JP4475568B2 - 電気式脱塩水製造装置内の菌発生抑制方法 - Google Patents

電気式脱塩水製造装置内の菌発生抑制方法 Download PDF

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Description

本発明は半導体製造分野、電力分野、医薬品製造分野、食品製造分野、その他の分野等で用いられる電気式脱塩水製造装置内の菌発生抑制方法に関する。
一対の陽極と陰極の間にカチオン交換膜とアニオン交換膜を交互に配し、両膜の間に脱塩室と濃縮室を交互に形成した電気式脱塩水製造装置(以下、EDIとも言う。)は、半導体製造分野、電力分野、医薬品製造分野、食品製造分野等、脱塩水を用いる分野で広く利用されている。EDIを用いて連続的に脱塩水を製造すると、カチオン交換膜やアニオン交換膜、あるいはカチオン交換樹脂やアニオン交換樹脂が大腸菌等の菌で汚染されることがある。一方、EDIから得られる脱塩水はこれらの菌がほぼ完全に除去されたものが要求されている。
従来、EDIを殺菌する方法としては、例えば約60℃以上の高温の水を装置内に通すことにより殺菌を行う加熱殺菌方法、あるいは電解質を含む水溶液を電気再生式脱イオン純水器に通液するとともに、通液した電解質を含む水溶液に通電する電気再生式脱イオン純水器の殺菌方法(特開2002−126744号公報)がある。一方、EDIにおいて、電圧を印加することにより脱塩室に流入した被処理水を脱塩処理する際、被処理水中の生菌が殺菌されることは知られている。
特開2002−126744号公報(請求項1)
しかしながら、実際には、予め加熱殺菌処理されたEDIにおいて、電圧を印加することにより脱塩室に流入した被処理水を脱塩処理する連続運転を行った場合、脱塩水中に菌が残存することがあった。脱塩水中に大腸菌などの菌が残存すると、人体や生物に害を及ぼす可能性があり、脱塩水から菌を完全に除去させる必要がある。そこで、特に医薬品製造、食品製造分野においては、EDI内の菌の発生を抑制して、ほぼ完全に殺菌された脱塩水を連続且つ安定して得られる方法が望まれていた。
すなわち、本発明の目的は、電気式脱塩水製造装置を用いて脱塩水を製造する際、EDI内の菌の発生を抑制して、ほぼ完全に殺菌された脱塩水を連続且つ安定して得る電気式脱塩水製造装置内の菌発生抑制方法を提供することにある。
かかる実情において、本発明らは鋭意検討を行った結果、(1)EDIに電圧を印加して脱塩室に流入した被処理水を脱塩処理する場合、濃縮水の殺菌は行われておらず、そればかりか、ほとんどの場合、EDIから流出する濃縮水中の生菌は濃縮室供給水よりも増加していること、(2)半導体製造分野や医薬製薬分野で用いられる水はEDIの脱塩水であるため、濃縮水中の生菌数の増加は直接問題とされることはないものの、EDIはイオン交換膜のみによって脱塩室と濃縮室が区画されており、装置構造上の問題、濃縮室にスケールが発生したり電流密度が高すぎることによるアルカリ焼けなどの問題等により脱塩水と濃縮水が連通する可能性を常に内包していること、(3)EDIにおいて、脱塩水と濃縮水が連通すると被処理水よりも生菌が繁殖した濃縮水が処理水に流入して、無菌水製造が困難となること、(4)EDIを用いて脱塩水を製造する際、濃縮室出口水中の有機体炭素濃度(以下、TOC濃度とも言う。)と導電率を特定範囲にして運転した場合、濃縮水中の生菌数を著しく低減でき、その結果、EDI内の菌の発生を抑制でき、ほぼ完全に殺菌された脱塩水を連続且つ安定して得られること等を見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明(1)は、一対の陽極と陰極の間にカチオン交換膜とアニオン交換膜を交互に配し、両膜の間に脱塩室と濃縮室を交互に形成した装置に電圧を印加させながら、被処理水を該脱塩室に流入し、濃縮室供給水を該濃縮室に流入する運転方法において、濃縮室出口水が有機体炭素濃度2,000μgC/l以下、且つ導電率10μS/cm以上となる条件で運転する電気式脱塩水製造装置内の菌発生抑制方法を提供するものである。
また、本発明(2)は、濃縮室入口水が有機体炭素濃度500μgC/l以下、且つ導電率1μS/cm以上である前記電気式脱塩水製造装置内の菌発生抑制方法を提供するものである。
また、本発明(3)は、前記濃縮室供給水が、該脱塩室に供給される被処理水から分岐して供給されるものである前記電気式脱塩水製造装置内の菌発生抑制方法を提供するものである。
また、本発明(4)は、分岐前の被処理水が、逆浸透膜で処理された水である前記電気式脱塩水製造装置内の菌発生抑制方法を提供するものである。
また、本発明(5)は、分岐前の被処理水が、精密濾過膜で処理された水である前記電気式脱塩水製造装置内の菌発生抑制方法を提供するものである。
本発明によれば、EDIの濃縮室出口水がTOC濃度2,000μgC/l以下、且つ導電率10μS/cm以上となる条件で運転した場合、濃縮室出口水中の生菌数を著しく低減させることができる。この理由としては、必ずしも明確ではないが、次の通りである。すなわち、EDIの被処理水中に存在しているTOCの中、荷電している有機物は電流によって濃縮水中に移動する。また、荷電していない有機物であっても電気浸透流に伴い脱塩水から濃縮水中へ拡散する。特に荷電している有機物は主に原水あるいはEDIに使用されるイオン交換樹脂等に由来する分子量1000以下の低分子化合物であるため生菌に利用され易く、同化し増殖して生菌数の増加につながる。濃縮室出口水のTOC濃度が2,000μgC/l以下の場合には、荷電している有機物や電気浸透流によって脱塩室から移動する有機物が極力低減された濃縮水となるため、これらの有機物を利用して増殖する生菌が減少したものと思われる。また、濃縮室出口水の導電率が10μS/cm以上の場合などには、塩による殺菌効果が作用し、生菌の発生を抑制したものと思われる。このように濃縮水中の菌の発生を抑制することで、例え濃縮水と脱塩水が連通する場合があったとしてもEDIから得られる脱塩水は殺菌水として安定して得ることができる。また、被処理水を逆浸透膜で処理し、更にその透過水を分岐して濃縮室供給水とすれば、TOC濃度及び生菌数が共に低減された水を濃縮室に供給することができる。また、被処理水を精密濾過膜で処理し、且つ濾過水を分岐して濃縮室供給水とすれば、生菌数が低減された水を濃縮室に供給することができ、濃縮室出口水の生菌発生をより一層抑制することができる。
本発明において用いるEDIは、一対の陽極と陰極の間にカチオン交換膜とアニオン交換膜を交互に配し、両膜の間にイオン交換体が充填された脱塩室と、濃縮室を交互に形成した装置であり、公知のものである。このEDIから脱塩水を得るには、EDIに電圧を印加した状態において、被処理水をEDIの脱塩室に流入させ、濃縮室供給水をEDIの濃縮室に流入させ、被処理水中の不純物性イオンをイオン交換膜を通して濃縮室に移動させ、脱塩室出口から脱塩水を得る。
被処理水としては、特に制限されず、例えば半導体製造分野におけるウエハー洗浄排水などの高TOC濃度、低導電率の水、市水、工水、井戸水などが挙げられる。これらの被処理水は、従来の脱塩水製造方法で用いたものと同様のものである。濃縮室供給水としては、特に制限されず、該脱塩室に供給される被処理水から分岐して供給される水であっても、濃縮室供給水ラインとは別途のラインから供給される水であってもよい。また、濃縮室から流出した濃縮水出口水はそのまま廃水としてもよく、濃縮室入口に戻して循環するようにしてもよい。濃縮水循環配管には、濃縮水の一部を系外に排出するブロー配管を設置することが、濃縮水の導電率とTOC濃度を適度な値とすることができる点で好ましい。
また、EDIは、特開平2001−239270号公報に記載されるような、一側のカチオン交換膜、他側のアニオン交換膜及び当該カチオン交換膜と当該アニオン交換膜の間に位置する中間イオン交換膜で区画される2つの小脱塩室にイオン交換体を充填して脱塩室を構成し、前記カチオン交換膜、アニオン交換膜を介して脱塩室の両側に濃縮室を設け、これらの脱塩室及び濃縮室を陽極と陰極の間に配置して形成される装置であってもよい。脱塩室が、中間イオン交換膜で区画される2つの小脱塩室を有する装置の場合、被処理水は、一方の小脱塩室(第1小脱塩室)に流入し、第1小脱塩室の流出水が他方の小脱塩室(第2小脱塩室)に流入し、第2小脱塩室の流出水が処理水となる。
本発明のEDI内の菌発生抑制方法において、EDIは濃縮室出口水のTOC濃度が2,000μgC/l以下、導電率が10μS/cm以上となる条件で運転される。濃縮室出口水のTOC濃度が2,000μgC/lを超えると、脱塩室から濃縮室に移動した荷電状態の有機物等が、生菌に利用されて同化し菌が増殖するのに十分な量となるため、生菌の発生を抑制することができなくなる。また、濃縮室水出口水の導電率が10μS/cm未満では、塩による殺菌効果が薄れ、生菌の増殖を抑制することができなくなる。また、濃縮室出口水のTOC濃度及び導電率の好ましい値は、TOC濃度10〜2,000μgC/lであり且つ導電率10〜100μS/cmである。
濃縮室出口水のTOC濃度を2,000μgC/l以下、且つ導電率を10μS/cm以上とする方法としては、濃縮室供給水が、該脱塩室に供給される被処理水から分岐して供給される水である場合、分岐前の被処理水を、逆浸透膜で処理する方法が挙げられる。当該被処理水を逆浸透膜で処理すれば、TOC濃度が低減され且つ生菌数が低減された水を濃縮室に供給することができる。濃縮室供給水を被処理水ラインとは別途の単独供給ラインとする場合、前記と同様に、濃縮室供給水を逆浸透膜で処理すればよい。濃縮室に供給される水の通液方法が1パスの場合、濃縮室出口水の導電率が10μS/cm未満となる恐れがあるが、この場合には別途の塩注入手段により塩を注入するか、あるいは濃縮水流量を調整すればよい。また、濃縮水出口水を前段の被処理水ライン上の一箇所又は複数箇所に戻して循環してもよい。濃縮室出口水はTOCメーター及び導電率計でモニタリングして、常時又は定期的に水質を監視する。濃縮水入口水は概ねTOC濃度が500μgC/l以下、導電率が1μS/cm以上、好ましくはTOC濃度1〜500μgC/l且つ導電率1〜10μS/cmである。
本発明のEDI内の菌発生抑制方法で用いられる逆浸透膜装置としては、公知のものが使用できる。また、逆浸透膜装置で用いられる逆浸透膜エレメントとしては、特に制限されないが、高い塩阻止率を低圧運転で実現できるため低コストであるという点でポリアミド系複合膜が好ましい。また、逆浸透膜装置の運転条件も特に制限されない。
本発明のEDI内の菌発生抑制方法で用いられる精密濾過膜装置としては、特に制限されず公知のものが使用できる。被処理水又は濃縮水供給水を精密濾過膜で処理すれば、生菌数が低減された水を濃縮室に供給することができ、濃縮室出口水の生菌発生をより一層抑制することができる。精密濾過膜装置は通常MFフィルターとも称されるもので、細孔径は概ね0.1〜10μmである。生菌単体は約1μmであるが、生菌は通常水中にスライムのように凝集して存在している場合がほとんどであり、スライムのような菌類は精密濾過膜で十分除去できる。本発明において、濃縮室供給水は逆浸透膜及び精密濾過膜で処理された水であってもよい。この場合、処理順序としては特に制限されない。
次に、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、これは単に例示であって、本発明を制限するものではない。
下記実験装置仕様及び運転条件において、図1に示す構成の実験装置を使用した。図1の実験装置10は上流側より順に、プレート式熱交換器11、紫外線酸化装置14、逆浸透膜装置15、精密濾過膜装置16及び電気式脱塩水製造装置17を配置したものであり、プレート式熱交換器11と紫外線酸化装置14とを接続する配管には有機体炭素注入手段12及び塩注入手段13とそれぞれに接続するメタノール注入配管18及び塩化ナトリウム注入配管19が附設されている。原水としては10個/ml大腸菌E.coli JCM1649を含有させたTOC100μgC/l、且つ導電率0.055μS/cmの水を使用した。なお、図では省略するが、精密濾過膜装置16の濾過水は電気式脱塩水製造装置17の脱塩室と濃縮室の双方に流入し、電気式脱塩水製造装置17の濃縮室出口水はプレート式熱交換器11の上流側に戻している。また、電気式脱塩水製造装置17の濃縮室の入口及び出口配管にはそれぞれ濃縮室入口及び出口のTOC濃度及び導電率を測定するためのサンプル採取配管が附設されている。
・プレート式熱交換器;「M3-FG」(アルファ・ラバル社製)
・逆浸透膜装置;「ES-10」(8インチ、2本)(日東電工社製)
・精密濾過膜装置;「TCS-G020」(アドバンテック東洋社製)
・電気式脱塩水製造装置;「耐熱型D2EDI」;処理水量1.0m3/h(オルガノ社製)
・有機体炭素注入手段;薬注ユニット「PTU-100-PZD-61」(タクミナ社製)
・塩注入手段;薬注ユニット「PTU-100-PZD-61」(タクミナ社製)
(熱水殺菌処理)
前処理殺菌として、図1に示す実験装置の配管及び装置類を熱水殺菌処理した。熱水殺菌は原水をプレート式熱交換器11に通水し、紫外線酸化装置14を経て、逆浸透膜装置15及び精密濾過膜装置16に通水し、更に電気式脱塩水製造装置17に通水後、電気式脱塩水製造装置17の脱塩室及び濃縮室の各流出水を通常運転時の30℃以下から80℃へ昇温させる昇温過程、80℃で一定に温度を維持する温度維持過程、80℃から30℃以下へ温度を降下させる降温過程から成る。電気式脱塩水製造装置17の熱水殺菌中は定格流量の70%以上となる通水条件で、各工程60分間以上通水した。なお、熱水殺菌処理時は電気式脱塩水製造装置17には直流電流は印加していない。
(実験1;濃縮室入口水及び出口水中のTOC濃度及び導電率と菌発生抑制効果の検討)
熱水殺菌処理後、電気式脱塩水製造装置17の濃縮室入口水中のTOC濃度はプレート式熱交換器11をオフとし、逆浸透膜装置15と精密濾過膜装置16は除き、紫外線酸化装置14の出力と有機体炭素注入手段12からのメタノールの注入量を調整することで行った。また、濃縮室入口水の導電率は塩注入手段13からの塩化ナトリウムを注入することで調整した。濃縮室出口水中のTOC濃度及び導電率は濃縮室への供給水量を変化させることによって調整した。そして、各運転条件における大腸菌数を下記方法により測定した。なお、各水質は十分に安定するまで通水を行った。その結果を表1に示す。
(運転条件)
・装置の脱塩室;幅300mm、高さ360mm、厚み8mm
・イオン交換膜;カチオン交換膜(ネオセプタC66-10F)、アニオン交換膜(ネオセプタAHA)(ともにトクヤマ社製)
・イオン交換樹脂;カチオン交換樹脂(IR120B)、アニオン交換樹脂(IRA402BL)の混合床(体積比1:1)(ともにロームアンドハース社製)
・被処理水の通液速度(流量);1.0m/h
・脱塩室での被処理水の滞留時間;50秒
・電流;1.2A(電流密度0.11A/dm
(大腸菌生存率測定方法)
採取水を滅菌用生理食塩水で適当な段階まで希釈し、各希釈段階の希釈液0.1mlを普通寒天培地平板に塗抹し、37℃、24時間後の集落数を計数し、大腸菌数を求める。菌発生抑制効果の評価は原水中の大腸菌数に対する濃縮室出口水中の大腸菌数の割合(%)を算出し、生存率として評価した。なお、生存率は100%を上回った場合、濃縮室入口水に対して濃縮室出口水の大腸菌数は増加していることになるので、菌発生抑制効果はないが、100%を下回った場合、より好ましくは50%以下の場合、菌発生抑制効果は有効である。
表1の結果から明らかなように、濃縮室出口水中のTOC濃度が2000μgC/l以下、導電率が10μS/cm以上の実施例1及び実施例2において、大腸菌の生存率は100%を下回り、菌発生抑制効果があるのに対し、濃縮室出口水中のTOC濃度が2000μgC/lを超える比較例1、濃縮室出口水中の導電率が10μS/cm未満の比較例2、3において、大腸菌生存率は100%を超え、菌発生抑制効果は認められなかった。
Figure 0004475568
(実験2;濃縮室入口水中のTOC濃度と菌発生抑制効果の検討)
濃縮室入口水中のTOC濃度が菌発生抑制効果へ与える影響を調べるために、熱水殺菌処理後、濃縮室への供給水量を調整することにより濃縮室出口水中のTOC濃度を表2に示す値に変化させた条件で電気式脱塩水製造装置17を運転した。そして、実験1と同様に大腸菌の生存率を計測した。その結果を表2に示す。
Figure 0004475568
表2の結果から明らかなように、濃縮室入口水中のTOC濃度の値に拘わらず、濃縮室出口水中のTOC濃度が2000μgC/l以下の実施例3〜7は、大腸菌の生存率は50%以下となり、菌発生抑制効果があることが判る。
(実験3;濃縮室出口水中のTOC濃度と菌発生抑制効果の検討)
濃縮室出口水中のTOC濃度が菌発生抑制効果へ与える影響を調べるために、実験1と同様に大腸菌の生存率を計測した。その結果を表3に示す。
Figure 0004475568
表3の結果から明らかなように、濃縮室出口水中のTOC濃度が2000μgC/l以下の実施例8〜10は、大腸菌の生存率は50%以下となり、菌発生抑制効果があるのに対して、TOC濃度が2000μgC/lを超える比較例4及び5は生存率が100%を超え、菌発生抑制効果がないことが判る。
(実験4;濃縮室入口水中の導電率と菌発生抑制効果の検討)
濃縮室入口水中の導電率が菌発生抑制効果へ与える影響を調べるために、熱水殺菌処理後、濃縮室への供給水量を調整することにより濃縮室入口水及び濃縮室出口水中のTOC濃度及び導電率を表4に示す値に変化させた条件で電気式脱塩水製造装置17を運転した。そして、実験1と同様に大腸菌の生存率を計測した。その結果を表4に示す。
Figure 0004475568
表4の結果から明らかなように、濃縮室入口水中の導電率が1.0μS/cm以下であっても、濃縮室出口水中の導電率が10μS/cm以上である実施例11〜12は、大腸菌の生存率は50%以下となり、菌発生抑制効果があることが判る。
(実験5;濃縮室出口水中の導電率と菌発生抑制効果の検討)
濃縮室出口水中の導電率が菌発生抑制効果へ与える影響を調べるために、実験1と同様に大腸菌の生存率を計測した。その結果を表5に示す。
Figure 0004475568
表5の結果から明らかなように、濃縮室出口水中の導電率が10μS/cm以上の実施例16〜18は、大腸菌の生存率は50%以下となり、菌発生抑制効果があるのに対して、導電率が10μS/cmを下回る比較例6及び7は生存率が100%を超え、菌発生抑制効果がないことが判る。
(実験6;逆浸透膜装置の設置と菌発生抑制効果の検討)
実施例19
逆浸透膜装置15を設置したこと、熱水殺菌後14日間の連続運転し、14日後にEDI供給水を採取して大腸菌数を計測したこと、及びEDI濃縮室供給水等を表6に示す条件とした以外は、実験1と同様の方法で行った。その結果を表6に示す。
比較例8
逆浸透膜装置15の設置を省略したこと以外は、実施例19と同様の方法で行った。その結果を表6に示す。
Figure 0004475568
表6の結果から明らかなように、EDIの前段に逆浸透膜装置15を設置した実施例19では、逆浸透膜装置処理水に含まれる大腸菌数は104個/mlとなり、EDI供給水中の大腸菌が除去されている。これに伴い、実施例19では大腸菌の生存率が0.0042%と大幅に減少している。一方、逆浸透膜装置15を設置しない比較例8ではEDI供給水中の生菌数は原水と同レベルであり、大腸菌生存率は47%である。これは被処理水を通じて濃縮室に流入する大腸菌が逆浸透膜装置15により除去されたことによって濃縮室内での大腸菌の増殖が抑えられたことを示すものである。つまり、予め逆浸透膜装置15により、濃縮室内へ流入する大腸菌を除去することができれば濃縮室内での大腸菌の増殖は抑制することができる。
(実験7;精密濾過膜装置の設置と菌発生抑制効果の検討)
実施例20
逆浸透膜装置15とEDI17の間に精密濾過膜装置16を更に設置したこと、及び表7に示す条件で行った以外は、実施例19と同様の方法で行った。その結果を表7に示す。
比較例9
精密濾過膜装置16の設置を省略したこと以外は、実施例20と同様の方法で行った。その結果を表7に示す。
Figure 0004475568
表7の結果から明らかなように、逆浸透膜装置とEDIの間に精密濾過膜装置16を設置した実施例20では、精密濾過膜装置処理水に含まれる大腸菌数は25個/mlとなり、大腸菌は逆浸透膜処理水からさらに除去されている。これに伴い、実施例20では大腸菌の生存率が0.000005%に減少している。一方、精密濾過膜装置16を設置しない比較例9ではEDI供給水中の生菌数は逆浸透膜装置処理水と同レベルであり、大腸菌生存率は0.0058%である。これは被処理水を通じて濃縮室に流入する大腸菌が精密濾過膜装置14により除去されたことによって濃縮室内での大腸菌の増殖が抑えられたことを示すものである。つまり、予め精密濾過膜装置16により、濃縮室内へ流入する大腸菌を除去することができれば、濃縮室内での大腸菌の増殖はより一層抑制することができる。
本発明の菌発生抑制方法に係る実験に用いた実験装置のフロー図である。
符号の説明
10 EDI内の菌発生抑制方法に用いた実験装置
11 プレート式熱交換器
12 有機体炭素注入手段
13 塩注入手段
14 紫外線酸化装置
15 逆浸透膜装置
16 精密濾過膜装置
17 電気式脱塩水製造装置


Claims (5)

  1. 一対の陽極と陰極の間にカチオン交換膜とアニオン交換膜を交互に配し、両膜の間に脱塩室と濃縮室を交互に形成した装置に電圧を印加させながら、被処理水を該脱塩室に流入し、濃縮室供給水を該濃縮室に流入する運転方法において、濃縮室出口水が有機体炭素濃度2,000μgC/l以下、且つ導電率10μS/cm以上となる条件で運転することを特徴とする電気式脱塩水製造装置内の菌発生抑制方法。
  2. 濃縮室入口水が有機体炭素濃度500μgC/l以下、且つ導電率1μS/cm以上であることを特徴とする請求項1記載の電気式脱塩水製造装置内の菌発生抑制方法。
  3. 前記濃縮室供給水が、該脱塩室に供給される被処理水から分岐して供給されるものであることを特徴とする請求項1又は2記載の電気式脱塩水製造装置内の菌発生抑制方法。
  4. 分岐前の被処理水が、逆浸透膜で処理された水であることを特徴とする請求項3記載の電気式脱塩水製造装置内の菌発生抑制方法。
  5. 分岐前の被処理水が、精密濾過膜で処理された水であることを特徴とする請求項3記載の電気式脱塩水製造装置内の菌発生抑制方法。






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