JP5184401B2 - 純水製造方法及び純水製造装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電気脱イオン装置を用いた純水製造処理と熱水殺菌処理とを交互に行う純水製造方法及び純水製造装置に係り、特に、純水製造処理時と熱水殺菌処理時において電気脱イオン装置内の圧力条件を調整することで、効率的に処理を行うことができ、かつ処理水質に優れた純水を得ることができる方法及び装置に関する。
電気脱イオン処理は、脱イオン処理を行った後の再生において、従来のイオン交換樹脂等のように再生に薬品を使用する必要がなく、薬品を廃棄処理する手間や装置等が不要であるため、現在では医薬品や食品、半導体製造等に用いる水処理において広く用いられるようになってきた。
特に、医薬用や食用に用いられる純水の製造においては、より純度の高い純水を供給すべく厳格な生菌管理が要求されるため、電気脱イオン装置を使用して純水の製造を行うときには熱水殺菌処理を行いながら、運転を行っている。
例えば、電気脱イオン装置を備えた医薬用純水の純水製造装置では、常温の被処理水を供給して脱イオン処理を行い、処理水の水質が維持できなくなる前に、電気脱イオン装置に60℃以上の熱水を供給して殺菌し、再度、常温の被処理水を供給して脱イオン処理を行うという、純水の製造処理と熱水殺菌処理を交互に行うことにより、常時、所定の水質を維持した処理水を供給することができるようにしていた(例えば、特許文献1乃至3参照。)。
特開昭60−262430号公報 特開平9−260421号公報 特開2004−74109号公報
しかしながら、これまでの純水製造方法及び装置では、熱水殺菌処理後に、常温の被処理水を供給すると、電気脱イオン装置の濃縮室が閉塞して濃縮水流量が低下してしまい処理コストが見合わなくなってしまったり、閉塞することによる電気脱イオン装置の短命化が生じてしまったり、さらに、熱水によりイオン交換膜のイオン除去性能が低下して、電気脱イオン装置処理水の導電率が医薬用純水基準に適合しなくなる等、様々な問題が生じていた。
このように、熱水により殺菌処理を行う場合には、電気脱イオン装置において様々な不具合が生じることが知られているが、これは、熱水によりイオン交換膜が軟化して変形することに起因するものである。
これに対して、特開平10−36530号公報において、ビカット軟化点が75〜130℃である不均質イオン交換膜が提案されている。しかし、電気脱イオン装置に用いられるイオン交換膜の膜厚は200〜600μm程度であるため、電気脱イオン装置に用いられるイオン交換膜の軟化点はこれよりも低くなり、実際に電気脱イオン装置に60℃の熱水を供給した際には、イオン交換膜の変形による濃縮室の閉塞(濃縮水流量の低下、又は、濃縮水圧力の増加と同意である)が起こるおそれがある。なお、イオン交換膜の変形は、熱水殺菌処理時のイオン交換膜の軟化と脱塩室と濃縮室との間の圧力差によるため、電気脱イオン装置の濃縮室への充填物の有無に関係なく生じる。
そこで、本発明はこのような従来の問題に鑑みなされたもので、電気脱イオン装置を熱水殺菌処理して純水を製造する場合においても、電気脱イオン処理を効率的に行うことができ、電気脱イオン装置の寿命を長くして、製造コストを抑制することができる純水製造方法及び製造装置を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記問題点について鋭意検討した結果、熱水殺菌処理時に、電気脱イオン装置の内部における濃縮室と脱塩室との圧力差と、被処理水の脱イオン処理時における濃縮室と脱塩室との間の圧力差を、それぞれ所定の圧力差に調整することによって、上記課題を解決することを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明の純水製造方法は、被処理水を、陰極と陽極との間に、複数のアニオン交換膜とカチオン交換膜とを配列して脱塩室と濃縮室とを形成してなる電気脱イオン装置により脱イオンを行う純水製造処理と、脱イオン装置に熱水を供給して殺菌する熱水殺菌処理と、を交互に繰り返して行う純水製造方法において、純水製造処理時における電気脱イオン装置出口側の脱塩室と濃縮室間の圧力差を50kPa以上とし、熱水殺菌処理時における圧力差を20kPa以下とするように調整することを特徴とするものである。
また、本発明の純水製造装置は、陰極と陽極との間に、複数のアニオン交換膜とカチオン交換膜とを配列して脱塩室と濃縮室とを形成してなる電気脱イオン装置を有する純水製造装置において、電気脱イオン装置が、脱塩室と濃縮室との間の圧力差を調整することができる圧力調整手段を有することを特徴とするものである。
本発明の純水製造方法及び製造装置によれば、電気脱イオン装置の熱水殺菌処理を行った場合においても、電気脱イオン装置の寿命を極端に短縮させることなく、かつ得られる処理水の処理流量及び処理水質も維持することができる。したがって、電気脱イオン装置の殺菌処理を繰り返し行った場合でも、純水の製造能力をほぼ一定に保持することが可能となり、純水製造処理を極めて効率的に行うことができるものである。
本発明の純水製造装置の一実施形態を示した概略構成図である。 本発明の純水製造装置に用いられる電気脱イオン装置の構造を模式的に示した図である。 本発明の純水製造方法における、処理フローを説明する図である。 従来の純水製造装置に用いられる電気脱イオン装置の構造を模式的に示した図である。
以下、図面を参照しながら本発明について詳細に説明する。
図1は本発明の純水製造装置の概略構成図である。この純水製造装置1は、膜処理装置2と、RO膜装置3と、硬度成分除去装置4と、加熱タンク5と、電気脱イオン装置6と、から構成されている。
膜処理装置2は、原水の濁質除去を行うものであり、従来純水の製造に用いられているものであれば特に限定されるものではなく、限外濾過膜(UF)、精密濾過膜(MF)等の膜を用いた膜処理装置が挙げられる。また、この前後で活性炭濾過による前処理を組み合わせてもよい。
RO膜装置3は、主に、各種イオン、有機物の除去を行うものであり、従来純水の製造に用いられているものであれば特に限定されずに用いることができ、逆浸透膜装置の膜としては、ポリスルホン、ポリアミド、ポリ酢酸ビニル等の膜が挙げられる。
硬度成分除去装置4は、前段で除去しきれなかった硬度成分を除去するものであり、イオン交換樹脂、イオン交換繊維等により構成される。この硬度成分除去装置4は、例えば、ナトリウム型又はカリウム型のイオン交換樹脂からなり、原水に含まれるカルシウムイオン及びマグネシウムイオンをナトリウムイオン又はカリウムイオンと置換させることにより硬度成分を除去することができる。
この硬度成分除去装置4においては、イオン交換樹脂がカルシウムイオンやマグネシウムイオンと置換して飽和状態になる前に、イオン交換樹脂へ塩水を供給してそのイオン交換能力を回復させる再生操作を行うことができるようになっている。
再生操作は、例えば、機器において純水を使用しない時間帯(例えば夜中等)に設定された時刻になったときに行われるようにして、また、予め原水の硬度を測定しておき、この測定値と硬度成分除去装置4における通水開始からの積算通水量との積が硬度成分除去装置4の最大除去硬度質量に達したとき、再生操作を行うようにしてもよい。なお、再生操作を行わずに、硬度成分除去装置4を新品の装置と交換して純水製造装置としてのイオン交換能力を回復させてもよい。
次に、加熱タンク5は、その内部に貯留した水を加熱することができる加熱ヒーター等の加熱手段を有しており、この加熱タンク5において加熱された熱水は、後述する後段に設けられている電気脱イオン装置6の内部の殺菌処理を行うために用いられる。したがって、純水の製造処理を行っている場合には、この加熱手段は作動せず、殺菌処理を行う場合にだけ加熱手段を作動させるようになっている。このとき、この加熱手段によって殺菌処理に用いられる熱水は、60〜90℃程度であることが好ましく、この温度を電気脱イオン装置6の殺菌処理が終了するまで(電気脱イオン装置から排出されるまで)維持することが好ましい。
また、ここでは、電気脱イオン装置6に熱水を供給することができる構成とすれば良いため、加熱タンク5の代わりに、タンク−熱交換器という装置構成としてもよい。このとき、タンクは加熱手段を有していないが、タンクから送出された水は熱交換器により加熱され、熱水を電気脱イオン装置6に供給するようになる。
そして、電気脱イオン装置6は、図2にその構成の模式図を示したが、電極室61と濃縮室62と脱塩室63と、を有するものである。ここで、具体的な装置の構造は、電極室61としては陽極を備える陽極室と陰極を備える陰極室があり、この陽極室と陰極室との間に、複数のアニオン交換膜及びカチオン交換膜を交互に配列して濃縮室62と脱塩室63とを交互に形成し、脱塩室63にアニオン交換樹脂とカチオン交換樹脂との混合樹脂やイオン交換繊維等のイオン交換体を充填して構成されたものである。
前処理が施された被処理水は、濃縮室62と脱塩室63とに分岐して供給される(なお、ここでは図示していないが被処理水を電極室61にも分岐して供給するようにしてもよい。)。脱塩室63で脱イオン処理がなされた処理水は、後段の装置へ供給され適宜必要な処理が行われ、濃縮室62でイオン濃度の高まった濃縮水は電気脱イオン装置の系外に排出され、排水処理がなされる。このとき、濃縮水の一部を、再度濃縮室に供給するようにしたり、RO膜装置3の前段に返流したりして、循環するように構成してもよい。ここで、供給水を分岐させた流路には、各室に供給する流量を調整する流量調整バルブ64が、濃縮水を循環させるときには、循環用バルブ65が設けられており、それぞれ流量の調整を行っている。
また、本発明に用いる電気脱イオン装置6は、濃縮室62と脱塩室63との圧力差を調整するための第1の圧力調整バルブ66及び第2の圧力調整バルブ67を有していることが特徴である。この第1の圧力調整バルブ66及び第2の圧力調整バルブ67は、濃縮室62と脱塩室63との圧力差を適宜調整することを可能とするもので、純水の製造処理における圧力差と熱水殺菌処理における圧力差とを異ならせるようにするものである。具体的には、電気脱イオン装置6出口側の圧力差を純水製造処理時には50kPa以上とし、熱水殺菌処理時には20kPa以下とするものである。また、このとき電気脱イオン装置6入口側の圧力差も純水製造処理時に50kPa以上、熱水殺菌処理時には20kPa以下とすることが好ましい。ここで、流量調整バルブ64が閉度調整機能を有するバルブであるときには、上記圧力条件となるように流量調整バルブ64の閉度を調整することもできるため、第1の圧力調整バルブ66を省略してもよい。
この第1の圧力調整バルブ66は、電気脱イオン装置6の供給水流路に設けられ、主に入口側の圧力差を、第2の圧力調整バルブ67は、電気脱イオン装置6の脱塩室から排出される処理水を流通させる処理水流路に設けられ、主に出口側の圧力差を調整するために機能する。さらに、熱水殺菌処理時の熱の放熱を抑えるための放熱抑制バルブ68を設けることにより、それぞれの処理を効率的に行うことができるようにすることが好ましい。
また、その他の装置としては、本発明の効果を阻害しない範囲で、純水製造に用いられる装置を適宜用いることができ、例えば、電気脱イオン装置6の前段に、脱炭酸装置、脱気膜、活性炭吸着塔等を設けて前処理を行ってもよい。
脱炭酸装置は、原水中の無機炭酸を除去し得るものであればよく、例えば、曝気装置を備える脱炭酸塔等を用いることができ、活性炭吸着装置としては、活性炭を充填した活性炭塔等を用いることができ、脱気膜としては、RO膜装置からの処理水中の溶存炭酸ガスを除去し得るものであればよく、例えば、中空糸膜等により構成される膜脱気装置等を用いることができる。
また、電気脱イオン装置6で処理された処理水はそのまま使用することもできるが、さらに純度の高い処理水が要求される場合には、後段装置を設けて処理を行うようにしてもよい。このとき、後段装置としては、純水製造に用いられるものであれば特に限定することなく用いることができ、例えば、UV殺菌装置(254nmの紫外線照射可能なもの)、フィルター(被処理水中の10μm以上の微粒子を除去できるもの)、蒸留器等が挙げられる。これらの装置は単独又は組み合わせて使用することができ、例えば、電気脱イオン装置6の処理水を、UV殺菌装置、フィルターの順に通水するようにしたり、さらに蒸留器にも通水するようにして後段装置を構成したり、また、電気脱イオン装置6の処理水を、蒸留器のみに通水するように後段装置を構成したり、所望する水質となるように適宜装置を組み合わせて設ければよい。
なお、従来用いられている電気脱イオン装置の概略構成図を図4に示したが、この電気脱イオン装置70は、本発明で用いる電気脱イオン装置6とは、圧力調整バルブ66,67がないことが最大の特徴であり、その他、放熱抑制バルブ68も存在しない。
次に、本発明の純水製造方法について説明するが、基本的には図1に示した純水製造装置1の構成順序にしたがって原水が処理され、各手段により不純物が除去されていき純水が製造されることになる。
ここで、本発明においては電気脱イオン装置6における純水製造処理時と熱水殺菌処理時の水の流れに特徴があるため、以下、図3に示した処理水の流れを示した図を参照しながら説明する。なお、この図3において、実線は水又は熱水が流れている流路、破線は水及び熱水が流れていない流路を示している。
まず、純水製造処理におけるフローを説明する(図3(a))。電気脱イオン装置6の前段装置により前処理がなされた被処理水は、加熱タンク5に収容されるが、純水製造処理時には、加熱ヒーターは作動せず、被処理水は常温のまま電気脱イオン装置6に供給される。
このとき、バルブB−1,B−4,B−7,B−8は閉じており、加熱タンク5からポンプにより電気脱イオン装置6に被処理水が供給されるが、第1の圧力調整バルブであるB−4が閉じているため、通常の電気脱イオン装置の処理モードで被処理水は脱塩室と濃縮室に供給される。そして、脱塩室から排出される脱イオン処理水は、後段装置へ供給されるようになる。また、濃縮室及び電極室から排出される水は排水として処理されるが、濃縮室から排出される濃縮水は、その一部が循環され濃縮室へ供給される被処理水と混合して再利用される。なお、電気脱イオン装置6の処理水や、後段装置で処理された水は、ユースポイントへ供給されるが、この純水製造処理の際に再度加熱タンク5に循環させる場合もあり、図3(a)は、後段装置で処理された水を循環する構成を例示したものである。
また、このとき電気脱イオン装置6出口側の脱塩室と濃縮室との圧力差を50kPa以上とするために、バルブB−5の開度は予め調整、固定されその流量は一定であり、第2の圧力調整バルブであるB−3は、その開度を純水製造処理時には小さくし、熱水殺菌処理時には大きくするように可変となっている。このときの被処理水のフローは従来の電気脱イオン装置と同じである。このとき、上記圧力差を100kPa以上とすることがより純度の高い純水を得ることができる点で好ましい。
なお、電気脱イオン装置6の出口側の圧力差を上記範囲とすることで、医薬用途に用いることができる水準の処理水質とすることができるが、装置の脱イオン性能を鑑みれば、電気脱イオン装置6の入口側の圧力差も50kPa以上とすることが好ましい。
次に、熱水殺菌処理時におけるフローを説明する(図3(b))。まず、電気脱イオン装置6の前段装置により前処理がなされた被処理水の供給が停止され、加熱タンク5には後段装置から供給される熱水殺菌処理に適した純水が供給される。この純水を加熱タンク5内で加熱して熱水とし、この熱水が電気脱イオン装置6に供給される。供給される熱水の温度は、60℃以上であると殺菌効果が良好であることから、電気脱イオン装置6内での処理(熱水が装置から排出されるまで)を充分に行うことができる温度に加熱されたものである。
このとき、純水製造処理時には閉じていたバルブB−4は開き、B−3も開度を大きくして、電気脱イオン装置6出口側の脱塩室と濃縮室の圧力差を20kPa以下と小さくする。このときの圧力差は0kPaであってもよい。なお、熱水殺菌処理時において、電気脱イオン装置6の出口側だけでなく入口側の圧力差も20kPa以下とすることが純水製造処理の効率を維持することができる点でより好ましい。
そして、脱塩室から排出される熱水は後段装置へ供給され、濃縮室及び電極室から排出される熱水は、バルブB−9,B−10を閉じることで、それぞれ加熱タンク5へと返送されるようにして、殺菌処理に再利用することが好ましい。
このような流れで、電気脱イオン装置6内の生菌が充分に死滅するまで熱水殺菌処理を行うようにすればよく、その処理時間は30分以上であることが好ましい。その間、殺菌処理に用いる熱水を循環しながら行い、このとき、第1の圧力調整バルブB−4及び第2の圧力調整バルブB−3の存在により脱塩室と濃縮室との圧力差を、純水製造処理時とは全く異なるものとして、純水製造処理全体として非常に効率的に純水製造処理を行うことができるのである。
以下、実施例及び比較例により本発明をより詳細に説明する。
(参考例1)
図1に示した純水製造装置を用いて原水(厚木市水)の処理を行った。
なお、装置構成について、電気脱イオン装置の前段の装置構成は、ノムラックス EPU−10(野村マイクロ・サイエンス株式会社製、商品名)の前段部(膜処理装置−RO膜装置−硬度除去装置の構成部分)を用いた。
ここで、膜処理装置は中空糸型UF膜装置、RO膜装置はポリアミド製スパイラル型逆浸透膜を用いた逆浸透膜装置、硬度除去装置はNa型イオン交換樹脂装置を用いた。また、電気脱イオン装置としては、MK−2MiniHT(E−Cell社製、商品名;脱塩室には混床式イオン交換樹脂が充填され、濃縮室には充填されていない耐熱仕様の電気脱イオン装置)を用いた。
ここでは、原水を純水製造装置に供給して3日間純水製造処理を行った後、熱水殺菌処理を30分間行い、再度、純水製造処理、熱水殺菌処理を繰り返したときの電気脱イオン装置の濃縮室流量の変化を調べた。
まず、原水を膜処理装置、逆浸透膜装置、硬度成分除去装置で処理して20μS/cm以下の処理水を得、次いでこれを電気脱イオン装置の供給水として脱塩室への供給水量を1.5L/min./cell、濃縮室への供給水量を0.6L/min./cellとして供給し、このとき、電気脱イオン装置に3.5Aの電流を印加して純水の製造を行った。なお、純水製造処理時の処理は、電気脱イオン装置の脱塩室−濃縮室間の入口圧力差が約30kPa、脱塩室−濃縮室間の出口圧力差が約45kPaとなる条件で行った。
次に、一旦純水の製造を停止し、タンク内の被処理水を加熱用ヒーターで加熱し、熱水を電気脱イオン装置に供給して熱水殺菌を行った。このときの電気脱イオン装置へ供給した熱水の水温は65℃で、電気脱イオン装置から排出された熱水の水温が60℃であった。
この熱水殺菌処理において、脱塩室入口圧力は約250kPa、濃縮室入口圧力は約200kPa、電極室入口圧力は約200kPaとし、脱塩室出口圧力は約185kPa、濃縮室出口圧力は約135kPa、電極室出口圧力は約10kPaとなるようにし、脱塩室−濃縮室間の入口圧力差、脱塩室−濃縮室間の出口圧力差共に約50kPaになるようにした。このとき、電気脱イオン装置に電流は印加していない。
このようにして、純水製造処理と殺菌処理とを行った際に、電気脱イオン装置の脱塩室−濃縮室間の入口圧力差が約30kPa、脱塩室−濃縮室間の出口圧力差が約45kPaでの殺菌処理後の純水製造処理における濃縮室流量比率を調べて表1に示した。なお、濃縮室流量比率は、熱水殺菌処理前(熱水殺菌回数 0回)の電気脱イオン装置を用いて純水製造処理を行ったときの濃縮室から排出される濃縮水の流量を基準として、熱水殺菌処理後の濃縮水の流量の割合を百分率(%)で表わしたものである。
Figure 0005184401
このように、従来行われていたような条件で処理を行うと、熱水殺菌処理を行うたびに濃縮室流量比率が低下していき、電気脱イオン装置の処理能力が著しく低下してしまうため充分に純度を維持した純水の製造行うことができなくなってしまうことがわかった。
(参考例2)
参考例1と同様の装置を用い、熱水殺菌処理時の圧力条件を変えた以外は同様の操作により純水製造処理及び熱水殺菌処理を行った。
このときの電気脱イオン装置供給水へ供給した熱水の水温は65℃、電気脱イオン装置処理水の水温は60℃であり、脱塩室入口圧力は約250kPa、濃縮室入口圧力は約230kPa、電極室入口圧力は110kPaとし、脱塩室出口圧力は約185kPa、濃縮室出口圧力は約165kPa、電極室出口圧力は10kPaとなるようにし、脱塩室−濃縮室間の入口圧力差、脱塩室−濃縮室間の出口圧力差共に20kPa以下になるようにした。
このようにして、純水製造処理と熱水殺菌処理とを行った際に、殺菌処理後の純水製造処理における濃縮室流量比率を調べて表2に示した。
Figure 0005184401
上記の結果から、熱水殺菌処理時の脱塩室−濃縮室間の入口圧力差、脱塩室−濃縮室間の出口圧力差共に20kPa以下とすることで、純水製造処理時の濃縮室流量比率には変化が見られず電気脱イオン装置の処理能力を低下させることなく使用できることがわかった。
(実施例1)
参考例2の純水製造処理及び熱水殺菌処理を50回繰り返し行った後、51回目の純水製造処理時に、電気脱イオン装置の脱塩室と濃縮室の圧力差について、入口の圧力差を約30kPaにし、出口の圧力差を表3に示したように14〜124kPaまで様々な条件として純水を製造した。
このときの電気脱イオン装置の脱塩室と濃縮室間の圧力差を変化させたときの電気脱イオン装置処理水の導電率の変化を表3に示した。なお、この純水製造処理においては、脱塩室への供給水量は1.5L/min./cellとし、濃縮室への供給水量は0.6L/min./cellとした。
Figure 0005184401
表3より、電気脱イオン装置の出口側の脱塩室と濃縮室間の圧力差を変化させることにより、得られる処理水の導電率が変化し、脱塩室−濃縮室の圧力差を50kPa以上としたときに、医薬用純水に要求される1μS/cm以下の水質が得られることがわかった。
(実施例2)
次に、原水を膜前処理装置、逆浸透膜装置、硬度成分除去装置で処理して20μS/cm以下の処理水を得、次いでこれを電気脱イオン装置の供給水として脱塩室への供給水量を1.5L/min./cell、濃縮室への供給水量を0.6L/min./cellとして供給し、このとき、電気脱イオン装置に3.5Aの電流を印加して純水の製造を行った。なお、純水製造処理時の処理は、電気脱イオン装置の脱塩室−濃縮室間の入口圧力差が約100kPa(脱塩室圧力 約390kPa、濃縮室圧力 約290kPa)、脱塩室−濃縮室間の出口圧力差が約100kPa(脱塩室圧力 約185kPa、濃縮室圧力 約85kPa)となる条件で行った。
次に、一旦純水の製造を停止し、タンク内の被処理水を加熱用ヒーターで加熱し、熱水を電気脱イオン装置に供給して熱水殺菌を行った。このときの電気脱イオン装置へ供給した熱水の水温は65℃、電気脱イオン装置から排出された熱水の水温は60℃となるように処理を行った。また、熱水殺菌処理時には電気脱イオン装置の脱塩室−濃縮室間の入口圧力差及び出口圧力差が共に20kPa以下となる条件で行った。
この実施例は、参考例2と実施例1とで得られた結果から、電気脱イオン装置の処理能力を低下させず、得られる純水の純度を要求水準以上とすることが可能となる実験条件で純水製造処理の最初から処理を行ったものである。この条件で純水製造処理を行ったときの濃縮室流量比率及び処理水導電率を表4に示した。
Figure 0005184401
この結果から、純水製造処理時の脱塩室と濃縮室間の入口圧力差及び出口圧力差を共に約100kPaとし、熱水殺菌処理時の脱塩室と濃縮室間の入口圧力差及び出口圧力差を共に20kPa以下とすることで、純水製造処理により得られる処理水質は、医薬用純水基準である1μS/cmを安定して満たすことができた。
(実施例3)
電気脱イオン装置に88℃の熱水を供給して熱水殺菌を行った以外は、実施例2と同様の装置、同様の操作により純水の製造処理を行った。なお、電気脱イオン装置から排出される熱水の水温は83℃であった。この条件で純水製造処理を行ったときの濃縮室流量比率及び処理水導電率を表5に示した。
Figure 0005184401
この結果から、用いる熱水を88℃と高温とした場合にも、純水製造処理により得られる処理水質は、医薬用純水基準である1μS/cmを安定して満たすことができることがわかった。
1…純水製造装置、2…膜処理装置、3…RO膜装置、4…硬度除去装置、5…加熱タンク、6…電気脱イオン装置、61…電極室、62…濃縮室、63…脱塩室、64…流量調整バルブ、65…循環用バルブ、66…第1の圧力調整バルブ、67…第2の圧力調整バルブ、68…放熱抑制バルブ、70…電気脱イオン装置

Claims (6)

  1. 被処理水を、陰極と陽極との間に、複数のアニオン交換膜とカチオン交換膜とを配列して脱塩室と濃縮室とを形成してなる電気脱イオン装置により脱イオンを行う純水製造処理と、前記脱イオン装置に熱水を供給して殺菌する熱水殺菌処理と、を交互に繰り返して行う純水製造方法において、
    前記純水製造処理時における前記電気脱イオン装置出口側の脱塩室と濃縮室間の圧力差を50kPa以上とし、前記熱水殺菌処理時における前記圧力差を20kPa以下とするように調整することを特徴とする純水製造方法。
  2. 前記純水製造処理時における前記圧力差が100kPa以上であることを特徴とする請求項1記載の純水製造方法。
  3. 前記熱水殺菌処理時に用いる熱水が、温度60℃以上の熱水であることを特徴とする請求項1又は2のいずれか1項記載の純水製造方法。
  4. 陰極と陽極との間に、複数のアニオン交換膜とカチオン交換膜とを配列して脱塩室と濃縮室とを形成してなり、脱イオンにより純水製造処理を行う電気脱イオン装置と、前記電気脱イオン装置の内部の熱水殺菌処理を行う熱水供給手段と、を有する純水製造装置において、
    前記電気脱イオン装置が、純水製造処理時においては前記電気脱イオン装置出口側の脱塩室と濃縮室間の圧力差を50kPa以上とし、熱水殺菌処理時においては前記圧力差を20kPa以下とする、圧力調整手段を有することを特徴とする純水製造装置。
  5. 前記圧力調整手段が、前記電気脱イオン装置の供給水流路に設けられている第1の圧力調整バルブ及び前記脱塩室の処理水流路に設けられている第2の圧力調整バルブであることを特徴とする請求項4記載の純水製造装置。
  6. 前記電気脱イオン装置の供給水流路に放熱抑制バルブが設けられていることを特徴とする請求項4又は5記載の純水製造装置。
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