JP4552483B2 - 水処理ユニットの熱水通水処理方法および純水製造装置の組立方法 - Google Patents

水処理ユニットの熱水通水処理方法および純水製造装置の組立方法 Download PDF

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本発明は、逆浸透膜装置、膜脱気装置、および脱塩装置などを含んだ水処理ユニットを備えた純水製造装置の組立方法に関し、特に、熱水殺菌される純水製造装置の組立方法に関する。
従来、医薬品の製造や、半導体製品の洗浄などに用いられる純水を製造する装置として、一次純水システム、およびサブシステム(または「二次純水システム」)を含む純水製造装置が知られている。一次純水システムおよびサブシステムは、逆浸透膜装置や脱塩装置などの複数の水処理機器(以下、単に「機器」という場合がある)を組み合わせて構成されており、これらの組み合わされた水処理機器によって一連の水処理を行う水処理ユニットである。
一次純水システムやサブシステムのような水処理ユニットを備えた純水製造装置は、装置内部で細菌が繁殖することを防止するために、使用状態などに応じて適宜、殺菌する。純水製造装置の殺菌方法としては、過酸化水素などの殺菌剤を装置内部に通液する方法や、60℃以上の熱水を装置内部に通水する方法が知られている(例えば特許文献1)。
特許文献1に記載されるように、純水製造装置を熱水で殺菌する場合、純水製造装置の水処理ユニットの入口などに設けられた加熱器で、水処理ユニットに導入される水を加熱し、水処理ユニットを構成する複数の機器に順次、通水する。このような熱水殺菌方法によれば、殺菌剤が純水製造装置に残留して純水製造装置を汚染することを防止し、水処理ユニット全体を効率的に殺菌することができる。
ところが、純水製造時には機器類から有機物などは実質的に溶出していないにもかかわらず、熱水による純水製造装置の殺菌時に、機器類から有機物などが溶出し、これらの機器自体に付着することが明らかとなった。こうした物質(以下、「汚染物質」という)は、水処理ユニットの入口から導入した水を加熱して、複数の機器に順次通水する場合は、後段の機器に持ち込まれるため、後段に配置された機器を汚染することにもなる。
溶出物質が付着した機器は、殺菌終了後に本来の性能を発揮することができず、また、機器内に付着した汚染物質が徐々に機器から排出されて、純水製造装置で製造される純水の水質を悪化させる恐れがある。
特許第3228053号公報
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、熱水殺菌時に、水処理ユニットを構成する機器類から汚染物質が溶出して機器類を汚染することを防止できる純水製造装置の組立方法を提供することを目的とする。
本発明は、純水製造装置の使用開始前、すなわち純水製造装置を組立てて製造する際に、純水製造装置の水処理ユニットを構成する機器類に熱水を通水する熱水通水処理を行なうことを特徴とする。本発明によれば、水処理ユニットの使用開始に先立ち、水処理ユニットを構成する機器類を熱水で処理することにより、汚染物質である有機物などが機器自体に付着することを防いで、機器外部へ排出することができる。このため、本発明によれば、純水製造装置の使用開始後に熱水殺菌を実施した際に、機器類から汚染物質が溶出することを防止できる。
ここで、「水処理ユニット」とは、複数の水処理機器を含み、これらの水処理機器を相互に接続して一連の水処理を行うように構成されたシステムを意味する。水処理ユニットには被処理水が導入され、水処理ユニットを構成する複数の機器で順次、被処理水を連続的に処理することにより、被処理水に含まれる不純物を除去し、精製された水を得る。純水製造装置に設けられる水処理ユニットとしては、懸濁物質を含む水を被処理水として導入して濁質を除去した濾過水を得る前処理システム、原水または濾過水を被処理水として導入して一次純水を製造する一次純水システム、および、一次純水を被処理水として導入して超純水を製造するサブシステムなどがある。
純水製造装置に含まれる水処理ユニットを構成する水処理機器としては、活性炭塔、脱塩装置、精密膜濾過装置、逆浸透膜装置、限外濾過膜装置、膜脱気装置、および紫外線酸化装置などがある。なお、本明細書で「脱塩装置」とは、イオン交換体を含み、イオン交換により被処理液を脱塩処理するイオン交換脱塩装置を意味し、具体的にはイオン交換樹脂が充填されたイオン交換塔、および電気再生式脱塩装置などが挙げられる。
前処理システムを構成する水処理機器としては、凝集沈殿装置や濾過装置などがある。一次純水システムは、少なくとも逆浸透膜装置、および脱塩装置を含み、さらに、活性炭塔、および膜脱気装置などを含んでもよい。サブシステムは、少なくとも紫外線酸化装置、脱塩装置、および限外濾過膜装置を含み、さらに、膜脱気装置などを含んでもよい。
本発明は、特に逆浸透膜装置、脱塩装置、または膜脱気装置のいずれか一つ以上の水処理機器を含む純水製造装置に好適に適用できる。水処理機器は、2つ以上を接続した状態で熱水通水してもよく、他の機器と接続しない状態で熱水通水、および降温した後、他の機器と接続してもよい。以下、前者を「一括通水」、後者を「分割通水」という。一括通水を行う場合は、ある機器から排出された熱水排水は、他の機器に供給することなく、排出することが好ましい。
熱水通水処理は、水処理機器に所定温度の熱水を所定時間、通水する熱水保持工程と、熱水より低い温度の降温用水を水処理機器に通水する降温工程と、を含む。熱水通水処理は、熱水保持工程に先立つ工程として、水処理機器を昇温する昇温工程をさらに含むことが好ましい。
熱水保持工程において、水処理機器に通水する熱水は、60℃以上、特に80℃以上であることが好ましい。不純物の少ない水は洗浄効果が高いため、熱水保持工程で用いる水は、一次純水以上の水質の水を加熱して用いることが好ましい。しかし、前処理システムや一次純水システムを構成する水処理機器の熱水通水には、原水を加熱した熱水を用いることもできる。
ここで、「原水」とは、生活用水または工業用水として利用できる水であり、脱塩処理などの特別な水処理がされていない水を意味し、具体的には、井水、河川水、湖沼水、工業用水、および市水などを含む。また、「純水」とは、原水を濾過および脱塩処理などして不純物を取り除いた水で、比抵抗1MΩ・cm以上の水を意味する。「純水」には、純水を被処理水としてさらに不純物を除去する処理を行って得られた純水(比抵抗17MΩ・cm以上で、「超純水」という)が含まれ、原水を処理して得られた純水を超純水と区別する場合は、特に「一次純水」というものとする。
熱水通水に用いる水の水質は、機器の種類に応じて変更してもよい。特に、逆浸透膜装置については、原水から塩素を除去した脱塩素水、または原水から硬度成分を除去した脱硬度水を用いることが好ましい。また、脱塩装置については、脱塩素水、脱硬度処理水、またはイオンを除去した脱塩水などを用いることが好ましい。純水は、塩素およびイオン(硬度成分含む)が除去されているため、いずれの機器についても好適に使用できる。
熱水保持工程では、上記範囲内で設定した所定温度の熱水を水処理機器に10〜120分、好ましくは30〜60分間通水し、水処理機器を通過した熱水を循環させることなく、熱水排水として排出する。所定温度の熱水を所定時間、水処理機器に通水した時点で熱水保持工程を終了し、熱水より低い温度の降温用水を水処理機器に通水して降温工程を実施する。
熱水保持工程では、熱水排水の有機物濃度(TOC濃度)を測定し、TOC濃度が所定値を超える場合は、降温用水を水処理機器に通水して水処理機器を40℃程度に冷却した後、再度、熱水保持工程に戻ることが好ましい。降温工程から熱水保持工程に戻る場合は、水処理機器の急激な温度変化を避けるために、降温工程と熱水保持工程の間に後述する昇温工程を実施することが好ましい。
熱水保持工程の終了時点で水処理機器から排出される熱水排水のTOC濃度が所定値以下になった場合は、熱水保持工程に戻ることなく降温工程を継続し、水処理機器を常温程度にまで冷却し、熱水通水処理を終了する。熱水通水処理の終了の規準となる熱水排水のTOC濃度の値とは、具体的には、一次純水システムを構成する水処理機器の場合、熱水排水のTOC濃度が5mg/L以下とする。また、サブシステムを構成する水処理機器の場合、熱水排水のTOC濃度が1mg/L以下となったら、降温工程から熱水保持工程に戻らずに熱水通水処理を終了する。
なお、逆浸透膜装置や電気再生式脱塩装置のように、不純物が除去された透過水と、不純物が濃縮された濃縮水とを排出する機器の場合、熱水排水は、透過水出口と濃縮水出口とから排出される。このため、こうした機器については、透過水出口と濃縮水出口の両方から排出される熱水排水のTOC濃度を測定し、このTOC濃度に基づき、熱水保持工程に戻るか否かを判断することが好ましい。ただし、透過水出口、または濃縮水出口のどちらか一方から排出される熱水排水のTOC濃度を基準として、熱水保持工程に戻るか否かを判断してもよい。この場合は、透過水出口から排出される熱水排水のTOC濃度を判断基準とすることが好ましい。
熱水保持工程終了時は、水処理機器は60〜95℃程度の高温になっている。このため、降温工程を実施して、高温の水処理機器を最終的に15〜40℃程度の常温にまで冷却する。降温工程は、高温の水処理ユニットを放置することにより、自然冷却してもよく、あるいは、水処理機器に原水または純水などを通水して水冷してもよい。また、上述した通り、降温工程を途中で中断するなどして熱水保持工程に戻ることもできるが、最終的には、降温工程を経て水処理機器を常温にまで冷却した後、熱水通水処理を終了する。
降温工程においては、水処理機器の温度は徐々に低下させることが好ましい。したがって、水処理機器を水冷する場合、機器に供給する水の温度を徐々に低くすることにより、機器の温度を漸次的に低下させることができる。機器に供給する水の温度は、加熱器の出力を調整するなどして調整できる。あるいは、加熱していない常温の水を少量ずつ、機器に供給することにより、機器内に残存する熱水と混合して、機器の温度を徐々に下げることもできる。水冷に用いる水は、純水であることが好ましく、少なくとも熱水通水に使用した水と同等以上の水質のものとすることが好ましい。
降温工程により冷却された水処理機器は、組立工程において、純水使用場所に純水を供給する純水配管を備えた所定の位置(以下「設置場所」という)に設置され、被処理水を導入して純水を製造できる状態に組立てられる。組立工程は、熱水保持工程と降温工程とを含む熱水通水処理が施された水処理機器を、必要に応じて相互に接続して水処理ユニットとし、この水処理ユニットに被処理水管を接続することで、純水製造ができる状態の純水製造装置を組立てて、製造する工程である。組立工程ではまた、水処理ユニットの末端に、純水配管を接続し、純水を純水使用場所に供給できるようにする。
水処理ユニットを構成する機器類は、設置場所とは異なる場所、例えば水処理ユニット製造工場などで、他の機器類とは接続した状態で一括通水して熱水保持工程を実施し、降温工程を経て、設置場所に搬入して被処理水管と接続してもよい。また、水処理ユニット製造工場などで、個別の機器ごとに分割通水して熱水保持工程と降温工程とを実施した後、各機器を接続した水処理ユニットとして設置場所に搬入してもよい。あるいは、個々の機器を接続せずに設置場所に搬入し、設置場所で各機器を接続して水処理ユニットを組立てるとともに、水処理ユニットと被処理水管を接続して純水製造装置を組立ててもよい。さらには、設置場所で熱水保持工程、および降温工程を実施し、次いで組立工程を行ってもよい。
被処理水管と水処理ユニットとの間には、水処理機器以外の部材を含んでもよく、同様に、純水配管と水処理ユニットとの間にも、水処理機器以外の部材を含んでもよい。水処理ユニットと被処理水管との間に含まれる部材としては、被処理水を加熱する加熱器、被処理水を水処理ユニットに送出するポンプなどの送液手段、あるいは被処理水などを貯留するタンクなどが挙げられる。また、水処理ユニットと純水管との間に配置される部材としては、純水を貯留する純水タンクなどが挙げられる。
熱水通水処理は、熱水保持工程の前段に、昇温工程を含むことが好ましい。すなわち、水処理機器の急激な加熱、または冷却は、機器の性能を劣化させる恐れがあるため、熱水保持工程を開始する前、昇温工程を設け、機器の温度を漸次的に上昇させた後、熱水保持工程を実施することが好ましい。昇温工程は、水処理機器に加熱した昇温用水を通水しながら、機器に供給する昇温用水の温度を徐々に上昇させる(例えば30℃から80℃程度まで)ことにより、実施できる。昇温用水は、降温用水と同等の水質の水を使用することが好ましい。
また、熱水保持工程の終了時点で機器から排出される熱水排水に汚染物質が溶出されている場合、すなわち、熱水排水のTOC濃度が5mg/Lを超えるような場合は、再び熱水保持工程を実施することが好ましい。この場合、機器類は40℃程度まで降温されていることから、熱水保持工程の開始に先立ち、昇温工程を実施することが好ましい。
本発明では、純水製造装置の組立前に、水処理ユニットを構成する水処理機器を熱水通水処理することで、熱水殺菌時に機器から溶出する汚染物質を容易に機器外に排出することができる。このため、純水製造装置の使用開始後に、熱水殺菌をする際、機器からの汚染物質の溶出を防ぎ、機器類の性能劣化を防止するとともに、殺菌効果を高めることができる。
次に、図面を用いて本発明について詳細に説明する。以下、同一の構成については、同一符号を付し、説明を省略、または簡略化する。
図1は、本発明の一実施形態に係る純水製造装置1の模式図である。純水製造装置1は、原水を導入し、純水(一次純水)を製造する水処理ユニット(一次純水システム)10を含む。水処理ユニット10は、活性炭塔4、逆浸透膜装置5、膜脱気装置6、および電気再生式の脱塩装置7の水処理機器を含む。これらの水処理機器は、配管32、33、34、35により接続されている。
水処理ユニット10の先端には、被処理水である原水が供給される被処理水管21が接続されている。被処理水管21と水処理ユニット10との間には、配管31を介して第1加熱器3が設けられている。また、水処理ユニット10の末端には、純水を純水使用場所8に供給する純水配管22が接続されている。さらに、水処理ユニット10の途中には、第2加熱器9が設けられている。
水処理ユニット10を構成する水処理機器は、純水製造装置1の組立に先立ち、熱水通水処理がなされたものである。ここで、図2を用いて、本発明の第一実施形態に係る純水製造装置1の組立方法について説明する。
第一実施形態では、水処理ユニット10を構成する水処理機器は、前段に配置された機器から後段に配置された機器の順、すなわち、活性炭塔4、逆浸透膜装置5、膜脱気装置6、次いで脱塩装置7の順で熱水通水処理される。
具体的には、配管32の先端が活性炭塔4と接続され、末端は逆浸透膜装置5に接続されずに開放された状態で、タンク50から純水を送出して、加熱器3で加熱して活性炭塔4に供給する。本実施形態では、活性炭塔4に供給される純水(昇温用水)の温度が、例えば30℃から1分間に1〜5℃ずつ上昇して、熱水保持工程で通水する熱水に近似した温度となるように、加熱器3の出力を調整して昇温工程を実施する。
本実施形態では、熱水保持工程は、85℃の熱水を用いて実施するものとし、加熱器3から供給される昇温用水の温度が82〜83℃程度になった後、30〜60分程度、85℃の一定温度の熱水を活性炭塔4に供給して熱水保持工程を実施する。なお、「一定温度」といった場合、1〜5℃程度の温度の上下変動は許容されるものとし、本実施形態の熱水保持工程では、80〜90℃程度の熱水が「85℃の一定温度の熱水」とされることとする。また、活性炭塔4から排出される昇温排水は、配管32の末端から排出している。
熱水保持工程は、所定の時間が経過した時点で終了し、降温工程を開始する。降温工程では、加熱器3の出力を調整して、活性炭塔4に供給される純水(降温用水)の温度が、例えば85℃から1分間に1〜5℃ずつ降温して、40℃程度まで低下するように、加熱器3の出力を調整する。
熱水保持工程では、熱水を配管32の末端から熱水排水として排出し、この熱水排水のTOC濃度を適宜、測定して、TOC濃度が5mg/Lを超えれば、降温工程を経て熱水通水工程に戻る操作を繰り返し、熱水排水のTOC濃度が5mg/L以下になった場合は降温工程を継続して熱水通水処理を終了する。
上記操作により、活性炭塔4を常温程度まで冷却して熱水通水処理が終了したところで、配管32の末端を逆浸透膜装置5に接続する。逆浸透膜装置5には、入口に配管32が接続され、さらに、透過水が排出される透過水出口に配管33、および濃縮水が排出される濃縮水出口に配管43が接続されている。
このような状態で逆浸透膜装置5を対象として、上述した昇温工程、熱水保持工程、および降温工程を実施する。いずれの工程においても、タンク50から送出され、加熱器3で加熱された昇温用水、熱水、および降温用水は、活性炭塔4と配管32とを経由して逆浸透膜装置5に供給される。
逆浸透膜装置5の熱水保持工程、および降温工程は、配管33、43から排出される熱水排水のTOC濃度を基準として、このTOC濃度が5mg/L以下となった時点で逆浸透膜装置5を常温程度に冷却して熱水通水処理を終了し、膜脱気装置6の熱水通水処理に移行する。
膜脱気装置6の熱水通水処理の開始に先立ち、配管33の末端を、膜脱気装置6の入口に接続するとともに、膜脱気装置6の出口に配管34を接続する。配管33を介して逆浸透膜装置5などと接続された膜脱気装置6には、タンク50から送出され、加熱器3で加熱された昇温用水、熱水、および降温用水が、活性炭塔4、配管32、逆浸透膜装置5、および配管33を介して供給され、配管34から排出される。
膜脱気装置6は、活性炭塔4を熱水通水処理する場合と同様に、配管34から排出される液体のTOC濃度を基準として、昇温工程、熱水保持工程、および降温工程を実施する。その後、配管34の末端に第2加熱器9と配管35を介して脱塩装置7を接続する。脱塩装置7には、濃縮水が排出される濃縮水出口に配管44が接続される。
脱塩装置7には、タンク50から送出された純水が、活性炭塔4、配管32、逆浸透膜装置5、配管33、膜脱気装置6、配管34、第2加熱器9および配管35を介して供給される。脱塩装置7の前段には、第2加熱器9が配置されていることから、タンク50から送出された純水は、この第2加熱器9で加熱し、昇温用水、熱水、および降温用水を調整してもよい。第2加熱器9での加熱を行う場合、活性炭塔4などの前段に配置されている機器内の保有水による温度上昇および温度低下の遅延を回避できる。
本実施形態では、水処理ユニット10は、前段に配置される機器から後段に配置される機器へと順次、熱水通水処理する一括通水を行う。一括通水によれば、全ての機器類の処理を終える時間が長くなるものの、各機器に対して十分な熱水通水処理を行うことができることに加え、各機器を接続する配管についても熱水通水処理することができる。なお、一括通水を行う場合、一部の機器をバイパスするバイパス管を設け、一部の機器をバイパスして、所用時間の短縮などを図ってもよい。
上記操作により、活性炭塔4、逆浸透膜装置5、膜脱気装置6および脱塩装置7が接続された状態で、熱水通水処理した水処理ユニット10は、水処理ユニット製造工場から搬出して設置場所に配置し、被処理水管21および純水配管22と接続して純水製造装置1を組立てる。
純水製造装置1には、水処理ユニット10の被処理水としての原水が、原水タンク2と被処理水管21とを介して導入され、水処理ユニット10で処理されて純水が製造される。逆浸透膜装置5と脱塩装置7から排出される濃縮水の一部は、配管43、44から排出し、他部は、循環配管42を介して原水タンク2に循環返送し、被処理水の回収率を上げることが好ましい。
上記のような純水製造を一定期間行った後、純水製造装置1は、適宜、熱水で殺菌する。熱水殺菌の方法としては、例えば、原水タンク2などから原水を送出し、第1加熱器3で加熱して得られた熱水で、活性炭塔4、逆浸透膜装置5および膜脱気装置6を殺菌する。次に、原水タンク2から送出した原水を、活性炭塔4、逆浸透膜装置5などで処理して不純物を除去し、これを第2加熱器9で加熱して得られた熱水で、脱塩装置7を殺菌する。
本発明によれば、純水製造装置1の水処理ユニット10を構成する水処理機器は、上記した通り、熱水通水処理されているため、熱水殺菌時に汚染物質が機器から溶出する恐れが低く、汚染物質の溶出および付着による純水製造装置1の汚染を防止できる。
次に、図3を用いて、本発明の第二実施形態に係る純水製造装置1の組立方法について説明する。図3は、水処理ユニット製造工場に設けられたタンク50に図1の活性炭塔4および逆浸透膜装置5が配管51を介して並列に接続されている状態を示す。活性炭塔4の入口には配管31が接続され、配管31は加熱器3aと配管52aとを介して配管51と接続されている。同様に、逆浸透膜装置5の入口には配管32が接続され、配管32は加熱器3bと配管52bとを介して配管51と接続されている。また、逆浸透膜装置5の濃縮水出口には、配管43が接続されている。
本実施形態では、タンク50内に貯留された純水は、配管51から配管52a、52bを介して加熱器3a、3bに供給される。加熱器3a、3bで加熱された純水は、昇温用水、熱水、および降温用水として、活性炭塔4または逆浸透膜装置5に供給され、活性炭塔4または逆浸透膜装置5から排出される。昇温工程、熱水保持工程、および降温工程の詳細は、第一実施形態と同様にする。
本実施形態によれば、水処理ユニット10を構成する機器は、それぞれ、接続されない状態で分割して熱水通水処理される。このような分割通水によれば、熱水通水処理に要する時間を短縮することができる。なお、第二実施形態は、活性炭塔4と逆浸透膜装置5とを並列に接続する例としたが、さらに、膜脱気装置6なども並列に接続して、熱水通水処理してもよく、あるいは、配管52b、加熱器3bを設けることなく、活性炭塔4を熱水通水処理した後、逆浸透膜装置5などと交換して逆浸透膜装置5などを熱水通水処理するようにしてもよい。
熱水通水処理した水処理機器は、設置場所に搬入し、図1に示す順番で配置して各機器を配管で相互に接続して、水処理ユニット10を構成して、この水処理ユニット10の先端に被処理水管21を接続して純水製造装置1を組立てる。また、水処理ユニット製造工場内で、上記の機器を相互に接続して水処理ユニット10を構成した後、設置場所に水処理ユニット10を搬入して純水製造装置1を組立ててもよい。また、水処理ユニット10を設置場所に搬入した後、熱水通水処理してもよい。
本発明は、LSIやウェハなどの半導体製品の製造や、医薬品製造などに用いられる純水製造装置に適用できる。
本発明の一実施形態に係る純水製造装置の模式図である。 本発明の第一実施形態に係る純水製造装置の組立方法を説明する図である。 本発明の第二実施形態に係る純水製造装置の組立方法を説明する図である。
符号の説明
1 純水製造装置
4 活性炭塔
5 逆浸透膜装置
6 膜脱気装置
7 脱塩装置
8 純水使用場所
10 水処理ユニット
21 被処理水管

Claims (4)

  1. 複数の水処理機器を含む水処理ユニットの熱水通水処理方法であって、
    前記複数の水処理機器のうち熱水を排出する第1の配管が接続された第1の水処理機器に熱水を通過させて熱水排水を第1の配管から排出する第1の熱水保持工程と、前記熱水の供給を停止して前記第1の熱水保持工程を終了した後、前記第1の水処理機器及び前記第1の配管の温度を低下させる第1の降温工程と、を行った後、
    前記複数の水処理機器のうち熱水を排出する第2の配管が接続された第2の水処理機器を前記第1の配管に接続して、前記第1の水処理機器、前記第1の配管、前記第2の水処理機器及び前記第2の配管に熱水を通過させて熱水排水を第2の配管から排出する第2の熱水保持工程と、前記熱水の供給を停止して前記熱水保持工程を終了した後、前記第1の水処理機器、前記第1の配管、前記第2の水処理機器及び前記第2の配管の温度を低下させる第2の降温工程と、を行うことを特徴とする水処理ユニットの熱水通水処理方法。
  2. 前記第1熱水保持工程の前に、前記第1の水処理機器及び前記第1の配管に加熱した昇温用水を供給し、前記昇温用水の温度を昇温させることによって前記第1の水処理機器及び前記第1の配管の温度を上昇させる第1の昇温工程をさらに含み、
    前記第1の降温工程は、前記熱水より温度の低い降温用水を前記第1の水処理機器及び前記第1の配管に通水することで前記第1の水処理機器及び前記第1の配管の温度を低下させ、前記第2の熱水保持工程の前に、第1の水処理機器、前記第1の配管、前記第2の水処理機器及び前記第2の配管に加熱した昇温用水を供給し、前記昇温用水の温度を昇温させることによって第1の水処理機器、前記第1の配管、前記第2の水処理機器及び前記第2の配管の温度を上昇させる第2の昇温工程をさらに含み、
    前記第2の降温工程は、前記熱水より温度の低い降温用水を第1の水処理機器、前記第1の配管、前記第2の水処理機器及び前記第2の配管に通水することで第1の水処理機器、前記第1の配管、前記第2の水処理機器及び前記第2の配管の温度を低下させる請求項1記載の水処理ユニットの熱水通水処理方法。
  3. 前記第1の及び第2の熱水保持工程で、所定温度の前記熱水を所定時間通水し、前記所定時間経過時点の前記熱水排水の有機物濃度が5mg/Lを超える場合、前記昇温工程に戻ることを特徴とする請求項2記載の水処理ユニットの熱水通水処理方法。
  4. 請求項1乃至の何れか一に記載の前記熱水通水処理方法により熱水通水処理が施された前記水処理ユニットを純水使用場所に純水を供給する純水配管を備えた所定の位置に搬入して設置し、被処理水管および前記純水配管と接続して純水を製造できる状態に組立てることを特徴とする純水製造装置の組立方法。
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