JP4617696B2 - 純水製造装置の殺菌方法および純水製造装置 - Google Patents

純水製造装置の殺菌方法および純水製造装置 Download PDF

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Description

本発明は、純水製造装置の殺菌方法および純水製造装置に関し、特に、逆浸透膜装置と脱イオン装置とを備えた一次純水システムを含む純水製造装置を熱水で殺菌する殺菌方法および純水製造装置に関する。
従来、医薬品製造や半導体製品の洗浄などに用いられる純水を製造する装置として、一次純水システムとサブシステム(または「二次純水システム」)とを含む純水製造装置が知られている。一次純水システムには、逆浸透膜を備えた逆浸透膜装置、および脱イオン装置などが配置されている。こうした純水製造装置では、市水や工業用水などを被処理水とし、一次純水システムにより、被処理水中のイオンや有機物などを除去し、純水を製造する。
一次純水システムで製造された純水(以下、特に「一次純水」という)は、比抵抗15MΩ・cm以上、有機物濃度50μg(asC)/L以下、金属濃度1μg/L以下、生菌数100cfu/ml以下の高純度の水である。サブシステムは、一次純水よりさらに純度が高い水が求められる場合に稼動されるシステムであり、紫外線酸化装置、非再生型イオン交換装置、および限外濾過膜装置などを備える。サブシステムでは、一次純水を被処理液とし、一次純水に僅かに含まれる不純物を除去して、比抵抗が17〜18.2MΩ・cm程度の極めて純度の高い純水(以下、特に「超純水」という)を製造する。
ところで、このような純水製造装置においては、装置内部で菌が繁殖することを防止するため、必要に応じて装置内部の殺菌が行なわれる。純水製造装置内部の殺菌方法としては、過酸化水素などの殺菌用薬剤を装置内部に通液する方法や、60℃以上の熱水を装置内部に通水する方法が知られている。
熱水を純水製造装置内部に通水して殺菌する方法としては、一次純水システムとサブシステムとに熱水を一括して通水する方法(例えば特許文献1)や、一次純水システムとサブシステムとを別々に殺菌する方法(例えば特許文献2)などが知られている。前者のように、装置全体に熱水を一括通水する方法によれば、各システムに加熱手段を設ける必要がなく、したがって装置構成を複雑にすることなく、装置全体を殺菌できる。
しかし、一括通水式の殺菌方法では、一次純水システムの殺菌により発生した死滅菌体などの汚れがサブシステムに持ち込まれ、装置全体の洗浄効果が低下する問題がある。そこで、近年は、特許文献2に記載されるように、各装置に熱水を分割して通水し、各装置を個別に殺菌する分割通水式の殺菌方法が多く採用されている。
図2は、特許文献2に記載された純水製造装置1aの模式図である。純水製造装置1aは、一次純水システム1Xと、サブシステム1Yとを備える。一次純水システム1Xは、タンク2、第1熱交換器3、活性炭塔4、膜脱気装置5、逆浸透膜装置6、および電気式の脱イオン装置8を備え、サブシステム1Yは、純水タンク9、第2熱交換器10、紫外線殺菌装置12および限外濾過膜装置11を備える。特許文献2に開示された発明では、一次純水システム1Xは、タンク2に貯留された市水などの原水を使用して熱水殺菌され、サブシステム1Yは純水タンク9に貯留された一次純水を使用して熱水殺菌される。
上記発明においては、タンク2内に貯留されている原水を第1熱交換器3で加熱しながら、活性炭塔4、膜脱気装置5、および逆浸透膜装置6の順で通水することにより、これらの部材の殺菌が行なわれる。熱水による殺菌工程中は、逆浸透膜装置6の透過水はタンク2に循環される一方、タンク2内に保持される液体の水温低下を防止するため、タンク2への原水の供給は停止されている。殺菌工程終了後は、タンク2から送出される原水の加熱を停止するとともに、加熱されていない常温の原水をタンク2に供給しながら、タンク2内の液体の温度が常温に低下するまで、上記殺菌工程と同様の循環を行なう。
一方、脱イオン装置8については、逆浸透膜装置6などの殺菌工程を終了したのち、常温の水を活性炭塔4、膜脱気装置5、および逆浸透膜装置6で処理して得られた不純物の少ない水を、第2熱交換器7で加熱して得られた熱水で殺菌する。上記発明によれば、電気式の脱イオン装置8についても熱水で殺菌することができ、一次純水システム1Xを構成する全ての装置を熱水で殺菌できる。
しかし、電気式の脱イオン装置8については、不純物の多い水を供給すると、装置が劣化する恐れがあるため、不純物の少ない熱水(以下、「高純度熱水」という)を供給する必要がある。このため、逆浸透膜装置6までは、カルシウムイオンをはじめとする不純物が除去されていない原水を加熱した熱水(以下、「加熱原水」という)で殺菌できるが、脱イオン装置8については、加熱原水をそのまま供給することは好ましくない。
したがって、上記発明では、加熱原水で逆浸透膜装置6までを殺菌した後、常温の原水を逆浸透膜装置6などで処理して高純度熱水を調整して、脱イオン装置8を殺菌する構成としており、殺菌工程が複雑化する。また、上記発明では、熱水による殺菌処理を繰り返すと、装置内部にカルシウムなどを含む析出物質(以下、「スケール」という)が付着し、純水の水質低下、装置の閉塞による処理効率の低下などの問題を引き起こすことが明らかになった。
特許第3228053号公報 特開2001−47054号公報
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、簡易で、かつ、スケールの発生を防止した熱水殺菌ができる純水製造装置およびその殺菌方法を提供することを目的とする。
本発明は、イオンを含む被処理水を受け入れて貯留するタンクを利用し、通常運転時はこのタンクに貯留されている被処理水を、軟水と置換する置換工程、前記タンクに貯留された軟水を加熱して加熱軟水とし、この加熱軟水を逆浸透膜装置および脱イオン装置に一括通水する殺菌工程、および、前記タンクに、加熱されていない常温の軟水(非加熱軟水)を受け入れ、このタンク内の軟水を逆浸透膜装置および脱イオン装置に供給する降温工程を含むことを特徴とする。
ここで、「被処理水」とは、純水製造装置の一次純水システムの処理対象となる液体で、工業用水や生活用水として用いられる水で、脱塩処理がされておらず、カルシウムイオンや炭酸イオンなどのイオンを、10〜150mg(asCaCO)/L程度含む。被処理水としては、河川水、湖沼水、工業用水、井水、および市水などが挙げられる。河川水などには、イオンなどの他に有機物などの不溶性の濁質成分も含まれていることから、河川水などを凝集沈殿装置や加圧浮上装置などの除濁装置で除濁したもの(以下、「濾過水」という)を被処理水として用いてもよい。
一方、本明細書において「軟水」とは、カルシウムイオンなどの不純物を含む被処理水を脱カルシウム処理して得られる水であって、実質的にカルシウムイオンを含まない水を意味するものとする。被処理水には、カルシウムイオンやマグネシウムイオンなどの硬度成分、炭酸イオン、および金属イオンなどのイオン、並びに有機物などの不純物が含まれている。軟水は、これらの不純物のうち、特にカルシウムイオンを除去したものであり、具体的には、カルシウム濃度が50mg(asCaCO)/L以下、特に10mg(asCaCO)/L以下となるように、被処理水を逆浸透膜装置や、Na型カチオン交換樹脂またはH型カチオン交換樹脂などを備えた脱イオン装置などを用いて脱カルシウム処理した水を意味する。
従って、「軟水」には、イオン交換装置により、カルシウムイオンをナトリウムイオンと交換して得られる水であって、ナトリウムイオンを含むもの(以下、特に「脱カルシウム水」という)が含まれ、また、カルシウムイオン、炭酸イオン、および金属イオンなどのイオンが除去されているもの(以下、特に「脱イオン水」という)も当然に含まれるものとする。なお、一次純水および超純水は、脱イオン水に含まれる。
降温工程でタンクに供給する軟水は、タンクへの供給に際して特に加熱していない、常温の軟水(非加熱軟水)とすることが好ましい。「非加熱」とは、使用に際し、実質的に加熱処理がされていないことを意味し、加温処理が全くされていない場合に加え、逆浸透膜処理に適した温度に調整されている場合を含むものとする。「常温」とは、20〜35℃程度であることを意味し、「非加熱軟水」には、逆浸透膜処理を行なうため、低温の被処理水を20〜35℃程度に調整したものが含まれるものとする。
降温工程で、逆浸透膜装置と脱イオン装置とに供給する軟水は、これらの部材の急激な温度変化を避けるため、加熱器で加熱してこれらの部材に供給してもよい。この場合、降温工程で逆浸透膜装置などに供給する軟水の温度は徐々に低下し、最終的には常温程度となるように、加熱器の出力を調整することが好ましい。
本発明では、熱水を用いた殺菌工程に先立ち、被処理水が貯留されているタンク内の液体を被処理水から軟水に置換する置換工程を実施する。これにより、殺菌用の液体を貯留するタンクを別途設けることなく、また、熱水殺菌中のスケール付着を防止して、逆浸透膜装置と脱イオン装置とに加熱軟水を一括通水することができる。
また、60〜80℃程度の高温となっている純水製造装置を降温する降温工程では、従来、イオンを含む被処理水が用いられており、この被処理水が高温の装置と接触して温度上昇することにより、スケールが発生していたことが判明した。しかし、本発明によれば、降温工程において、軟水を用いるため、降温工程でのスケール発生を防止できる。このため、熱水殺菌を繰り返し行なっても装置内部にスケールが発生することを防止できる。
上記殺菌方法を実施するため、本発明に係る純水製造装置は、通常運転時はイオンを含む被処理水を受け入れて貯留しているタンク内の被処理水を、軟水に置換するための置換手段を備える。
置換手段としては、被処理水をタンクに供給する第1配管、軟水を前記タンクに供給する第2配管、および前記第1配管と前記第2配管とを接続し、第1配管と第2配管との流路を切換えることができる三方弁などの切換え機構を備えたものが挙げられる。また、置換手段は、前記第1配管、前記第2配管に、それぞれ、開閉可能な第1弁、第2弁を設けたものとしてもよい。
第1配管と第2配管とは並列に接続され、それぞれ、一端がタンクに接続されている。第2配管の他端は、一次純水システムに設けられている逆浸透膜装置の透過水出口または脱イオン装置の処理水出口と接続することが好ましい。純水製造装置が二次純水システムを含み、この二次純水システムに一次純水を貯留する純水タンクが配置されている場合、第2配管の他端は、この純水タンクなどに接続してもよい。
第2配管の他端が逆浸透膜装置または脱イオン装置と接続されている場合、第2配管により、タンクと逆浸透膜装置または脱イオン装置とを接続する循環路が形成される。これにより、逆浸透膜装置または脱イオン装置から排出された加熱軟水は、タンクに戻され、タンク内の液体の温度を上昇させるので、加熱軟水の調整に必要なエネルギーを低減できる。
第1配管と第2配管とは、切換え機構によって、どちらかの配管を択一的に使用する。第1配管と第2配管とに第1弁および第2弁を設ける場合は、これらの弁を択一的に開閉することで、いずれか一方の配管のみを使用する。このため、カルシウムなどのイオンを含む被処理水と、カルシウムイオンが除去された軟水との置換が速やかに行なわれる。
タンクには、被処理水と軟水との置換状態を監視するためにカルシウム濃度測定器を設けることが好ましい。カルシウム濃度測定器としては、電気伝導度計やカルシウムイオン電極などがある。カルシウム濃度測定器を設けることで、タンク内の液体のカルシウム濃度が一定値以下、例えば50mg(asCaCO)/Lになった時点で速やかに殺菌工程を開始できる。
本発明では、一次純水システムの被処理水を貯留するタンクを利用して軟水を貯留するため、一次純水システムへ供給する液体を送出するポンプの空引きなどを防止でき、また、簡易な設備で純水製造装置を殺菌できる。さらに、本発明によれば、タンク内の被処理水を軟水と置換し、この軟水を加熱して調整した加熱軟水を用いて殺菌工程を実施するため、スケールの発生を防止し、逆浸透膜装置と脱イオン装置とを一括して殺菌できる。加えて、本発明によれば、軟水を用いて降温するため、降温工程でのスケール発生を防止し、純水製造装置の熱水殺菌を繰り返し実施しても、装置内部にスケールを発生することを防止できる。
次に、図面を用いて本発明について詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る純水製造装置1の模式図である。純水製造装置1は、一次純水システムXとサブシステムYとを含む。一次純水システムXは、タンク2、活性炭塔4、膜脱気装置5、逆浸透膜装置6、および脱イオン装置8を含む。なお、図1および図2において、同一部材には同一符号を付す。
タンク2には、第1三方弁31を介して第1配管21と第2配管22とが接続され、純水を製造する通常運転時には、イオンなどを含む被処理水が第1配管から供給される。タンク2に貯留された被処理水は、ポンプなどの送液手段(図示せず)によりタンク2から送出し、第1熱交換器3によって、処理に適した温度(例えば20〜25℃)に調整して、活性炭塔4、次いで膜脱気装置5に供給し、有機物および溶存ガスなどを除去する。
被処理水は、さらに、逆浸透膜装置6に供給し、イオンおよび不溶性の微粒子などの不純物を除去する。逆浸透膜装置6で不純物が除去された液体(以下、「透過水」という)は、後段の脱イオン装置8に送出される。一方、不純物が濃縮された濃縮水は、ブロー管41を通じて一部を純水製造装置系外へ排出し、回収管42により一部をタンク2へ循環させる。
脱イオン装置8では、逆浸透膜装置6で除去されなかった透過水中のイオンを除去する。なお、本実施形態では、電気再生式の脱イオン装置であり、装置内のイオン交換体を再生しながら、連続的に脱イオン処理を行なう。
上記の一次純水システムXで被処理水を処理することにより、比抵抗15MΩ・cm程度の純水(一次純水)が得られる。一次純水は、医療用精製水などとしてそのまま使用される。また、注射用水や半導体製品洗浄用水などさらに高純度の水(超純水)が求められる場合、一次純水を二次純水システムYに供給し、二次純水システムYで一次純水を被処理液として超純水を製造する。
二次純水システムYは、一次純水が一時的に貯留される純水タンク9、紫外線酸化装置(図1において図示せず)、脱イオン装置(図示せず)、および限外濾過膜などを備えた膜装置11などを備え、一次純水にわずかに含まれる不純物を除去し、超純水を製造する。
本実施形態では、第2配管22の一端(以下、「先端」という)は、第1三方弁31により第1配管21と接続され、第2配管22の他端(以下、「末端」という)は、脱イオン装置8から排出される一次純水が流れる配管24と接続され、循環路を形成している。第2配管22と配管24とは第2三方弁32により接続されており、第2配管22、第1三方弁31および第2三方弁32は、置換手段を構成している。
本発明では、この置換手段を用いて、タンク2内に貯留されている被処理水を軟水と置換したのち、この軟水を加熱して加熱軟水とし、この加熱軟水を一次純水システムXに供給して、殺菌を行なう。以下、純水製造装置1の殺菌方法について説明する。
純水製造装置1の殺菌に際しては、まず、第1三方弁31により、第1配管21の流路を塞ぎ、第1配管21からタンク2への被処理水の供給を停止する。第1三方弁31で流路を切換えることより、第2配管22の流路が開かれ、第2配管22からタンク2への液体の供給が可能となる。
一方、第2三方弁32により、脱イオン装置8と純水タンク9とを接続している配管24から純水タンク9への流路を塞ぐとともに、第2配管22の流路を開き、脱イオン装置8から排出された一次純水を第2配管22に流入させる。
本発明では、この状態で、一次純水システムXを構成する装置にタンク2内の液体を順次通水し、製造された一次純水を第2配管22によってタンク2に循環させる置換工程を実施する。置換工程開始時、タンク2には、イオンを含む被処理水が貯留されているが、第2配管22により、脱イオン装置8から排出される脱イオン水がタンク2へと循環されることで、置換工程の進行とともに、この被処理水は軟水(一次純水)と置換される。
置換工程では、逆浸透膜装置6の濃縮水は、全量をブロー管41から排出し、タンク2へ戻さないようにすることが好ましい。逆浸透膜装置6の濃縮水の全量を排出するようにすると、タンク2内の被処理水を軟水に置換するために必要な時間を短くできる。なお、逆浸透膜装置6の透過水も脱カルシウム処理されていることから、第2配管末端は、逆浸透膜装置6の透過水が排出される配管23に接続してもよい。
タンク2には、電気伝導度計やカルシウムイオン電極などのカルシウム濃度測定器を設け、タンク2内の液体のカルシウム濃度を監視することが好ましい。すなわち、本発明では、殺菌工程は、カルシウム濃度が50mg(asCaCO)mg/L以下の軟水を加熱した加熱軟水により行なうため、タンク2内にカルシウム濃度測定器を設けることにより、タンク2内の液体のカルシウム濃度が50mg(asCaCO)mg/L以下となった時点で速やかに殺菌工程を開始できる。
殺菌工程では、純水を製造する通常運転時は、被処理水の温度調整のために使用される第1熱交換器3を用い、タンク2から送出される軟水を60℃以上、好ましくは80℃以上に加熱する。加熱した加熱軟水は、活性炭塔4、膜脱気装置5、逆浸透膜装置6および脱イオン装置8に一括通水する。
本発明では、置換工程において、タンク2内の被処理水を軟水に置換しているため、タンク2内の液体を連続的に送出し、加熱して逆浸透膜装置6のみならず、脱イオン装置8も含む一次純水システムX全体に加熱軟水を一括送水することができる。また、軟水は、カルシウムイオンなどのスケール成分が除去されているため、装置内部でのスケール付着を防止できる。
また、本実施形態では、第2配管22の末端は、脱イオン装置8の後段に接続されていることから、殺菌工程を行なう間、上記置換工程を行なう場合と同様に、第2配管22を介して脱イオン装置8から排出された加熱軟水をタンク2に循環させるようにする。第2配管22を介してタンク2に循環された加熱軟水により、タンク2内の軟水は加温されるため、タンク2から送出される軟水を加熱するために必要なエネルギーを低減できる。本発明では、殺菌工程で使用される加熱軟水は、軟水を加熱したものであるため、上記のように循環させてもイオンが濃縮されてスケール付着を生じる恐れを低くできる。
熱水による殺菌工程は、10〜60分間行い、殺菌工程終了後、加熱されていない常温の非加熱軟水をタンク2に供給し、タンク2から軟水を熱交換器3、活性炭塔4、膜脱気装置5、逆浸透膜装置6および脱イオン装置8に通水する。タンク2に供給する非加熱軟水としては、本実施形態では、純水タンク9に貯留されていた一次純水としている。
なお、逆浸透膜装置6などの部材は急激な降温により、ダメージを受ける場合があるため、降温工程では、タンク2から逆浸透膜装置6などに供給する軟水を、熱交換器3により、適宜、加熱するなどして、これらの部材が徐々に降温するように、軟水の温度を調整することが好ましい。降温工程で、逆浸透膜装置6などに供給する軟水は、例えば、1分あたり、1〜5℃程度、温度低下し、最終的に20〜40℃程度の軟水が上記部材に供給されることが好ましい。
本実施形態の純水製造装置1では、純水タンク9には、第3配管25の一端(先端)が接続され、第3配管25の他端(末端)は、サブシステムYの限外濾過膜装置11からの透過水が排出される配管27に接続されている。第3配管25の途中には、第3三方弁33を介して、接続管26の一端が接続されている。接続管26の他端は第2配管22と接続されており、第3三方弁33の流路変更により、純水タンク9内の一次純水がタンク2に供給できるように構成されている。
サブシステムYの熱水殺菌は、後述するように、一次純水システムXの熱水殺菌とは別に実施するため、純水タンク9内には、常温の非加熱軟水が貯留されている。本発明では、降温工程実施時に、この純水タンク9からタンク2へ、非加熱軟水を供給し、殺菌工程終了時に高温となっている一次純水システムXの温度を低下させる。
一次純水システムXを構成する部材は、殺菌工程により高温となっているため、降温工程で通水される液体は、装置内部で昇温し、装置内部にスケールを付着させ易い状態となる。しかし、本発明では、降温工程でタンク2内に脱イオン水を受け入れ、軟水を高温となっている一次純水システムXに通水することから、スケール付着を防止できる。
降温工程においては、脱イオン装置8から流出する液体は、タンク2へ循環させずに純水タンク9へ供給するとよい。降温工程終了後、純水タンク9内の一次純水を送出し、第2熱交換器10で60℃以上、好ましくは80℃以上に加熱し、限外濾過膜装置11などのサブシステムYを含む純水製造装置1全体を殺菌することができる。
[実施例]
図1に示した純水製造装置1を用い、上述した方法で一次純水システムXを殺菌し、次いで、サブシステムYを殺菌した。被処理水としては、市水(水質:カルシウムイオン濃度50mg(asCaCO)/L、炭酸イオン濃度100mg(asCaCO)/L)を用い、軟水としては、一次純水システムXで製造された一次純水(水質:カルシウムイオン濃度0.01mg(asCaCO)/L)を使用した。純水製造装置1の殺菌は、一日に5回の頻度で合計500回行い、逆浸透膜装置6および脱イオン装置8のスケール有無を確認した。スケールの有無は、逆浸透膜装置6と脱イオン装置8とのスケールの有無は、それぞれの装置を塩酸で洗浄した後、この洗浄廃液に含まれるカルシウム濃度を測定することにより、確認した。
[比較例]
比較例として、殺菌工程終了後、第1三方弁31の流路を切替え、タンク2に脱イオン水の代わりに、実施例で用いた市水を受け入れ、同様の殺菌処理を行なった。純水製造装置1の殺菌頻度は、実施例と同じとし、実施例と同様にスケールの有無を確認した。
実施例では、逆浸透膜装置6および脱イオン装置8を洗浄した洗浄廃液のどちらにも、カルシウムは含まれていなかった。一方、比較例では、逆浸透膜装置6および脱イオン装置8を洗浄した洗浄廃液のどちらも、カルシウムを含んでいた。
実施例および比較例に示すように、本発明では、タンク2内の被処理水を軟水に置換する置換工程、タンク2から送出される軟水を加熱した加熱軟水で殺菌を行なう殺菌工程、および常温の非加熱軟水で一次純水システムXを降温する降温工程により、スケール付着を防止して、純水製造装置を殺菌できる。
本発明は、LSIやウェハなどの半導体製品の製造や、医薬品製造などに用いられる純水製造装置に適用できる。
本発明の一実施形態に係る純水製造装置の模式図である。 従来技術に係る純水製造装置の模式図である。
符号の説明
1 純水製造装置
2 タンク
6 逆浸透膜装置
8 脱イオン装置
21 第1配管
22 第2配管
31 第1三方弁(切換え手段)
32 第2三方弁(切換え手段)

Claims (11)

  1. イオンを含む被処理水を受け入れて貯留するタンク、前記タンク後段に配置されている逆浸透膜装置、および前記逆浸透膜装置後段に配置されている脱イオン装置を備え、前記被処理水に含まれるイオンを除去して一次純水を得る一次純水システムと、前記一次純水を貯留する純水タンクと、を含む純水製造装置の殺菌方法であって、
    前記タンク内に貯留された前記被処理水を、前記逆浸透膜装置に通水してカルシウムを除去し軟水を製造した後に、前記軟水を前記タンクに循環させて、循環の進行とともに前記被処理水を前記軟水と置換する置換工程と、
    前記タンク内に貯留された前記軟水を加熱して加熱軟水とし、前記タンクに前記被処理水が供給されないようにしつつ、前記加熱軟水を前記逆浸透膜装置と前記脱イオン装置とに通水して、前記タンクに循環させることにより前記一次純水システムを熱水殺菌する殺菌工程と、
    前記軟水を前記逆浸透膜装置と前記脱イオン装置とに供給して、前記逆浸透膜装置と前記脱イオン装置との温度を低下させる降温工程と、を含む純水製造装置の殺菌方法。
  2. 前記タンク内に貯留された前記被処理水を前記軟水に置換する前に、前記タンクへの前記被処理水の供給を停止し、且つ、前記純水タンクへの前記一次純水の供給を停止することを特徴とする請求項1記載の純水製造装置の殺菌方法。
  3. 前記純水製造装置は、前記純水タンクと、限外濾過膜装置と、該限外濾過膜装置の下流側から純水タンクに循環する配管とを少なくとも備えるサブシステムをさらに備え、
    前記軟水を前記純水タンクの上流側から前記タンクに循環させることを特徴とする請求項1または2記載の純水製造装置の殺菌方法。
  4. 前記一次純水システムを熱水殺菌した後、または前記一次純水システムの熱水殺菌とは別に、前記純水タンクからの前記一次純水を加熱して、前記限外濾過膜装置に通水することにより前記サブシステムを熱水殺菌することを特徴とする請求項3記載の純水製造装置の殺菌方法。
  5. 前記置換工程において、前記逆浸透膜装置の濃縮水を系外へ全量排出することを特徴とする請求項1乃至4の何れか一に記載の純水製造装置の殺菌方法。
  6. イオンを含む被処理水を受け入れて貯留するタンク、前記タンク後段に配置されている逆浸透膜装置、および前記逆浸透膜装置後段に配置されている脱イオン装置を備え、前記被処理水に含まれるイオンを除去して一次純水を得る一次純水システムと、前記一次純水を貯留する純水タンクと、
    前記タンクに貯留された被処理水を、前記逆浸透膜装置に通水して軟水を製造した後に、前記軟水を前記タンクに循環させて、循環の進行とともに前記被処理水を前記軟水に置換することができる置換手段と、
    前記タンク内に貯留された軟水を加熱して加熱軟水とし、前記タンクに前記被処理水が供給されないようにしつつ、前記加熱軟水を前記逆浸透膜装置と前記脱イオン装置とに通水して、前記タンクに循環させることにより前記一次純水システムを熱水殺菌する殺菌手段と、
    前記軟水を前記逆浸透膜装置と前記脱イオン装置とに供給して、前記逆浸透膜装置と前記脱イオン装置との温度を低下させる降温手段と、を備えることを特徴とする純水製造装置。
  7. 前記置換手段は、前記タンクに接続され、前記被処理水が供給される第1配管、前記第1配管と並列に配置され、前記タンクと接続されており、前記軟水が供給される第2配管、および前記第1配管と前記第2配管との間で流路を切換える切換え機構と、
    前記逆浸透膜装置より後段に配置され、前記逆浸透膜装置より後段に前記軟水を供給する第3の配管、および前記第2配管と前記第3の配管との間で流路を切換える切換え機構と、
    を含むことを特徴とする請求項記載の純水製造装置。
  8. 前記タンクは、カルシウム濃度測定器を備えるものであることを特徴とする請求項または記載の純水製造装置。
  9. 前記純水製造装置は、前記純水タンクと、限外濾過膜装置と、該限外濾過膜装置の下流側から純水タンクに循環する配管とを少なくとも備えるサブシステムをさらに備え、
    前記軟水を前記純水タンクの上流側から前記タンクに循環させることを特徴とする請求項6乃至8の何れか一に記載の純水製造装置。
  10. 前記一次純水システムを熱水殺菌した後、または前記一次純水システムの熱水殺菌とは別に、前記純水タンクからの前記一次純水を加熱して、前記限外濾過膜装置に通水することにより前記サブシステムを熱水殺菌するサブシステム熱水殺菌手段を備えることを特徴とする請求項9に記載の純水製造装置。
  11. 前記置換手段において、前記逆浸透膜装置の濃縮水を系外へ全量排出することを特徴とする請求項6乃至10の何れか一に記載の純水製造装置。
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