物の発生防止
のために使用する。また、得られた処理水をボイラー用
軟水、食品製造用軟水、水耕栽培用農業用水、実験室用
純水、加湿器用水または飲料用水に使用してもよい。さ
らに、この処理水をイオン交換器または連続電気再生イ
オン交換装置に供給してもよい。この場合には、処理水
の純度がさらに高められるため、超純水が得られる。な
お、ここで述べた連続電気再生イオン交換装置とは、イ
オン交換膜を用いない電気透析やイオン交換膜を用いた
電気透析等、外部から電流を与えてイオン交換を連続的
に行う装置のことを意味する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る造水装置の第1の例を示す構成図
である。
【図2】図1に示す造水装置の外観の模式的な正面図で
ある。
【図3】図1および図2の造水装置に用いられるドレン
パンの例を示す模式図である。
【図4】本発明に係る造水装置の第2の例を示す構成図
である。
【図5】本発明に係る造水装置の第3の例を示す構成図
である。
【図6】本発明に係る造水装置の第4の例を示す構成図
である。
【図7】本発明に係る造水装置の第5の例を示す構成図
である。
【図8】本発明に係る造水装置の第6の例を示す構成図
である。
【図9】本発明に係る造水装置の第7の例を示す構成図
である。
【図10】加圧ポンプを備えた従来の造水装置の一例を
示す構成図である。
【符号の説明】
2 活性炭カートリッジ 4 造水カートリッジ 6 圧力調整弁 9 フラッシング弁 10 制御装置 11 給水弁 12 バイパス弁 36 ドレンパン 38 レベル検知器 38a 電極式レベル検知器 38b フロート式レベル検知器 39 警報器 50 外装ケース 51 透過水排出配管 52 透過水排出弁

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 逆浸透膜を備えた造水カートリッジと前
    記造水カートリッジに被処理液を昇圧する昇圧手段を介
    することなく所定の圧力を有する被処理液を供給する供
    給系とがドレンパン上に設けられ、前記ドレンパン内の
    貯溜液のレベルを検出するレベル検知器および前記レベ
    ル検知器の出力に応答して前記供給系を制御する制御手
    段が設けられたことを特徴とする造水装置。
  2. 【請求項2】 前記レベル検知器は、前記ドレンパン内
    の貯溜液のレベルが所定高さに達したか否かを検出し、
    前記制御手段は、前記ドレンパン内の貯溜液のレベルが
    前記所定高さに達したことを前記レベル検知器が検出し
    たときに前記供給系による前記造水カートリッジへの前
    記被処理液の供給を停止させることを特徴とする請求項
    1記載の造水装置。
  3. 【請求項3】 前記ドレンパン内の貯溜液のレベルが前
    記所定高さに達したことを前記レベル検知器が検出した
    ときに警報を発する警報器が設けられたことを特徴とす
    る請求項1または2記載の造水装置。
  4. 【請求項4】 前記被処理液に含まれる残留塩素を除去
    するための前処理器が前記造水カートリッジの前段に設
    けられ、前記前処理器をバイパスするようにバイパス経
    路が設けられるとともに、前記バイパス経路を開閉する
    開閉手段が設けられ、前記前処理器、前記バイパス経路
    および前記開閉手段が前記ドレンパン上に設置されるこ
    とを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の造水装
    置。
  5. 【請求項5】 前記被処理液が0.3kgf/cm2
    上3kgf/cm2以下の圧力を有することを特徴とす
    る請求項1〜4のいずれかに記載の造水装置。
  6. 【請求項6】 前記造水カートリッジの逆浸透膜をフラ
    ッシングするフラッシング手段が設けられ、前記フラッ
    シング手段が前記ドレンパン上に設置されることを特徴
    とする請求項1〜5のいずれかに記載の造水装置。
  7. 【請求項7】 ドレンパン上において逆浸透膜を備えた
    造水カートリッジに所定の圧力を有する被処理液を昇圧
    手段を介することなく供給するとともに、前記ドレンパ
    ン内の貯溜液のレベルに応じて前記造水カートリッジへ
    の前記被処理液の供給を制御することを特徴とする造水
    方法。
  8. 【請求項8】 前記ドレンパン上において前記被処理液
    を残留塩素を除去するための前処理器を介して前記造水
    カートリッジに供給するとともに、所定のタイミングで
    前記前処理器をバイパスさせて前記被処理液を前記造水
    カートリッジに供給することを特徴とする請求項7記載
    の造水方法。
  9. 【請求項9】 前記ドレンパン上において所定のタイミ
    ングで前記造水カートリッジの逆浸透膜をフラッシング
    することを特徴とする請求項7または8記載の造水方
    法。
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